JPH05237347A - 食品の濃縮方法 - Google Patents
食品の濃縮方法Info
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- JPH05237347A JPH05237347A JP4075163A JP7516392A JPH05237347A JP H05237347 A JPH05237347 A JP H05237347A JP 4075163 A JP4075163 A JP 4075163A JP 7516392 A JP7516392 A JP 7516392A JP H05237347 A JPH05237347 A JP H05237347A
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- concentrating
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- Tea And Coffee (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 食品に含まれる香り、風味等がを損なわれた
り、失われたりすることなく食品を高度に濃縮する方法
を提供する。 【構成】 2〜5重量%の酢酸エチル水溶液を処理した
ときの分離係数が10以上である浸透気化膜、例えばポ
リアクリロニトリル共重合体(アクリロニトリル/酢酸
ビニル/メタクリル酸2−ジエチルアミノエチル=94
/5/1(モル比))からなる厚み1μmのスキン層を
有する非対称膜、を用いることを特徴とするコーヒー等
の食品の濃縮方法。
り、失われたりすることなく食品を高度に濃縮する方法
を提供する。 【構成】 2〜5重量%の酢酸エチル水溶液を処理した
ときの分離係数が10以上である浸透気化膜、例えばポ
リアクリロニトリル共重合体(アクリロニトリル/酢酸
ビニル/メタクリル酸2−ジエチルアミノエチル=94
/5/1(モル比))からなる厚み1μmのスキン層を
有する非対称膜、を用いることを特徴とするコーヒー等
の食品の濃縮方法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、食品の濃縮方法に関す
る。さらに詳しくは特定の浸透気化膜を用いることによ
り、食品に含まれる香り、風味等がを損なわれたり、失
われたりすることなく食品を高度に濃縮する方法に関す
る。
る。さらに詳しくは特定の浸透気化膜を用いることによ
り、食品に含まれる香り、風味等がを損なわれたり、失
われたりすることなく食品を高度に濃縮する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】液状食品の濃縮方法としては古くから減
圧加熱濃縮法や凍結濃縮法が知られている。しかし減圧
加熱濃縮法は効率は良いものの、風味のもととなる揮発
成分の損失を伴い、各食品のもつ独特の風味が変化した
り、失われたりするという問題がある。また、凍結濃縮
法は効率が低く、同様に食品によっては凍結により風味
の変化や損失を伴う場合が多い。一方近年、食品の濃縮
に機能膜が用いられるようになった。例えば特開昭56
−29954号公報には、コーヒー等の抽出液を限外濾
過膜と逆浸透膜を組み合わせて芳香成分の損失と変質を
防ぐ技術が開示されている。特開平3−195482号
公報には、野菜汁や果実汁を逆浸透濃縮と真空濃縮を組
み合わせて濃縮する方法が開示されている。また特開昭
62−241号公報には茶葉類や穀豆類の抽出液を逆浸
透濃縮法により濃縮し、またはさらに濃縮液を噴霧乾燥
することからなるインスタント飲料の製造法が開示され
ている。しかし逆浸透膜を用いる濃縮法においては、浸
透圧を用いるため、それ単独では一定濃度以上には濃縮
できないという問題がある。一方また、液体混合物の分
離法として浸透気化(パーベーパレーション)が注目さ
れている。高分子加工(1988年、37巻4号25
頁)にもあるように、浸透気化による分離法では、主に
液体混合物を分離対象とし、膜を隔てて一次側と二次側
に分けられており、分離される混合液は一次側にフィー
ドされ膜の活性層に接し、二次側は浸透液(パーミエー
ト)が気化した蒸気を収納し、この蒸気は膜の非活性多
孔質層に接触している。この状態で膜の両側にそれぞれ
