JPH05238880A - エピタキシャル成長方法 - Google Patents

エピタキシャル成長方法

Info

Publication number
JPH05238880A
JPH05238880A JP4373292A JP4373292A JPH05238880A JP H05238880 A JPH05238880 A JP H05238880A JP 4373292 A JP4373292 A JP 4373292A JP 4373292 A JP4373292 A JP 4373292A JP H05238880 A JPH05238880 A JP H05238880A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
substrate
growth
gas
chamber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP4373292A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenya Nakai
建弥 中井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujitsu Ltd filed Critical Fujitsu Ltd
Priority to JP4373292A priority Critical patent/JPH05238880A/ja
Publication of JPH05238880A publication Critical patent/JPH05238880A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 マスクレスで基板上の所定領域のみにゲルマ
ニウムないしゲルマニウム混晶領域を形成しうるSi基
板上へのGe系半導体の選択エピタキシャル成長方法に
関し、従来開発されてきたMBEおよびCVD法の長所
を取込みながら、マスクレスでSi下地結晶上の所定領
域にのみ高品位のGe層ないしSi1-x Gex 混晶層を
選択的にエピタキシャル成長させることのできる技術を
提供することを目的とする。 【構成】 水素化シリコンを含むガスを成長室内に導入
して基板上にSi層をエピタキシャル成長させる第1の
工程と、次いで、シリコンを含むガスを成長室内から強
制排気した後、基板上の所定領域のみにエネルギ線を照
射する第2の工程と、次いで、水素化ゲルマニウムまた
はゲルマニウム有機化合物を含むガスを成長室内に導入
して上記エネルギ線照射領域のみにGe層を選択的にエ
ピタキシャル成長させる第3の工程と、次いで、ゲルマ
ニウムを含むガスを成長室内から排出する第4の工程と
を含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、Si基板上へのGe系
半導体のエピタキシャル成長方法に関し、特にマスクレ
スで基板上の所定領域のみにゲルマニウムないしゲルマ
ニウム混晶領域を形成しうるSi基板上へのGe系半導
体の選択エピタキシャル成長方法に関する。
【0002】結晶成長法の急速な進展によって格子定数
不整合が大きくて従来困難視されていたヘテロエピタキ
シャル成長が近年歪ヘテロ接合として可能となった。そ
の代表的な応用例がSi基板上へのヘテロエピタキシャ
ル成長である。
【0003】従来、Si系素子では実現できなかった光
ICや、2次元電子ガスを利用したHEMTを含むSi
LSIがヘテロエピタキシャル成長によりSi基板上に
高密度に集積できるとして期待されている。
【0004】なかでもSi1-x Gex 混晶のヘテロエピ
タキシャル成長は、Siを基盤としたバンドギャップエ
ンジニアリングを実現する可能性ある材料として注目さ
れ、選択ドープSi1-x Gex /Siヘテロ接合でHE
MTやHBTが試作されている。
【0005】また、Si1-x Gex /Si歪超格子を利
用したナローギャップ型長波長帯フォトダイオードも検
討されている。さらに、Ge/Si歪超格子は直接遷移
型再結合をすることが報告されており、発光素子への応
用も注目されている。
【0006】これらSi1-x Gex /Siヘテロ接合を
利用した各種素子をSi基板上に2次元的あるいは3次
元的に高集積化する場合、微細な所定領域のみに高品位
の活性層を選択成長させる技術が要求される。
【0007】
【従来の技術】Si基板上にSi1-x Gex 混晶層を高
集積度で成長させる技術として従来利用されたものに分
子線エピタキシャル成長(MBE)および化学気相堆積
法(CVD)がある。
【0008】MBEは、成長層の膜厚および組成を原子
レベルで制御可能な方法であるが、基板上の所定領域だ
