JPH05238955A - 生理活性ペプチドの安定化方法 - Google Patents

生理活性ペプチドの安定化方法

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JPH05238955A
JPH05238955A JP4079343A JP7934392A JPH05238955A JP H05238955 A JPH05238955 A JP H05238955A JP 4079343 A JP4079343 A JP 4079343A JP 7934392 A JP7934392 A JP 7934392A JP H05238955 A JPH05238955 A JP H05238955A
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Yosuke Suzuki
要介 鈴木
Katsuya Mukai
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 両親媒性高分子集合体を薬物キャリアーとし
て用いることにより、生理活性ペプチドの安定性を向上
させる方法に関する。 【構成】 一般式 (式中のR1 、R2 およびR3 はHまたはCH3 、R4
はオクタノール/水分配係数が0.5以上のアルコール
性疎水性基であり、Xは1〜100の整数である)で表
される両親媒性共重合体からなる集合体に生理活性ペプ
チドを封入してなる生理活性ペプチドの安定化方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、両親媒性高分子集合体
を薬物キャリアーとして用いることにより、生理活性ペ
プチドの安定性を向上させる方法に関する。
【0002】
【従来の技術】遺伝子工学の発展にともない、種々の生
理活性ペプチドの大量合成が可能になり、医薬品への応
用が期待されている。しかしながらその多くのものは血
液中では不安定であり十分な薬効が得られていないのが
現状である。生理活性ペプチドの血中安定化手段として
は、ポリエチレングルコールなどの親水性高分子による
化学修飾法が挙げられる。しかしながら修飾による生理
活性の低下や反応制御の困難さ、抗原性の発現、修飾ペ
プチドの安定性などの問題や薬効成分として用いる生理
活性ペプチド毎に修飾部位を設計しなおす必要があると
いった欠点があった。
【0003】尚、本発明に用いられる両親媒性共重合体
は、従来から知られたものであり、例えば、特開昭53
−86790、特開昭51−4222、特開昭52−8
1196、特開昭50−65535にその記述がある。
しかしながら、これらの技術は、酸化硬化性を有する非
イオン性水溶性樹脂、水溶性ラテックス塗料用増粘剤、
水溶性樹脂繊維処理剤、感圧性接着剤組成物に関するも
のであり、本発明に関わる医薬用途を目的とした生理活
性ペプチドの安定化の可能性を示唆するものではない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は化学修飾を用
いずに生理活性ペプチドの封入が容易で安定性を向上さ
せた新規薬物キャリアーを提供するためになされたもの
である。
【0005】
【課題を解決するための手段】従来知られた高分子キャ
リアーとしてはアルブミン,イムノグロブリンG,デキ
ストラン,アガロース,DNA,ポリリジン,ポリグル
タミン酸,ポリアスパラギン酸,ポリビニルアルコー
ル,ポリヒドロキシプロピルアミド,スチレン/マレイ
ン酸共重合体,ジビニルエーテル/無水マレイン酸共重
合体,ポリエチレングリコール,ポリエチレングリコー
ル/ポリアスパラギン酸ブロック共重合体などの天然高
分子,合成高分子が挙げられられるが、ほとんどが親水
性高分子であり、生理活性ペプチドとの相互作用は期待
できない。また、これらのキャリアーシステムに用いる
ことのできる薬物は低分子のものが多く、しかも共有結
合により強固に結合したものがほとんどである。
【0006】一方、生理活性ペプチドの多くは、界面活
性能を示し、分子内に適当な親水ドメインと疎水性ドメ
インを有し、安定な高次構造を保っている。このような
生理活性ペプチドとキャリアー間の相互作用を可能にす
るには、疎水性相互作用を利用することが有利であり、
適当な親水/疎水バランスを有する両親媒性高分子集合
体を調製すれば、その内部に生理活性ペプチドを確保
し、非共有結合的に目的薬物の安定化が計れるものと予
想される。
【0007】そこで、本発明者は上記の目的を達成する
ために鋭意検討を重ねた結果、本発明者により合成され
たポリエチレングリコールユニットを有するアクリル
(メタクリル)系モノマー(親水部,Aモノマー)と高
級アルコールアクリル(メタクリル)酸エステル系モノ
マー(疎水性部,Bモノマー)を共重合することにより
得られる両親媒性共重合体を用いると上記目的を達成で
きることを見いだした。本発明は、この知見に基づいて
なされたものであり、従来知られていた親水性高分子の
生理活性ペプチドへの共有結合による修飾でなされる安
定化方法の上記問題点を解決した生理活性ペプチドの安
定化を可能にする。
【0008】本発明は、一般式
【0009】
【化1】
【0010】(式中のR1 、R2 およびR3 はHまたは
CH3 、R4 はオクタノール/水分配係数が0.5以上
のアルコール性疎水性基であり、Xは1〜100の整
数、nは30以上の整数、mは5以上の整数。)で表さ
れる両親媒性共重合体からなる集合体に生理活性ペプチ
ドを封入することによる生理活性ペプチドの血液中での
安定化よりなる。
【0011】本発明に用いる共重合体のモノマーの種類
は、安定化しようとする生理活性ペプチドの性質に合う
適当な親/疎水のバランスを得るために適宜選択でき
る。また、用いるモノマー比も適宜選択できる。モノマ
ーAはポリオキシエチレンユニット数xが1〜100の
メタクリレートあるいはアクリレート、好ましくは10
〜100、より好ましくは20〜50のメタクリレート
あるいはアクリレートである。
【0012】一方、モノマーBは集合体を形成するとと
もに目的とする生理活性ペプチドを封入するのに十分な