の混合物を構成する化学的ポテンシャルに差があると、
それが駆動力となってフィード側の分子が膜を通って移
動する。その際各分子の膜内での抵抗の違いにより、各
成分の膜透過率が異なるため膜透過率の高い成分がパー
ミエート側に濃縮され、フィード側ではその成分が減少
する。実際は膜の透過側の浸透成分の蒸気分圧を下げる
ため、ポンプで真空にしたり不活性ガスを流す方法がと
られる。この方法によれば、従来分離が困難であった共
沸混合物等も効率よく分離できることが知られている。
また浸透性の良い成分と悪い成分の混合物から、所望の
分離が達成されるまで続けて行うことができる。この方
法の特徴としては、省エネルギーであること、多成分混
合物の脱水が容易なこと、製品の汚染や公害の心配がな
いこと、高純度まで精製が可能であること、プラントの
設置面積が小さいこと、自動化、省力化が容易であるこ
と等が挙げられている。食品の濃縮に、従来の方法に代
えて上記のような優れた特徴を有する浸透気化法を適用
することは考えられるところである。例えば特開平2ー
268813号公報には、果物ジュース等をカルボン酸
モノマー単位を特定量含む膜を用いて浸透気化法で濃縮
する方法開示されている。同様に、特開平3ー3066
2号公報には気ー液系の膜分離法において、疎水製膜の
1次側にアルコール飲料を供給し、2次側を一次側より
低圧にしたときに2次側に透過する蒸気を捕集して供給
原液よりもアルコール濃度の高いアルコール飲料を製造
する方法が開示されている。分離膜としては限外濾過レ
ベルの膜が用いられている。
圧加熱濃縮法や凍結濃縮法が知られている。しかし減圧
加熱濃縮法は効率は良いものの、風味のもととなる揮発
成分の損失を伴い、各食品のもつ独特の風味が変化した
り、失われたりするという問題がある。また、凍結濃縮
法は効率が低く、同様に食品によっては凍結により風味
の変化や損失を伴う場合が多い。一方近年、食品の濃縮
に機能膜が用いられるようになった。例えば特開昭56
−29954号公報には、コーヒー等の抽出液を限外濾
過膜と逆浸透膜を組み合わせて芳香成分の損失と変質を
防ぐ技術が開示されている。特開平3−195482号
公報には、野菜汁や果実汁を逆浸透濃縮と真空濃縮を組
み合わせて濃縮する方法が開示されている。また特開昭
62−241号公報には茶葉類や穀豆類の抽出液を逆浸
透濃縮法により濃縮し、またはさらに濃縮液を噴霧乾燥
することからなるインスタント飲料の製造法が開示され
ている。しかし逆浸透膜を用いる濃縮法においては、浸
透圧を用いるため、それ単独では一定濃度以上には濃縮
できないという問題がある。一方また、液体混合物の分
離法として浸透気化(パーベーパレーション)が注目さ
れている。高分子加工(1988年、37巻4号25
頁)にもあるように、浸透気化による分離法では、主に
液体混合物を分離対象とし、膜を隔てて一次側と二次側
に分けられており、分離される混合液は一次側にフィー
ドされ膜の活性層に接し、二次側は浸透液(パーミエー
ト)が気化した蒸気を収納し、この蒸気は膜の非活性多
孔質層に接触している。この状態で膜の両側にそれぞれ
の混合物を構成する化学的ポテンシャルに差があると、
それが駆動力となってフィード側の分子が膜を通って移
動する。その際各分子の膜内での抵抗の違いにより、各
成分の膜透過率が異なるため膜透過率の高い成分がパー
ミエート側に濃縮され、フィード側ではその成分が減少
する。実際は膜の透過側の浸透成分の蒸気分圧を下げる
ため、ポンプで真空にしたり不活性ガスを流す方法がと
られる。この方法によれば、従来分離が困難であった共
沸混合物等も効率よく分離できることが知られている。
また浸透性の良い成分と悪い成分の混合物から、所望の
分離が達成されるまで続けて行うことができる。この方
法の特徴としては、省エネルギーであること、多成分混
合物の脱水が容易なこと、製品の汚染や公害の心配がな
いこと、高純度まで精製が可能であること、プラントの
設置面積が小さいこと、自動化、省力化が容易であるこ
と等が挙げられている。食品の濃縮に、従来の方法に代
えて上記のような優れた特徴を有する浸透気化法を適用
することは考えられるところである。例えば特開平2ー
268813号公報には、果物ジュース等をカルボン酸
モノマー単位を特定量含む膜を用いて浸透気化法で濃縮
