JPS639455Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はキヤブオーバ型大型トラツクなどの座
席に関するものである。

〔従来の技術〕

長距離輸送用大型トラツクでは、運転席および
補助席の後方に仮眠を取るための寝台が備えられ
ているのが普通であるが、このような運転席およ
び寝台を備えたキヤブはエンジンのちようど上側
に配置されるようになつており、エンジンが比較
的小型の場合には、このような寝台を備えたキヤ
ブを搭載するとキヤブがエンジンよりも後方へ出
張り、荷台のスペースを割くこととなり、好まし
くない。

したがつて、エンジンが比較的小さい場合、法
規上許された車体寸法でできるだけ広い荷台面積
を得るために、キヤブの内部に寝台が備えられて
いないものもある。

しかし、このようなトラツクでは、運転者が横
になれるだけの十分な車幅を有しながら、運転席
と補助席との間でフロアパネルが隆起されて、エ
ンジンの上方を覆うフードが構成され、このフロ
アパネル部分に物入れとしてのパーセルボツクス
が配置されているために、運転席が座席に足を伸
ばして横になることは、前記パーセルボツクスが
座席のシートクツシヨンよりも低過ぎ、かつパー
セルボツクスの蓋が固いので無理があつた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

本考案の目的は、このような問題に鑑み、運転
席と補助席との間にクツシヨンを配置し、疲労回
復のための仮眠をとる寝台として使用できるよう
にした大型トラツクなどの座席を提供することに
ある。

〔問題点を解決するための手段〕

上記目的を達成するために、本考案の構成は運
転席と補助席との間にパーセルボツクスを配置
し、前記補助席のシートバツクの枠に袋状体を有
するシートバツク本体を着脱可能に支持するとと
もに、前記シートバツク本体をパーセルボツクス
の蓋に付け替えた状態で前記シートバツクの表面
と運転席および補助席のシートクツシヨン面とが
同一平面をなすようにしたものである。

〔作用〕

補助席１５の枠３１からシートバツク本体を外
し、パーセルボツクス２８の蓋１８に袋状体４０
を外挿すると、運転席のシートクツシヨン５と補
助席のシートクツシヨン１４との間に同一の高さ
の平面が形成され、仮眠用寝台となる。

〔考案の実施例〕 本考案を実施例に基づいて説明すると、第１図
に示すように、キヤブのフロア３０はこの中央部
が隆起されており、さらにフロア３０の後半部３
０ａが前半部よりも一段と高くなつており、この
後半部３０ａにシートクツシヨン５とシートバツ
ク６からなる運転席４が配置されるとともに、運
転席５と反対側にシートクツシヨン１３，１４と
シートバツク１０，８とからなる補助席１２，１
５が配置される。

フロアパネルの後半部３０ａの補助席１５と運
転席４との間の部分３０ｂは隆起されて、床下に
配置されたエンジンを覆うフードが構成されてお
り、この部分に一般には物入れとしてのパーセル
ボツクス１６が配置されている。

キヤプの後部は、窓７を有する後壁９によつて
荷箱から仕切られている。このような構成は、従
来のキヤブとほぼ同様である。

本考案の特徴とする構成は、補助席１５のシー
トバツク８を枠から取り外し、これをパーセルボ
ツクス１６の蓋１８に取付けることによつて、運
転席４のシートクツシヨン５、補助席１５，１２
のシートクツシヨン１４，１３およびパーセルボ
ツクスの蓋１８が同一平面をなす寝台として使用
できるようにしたことにある。

パーセルボツクス１６はほぼ長方形の箱２８の
後縁に１対のヒンジをもつて蓋１８を開閉可能に
結合するとともに、前縁に１対の永久磁石を配設
し、これらに対応して蓋１８の内面に配設した磁
性板を吸着させて、蓋１８を閉鎖状態に保持する
ようになつている。

補助席１５のシートバツク８は、第３図に示す
ように、パイプを逆Ｕ字形に折り曲げてなる枠３
１の両端部を、シートクツシヨン１４の枠に結合
するとともに、枠３１の互いに平行をなす部分に
鋼板または合板３２を掛け渡した構成となつてい
る。

そして、第４図に示すように、シートバツク８
はポリウレタンなどからなるブロツク状の弾性材
３４の表側を覆う塩化ビニルなどからなる合成レ
ザー３３の縁部３３ａを長方形の合成レザー３６
と縫い合せて本体を構成するとともに、前記縁部
３３ａに長方形の合成レザー３５を縫い合せて袋
状体４０を構成し、この袋状体４０を枠３１に外
挿するように構成される。

〔考案の効果〕

本考案は上述のように構成することによつて、
通常は第１図に示すように、シートバツク８が補
助席１５の枠３１に装着され、座席として使用さ
れるのであるが、運転者が休む場合には、シート
バツク８を枠３１から取り外し、袋状体４０をパ
ーセルボツクスの蓋１８をあけてこれに外挿し、
蓋１８を倒せば、第３図に示すように、隣合せの
シートクツシヨン５，１４とそれぞれ同じ高さと
なる。

したがつて、運転者が疲れた場合に、パーセル
ボツクスの蓋１８とシートクツシヨン５，１４，
１３とが同一平面上に一列に配列され、仮眠を採
るための寝台として使用することができ、長距離
運転の場合の安全確保に役立つ。

そして、本考案は従来備えられている補助席の
シートバツクに改良を加えるだけの簡単な構成で
あるから、僅かな費用を掛けるだけで寝台を提供
することができる。

なお、本考案は運転席および補助席の後側に寝
台を備えた大型トラツクのキヤブの場合にも適用
することができ、この場合には運転者および補助
運転者が同時に仮眠を採ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る座席を備えた大型トラツ
クなどのキヤブ内部の正面図、第２図は補助席と
パーセルボツクスについての斜視図、第３図はパ
ーセルボツクスを寝台の一部として使用する状態
を示す斜視図、第４図はシートバツクについて平
面断面図である。 ４：運転席、８：シートバツク、１２，１５：
補助席、１６：パーセルボツクス、１８：蓋、２
４：基板、３０：フロアパネル、３１：枠、３
２：板、３３，３５，３６：レザー、３４：弾性
材、４０：袋状体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 運転席と補助席との間にパーセルボツクスを配
   置し、前記補助席のシートバツクの枠に袋状体を
   有するシートバツク本体を着脱可能に支持すると
   ともに、前記シートバツク本体をパーセルボツク
   スの蓋に付け替えた状態で前記シートバツクの表
   面と運転席および補助席のシートクツシヨン面と
   が同一平面をなすように構成したことを特徴とす
   る大型トラツクなどの座席。