JPH05238771A - 繊維の製造装置 - Google Patents

繊維の製造装置

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JPH05238771A
JPH05238771A JP3600792A JP3600792A JPH05238771A JP H05238771 A JPH05238771 A JP H05238771A JP 3600792 A JP3600792 A JP 3600792A JP 3600792 A JP3600792 A JP 3600792A JP H05238771 A JPH05238771 A JP H05238771A
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gas
central axis
orifice
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flow
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JP3600792A
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Kaoru Ikeda
薫 池田
Narikazu Yoshii
成和 吉井
Takahiro Iwai
孝宏 岩井
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Nippon Sheet Glass Co Ltd
Original Assignee
Nippon Sheet Glass Co Ltd
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B37/00Manufacture or treatment of flakes, fibres, or filaments from softened glass, minerals, or slags
    • C03B37/01Manufacture of glass fibres or filaments
    • C03B37/06Manufacture of glass fibres or filaments by blasting or blowing molten glass, e.g. for making staple fibres

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 かさ密度の低い極細繊維を安価に製造するこ
と。 【構成】 高温粘ちょう物質流出用のオリフィス3と気
体噴出ノズルの中心軸線が、前記物質流の中心軸線を横
断する断面の外周に沿う接線方向成分と、まず前記物質
流の中心軸線に徐々に接近し、次に中心軸線から徐々に
離る成分とを持つ気体流8噴出用の3本以上の気体噴出
ノズル7と、ノズルの中心軸線がオリフィス3の流出方
向の中心軸線上にほぼ収斂するかオリフィス3の中心軸
線に平行となるように指向される気体流10噴出用の複
数個の気体噴出ノズル9と、気体噴出口がオリフィス3
の中心軸線に対して概ね垂直方向に向けられた気体流1
2噴出用の気体噴出ノズル11と、気体流の流れ方向の
長さを1000〜2000mmとした筒状体13とを備
えた繊維の製造装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高温で粘ちょう状態とな
る物質、例えばガラス、プラスチック、炭素繊維製造用
調整ピッチ等から該物質の繊維を製造する方法及び装置
に関し、詳しくは例えば太さが2〜3μm以下の極細繊
維の製造に好適な方法及び装置に係る。
【0002】
【従来の技術】クリーンルームのフィルタ材として微細
なガラス繊維が大量に用いられている。また、自動車、
オートバイなどの鉛蓄電池にもガラス繊維製スペーサが
多量に用いられつつある。
【0003】これらフィルタ材あるいは蓄電池用に用い