する方法開示されている。同様に、特開平3ー3066
2号公報には気ー液系の膜分離法において、疎水製膜の
1次側にアルコール飲料を供給し、2次側を一次側より
低圧にしたときに2次側に透過する蒸気を捕集して供給
原液よりもアルコール濃度の高いアルコール飲料を製造
する方法が開示されている。分離膜としては限外濾過レ
ベルの膜が用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、徒に食品の濃
縮に浸透気化法を用いてもコーヒーやワイン、あるいは
果汁などの風味を損なわず、あるいは芳香成分を失うこ
となく濃縮することは必ずしも容易ではなかった。すな
わち、採用するべき浸透気化膜を選択する指標が明かで
はなかった。
縮に浸透気化法を用いてもコーヒーやワイン、あるいは
果汁などの風味を損なわず、あるいは芳香成分を失うこ
となく濃縮することは必ずしも容易ではなかった。すな
わち、採用するべき浸透気化膜を選択する指標が明かで
はなかった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は浸透気化法
を食品の濃縮の適用するに当たり、鋭意検討したとこ
ろ、特定の指標で表した特定の分離性能を有する浸透気
化膜を用いれば、食品の風味成分を殆ど漏出させること
なく、目的とする濃縮食品が得られるとの知見を得て、
本発明を完成することが出来た。
を食品の濃縮の適用するに当たり、鋭意検討したとこ
ろ、特定の指標で表した特定の分離性能を有する浸透気
化膜を用いれば、食品の風味成分を殆ど漏出させること
なく、目的とする濃縮食品が得られるとの知見を得て、
本発明を完成することが出来た。
【0005】すなわち本発明の第一は、2〜5重量%の
酢酸エチル水溶液を処理したときの分離係数が10以上
である浸透気化膜を用いることを特徴とする食品の濃縮
方法であり、第二は第一の発明において浸透気化膜の酢
酸エチル中の水の透過速度が70℃において3.0Kg
/m2・hr以上であることを特徴とし、第三は同じく
浸透気化膜が非対称膜であり、アクリロニトリルの含有
量が90〜97モル%の共重合体からなることを特徴と
し、第四はあらかじめ逆浸透膜を用いて濃縮した食品を
濃縮原料とすることが特徴である。
酢酸エチル水溶液を処理したときの分離係数が10以上
である浸透気化膜を用いることを特徴とする食品の濃縮
方法であり、第二は第一の発明において浸透気化膜の酢
酸エチル中の水の透過速度が70℃において3.0Kg
/m2・hr以上であることを特徴とし、第三は同じく
浸透気化膜が非対称膜であり、アクリロニトリルの含有
量が90〜97モル%の共重合体からなることを特徴と
し、第四はあらかじめ逆浸透膜を用いて濃縮した食品を
濃縮原料とすることが特徴である。
【0006】本発明において用いられる浸透気化膜は2
〜5重量%の酢酸エチル水溶液を用いたときの分離係数
が10以上であり、好ましくは20以上である。分離係
数が10以上の浸透気化膜を用いることにより、実質上
膜の透過側には食品の風味成分が殆ど漏出せず、食品の
持つ風味を損失することなく食品を濃縮するという本発
明の目的を達成することが出来る。なおここでいう分離
係数(α)は、(Cw/Ce)ハ゜ーミエート/(Cw/C
e)フィート゛で表される。ここで、Cwは水の濃度、Ce
は酢酸エチルの濃度を示す。
〜5重量%の酢酸エチル水溶液を用いたときの分離係数
が10以上であり、好ましくは20以上である。分離係
数が10以上の浸透気化膜を用いることにより、実質上
膜の透過側には食品の風味成分が殆ど漏出せず、食品の
持つ風味を損失することなく食品を濃縮するという本発
明の目的を達成することが出来る。なおここでいう分離
係数(α)は、(Cw/Ce)ハ゜ーミエート/(Cw/C
e)フィート゛で表される。ここで、Cwは水の濃度、Ce
は酢酸エチルの濃度を示す。
【0007】本発明で用いられる浸透気化膜の透過速度
としては、2〜5重量%の酢酸エチル水溶液を用いて、
温度70℃で測定した値が3.0Kg/m2・hr以上
であることが好ましく、さらに40Kg/m2・hr以
上であることが食品の濃縮の効率の観点から特に好まし
い。
としては、2〜5重量%の酢酸エチル水溶液を用いて、
温度70℃で測定した値が3.0Kg/m2・hr以上
であることが好ましく、さらに40Kg/m2・hr以
