JPH0523397Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は車両等のシート、特に貨客兼用車等に
備える折りたたみシート等のヒンジ付シートに関
する。

〔従来の技術〕

従来、この種のシートは第４図乃至第６図に示
すように構成されている。

この図示するシート１はシートクツシヨン２に
シートバツク３がヒンジを介して連結されていて
シートクツシヨン２とシートバツク３を重ねて更
に前方に倒す、即ち折りたたむことのできる折り
たたみシートであつて、シートクツシヨン２の下
面前部には左右一対の前側脚体４，５が取付けら
れ、この前側脚４，５はシートクツシヨン２の下
面に固着される上半脚部４ａ，５ａと床面Ｆに固
定される下半脚部４ｂ，５ｂとをヒンジ軸４ｃ，
５ｃを介して回動自在に連結してヒンジ脚体とし
て構成されており、またシートクツシヨン２の下
面後部には床面Ｆ上に載置される後側脚体６がヒ
ンジブラケツト７を介して起伏、即ち折りたたみ
可能に取付けられて、この後側脚体６と一方の前
側脚体４の下半脚部４ｂをリンク８により連結し
てある。

そしてこのシート１はシートクツシヨン２上に
シートバツク３を重ねた状態で後部下面の外側部
から持ち上げると前側脚体４，５は上半脚部４
ａ，５ａが下半脚部４ｂ，５ｂに対してヒンジ軸
４ｃ，５ｃを中心として回動し、シート１は跳ね
上げられ折りたたまれる。

この折りたたみ動作において後側脚体６はリン
ク８により前側脚体４の床面Ｆに固定される下半
脚部４ｂ側に引かれることになつてヒンジブラケ
ツト７において回動されシートクツシヨン２の下
面側に倒伏、即ち折りたたまれるようになされて
いる。

〔考案が解決しよつとする課題〕

以上のように構成される折りたたみシートは折
りたたみ動作に連動して後側脚体がシートクツシ
ヨンの下面側に倒伏して折りたたまれるので、こ
の倒伏の際、後側脚体とシートクツシヨンの下面
との間に他のもの、例えばシートベルト等を挟み
込んでしまい損傷を与えるおそれがあるばかりで
なく、後側脚体の完全な倒伏が行なえなくなり、
このため前側脚体の回動が抑えられる状態となつ
てシートは所定の状態まで折りたたむことができ
なくなり、不安定な状態で収納されることになる
等の不具合が生じることがあつた。

本考案はこのような問題点に鑑みてなされたも
のであり、その目的とするところはシートを折り
たたむ際にシートクツシヨンの下面側に倒伏して
折りたたまれる脚体に他のものが挟み込まれるの
を防止すると共に外観の向上を図つた車両等のシ
ートを提供しようとするものである。

〔課題を解決するための手段〕

上記の目的を達成するために本考案におけるシ
ートは、シートクツシヨンを床面に対して起伏す
ることができるように、シートクツシヨンの下面
側に床面に起伏可能に固定されヒンジを構成する
脚体を取付けると共に、このヒンジ脚体に対応し
て床面に載置当接される脚体を折りたたみ可能に
取付けて成る車両等のシートであつて、シートク
ツシヨンの下面側に、折りたたみ脚体の少なくと
も外側部に位置して折りたたみ脚体が起立状態に
おいて外側面部から見てほぼ隠蔽される高さの保
護壁部を形成してなるものである。

〔作用〕

本考案のシートにおいてシートクツシヨンの下
面側に折りたたまれる脚体の起伏回動は、シート
クツシヨンの下面側の保護壁部の内面側でその高
さ内において行なわれるので、その脚体とシート
クツシヨン下面との間に他のものが挟み込まれる
ことなく、また、この脚体は保護壁部に隠蔽され
ることによりシートの見栄えが良好となる。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を第１図乃至第３図を参
照して説明するに第４図乃至第６図に示す従来例
と同様の部材には同一符号を付して詳細な説明は
省略する。

本例においてはシートクツシヨン２の下面側の
後半部に合成樹脂製のカバープレート１０が固着
されており、後側の折りたたみ脚体６はカバープ
レート１０に形成された透孔部１０ａを通してシ
ートクツシヨン２の下面に起伏可能にヒンジブラ
ケツト７により取付けられている。このカバープ
レート１０の透孔部１０ａは脚体６が倒伏状態、
即ち、折りたたみ状態で嵌合される大きさに形成
されている。