けにSi1-x Gex 層を堆積させることは困難である。
また、非平衡状態で結晶成長を行なうため、結晶欠陥密
度が多い。
【0009】一方、CVDは厚みや組成制御の点でMB
Eより劣るが、Si1-x Gex 成長層の結晶性および量
産性の点でMBEより優れていることは広く知られてい
る。しかし、基板上の所定領域にだけSi1-x Gex
を堆積させることはMBE同様極めて困難である。
【0010】MBEやCVDを用いて微小サイズのSi
1-x Gex (0<x≦1)活性層をSi基板上に形成
し、この活性層を別の組成の結晶、たとえばSiで埋め
込むにはSiO2 等からなる選択成長用マスクを用い
て、まずSi1-x Gex 活性層をマスク開口部に成長さ
せ、しかる後マスクを除去し、次にSiを成長させると
いう工程が必要であった。
【0011】しかし、この従来技術では工程数が多くな
り、コスト上昇を招く。加えて、開口部が0.1μm幅
以下の超微細幅の選択成長は、マスクパターンを切るこ
とが紫外線による最新技術を用いても困難であるため、
事実上不可能であり、量子細線や量子箱構造を持つ量子
効果素子形成の大きな制約となっている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】Si基板上にSiLS
IとワンチップでSi1-x Gex (0<x≦1)を活性
層とする光、電子機能素子を高密度集積するにはSi
1-x Gex 混晶を選択的にエピタキシャル成長する技術
が望まれている。
【0013】本発明の目的は、従来開発されてきたMB
EおよびCVD法の長所を取込みながら、マスクレスで
Si下地結晶上の所定領域にのみ高品位のGe層ないし
Si 1-x Gex 混晶層を選択的にエピタキシャル成長さ
せることのできる技術を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明のエピタキシャル
成長方法は、水素化シリコンを含むガスを成長室内に導
入して基板上にSi層をエピタキシャル成長させる第1
の工程と、次いで、シリコンを含むガスを成長室内から
強制排気した後、基板上の所定領域のみにエネルギ線を
照射する第2の工程と、次いで、水素化ゲルマニウムま
たはゲルマニウム有機化合物を含むガスを成長室内に導
入して上記エネルギ線照射領域のみにGe層を選択的に
エピタキシャル成長させる第3の工程と、次いで、ゲル
マニウムを含むガスを成長室内から排出する第4の工程
とを含む。
【0015】
【作用】シリコンソースガスを導入して基板上にSiを
エピタキシャル成長する。この状態でゲルマニウムソー
スガスを導入しても、ゲルマニウム層は直ちには成長し
ない。基板表面にエネルギ線を照射すると、ゲルマニウ
ムソースガスの導入により速やかに結晶成長を行なえる
状態となる。このため、エネルギ線を照射した領域のみ
にGeを選択的に成長させることができる。
【0016】Siのエピタキシャル層表面は水素で覆わ
れた状態と考えられる。ゲルマニウムソースガスはこの
水素と置換する能力が低く、直ちにゲルマニウム層をエ
ピタキシャル成長できないものと考えられる。エネルギ
線を照射すると、Si層表面の水素が脱離し、ゲルマニ
ウムソースガスの導入により速やかにゲルマニウム層の
成長が行なえる状態になると考えられる。
【0017】
【実施例】図1は、本発明を実施するために用いた気密
性の高い減圧エピタキシャル成長装置の構成概略を示
す。
【0018】図において、ガス導入系2、ガス強制排気
系3、電子線、荷電粒子線または電磁波からなるエネル
ギ線の照射装置4がステンレス製成長室1に接続され、
基板保持装置6が成長室1内に設置されている。荷電粒
子線としてはα線や不活性ガスイオン等が可能であり、
電磁波としては100〜200nmの紫外線が可能であ
ると考えられる。
【0019】本発明の基本構成においては、基板保持装
置6に設置されたSi基板5上にSi層を成長し、その
上にGe層を選択的にエピタキシャル成長させる場合、
ガス導入系2より水素化シリコンガスを成長室1内に導
入して基板上にSiをエピタキシャル成長させる第1の
工程と、強制排気して真空状態で基板上の所定領域のみ
にエネルギ線を照射する第2の工程と、ガス導入系2よ
り水素化ゲルマニウムガスまたはゲルマニウム有機化合
物蒸気を成長室1内に導入して、上記エネルギ線照射領
域のみにGe層を選択的に成長させる第3の工程と、ガ
ス強制排気系3によゲルマニウムを含むガスを成長室1
内から排出する第4の工程とをこの順序で行なう。
【0020】マスクレスでエネルギ線照射領域のみにG
e層が選択成長する。この理由は明らかではないが、S
i表面が水素で終端されている状態とSi表面が露出さ
れている状態とで、供給されたゲルマニウムソースガス
