JPH05234532A - カラー受像管 - Google Patents

カラー受像管

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JPH05234532A
JPH05234532A JP4033890A JP3389092A JPH05234532A JP H05234532 A JPH05234532 A JP H05234532A JP 4033890 A JP4033890 A JP 4033890A JP 3389092 A JP3389092 A JP 3389092A JP H05234532 A JPH05234532 A JP H05234532A
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electrodes
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隆弘 長谷川
Shinpei Koshigoe
真平 腰越
Shigeo Fukuda
茂夫 福田
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Toshiba Development and Engineering Corp
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Toshiba Electronic Engineering Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 電子ビーム形成部から蛍光体スクリーン方向
に集束電極G5、1個または複数個の中間電極Gm1,Gm2 お
よび最終加速電極G6の順に配置された主レンズ部を有す
る電子銃と、最終加速電極に供給される最終加速電圧を
分圧して中間電極に所定の電圧を供給するための分圧抵
抗器8 とを備え、集束電極に偏向ヨークの偏向に同期し
て変化する電圧が印加されるカラー受像管において、そ
の最終加速電極を複数の電極G61,G62 に分割し、この分
割された複数の電極のうち少なくとも中間電極と対向す
る電極に分圧抵抗器とは異なる抵抗器31を介して最終加
速電圧を供給する構造に形成した。 【効果】 画面中央部および周辺部の解像度を共に良好
にすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、カラー受像管に係
り、特に解像度を良好にし、フォーカス品位を均一にす
る電子銃を備えるカラー受像管に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にカラー受像管は、電子銃から放出
される3電子ビームを外囲器の外側に装着された偏向ヨ
ークの発生する磁界により偏向し、その3電子ビームを
シャドウマスクにより選別して、蛍光体スクリーンを水
平、垂直走査することにより、カラー画像を表示する構
造に形成されている。
【0003】このようなカラー受像管において、特に電
子銃を同一水平面上を通るセンタービームおよび一対の
サイドビームからなる一列配置の3電子ビームを放出す
るインライン型電子銃とし、この電子銃を図6(a)に
示すピンクッション形水平偏向磁界1Hおよび同(b)に
示すバレル形偏向磁界1Vからなる非斉一磁界を発生する
偏向ヨークとを組合わせて、上記一列配置の3電子ビー
ムを自己集中するセルフコンバーゼンス方式インライン
型カラー受像管が広く使用されている。
【0004】なお、図6(a)および(b)において、
2Gはセンタービーム、2B,2Rは一対のサイドビームであ
る。
【0005】このセルフコンバーゼンス方式インライン
型カラー受像管は、消費電力が少なく、かつカラー受像
管の品質、性能を向上させるという利点があるが、反
面、電子ビームを偏向する偏向磁界が非斉一磁界である
ため、画面周辺部の解像度が劣化するという問題があ
る。すなわち、電子ビームの断面形状が偏向角の増大に
ともなって歪み(偏向歪)、図7に示すように、画面3
中央部のビームスポット4aは、ほぼ真円となるが、画面
3 周辺部のビームスポット4bは、水平方向に長い楕円状
の高輝度のコア部5 と垂直方向に長い低輝度のハロー部
6 とからなる形状となり、画面3 周辺部の解像度をいち
じるしく劣化する。
【0006】この画面3周辺部でのビームスポットの歪
