JP5232563B2 - 送配水管内面の防食装置 - Google Patents

送配水管内面の防食装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5232563B2
JP5232563B2 JP2008198506A JP2008198506A JP5232563B2 JP 5232563 B2 JP5232563 B2 JP 5232563B2 JP 2008198506 A JP2008198506 A JP 2008198506A JP 2008198506 A JP2008198506 A JP 2008198506A JP 5232563 B2 JP5232563 B2 JP 5232563B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
distribution pipe
pipe
exchange resin
sacrificial anode
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2008198506A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010037571A (ja
Inventor
敏治 吉田
澄雄 品川
大輔 小林
良和 宮地
正道 宮部
幸生 鍵谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Chubu Electric Power Co Inc
Original Assignee
Chubu Electric Power Co Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Chubu Electric Power Co Inc filed Critical Chubu Electric Power Co Inc
Priority to JP2008198506A priority Critical patent/JP5232563B2/ja
Publication of JP2010037571A publication Critical patent/JP2010037571A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5232563B2 publication Critical patent/JP5232563B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Prevention Of Electric Corrosion (AREA)

Description

本発明は、水道水などの送配水に使用される鋼製送配水管に当初から付設し、又は、該送配水管内面の腐食の発生の恐れが生じた場合、送配水を停止せずに付設し、それによって該送配水管内面の腐食の発生を防止抑制できるようにした防食装置に関するものである。
工業用水、飲料用水等を送配する主として中口径以下の鋼管(700A以下)の場合は、従来、現地溶接箇所の管内面に塗装などの防食処置が施されていない事が殆どである。最近では塗装ロボットによる防食塗装が行われるようになっているが、この場合でも前処理が実際には不可能なことから、防食塗装による鋼管の防食効果は低い。更に、防食塗装に
はピンホールが不可避的に存在するおそれがある。
上記の諸理由によって、例えば、水道用水を送配水している水管橋の場合、敷設後20〜30年を経過したものは、特に溶接箇所の管内面で腐食に伴う減肉があり、漏水事故が多分にみられる。
鋼材は、静止した淡水(水道水)中での腐食速度が通常年間0.1ミリメートル程度である。流動水になると、例えば流速が10cm/秒の場合、その内部腐食速度は年間0.4ミリメートル程度となる。中口径管以下の鋼管の肉厚は約6mm程度であることから、計算上では、この場合の鋼管は15年の寿命となる。
淡水中で鋼材を犠牲陽極材、例えばマグネシウム合金で電気防食する場合、優れた防食性を有しているが、水の電気抵抗が大きいことから防食電流の到達範囲が狭いために防食効果の及ぶ範囲はせいぜい10センチメートル程度と小さく、電気抵抗の比較的小さな海中でもせいぜい1メートル程度と言われている。そのため淡水中では腐食箇所の近傍に犠牲陽極材を配置する必要がある。またこの場合、犠牲陽極材の消耗により脱落した破片が淡水中に混入することもある。