上であることが食品の濃縮の効率の観点から特に好まし
い。
【0008】本発明で用いられる上記分離係数を有する
浸透気化膜としては、通常非多孔性非対称膜であり、活
性膜(スキン層)は厚さが1〜2μmであり、不織布等
の多孔質の支持層の上に均質な高分子膜として形成され
た構造からなる。製膜方法は特殊なものではなく、公知
の方法そそのまま使用すれば良い。
浸透気化膜としては、通常非多孔性非対称膜であり、活
性膜(スキン層)は厚さが1〜2μmであり、不織布等
の多孔質の支持層の上に均質な高分子膜として形成され
た構造からなる。製膜方法は特殊なものではなく、公知
の方法そそのまま使用すれば良い。
【0009】活性膜の材質としてはセルロースエステ
ル、ポリアミド、ポリイミド、ポリスルホン、ポリアク
リロニトリル系重合体等が用いられるが、特にアクリロ
ニトリル系重合体からなるものが好ましい。アクリロニ
トリル系重合体としては、アクリロニトリルの含有量が
90〜97モル%の範囲にある共重合体が好ましい。共
重合体を構成する他のモノマーとしては酢酸ビニル、メ
タクリル酸、アクリル酸、メタクリル酸エステル類、ア
クリル酸エステル類、アクリルアミド、ビニルスルホン
酸、スチレンスルホン酸、ビニルピロリドン、ビニルピ
リジン、ジエチルアミノエチルメタクリレート、無水マ
レイン酸、2ーアクリルアミドー2ーメチルー1ープロ
パンスルホン酸等が挙げられる。共重合体の好ましい分
子量としては、2万〜50万である。
ル、ポリアミド、ポリイミド、ポリスルホン、ポリアク
リロニトリル系重合体等が用いられるが、特にアクリロ
ニトリル系重合体からなるものが好ましい。アクリロニ
トリル系重合体としては、アクリロニトリルの含有量が
90〜97モル%の範囲にある共重合体が好ましい。共
重合体を構成する他のモノマーとしては酢酸ビニル、メ
タクリル酸、アクリル酸、メタクリル酸エステル類、ア
クリル酸エステル類、アクリルアミド、ビニルスルホン
酸、スチレンスルホン酸、ビニルピロリドン、ビニルピ
リジン、ジエチルアミノエチルメタクリレート、無水マ
レイン酸、2ーアクリルアミドー2ーメチルー1ープロ
パンスルホン酸等が挙げられる。共重合体の好ましい分
子量としては、2万〜50万である。
【0010】本発明が適用できる食品としてはコーヒ
ー、日本茶、紅茶等の非アルコール飲料、日本酒、ワイ
ン、ビール等のアルコール性飲料、酢、醤油、ソース、
みりん等の調味料、オレンジ、リンゴ、ぶどう、パイナ
ップル等の果汁を例示することが出来る。コーヒーを例
にとれば、コーヒーの抽出液を本発明の方法により濃縮
することにより、あるいは別の付加工程を組み合わせる
ことにより、コーヒーエキス、インスタント粉末コーヒ
ー等を製造することが出来る。なお本発明の食品の濃縮
方法は単なる濃縮にとどまらず、別の工程と組み合わせ
てもよい。例えばあらかじめ逆浸透膜を用いて濃縮した
食品に本発明の方法を用いて濃縮程度を高めることもで
きる。あるいは今までになかった新しい風味を持つ飲料
の開発にも応用することが出来る。例えばウィスキーの
製造において、蒸留工程と本発明の濃縮方法を組み合わ
せることにより、今までになかった新しい風味をもつア
ルコール飲料を製造することもできる。
ー、日本茶、紅茶等の非アルコール飲料、日本酒、ワイ
ン、ビール等のアルコール性飲料、酢、醤油、ソース、
みりん等の調味料、オレンジ、リンゴ、ぶどう、パイナ
ップル等の果汁を例示することが出来る。コーヒーを例
にとれば、コーヒーの抽出液を本発明の方法により濃縮
することにより、あるいは別の付加工程を組み合わせる
ことにより、コーヒーエキス、インスタント粉末コーヒ
ー等を製造することが出来る。なお本発明の食品の濃縮
方法は単なる濃縮にとどまらず、別の工程と組み合わせ
てもよい。例えばあらかじめ逆浸透膜を用いて濃縮した
食品に本発明の方法を用いて濃縮程度を高めることもで
きる。あるいは今までになかった新しい風味を持つ飲料
の開発にも応用することが出来る。例えばウィスキーの
製造において、蒸留工程と本発明の濃縮方法を組み合わ
せることにより、今までになかった新しい風味をもつア
ルコール飲料を製造することもできる。
【0011】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。
【0012】(参考例1)公知の方法に基づいて重合し