られるガラス繊維はその直径が0.2〜3μmと非常に
細い短繊維であり、一般住宅等に用いられている断熱用
ガラス繊維に比し1/50〜1/3の大きさの直径にな
っている。
【0004】このような細径の短繊維を効率よく製造す
る方法としては火炎法が知られているが、別法としてR
GJ法(ロータリーガスジェット法、特公昭58−57
374号等)や、さらに繊維径の小さい極細短繊維を火
炎法よりも効率よく製造する方法として改良されたRG
J法(以下、RGJF法と称する。)が本出願人より提
案されている(特公昭62−226835号、特願平2
−304551号など)。RGJ法は、要すれば、粘ち
ょう物質流に沿って渦巻き状に高速気体流を吹き付け
て、該物質を細繊化する工程を有するものである。
【0005】より詳細に述べると、図5(図5(b)は
図5(a)のA−A’線切断図である。)を用いて詳細
に説明すると、例えば、図5に示すように溶融物ノズル
31から粘ちょうにされた物質32を連続に流出させる
こと、および、流出した粘ちょう物質32の進行方向に
沿う第1の区域33において、粘ちょう物質32の中心
軸に垂直な横断面外周に沿う接線方向成分を有する直線
状高速気体流34(以下、第1の高速気体流ということ
がある。)を溶融物ノズル31の周りに周方向に間隔を
置いて配置した、少なくとも3本の気体流ノズル35か
ら吹き出し、粘ちょう物質32が横方向に変位するのを
妨げるように接触させて、粘ちょう物質32を限定され
た領域に閉じ込めながら粘ちょう物質32の進行方向の
周りに回転させることからなり、それによって前記第1
区域33から粘ちょう物質32の進行方向に引き続く第
2の区域36において、主として前記気体流34の回転
の力の慣性に基づく回転による遠心力によって粘ちょう
物質32を横方向に向かって飛び出させ、そしてその飛
び出し方向を粘ちょう物質流の中心軸からみた円周方向
であって、かつ前記回転と同じ向きに回転させて、粘ち
ょう物質32から該物質の繊維37を連続的に引き出す
ことを特徴とする繊維の製造方法である。該方法におい
ては、溶融物ノズル31からの流出に際し円柱状を呈す
る粘ちょう物質32の流れに対して、該物質32の進行
方向と同一方向成分と該物質32の進行方向中心軸の周
りの回転成分とを合わせ持つ気体流34を、前記第1の
区域33においては粘ちょう物質32の流れの中心軸線
に近づくように、引き続く第2の区域36においては該
中心軸線から遠ざかるように作用させている。
【0006】ここでは、流出した粘ちょう物質32は第
1の区域33においては、該物質32の中心軸線に徐々
に近づく気体流34の作用を受けて、回転しながら先細
りの円錐形状(コーン)38を形成し、次に先細りの先
端から糸状に、すなわち一次繊維としてその回転方向、
すなわち横方向に向かって渦巻き状に旋回しながら飛び
出して行く。そして第2区域36において粘ちょう物質
32の流れの中心軸線から徐々に遠ざかる気体流34の
牽引作用を受けて延伸細化され、細い繊維37となるの
である。
【0007】このRGJ法は溶融物ノズル31より流出
した溶融物流に沿って渦巻き状に高温高圧ガス流を吹き
付けて溶融物を細繊化するので、熱効率的に優れた繊維
化法であり、中細径繊維を効率よく製造できる。
【0008】また、RGJF法は、図2に示すように第
1の高速気体流8、8’によって細繊化された繊維を、
流出するガラス、即ち粘ちょう物質流の中心軸へ向って
交差するか、もしくは該中心軸と平行に複数方向から対
向して下向きに吹き出される第2の高速気体流10、1
0’により吹き飛ばし、あるいはこれに加えて第3の高
温高速気体流12、12’を、前記物質の流出オリフィ
ス3の中心軸線を挟む少なくとも2方向から該中心軸線
に概ね垂直方向に吹き出させ、第1の気体流8、8’に
よって得られた繊維をさらに引き延ばし、極細繊維化を
行うものである。
【0009】そして、このRGJF法に於て、第1から
第3の高速気体流(以下、これらをまとめて高速噴出ガ
スと総称することがある。)の作用によって高温粘ちょ
う物質の繊維化が行われる領域(以下、繊維化領域と称
