JPH05236351A - エネルギーサブトラクション画像生成方法 - Google Patents

エネルギーサブトラクション画像生成方法

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JPH05236351A
JPH05236351A JP4045530A JP4553092A JPH05236351A JP H05236351 A JPH05236351 A JP H05236351A JP 4045530 A JP4045530 A JP 4045530A JP 4553092 A JP4553092 A JP 4553092A JP H05236351 A JPH05236351 A JP H05236351A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 エネルギーサブトラクション画像生成方法に
おいて、サブトラクション処理前の原画像とほぼ同程度
にまでノイズを低減した観察適性の優れたサブトラクシ
ョン画像を生成する。 【構成】 エネルギーサブトラクションすべき2つの原
画像信号S01 ,S02 それぞれのノイズをN1 ,N2
としたときに、 S=(N2 2 /(N1 2 +N2 2 ))×S01 +(N1 2 /(N1 2 +N2 2 ))×S02 なる式により、重ね合せ画像信号S0を求める。ついで
原画像信号S01 ,S02 内で減算処理を行ない骨部画
像信号S1を求め、画像信号S1を平滑化して画像信号
S1mを得る。画像信号S1mを重ね合せ画像信号S0
より減じて処理済軟部画像46を得る。以上の処理を繰返
し行なうようにしてもよい。また、ノイズのかわりに各
原画像信号の感度を用いてもよい。さらに、画素毎に感
度を求めるようにしてもよく、画素毎の感度を原画像信
号のボケ信号により求めてもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、放射線画像のエネルギ
ーサブトラクション画像のノイズを低減させ、観察性能
の優れた画像を得るエネルギーサブトラクション画像生
成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】記録された放射線画像を読み取って画像
信号を得、この画像信号に適切な画像処理を施した後、
画像を再生記録することが種々の分野で行われている。
たとえば、後の画像処理に適合するように設計されたガ
ンマ値の低いX線フイルムを用いてX線画像を記録し、
このX線画像が記録されたフイルムからX線画像を読み
取って電気信号に変換し、この電気信号(画像信号)に
画像処理を施した後コピー写真等に可視像として再生す
ることにより、コントラスト,シャープネス,粒状性等
の画質性能の良好な再生画像を得ることの出来るシステ
ムが開発されている(特公昭61−5193号公報参照)。
【0003】また本出願人により、放射線(X線,α
線,β線,γ線,電子線,紫外線等)を照射するとこの
放射線エネルギーの一部が蓄積され、その後可視光等の
励起光を照射すると蓄積されたエネルギーに応じた光量
の輝尽発光光を放射する蓄積性蛍光体(輝尽性蛍光体)
を利用して、人体等の被写体の放射線画像を一旦シート
状の蓄積性蛍光体に撮影記録し、蓄積性蛍光体シートを
レーザ光等の励起光で走査して輝尽発光光を生ぜしめ、
得られた輝尽発光光を光電的に読み取って画像信号を
得、この画像信号に基づいて被写体の放射線画像を写真
感光材料等の記録材料、CRT等に可視像として出力さ
せる放射線記録再生システムがすでに提案されている
(特開昭55-12429号,同56-11395号,同55-0163472号,
同56-164645 号,同55-116340 号等)。
【0004】このシステムは、従来の銀塩写真を用いる
放射線写真システムと比較して極めて広い放射線露光域
にわたって画像を記録し得るという実用的な利点を有し
ている。すなわち、放射線露光量に対する、蓄積後に励
起によって発光する輝尽発光光の光量が極めて広い範囲
に渡って比例することが認められており、従って種々の
撮影条件により放射線露光量がかなり大幅に変動して
も、蓄積性蛍光体シートより放射される輝尽発光光を読
取りゲインを適当な値に設定して光電変換手段により読
み取って電気信号(画像信号)に変換し、この画像信号
を用いて写真感光材料、CRT等の表示装置に放射線画
像を可視像として出力することによって、放射線露光量
の変動に影響されない放射線画像を得ることができる。
【0005】上記のようにX線フイルムや蓄積性蛍光体
シート等を用いるシステムにおいて、記録された複数の
放射線画像を読み取って複数の画像信号を得た後、これ
らの画像信号に基づいて上記放射線画像のサブトラクシ
ョン処理を施すことがある。
【0006】ここで、放射線画像のサブトラクション処
理とは、互いに異なった条件で撮影された複数の放射線
画像の差に対応する画像を得る処理をいい、具体的には
これら複数の放射線画像を所定のサンプリング間隔で読
み取って各放射線画像に対応する複数のディジタルの画
像信号を得、これら複数のディジタルの画像信号の各対
応するサンプリング点毎に減算処理を施すことにより、
放射線画像中の特定の被写体部分のみを強調または抽出
した放射線画像を得る処理をいう。
【0007】このサブトラクション処理には基本的には
次の2つがある。すなわち、造影剤の注入により被写体
の特定の部分(たとえば人体を被写体としたときの血管
等)が強調された放射線画像から造影剤が注入されてい
ない放射線画像を引き算(サブトラクト)することによ
って被写体の特定の部分(たとえば血管等)を抽出する
いわゆる時間サブトラクションと、被写体の特定の部分
が互いに異なるエネルギーを有する放射線に対して異な
る放射線吸収率を有することを利用して、同一の被写体
に対して互いに異なるエネルギーを有する放射線を照射
してこれら互いに異なるエネルギーを有する各放射線に
よる複数の放射線画像を得、これら複数の放射線画像を
適当に重み付けしてその差を演算することによって被写
体の特定部分を抽出するいわゆるエネルギーサブトラク
ションとがある。本出願人も蓄積性蛍光体シートを用い
たエネルギーサブトラクションについて提案している
(特開昭59-83486号公報,特開昭60-225541 号公報参
照)。
【0008】上記エネルギーサブトラクション処理後の
画像は処理前の複数の放射線画像(以下エネルギーサブ
トラクション処理前の放射線画像を「原画像」と称す
る。)を減算処理することにより得られた画像であるた
め、原画像と比べS/N比が低下し見にくい画像となっ
てしまうという問題点がある。
【0009】例えば人体の胸部のように軟部および骨部
から構成された被写体に互いにエネルギーの異なる放射
線を照射して複数の放射線画像を得、これら複数の放射
線画像を読み取ってこれら複数の放射線画像のそれぞれ
を表わす複数の画像信号を得、これら複数の画像信号に
基づいてエネルギーサブトラクション処理を行なって被
写体の主として軟部が記録された軟部画像を表わす軟部
画像信号もしくは被写体の主として骨部が記録された骨
部画像を表わす骨部画像信号を求め、求められた軟部画
像もしくは骨部画像を観察の対象とする場合がある。こ
の軟部画像,骨部画像はそれぞれ骨部,軟部の陰影が消
去された画像であるため、骨部もしくは軟部に隠れてし
まっていた陰影や骨部もしくは軟部の影響で見にくくな
ってしまっていた陰影を浮かび上がらせることができ、
所定の観察目的に良くマッチングする場合がある。しか
し前述したようにこれら軟部画像,骨部画像はサブトラ
クション処理により得られた画像であるため、原画像と
比べノイズ成分が強調され、この点からはむしろ観察適
性が悪化してしまっていた。
【0010】そこで本出願人により、互いにエネルギー
の異なる複数の放射線を該複数の放射線に対して互いに
放射線吸収率の異なる複数の組織から構成される被写体
に照射して得られた複数の放射線画像のそれぞれを表わ
す複数の原画像信号に基づいて、被写体中の主として第
1の組織が記録された第1の画像を表わす第1の画像信
号を求め、この第1の画像信号を処理することにより第
