JPH0523279Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は軟水器に関し、例えば水道水を飲用
に適するように軟水化する家庭用軟水器として好
適なものであり、取り出された軟水にカルシユウ
ムやマグネシユウム等の鉱物を適宜量含ませ得る
軟水器に関する。

［従来の技術］ 従来、水道水を軟水化して飲料水を得る家庭用
の軟水器として、陽イオン交換樹脂を用いたもの
が知られている。これは、水流入口から供給され
た水が陽イオン交換樹脂層を通過して水流出口か
ら取り出されるようになつている。この陽イオン
交換樹脂は、軟水器の容器本体に直接充填された
ものもあり、また陽イオン交換樹脂を充填したカ
ートリツジを軟水器の容器本体に収納するように
したものもある。

前記のように、容器本体に直接陽イオン交換樹
脂を充填したものでは、陽イオン交換樹脂の再生
を家庭でも行えるように、再生機能をもたせたも
のがあり、イオン交換能力が劣化したときには、
前記の再生機能を働かせるようにしている。

また、前記のカートリツジを用いたものでは、
陽イオン交換樹脂のイオン交換能力が劣化したと
きには、新しいカートリツジと交換する。

［考案が解決しようとする課題］ 前記したような軟水器では、一般に陽イオン交
換樹脂層を通過した水の硬度は殆ど零になり、カ
ルシユウムやマグネシユウム等の人体に有益な鉱
物が殆ど除去されてしまう。

この考案は、このような従来の軟水器の欠点を
除去し、カルシユウム等の鉱物を適宜量含む軟水
が得られるようにした軟水器を提供するものであ
る。

［課題を解決するための手段］ この考案は上記した課題を解決するために、水
流入口と水流出口とを有し、かつ陽イオン交換樹
脂が充填された容器を備え、前記水流入口から供
給された水が前記の陽イオン交換樹脂により軟水
化されて水流出口から取り出されるようにした軟
水器において、前記水流出口が穿設された前記容
器の壁面から適宜の距離を隔てて、多数の孔を有
しかつフイルタが配設された中蓋を設置し、前記
容器における該中蓋と前記流水入口との間に前記
の陽イオン交換樹脂を充填するようになし、かつ
前記水流出口が穿設された前記容器の前記した壁
面にバイパス用の孔を穿設し、前記水流入口から
前記容器内に供給されるべき水の一部が前記バイ
パス用の孔を通つて、前記のように軟水化された
水と混合され、この混合された水が前記水流出口
から取り出されるようにしたことを特徴とするも
のである。

［作用］ 上記のように構成されたこの考案の軟水器で
は、水流入口から供給された水は陽イオン交換樹
脂により軟水化され、前記のフイルタを介して水
流出口から取り出される。また、前記水流入口か
ら前記容器内に供給されるべき水の一部が前記バ
イパス用の孔を通つて、前記のように軟水化され
た水と混合され、この混合された水が前記水流出
口から取り出される。

［実施例］ 以下に、この考案の一実施例を図について詳細
に説明する。第１図はカートリツジが収納された
状態の軟水器を示す断面図であり、このカートリ
ツジには通水性の袋に収納された陽イオン交換樹
脂が充填された状態が示されている。第２図は第
１図の一部を詳細に示す斜視図である。

第１図において、符号１は軟水器の容器本体で
あり、ステンレス製又はフアイバーで強化された
プラスチツク製のものである。２は容器本体１の
蓋であり、該容器本体と同様に、ステンレス製又
はフアイバーで強化されたプラスチツク製のもの
である。この蓋２には、パイプ状の給水口３とパ
イプ状の軟水取出口４とが形成されている。この
軟水取出口４は蓋２の内側にもパイプ状に突出さ
れ、この突出部の内側には後述する雌ねじが刻切
されている。かかる蓋２はＯリング５を介して容
器本体１と嵌め合わされ、更に締付バンド６によ
り締めつけられて、周知のように気密状態に保持
される。７はカートリツジであり、前記の軟水器
に収納された状態が示されている。このカートリ
ツジ７は円筒８と、該円筒の上下端を塞ぐ上蓋
９、下蓋１０とを有し、これらにより容器１１が
構成されている。これらの円筒８、上蓋９及び下
蓋１１は何れもABS樹脂等の成形品で構成され
ている。前記の上蓋９には水流出口となるパイプ
状の接続用円筒１２が外側に突出するように一体
成形され、また後述するバイパス用の孔１３が穿
設されている。この上蓋９は前記した円筒８に接
着により固定されている。前記の下蓋１０には水
流入口となる多数の孔１４が穿設され、該下蓋１
０は前記の円筒８に周知の手段で着脱自在に取り
付けられている。符号１５は中蓋であり、ABS
樹脂等により成形され、第２図にも示すように、
３本の脚１６と、多数の孔１７とを有する。この
中蓋１５は、その脚１６の端部が前記上蓋９に当
接されて接着されている。符号１８，１９はフイ
ルタであり、ポリプロピレン製又はポリエチレン
製の多数の細孔を有する不織布により構成され、
前記中蓋１５と下蓋１０との内側に夫々配置され
ている。２０は陽イオン交換樹脂を略示するもの
であり、該陽イオン交換樹脂はナイロン製又はポ
リプロピレン製等の織物よりなる袋２１に収納さ
れ、前記カートリツジ７の容器１１に充填されて
いる。２２は前記給水口３に設けられた逆流防止
弁を示すものであり、前記上蓋９の前記した接続
用円筒１２の外周には雄ねじが刻切され、該雄ね
じを前記した蓋２の軟水取出口の雌ねじと螺合す
ることにより、カートリツジ７が蓋２に取り付け
られ（固定）、軟水器に装填される。