する。)に、例えば気体流の流れ方向に開口部のある筒
状体(図3参照)を設置することによって、常温の空気
を、通常この繊維化領域に流入する量よりも多量に供給
する繊維の製造方法が本出願人より提案されている(特
願平4−33230号)。この改良されたRGJF法は
従来法と比較して以下のような特徴を持っている。
【0010】改良RGJF法の特徴を説明する前に、R
GJF法や火炎法によって繊維化された極細繊維の利用
方法について述べる。RGJF法や火炎法によって得ら
れる極細繊維はコンベアーネット上に捕集され、蓄電池
のセパレータ用シート(以下、特に断わらない限り単に
セパレータと称する)やフィルタの原料繊維となる。
【0011】この原料繊維から例えば繊維同士を結合す
るバインダーを用いないセパレータを製造する場合に
は、原料繊維をパルパーや高速離解機を用いて、酸性水
溶液中で適当な長さに切断しながら解きほぐし(離解
し)、その後シート状に抄き上げる(抄造する)。
【0012】得られたシートは主にその中にバッテリー
液をしみこませた状態で用いられるが、シートのかさ密
度が低い程、バッテリー液の注入量が多くなりバッテリ
ーの寿命が長くなるため高品質のセパレータとなる。
【0013】そして繊維化領域に常温の空気を通常より
も多量に供給する前記改良RGJF法を用いれば、従来
のRGJF法に比較してかさ密度の低い高品質のシート
が得られる。しかもこの改良RGJF法は、従来法と同
じくエネルギー消費量が火炎法の約1/3と安価で極細
繊維を製造できるのである。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらその後の
研究により、この改良RGJF法には次のような課題が
存在することが分かった。すなわち、改良RGJF法で
は、繊維化領域に与えた多量の常温の空気は、領域内の
繊維に直接に、もしくは高速噴出ガスに作用をおよぼし
て、繊維を長くし、繊維同士の絡み合いを多くするか、
もしくは繊維の強度を増大するように働くと推定され
る。しかしながら、気体流の流れ方向に於ける筒状体の
長さ(以下、単に筒状体の長さと称する)によっては繊
維同士の絡み合いが不十分となる場合があることが判明
したのである。
【0015】本発明は、以上のような改良RGJF法の
課題を克服し、かさ密度の低い高品質のセパレータなど
の成形品用の極細繊維を安価に製造し得るようにするこ
とを目的としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明者らは改良RGJ
F法について、更に詳細に検討を加えた結果、筒状体を
十分長くすることによって従来の製造コストを変えず、
また繊維やシートの製造工程にも影響を及ぼさずに繊維
同士の十分な絡み合いが達成されることを知見したので
ある。以下本発明の構成と作用を説明する。
【0017】本発明は次の構成からなるものである。す
なわち、高温粘ちょう物質を流出させるための流出オリ
フィスと、各々の気体噴出ノズルの中心軸線が、前記高
温粘ちょう物質の流出方向の中心軸線を横断する断面の
外周に沿う接線方向の成分と、前記高温粘ちょう物質の
流出方向に向って、まず前記高温粘ちょう物質の流出方
向の中心軸線に徐々に接近し、次に前記中心軸線から徐
々に離れていく成分とを有する方向を指向して配設さ
れ、前記流出オリフィスの周りに周方向に間隔を置いて
配置された、第1の気体流を噴出するための少なくとも
3本の第1の気体噴出ノズルと、各々の気体噴出ノズル
の中心軸線が第1の気体流の中心軸線が流出オリフィス
の中心軸線に最も接近する第1の収斂点の更に下方にあ
って、前記流出オリフィスの流出方向の中心軸線上にほ
ぼ収斂するか又は完全に収斂する第2の収斂点を有して
いるか、あるいは前記流出オリフィスの中心軸に平行と
なるように指向されると共に、各々が前記流出オリフィ
スの中心軸線を挟んで、かつ、第1の気体噴出ノズルよ
りも流出オリフィスの外側の位置に配設された、第2の
気体流を噴出するための複数個の第2の気体噴出ノズル