分子がSi表面の結晶分子と結合して結晶化するのに要
するエネルギに差があるためと考えられる。この様子を
実験結果で示したのが図2である。
【0021】図2(A)は、図1の成長室1内にGeH
4 とSi2 6 とを交互に導入してGe/Siの交互層
をSi基板5上にエピタキシャル成長させるときの成長
室内の各ガス分圧の変化を示す。GeH4 とSi2 6
の各ガスは、一定時間流した後で、一旦排気する。この
ため、共に分圧がゼロの時間がある。
【0022】図2(B)はSi基板5の温度を500℃
に保ち、図2(A)のガス供給プログラムに沿ってSi
基板5上にGe/Siの交互層をエピタキシャル成長さ
せた場合の成長層の周期をX線回折で調べ、GeH4
給時間t2 の関数として示したものである。この場合、
Si2 6 供給時間t1 は一定(60秒間)とし、t 2
のみを変化させた。Si2 6 をソースガスとした50
0℃の結晶成長は、ほぼ限界であり、ゆっくり進む。こ
の条件下では一周期中のSiエピタキシャル層厚みは8
Aとなる。
【0023】図2(B)は、GeH4 の供給時間が一定
値(この条件下ではほぼt2 =18秒)より短い場合
(以下、潜伏時間という)成長層の一周期幅が8Aから
変化しない、すなわち実質上Geを含む層が成長しない
ことを示している。
【0024】一般に、シリコンのエピタキシャル成長は
Si2 6 の場合約500℃以上で、Si3 8 の場合
約450〜470℃以上で可能となる。また、Geのエ
ピタキシャル成長はより低温、たとえばGeH4 の場
合、約300℃以上で可能となる。しかし、Si層成長
後にGe層を成長しようとすると、500℃でも一定時
間(潜伏時間)内はほとんど成長が行なわれない。
【0025】これは、水素で終端されたSi結晶表面の
触媒作用が小さく、供給されたGeガス状分子が結晶表
面に吸着して結晶化するのに一定の時間を要することを
示していると考えられる。
【0026】しかるに、GeH4 供給時間t2 を潜伏時
間内に留めてもGeH4 ガス導入直前にSi基板5表面
を電子線や荷電粒子線あるいは紫外線や軟X線等のエネ
ルギ線で照射すれば、照射部のみに選択的にGeがエピ
タキシャル成長することが確かめられた。
【0027】Si層とGe層を交互に成長すると、原理
的にはSi/Ge超格子構造が形成される。周期を短く
すると実効的なSi1-x Gex 混晶が得られる。また、
温度を高くすると相互拡散が生じ、実効的Si1-x Ge
x 混晶が得られる。このような実効的Si1-x Gex
晶はGe層を選択成長することにより基板上に選択的に
形成される。
【0028】ただし、Ge層は10A以上の膜厚になる
と、2次元成長から島状成長に転ずるので、一周期にお
けるGe膜厚は数原子層以内に留めることが好ましい。
前記第1の工程から第4の工程までを繰り返すことによ
って、Si基板5上の所望領域のみにSi1-x Ge
x (0<x<1)の実効的混晶を所望の厚さに堆積する
ことができる。また、Si層のみの成長と組み合わせる
ことにより実効的Si1-x Gex /Siのヘテロ接合を
形成できる。
【0029】水素で終端されたSi結晶表面に対してエ
ネルギ線照射を行なうことによって照射領域が脱水素化
され、表面接触作用が高められてGeガス分子の結晶化
が促進されるものと考えられる。
【0030】このように、エネルギ線の利用により、マ
スクレスでSi基板上にGe層が所望のパターンで堆積
できるようになった。このことは、Si基板の所望領域
に量子細線や量子箱というGe/Si系量子超格子から
なる量子効果素子を形成しうることを示している。
【0031】さらに、上述の実験では減圧エピタキシャ
ル成長を採用している。供給ガスは分子線を用いる必要
がないので大面積の基板、複数の基板に対応できる利点
を持っている。
【0032】以下、本発明をより具体的な実施例に基づ
いて詳しく述べる。図1の装置を用いて、Si基板5上
にストライプ状の実効的Si1-x Gex 混晶層を選択エ
ピタキシャル成長させ、この領域をSiで埋め込んだ。
成長装置は、たとえばステンレスで形成された成長室1
に、ガス導入系2、ガス排気系3、電子照射装置4、試
料室7が接続された構成を有する。
【0033】ガス導入系2は、Ar、He等のキャリア
ガスを供給するキャリアガスライン21にゲルマニウム
ソースガス(GeH4 +Ar)を供給する第1ソースガ
スライン22、シリコンソースガス(Si2 6 +A
r)を供給する第2ソースガスライン23等が接続され
た構成を有する。
【0034】また、これらの第1ソースガスライン2
2、第2ソースガスライン23は、それぞれ排気系に接
続されたベントライン24にも接続されている。この構
成により、ソースガスは一定量を連続的に供給し、供給