1の画像のノイズ成分が低減または除去された第1の平
滑化画像を表わす第1の平滑化画像信号を求め、原画像
信号からこの平滑化画像信号を減算処理することによ
り、被写体の主として第2の組織が記録された第2の画
像を表わす第2の画像信号を求め、ノイズを低減したサ
ブトラクション画像を生成するエネルギーサブトランク
ョン画像生成方法が提案されている(特願平2-94653
号)。
【0011】また、この方法は、前述した第1の画像信
号を求める第1の処理を行なった後、第2の画像信号を
求める第2の処理を行ない、この第2の処理の後、第2
の画像信号を処理することにより第2の画像のノイズ成
分が低減された第2の平滑化画像信号を表わす第2の平
滑化画像信号を求めて、原画像信号から第2の平滑化画
像信号を減算処理することにより、被写体の主として第
1の組織が記録された新たな第1の画像を表わす新たな
第1の画像信号を求める第3の処理を行なうことも提案
している。
【0012】さらに、このエネルギーサブトラクション
画像生成方法は前述した第2の処理または第3の処理を
繰り返し行なって、画像信号のノイズ成分をさらに低減
させることも提案している。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】上述した特願平2-9465
3 号におけるエネルギーサブトラクション画像生成方法
は、第1の画像信号および第2の画像信号をそれぞれS
1 ,S02 とした際に、式 S0=(S01 +S02 )/2 に従って、互いに対応する各画素毎に加算処理を行なう
ことにより、2つの画像信号の重ね合せ画像信号を生成
して画像信号のノイズ成分を低減し、その後の処理に有
利となるようにしている。
【0014】ところが、上述した式により得られる重ね
合せ画像信号は、第1の画像信号と第2の画像信号とを
単純に平均しただけであるため、ノイズ成分の低減の度
合が必ずしも最適ではなく、さらにエネルギーサブトラ
クション画像のノイズ成分を低減させることが望まれて
いる。
【0015】本発明は、上記事情に鑑み、上述したエネ
ルギーサブトラクション画像生成方法よりも、さらにノ
イズを低減した観察適性の優れたサブトラクション画像
を生成する方法を提供することを目的とするものであ
る。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明による第1のエネ
ルギーサブトラクション画像生成方法は、互いにエネル
ギーの異なる2種類の放射線を該2種類の放射線に対し
て互いに放射線吸収率の異なる複数の組織から構成され
る被写体に照射して得られた2種類の放射線画像のそれ
ぞれを表わす第1および第2の原画像信号を求め、該第
1の原画像信号をS01 、該第1の原画像信号のノイズ
をN1 、前記第2の原画像信号をS02 、該第2の原画
像信号のノイズをN2 としたときに、 S=(N2 2 /(N1 2 +N2 2 ))×S01 +(N1 2 /(N1 2 +N2 2 ))×S02 なる重み付け加算により、重ね合せ画像信号を求め、前
記第1および第2の原画像信号間で減算処理を行なうこ
とにより前記被写体中の主として第1の組織が記録され
た第1の画像を表わす第1の画像信号を求め、前記第1
の画像信号を平滑化処理することにより前記第1の画像
のノイズ成分が低減または除去された第1の平滑化画像
を表わす第1の平滑化画像信号を求め、前記重ね合せ画
像信号と前記平滑化画像信号との間で減算処理を行なう
ことにより、前記被写体の主として第2の組織が記録さ
れた第2の画像を表わす第2の画像信号を求めることを
特徴とするものである。
【0017】ここで、上記方法を実施するに際し、上記
方法をさらに細かなステップに分解することや演算の順
序を変更すること等表面的には各種変形した方法を採用
して上記方法と実質的同一の方法を実現することができ
る態様もあり、本発明は実質的同一の各種方法を包含す
る概念として把握されるものである。
【0018】また、ここで互いに異なる放射線吸収率の
異なる複数の組織とあるが、この組織とは、例えば人体
を被写体とした場合は、骨部組織と軟部組織や乳癌組織
と乳腺組織のような人体の各組織を意味し、また、非破
壊検査における機械等の無機質を被写体とした場合は、
その無機質を構成する異なる材料からなる部分等のこと
を意味するものである。
【0019】また、本発明による第2のエネルギーサブ
トラクション画像生成方法は、互いにエネルギーの異な
る2種類の放射線を該2種類の放射線に対して互いに放
射線吸収率の異なる複数の組織から構成される被写体に
照射して得られた2種類の放射線画像のそれぞれを表わ
す第1および第2の原画像信号を求め、該第1の原画像
信号をS01 、該第1の原画像信号のノイズをN1 、前
記第2の原画像信号をS02 、該第2の原画像信号のノ
イズをN2 としたときに、 S=(N2 2 /(N1 2 +N2 2 ))×S01 +(N1 2 /(N1 2 +N2 2 ))×S02 なる重み付け加算により、重ね合せ画像信号を求め、前
記第1および第2の原画像信号間で減算処理を行なうこ
とにより前記被写体中の主として第1の組織が記録され
た第1の画像を表わす第1の画像信号を求める第1の処
理を行なった後、前記第1の画像信号を平滑化処理する
ことにより前記第1の画像のノイズ成分が低減された第
1の平滑化画像を表わす第1の平滑化画像信号を求め
て、前記重ね合せ画像信号と該第1の平滑化画像信号と
の間で、減算処理を行なうことにより、前記被写体の主
として第2の組織が記録された第2の画像を表わす第2
の画像信号を求める第2の処理を行ない、該第2の処理
の後、前記第2の画像信号を平滑化処理することにより
前記第2の画像のノイズ成分が低減された第2の平滑化
画像を表わす第2の平滑化画像信号を求めて、前記原重
ね合せ画像信号と該第2の平滑化画像信号との間で減算
処理を行なうことにより、前記被写体の主として前記第
1の組織が記録された新たな第1の画像を表わす新たな
第1の画像信号を求める第3の処理を行なうことを特徴
とするものである。
【0020】ここで前記第2のエネルギーサブトラクシ
ョン画像生成方法における前記第2の処理、第3の処理
を繰り返し行ない、これによりさらに画質性能の良好な
画像を得ることも可能である。すなわち、本発明の第3
のエネルギーサブトラクション画像生成方法は、前記第
2のエネルギーサブトラクション画像生成方法における
各処理を行なった後、前記第3の処理により求められた
前記新たな第1の画像信号を前記第2の処理における前
記第1の画像信号として再度前記第2の処理を行なうこ
とにより、前記被写体の主として前記第2の組織が記録
された新たな第2の画像を表わす新たな第2の画像信号
を求める新たな第2の処理と、該新たな第2の画像信号
を前記第3の処理における前記第2の画像信号として再
度前記第3の処理を行なうことにより、前記被写体の主
として前記第1の組織が記録された新たな第1の画像を
表わす新たな第1の画像信号を求める新たな第3の処理
とを1回または複数回繰り返すことを特徴とするもので
ある。
【0021】また、前記第2もしくは第3のエネルギー
サブトラクション画像生成方法を適用して、最終的に被
写体の第2の組織が記録された第2の画像を表わす第2
の画像データを求めることも可能である。すなわち、本
発明の第4のエネルギーサブトラクション画像生成方法
は、前記第2もしくは第3のエネルギーサブトラクショ
ン画像生成方法における処理を行なった後、前記第3の
処理もしくは前記新たな第3の処理により求められた前
記新たな第1の画像信号を前記第2の処理もしくは前記
新たな第2の処理における前記第1の画像信号として再
度前記第2の処理もしくは前記新たな第2の処理を行な
うことにより、前記被写体の主として前記第2の組織が
記録された新たな第2の画像を表わす新たな第2の画像
信号を求めることを特徴とするものである。
【0022】ここで上記第2から第4のエネルギーサブ
トラクション画像生成方法には、上記第1のエネルギー
サブトラクション画像生成方法と同様なステップが含ま
れており、したがって上記第1のエネルギーサブトラク
ション画像生成方法について説明したのと同様に、上記