と、気体噴出口が前記高温粘ちょう物質の流出オリフィ
スの下方領域において、前記流出オリフィスの中心軸
の概ね垂直方向に向けられた第3の気体流を噴出させる
ための第3の気体噴出ノズルと、該第3の気体噴出ノズ
ルより噴出する第3の気体流の下流部に、該第3の気体
噴出ノズルとの間に常温の大気を流入させるための間隔
を持たせて配置され、前記高温粘ちょう物質、第1の気
体流、第2の気体流および第3の気体流の流路となる筒
状体と、を設けた繊維製造装置において、前記筒状体の
気体流の流れ方向の長さを1000〜2000mmとす
る繊維の製造装置である。
【0018】
【作用】繊維同士の絡み合いは、低速で乱れた気流中を
繊維が移動することによって生ずる。この際、気流中に
繊維が数多く存在するほど絡み合いにとって有利である
ことは容易に想像できる。また、この絡み合いが生ずる
領域(以下、作用領域と称する)に於ける繊維と気流は
十分に冷却されていることが必要である。なぜなら、繊
維自身が高温であったり高温の気流によって加熱された
りして、繊維が粘ちょうであれば繊維同士が融着した
り、無理にひねられた状態で固化する。一般的にこのよ
うにして成形された繊維の強度は低いものである。
【0019】従って繊維の絡みにとっては作用領域にお
ける気流が繊維を過度に加熱しないように十分低温で、
加えて低速で乱れていること、および作用領域内の繊維
が十分に冷却されており、加えて繊維密度が高いことが
有利である。
【0020】いま、筒状体を十分に長くすると、筒状体
に流入した繊維化用の高温高速噴出ガスや繊維が筒状体
内を通過する間に十分冷却され、しかも筒状体を通過す
ることによる圧力損失によって気流や繊維の流速が下が
り、その気流も乱れた状態となる。しかも筒状体の内部
に繊維を閉じ込めることにより、一般の繊維成形に於て
引き延ばされた繊維が飛散する開放された空間と異な
り、繊維密度を大きく高めることができる。
【0021】従って筒状体を十分に長くすることによ
り、さきに説明した繊維同士の絡み合いに有利な条件の
全てを満たす作用領域を筒状体内部出口付近に形成する
ことができるのである。
【0022】しかも本発明によれば、筒状体を長くする
だけで、かさ密度の低いシートを製造するための良質の
繊維が得られるので、作用領域での効果を上げるために
製造コストに影響を及ぼすような余分のエネルギーを与
える必要がなく、従来と同じコストで高品質の繊維が製
造できる。
【0023】
【実施例】以下、図1から図4に示す実施例を参照しな
がら、本発明の手段と作用について更に詳細に説明す
る。なお、以下の実施例はガラス繊維の製造法及びその
装置に関するものであるが、本発明は、プラスチック、
炭素繊維製造用調整ピッチ等、高温で粘ちょうとなる物
質から該物質の繊維を製造する場合にも適用できるもの
である。
【0024】図1と図2は第3の気体流を用いるRGJ
F法で好適な一実施例に係る繊維化装置を示す図面であ
る。図1はノズルの部分底面図であり、図2は図1のI
−I’線に沿った概略部分断面図である。
【0025】図1、図2において、繊維化装置(白金ポ
ット)1には粘ちょうな溶融ガラス2が保持され、その
底部に溶融ガラス流出オリフィス3が複数個、所定間隔
毎に一直線状に設けられている。このオリフィス3の開
口3aからは、溶融ガラス2がコーン4を形成しながら
流出する。
【0026】7、7’は、第1の高温高速ガス8、8’
を噴出するための第1の気体(ガス)噴出ノズルであっ
て、溶融ガラス流出オリフィス3(開口3a)の周囲に
ほぼ対称に配置され、オリフィス3を挟んで対称的に対
向配置され、本実施例では円形のガス噴出口7a、7
b、7’a、7’bが設けられている。
【0027】9、9’は、第2の高温高速ガス10、1
0’を噴出するための第2の気体(ガス)噴出ノズルで
あって、オリフィス3を挟んで対称的に対向配置され、
本実施例では円形のガス噴出口9a、9’aが設けられ
ている。
【0028】第1の高温高速ガス8、8’と第2の高温
高速ガス10、10’はガス導入口5、5’より白金ポ
