JPH05229844A - 繊維の製造方法及び装置 - Google Patents

繊維の製造方法及び装置

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JPH05229844A
JPH05229844A JP3323092A JP3323092A JPH05229844A JP H05229844 A JPH05229844 A JP H05229844A JP 3323092 A JP3323092 A JP 3323092A JP 3323092 A JP3323092 A JP 3323092A JP H05229844 A JPH05229844 A JP H05229844A
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gas
central axis
outflow
orifice
gas flow
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JP3323092A
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Kaoru Ikeda
薫 池田
Narikazu Yoshii
成和 吉井
Takahiro Iwai
孝宏 岩井
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Nippon Sheet Glass Co Ltd
Original Assignee
Nippon Sheet Glass Co Ltd
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B37/00Manufacture or treatment of flakes, fibres, or filaments from softened glass, minerals, or slags
    • C03B37/01Manufacture of glass fibres or filaments
    • C03B37/06Manufacture of glass fibres or filaments by blasting or blowing molten glass, e.g. for making staple fibres

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
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  • General Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
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  • Organic Chemistry (AREA)
  • Manufacture, Treatment Of Glass Fibers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 かさ密度の低い極細繊維を安価に製造するこ
と。 【構成】 高温粘ちょう物質流出用のオリフィス3と気
体噴出ノズルの中心軸線が、前記物質流の中心軸線を横
断する断面の外周に沿う接線方向成分と、まず前記物質
流の中心軸線に徐々に接近し、次に中心軸線から徐々に
離る成分とを持つ気体流8噴出用の3本以上の気体噴出
ノズル7と、ノズルの中心軸線がオリフィス3の流出方
向の中心軸線上にほぼ収斂するかオリフィス3の中心軸
線に平行となるように指向される気体流10噴出用の複
数個の気体噴出ノズル9と、気体噴出口がオリフィス3
の中心軸線に対して概ね垂直方向に向けられた気体流1
2噴出用の気体噴出ノズル11と、空気伴流14を導入