先を成長室1とベントライン24で振り分ける制御が行
なわれる。この振り分け制御を行なうため、ブロックバ
ルブ25が用いられる。
【0035】また、図示しないが、成長に先立って表面
酸化膜を除去するための水素を供給する水素ガスライン
も設ける。用いた成長装置は気密性が高く、He洩れ検
知器によって装置全体の気密度が10-8at・cc/s
ec以下であることが確かめられた。不純物レベルが高
いとSi層はアモルファス化し易い。このため、高品位
のSiエピタキシャル層を得るには高気密性が望まれ
る。
【0036】また、ガス導入系2より成長室1内に導入
する各ガス、すなわちSi2 6 、GeH4 およびAr
(キャリアガス)は不純物測定の結果、残留酸素が5p
pb以下、H2 O、CO、CO2 の各濃度合計が50p
pb以下と極めて高純度であった。
【0037】ガス強制排気系3は、導入ガスの強制排気
に用いるロータリーポンプ系R(1Torr程度にまで
減圧)と電子線照射のための高真空化用大型ターボ分子
ポンプ系M(10-6〜10-9Torr程度まで排気)を
含む。
【0038】基板上方に設けられた電子線照射装置4
は、加速電圧40KV、照射電流最大10mAの仕様で
ある。電子銃41から発した電子線は静電レンズ(また
は電磁レンズ)42によって収束され、偏向器43によ
って照射領域のみを掃引するよう制御されている。
【0039】Si基板5は(001)の面方位を有し、
成長装置内に挿入する前にH2 SO 4 −H2 2 系混合
液を用いて表面処理を行なう。次いで試料室7から成長
室1内に挿入し、ヒータ61を備えた基板保持装置6上
に載置する。エピタキシャル成長の直前に10Torr
の低圧水素を成長室1に導入し、基板を900℃に加熱
して約10分間表面酸化膜の除去を行なう。
【0040】しかる後、自然冷却によって500℃まで
降温し、Si基板5をこの温度に保持してエピタキシャ
ル成長を行なう。図3は、本実施例のSi1-x Gex
トライプ膜成長で用いられたガス供給プログラムであ
る。Si2 6 ガス分圧をPSi2 6 で、GeH4
ス分圧をPGeH4 で、Arガス分圧をPArで規格化
して示す。図中、アルゴン分圧PArの曲線に重ねて矢
印で電子線の照射を例示する。
【0041】最初に60秒間、Arキャリアガスと共に
Si2 6 を成長室1に導入して、基板5上に厚さ約8
AのSi層をエピタキシャル成長させる。次いで電子線
照射のために導入ガスを止め、成長室1内を10-6To
rrの真空度まで急速排気する。
【0042】次に、電子線照射装置4を制御して直径約
100Aに収束された電子線を数回、Siエピタキシャ
ル層上の所定領域で掃引する。所定領域は、たとえば一
定間隔をおいて配置された互いに平行な幅250Aの2
本のストライプである。この間高真空度を維持する。
【0043】次に20秒間、Arキャリアガスと共にG
eH4 を成長室1内に導入する。この結果、電子線を照
射した前記ストライプ領域にGe層が成長する。次に、
GeH4 ガスを排気し、約5秒後再びSi2 6 ガスを
導入し、次のSi層を成長する。1周期はたとえば12
0秒程度である。
【0044】なお、Si層は全面にエピタキシャル成長
し、Ge層は照射領域のみにエピタキシャル成長する。
電子線照射領域のSi/Ge交互層は非照射領域のSi
層より厚くなる。このように、Si/Ge交互層成長を
必要回数繰り返し、所望の厚さのSi/Ge交互層をエ
ピタキシャル成長する。
【0045】さらに、ロータリーポンプ系で成長室1内
の残留ガスを排除後、再びArキャリアガスとSi2
6 を流してSiカバー層を全面にエピタキシャル成長さ
せた。
【0046】自然冷却後、取り出した試料をSEMによ
って測定した。図4(A)は成長層の構造を示す見取図
であり、図4(B)はSEM付属のX線アナライザによ
って成長面直上からストライプに直交する方向に走査し
ながら組成分析した結果を示す。
【0047】図4(A)において、Si/Ge交互層は
層厚が薄いことと相互拡散のため実効的にSi1-x Ge
x 混晶のライン52a、52bとして観察された。Si
/Ge交互層成長と同時に成長されたSi領域53はS
1-x Gex ライン52a、52bより薄い。これらの
全面上にSiカバー層54が形成されている。このよう
にして、Si1-x Gex /Siヘテロ接合が選択的に形
成された。
【0048】図4(B)のデータでストライプ領域の組
成変化をみると、半値幅で測定して約250Aの幅でS
1-x Gex 層がこの領域に形成され、この領域以外に
はSi層が成長していることが判る。なお、成長が進む
につけ、Si1-x Gex のストライプ領域の幅は拡がっ
ている。
【0049】電子線照射によってSi結晶表面にGeが