そして、カバープレート１０には透孔部１０ａ
の外側部に沿つて脚体６が起立状態において外側
面部から見てほぼ隠蔽される高さの保護壁部１１
を突設してある。

このように構成される本例のシート１において
は、シートクツシヨン２上にシートバツク３を重
ねた状態でシートクツシヨン２の後部下面の外側
部、即ち保護壁部１１から外側の面部において持
ち上げることにより、前述した従来例と同様に前
側のヒンジ脚体４，５はヒンジ軸４ｃ，５ｃを中
心として回動して、シート１は跳ね上げられ、こ
の際、折りたたみ脚体６はリンク８によりヒンジ
脚体４側へ引かれてヒンジブラケツト７において
回動されてシートクツシヨン２の下面側に折りた
たまれカバープレート１０の透孔部１０ａ内に収
納される。

以上の操作及び動作においてシートクツシヨン
２の後部下面の保護壁部１１から外側の面部、本
例ではカバープレート１０の外側面部１０ｂが手
掛け部となり、この面部に手を掛けると指先が保
護壁部１１で保護されて折りたたみ脚体６に触れ
ることなく持ち上げることができる。

また、この持ち上げの際の折りたたみ脚体６の
回動は保護壁部１１の内面側でその高さ内におい
て行なわれるのでこの折りたたみ脚体６とシート
クツシヨン２の下面側との間に他のものが挟み込
まれることなく、この脚体６は完全に倒伏させる
ことができてシート１は所定の状態に確実に跳ね
上げ折りたたむことができる。

なお、本例において保護壁部１１はカバープレ
ート１０に突設してあるが、シートクツシヨン２
の下面側のカバープレート１０を固着しない場合
はシートクツシヨンの下面側に直接突設すること
になる。この場合保護壁部１１は断面Ｌ字状のア
ングル材状に形成する。

また、本例においても前述した従来例と同様に
シートクツシヨン２の下面後部には床面Ｆに図示
の如く例えば車体のタイヤハウス等の関係で段差
があるため他方の脚体を省略し一方の折りたたみ
脚体６のみを取付けてあるが、床面Ｆが扁平面の
場合はシートクツシヨン２の後部にも左右一対の
脚体を取付けることになり、この場合は両脚体の
外側部に保護壁部１１を突設することになる。

以上、本考案の実施例を説明したが、本考案は
この実施例に限定されるものではなく、本考案の
趣旨を逸脱しない範囲で種に変更できるもので、
本考案は一人掛けシートに限らず二人掛けシート
等にも適用でき、また後方に跳ね上げ折りたたむ
シートにも適用でき、この場合は前側脚体がシー
トクツシヨンの下面側に折りたたまれるため保護
壁部はシートクツシヨンの下面前側に突設してこ
の前側の折りたたみ脚体を外側から保護すること
になる。

〔考案の効果〕

以上のように本考案によればシートクツシヨン
を床面に対して起伏可能とした車両等のシートに
おいて、シートクツシヨンの下面側に折りたたむ
脚体の外側部に位置してこの脚体が起立状態にお
いて外側面部から見てほぼ隠蔽される高さの保護
壁部を突設したことにより、シートクツシヨンの
下面に対して脚体が折りたたまれる方向の空間が
側面側から塞さがれることになつて脚体を折りた
たむ際にシートベルト等の他のものの挟み込みが
防止されて損傷を与えるおそれがなく、また脚体
を完全に折りたたむことができて脚体の折りたた
みとシートの折りたたみを連動させる構成におい
てはシートを所定の状態に確実に折りたたむこと
はができる。

また、脚体は保護壁部により外側面部から見て
ほぼ隠蔽された状態となるので、外観が向上され
る等の効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案によるシートの一例の一部省略
した側面図、第２図は同、シートバツクをシート
クツシヨンに重ねた状態の背面図、第３図は同、
折りたたんだ状態の斜視図、第４図は従来のシー
トの一部省略した側面図、第５図は同、シートバ
ツクをシートクツシヨンに重ねた状態の背面図、
第６図は同、折りたたんだ状態の斜視図である。 図中、１はシート、２はシートクツシヨン、３
はシートバツク、４，５はヒンジ脚体、６は折り
たたみ脚体、１１は保護壁部である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 シートクツシヨンを床面に対して起伏すること
   ができるように、前記シートクツシヨンの下面側
   に床面に起伏可能に固定されヒンジを構成する脚
   体を取付けると共に、このヒンジ脚体に対応して
   床面に載置当接される脚体を折りたたみ可能に取
   付けて成る車両等のシートであつて、 前記シートクツシヨンの下面側に、前記折りた
   たみ脚体の少なくとも外側部に位置して前記折り
   たたみ脚体が起立状態において外側面部から見て
   ほぼ隠蔽される高さの保護壁部を突設したことを
   特徴とする車両等のシート。