みは、偏向磁界の非斉一性のために、図6(a)および
(b)にサイドビーム2Rについて2R′で示したように、
水平方向の集束が弱められ、垂直方向の集束が強められ
ることが原因となっている。
【0007】上記偏向歪に基づく解像度の劣化を改善す
る手段の一つとして、本発明者に係る特開昭64−38
947号公報には、図8に示す電子銃が示されている。
この電子銃は、一列配置の3個のカソードKB,KG,KR、
このカソードKB,KG,KR上に順次配置された一体構造の
第1乃至第6グリッドG1〜G6を有し、その第5グリッド
G5と第6グリッドG6との間に2個の中間電極Gm1 ,Gm2
が配置された構造に形成されている。
【0008】この電子銃では、3電子ビームを蛍光体ス
クリーン上に集束する主レンズ部は、集束電極としての
第5グリッドG5、2個の中間電極Gm1 ,Gm2 および最終
加速電極としての第6グリッドG6で構成され、2個の中
間電極Gm1 ,Gm2 には、最終加速電極に供給される高電
圧(最終加速電圧)を、電子銃に沿って配置された分圧
抵抗器8 により所定の電圧に分圧して供給し、集束電極
には、一定の直流電圧に偏向ヨークの偏向に同期してパ
ラボラ状に変化する交流成分を重畳したダイナミック電
圧VD (集束電圧)が供給される。
【0009】上記構成により、この電子銃の主レンズ部
は、第5グリッドG5とこの第5グリッドG5に隣接する中
間電極Gm1 とで、電子ビームを相対的に垂直方向に強く
集束する第1の四極子レンズを形成し、中間電極Gm2 と
この中間電極Gm2 に隣接する第6グリッドG6とで、電子
ビームを相対的に垂直方向に強く発散させる第2の四極
子レンズを形成する。この第1および第2の四極子レン
ズは、電子ビームが画面中央部に向かうときは平衡し、
画面中央部では、ほぼ円形のビームスポットが得られ
る。これに対し、画面周辺部に偏向されるときは、第5
グリッドG5の集束電圧が上昇して、第5グリッドG5と中
間電極Gm1 との電位差が小さくなるため、第1の四極子
レンズは弱くなり、電子ビームは、相対的に第2の四極
子レンズの作用を強く受ける。その結果、垂直方向に強
く集束される偏向歪を相殺する。
【0010】しかし、上記のように第5グリッドG5に、
一定の直流電圧にパラボラ状に変化する交流成分を重畳
したダイナミック電圧を印加すると、第5グリッドG5と
これに隣接する中間電極Gm1 との間、中間電極Gm1 と中
間電極Gm2 との間および中間電極Gm2 とこれに隣接する
第6グリッドG6との間に静電容量が存在するため、第5
グリッドG5に印加される電圧のうち、パラボラ状に変化
する交流成分がこれら静電容量を介して中間電極Gm1 ,
Gm2 に誘導され、中間電極Gm1 ,Gm2 の電位が偏向ヨー
クの偏向に同期して変化するようになる。
【0011】本来この電子銃は、中間電極Gm1 ,Gm2 の
電位を一定として、第1の四極子レンズと第2の四極子
レンズとが平衡する設計となっているため、上記のよう
に中間電極Gm1 ,Gm2 の電位が変化すると、第1の四極
子レンズと第2の四極子レンズとの平衡がくずれ、画面
中央部でのビームスポットが歪むようになる。
【0012】図9は、上記現象を説明するために示した
図であり、同(a)に示す第5グリッドG5にたとえば最
終加速電極である第6グリッドG6に印加される高電圧の
約28%の直流電圧が、中間電極Gm1 に同じく約40
%、中間電極Gm2 に約65%の直流電圧が印加され、か
つ第5グリッドG5に偏向ヨークの偏向に同期してパラボ
ラ状に変化する交流成分を重畳したとすると、たとえば
各電極間の静電容量9 が同一である場合、第5グリッド
G5に重畳されるパラボラ状に変化する交流電圧成分の2
/3が中間電極Gm1 に、1/3が中間電極Gm2 に誘導さ
れる。その結果、(a)図に対応して同(b)に実線10
a 〜10d を所定値として破線11a 〜11c で示すように各
電極の電位が変化する。すなわち、第5グリッドG5に印
加されるパラボラ状のダイナミック電圧(実線10a )
は、破線11a で示したように画面中央部で下がる。しか
しこの画面中央部での集束電圧の低下は、実線12で示す
直流成分により所定値に調整することができる。これに
対し、中間電極Gm1 ,Gm2 の電位も、それぞれ破線11b
,11c で示したように画面中央部で所定値よりも低下
するが、この中間電極Gm1 ,Gm2 の電位は調整できな