結晶化し易くなるのは光化学的効果よりも熱的効果によ
る水素の解離によるものと考えられる。照射部位の温度
が局所的に上昇して吸着水素が離脱してSi表面の触媒
作用が促進するものと考えられる。
【0050】なお、上記実施例のストライプ状選択成長
領域に超格子構造を形成するには、Siカバー層の上に
再び所定のストライプ領域に電子線照射を行ないつつ、
Si 2 6 とGeH4 ガスを交互に導入するプロセス
を、上記した条件にしたがって再度行い、次にSi層を
成長し、同様の工程を必要回数繰り返せばよい。最上層
のSi1-x Gex ストライプの上に厚いSi層を堆積す
れば、超格子構造の埋め込みができる。これらの構成を
利用してHBTやHEMTを製造することができること
は当業者に自明であろう。
【0051】以上の実施例では、Ge選択成長領域を掃
引する電子ビーム直径を100Aとしたが、集束レンズ
径をより精密化することによってより微細なヘテロ成長
領域が形成しうることは自明である。
【0052】さらに、電子線に代えて、α線やArイオ
ン線等の荷電粒子線あるいは紫外線や軟X線等の電磁波
をエネルギ線として用いうることは機能的に明らかであ
る。特に、レーザは集束性に優れた高いエネルギ密度を
持つエネルギ線であって、電子線代替の有力な候補であ
る。
【0053】また、上記実施例においては、水素化シリ
コンとしてSi2 6 ガスを用いたが、他の化合物を用
いうることはいうまでもない。たとえば、Si3 8
用いればSi2 6 の場合よりも低温で(基板温度40
0℃台で)Si層の成長が可能となる。Geの成長可能
温度はさらに低いので、交互層の成長をより低温で行な
えるようになる。
【0054】成長温度を低くすれば、相互拡散の減少に
よりエネルギ線選択照射部分に形成される超格子界面の
平坦性が改善される。この結果、Si/Geの原子層オ
ーダ超格子を実現できる可能性もある。また、上述のよ
うなSi1-x Gex 型超格子を構成する場合、各ヘテロ
接合の間隔をより狭くすることも可能となる。
【0055】また、厚み方向にも一旦Si層でカバーし
た後、選択成長位置を変えて堆積することができるた
め、2次元的、3次元的に多様な形態でヘテロ接合素子
を配置することが可能である。しかも、これらGe系半
導体の成長が同一成長装置内で連続して行ないうるた
め、高品位の結晶が得られ、またコストも低くて済む。
【0056】さらに、選択成長領域を決めるエネルギ線
が十分集束されるならば、極めて微小な領域(原理的に
は10A幅)にGe系ヘテロ接合素子を形成することが
でき、量子細線や量子箱等の量子効果素子を作ることが
できる。これら量子効果素子は同一サイズ、同一パター
ンの超格子構造を形成後、Si系半導体で埋め込む構造
とすることが好ましい。
【0057】以上実施例に沿って本発明を説明したが、
本発明はこれらに制限されるものではない。たとえば、
種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者
に自明であろう。
【0058】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
マスクレスでSi層上にGe層を制御性よく選択的に成
長することができる。
【0059】実効的Si1-x Gex (0<x<1)混晶
をマスクレスで選択的に成長することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例で用いた結晶成長装置の構成を
示す概略図である。
【図2】図1の装置によるSi基板へのGe/Si交互
層成長時のデータを示す。図2(A)は成長室内に導入
される原料ガス分圧の時間変化を示すグラフ、図2
(B)は図2(A)のt1 (Si2 6 供給時間)を一
定(60秒間)とし、t2 (GeH4 供給時間)をパラ
メータとしたとき得られる周期幅を測定したデータのグ
ラフである。
【図3】本実施例の一実施例であるSi基板上へのSi
1-x Gex 半導体混晶の選択エピタキシャル成長におけ
る供給ガスの導入プログラムを示すグラフである。
【図4】図3のプログラムにしたがってSi基板上にエ
ピタキシャル成長した結晶の構造を示す。図4(A)は
成長層の見取図、図4(B)は走査型X線アナライザー
によるSiおよびGeの組成変化を示すグラフである。
【符号の説明】
1 成長室 2 ガス導入系 3 ガス強制排気系 4 エネルギ線(電子線)照射装置 5 Si基板 6 基板保持装置 21 キャリアガスライン 22 第1ソースガスライン 23 第2ソースガスライン 24 ベントライン 25 ブロックバルブ 41 電子銃 42 静電レンズ 43 偏向器 R ロータリーポンプ系 M ターボ分子ポンプ系 52 Si1-x Gex ライン 53 Si領域 54 Siカバー層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水素化シリコンを含むガスを成長室