第2から第4のエネルギーサブトラクション画像生成方
法も実質同一の各種の態様を包含する概念として把握さ
れるものである。また、実質同一を含めた上記各方法を
含みさえすれば本発明に含まれることは当然であり、例
えば本発明を実施する前に他の方法によるノイズ低減化
処理等のステップが含まれていてもよく、本発明を実施
した後にさらにノイズを低減化させるための他のステッ
プが含まれていてもよい。
【0023】さらに、本発明による第5のエネルギーサ
ブトラクション画像生成方法は、前記第1から第4のエ
ネルギーサブトラクション画像生成方法のうちのいずれ
か1つの画像生成方法において、前記重ね合せ画像信号
を、前記第1の原画像信号S01 、該第1の原画像信号
の感度をSk1、前記第2の原画像信号をS02 、該第2
の原画像信号の感度をSk2としたときに、 S=(Sk2/(Sk1+Sk2))×S01 +(Sk1/(Sk1+Sk2))×S02 なる重み付け加算により求めることを特徴とするもので
ある。
【0024】ここで、原画像信号の感度とあるが、この
感度は、例えば蓄積性蛍光体シートから読み取った画像
信号の場合は、その画像信号の感度を意味し、またX線
画像が記録されたX線フイルム等から読み取った画像信
号の場合は、そのX線フイルムの感度を意味するものと
する。
【0025】ここで、本発明によるエネルギーサブトラ
クション画像生成方法において、 S=(N2 2 /(N1 2 +N2 2 ))×S01 +(N1 2 /(N1 2 +N2 2 ))×S02 …(1) なる重み付け加算により、重ね合せ画像信号を求めてい
るが、この式(1) における重み付け係数N2 2 /(N1
2 +N2 2 )およびN1 2 /(N1 2 +N2 2 )は、以
下のようにして求めるものである。
【0026】すなわち、 S=a×S01 +(1−a)×S02 …(2) 但しaは任意の定数 なる重み付け加算により、重ね合せ画像信号Sを求める
とし、第1の画像信号S01 のノイズをN1 、第2の画
像信号S02 のノイズをN2 とすると、重ね合せ画像信
号SのノイズNは、
【0027】
【数1】
【0028】で表わされる。
【0029】したがって、ノイズNを最小にするような
定数aを求め、この定数aを重み付け係数として式(2)
に代入すれば、重ね合せ画像信号Sにより得られる放射
線画像は最適なものとなる。
【0030】ここで、ノイズNを最小にするにはN2
最小にすればよいから、式(3) を変形して N2 =(a×N1 2 +((1−a)×N2 2 …(4) とし、式(4) を定数aで偏微分すると、
【0031】
【数2】
【0032】ノイズNの2乗を定数aで偏微分した値が
0となる点においてノイズN2 は最小となるから、式
(5) より、 2a×N1 2 −2(1−a)×N2 2 =0 …(6) となる定数aの値を求めると、 a=N2 2 /(N1 2 +N2 2 ), (1−a)=N1 2 /(N1 2 +N2 2 ) … (7) となる。
【0033】この定数aの値を式(2) に代入すると、式
(1) が得られる。したがって、式(1) に示す重み付け加
算により、重ね合せ画像信号Sを求めれば、重ね合せ画
像信号Sのノイズは最小となるのである。
【0034】また、本発明による第5のエネルギーサブ
トラクション画像生成方法において、 S=(Sk2/(Sk1+Sk2))×S01 +(Sk1/(Sk1+Sk2))×S02 …(8) なる重み付け加算により、重ね合せ画像信号Sを求めて
いるが、式(8) において、画像信号に画像処理等を施す
ためのパラメータである感度Sk1およびSk2を用いてい
るのは以下の理由によるものである。
【0035】すなわち、画像信号のレベルが最も支配的
な領域においては、ノイズの2乗値が蓄積性蛍光体シー
トに照射される放射線量とほぼ線形の関係にあり、さら
に、感度は、蓄積性蛍光体シートに照射される放射線量
との相関関係が強いものである。したがって、本発明に
よる第1のエネルギーサブトラクション画像生成方法に
おけるN1 2 およびN2 2 を感度Sk1およびSk2で置き
換えることにより、重ね合せ画像信号Sのノイズを最小
となるようにしているのである。
【0036】また、ここにいうノイズの2乗値と線形の
関係にある感度とは、図11のグラフ70に示すように、画
像信号から求められる感度の対数をとったものであるた
め、上述した式(8) における感度とは、この対数値をと
った感度を表わすものとなる。したがって、対数値をと
る前の感度を使用して重み付け加算を行う場合、対数値
をとる前の感度をSk1′, Sk2′とすれば、式(8) は、 S=(log Sk2′/(log Sk1′+log Sk2′))×S01 +(log Sk1′/(log Sk1′+log Sk2′))×S02 …(8′) のように変形される。
【0037】なお、上記各エネルギーサブトラクション
画像生成方法における「第1の画像」(上記「新たな第
1の画像」を含む)と上記「第2の画像」(上記「新た
な第2の画像」を含む)はエネルギーサブトラクション
処理により得られた、同一被写体の互いに異なる組織の
陰影が強調もしくは抽出された2つの画像をいい、特定
のものに限定されるものではないが、例えば前述した軟
部画像と骨部画像や、人体の乳房を被写体とした場合
の、乳腺が強調された画像と悪性腫瘍が強調された画像
等をいう。
【0038】さらに、本発明による第6のエネルギーサ
ブトラクション画像生成方法は、前記第1から第4のエ
ネルギーサブトラクション画像生成方法のうちのいずれ
か1つの画像生成方法において、前記重ね合せ画像信号
を、前記第1の原画像信号S01 および前記第2の原画
像信号S02 に基づいて、前記各画素毎の前記第1の原
画像信号の感度Sk1および前記第2の原画像信号の感度
Sk2をそれぞれ求め、 S=(Sk2/(Sk1+Sk2))×S01 +(Sk1/(Sk1+Sk2))×S02 なる重み付け加算を前記相対応する画素毎に行うことに
より求めることを特徴とするものである。
【0039】さらに、本発明による第7のエネルギーサ
ブトラクション画像生成方法は、前記第1から第4のエ
ネルギーサブトラクション画像生成方法のうちのいずれ
か1つの画像生成方法において、前記重ね合せ画像信号
を、前記第1の原画像信号S01 および前記第2の原画
像信号S02 のボケ信号をそれぞれ求め、前記第1の原
画像信号のボケ信号および前記第2の原画像信号のボケ
信号に基づいて、前記各画素毎の前記第1の原画像信号
の感度Sk1および前記第2の原画像信号の感度Sk2をそ
れぞれ求め、 S=(Sk2/(Sk1+Sk2))×S01 +(Sk1/(Sk1+Sk2))×S02 なる重み付け加算を前記相対応する画素毎に行うことに
より求めることを特徴とするものである。
【0040】
【作用】本発明の第1のエネルギーサブトラクション画
像生成方法は、互いにエネルギーの異なる2種類の放射
線を該2種類の放射線に対して互いに放射線吸収率の異
なる複数の組織から構成される被写体に照射して得られ
た2種類の放射線画像のそれぞれを表わす第1および第
2の原画像信号を求め、この第1の原画像信号をS
1 、第1の原画像信号のノイズをN1 、第2の原画像
信号をS02 、第2の原画像信号のノイズをN2 とした
ときに、 S=(N2 2 /(N1 2 +N2 2 ))×S01 +(N1 2 /(N1 2 +N2 2 ))×S02 なる重み付け加算により、重ね合せ画像信号を求め、次
いでサブトラクション処理により得られる2つの画像
(第1の画像および第2の画像)のうちの一方の第1の
画像を求め、この画像にノイズ部分が低減または除去さ
れた第1の平滑化画像を求め、重ね合せ画像信号からこ
の第1の平滑化画像を減算処理するようにした。このた
め、前述した特願平2-94653 号に示されたエネルギーサ
ブトラクション画像生成方法で行なっている重ね合せ画
像信号を得るための演算により得られる重ね合せ画像信
号よりも、さらにノイズ成分が低減された画像信号が得
られることとなり、もとの原画像と同程度までノイズが
低減され観察適性の優れた第2の画像が生成される。
【0041】ここで、高画質の第2の画像を得るために
