JPH05238429A - キャブオーバー型トラックの車体構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 フロントフロアサイドメンバーとキャブバッ
ククロスメンバーの結合部の変形を防止するとともに、
乗降性の改善を図る。 【構成】 本発明の車体構造は、ストラッドタワーを一
体成形したホイールハウジングの肩の部分に、フロント
フロアサイドメンバーの一端を結合するとともに、該メ
ンバーをここから後方へ延ばしてキャブバッククロスメ
ンバーに結合してなるキャブオーバー型トラックにおい
て、上記両メンバーの結合部の下面に、これらメンバー
を跨ぐように第１のリンフォースメントを固着して閉断
面を形成し、上記両メンバーの下面で該リンフォースメ
ントの前後に隣接する位置にそれぞれ第２のリンフォー
スメントを固着垂下し、さらに該リンフォースメントの
それぞれをサイドシルインナーパネルに固着したことを
特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はキャブオーバー型トラッ
クの車体構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】図９は、図１０に示すキャブオーバー型
トラックの、シートａを取付ける部分の車体構造を示
す。同図において、ｂはフロントフロアサイドメンバー
で、該メンバーｂの後端はキャブバックパネルｃに添設
したキャブバッククロスメンバーｄに結合してある。ま
た、フロントフロアサイドメンバーｂの前半部はホイー
ルハウジングｅの上面に乗り上げてそこに結合してあ
る。そして、これらメンバーｂ，ｄにシートａを載置固
定してある。

【０００３】ところで、このような自動車はホイールハ
ウジングｅが大きくエンジンルームｆ内に突出している
ため、エンジンルームｆの容積が小さくなってしまう。
そこで、図４に示すようにホイールハウジング１の上部
にストラッドタワー２を一体成形した車体を採用してい
る。そして、このような自動車では、図５に示すように
ホイールハウジング１の肩の部分１ａにフロントフロア
サイドメンバー３の前半部を結合するとともに、該メン
バー３をここから真直ぐ後方へ延ばしてキャブバックク
ロスメンバー４に結合してある。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし、このような構
造にすると、フロントフロアサイドメンバー３の宙吊り
になる部分の長さが図８に示すようにΔＬだけ増加する
ため、フロントフロアサイドメンバー３とキャブバック
クロスメンバー４の結合部の剛性が低下し、この部分が
図６、７に示すようにシートａの荷重を受けて変形し易
くなる。この結果、キャビンの気密性が悪くなり、エン
ジンルームから騒音や熱風が漏出するという不具合が生
じる。

【０００５】一方、図９に示す構造のものは、フロント
フロアサイドメンバーｂがホイールハウジングｅの上面
に乗り上げているため、乗降性が悪いという欠点があ
る。

【０００６】本発明は、このような事情に鑑み、図４に
示したフロントフロアサイドメンバーとキャブバックク
ロスメンバーの結合部を補強することによって、これら
の欠点を除くことを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明は、ストラッドタワーを一体成形したホイール
ハウジングの肩の部分に、フロントフロアサイドメンバ
ーの一端を結合するとともに、該メンバーをここから後
方へ延ばしてキャブバッククロスメンバーに結合してな
るキャブオーバー型トラックにおいて、上記両メンバー
の結合部の下面に、これらメンバーを跨ぐように第１の
リンフォースメントを固着して閉断面を形成し、上記両
メンバーの下面で該リンフォースメントの前後に隣接す
る位置にそれぞれ第２のリンフォースメントを固着垂下
し、さらに該リンフォースメントのそれぞれをサイドシ
ルインナーパネルに固着したことを特徴とする。

【０００８】

【実施例】図１は、図４に示したフロントフロアサイド
メンバー３とキャブバッククロスメンバー４の結合部を
示す。該結合部は第１のリンフォースメント５と第２の
リンフォースメント６，６によって補強してある。第１
のリンフォースメント５は断面ハット状に成形してあ
り、その上端のフランジ状部５ａ，５ａを上記両メンバ
ー３，４の下面にスポット溶接で接合して閉断面を形成
してある。第２のリンフォースメント６，６はそれぞれ
第１のリンフォースメント５を前後から挾み込むように
して上記両メンバー３，４の下面に固着垂下してある。
このうち、前方のリンフォースメント６は上端のフラン
ジ状部６ａをフロントフロアサイドメンバー３の下面に
スポット溶接で接合してあるが、後方のリンフォースメ
ント６は図３に示すようにそのフランジ状部６ａとキャ
ブバッククロスメンバー４の間に第３のリンフォースメ
ント７のフランジ状部７ａを挾み込んでスポット溶接し
てある。また、第２のリンフォースメント６，６の側端
のフランジ状部６ｂ，６ｂはいずれもサイドシルインナ
ーパネル８に溶接接合してある。