    (1)内に導入して基板上にSi層をエピタキシャル成
    長させる第1の工程と、 次いで、シリコンを含むガスを成長室(1)内から強制
    排気した後、基板上の所定領域のみにエネルギ線を照射
    する第2の工程と、 次いで、水素化ゲルマニウムまたはゲルマニウム有機化
    合物を含むガスを成長室(1)内に導入して上記エネル
    ギ線照射領域のみにGe層を選択的にエピタキシャル成
    長させる第3の工程と、 次いで、ゲルマニウムを含むガスを成長室(1)内から
    排出する第4の工程とを含むことを特徴とするエピタキ
    シャル成長方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のエピタキシャル成長方法
    であって、第1の工程から第4の工程までを連続的に複
    数回繰り返すことにより、前記エネルギ線照射領域のみ
    に実効的Si1-x Gex (0<x<1)混晶を形成する
    ことを特徴とするエピタキシャル成長方法。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のエピタキシャル成長方法
    であって、さらに水素化シリコンを含むガスを成長室内
    に導入し、実効的Si層をエピタキシャル成長する工程
    を含み、Si1-x Gex (0<x<1)/Siからなる
    超格子構造を形成することを特徴とするエピタキシャル
    成長方法。
JP4373292A 1992-02-28 1992-02-28 エピタキシャル成長方法 Withdrawn JPH05238880A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4373292A JPH05238880A (ja) 1992-02-28 1992-02-28 エピタキシャル成長方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4373292A JPH05238880A (ja) 1992-02-28 1992-02-28 エピタキシャル成長方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05238880A true JPH05238880A (ja) 1993-09-17

Family

ID=12671959

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4373292A Withdrawn JPH05238880A (ja) 1992-02-28 1992-02-28 エピタキシャル成長方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05238880A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001097267A1 (en) * 2000-06-16 2001-12-20 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Structure evaluating method, method for manufacturing semiconductor devices, and recording medium
JP2003502845A (ja) * 1999-06-11 2003-01-21 エレクトロン ビジョン コーポレーション 化学気相成長前に電子線処理を用いて薄膜を処理する方法
JP2006114613A (ja) * 2004-10-13 2006-04-27 Canon Anelva Corp 選択場所にエピタキシャル膜を成長させる装置および方法
JP2012089861A (ja) * 2004-06-10 2012-05-10 Applied Materials Inc Uv線を用いたシリコン含有膜の低温エピタキシャル成長
JP2013527596A (ja) * 2010-03-24 2013-06-27 ボード オブ トラスティーズ オブ ザ レランド スタンフォード ジュニア ユニバーシティ 原子層堆積による量子閉じ込め構造の照射誘起核形成
US11232586B2 (en) * 2016-10-31 2022-01-25 Nec Corporation Line-of-sight estimation device, line-of-sight estimation method, and program recording medium