い。その結果、画面中央部において、第1の四極子レン
ズは弱く、一方第2の四極子レンズは強くなる。そのた
め、図10に示すように、画面中央部のビームスポット
4aが歪み、画面中央部の解像度が劣化する。一方、画面
周辺部では、中間電極Gm1 ,Gm2 の電位が共に上昇する
ので、第1の四極子レンズは設計値よりも強く、第2の
四極子レンズは弱くなり、画面3周辺部のビームスポッ
ト4bも歪み、解像度が十分に改善されない。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、電子銃
から放出される同一水平面上を通る一列配置の3電子ビ
ームを、水平偏向磁界をピンクッション形、垂直偏向磁
界をバレル形とする非斉一磁界を発生する偏向ヨークに
より偏向するセルフコンバーゼンス方式インライン型カ
ラー受像管は、偏向角の増大にともなって電子ビームの
断面形状が歪み、画面周辺部の解像度が劣化するという
問題がある。この偏向歪に基づく解像度の劣化を改善す
る手段として、電子銃の主レンズ部を構成する集束電極
と最終加速電極との間に2個の中間電極を配置し、この
中間電極に、最終加速電極に供給される高電圧を分圧し
て所定の電圧を供給し、かつ集束電極に偏向ヨークの偏
向に同期して一定の直流電圧にパラボラ状に変化する交
流成分を重畳したダイナミック電圧を供給するようにし
たカラー受像管がある。
【0014】しかし上記のように電子銃を構成しても、
集束電極に印加される電圧のうち、パラボラ状に変化す
る交流成分が主レンズ部を構成する各電極間に介在する
静電容量を介して2個の中間電極に誘導され、各中間電
極の電位が偏向ヨークの偏向に同期して変化するため、
画面中央部のビームスポットが歪むばかりでなく、画面
周辺部のビームスポットの歪も改善されず、解像度が十
分に改善されないという問題がある。
【0015】この発明は、上記問題点を解決するために
なされたものであり、画面中央部および周辺部で良好な
解像度が得られるカラー受像管を構成することを目的と
する。
【0016】
【課題を解決するための手段】電子ビーム形成部から放
出される電子ビームを蛍光体スクリーン上に集束する主
レンズ部を有し、この主レンズ部が電子ビーム形成部か
ら蛍光体スクリーン方向に集束電極、1個または複数個
の中間電極および最終加速電極の順に配置されてなる電
子銃と、最終加速電極に供給される最終加速電圧を分圧
して中間電極に所定の電圧を供給するための分圧抵抗器
とを備え、集束電極に偏向ヨークの偏向に同期して変化
する電圧が印加されるカラー受像管において、その最終
加速電極を複数の電極に分割し、この分割された複数の
電極のうち少なくとも中間電極と対向する電極に分圧抵
抗器とは異なる抵抗器を介して最終加速電圧を供給する
構造に形成した。
【0017】
【作用】上記のように、最終加速電極を複数の電極に分
割し、この分割された複数の電極のうち、少なくとも中
間電極と対向する電極に分圧抵抗器とは異なる抵抗器を
介して最終加速電圧を供給する構造に形成すると、集束
電極とこの集束電極と対向する中間電極との間および中
間電極間に静電容量が形成されるばかりでなく、抵抗器
を介して最終加速電圧が供給される最終加速電極の分割
電極とこの分割電極と対向する中間電極との間にも静電
容量が形成される。その結果、集束電極に印加される電
圧の偏向ヨークの偏向に同期して変化する交流成分が、
静電容量を介して、中間電極ばかりでなく、中間電極と
対向する最終加速電極の分割電極にも誘導される。した
がって中間電極とこの中間電極と対向する最終加速電極
の分割電極との間の交流成分の誘導に起因する電位差の
変化を小さくすることができ、中間電極と最終加速電極
の近傍に形成される第2の四極子レンズの強さの変化を
少なくすることができる。
【0018】一方、集束電極とこの集束電極と対向する
中間電極との間に形成される第1の四極子レンズは、上
記偏向ヨークの偏向に同期して変化する交流成分の誘導
により変化しても、集束電極に印加される電圧の直流成
分を調整することにより所定値に補正できる。したがっ
てこれら第1、第2の四極子レンズの平衡は保たれ、画
面の中央部および周辺部の解像度を共に良好にすること
ができる。
【0019】
【実施例】以下、図面を参照してこの発明を実施例に基
づいて説明する。
【0020】図2にその一実施例であるカラー受像管を