ット1の底壁内に貫設されたマニホルード6、6’に分
岐され、これに連通するガスノズル7、7’と8、8’
を通じて噴出される。
【0029】第2のガス噴出ノズル9、9’の中心軸線
は第1のガス噴出ノズル7、7’の中心軸線が流出オリ
フィス3の中心軸線に最も接近する点の更に下方であっ
て該溶融ガラス流出オリフィス3の中心軸線上にほぼ収
斂するか又は完全に収斂する第2の収斂点を有している
か、あるいは該溶融ガラス流出オリフィス3の中心軸線
に平行であってもよい。なお、第2のガス噴出ノズル
9、9’は第1のガス噴出ノズル7、7’より流出オリ
フィス3の外側に配置されている。
【0030】また、第3の高温高速ガス12、12’を
噴出するための一対の第3の気体(ガス)噴出ノズル1
1、11’が第1のガス噴出ノズル7、7’と第2のガ
ス噴出ノズル9、9’の下方であって、これらのガス噴
出ノズル7、7’、9、9’とオリフィス3を挟んで対
称的に対向配置されている。本実施例ではガス噴出ノズ
ル11、11’にはスリット状のガス噴出口11a、1
1’aがそれぞれ設けられている。
【0031】本実施例では、ガス噴出ノズル11、1
1’は図1に示すオリフィス開口3aの設置列の一端側
に位置するオリフィス開口3aから他端側に位置するオ
リフィス開口3aまで達するように一体的に長く設けら
れている。そして、スリット状ガス噴出口11a、1
1’aも、この長いノズル11、11’の一端側から他
端側にまで達するきわめて長いスリット状開口として設
けられている。
【0032】この第3の気体噴出ノズル11、11’
は、第3の高温高速気体流12、12’が流出オリフィ
ス3の中心軸に対して概ね垂直方向から、流出オリフィ
ス3の下方領域に向かって吹き付けられるように、その
噴出口11a、11’aがそれぞれ配置されている。 (筒状体)図3と図4は、図1、図2に示した繊維化装
置に、改良されたRGJF法及び本発明で用いられる筒
状体を設置した状態を示す図である。図3は部分断面図
であり、図4は図3のII−II’線に沿った部分底面
図である。
【0033】図3、図4に示すように本実施例では常温
の大気を流入させるための筒状体13は、流出オリフィ
ス3からみて第3のガス噴出ノズル11、11’の下流
側の該ノズルの直近に位置し、溶融ガラス流の上流側と
下流側に開口部がくるように配置されている。ただし、
白金ポット1からの溶融ガラス流出方向に対して流出オ
リフィス3の出口側を上流側とし、ガラスが流出し繊維
となって飛散する方向を下流側とする。筒状体13の上
流側開口面13aは、ガラス流出オリフィス3の設置列
の一端側に位置するオリフィス3から他端側に位置する
オリフィス3まで達するように一体的に長く設けられて
いる。また、本実施例では筒状体13の上流側開口面1
3aと下流側開口面13bとは同一形状を有し、従っ
て、本実施例における筒状体13は全体として直方体形
状を有する。
【0034】上流側開口面13aの面積は、第1から第
3のノズル7、7’、9、9’、11、11’からの噴
出ガス8、8’、10、10’、12、12’とオリフ
ィス3から流出し、引き延ばされた繊維の全てを包み込
み、かつ筒状体13と第3のガス噴出ノズル11、1
1’との間には常温の大気14を流入させるだけの大き
さを持つ間隔Rを持つことが必要である。
【0035】常温の大気14の流入口となる第3のガス
噴出ノズル11、11’の下端面と筒状体13の上流側
開口面13aとの間隔Rは、5〜30mm(好ましくは
5〜15mm)が良い。この間隔Rが5mm以下では流
入大気量が不足し、繊維化領域内の気流に大きな乱れを
生ずるので好適でない。一方、間隔Rが30mm以上で
は得られた繊維を用いたセパレータの品質は筒状体13
が無い場合と同じであった。このことより30mm以上
では流入大気が繊維化領域の繊維やガスに対して有効に
作用しないものと考えられる。
【0036】筒状体13の長さLは噴出ガス量や繊維化
される粘ちょう物質の量、またこれらが筒状体13に流
入する速度によっても異なるが、本発明者らの検討によ