は、上記第1の平滑化画像を求めるに際して被写体の第
1の組織の陰影は保存したままノイズ成分のみを削除す
る必要がある。ところが第1の組織の陰影とノイズ成分
とはその空間周波数成分の1部が互いに重なっており、
このため極力ノイズ成分のみを取り除くような非線形フ
ィルタを用いたとしても第1の組織の陰影とノイズ成分
との完全な分離にはおのずから限界がある。
【0042】そこで、本発明の第2から第4のエネルギ
ーサブトラクション画像生成方法は、1回のノイズ低減
化処理でノイズを完全に分離することを放棄し、ノイズ
低減化処理を繰り返し行なうことにより、ノイズが低減
化された観察適性の優れた画像を生成するものである。
【0043】すなわち、本発明の第2のエネルギーサブ
トラクション画像生成方法は、第1の画像信号を処理す
ることによりノイズ成分を低減し、その後第2の画像信
号を求めて該第2の画像信号を処理することによりさら
にノイズ成分を低減することにより新たな第1の画像信
号を求めるようにしたものであり、上記2回のノイズ低
減化処理においてそれぞれ得意とするノイズ成分の低減
化を行なうことができ、上記第1のエネルギーサブトラ
クション画像生成方法よりもさらにノイズが低減され
た、さらに観察適性の優れた画像が生成される。
【0044】また、本発明の第3のエネルギーサブトラ
クション画像生成方法は、上記第2のエネルギーサブト
ラクション画像生成方法を繰り返すことによりさらにノ
イズ低減化を図るものであり、各ノイズ低減化処理にお
いて互いに得意とするノイズ低減化処理を分担させるこ
とができ、さらにノイズが低減された画像が生成され
る。
【0045】また、本発明の第4のエネルギーサブトラ
クション画像生成方法は、上記第2もしくは第3のエネ
ルギーサブトラクション画像生成方法を行なった後、こ
の第2もしくは第3のエネルギーサブトラクション画像
生成方法により得られた新たな第1の画像信号について
ノイズ低減化処理を行なって重ね合せ画像信号との減算
処理を行なうようにしたため、ノイズ成分の低減化され
た新たな第2の画像が生成される。
【0046】さらに、本発明の第5のエネルギーサブト
ラクション画像生成方法のように、前述した第1および
第2の原画像信号それぞれの感度を求め、この感度によ
り、それぞれの原画像信号を重み付けて重ね合せ画像信
号を得るようにしても、上記本発明による第1から第4
のエネルギーサブトラクション画像生成方法と同様にノ
イズ成分の低減化された画像が生成される。
【0047】また、本発明の第6のエネルギーサブトラ
クション画像生成方法のように、重み付け画像信号のノ
イズが最小となる重み付け係数を求めるための感度を各
画素毎に求めるようにすれば、被写体を透過し記録シー
ト等に到達した放射線の線量の場所毎の違いに影響され
ず、各画素毎にノイズを最小とすることができるため、
より画質を向上させることができる。
【0048】さらに、本発明の第7のエネルギーサブト
ラクション画像生成方法のように、画像信号のボケ信号
を求め、このボケ信号に基づいて画素毎の感度を求める
ようにすれば、ノイズに影響されない大域的な画素毎の
感度を求めて重み付け係数を決定することができる。
【0049】
【実施例】以下、図面を参照して、本発明の実施例につ
いて説明する。なお、ここでは前述した蓄積性蛍光体シ
ートを用いる例について説明する。
【0050】図9は、X線撮影装置の概略図である。
【0051】このX線撮影装置1のX線管2から発せら
れたX線3により被写体(人体の胸部)4が照射され
る。被写体4を透過したX線3aは第1の蓄積性蛍光体シ
ート5に照射され、X線3aのエネルギーのうち比較的低
エネルギーのX線が該第1の蓄積性蛍光体シート5に蓄
積され、これにより該シート5に被写体4のX線画像が
蓄積記録される。シート5を透過したX線3bはさらに低
エネルギーのX線をカットするフィルタ6を透過し、該
フィルタ6を透過した高エネルギーX線3cが第2の蓄積
性蛍光体シート7に照射される。これにより該シート7
にも被写体4のX線画像が蓄積記録される。被写体4に
は、サブトラクション処理を行なうにあたって2つのX
線画像の位置合わせを行なうための基準となる2つのマ
ーク8が付されている。
【0052】なお、上記X線撮影装置は1回の撮影で2
枚のシート5,7にX線画像を蓄積記録するものである
が、時間的に相前後した2つのタイミングでそれぞれ1
枚ずつ撮影を行なってもよい。
【0053】図10は、X線画像読取装置と本発明のエネ
ルギーサブトラクション画像生成方法を実施するための
画像処理表示装置の斜視図である。
【0054】図9に示すX線撮影装置1で撮影が行なわ
れた後、第1および第2の蓄積性蛍光体シート5,7が
一枚ずつX線画像読取装置10の所定位置にセットされ
る。ここでは、第1の蓄積性蛍光体シート5に蓄積記録
された第1のX線画像の読取りの場合について説明す
る。
【0055】所定位置にセットされた、第1のX線画像
が蓄積記録された蓄積性蛍光体シート5は、図示しない
駆動手段により駆動されるエンドレスベルト等のシート
搬送手段15により、矢印Y方向に搬送(副走査)され
る。一方、レーザ光源16から発せられた光ビーム17はモ
ータ18により駆動され矢印Z方向に高速回転する回転多
面鏡19によって反射偏向され、fθレンズ等の集束レン
ズ20を通過した後、ミラー21により光路をかえて蓄積性
蛍光体シート14に入射し、副走査の方向(矢印Y方向)
と略直角な矢印X方向に主走査する。蓄積性蛍光体シー
ト14の、光ビーム17が照射された箇所からは、蓄積記録
されているX線画像情報に応じた光量の輝尽発光光22が
発せられ、この輝尽発光光22は光ガイド23によって導か
れ、フォトマルチプライヤ(光電子増倍管)24によって
光電的に検出される。光ガイド23はアクリル板等の導光
性材料を成形して作られたものであり、直線状をなす入
射端面23a が蓄積性蛍光体シート14上の主走査線にそっ
て延びるように配され、円環状に形成された射出端面23
b にフォトマルチプライヤ24の受光面が結合されてい
る。入射端面23a から光ガイド23内に入射した輝尽発光
光22は、該光ガイド23の内部を全反射を繰り返して進
み、射出端面23b から射出してフォトマルチプライヤ24
に受光され、放射線画像を表わす輝尽発光光22がフォト
マルチプライヤ24によって電気信号に変換される。
【0056】フォトマルチプライヤ24から出力されたア
ナログ信号Sは、ログアンプ25で対数的に増幅された
後、A/D変換器26に入力され、サンプリングされて、
ディジタルの画像信号S0が得られる。この画像信号S
0は第1の蓄積性蛍光体シート5に蓄積記録された第1
のX線画像を表わすものであり、ここでは第1の画像信
号S01 と呼ぶ。この第1の画像信号S01 は画像処理
表示装置30内の内部メモリに一旦記憶される。
【0057】この画像処理表示装置30は、種々の指示を
入力するキーボード31、指示のための補助情報や画像信
号に基づく可視画像を表示するCRTディスプレイ32、
補助記憶媒体としてのフロッピィディスクが装填され駆
動されるフロッピィディスク駆動装置33、およびCPU
や内部メモリが内蔵された本体部34が備えられている。
【0058】次に上記と同様にして、第2の蓄積性蛍光
体シート7に蓄積記録された第2のX線画像を表わす第
2の画像信号S02 が得られ、この第2の画像信号S0
2 も画像処理表示装置30内の内部メモリに一旦記憶され
る。
【0059】図1は、画像処理表示装置内の内部メモリ
に記憶された第1および第2のX線画像を表わす2つの
画像信号S01 ,S02 に基づいて、該画像処理表示装
置内で行なわれる処理の流れの一例を表わした図であ
る。
【0060】画像処理表示装置内の内部メモリに記憶さ
れた、第1および第2のX線画像信号S01 ,S0
2 は、図1に示すそれぞれ第1のX線画像41,第2のX
線画像42を担持する信号である。第1のX線画像41は比
較的低エネルギーX線による画像であり、第2のX線画
像42は比較的高エネルギーX線による画像であるが、互
いに軟部および骨部の濃度は異なるものの両者ともこれ
ら軟部および骨部の双方が記録された原画像である。