示す。このカラー受像管は、パネル20およびこのパネル
20に一体に接合されたファンネル21からなる外囲器を有
し、そのパネル20内面に、青、緑、赤に発光する3色蛍
光体層からなる蛍光体スクリーン22が形成され、この蛍
光体スクリーン22に対向して、その内側に多数の電子ビ
ーム通過孔の形成されたシャドウマスク23が配置されて
いる。またファンネル21のネック24内に、同一水平面上
を通るセンタービーム2Gおよび一対のサイドビーム2B,
2Rからなる一列配置の3電子ビーム2B,2G,2Rを放出す
るインライン型電子銃25が配設され、さらにこの電子銃
25の所定の電極に所定の電圧を供給するための分圧抵抗
器8 が電子銃25に沿って配設されている。なおまたファ
ンネル21の径大部内面からネック24内面の隣接部にかけ
て、内部導電膜26が塗布形成されている。
【0021】そして、上記電子銃25から放出される3電
子ビーム2B,2G,2Rを、ファンネル21の外側に装着され
たピンクッション形水平偏向磁界およびバレル形垂直偏
向磁界からなる非斉一磁界を発生する偏向ヨーク28によ
り偏向し、シャドウマスク23を介して蛍光体スクリーン
22を水平、垂直走査することにより、この蛍光体スクリ
ーン22上にカラー画像を表示する構造に形成されてい
る。
【0022】上記電子銃25は、図1に示すように、水平
方向に一列配置された3個のカソードKB,KG,KR、この
3個のカソードKB,KG,KRを各別に加熱する3個のヒー
タ(図示せず)、上記カソードKB,KG,KR上に蛍光体ス
クリーンに向かって順次配置された第1乃至第6グリッ
ドG1〜G6、その第6グリッドG6に取付けられたシールド
カップ30、および第5グリッドG5と第6グリッドG6の間
に配置された2個の中間電極Gm1 ,Gm2 を有する。さら
にこの例の電子銃25においては、第6グリッドG6が2個
の分割電極G61 、G62 に分割され、これら分割電極G61
、G62 が数10乃至数100 MΩの抵抗器31を介して
接続されている。
【0023】上記電子銃25の各電極は、一体構造に形成
され、その第1および第2グリッドG1,G2は、それぞれ
比較的板厚の薄い板状電極からなり、これら電極には、
カソードKB,KG,KRに対応して、一列配置の3個の円形
の開孔が設けられている。第3および第4グリッドG3,
G4は、それぞれ2個のカップ状電極を突合わせた筒状電
極からなり、これら電極には、同様にカソードKB,KG,
KRに対応して、一列配置の3個の円形の開孔が設けられ
ている。第5グリッドG5は、各2個のカップ状電極を突
合わせた一対の筒状電極からなり、この電極には、カソ
ードKB,KG,KRに対応して、一列配置の3個の円形また
は非円形の開孔が設けられている。2個の中間電極Gm1
,Gm2 は、それぞれ比較的板厚の厚い板状電極からな
り、これら電極には、カソードKB,KG,KRに対応して、
一列配置の3個の円形の開孔が設けられている。、さら
に、第6グリッドG6の2個の分割電極G61 、G62 は、そ
れぞれ2個のカップ状電極を突合わせた筒状電極からな
り、これら分割電極G61 、G62 には、カソードKB,KG,
KRに対応して、一列配置の3個の円形または非円形の開
孔が設けられている。
【0024】また、上記抵抗器8は、一端部に設けられ
た端子33が第6グリッドG6の分割電極G62 に接続され、
他端部に設けられた端子34がステム35を気密に貫通する
ステムリード36(図1参照)を介して、直接または可変
抵抗器37を介して接地されている。そして中間部に設け
られた端子38,39がそれぞれ中間電極Gm1 ,Gm2 に接続
されている。
【0025】上記電子銃25の各電極には、動作時、つぎ
の電圧が印加される。すなわち、カソードKB,KG,KRに
は、180Vの直流電圧に画像に対応したビデオ信号の
重畳された電圧が印加され、第1グリッドG1は接地され
る。第2グリッドG2と第4グリッドG4とは、管内で接続
されて約800Vの電圧が印加される。第3グリッドG3
と第5グリッドG5とは、同じく管内で接続され、8〜9
kVの直流電圧に、偏向ヨークの偏向に同期してパラボラ
状に変化する交流成分が重畳されたダイナミック電圧V
D (集束電圧)が印加される。第6グリッドG6の分割電
極G62 には、陽極端子、内部導電膜、シールドカップ30
に取付けられたバルブスペーサなどを介して約30kVの高