できる筒状体13とを備えた繊維の製造装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高温で粘ちょう状態とな
る物質、例えばガラス、プラスチック、炭素繊維製造用
調整ピッチ等から該物質の繊維を製造する方法及び装置
に関し、詳しくは例えば直径が2〜3μm以下の極細繊
維の製造に好適な方法及び装置に係る。
【0002】
【従来の技術】クリーンルームのフィルタ材として微細
なガラス繊維が大量に用いられている。また、自動車、
オートバイなどの鉛蓄電池にもガラス繊維製スペーサが
多量に用いられつつある。
【0003】これらフィルタ材あるいは蓄電池用に用い
られるガラス繊維はその直径が0.2〜3μmと非常に
細い短繊維であり、一般住宅等に用いられている断熱用
ガラス繊維に比し1/50〜1/3の直径になってい
る。
【0004】このような細径の短繊維を効率よく製造す
る方法としては火炎法が知られているが、別法としてR
GJ法(ロータリーガスジェット法、特公昭58−57
374号等)や、さらに繊維径の小さい極細短繊維を火
炎法よりも効率よく製造する方法として改良されたRG
J法(以下、RGJF法と称する。)が本出願人より提
案されている(特公昭62−226835号、特願平3
−304551号など)。RGJ法は、要すれば、粘ち
ょう物質流に沿って渦巻き状に高速気体流を吹き付け
て、該物質を細繊化する工程を有するものである。
【0005】より詳細に述べると、図5(図5(b)は
図5(a)のA−A’線切断図である。)を用いて詳細
に説明すると、例えば、図5に示すように溶融物ノズル
31から粘ちょうにされた物質32を連続に流出させる
こと、および、流出した粘ちょう物質32の進行方向に
沿う第1の区域33において、粘ちょう物質32の中心
軸に垂直な横断面外周に沿う接線方向成分を有する直線
状高速気体流34(以下、第1の高速気体流ということ
がある。)を溶融物ノズル31の周りに周方向に間隔を
置いて配置した、少なくとも3本の気体流ノズル35か
ら吹き出し、粘ちょう物質32が横方向に変位するのを
妨げるように接触させて、粘ちょう物質32を限定され
た領域に閉じ込めながら粘ちょう物質32の進行方向の
周りに回転させることからなり、それによって前記第1
区域33から粘ちょう物質32の進行方向に引き続く第
2の区域36において、主として前記気体流34の回転
の力の慣性に基づく回転による遠心力によって粘ちょう
物質32を横方向に向かって飛び出させ、そしてその飛
び出し方向を粘ちょう物質流の中心軸からみた円周方向
であって、かつ前記回転と同じ向きに回転させて、粘ち
ょう物質32から該物質の繊維37を連続的に引き出す
ことを特徴とする繊維の製造方法である。該方法におい
ては、溶融物ノズル32からの流出に際し円柱状を呈す
る粘ちょう物質32の流れに対して、該物質32の進行
方向と同一方向成分と該物質32の進行方向中心軸の周
りの回転成分とを合わせ持つ気体流34を、前記第1の
区域33においては粘ちょう物質32の流れの中心軸線
に近づくように、引き続く第2の区域36においては該
中心軸線から遠ざかるように作用させている。
【0006】ここでは、流出した粘ちょう物質32は第
1の区域33においては、該物質32の中心軸線に徐々
に近づく気体流34の作用を受けて、回転しながら先細
りの円錐形状(コーン)38を形成し、次に先細りの先
端から糸状に、すなわち一次繊維としてその回転方向、
すなわち横方向に向かって渦巻き状に旋回しながら飛び
出して行く。そして第2区域36において粘ちょう物質
32の流れの中心軸線から徐々に遠ざかる気体流34の
牽引作用を受けて延伸細化され、細い繊維37となるの
である。
【0007】このRGJ法を用いて、ガラスのように高
温で粘ちょうとなる物質を高温高圧ガスで繊維化する
と、該ガスの熱エネルギーを集中的に繊維化に利用でき
るので、細径繊維を効率よく製造できる。
【0008】また、図2に概略図を示すRGJF方法で
は、第1の高速気体流8、8’によって細繊化された繊