【0061】これら第1および第2のX線画像信号S0
1 ,S02 は図10に示す画像処理表示装置30内の内部メ
モリから読み出され、先ずこれら2つの画像信号S
1 ,S02 がそれぞれ担持する各X線画像41,42の相
対的な位置合わせが画像信号上で行なわれる(特開昭58
-163338 号公報参照)。この位置合わせは、図1に示す
2つのマーク8が重なるように2つのX線画像を相対的
に直線的な移動および回転移動を行なうことにより行な
われる。
【0062】この後、サブトラクション処理が行なわれ
る。
【0063】ここでX線の吸収係数μを、被写体の軟部
と骨部、および低エネルギーX線と高エネルギーX線と
に分けて次のように定める。
【0064】 μL T :低エネルギーX線による軟部の吸収係数 μH T :高エネルギーX線による軟部の吸収係数 μL B :低エネルギーX線による骨部の吸収係数 μH B :高エネルギーX線による骨部の吸収係数 このとき、2つの画像信号S01 ,S02 の互いに対応
する画素毎に、式
【0065】
【数3】
【0066】ただしCはバイアス成分を表わす に従って重み付け引き算を行なうことによって、骨部の
陰影が抽出された骨部画像43(図3参照)を表わす骨部
画像信号S1が求められる。
【0067】また、式
【0068】
【数4】
【0069】ただしC′はバイアス成分を表わす に従って重み付け引き算を行なうことにより軟部画像を
表わす軟部画像信号S2を求めることができるが、本実
施例ではこの演算は不必要である。
【0070】一方で、2つの画像信号S01 ,S02
れぞれの感度Sk1,Sk2が求められる。ここで感度と
は、所定の光量の輝尽発光光をどのレベルの画像信号と
するかを定める光電変換率をいう。この感度は、画像信
号を読み取る際の読取条件や、画像信号に画像処理を施
す際の画像処理条件を決定するためのパラメータであ
り、これを求める演算はあらかじめ多数の放射線画像を
統計的に処理した結果からそのアルゴリズムが定められ
ている。このアルゴリズムのひとつとして、画像信号の
ヒストグラムを求め、このヒストグラムに基づいて読取
条件および/または画像処理条件を求める方法が多数知
られている(例えば、特開昭60-185944 号公報、特開昭
61-280163 号公報等)。したがって、ここでは感度を求
めるための詳細な説明は省略する。また、ここで求めら
れた感度Sk1,Sk2は、前述した図11のグラフ70に示す
ように、画像信号から求められた感度のSk1′,Sk2′
の対数をとったものである。すなわち Sk1=log Sk1′,Sk2=log Sk2′ となるものである。
【0071】感度Sk1,Sk2が求められると2つの画像
信号S01 ,S02 に対して感度Sk1,Sk2で重み付け
をして、式 S0=(Sk2/(Sk1+Sk2))×S01 +(Sk1/(Sk1+Sk2))×S02 …(8″) に従って相対応する画素についての信号間で加算を行な
って、2つの画像信号S01 ,S02 の重ね合せ画像44
が生成される。これは前述した式(1) においてN1 2
感度Sk1で、N2 2 を感度Sk2で置換したものであるた
め、重ね合せ画像44はノイズが最小のものとなっており
その後の処理に有利となる。
【0072】一方、感度Sk1,Sk2として対数値をとる
前の感度Sk1′,Sk2′を使用する場合は、 S0=(log Sk2′/(log Sk1′+log Sk2′))×S01 +(log Sk1′/(log Sk1′+log Sk2′))×S02 …(11) により重み付け画像信号S0を求めるようにしてもよ
い。
【0073】さらに、図11の感度Sk に対して、便宜上
の目盛りを使用する場合(例えば、図11の横軸Sk ″の
ように目盛りを使用する場合)は、Sk ″とSk ′との
関係は、
【0074】
【数5】
【0075】となるため、 S0=(4−Sk2″)/((4−Sk1″)+(4−Sk2″))×S01 +(4−Sk1″)/((4−Sk1″)+(4−Sk2″))×S02 …(12) によって重み付け画像信号S0を求めるようにしてもよ
い。
【0076】次に骨部画像信号S1を処理することによ
り、骨部画像43に含まれるノイズ成分の抽出が行なわれ
る。
【0077】図2は、骨部画像および骨部画像信号を処
理して求めた画像の、空間周波数fに対するスペクトル
を表わした図である。
【0078】図に示すグラフ51が骨部画像43のスペクト
ルを表わしており、ノイズ成分53が含まれている。
【0079】ここで、まず、骨部画像信号S1に平滑化
処理が行なわれる。この平滑化処理方法としては、例え
ば各画素に対し該画素を中心とした所定領域内の各画素
に対応する画像信号の平均を求め、この平均値を中心の
画素の画像信号とする単純な平均化処理方法、上記所定
領域内の画像信号の中央値(メジアン)を中心の画素の
画像信号とするというメジアンフィルタを用いる方法、
上記所定領域内をさらに複数の小領域に分け、各小領域
毎に分散を求めて分散の最も小さい小領域の平均値を中
央の画素の画像信号の値とするエッジ保存フィルタ(V
−フィルタ)を用いる方法、画像信号をフーリエ変換
し、ノイズ成分に対応する高空間周波数成分を取り除い
た後逆フーリエ変換する方法等を用いることができる
が、上記ボケマスク処理方法はエッジがぼけるという欠
点を有し、また上記メジアンフィルタを用いる方法は画
素を入れ替えることになるので等高線状のアーチファク
トが発生する場合があり、さらに上記エッジ保存フィル
タを用いるとハニカム状のアーチファクトが発する場合
があり、フーリエ変換する方法は演算に時間がかかると
いう問題がある。そこで本実施例では、上記いずれの方
法とも異なる以下に示すヒストグラム適応フィルタを用
いた平滑化が行なわれる。この方法を用いると画像情報
として必要なエッジ(互いに異なる2つの組織の陰影の
境界を定めるステップ状の濃度変化)を保存したままか
つ上記アーチファクトなしにノイズを除去することがで
き、また簡単な演算で短時間にノイズを除去することが
できるという長所を有する。
【0080】まず骨部画像の各画素毎に該画素を中心と
した所定領域内の多数の画素の画像信号S1のヒストグ
ラムを作成する。
【0081】図3は、上記のようにして求めた、ある画
素(画像信号S1′)を中心とした所定領域内の多数の
画素に対応する画像信号S1の出現頻度をプロットし
た、互いに異なる2つのヒストグラムを表わした図、図
4は、画像信号S1と中央の画素の画像信号S1′との
差を変数とした関数の一例を表わした図である。
【0082】図3(a) および(b) に示すようなヒストグ
ラムを表わす関数を一般にh(S1)で表わし、絶対値
|S1−S1′|が増加するに従って単調減少する、例
えば図4に示すような関数をf(S1−S1′)とす
る。このとき、式 g(S1)=h(S1)×f(S1−S1′) …(13) に従って処理後の頻度を表わす関数g(S1)を求め
る。この関数g(S1)は、関数h(S1)が図3(a)
に示すように複数の山を有する場合は中央の画素の画像
信号S1′が属する山のみを抽出する作用を有する。
【0083】上記(13)式に従って関数g(S1)を求め
た後、該関数g(S1)で重みづけをした画像信号S1
の平均的な値S1mを求める。すなわち、具体的には例
えば関数g(S1)の一次モーメントが次式に従って求
められる。
【0084】
【数6】
【0085】骨部画像の各画素をそれぞれ中心の画素と
して上記(13),(14)式に従う処理が行なわれ、これによ
り平滑化画像信号S1m(簡単のため、各画素に対応す
る画像信号と画像全体を表わす画像信号とで同一の記号
を用いている。)が求められる。この平滑化画像信号S
1mは図2のグラフ52に示すように、主としてもとの骨
部画像信号S1の高空間周波数成分を取り除いた信号で
あるが、エッジ近傍の画素については図3(a) に示すよ
うにその画素の属する山のみを抽出した後の平均的な値
を求めた信号であるため、もとの骨部画像中のエッジは
ぼけることなく保存されている。
【0086】次に各画素毎に重ね合わせ画像44を表わす
重ね合わせ画像信号S0(上記(8″) 、(11 )または(1