電圧(最終加速電圧)が印加され、中間電極Gm2 と対向
する分割電極G61 には、これら分割電極G61 ,G62 を接
続する抵抗器31にほとんど電流が流れないことから電圧
降下はなく、分割電極G62 と同じ約30kVの高電圧が印加
される。さらに中間電極Gm1 には、抵抗器8によりその
一端に印加される約30kVの高電圧を分割して、上記高電
圧(約30kV)の約40%の電圧が、また中間電極Gm2 に
は、同じく約60%の電圧が印加される。
【0026】上記電圧の印加により、各カソードKB,K
G,KRから放出される電子ビームは、第1、第2グリッ
ドG1,G2の近傍でクロスオーバーを形成したのち発散
し、第2、第3グリッドG2,G3により形成されるプリフ
ォーカスレンズにより、予備集束を受け、さらに第3、
第4、第5グリッドG3,G4,G5により形成されるユニポ
テンシャル形レンズにより予備集束を受け、その後、第
5グリッドG5から第6グリッドG6の間で形成される主レ
ンズ部により、最終的に集束されて蛍光体スクリーン上
にビームスポットを形成する。
【0027】この場合、上記主レンズ部には、集束電極
である第5グリッドG5の中間電極Gm1 側の電極G5t とこ
の第5グリッドG5に隣接する中間電極Gm1 の近傍に、電
子ビームを主として垂直方向に強く集束する第1の四極
子レンズが形成され、中間電極Gm2 とこの中間電極Gm2
に隣接する最終加速電極である第6グリッドG6の分割電
極G61 の近傍に、電子ビームを主として垂直方向に強く
発散する第2の四極子レンズが形成される。これら第1
および第2の四極子レンズは、第5グリッドG5の中間電
極Gm1 側のカップ電極G5t および分割電極G61 の中間電
極Gm2 側のカップ電極G61bの開孔形成部分の板厚を薄
く、1.0mm以下にすることにより、第1の四極子レン
ズについては、水平方向のレンズの曲率半径を大きく
し、相対的に水平方向のレンズ強度が垂直方向のレンズ
強度よりも弱い電子レンズ(相対的に垂直方向に強く集
束する電子レンズ)として形成され、第2の四極子レン
ズについては、垂直方向のレンズの曲率半径を大きく
し、相対的に垂直方向のレンズ強度が水平方向のレンズ
強度よりも弱い電子レンズ(相対的に垂直方向に強く発
散する電子レンズ)として形成される。なお、これら極
性の異なる第1および第2の四極子レンズは、画面上の
ビームスポットが最終的にほぼ円形になる平衡状態にな
るように設計されている。
【0028】ところで、上記のように電子銃25を構成す
ると、従来第5グリッドG5に印加されるダイナミック電
圧の交流成分が中間電極Gm1 ,Gm2 に誘導されるために
生じた画面中央部および周辺部におけるビームスポット
の歪を低減し、画面の中央部および周辺部の解像度を向
上させることができる。
【0029】すなわち、上記したように第5グリッドG5
に8〜9kVの直流電圧にパラボラ状に変化する交流成分
の重畳されたダイナミック電圧VD が印加されると、第
5グリッドG5、中間電極Gm1 ,Gm2 および第6グリッド
G6の分割電極G61 の各電極間に静電容量が存在するた
め、中間電極Gm1 ,Gm2 には、その静電容量を介して第
5グリッドG5に印加されたダイナミック電圧VD の交流
成分が誘導され、これら中間電極Gm1 ,Gm2 に印加され
ている所定の電圧に重畳される。また上記のように構成
された電子銃25では、第6グリッドG6の分割電極G61 と
G62 との間に存在する静電容量により、分割電極G61 に
も、第5グリッドG5に印加されたダイナミック電圧VD
の交流成分が誘導され、この分割電極G61 に印加されて
いる電圧に重畳される。
【0030】一方、上記第5グリッドG5、中間電極Gm1
,Gm2 、第6グリッドG6の分割電極G61 ,G62 の各電
極間に存在する静電容量については、図3に交流源41を
第5グリッドG5に印加されるダイナミック電圧VD の電
圧源として等価回路で示すように、第5グリッドG5と中
間電極Gm1 の間、中間電極Gm1 と中間電極Gm2 の間およ
び中間電極Gm2 と第6グリッドG6の分割電極G61 の間に
ほぼ同じ大きさの静電容量CS をもち、第6グリッドG6
の分割電極G61 とG62 の間の静電容量CA が上記静電容
量CS よりも小さくなるように設計すると、上記中間電
極Gm1 ,Gm2 および第6グリッドG6の分割電極G61 に誘