維を、流出するガラス、即ち粘ちょう物質流の中心軸へ
向って交差するか、もしくは該中心軸と平行に複数方向
から対向して下向きに吹き出される第2の高速気体流1
0、10’により吹き飛ばし、これに加えて第3の高温
高速気体流12、12’を、前記物質の流出オリフィス
3の中心軸線を挟む少なくとも2方向から該中心軸線に
概ね垂直方向に吹き出させ、第1の気体流8、8’によ
って得られた繊維をさらに引き延ばし、極細繊維化を行
うものである。
【0009】これらの方法や火炎法によって繊維化され
た極細繊維はコンベアーネット上に捕集され、上記の蓄
電池セパレータ用シート(以下、特に断わらない限り単
にセパレータと称する。)やフィルタの原料繊維とな
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】RGJF法では、エネ
ルギー消費量が火炎法の1/3〜1/4と安価で極細繊
維を製造できるものの、その後の研究により、次のよう
な改良課題が存在することが認められた。
【0011】上記の原料繊維から、例えば繊維同士を結
合するバインダーを用いないセパレータを製造する場合
には、原料繊維をパルパーや高速離解機を用いて、酸性
水溶液中で適当な長さに切断しながら解きほぐし(離解
し)、その後シート状に抄き上げる(抄造する)。
【0012】セパレータは、主にその中にバッテリー液
をしみこませた状態で用いられるが、RGJF法で製造
された繊維(以下RGJF繊維と称することがある。)
を用いて抄造されたセパレータは、火炎法で製造された
繊維(以下火炎法繊維と称することがある。)を用いた
セパレータに比べてかさ密度が高くなるために、例え
ば、バッテリー液の注入量が少なくなりバッテリーの寿
命が短くなる等の不具合があった。本発明は、以上のよ
うな課題を克服し、かさ密度の低い高品質のセパレータ
などの成形品用の極細繊維を安価に製造し得るようにす
ることを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らはRGJF法
について、更に詳細に検討を加えた結果、第1から第3
の高速気体流(以下、これらをまとめて高速噴出ガスと
総称することがある。)の作用によって高温粘ちょう物
質の繊維化が行われる領域(以下、繊維化領域と称す
る。)に、常温の空気を、通常この繊維化領域に流入す
る量よりも多量に供給すると、このようにして得られた
極細繊維を用いて製造したセパレータのかさ密度が低下
することを知見した。
【0014】すなわち、繊維化領域には高速気体の噴出
による周囲からの大気の流入が生じ、このような大気を
一般に伴流と称しているが、この伴流の量を通常自然に
流入する量よりも多くし、このようにして形成された繊
維化領域で繊維化を行うことによってセパレータのかさ
密度を小さくすることができることを知見したのであ
る。
【0015】こうして、本発明の目的は次のような構成
により達成できた。すなわち、高温粘ちょう物質を流出
オリフィスから流出させ、前記流出オリフィスの周りに
周方向に間隔を置いて配置した、少なくとも3本の第1
の気体噴出ノズルから直線状に第1の高速気体流を吹き
出させ、ここにおいて前記気体流の各々は、前記物質の
中心軸線を横断する断面の外周に沿う接線方向の成分
と、前記物質の流出方向に向って、まず前記物質流出方
向中心軸線に徐々に接近し、次に前記中心軸線から徐々
に離れていく成分とを有しており、前記流出オリフィス
の中心軸線を挟む少なくとも2方向に配置した第2の気
体噴出ノズルから第2の高速気体流を、該第2の高速気
体流の中心軸が、第1の高速気体流の中心軸線が流出オ
リフィスの中心軸線に最も接近する第1の収斂点の更に
下方にあって、前記流出オリフィスの中心軸上にほぼ収
斂するか又は完全に収斂する第2の収斂点を有している
か、あるいは前記流出オリフィスの中心軸に平行となる
ように吹き出させ、さらにこれに加えて、前記流出オリ
フィスの下方領域において、第3の気体噴出ノズルから
