JPH05236Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の目的］ （産業上の利用分野） 本考案は、パチンコホール内の景品交換カウン
タに設けられ、遊技後にパチンコ玉或は遊技用メ
タルを景品と交換する際にそのパチンコ玉或はメ
タルを計数するためのパチンコホール用計数装置
に関する。

（従来の技術） 従来より、例えばパチンコ玉用の計数装置にあ
つては、玉受容器に投入されたパチンコ玉を計数
すると共に、投入されたパチンコ玉で交換可能な
特定景品の個数並びにその景品交換時の余り玉数
を上記計数結果に基づいて演算し、その演算結果
をデジタル表示器に表示する構成になされてい
る。また、斯かるパチンコ玉計数器には、その計
数内容を初期化するリセツトスイツチが設けられ
ており、景品交換終了時にはこのリセツトスイツ
チにより計数内容ひいては表示内容を初期化する
ようにしている。

（考案が解決しようとする問題点） 上記従来構成では、リセツトスイツチが操作さ
れたときには、パチンコ玉の計数動作実行中にお
いてもその計数動作が初期化されるようになつて
おり、このため計数動作実行中にリセツトスイツ
チが故意に操作されたときには、その操作時点ま
での計数値が初期化されてその計数値に対応した
パチンコ玉数だけ遊技者が損することになる。特
に、計数動作開始初期においてリセツトスイツチ
が操作されたときには、遊技者がその計数値の初
期化に気付かないことが多く、パチンコホール従
業員がこのような点を利用した不正行為を行なう
こともあつた。また、リセツトスイツチは、通常
において自動復帰形の押しボタンスイツチにより
構成されるものであるため、そのリセツトスイツ
チが誤つて押圧されることがあり、この場合にも
上述同様に遊技者が損することになる。

本考案は上記事情に鑑みてなされたものであ
り、その目的は、パチンコ玉或は遊技用メタルの
計数動作中には、リセツトスイツチが操作された
としてもその計数動作が初期化されることがな
く、以て遊技者に損害が及ぶことを確実に防止で
きるパチンコホール用計数装置を提供するにあ
る。

［考案の構成］ （問題点を解決するための手段） 本考案は、パチンコ玉或は遊技用メタルの投入
に応じてリアルタイムにて出力される計数パルス
に基づいて上記パチンコ玉或は遊技用メタルの投
入数を演算・表示する演算表示手段を設けると共
に、手動操作に応じてリセツト信号を発生して前
記演算表示手段の演算内容を初期化する構成のパ
チンコホール用計数装置を前提としたものであ
り、上記計数パルスが出力される毎にその計数パ
ルスの出力周期より長いパルス幅のキヤンセルパ
ルスを出力する信号発生回路、並びに前記リセツ
トスイツチ及び演算表示手段間に介在され前記キ
ヤンセルパルスの出力期間中は前記リセツト信号
の通過を阻止するゲート手段を追加して設けたも
のである。

（作用） パチンコ玉或は遊技用メタルが投入されたとき
には、その投入数に応じた数の計数パルスがリア
ルタイムにて出力される。そして、演算表示手段
にあつては、上記計数パルスを累計して、その累
計値つまりパチンコ玉或は遊技用メタルの投入数
を示す値を表示するようになる。このように演算
表示手段での演算・表示動作が行なわれている状
態、即ち計数パルスが出力されている状態では、
計数パルスの出力毎にその出力周期より長いパル
ス幅のキヤンセルパルスが出力され、このキヤン
セルパルスを受けたゲート手段がリセツト信号の
通過を阻止した状態を保持するようになる。従つ
て、演算表示手段が演算・表示動作を実行してい
る期間中には、その演算表示手段に対してリセツ
ト信号が与えられることがないから、その演算・
表示内容が初期化される虞がなくなるものであ
る。