導されるダイナミック電圧VD の交流成分は、それぞれ
これら静電容量CS ,CA により分圧され、中間電極Gm
1 には、
【数1】 中間電極Gm2 には、
【数2】 第6グリッドG6の分割電極G61 には、
【数3】 に示す交流電圧が誘導される。
【0031】したがってたとえば、 CS =1pF CA =0.2pF とすると、中間電極Gm1 に誘導される交流電圧は、数1
の式から第5グリッドG5に印加されるダイナミック電圧
VD の7/8、中間電極Gm2 に誘導される交流電圧は、
数2の式からダイナミック電圧VD の6/8、第6グリ
ッドG6の分割電極G61 に誘導される交流電圧は、数3の
式からダイナミック電圧VD の5/8となり、中間電極
Gm2 とこの中間電極Gm2 に隣接する第6グリッドG6の分
割電極G61との電位差は、 6/8−5/8=1/8 となり、図8に示した従来の電子銃の中間電極Gm2 と第
6グリッドG6との電位差が第5グリッドG5に印加される
ダイナミック電圧VD の1/3であることと比較して、
その電位差を大幅に小さくできる。したがって画面中央
部におけるビームスポットの歪を大幅に軽減できる。
【0032】つまり、第6グリッドG6を2分割し、第6
グリッドG6の他方の分割電極G62 に印加される電圧を電
圧降下させない抵抗器31を介して中間電極Gm2 と対向す
る一方の分割電極G61 に供給するように構成するととも
に、第5グリッドG5と中間電極Gm1 および中間電極Gm2
と第6グリッドG6の一方の分割電極G61 とにより形成さ
れる極性の異なる第1および第2の四極子レンズを、最
終的に画面上のビームスポットがほぼ円形になるように
平衡状態に設計すると、画面中央部のビームスポットを
ほぼ真円とし、かつ周辺部のビームスポットの歪を低減
して、画面中央部および周辺部の解像度を良好にするこ
とができる。
【0033】つぎに、他の実施例について説明する。
【0034】前記実施例では、図3に示したように第5
グリッドG5と中間電極Gm1 の間、中間電極Gm1 と中間電
極Gm2 の間および中間電極Gm2 と第6グリッドG6の分割
電極G61 の間の静電容量がほぼ同じ大きさとした場合に
ついて述べたが、これら各電極間の静電容量が異なる場
合にも、同様の効果が得られる。
【0035】すなわち、図4に示すように、たとえば第
5グリッドG5と中間電極Gm1 との間および中間電極Gm1
と中間電極Gm2 の間の静電容量CS1が1pF、中間電極Gm
2 と第6グリッドG6の分割電極G61 の間の静電容量CS2
が2pF、第6グリッドG6の分割電極G61 とG62 の間の静
電容量CA が0.2pFと異なる場合でも、中間電極Gm1
に誘導される交流電圧は、数1の式から第5グリッドG5
に印加されるダイナミック電圧VD の13/15、中間
電極Gm2 に誘導される交流電圧は、数2の式からダイナ
ミック電圧VD の11/15、第6グリッドG6の分割電
極G61 に誘導される交流電圧は、数3の式からダイナミ
ック電圧VD の10/15となり、中間電極Gm2 とこの
中間電極Gm2 に隣接する第6グリッドG6の分割電極G61
との電位差は、 11/15−10/15=1/15 となり、前記実施例の場合よりも、さらに小さくするこ
とができる。
【0036】また、前記実施例では、第6グリッドの2
個の分割電極を接続する抵抗器を分圧抵抗器と独立に配
置した場合について説明したが、図5に示すように、第
6グリッドG6の2個の分割電極G61 ,G62 を接続する抵
抗器31は、分圧抵抗器8 の基板42上に形成してもよい。
【0037】さらに、前記実施例では、最終加速電極で
ある第6グリッドG6を2分割した場合について説明した
が、この最終加速電極の分割は、2個以上に分割しても
よい。
【0038】さらにまた、前記実施例では、第5グリッ
ドと第6グリッドとの間に2個の中間電極を配置した電
子銃について説明したが、この発明は、1個または2個
以上の中間電極を配置した場合にも適用できる。
【0039】なおまた、前記実施例では、基本構造がQ
PF(Quadra Potential Focus)型である電子銃につい
て説明したが、この発明は、QPF型以外の電子銃にも
適用可能である。
【0040】
【発明の効果】最終加速電極を複数の電極に分割し、こ
の分割された複数の電極のうち少なくとも中間電極と対