第3の高温高速気体流を、前記高温粘ちょう物質の流出
オリフィスの中心軸線を挟む少なくとも2方向から該中
心軸線に概ね垂直方向に吹き出させ、それにより、前記
高温粘ちょう物質の流出流れは第1の高速気体流によっ
て流出流れの中心軸線の周りに自転しながら徐々に細ま
り、その後、渦巻き状に飛び出され、繊維状に引き伸ば
され、さらに第2の高速気体流に加えて第3の高温高速
気体流によってさらに細繊化される繊維の製造方法にお
いて、これら第1から第3の気体流の下流域に、気体流
の周囲から気体流の進行方向にほぼ平行な速度成分を有
する常温の空気を強制的に流入させる繊維の製造方法で
ある。
【0016】また、本発明の前記目的は次の構成によっ
ても達成される。すなわち、高温粘ちょう物質を流出さ
せるための流出オリフィスと、各々の気体噴出ノズルの
中心軸線が、前記高温粘ちょう物質の流出方向の中心軸
線を横断する断面の外周に沿う接線方向の成分と、前記
物質の流出方向に向って、まず前記高温粘ちょう物質の
中心軸線に徐々に接近し、次に前記中心軸線から徐々に
離れていく成分とを有する方向を指向して配設され、前
記流出オリフィスの周りに周方向に間隔を置いて配置さ
れた、第1の高速気体流を噴出するための少なくとも3
本の第1の気体噴出ノズルと、各々の気体噴出ノズルの
中心軸線が、第1の高速気体流の中心軸線が前記流出オ
リフィスの中心軸線に最も接近する第1の収斂点の更に
下方にあって、前記流出オリフィスの流出方向の中心軸
上にほぼ収斂するか又は完全に収斂する第2の収斂点
を有しているか、あるいは前記流出オリフィスの中心軸
に平行となるように指向されると共に、各々が前記流出
オリフィスの中心軸線を挟んで、かつ第1の高速気体噴
出ノズルよりも流出オリフィスに対して外側の位置に配
設された第2の高速気体流を噴出するための複数個の第
2の気体噴出ノズルと、これに加えて、前記流出オリフ
ィスの下方領域において、気体噴出口が前記流出オリフ
ィスの中心軸線の概ね垂直方向に向けられた第3の高温
高速気体流を噴出せしめるための第3の気体噴出ノズル
とを配置した繊維製造装置において、該第3の気体噴出
ノズルより噴出する第3の高温高速気体流の下流部に、
前記第3の高温高速気体噴出ノズルとの間に常温の大気
を流入させるための間隔を持たせて配置され、前記高温
粘ちょう物質、第1の高速気体流、第2の高速気体流お
よび第3の高温高速気体流の流路となる筒状体を設けた
繊維の製造装置である。
【0017】このとき、繊維の製造装置の流出オリフィ
スは間隔をおいて一直線状に配列された複数個からな
り、該複数個の流出オリフィスからそれぞれ高温粘ちょ
う物質を流出させてもよい。
【0018】
【作用】本発明による繊維を用いることによってセパレ
ータのかさ密度が減少した詳細な理由は不明であるが、
概ね次のように考えられる。バインダーを用いず短繊維
のみで構成されるセパレータのかさ密度は、繊維の平均
直径が同じであれば、1本の繊維(以下単繊維と称す
る。)の長さ、けん縮度(縮れの多さ)、および強度に
よって決まる。すなわち繊維が長く、けん縮度が大きい
ほど繊維同士の絡み合いが増え、繊維間の隙間が増大す
るために、かさ密度は小さくなる。ただし、繊維が長す
ぎたり、絡み合いが多すぎると前述した繊維の離解が不
十分となるので、離解操作の便から繊維が適当な長さと
けん縮度を持っていることが必要である。一方、離解工
程に於て繊維の切断が生じるが、繊維の強度が弱いと繊
維が必要以上に短く切断されるために、抄造されたセパ
レータ内の繊維間の隙間が減少し、かさ密度が高くな
る。ただし、繊維が強すぎて切断されないと離解が不十
分となるので、再び離解操作の便から繊維が適当な強度
を持っていることが必要である。
【0019】以上のようにセパレータ用に適した繊維の
長さ、けん縮度、及び強度が存在するが、これらの繊維
の形状や性質は主に繊維化領域で形成される。従って本
発明で繊維化領域に与えた多量の常温の空気は、領域内
の繊維に直接に、もしくは高速噴出ガスに作用をおよぼ