れば概ね1000mmから2000mmが好ましい。筒
状体13の長さLが1000mm以下であれば筒状体1
3内の繊維やガス気流の速度を十分に低下することがで
きず、繊維を絡ませる効果が発揮されない。逆に筒状体
13の長さLが2000mmを越えると繊維同士の過度
の絡みが生じ、繊維が大きな毛玉状の繊維の塊となって
筒状体13から出てくるために、その後の集綿工程やシ
ート成形時の離解操作に支障をきたし好ましくない。
【0037】このように構成した図1〜図4のガラス繊
維化装置では、ガラス溶融槽(図示せず)で溶融され、
繊維化装置(白金ポット)1に流入した溶融ガラス2は
溶融ガラス流出オリフィス3から流出し、第1のガス噴
出ノズル7、7’から噴出した高温高速のガス8、8’
の作用をまず受けて円錐(コーン)4を形成しつつ繊維
化され、次に第2のガス噴出ノズル9、9’より噴出さ
れた高温高速のガス流10、10’の作用により、更に
加熱延伸され細いガラス繊維となる。さらに、第3のガ
ス噴出ノズル11、11’より噴出された高温高速のガ
ス流12、12’の作用により、繊維がさらに延伸加熱
されて2μm以下のきわめて細い極細ガラス繊維(図示
せず)となる。
【0038】これら第1から第3の噴出ガス8、8’、
10、10’、12、12’と繊維とは図3、図4に示
した長い筒状体13の内部を通過し、その後、繊維は一
般的な方法で集綿される。このとき、第3のガスノズル
11、11’と筒状体13との間隔Rから常温の大気1
4が筒状体13内に流入する。以下にこのようにして得
られた繊維と従来法で得られた繊維とを用いて製造した
蓄電池セパレータの性能比較例を示す。
【0039】実施例1 図3と図4に示した筒状体13を有し、その筒状体13
の長さが1600mmである実施例装置を用い、SiO
268.9%、Al232.2%、CaO6.3%、M
gO2.4%、Na2O+K2O15.6%、B233.
5%からなる組成の溶融ガラスをオリフィス3に対して
1個当り600g/時間の割合で流出させ、第1および
第2の気体噴出ノズル7、7’、9、9’に連通するマ
ニホルード6、6’の内圧を2kg/cm2、気体温度
を1400℃に保ちつつ、第1および第2の高速気体流
8、8’、10、10’を噴出させ、更にブタンを燃焼
させて得られた第3のガス12、12’を、ガス噴出ノ
ズル11、11’の内圧を0.1kg/cm2、気体温
度を1650℃に保ちつつ、幅4mmのスリット11
a、11’aより噴出させた。
【0040】これによって得られた極細繊維を高速離解
機を用いて約10分間離解して、これをpH2.5の液
にて湿式抄造し、ついで140℃に加熱してマット状の
蓄電池用セパレータを製造した。そしてこのセパレータ
のかさ密度を測定した。すなわち、試料より面積(Sc
2)10cm×10cmの試料片を切り取り、重量
(Wg)と、この試料面に20kgの荷重を加えたとき
の試料の厚さ(Tmm)を測定し、次式よりかさ密度
(ρg/cm3)を算出した。 ρ=W/(S×T×10-1
【0041】比較例1 長さ200mmの筒状体13を用い、改良されたRGJ
F法で実施例1と同じ条件で繊維の製造、およびセパレ
ータの抄造とかさ密度の測定を行った。
【0042】比較例2 筒状体13を用いず、図1、図2に示された従来のRG
JF法で実施例1と同じ条件で繊維の製造、およびセパ
レータの抄造とかさ密度の測定を行った。
【0043】比較例3 火炎法で得られた繊維を用いて実施例1と同じ方法でセ
パレータの抄造とかさ密度の測定を行った。表1に各々
の例で得られた繊維とセパレータの品質、およびエネル
ギーコストを示す。ここではエネルギーコストは平均繊
維径が等しい繊維1kgを得るのに要したブタンガス量
(ガス原単位、kg−butane/kg−glas
s)で示した。
【0044】
【表1】
【0045】表1より、セパレータのかさ密度は従来の
RGJF法(比較例2)が火炎法(比較例3)より約3
0%高いのに対し、筒状体13の長さが200mmの改
良されたRGJF法(比較例1)では火炎法より約6%