疎水性を与える高級アルコールのアクリル酸あるいはメ
タクリル酸エステルであり、炭素数1〜18、好ましく
は4〜18、より好ましくは6〜18のアルコールエス
テルでオクタノール/水分配係数が0.5以上にあるこ
とが必要となる。また、モノマーBとしては、コレステ
ロールのアクリル酸あるいはメタクリル酸エステルも効
果的であり、生理活性ペプチドの封入率の向上、安定性
の向上をはかることができ極めて有用である。
【0013】本発明の両親媒性共重合体は一般のラジカ
ル重合法により容易に調製することができる。たとえ
ば、溶媒としてベンゼンを用い、一般的なアゾ系開始剤
であるV−65などで重合を行う。重合物の精製は、n
−ヘプタンなどに再沈澱することにより行うことができ
る。尚、前記一般式におけるnは30以上の整数を示
し、具体的には30〜500の範囲、好ましくは30〜
300、より好ましくは30〜200の範囲内の整数で
ある。又、mは5以上の整数を示し、具体的には5〜5
00の範囲、好ましくは5〜200、より好ましくは5
〜100の範囲内の整数である。
【0014】本発明における両親媒性共重合体により安
定性の向上が期待できる生理活性ペプチドとしては、現
在注射剤として投与されている全ての薬剤を含めた生理
活性ペプチドに応用できる。例えば、インスリン,カル
シトニン,GM−CSF,M−CSF,エリスロポエチ
ン,hANP,SOD,HGF,EGF,NGFなどが
挙げられる。
【0015】本発明におけるペプチドの両親媒性高分子
集合体への封入は以下の要領で容易に行うことができ
る。すなわち、目的とするペプチドの濃厚溶液をペプチ
ドの等電点付近にpHを調整したポリマー分散液に添加
し、攪拌することにより高分子集合体へのペプチドの封
入を行える。
【0016】
【実施例】次に、実施例によって本発明をさらに詳細に
説明する。 実施例1〔両親媒性共重合体の調製〕 冷却器、攪拌器を備えたセパラブルフラスコにベンゼン
300ml、親水性モノマー(A)および疎水性モノマ
ー(B)をモル比7/1、総モノマー濃度75mMにな
ように加えモノマー溶液とした。これにアゾ系ラジカル
開始剤V−65(和光純薬)を3.0mMになるように
溶解し、60℃にて8時間重合した。反応は均一系で進
行した。 得られた反応液をn−ヘプタン中に再沈澱させ、精製を
行い目的とする共重合体を得た。得られた共重合体のH
−NMR測定より共重合体中のモノマー単位組成を計算
したところ、仕込A/Bが7/1に対して、重合体中に
おいても7/1であった。得られた共重合体のGPCに
よる分子量測定をTHFを移動相として行った。GPC
測定は非水系カラム(Toso TSK−ゲル;GMH
−XL)を用い、流速1ml/mim、42℃にて行っ
た。その結果、ポリスチレン換算重量平均分子量は8
7,000、分子量分布(Mw/Mn)は1.5であっ
た。
【0017】実施例2〔インスリン封入両親媒性高分子
集合体の調製〕 モデルペプチドとして Bovin Insulin(INS)を封入
した両親媒性高分子集合体の調製を以下のように行っ
た。pH3.0のリン酸緩衝溶液5mlにINS20U
を溶解しINS溶液とした。これを実施例1で調製した
pH7.4の両親媒性高分子溶液30ml(25mg/
ml)にINSとして0.25U/mlになるように添
加した。限外濾過法(分画分子量30,000)により
求めた非封入INS濃度と添加したINSの量から封入
率を測定したところ、約80%のINSが両親媒性高分
子集合体に封入されていることが明かとなった。得られ
たINS封入分子集合体の粒径をレーザー光散乱法より
求めたところ、数平均粒子径は120nmであった。
【0018】実施例3〔両親媒性高分子集合体によるI
NSの体内動態の制御〕 実施例2で調製したINS封入両親媒性高分子集合体に
よるINSの血中寿命の延長について検討した。雄性ラ
ット(250g)の大腿静脈よりINS封入高分子集合
体およびフリーINSをINS換算で0.5U/kgで
投与したのち、一定時間毎に採血し、EIAより血漿中
のINS濃度を測定した。結果を図ー1に示す。台形法
によりそれぞれのAUCを求めたところ、フリー体で投
与したときに比べ、両親媒性高分子集合体封入体でAU
Cが3倍に向上した。以上の結果より、INSを両親媒
性集合体に封入すると生体内寿命を延長できることが明
かとなった。
【0019】
【発明の効果】本発明による両親媒性共重合体を用いる
ことにより、上述した従来の親水性高分子を用いた際の
問題点を解決することができ、モノマー組成を若干変更
することによりあらゆる生理活性ペプチドに対応した安
定化の向上をはかることが可能になる。そのため、体内
に投与された生理活性ペプチドの動態を制御することが
でき、徐放性及び持続性にも有意義な作用効果を発揮
し、優れた医薬製剤となりうるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】インスリンの血中濃度推移を示す。
【符号の説明】
● 実施例2のインスリン封入両親媒性高分子集合体 ▲ インスリン単独
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 37/30 8314−4C 47/32 J 7433−4C

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式 (式中のR1 、R2 およびR3 はHまたはCH3 、R4
    はオクタノール/水分配係数が0.5以上のアルコール
    性疎水性基であり、Xは1〜100の整数、nは30以
    上の整数、mは5以上の整数。)で表される両親媒性共
    重合体からなる集合体に生理活性ペプチドを封入してな
    る生理活性ペプチドの安定化方法。
JP4079343A 1992-02-28 1992-02-28 生理活性ペプチドの安定化方法 Expired - Fee Related JP3066510B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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