し、繊維を長くするか、けん縮度を多くするか、もしく
は強度を増大するように働いたものと思われる。
【0020】ここで、第3の高温高速気体流の機能と流
入した伴流との関係を説明する必要がある。すなわち、
第3の気体はそのエネルギーによって繊維を極細に引き
延ばすと共に、繊維化領域の温度の減少を防止すること
により、繊維が引き延ばされる状態をより長く維持する
という機能を持っている。従って、本発明のような、繊
維化領域への低温の、しかも通常より多量の伴流の流入
は第3の気体と逆の効果をもたらすものである。
【0021】事実、本発明者らの検討によれば、多量の
伴流の流入により、繊維化に必要なガスエネルギーが従
来の約5%程度増大する。しかしながら、この事実は、
上記の逆の効果がエネルギー量で換算すれば5%程度の
ものであることを示している。従って、繊維化領域に於
て、第3の気体と伴流たる空気とは、引き延ばされる繊
維に対して同時に作用し、それぞれ互いの機能を相殺し
あったというよりも、各々の機能の一部は相殺しあう
が、大部分の機能は、例えば第3の気体は繊維化途中の
繊維に作用し、伴流は繊維化完了後の繊維に作用したと
いうように、各々機能を別々の場で別々に発揮するよう
に働いたと考えると、エネルギー量についての検討結果
をよく説明すると考えられるのである。
【0022】
【実施例】以下、図1から図5に示す実施例を参照しな
がら、本発明の手段と作用について更に詳細に説明す
る。なお、以下の実施例はガラス繊維の製造法及びその
装置に関するものであるが、本発明は、プラスチック、
炭素繊維製造用調整ピッチ等、高温で粘ちょうとなる物
質から該物質の繊維を製造する場合にも適用できるもの
である。
【0023】図1と図2は第3の気体流を用いるRGJ
F法で好適な一実施例に係る繊維化装置を示す図面であ
る。図1はノズルの部分底面図であり、図2は図1のI
−I’線に沿った概略部分断面図である。
【0024】図1、図2において、繊維化装置(白金ポ
ット)1には粘ちょうな溶融ガラス2が保持され、その
底部に溶融ガラス流出オリフィス3が複数個、所定間隔
毎に一直線状に設けられている。このオリフィス3の開
口3aからは、溶融ガラス2がコーン4を形成しながら
流出する。
【0025】7、7’は、第1の高温高速ガス8、8’
を噴出するための第1の気体(ガス)噴出ノズルであっ
て、溶融ガラス流出オリフィス3(開口3a)の周囲に
ほぼ対称に配置され、オリフィス3を挟んで対称的に対
向配置され、本実施例では円形のガス噴出口7a、7
b、7’a、7’bが設けられている。
【0026】9、9’は、第2の高温高速ガス10、1
0’を噴出するための第2の気体(ガス)噴出ノズルで
あって、オリフィス3を挟んで対称的に対向配置され、
本実施例では円形のガス噴出口9a、9’aが設けられ
ている。
【0027】第1の高温高速ガス8、8’と第2の高温
高速ガス10、10’はガス導入口5、5’より白金ポ
ット1の底壁内に貫設されたマニホルード6、6’に分
岐され、これに連通するガスノズル7、7’と8、8’
を通じて噴出される。
【0028】第2のガス噴出ノズル9、9’の中心軸線
は第1のガス噴出ノズルの中心軸線が流出オリフィス3
の中心軸線に最も接近する点の更に下方であって該溶融
ガラス流出オリフィス3の中心軸線上にほぼ収斂するか
又は完全に収斂する第2の収斂点を有しているか、ある
いは該溶融ガラス流出オリフィス3の中心軸線に平行で
あってもよい。なお、第2のガス噴出ノズル9、9’は
第1のガス噴出ノズル7、7’より流出オリフィス3の
外側に配置されている。
【0029】また、第3の高温高速ガス12、12’を
噴出するための一対の第3の気体(ガス)噴出ノズル1
1、11’が第1のガス噴出ノズル7、7’と第2のガ
ス噴出ノズル9、9’の下方であって、これらのガス噴
出ノズル7、7’、9、9’と流出オリフィス3を挟ん
で対称的に対向配置されている。本実施例ではガス噴出
ノズル11、11’にはスリット状のガス噴出口11