（実施例） 以下、本考案をパチンコ玉用の計数装置に適用
した一実施例について図面を参照しながら説明す
る。

全体の概略構成を示す第２図において、１は計
数装置本体で、これは本体ケース２とこの本体ケ
ース２の上方に位置された上面開放形の玉受容器
３とから成り、その玉受容器３の底面は中央部に
向かつて下降する傾斜面に形成され、さらにその
最下部に落下口４が形成されている。そして、上
記本体ケース２の前面部には、玉受容器３に投入
されたパチンコ数をデジタル表示する投入数表示
部５、特定景品の交換個数をデジタル表示する交
換個数表示部６、余りパチンコ玉数をデジタル表
示する余り玉数表示部７が夫々設置されている。
８は本体ケース２内に設けられた計数器で、玉受
容器３内に投入されたパチンコ玉はこの計数器８
を通過した後に図示しない排出路を介して計数装
置本体１外へ排出されるようになつている。そし
て、計数器８は、パチンコ玉が通過する毎にその
通過数に対応した数の計数パルスPcをリアルタ
イムにて発生するように構成されている。９は自
動復帰常開形の押しボタンスイツチにより構成さ
れたリセツトスイツチで、オン操作されたときに
論理値「１」信号より成るリセツト信号Poを出
力する。

さて、以下においては電気的構成を示す第１図
について説明する。即ち、１０は演算表示手段で
あり、これは累計回路１１、数値記憶部１２、除
算回路１３及びドライバ１４，１５，１６より成
る。上記累計回路１１は、前記計数器８から出力
される計数パルスPcを累計して、その累計結果
を示す数値信号Saを出力するように構成されて
おり、リセツト端子Ｒに論理値「１」信号を受け
たときに累計内容を初期化するようになつてい
る。数値記憶部１２には、パチンコ玉を特定景品
と交換するのに必要なパチンコ玉数に相当した単
位数Ｎ（例えば「75」）が記憶されている。除算回
路１３は、数値信号Saにより示される数値を単
位数Ｎで除算し、その除算結果の商を示す数値信
号Sbを出力端子Q₁から出力すると共に、除算結
果の余り数を示す数値信号Scを出力端子Q₂から
出力するように構成されている。従つて、上記数
値信号Sbにより示される数値は、玉受容器３に
投入されたパチンコ玉によつて交換可能な特定景
品の個数に対応し、数値信号Scにより示される
数値は、そのときの余りパチンコ玉数に相当する
ようになる。尚、除算回路１３はリセツト端子Ｒ
を有し、そのリセツト端子Ｒに論理値「１」信号
を受けたときに演算内容を初期化するように構成
されている。そして、ドライバ１４，１５及び１
６は、夫々数値信号Sa，Sb及びScを受けるよう
に設けられており、入力された各信号Sa，Sb及
びScにより示される数値を夫々に対応した前記
投入数表示部５、交換個数表示部６及び余り数表
示部７にデジタル表示させる。

一方、１７は信号発生回路たる例えばリトリガ
タイプの単安定マルチバイブレータで、これは前
記計数パルスPcが立上がる毎に所定パルス幅τ
のキヤンセルパルスPxを新たに出力するように
構成されている。このとき、上記キヤンセルパル
スPxのパルス幅τは、単安定マルチバイブレー
タ１７の時定数を調節することにより、計数パル
スPcの出力周期より若干長い値（例えば100〜
500ms程度）に設定される。１８はインバータ１
９及びAND回路２０により構成されたゲート手
段で、上記AND回路２０は、その一方の入力端
子にリセツトスイツチ９からの出力を受けると共
に、他方の入力端子に単安定マルチバイブレータ
１７からの出力をインバータ１９を介して受ける
ように設けられている。さらに、AND回路２０
の出力は、前記累計回路１１及び除算回路１３の
各リセツト端子Ｒに与えられるようになつてい
る。