2)式参照)から平滑化画像信号S1mを重みづけ引き
算、すなわち
【0087】
【数7】
【0088】但しC″はバイアス分を表わす。
【0089】を行なうことにより、画像情報としては上
記(10)式で表わされる軟部画像と略同一の情報を担持す
るとともに上記(10)式で表わされる軟部画像よりもノイ
ズ成分が低減された処理済軟部画像46(図1参照)が求
められる。
【0090】(15)式に従って求められた画像信号S2′
は画像処理表示装置30のCRTディスプレイ32に送ら
れ、この画像信号S2′に基づく可視画像がCRTディ
スプレイ32に再生表示される。
【0091】なお、上記実施例は骨部画像信号S1を平
滑化して原画像から引くことにより軟部画像信号S2′
を求める例であるが、骨部画像を観察対象とする場合
は、上記(10)式に基づいて軟部画像信号S2を求め、こ
の軟部画像信号S2を平滑化して原画像から引くことに
よりノイズ成分が低減された骨部画像を求めればよい。
【0092】次いで、本発明の別の実施例について説明
する。
【0093】図5は、本発明の他の実施例の処理の流れ
を表わした図、図6および図7は、図5に示す各画像の
所定の一方向についてのプロファイルを模式的に示した
図である。
【0094】図5において、図1と対応する要素にはこ
れら図1と同一の番号,記号を付し重複説明は省略す
る。
【0095】図6(a),(b) はそれぞれX線画像(原画
像)41,42を模式的に表わした図であり、X線画像41,
42上の所定の一方向(x方向)に沿った画像信号S
1 ,S02 の値をプロットしたものであり、これらの
画像信号S01 ,S02 には互いにその値は異なるもの
の一様な軟部(図に斜線を施した部分)を表わす信号成
分とステップ状に変化した骨部を表わす信号成分とが重
畳され、かつランダムなノイズ成分が重畳されている。
【0096】2つのX線画像(原画像)41,42を表わす
これら2つの画像信号S01 ,S02 に基づき上記(10)
式に基づいて重みづけ減算処理を行なうことにより軟部
画像47を表わす軟部画像信号S2が求められ、また2つ
の画像信号S01 ,S02 に基づき上記(8″) 、(11)ま
たは(12)式に基づいて加算処理を行なうことにより重ね
合わせ画像44を表わす重ね合わせ画像信号S0が求めら
れる。
【0097】図7は重ね合わせ画像信号S0を模式的に
表わした図であり、図6(a),(b) と同様に、軟部を表わ
す一様な信号成分(図に斜線を施した部分)とステップ
的に変化した骨部を表わす信号成分と、さらにランダム
なノイズ成分とが重畳されているが、このノイズ成分は
図6(a),(b) に示す2つのX線画像41,42と比べ低減化
されている。なお、ここでは、説明の便宜のために、図
7の重ね合せ画像信号S0に符号(c) を付すこととす
る。
【0098】また図6(d) は、上記(10)式に基づいて求
められた軟部画像信号S2を表わした図である。一様な
軟部を表わす信号成分のみが抽出されているが、ランダ
ムなノイズ成分は上記2つのX線画像41,42(図6(a),
(b) )のいずれよりも増加している。
【0099】また本実施例では求める必要はないが、仮
に上記(9) 式に基づいて骨部画像信号S1を求めたとし
た場合の該骨部画像信号S1を表わした図である。ステ
ップ状に変化した骨部を表わす信号成分が抽出されてい
るが、軟部画像信号S2(図6(d) )と同様に、ランダ
ムなノイズ成分は上記2つのX線画像41,42(図6(a),
(b) )のいずれよりも増加している。
【0100】ここで軟部画像47(軟部画像信号S2,図
6(d) )に平滑化処理51(図5参照)が施され、平滑化
軟部画像61を表わす平滑化軟部画像信号S2m(図6
(f) )が求められる。この平滑化処理51では、軟部画像
47の例えば1.0 サイクル/mm以上の高空間周波数成分が
カットされる。
【0101】次に重ね合わせ画像信号S0から平滑化軟
部画像信号S2mが重みづけ減算され、これにより骨部
画像62を表わす骨部画像信号S1′が求められる。この
骨部画像信号S1′は図6(g) に示されるように、骨部
画像信号S1(図6(e) )と比べランダムなノイズ成分
が低減化されているが、軟部画像47を平滑化処理した影
響が表われ、軟部画像の高空間周波数成分が若干混入し
ている。
【0102】次に上記のようにして求められた骨部画像
信号S1′に平滑化処理52が施される。ここで施される
平滑化処理52では、骨部画像62の例えば0.5 サイクル/
mm以上の空間周波数帯にある低コントラストの陰影(骨
部画像信号S1′の変化の小さいもの)のみがカットさ
れる。この処理方法としては、例えば所定の画素P0
対して0.5 サイクル/mmに対応する面積のウィンドウを
考え、このウィンドウ内の各画素にそれぞれ対応する各
信号S1′のうち、 所定の画素P0 に対応する信号S10 ′の値±所定値 内にある信号S1′の平均値を求めて該平均値を所定の
画素P0 の新たな信号S10 ′とするフィルタを用いて
骨部画像62上を走査する方法等が採用される。この平滑
化処理52により、平滑化骨部画像63を表わす平滑化骨部
画像信号S1m′が求められる。この平滑化骨部画像信
号S1m′は、図6(i) に示すようにノイズ成分および
混入した軟部画像の高周波成分は低減されているものの
立ち上がり部分も鈍ってしまっている。
【0103】次に重ね合わせ画像信号S0から平滑化骨
部画像信号S1m′が重みづけ引き算され、軟部画像64
を表わす軟部画像信号S2′が求められる。この軟部画
像64は図6(h) に示すように、軟部画像47(図6(d) )
よりもノイズ成分は低減されているが、平滑化骨部画像
信号S1m′(図6(i) )の立ち上がり部分が鈍ってい
る分、その部分の骨部画像の情報がノイズとして重畳さ
れている。ただしランダムなノイズ部分およびノイズと
しての骨部画像の情報はかなり小さく、したがってこの
段階で一連の処理を停止し、軟部画像信号S2′を画像
処理表示装置30のCRTディスプレイ32(図10参照)に
送って、この軟部画像信号S2′に基づく可視画像をC
RTディスプレイに再生表示し、観察するようにしても
よい。
【0104】ただし本実施例では、上記と同様な処理を
さらに繰り返し、さらに画質の改善が図られている。
【0105】軟部画像64を表わす軟部画像信号S2′を
求めた後、該軟部画像信号S2′に平滑化処理53が施さ
れ、平滑化軟部画像65を表わす平滑化軟部画像信号S2
m′(図6(j) )が求められる。この平滑化処理53とし
ては、例えば1.5 サイクル/mm以上の空間周波数成分を
カットする処理が施される。
【0106】この平滑化軟部画像信号S2m′は重ね合
わせ画像信号S0から重みづけ減算処理され、骨部画像
66を表わす骨部画像信号S1″が求められる。この骨部
画像66は、図6(k) に示すように、骨部画像62(図6
(g) )と比べランダムノイズおよびノイズとして混入す
る軟部画像の情報も減少している。骨部画像を観察対象
とする場合はこの骨部画像信号S1″に基づく可視画像
をCRTディスプレイ32上に再生表示してもよい。
【0107】本実施例では、上記のようにして求められ
た骨部画像信号S1″にさらに平滑化処理54が施され平
滑化骨部画像67を表わす平滑化骨部画像信号S1m″
(図6(m) )が求められる。この平滑化処理54としては
例えば1.0 サイクル/mm以上の低コントラスト成分のカ
ットが行なわれる。
【0108】次に重ね合わせ画像信号S0からこの平滑
化骨部画像信号S1m″が重みづけ引き算され、軟部画
像信号S2″が求められる。この軟部画像信号S2″は
図6(l) に示すように、前回求めた軟部画像信号S2′
(図6(h) )と比べ、ランダムノイズおよびノイズとし
ての骨部画像の情報の双方ともさらに低減化された信号
となる。
【0109】このようにして平滑化処理と重ね合わせ画
像との重みづけ引き算を繰り返すことにより、ノイズが
順次低減化された骨部画像と軟部画像とを交互に得るこ
とができる。
【0110】図8は、図5を参照して説明した実施例と
実質同一の他の処理の流れを表わした図である。図5等
と同一の要素には該図5等と同一の番号,記号を付し説