向する電極に分圧抵抗器とは異なる抵抗器を介して最終
加速電圧を供給する構造に形成すると、集束電極とこの
集束電極と対向する中間電極との間および中間電極間お
よび中間電極とこの中間電極と対向する最終加速電極の
分割電極との間に静電容量が形成され、集束電極に印加
されるダイナミック電圧の偏向ヨークの偏向に同期して
変化する交流成分がそれら静電容量を介して中間電極ば
かりでなく、中間電極と対向する最終加速電極の分割電
極にも誘導される。その結果、中間電極とこの中間電極
と対向する最終加速電極の分割電極との間の偏向に同期
して変化する交流成分に起因する電位差の変化を小さく
することができ、中間電極と最終加速電極の近傍に形成
される第2の四極子レンズの強さが変化を少なくするこ
とができる。一方、集束電極とこの集束電極と対向する
中間電極との間に形成される第1の四極子レンズは、上
記交流成分の誘導により変化しても、集束電極に印加さ
れるダイナミック電圧の直流成分を調整することにより
所定値に補正できるので、これら第1、第2の四極子レ
ンズを平衡状態に保って、画面の中央部および周辺部の
解像度を共に良好にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)はこの発明の一実施例であるカラー
受像管の電子銃の構成を断面で示した正面図、図1
(b)は同じく断面で示した側面図である。
【図2】この発明の一実施例であるカラー受像管の構成
を示す断面図である。
【図3】この発明の一実施例であるカラー受像管の電子
銃の主レンズ部を説明するための等価回路図である。
【図4】他の実施例の主レンズ部を説明するための等価
回路図である。
【図5】この発明の他の実施例であるカラー受像管の電
子銃の構成を断面で示した側面図である。
【図6】図6(a)はセルフコンバーゼンス方式インラ
イン型カラー受像管の偏向ヨークの発生する水平偏向磁
界の説明図、図6(b)は同じく垂直偏向磁界の説明図
である。
【図7】従来のセルフコンバーゼンス方式インライン型
カラー受像管の画面全面でのビームスポットの形状を示
す図である。
【図8】図8(a)は従来のセルフコンバーゼンス方式
インライン型カラー受像管の電子銃の構成を断面で示し
た正面図、図1(b)は同じく断面で示した側面図であ
る。
【図9】図9(a)および(b)はそれぞれ上記従来の
電子銃の主レンズ部およびその主レンズ部を構成する電
極の電位を説明するための図である。
【図10】従来のセルフコンバーゼンス方式インライン
型カラー受像管の画面全面におけるビームスポットの形
状を示す図である。
【符号の説明】
2B,2R…一対のサイドビーム 2G…センタービーム 8 …分圧抵抗器 22…蛍光体スクリーン 25…電子銃 28…偏向ヨーク 31…抵抗器 37…可変抵抗器 G1…第1グリッド G2…第2グリッド G3…第3グリッド G4…第4グリッド G5…第5グリッド G6…第6グリッド G61 …第6グリッドの分割電極 G62 …第6グリッドの分割電極 Gm1 …中間電極 Gm2 …中間電極 KB,KG,KR…カソード
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福田 茂夫 神奈川県川崎市幸区堀川町72番地 東芝電 子エンジニアリング株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子ビーム形成部から放出される電子ビ
    ームを蛍光体スクリーン上に集束する主レンズ部を有
    し、この主レンズ部が上記電子ビーム形成部から上記蛍
    光体スクリーン方向に集束電極、1個または複数個の中
    間電極および最終加速電極の順に配置されてなる電子銃
    と、上記最終加速電極に供給される最終加速電圧を分圧
    して上記中間電極に所定の電圧を供給するための分圧抵
    抗器とを備え、上記集束電極に上記偏向ヨークの偏向に
    同期して変化する電圧が印加されるカラー受像管におい
    て、 上記最終加速電極は複数の電極に分割され、この分割さ
    れた複数の電極のうち少なくとも上記中間電極と対向す
    る電極に上記分圧抵抗器とは異なる抵抗器を介して上記
    最終加速電圧を印加する構造に形成されていることを特
    徴とするカラー受像管。
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