次に上記構成の作用について説明する。今、玉
受容器３にパチンコ玉が投入されると、計数器８
から上記投入数に応じた数の計数パルスPcがリ
アルタイムにて出力されるようになり、累計回路
１１が上記計数パルスPcを累計してその累計値
を示す数値信号Saを出力するようになる。この
ため、上記数値信号Saを受けたドライバ１４が、
その数値信号Saにより示される数値、即ち玉受
容器３に投入されたパチンコ玉数を投入表示部５
に順次デジタル表示させるようになる。また、除
算回路１３にあつては、上記のように出力される
数値信号Saにより示される数値を単位数Ｎにて
除算し、その除算結果の商及び余り数を示す数値
信号Sb及びScを出力するようになる。このため、
上記数値信号Sbを受けたドライバ１５が、数値
信号Sbにより示される数値、即ち玉受容器３に
投入されたパチンコ玉で交換可能な特定景品の個
数を交換個数表示部６にデジタル表示させるよう
になる。また、これと同時に、数値信号Scを受
けたドライバ１６が、数値信号Scにより示され
る数値、即ち玉受容器３に投入されたパチンコ玉
を特定景品と交換する際の余り玉数を余り玉数表
示部７にデジタル表示させるようになる。しかし
て、計数器８の計数動作時においては、計数パル
スPcが間欠的に出力されると共に、その計数パ
ルスPcが立上がる毎に単安定マルチバイブレー
タ１７から新たなキヤンセルパルスPxが出力さ
れるようになる。このとき、キヤンセルパルス
Pxのパルス幅τが計数パルスPcの出力周期より
長く設定されているから、計数パルスPcの出力
期間中は、キヤンセルパルスPxの出力状態が連
続するようになる。このため、計数パルスPcの
出力期間中、換言すれば演算表示手段１０が演算
動作を実行している期間中は、キヤンセルパルス
Pxを受けたインバータ１９の出力が論理値「０」
信号に反転するため、AND回路２０がリセツト
信号Poの通過を阻止するようになる。従つて、
計数器８の計数動作実行時、換言すれば演算表示
手段１０による演算動作実行時には、リセツトス
イツチ９がオン操作されたとしても、リセツト信
号Poが累計回路１１及び除算回路１３のリセツ
ト端子Ｒに与えられることがなく、その演算表示
手段１０による演算動作が途中で初期化されるこ
とがなくなる。この後、計数器８の計数動作が終
了して、計数パルスPcが出力停止されたときに
は、単安定マルチバイブレータ１７がキヤンセル
パルスPxの出力動作を停止するため、インバー
タ１９の出力が論理値「１」信号に反転して
AND回路２０がリセツト信号Poの通過を許容し
た状態になる。従つてこの状態では、リセツトス
イツチ９のオン操作に応じて累計回路１１及び除
算回路１３が初期化されて、各表示器５，６，７
による表示が零に戻される。

以上のように、演算表示手段１０が演算動作を
実行している期間中には、リセツトスイツチ９が
オン操作されたとしても、その演算動作が初期化
されることがないものであり、従つてリセツトス
イツチ９が故意或は誤つてオンされたとしても何
等支障を来すことがなく、以て従来のように遊技
者が損害を被る虞がなくなるものである。

尚、上記実施例において、演算表示手段１０、
単安定マルチバイブレータ１９及びゲート手段１
８による機能をコンピユータのプログラムによる
制御に置換えても良いことは勿論である。

その他、本考案は上記し且つ図面に示した実施
例に限定されるものではなく、例えば遊技用メタ
ルの計数装置にも同様に適用できる等、その要旨
を逸脱しない範囲で種々変形して実施することが
できるものである。

［考案の効果］ 以上の説明によつて明らかなように、本考案に
よるパチンコホール用計数装置によれば、パチン
コ玉或はメタルの計数動作中には、リセツトスイ
ツチが操作されたとしてもその計数動作が初期化
されることがなくなるものであり、以て遊技者に
損害が及ぶことを確実に防止できるという優れた
効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図
は電気的構成を示すブロツク図、第２図は全体の
斜視図である。 図中、１は計数装置本体、３は玉受容器、５は
投入数表示部、６は交換個数表示部、７は余り数
表示部、８は計数器、９はリセツトスイツチ、１
０は演算表示手段、１７は単安定マルチバイブレ
ータ（信号発生回路）、１８はゲート手段を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 投入されたパチンコ玉或は遊技用メタルに対応
   した数の計数パルスをリアルタイムにて発生する
   計数器と、上記計数パルスを累計してその累計値
   を表示する演算表示手段と、手動操作に応じてリ
   セツト信号を発生しそのリセツト信号によつて前
   記演算表示手段の累計内容を初期化するリセツト
   スイツチとを備えたパチンコホール用計数装置に
   おいて、前記計数パルスが出力される毎にその計
   数パルスの出力周期より長いパルス幅のキヤンセ
   ルパルスを出力する信号発生回路と、前記リセツ
   トスイツチ及び演算表示手段間に介在され前記キ
   ヤンセルパルスの出力期間中は前記リセツト信号
   の通過を阻止するゲート手段とを備えたことを特
   徴とするパチンコホール用計数装置。