高くなるにとどまり、さらに本発明の長さ2000mm
の筒状体13を用いた場合(実施例1)は、ほぼ火炎法
並に低くなった。一方、エネルギーコストは本実施例で
は改良されたRGJF法と同じく、従来のRGJF法よ
り約10%高くなるが、それでも火炎法の約1/3であ
った。
【0046】
【発明の効果】本発明の筒状体を用いることにより、改
良されたRGJF法と同じく極めて低いエネルギーコス
トで、該方法よりかさ密度の低い高品質のセパレータな
どの成形品用の極細繊維が製造できる。しかも、筒状体
は単純な構造を有し、きわめて安価に製造できるため、
装置コストも改良されたRGJF法と殆ど同じで済ませ
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の繊維の製造装置の一実施例の概略部
分側断面図である。
【図2】 図1のI−I’線に沿った概略部分断面図で
ある。
【図3】 図1、図2に示した繊維化装置に本発明に係
わる筒状体を設置した状態を示す部分断面図である。
【図4】 図3のII−II’線に沿った部分底面図で
ある。
【図5】 RGJ法を説明するための概念図である。
【符号の説明】
1…繊維化装置、2…溶融ガラス、3…溶融ガラス流出
オリフィス、7、7’…第1の気体噴出ノズル、 8、
8’…第1の高速気体流、9、9’…第2の気体噴出ノ
ズル、 10、10’…第2の高速気体流、11、1
1’…第3の気体噴出ノズル、12、12’…第3の高
温高速気体流、13…筒状体

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高温粘ちょう物質を流出させるための流
    出オリフィスと、 各々の気体噴出ノズルの中心軸線が、前記高温粘ちょう
    物質の流出方向の中心軸線を横断する断面の外周に沿う
    接線方向の成分と、前記高温粘ちょう物質の流出方向に
    向って、まず前記高温粘ちょう物質の流出方向の中心軸
    線に徐々に接近し、次に前記中心軸線から徐々に離れて
    いく成分とを有する方向を指向して配設され、前記流出
    オリフィスの周りに周方向に間隔を置いて配置された、
    第1の気体流を噴出するための少なくとも3本の第1の
    気体噴出ノズルと、 各々の気体噴出ノズルの中心軸線が第1の気体流の中心
    軸線が前記流出オリフィスの中心軸線に最も接近する第
    1の収斂点の更に下方にあって、前記流出オリフィスの
    流出方向の中心軸線上にほぼ収斂するか又は完全に収斂
    する第2の収斂点を有しているか、あるいは前記流出オ
    リフィスの中心軸に平行となるように指向されると共
    に、各々が前記流出オリフィスの中心軸線を挟んで、か
    つ、第1の気体噴出ノズルよりも流出オリフィスの外側
    の位置に配設された第2の気体流を噴出するための複数
    個の第2の気体噴出ノズルと、 気体噴出口が前記高温粘ちょう物質の流出オリフィスの
    下方領域において、前記流出オリフィスの中心軸線の概
    ね垂直方向に向けられた第3の気体流を噴出させるため
    の第3の気体噴出ノズルと、 該第3の気体噴出ノズルより噴出する第3の気体流の下
    流部に、該第3の気体噴出ノズルとの間に常温の大気を
    流入させるための間隔を持たせて配置され、前記高温粘
    ちょう物質、第1の気体流、第2の気体流および第3の
    気体流の流路となる筒状体と、を設けた繊維製造装置に
    おいて、 前記筒状体の気体流の流れ方向の長さを1000〜20
    00mmとすることを特徴とする繊維の製造装置。
  2. 【請求項2】 間隔を置いて一直線上に配列された複数
    個の高温粘ちょう物質流出オリフィスを備えている請求
    項1記載の繊維の製造装置。
JP3600792A 1992-02-24 1992-02-24 繊維の製造装置 Pending JPH05238771A (ja)

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