JPH0523931Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、液体燃料としてのオイルを用いて外
部混合形ノズルによるバーナーのノズルに関する
ものである。

従来の技術 従来の外部混合形液体燃料用バーナーは、液体
燃料例えば重油を高圧によつてノズルより高速に
噴出し、微粒化を効率よく行なうために旋回させ
て噴出させている。ところで、保炎効果を高める
ために、旋回流を強くすると、火炎の拡散炎域が
広くなり、狭いバーナータイル内面部に未燃油の
炭素が固着成長して適当の火炎を保持しなくなる
欠点を有する。また反対に旋回流を弱くすると重
油を所望の保炎に保つまで量を絞つて使用する場
合には失火してしまいバーナー本来の役目を果さ
なくなる。

考案が解決しようとする問題点 本考案は、前記従来のバーナーの欠点を除くた
めに、高圧（例えば：1atm程度）の一次空気の
旋回流を形成させる旋回溝をノズル軸体の外周部
に設け、さらにノズル軸体の中心部に穿たれたオ
イル供給流路から重油を圧送してスロート部で両
材を強制混合させ、スロート部の先部を末広りに
形成させて火炎の急激な膨脹を前記末広部で抑え
るようにした。

従つて、本考案は、低グレードの重油を用いて
も保炎効果を高めることができ、しかも狭いバー
ナータイル内面部に未燃油の炭素の付着成長が防
止され且つ少量の給油でも安定な火炎の形成を図
ることを目的とする。

問題点を解決するための手段 上記目的を達成するための本考案の構成を、実
施例に対応する添付図に基づいて説明すると、本
考案は、ノズル本体１の先部を末広部２に形成さ
せ、この末広部の基部をスロート部３に形成させ
るとともに、このスロート部の内側基部を内方に
向けてラツパ状に拡大し続いてノズル空洞部４を
構成させる。この空洞部内に、軸体５ａの先端部
を細突出部５ｂに形成させると共に後端部を延長
軸５ｃに形成させてなる軸本体の中心部を貫通さ
せてオイル流路５ｄを穿ち、前記軸体の外周部に
軸方向に対して適宜の斜角の旋回溝５ｅを施して
構成されるオイル供給ノズル軸体５の細突出部５
ｂの先部をスロート部に向けてノズル空洞部４内
に挿設した構造とした。

作 用 そして本考案は前記の手段により、オイル供給
ノズル軸体５に穿たれたオイル流路からオイルと
しての重油が圧入されると同時に、加圧空気がノ
ズル空洞部内に圧入されると、その空気は軸体の
外周部に施された旋回溝によつて強制旋回流を形
成してスロート部内で両材は混合されて噴出し、
燃焼による火炎は末広部２で拡散炎となつてバー
ナータイル内に噴炎される。したがつて、狭いバ
ーナータイル内でも有効炎域が存在するので未燃
油の炭素がバーナータイル内面部に付着するのが
防止される。

上記スロート部内において空気とオイルを混合
させるに際し、スロート部を設けることにより、
オイル流路内が＋圧側に作用してオイル流量が安
定となるのでその流量コントロールが容易となる
が、スロート部を形成させないとエゼクタ効果を
生じて負圧となるのでオイルが引かれ流量が安定
されない。さらにノズル空洞部と旋回溝より流入
する空気の膨脹部を直線のスロート部に形成する
ことにより周方向への広がりを防止するので狭フ
レームとなりて強制旋回流を形成させてオイルと
強制混合させることができる。

液体燃料用噴霧器において、ノズル本体の先部
を末広に形成した例は、「燃焼機器工学、日刊工
業新聞社、（昭50、12、10）P126」に示され、そ
のエネルギーの分布について述べられているが、
特に本考案の構成手段については明示されていな
い。

また、本考案の手段においては、低グレードの
重油および少量の重油においても有効燃焼が可能
である。この理由は重油と空気の混合が完全に行
なわれるためである。

ノズル軸体の外周部に施される旋回溝の斜角
は、軸方向に対して30°以上望ましくは30〜45°で
あつて、溝幅・深さはバーナーの容量等を考慮し
て実験的に定められる。また末広部の開角もバー
ナータイルの開口によつて定められる。