明は省略する。
【0111】図8に示す処理は、図5に示す骨部画像62
を求めるまでの処理(図1を参照して説明した処理(但
し図1とは骨部画像と軟部画像が入れ替っている))
を、以下述べるように置き換えたものである。
【0112】2つのX線画像41,42から上記(9) 式,(1
0)式に基づいて骨部画像43(骨部画像信号S1)と軟部
画像47(軟部画像信号S2)が求められる。
【0113】次に前述した実施例と同様にして軟部画像
信号S2を上記(13)式,(14)式に基づいて処理すること
により、軟部画像47に含まれるノイズ成分が低減化され
た平滑化画像信号S2mが求められ、その後各画素毎に
軟部画像信号S2から平滑化画像信号S2mを引き算す
ることにより、ノイズ成分のみが抽出されたノイズ画像
60(ノイズ信号SN )が求められる。
【0114】 SN =S2−S2m …(16) このノイズ信号SN は図3のグラフ53に示すように軟部
画像のノイズ成分を抽出した信号である。ここで平滑化
画像信号S2mは軟部画像のエッジの情報はたとえノイ
ズ成分と同程度の高空間周波数であっても保存されてい
るため、上記(16)式に従って軟部画像信号S2と平滑化
画像信号S2mとの差を求めることによりエッジの情報
はきれいにキャンセルされ、したがってエッジの情報を
失わせるような平滑化処理を行なった場合と比べ、ノイ
ズ信号SN はより純粋に軟部画像のノイズ成分のみを担
持した信号となる。
【0115】次にこのようにして求められたノイズ信号
N と骨部画像43を表わす骨部画像信号S1とが各画素
毎に重み付け足し算され、これにより画像情報としては
上記骨部画像43と略同一の情報を担持するとともに該骨
部画像43よりもノイズ成分が低減された処理済骨部画像
62が求められる。本実施例ではこの重み付け足し算は、
【0116】
【数8】
【0117】に従って行なわれ、これによりノイズ成分
の一層の低減が図られる。
【0118】以下、図5に示した処理と同様に処理がな
される。
【0119】なお、図8に示した処理では最初の段階の
み、上述した処理方法に置き換えたが、この置き換えは
繰り返し行なわれる処理の任意の段階について行なうこ
とができいずれも実質同一の処理であり、本発明にはこ
れら任意の1つもしくは複数の段階について変更された
全ての実質同一の処理態様が包含されるものである。
【0120】以上の各実施例はいずれも人体の胸部のX
線画像に基づいて軟部画像もしくは骨部画像を求める例
であるが、また、本発明は軟部画像もしくは骨部画像を
求めるものに限られるものではなく、例えば、乳腺が強
調された画像もしくは悪性腫瘍が強調された画像でもよ
く、一般に被写体中の互いに異なる2つの組織がそれぞ
れ強調もしくは抽出された2つの画像のうちの一方もし
くは双方を求める際に広く適用することができるもので
ある。
【0121】さらに、上記実施例は、蓄積性蛍光体シー
トを用いた例であるが、本発明は蓄積性蛍光体シートを
用いたものに限られるものではなくX線フイルム(撮影
に際して一般に増感スクリーンと組合わされる)等を用
いたものにも適用することができる。
【0122】また、上述した実施例においては、2つの
画像信号S01 ,S02 それぞれの感度Sk1,Sk2に基
づいて重み付け加算を行なう際の重み付け係数を定めて
いるが、2つの原画像信号S01 ,S02 のそれぞれの
ノイズN1 ,N2 を検出し、このノイズN1 ,N2 に基
づいて前述した式(1) により重み付け加算を行なうよう
にしてもよい。
【0123】さらに、上述した実施例においては、重み
付け画像信号S0を得る際に放射線画像全体の感度Sk
1,Sk2から重み付け係数を求めるようにしているが、
上述した感度Sk1,Sk2を画像信号が得られた各画素毎
に求めるようにしてもよい。以下、画像信号S01 につ
いて各画素毎の感度を求める方法について説明する。
【0124】まず、画像信号S01 から画像信号S01
の感度Sk1およびラチチュードGp1を前述した特開昭60
-185944 号公報等に開示された方法により求める。ここ
でラチチュードとは、最も微弱な輝尽発光光に対する最
も強大な輝尽発光光の光量比に対応するものである。例
えば、感度Sk1が2、ラチチュードGp1が2というよう
に求められたとすると、感度Sk1と画像信号S1 との関
係は図12に示すものとなる。ここで、画素値が10bit の
場合、Smin =0,Smax =1023となる。第1の蓄積性
蛍光体シート5について図13に示すようなx-y 座標を定
め、第1の蓄積性蛍光体シート5上の任意の点(x,y) に
おける感度をSk1(x,y) とすると、
【0125】
【数9】
【0126】ただし S1 (x,y) :蓄積性蛍光体シート
5上の任意の点(x,y) における画像信号S01 の値 により求めることができる。
【0127】式(18)により各画素における感度Sk1(x,
y) が求められると、同様に画像信号S02 についても
第2の蓄積性蛍光体シート7上の各画素における感度S
k2(x,y) が求められ、式 S0(x,y) =Sk2(x,y) /(Sk1(x,y) +Sk2(x,y) )×S01 +Sk1(x,y) /(Sk1(x,y) +Sk2(x,y) )×S02 …(19) により重み付け画像信号S0が求められる。
【0128】このように、重み付け係数を各画素毎に求
めるようにすれば、被写体を透過し、蓄積性蛍光体シー
ト等の記録シートに到達した放射線線量の場所毎の違い
に影響されず、画素毎にノイズを最小とすることができ
る。
【0129】また、画素毎の感度を、各画像信号のボケ
信号に基づいて求めるようにすれば、画像信号の細かい
変化やノイズに影響されずに、大域的な感度を求めるこ
とができるため、より好ましい。ここで、ボケ信号は、
ボケマスクを用いる方法や、メジアンフィルタ、FFT
フィルタ、Vフィルタを用いる方法等、各種平滑化処理
を用いて求められる。
【0130】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
るエネルギーサブトラクション画像生成方法は、互いに
エネルギーの異なる2種類の放射線を該2種類の放射線
に対して互いに放射線吸収率の異なる複数の組織から構
成される被写体に照射して得られた2種類の放射線画像
のそれぞれを表わす第1および第2の原画像信号を求
め、各原画像信号のノイズもしくは感度により各原画像
信号を重み付けして加算を行なうことにより画像信号を
求め、一方で、被写体中の主として第1の組織が記録さ
れた第1の画像を表わす第1の画像信号を求め、この第
1の画像信号のノイズ成分を低減又は除去して第1の平
滑化画像信号を求め、原画像信号からこの第1の平滑化
画像信号を減算処理して第2の画像信号を求めるように
した。このため、前述した特願平2-94653 号に示された
エネルギーサブトラクション画像生成方法で行なってい
る重ね合せ画像信号を得るための演算により得られる重
ね合せ画像信号よりも、さらにノイズ成分が低減された
画像信号が得られることとなり、観察適性の優れた画像
が生成される。
【0131】また、重み付けの際の重み付け係数に用い
る感度を、各画素毎に求めるようにすれば、被写体の場
所毎の線量の変化に影響されず、より画質が良好な画像
が生成される。
【0132】さらに、画像信号のボケ信号を求め、この
ボケ信号に基づいて各画素毎の感度を求めるようにすれ
ば、画像信号の細かい変化やノイズに影響されない大域
的な感度を求めることができ、より好ましいものであ
る。
【0133】また、第1の画像と第2の画像に対し交互
に平滑化、原画像からの減算処理を繰り返すことにより
ノイズ成分がさらに低減化された第1の画像,第2の画
像を生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】画像処理表示装置内で行なわれる処理の流れの
一例を表わした図
【図2】骨部画像および骨部画像信号を処理して求めた
画像の、空間周波数スペクトルを表わした図
【図3】ある画素を中心とした所定領域内の多数の画素
に対応する画像信号の出現頻度をプロットした、異なる
2つのヒストグラムを表わした図