a、11’aがそれぞれ設けられている。
【0030】また、本実施例では、第3の気体噴出ノズ
ル11、11’は、図1に示すオリフィス3の開口3a
の設置列の一端側に位置するオリフィス開口3aから他
端側に位置するオリフィス開口3aまで達するように一
体的に長く設けられている。そして、スリット状ガス噴
出口11a、11’aも、この長いノズル11、11’
の一端側から他端側にまで達するきわめて長いスリット
状開口として設けられている。
【0031】この第3の気体噴出ノズル11、11’
は、第3の高温高速気体流12、12’が流出オリフィ
ス3の中心軸に対して概ね垂直方向から、流出オリフィ
ス3aの下方領域に向かって吹き付けられるように、そ
の噴出口11a、11a’がそれぞれ配置されている。
【0032】(筒状体)図3と図4は、図1、図2に示
した繊維化装置に本発明に係わる筒状体を設置した状態
を示す図である。図3は部分断面図であり、図4は第3
図のII−II’線に沿った部分底面図である。
【0033】図3に示すように本実施例では常温の大気
を流入させるための筒状体13は、溶融ガラス流出方向
に対して流出オリフィス3の出口側を上流側とし、溶融
ガラスが流出し、繊維となって飛散する方向を下流側と
すると、筒状体13は、流出オリフィス3から見て、第
3のガス噴出ノズル11、11’の下流側の該ノズルの
直近に位置し、上流側と下流側に開口部がくるように配
置されている。図4に示すように、筒状体13の上流側
開口面13aは、溶融ガラス流出オリフィス3の設置列
の一端側に位置するオリフィスから他端側に位置するオ
リフィスまで達するように一体的に長く設けられてい
る。また、本実施例では上流側開口面13aと下流側開
口面13bとは同一形状を有し、従って、本実施例にお
ける筒状体13は全体として直方体形状を有する。
【0034】上流側開口面13aの面積は、第1から第
3のノズル7、7’、9、9’、11、11’からの噴
出ガス8、8’、10、10’、12、12’とオリフ
ィス3から流出し、引き延ばされた繊維の全てを包み込
み、かつ筒状体13と第3のガス噴出ノズル11、1
1’との間には常温の大気14を流入させるだけの間隔
Rを持つことが必要である。
【0035】常温の大気の流入口となる第3のガス噴出
ノズル11、11’の下端面と筒状体13の上流側開口
面13aとの間隔Rは、5〜30mm(好ましくは5〜
15mm)が良い。この間隔Rが5mm以下では流入大
気量が不足し繊維化領域内の気流に大きな乱れを生ずる
ので好適でない。一方、間隔Rが30mm以上では流入
大気が繊維化領域の繊維やガスに対して有効に作用しな
い。
【0036】このように構成した図1〜図4のガラス繊
維化装置では、ガラス溶融槽(図示せず)で溶融され、
繊維化装置(白金ポット)1に流入した溶融ガラス2は
溶融ガラス流出オリフィス3から流出し、第1のガス噴
出ノズル7、7’から噴出した高温高速のガス8、8’
の作用をまず受けて円錐(コーン)4を形成しつつ、繊
維化され、次に第2のガス噴出ノズル9、9’より噴出
された高温高速のガス流10、10’の作用により、更
に加熱延伸され細いガラス繊維となる。さらに第3のガ
ス噴出ノズル11、11’より噴出された高温高速のガ
ス流12、12’の作用により、繊維がさらに延伸加熱
されて2μm以下のきわめて細い極細ガラス繊維(図示
せず)となる。
【0037】これら第1から第3の噴出ガス8、8’、
10、10’、12、12’と繊維とは図3に示した筒
状体13の内部を通過し、その後、繊維は一般的な方法
で集綿される。ここで図3に示した筒状体13を用いる
場合は、第3のガスノズルと筒状体13との隙間Rから
常温の大気が筒状体13内に流入する。以下に、このよ
うにして得られた繊維と従来法で得られた繊維とを用い
て製造した蓄電池セパレータの性能比較例を示す。
【0038】実施例1 図3と図4に示した筒状体13を有する実施例装置を用
い、SiO268.9%、Al232.2%、CaO