たポリアクリロニトリル共重合体(アクリロニトリル/
酢酸ビニル/メタクリル酸2−ジエチルアミノエチル=
94/5/1(モル比)、粘度平均分子量62,00
0)をジメチルホルムアミド(DMF)に溶解して20
重量%の溶液とし、これをポリエステル製織布上に25
0μmの厚みで塗布し、続いて15℃の水中で凝固させ
ることにより、厚み1μmのスキン層を有する非対称膜
を作成した。この膜をさらに熱水中で1時間煮沸するこ
とにより目的とする浸透気化膜を得た。得られた浸透気
化膜の性能を70℃、4.4重量%の酢酸エチル水溶液
を用いて調べた。その結果、分離係数(α)は53、透
過速度4.2Kg/m2・hrであった。同様に70℃
の9.8重量%の酢酸エチル水溶液を用いた場合の分離
係数は60、透過係数は3.2Kg/m2・hrであっ
た。
たポリアクリロニトリル共重合体(アクリロニトリル/
酢酸ビニル/メタクリル酸2−ジエチルアミノエチル=
94/5/1(モル比)、粘度平均分子量62,00
0)をジメチルホルムアミド(DMF)に溶解して20
重量%の溶液とし、これをポリエステル製織布上に25
0μmの厚みで塗布し、続いて15℃の水中で凝固させ
ることにより、厚み1μmのスキン層を有する非対称膜
を作成した。この膜をさらに熱水中で1時間煮沸するこ
とにより目的とする浸透気化膜を得た。得られた浸透気
化膜の性能を70℃、4.4重量%の酢酸エチル水溶液
を用いて調べた。その結果、分離係数(α)は53、透
過速度4.2Kg/m2・hrであった。同様に70℃
の9.8重量%の酢酸エチル水溶液を用いた場合の分離
係数は60、透過係数は3.2Kg/m2・hrであっ
た。
【0013】(実施例1)参考例1で得られた浸透気化
膜を用いて、図1に示す浸透気化分離装置を組み立て
た。図1において、1は熱媒体による加熱ジャケット、
2は仕込食品、3はシール窒素供給口および出口、4は
攪拌棒、5は浸透気化膜、6は液体窒素冷却槽、7はト
ラップ、8は真空ポンプである。なお浸透気化膜の有効
膜面積は47mmΦであった。市販のコーヒーメーカー
を用いて20gのコーヒー粉末を300gの湯水で抽出
した。この内200gの抽出液を図1の装置によって浸
透気化脱水した。処理は温度70℃で3時間行い、トラ
ップに12.2gの無色、透明、無味、無臭の透過液を
得た。上記により濃縮されたコーヒーをPEG20Mの
カラムを用いてガスクロマトグラフィー分析を行った結
果、図2に示すような多くの揮発成分のピークが検出さ
れた。なお、図2の横軸は時間を、また縦軸はピーク強
度を示す。また図中の数字はピーク成分の保持時間
(分)を示す。同様に透過液のガスクロマトグラフィー
分析を行った結果、ピークは検出されなかった。
膜を用いて、図1に示す浸透気化分離装置を組み立て
た。図1において、1は熱媒体による加熱ジャケット、
2は仕込食品、3はシール窒素供給口および出口、4は
攪拌棒、5は浸透気化膜、6は液体窒素冷却槽、7はト
ラップ、8は真空ポンプである。なお浸透気化膜の有効
膜面積は47mmΦであった。市販のコーヒーメーカー
を用いて20gのコーヒー粉末を300gの湯水で抽出
した。この内200gの抽出液を図1の装置によって浸
透気化脱水した。処理は温度70℃で3時間行い、トラ
ップに12.2gの無色、透明、無味、無臭の透過液を
得た。上記により濃縮されたコーヒーをPEG20Mの
カラムを用いてガスクロマトグラフィー分析を行った結
果、図2に示すような多くの揮発成分のピークが検出さ
れた。なお、図2の横軸は時間を、また縦軸はピーク強
度を示す。また図中の数字はピーク成分の保持時間
(分)を示す。同様に透過液のガスクロマトグラフィー
分析を行った結果、ピークは検出されなかった。
【0014】(実施例2)市販のコーヒーメーカーを用
い、炒って粉末にしたコーヒー豆30gから300gの
湯水で抽出したコーヒー150gを実施例1と同じ膜、
装置を用いて浸透気化脱水した。処理は温度80℃で
8.5時間行い、トラップに56.85gの無色、透
明、無味、無臭の透過液を得た。8.5時間の平均透過
速度は、3.85Kg/m2・hrである。引き続き、
30分間浸透気化脱水を行い、3.4gの透過液を得
た。この時の透過速度は、3.9Kg/m2・hrであ
った。高濃度に濃縮しても、透過速度の低下は認められ
なかった。