実施例 以下図面について本考案の実施例を説明する
と、１はノズル本体であつて、このノズル本体の
先部を末広部２に形成させ、この末広部の基部を
スロート部３に形成させ、さらにスロート部の内
側基部を内方に向けてラツパ状に拡大し続いてノ
ズル空洞部４を構成させる。

前記空洞部内に、軸体５ａの先端部を細突出部
５ｂに形成させ、その軸体の後端部を延長軸５ｃ
に形成させてなる軸本体の中心部を貫通させてオ
イル流路５ｄを設け、前記軸体５ａの外周部に軸
方向に対し30°の旋回溝５ｅを施して構成される
オイル供給ノズル軸体５がその細突出部５ｂの先
部をスロート部内に向けて挿設される。ノズル本
体１の後部は導管６に螺合されている。

前記細突出部５ｂはスロート部内壁面と適宜の
間隙をもたせる寸法に形成される。

考案の効果 本考案は上記の構成であるから、末広部でスロ
ート部内のオイルと空気の混合体の急激な膨脹を
抑え込むので、バーナータイル内の火炎が適性に
保たれるのでバーナータイル内面部に未燃焼炭素
の固着成長が防止される。さらに低グレードの重
油においても、安定燃焼が可能であるのでバーナ
ーの使用中に失火することがない。さらに狭いバ
ーナータイル内で少量の重油を燃焼させても安全
燃焼が図られるので失火することが防止される等
の効果をもたらす。

以下に実験結果の一例を示す。

実験条件：Ｃ級重油８／ｈ、噴射圧0.8Kg／
cm² 実験に供したノズル。

（） 本考案に係るノズル。

スロート部の噴口径4.6mm、末広部の吐出口径
10mm、旋回溝：45°、幅1.5mm×深さ1.4mm×６溝 （） 本考案に係るノズルにおいて末広部を設
けないもの。

（） ノズル軸体に旋回溝およびノズル本体に
末広部を設けないもの。

（） ノズル軸体に旋回溝を施さずにかつノズ
ル本体に末広部を設けたもの。

上記本考案に係るノズルを用いた場合は、バ
ーナータイル内面部に未燃油の付着成長も、失火
も見られなかつた。のノズルを用いた場合は、
バーナータイル内面部に未燃油が付着し、炭化成
長が著しくバーナーの継続使用は困難であつた。
及びのノズルを用いた場合は、何れも失火を
生じた。

上記実験結果に見られるように、本考案に係る
ノズルを使用するとバーナータイル内面部に未燃
油の付着成長が阻止され且つ失火することがなく
安全確実にバーナーを使用することができる。こ
のように、本考案に係るノズルを用いると燃料選
択幅の広範囲化、燃料効率の向上、バーナー管理
の簡素化、燃料条件の広域化が図られるので燃焼
炉用バーナーに適用すると極めて有効である。

【図面の簡単な説明】

添付図は本考案に係る外部混合形オイルバーナ
ー用ノズルの要部を示す長手方向の断面図であ
る。 １……ノズル本体、２……末広部、３……スロ
ート部、４……ノズル空洞部、５……オイル供給
ノズル軸体、５ａ……軸体、５ｂ……細突出部、
５ｃ……延長軸、５ｄ……オイル流路、５ｅ……
旋回溝。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ノズル本体１の先部を末広部２に形成し、該末
   広部の基部をスロート部３に形成させると共に、
   前記スロート部の内側基部を内方に向けてラツパ
   状に拡大し続いてノズル空洞部４を構成し、該ノ
   ズル空洞部内にノズル軸体５ａの先端部を細突出
   部５ｂに形成させると共に後端部を延長軸５ｃに
   形成させてなる軸本体の中心部を貫通させてオイ
   ル流路５ｄを設け、ノズル軸体５ａの外周部に軸
   方向に対して適宜の斜角の旋回溝５ｅを施してな
   るオイル供給ノズル軸体５の細突出部の先部を前
   記スロート部に向けて該オイル供給ノズル軸体５
   をノズル空洞部４内に挿設した外部混合形オイル
   バーナー用ノズル。