6.3%、MgO2.4%、Na2O+K2O15.6
%、B233.5%からなる組成の溶融ガラスをオリフ
ィス3に対して1個当り600g/時間の割合で流出さ
せ、第1および第2の気体噴出ノズル7、7’、9、
9’に連通するマニホルード6、6’の内圧を2kg/
cm2、気体温度を1400℃に保ちつつ、第1および
第2の高速気体流8、8’、10、10’を噴出させ、
更にブタンを燃焼させて得られた第3のガス12、1
2’を、ガス噴出ノズル11、11’の内圧を0.1k
g/cm2、気体温度を1650℃に保ちつつ、幅4m
mのスリット11a、11’aより噴出させた。
【0039】これによって得られた極細繊維を高速離解
機を用いて約10分間離解して、これをpH2.5の液
にて湿式抄造し、ついで140℃に加熱してマット状の
蓄電池用セパレータを製造した。そしてこのセパレータ
のかさ密度を測定した。すなわち、試料より面積(Sc
2)10cm×10cmの試料片を切り取り、重量
(Wg)と、この試料面に20kgの荷重を加えたとき
の試料の厚さ(Tmm)を測定し、次式よりかさ密度
(ρg/cm2)を算出した。 ρ=W/(S×T×10-1) (g/cm3
【0040】比較例1 筒状体13を用いず、従来のRGJF法で実施例1と同
じ条件で繊維の製造、およびセパレータの抄造とかさ密
度の測定を行った。
【0041】比較例2 火炎法で得られた繊維を用いて実施例1と同じ方法でセ
パレータの抄造とかさ密度の測定を行った。
【0042】表1に各々の例で得られた繊維とセパレー
タの品質、およびエネルギーコストを示す。ここではエ
ネルギーコストは平均繊維径が等しい繊維1kgを得る
のに要したブタンガス量(ガス原単位、kg−buta
ne/kg−glass)で示した。
【0043】
【表1】
【0044】表1より、セパレータのかさ密度は従来の
RGJF法(比較例1)が火炎法(比較例2)より約3
0%高いのに対し、本発明の筒状体を用いた場合(実施
例1)、ほぼ火炎法並に低くなった。一方、エネルギー
コストは本実施例では従来法より約10%高くなるが、
それでも火炎法の約1/3であった。
【0045】
【発明の効果】本発明は筒状体を用いることにより、従
来法(RGJF法)と同じく極めて低いエネルギーコス
トで、従来法よりかさ密度の低い高品質のセパレータな
どの成形品用の極細繊維が製造できる。しかも、筒状体
は単純な構造を有し、きわめて安価に製造できるため、
装置コストも従来のRGJF法と殆ど同じで済ませるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の繊維化装置の一実施態様の概略部分
底面図である。
【図2】 図1のI−I’線に沿った概略部分断面図で
ある。
【図3】 図1、図2に示した繊維化装置に筒状体を設
置した本発明の一実施態様の繊維の製造装置を示す概略
断面図である。
【図4】 図3のII−II’線に沿った概略部分底面
図である。
【図5】 RGJ法を説明するための概念図である。
【符号の説明】
1…繊維化装置、2…溶融ガラス、3…溶融ガラス流出
オリフィス、7、7’…第1の気体噴出ノズル、8、
8’…第1の高速気体流、9、9’…第2の気体噴出ノ
ズル、10、10’…第2の高速気体流、11、11’
…第3の気体噴出ノズル、12、12’…第3の高温高
速気体流、13…筒状体

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高温粘ちょう物質を流出オリフィスから
    流出させ、 前記流出オリフィスの周りに周方向に間隔を置いて配置
    した、少なくとも3本の第1の気体噴出ノズルから直線
    状に第1の高速気体流を吹き出させ、ここにおいて前記
    気体流の各々は、前記物質の中心軸線を横断する断面の
    外周に沿う接線方向の成分と、前記物質の流出方向に向
    って、まず前記物質流出方向中心軸線に徐々に接近し、
    次に前記中心軸線から徐々に離れていく成分とを有して