上記のような軟水器では、適宜の手段により水
道等に接続された給水口３から供給された水が矢
印のように流れ、陽イオン交換樹脂２０により軟
水化されて、軟水取出口４から取り出される。即
ち、上記の水は給水口３から、孔１４、フイルタ
１９、袋２１に収納された陽イオン交換樹脂２０
の層、フイルタ１８及び孔１７を経て軟水取出口
４に至る。この時、水の中のごみ等はフイルタ１
８，１９により濾過される。また、給水口３から
供給された水の一部は上蓋９のバイパス用の孔１
３から、上蓋９と中蓋１５によつて形成された混
合室２３に至り、ここで陽イオン交換樹脂２０に
より軟水化された水と適度に混合され、適宜の硬
度の軟水として軟水取出口４から取り出される。

上記のような軟水化処理により、陽イオン交換
樹脂のイオン交換能力が劣化したときには、水の
供給を止め、締付バンドを緩めて容器本体１から
蓋２を外し、カートリツジ７の下蓋１０を容器１
１から外して陽イオン交換樹脂２０を袋２１に収
納された状態で取り出す。次に、別の袋に収納さ
れた新しい陽イオン交換樹脂を容器１１に充填し
て下蓋１０を閉め、蓋２を前記したように容器本
体１に取り付ける。

尚、上記実施例では、袋２１に収納した陽イオ
ン交換樹脂をカートリツジ７に充填する場合につ
いて説明したが、カートリツジ７の容器１１に直
接、陽イオン交換樹脂を充填するものにもこの考
案を適用することができ、またカートリツジを用
いずに、軟水器の容器に直接、陽イオン交換樹脂
を充填するものにもこの考案を適用することがで
きる。

［考案の効果］ この考案は上記したように、孔１４等の水流入
口と接続用円筒１２等の水流出口とを有し、かつ
陽イオン交換樹脂２０が充填された容器１１を備
え、前記水流入口から供給された水が前記の陽イ
オン交換樹脂２０により軟水化されて水流出口か
ら取り出されるようにした軟水器において、前記
水流出口が穿設された前記容器１１の上蓋９の壁
面から適宜の距離を隔てて、多数の孔１７を有し
かつフイルタ１８が配設された中蓋１５を設置
し、前記容器１１における該中蓋と前記水流入口
との間に前記の陽イオン交換樹脂２０を充填する
ようになし、かつ前記水流出口が穿設された前記
容器１１の前記した壁面にバイパス用の孔１３を
穿設し、前記水流入口から前記容器１１内に供給
されるべき水の一部が前記バイパス用の孔１３を
通つて、前記のように軟水化された水と混合さ
れ、この混合された水が前記水流出口から取り出
されるようにしたことを特徴とする軟水器であ
り、カルシユウム等の鉱物を適宜量含む軟水が得
られる。

【図面の簡単な説明】

図はこの考案の一実施例を示すものであり、第
１図は縦断正面図、第２図は一部の斜視図であ
る。 １１……容器、１２……接続用円筒、１４……
孔、１５……中蓋、１７……孔、１８……フイル
タ、２０……陽イオン交換樹脂。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 水流入口と水流出口とを有し、かつ陽イオン交
   換樹脂が充填された容器を備え、前記水流入口か
   ら供給された水が前記の陽イオン交換樹脂により
   軟水化されて水流出口から取り出されるようにし
   た軟水器において、前記水流出口が穿設された前
   記容器の壁面から適宜の距離を隔てて、多数の孔
   を有しかつフイルタが配設された中蓋を設置し、
   前記容器における該中蓋と前記流水入口との間に
   前記の陽イオン交換樹脂を充填するようになし、
   かつ前記水流出口が穿設された前記容器の前記し
   た壁面にバイパス用の孔を穿設し、前記水流入口
   から前記容器内に供給されるべき水の一部が前記
   バイパス用の孔を通つて、前記のように軟水化さ
   れた水と混合され、この混合された水が前記水流
   出口から取り出されるようにしたことを特徴とす
   る軟水器。