【０００９】フロントフロアサイドメンバー３は図３に
示すように後端の段部３ａをキャブバッククロスメンバ
ー４の下に潜り込ませて溶接接合してあり、該段部３ａ
を逃がすための凹部５ｂを第１のリンフォースメント５
のフランジ状部５ａに設けてある。さらに、該メンバー
３は左右両端にフランジ状部３ｂ，３ｃを備えており、
右側のフランジ状部３ｂをサイドシルインナーパネル８
に溶接接合してある。一方、キャブバッククロスメンバ
ー４はフランジ状部４ａをサイドシルインナーパネル８
に、フランジ状部４ｂをキャブバックパネル９にそれぞ
れ溶接接合してある。なお、該メンバー４の下面には第
３のリンフォースメント７を全長に亘って溶接接合して
あり、そのフランジ状部７ａ，７ｂはそれぞれキャブバ
ッククロスメンバー４とキャブバックパネル９に溶接接
合してある。

【００１０】本実施例はこのように構成してあるので、
図７に示すようなメンバー３，４の結合部の撓みは第１
のリンフォースメント５が防止するとともに、図６に示
すようなメンバー３の傾きは第２のリンフォースメント
６が防止することになる。

【００１１】

【発明の効果】本発明によれば、フロントフロアサイド
メンバーとキャブバッククロスメンバーの結合部の剛性
が向上するので、この部分の変形によるキャビンの気密
性の低下を防止することができる。また、フロントフロ
アサイドメンバーの前部はストラッドタワーを一体成形
したホイールハウジングの肩の部分に結合してあるの
で、乗降性が悪くなることはない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の要部構造を示す斜視図である。

【図２】同構造で使用するリンフォースメントの斜視図
である。

【図３】図１に示したＡ−Ａ線による断面図である。

【図４】図１の構造を採用する車体の斜視図で、図１０
に示した点線枠Ｅ内を矢印Ｆ方向から見た図である。

【図５】図４に示したＢ−Ｂ線による断面図である。

【図６】図４に示したＣ−Ｃ線による断面図で、従来の
問題点を説明する図である。

【図７】図４に示したＤ−Ｄ線による断面図で、従来の
問題点を説明する図である。

【図８】フロントフロアサイドメンバーの剛性の低下を
説明するための図である。

【図９】図４と対応する従来例を示す図である。

【図１０】キャブオーバー型トラックの斜視図である。

【符号の説明】

１ ホイールハウジング １ａ 肩の部分 ２ ストラッドタワー ３ フロントフロアサイドメンバー ３ａ 段部 ４ キャブバッククロスメンバー ５ 第１のリンフォースメント ５ａ フランジ状部 ５ｂ 凹部 ６ 第２のリンフォースメント ６ａ，６ｂ フランジ状部 ７ 第３のリンフォースメント ８ サイドシルインナーパネル ９ キャブバックパネル

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ストラッドタワーを一体成形したホイー
   ルハウジングの肩の部分に、フロントフロアサイドメン
   バーの一端を結合するとともに、該メンバーをここから
   後方へ延ばしてキャブバッククロスメンバーに結合して
   なるキャブオーバー型トラックにおいて、上記両メンバ
   ーの結合部の下面に、これらメンバーを跨ぐように第１
   のリンフォースメントを固着して閉断面を形成し、上記
   両メンバーの下面で該リンフォースメントの前後に隣接
   する位置にそれぞれ第２のリンフォースメントを固着垂
   下し、さらに該リンフォースメントのそれぞれをサイド
   シルインナーパネルに固着したことを特徴とするキャブ
   オーバー型トラックの車体構造。