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003502845A (ja) * 1999-06-11 2003-01-21 エレクトロン ビジョン コーポレーション 化学気相成長前に電子線処理を用いて薄膜を処理する方法
WO2001097267A1 (en) * 2000-06-16 2001-12-20 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Structure evaluating method, method for manufacturing semiconductor devices, and recording medium
US6720587B2 (en) 2000-06-16 2004-04-13 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Structure evaluation method, method for manufacturing semiconductor devices, and recording medium
JP2012089861A (ja) * 2004-06-10 2012-05-10 Applied Materials Inc Uv線を用いたシリコン含有膜の低温エピタキシャル成長
JP2006114613A (ja) * 2004-10-13 2006-04-27 Canon Anelva Corp 選択場所にエピタキシャル膜を成長させる装置および方法
JP2013527596A (ja) * 2010-03-24 2013-06-27 ボード オブ トラスティーズ オブ ザ レランド スタンフォード ジュニア ユニバーシティ 原子層堆積による量子閉じ込め構造の照射誘起核形成
US11232586B2 (en) * 2016-10-31 2022-01-25 Nec Corporation Line-of-sight estimation device, line-of-sight estimation method, and program recording medium

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20050268848A1 (en) Atomic layer deposition apparatus and process
US5192393A (en) Method for growing thin film by beam deposition and apparatus for practicing the same
JPH05238880A (ja) エピタキシャル成長方法
JPH06224127A (ja) シリコン膜の成長方法およびその装置
JP2694625B2 (ja) 化合物半導体基体のエッチング方法および製造方法
JP3550665B2 (ja) 炭化珪素薄膜の製造方法
JPH05213695A (ja) ダイヤモンド薄膜の堆積方法
JP7359399B1 (ja) 半導体基板および半導体基板の製造方法
JPH04212411A (ja) エピタキシャル成長方法
JPH0431391A (ja) エピタキシャル成長方法
JPH0787179B2 (ja) 超格子半導体装置の製造方法
JP2600243B2 (ja) 高純度金属の堆積方法
JPH02248034A (ja) エピタキシャル成長方法
JP4014700B2 (ja) 結晶薄膜製造方法
JPH0361335B2 (ja)
JPH0628256B2 (ja) 半導体微細加工方法および半導体微細埋込構造形成方法
JP2826972B2 (ja) 化合物半導体の極微細パターン形成方法
JPH02307894A (ja) 化合物半導体の成長方法
JP2717165B2 (ja) 化合物半導体の構造形成方法
JPH05206028A (ja) 半導体結晶の成長方法
JPH02288333A (ja) 化合物半導体のパターン形成方法
JP2721086B2 (ja) 半導体デバイスの製法
JPS62216222A (ja) イオンド−ピング機構付気相成長装置
JPS61214511A (ja) 結晶成長方法
Yoshida et al. New Damage-Less Patterning Method of A GaAs Oxide Mask and Its Application to Selective Growth by Mombe

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 19990518