【図4】画像信号S1と所定領域の中心の画素の画像信
号S1′との差を変数とした関数の一例を表わした図
【図5】本発明の他の実施例の処理の流れを表わした図
【図6】図5に示す各画像の所定の一方向についてのプ
ロファイルを模式的に表わした図
【図7】重ね合せ画像信号のプロファイルを模式的に表
わした図
【図8】図6に示した処理と実質同一の他の処理の流れ
を表わした図
【図9】X線撮影装置の概略図
【図10】X線画像読取装置と、本発明のエネルギーサ
ブトラクション画像生成方法を実施した画像処理表示装
置の斜視図
【図11】感度とノイズとの関係を表わすグラフ
【図12】感度と画像信号との関係を表わすグラフ
【図13】蓄積性蛍光体シートをx,y座標として表わ
した図
【符号の説明】
1 X線撮影装置 2 X線管 3,3a,3b,3c X線 4 被写体 5 第1の蓄積性蛍光体シート 6 フィルタ 7 第2の蓄積性蛍光体シート 8 マーク 16 レーザ光源 19 回転多面鏡 22 輝尽発光光 23 光ガイド 24 フォトマルチプライヤ 25 ログアンプ 26 A/D変換器 30 画像処理表示装置 41,42 X線画像(原画像) 43,62,66 骨部画像 44 重ね合わせ画像 45,63,67 平滑化骨部画像 46,47,64 軟部画像 48 ノイズ画像 61,65 平滑化軟部画像 51,52,53,54 平滑化処理

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いにエネルギーの異なる2種類の放射
    線を該2種類の放射線に対して互いに放射線吸収率の異
    なる複数の組織から構成される被写体に照射して得られ
    た2種類の放射線画像のそれぞれを表わす第1および第
    2の原画像信号を求め、 該第1の原画像信号をS01 、該第1の原画像信号のノ
    イズをN1 、前記第2の原画像信号をS02 、該第2の
    原画像信号のノイズをN2 としたときに、 S=(N2 2 /(N1 2 +N2 2 ))×S01 +(N1 2 /(N1 2 +N2 2 ))×S02 なる重み付け加算により、重ね合せ画像信号を求め、 前記第1および第2の原画像信号間で減算処理を行なう
    ことにより前記被写体中の主として第1の組織が記録さ
    れた第1の画像を表わす第1の画像信号を求め、 前記第1の画像信号を平滑化処理することにより前記第
    1の画像のノイズ成分が低減または除去された第1の平
    滑化画像を表わす第1の平滑化画像信号を求め、 前記重ね合せ画像信号と前記平滑化画像信号との間で減
    算処理を行なうことにより、前記被写体の主として第2
    の組織が記録された第2の画像を表わす第2の画像信号
    を求めることを特徴とするエネルギーサブトラクション
    画像生成方法。
  2. 【請求項2】 互いにエネルギーの異なる2種類の放射
    線を該2種類の放射線に対して互いに放射線吸収率の異
    なる複数の組織から構成される被写体に照射して得られ
    た2種類の放射線画像のそれぞれを表わす第1および第
    2の原画像信号を求め、 該第1の原画像信号をS01 、該第1の原画像信号のノ
    イズをN1 、前記第2の原画像信号をS02 、該第2の
    原画像信号のノイズをN2 としたときに、 S=(N2 2 /(N1 2 +N2 2 ))×S01 +(N1 2 /(N1 2 +N2 2 ))×S0 なる重み付け加算により、重ね合せ画像信号を求め、 前記第1および第2の原画像信号間で減算処理を行なう
    ことにより前記被写体中の主として第1の組織が記録さ
    れた第1の画像を表わす第1の画像信号を求める第1の
    処理を行なった後、 前記第1の画像信号を平滑化処理することにより前記第
    1の画像のノイズ成分が低減された第1の平滑化画像を
    表わす第1の平滑化画像信号を求めて、前記重ね合せ画
    像信号と該第1の平滑化画像信号との間で、減算処理を
    行なうことにより、前記被写体の主として第2の組織が
    記録された第2の画像を表わす第2の画像信号を求める
    第2の処理を行ない、該第2の処理の後、 前記第2の画像信号を平滑化処理することにより前記第
    2の画像のノイズ成分が低減された第2の平滑化画像を
    表わす第2の平滑化画像信号を求めて、前記原重ね合せ
    画像信号と該第2の平滑化画像信号との間で減算処理を
    行なうことにより、前記被写体の主として前記第1の組
    織が記録された新たな第1の画像を表わす新たな第1の
    画像信号を求める第3の処理を行なうことを特徴とする
    エネルギーサブトラクション画像生成方法。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の処理を行なった後、前記
    第3の処理により求められた前記新たな第1の画像信号
    を前記第2の処理における前記第1の画像信号として再
    度前記第2の処理を行なうことにより、前記被写体の主
    として前記第2の組織が記録された新たな第2の画像を
    表わす新たな第2の画像信号を求める新たな第2の処理
    と、該新たな第2の画像信号を前記第3の処理における
    前記第2の画像信号として再度前記第3の処理を行なう
    ことにより、前記被写体の主として前記第1の組織が記
    録された新たな第1の画像を表わす新たな第1の画像信
    号を求める新たな第3の処理とを1回または複数回繰り
    返すことを特徴とするエネルギーサブトラクション画像
    生成方法。
  4. 【請求項4】 請求項2もしくは3記載の処理を行なっ
    た後、前記第3の処理もしくは前記新たな第3の処理に
    より求められた前記新たな第1の画像信号を前記第2の
    処理もしくは前記新たな第2の処理における前記第1の
    画像信号として再度前記第2の処理もしくは前記新たな
    第2の処理を行なうことにより、前記被写体の主として
    前記第2の組織が記録された新たな第2の画像を表わす
    新たな第2の画像信号を求めることを特徴とするエネル
    ギーサブトラクション画像生成方法。
  5. 【請求項5】 前記重ね合せ画像信号を、前記第1の原
    画像信号S0、該第1の原画像信号の感度をSk1、
    前記第2の原画像信号をS02 、該第2の原画像信号の
    感度をSk2としたときに、 S=(Sk2/(Sk1+Sk2))×S01 +(Sk1/(Sk1+Sk2))×S02 なる重み付け加算により求めることを特徴とする請求項
    1から4のいずれか1項記載のエネルギーサブトラクシ
    ョン画像生成方法。
  6. 【請求項6】 前記重ね合せ画像信号を、前記第1の原
    画像信号S01 および前記第2の原画像信号S02 に基
    づいて、前記各画素毎の前記第1の原画像信号の感度S
    k1および前記第2の原画像信号の感度Sk2をそれぞれ求
    め、 S=(Sk2/(Sk1+Sk2))×S01 +(Sk1/(Sk1+Sk2))×S02 なる重み付け加算を前記相対応する画素毎に行うことに
    より求めることを特徴とする請求項1から4のいずれか
    1項記載のエネルギーサブトラクション画像生成方法。
  7. 【請求項7】 前記重ね合せ画像信号を、前記第1の原
    画像信号S01 および前記第2の原画像信号S02 のボ
    ケ信号をそれぞれ求め、 前記第1の原画像信号のボケ信号および前記第2の原画
    像信号のボケ信号に基づいて、前記各画素毎の前記第1
    の原画像信号の感度Sk1および前記第2の原画像信号の
    感度Sk2をそれぞれ求め、 S=(Sk2/(Sk1+Sk2))×S01 +(Sk1/(Sk1+Sk2))×S02 なる重み付け加算を前記相対応する画素毎に行うことに
    より求めることを特徴とする請求項1から4のいずれか
    1項記載のエネルギーサブトラクション画像生成方法。
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