い、炒って粉末にしたコーヒー豆30gから300gの
湯水で抽出したコーヒー150gを実施例1と同じ膜、
装置を用いて浸透気化脱水した。処理は温度80℃で
8.5時間行い、トラップに56.85gの無色、透
明、無味、無臭の透過液を得た。8.5時間の平均透過
速度は、3.85Kg/m2・hrである。引き続き、
30分間浸透気化脱水を行い、3.4gの透過液を得
た。この時の透過速度は、3.9Kg/m2・hrであ
った。高濃度に濃縮しても、透過速度の低下は認められ
なかった。
【発明の効果】以上詳しく説明したように本発明の食品
の濃縮方法を採用することにより、食品に含まれる香
り、風味を損なったり、失われたりすることなく効率よ
く食品を濃縮することが出来る。
の濃縮方法を採用することにより、食品に含まれる香
り、風味を損なったり、失われたりすることなく効率よ
く食品を濃縮することが出来る。
【図1】本発明の実施例1で使用した浸透気化分離装置
を示す。
を示す。
【図2】実施例1で濃縮されたコーヒーのガスクロマト
グラフィーによる分析結果を示す。
グラフィーによる分析結果を示す。
1 加熱ジャケット 2 仕込食品 3 シール窒素供給口および出口 4 攪拌棒 5 浸透気化膜 6 液体窒素冷却槽 7 トラップ 8 真空ポンプ
Claims (4)
- 【請求項1】 2〜5重量%の酢酸エチル水溶液を処理
したときの分離係数が10以上である浸透気化膜を用い
ることを特徴とする食品の濃縮方法。 - 【請求項2】 2〜5重量%の酢酸エチル水溶液を処理
したときの水の透過速度が70℃において3.0Kg/
m2・hr以上である浸透気化膜を用いることを特徴と
する請求項1記載の食品の濃縮方法。 - 【請求項3】 浸透気化膜が非対称膜であり、アクリロ
ニトリル構造単位の含有量が90〜97モル%の共重合
体からなることを特徴とする請求項1記載の食品の濃縮
方法。 - 【請求項4】 あらかじめ逆浸透膜を用いて濃縮した食
品を濃縮原料とする請求項1記載の食品の濃縮方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07516392A JP3149256B2 (ja) | 1992-02-26 | 1992-02-26 | 食品の濃縮方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07516392A JP3149256B2 (ja) | 1992-02-26 | 1992-02-26 | 食品の濃縮方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05237347A true JPH05237347A (ja) | 1993-09-17 |
JP3149256B2 JP3149256B2 (ja) | 2001-03-26 |
Family
ID=13568266
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP07516392A Expired - Fee Related JP3149256B2 (ja) | 1992-02-26 | 1992-02-26 | 食品の濃縮方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3149256B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015229154A (ja) * | 2014-06-06 | 2015-12-21 | 栗田工業株式会社 | 懸濁液の濃縮システムおよび濃縮方法 |
Citations (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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- 1992-02-26 JP JP07516392A patent/JP3149256B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP3149256B2 (ja) | 2001-03-26 |
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