    おり、 前記流出オリフィスの中心軸線を挟む少なくとも2方向
    に配置した第2の気体噴出ノズルから第2の高速気体流
    を、該第2の高速気体流の中心軸が、第1の高速気体流
    の中心軸線が流出オリフィスの中心軸線に最も接近する
    第1の収斂点の更に下方にあって、前記流出オリフィス
    の中心軸上にほぼ収斂するか又は完全に収斂する第2の
    収斂点を有しているか、あるいは前記流出オリフィスの
    中心軸に平行となるように吹き出させ、 さらにこれに加えて、前記流出オリフィスの下方領域に
    おいて、第3の気体噴出ノズルから第3の高温高速気体
    流を、前記高温粘ちょう物質の流出オリフィスの中心軸
    線を挟む少なくとも2方向から該中心軸線に概ね垂直方
    向に吹き出させ、 それにより、前記高温粘ちょう物質の流出流れは第1の
    高速気体流によって流出流れの中心軸線の周りに自転し
    ながら徐々に細まり、その後、渦巻き状に飛び出され、
    繊維状に引き伸ばされ、さらに第2の高速気体流、これ
    に加えて第3の高温高速気体流によってさらに細繊化さ
    れる繊維の製造方法において、 これら第1から第3の気体流の下流域に、気体流の周囲
    から気体流の進行方向にほぼ平行な速度成分を有する常
    温の空気を強制的に流入させることを特徴とする繊維の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 間隔をおいて一直線状に配列された複数
    個の流出オリフィスからそれぞれ高温粘ちょう物質が流
    出される請求項1記載の繊維の製造方法。
  3. 【請求項3】 高温粘ちょう物質を流出させるための流
    出オリフィスと、 各々の気体噴出ノズルの中心軸線が、前記高温粘ちょう
    物質の流出方向の中心軸線を横断する断面の外周に沿う
    接線方向の成分と、前記物質の流出方向に向って、まず
    前記高温粘ちょう物質の中心軸線に徐々に接近し、次に
    前記中心軸線から徐々に離れていく成分とを有する方向
    を指向して配設され、前記流出オリフィスの周りに周方
    向に間隔を置いて配置された、第1の高速気体流を噴出
    するための少なくとも3本の第1の気体噴出ノズルと、 各々の気体噴出ノズルの中心軸線が、第1の高速気体流
    の中心軸線が前記流出オリフィスの中心軸線に最も接近
    する第1の収斂点の更に下方にあって、前記流出オリフ
    ィスの流出方向の中心軸上にほぼ収斂するか又は完全
    に収斂する第2の収斂点を有しているか、あるいは前記
    流出オリフィスの中心軸に平行となるように指向される
    と共に、各々が前記流出オリフィスの中心軸線を挟ん
    で、かつ第1の高速気体噴出ノズルよりも流出オリフィ
    スに対して外側の位置に配設された第2の高速気体流を
    噴出するための複数個の第2の気体噴出ノズルと、 これに加えて、前記流出オリフィスの下方領域におい
    て、気体噴出口が前記流出オリフィスの中心軸線の概ね
    垂直方向に向けられた第3の高温高速気体流を噴出せし
    めるための第3の気体噴出ノズルとを配置した繊維製造
    装置において、 該第3の気体噴出ノズルより噴出する第3の高温高速気
    体流の下流部に、前記第3の高温高速気体噴出ノズルと
    の間に常温の大気を流入させるための間隔を持たせて配
    置され、前記高温粘ちょう物質、第1の高速気体流、第
    2の高速気体流および第3の高温高速気体流の流路とな
    る筒状体を設けたことを特徴とする繊維の製造装置。
  4. 【請求項4】 間隔を置いて一直線上に配列された複数
    個の高温粘ちょう物質流出オリフィスを備えている請求
    項3記載の繊維の製造装置。
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