従来、図9に示されているように、水道用送配水管に使用される鋼製パイプ100は、現地にて鋼管外面101を電気溶接102によってパイプ接合をした場合、これまで一般的には鋼管内面103の防食は防食塗装によるものが主であった。管内面の溶接線付近が内径の寸法制限などの施工上の理由から防食塗装が不可能又は不十分の為、腐食による経年劣化が起こりやすい。最悪の場合、溶接線付近から腐食が起き、減肉、穴あき等により流体物が管外へ漏水するケースも最近多々見受けられる。又、漏水による二次的被害が引き起こされる虞もある。
その応急対策として、欠陥が生じた箇所を修理・修繕する場合、一般的には送水・配水を停止して漏水部の部分修理を行うにしても管の取替えをするにしても、多額の費用負担を要するだけでなく、利用者の社会生活に多大の困惑と不便をかけることになる。
そのために、一般的に、送配水管における腐食が外面にある場合はその腐食箇所の確認が視覚的にも容易であるが、管内面の場合は腐食箇所の確認が困難であることに起因して、例えば、特開2007−132010公報「被覆防食体内部の腐食検知方法」(特許文献1)のように、被覆防食体内部の腐食を検知する方法が提案されている。しかしながら、これは具体的な送配水管内面の防食手段の提案には至っていない。
又、特開2003−74784公報「塗覆装鞘管内塗覆装埋設管の防食方法及び装置」(特許文献2)によれば、[課題]としての金属製埋設管に塗覆装鞘管を配したニ重管において、塗覆装鞘管内に配置された塗覆装金属製埋設管の腐食を恒久的ないし半永久的に防止するための[解決手段]として「管内における塗覆装金属製埋設管に沿って犠牲陽極を配置してなることを特徴とする塗覆装鞘管内における塗覆装金属製埋設管の防食方法、および、塗覆装鞘管内における塗覆装金属製埋設管に沿って犠牲陽極を配置してなることを特徴とする塗覆装鞘管内における塗覆装金属製埋設管の防食装置。」が提案されている。その[0007]によれば、ガス管や水道管等を地中に埋設したり、河川や湖に添架して敷設する場合、あるいは河川や湖などの両岸の土壌中への埋設部分や添架部分に金属製鞘管を利用することがある。特に、河川や湖に添架するに際しては、橋や鉄橋の側部や下部に配管される場合が多く、この場合にも鞘管を利用することで、上記変位吸収の目的に加えて、ガス管や水道管の防護の目的も達成することができるとしている。
しかしながら、かかるいわゆる水管橋に鋼管を配したニ重管を配置する方法や装置は、管長の全周にわたるから多くの資材を要し、かつ経費もかかりやすいという問題がある。
また、特開2000−129473号公報(特許文献3)は、金属管の内面を防食する方法に関する。その[課題を解決するための手段]によれば、金属管内面の防食方法は、金属管の内部に該金属管の材質よりも標準電極電位の卑な金属の微小片を充填するとしたものである。すなわち、金属管の内部に充填量減少化のための該金属管の内径よりも小径の棒状体または筒状体のインサートを挿入し、該金属管内面と該インサートとの間隙に該金属管の材質よりも標準電極電位の卑な金属の微小片を充填するとしたものである。しかしながら、この方法によれば、水道水という流水の流れる鋼管内面を防食しようとする本発明の目指す目的については、管内内面を防食する目的は共通でも、流水を前提としない点で、このやり方は有効でも適切でもない。
特開2007−132010公報 特開2003−74784公報 特開2000−129473号公報
そこで、本発明は、従来不可能又は、著しく困難とされていた流体の送配水を停止せず、かつ、管を破壊せずに送配水管内面の腐食の発生を防止抑制できるようにした送配水管内面の防食装置を提供しようとするものである。
本発明は上記の如き観点に鑑みてなされたものであって、主たる構成は、水道水の送配水管に取り付ける防食装置であって、通水管と、電解質隔壁槽と、鉄鋼材より自然電位が相対的に低いマグネシウム、アルミニューム、亜鉛などの卑金属薄板の集積体によって構成された犠牲陽極体と、該犠牲陽極体を収容する鋼製容器と、気体排出管とからなり、前記犠牲陽極体は前記鋼製容器と電気的に接合される送配水管内面の防食装置を提供しようとするものである。
前記電解質隔壁槽は、プラスチック製筒体からなり、かつ、該筒体の両端開口部は内側面を不織布等の透水性素材で内張りし、複数のキリ穴開口を有する多孔板よりなる送配水管内面の防食装置を提供しようとするものである。
前記電解質隔壁槽は、槽内に高分子固体電解質を収容した送配水管内面の防食装置を提供しようとするものである。
前記電解質隔壁槽の断面積は、送配水管の断面積との比率が0.2から2.0の範囲にある送配水管内面の防食装置を提供しようとするものである。この断面積比率の数値が大であるほど防食効率があがることとなる。
前記高分子固体電解質は、イオン交換樹脂である送配水管内面の防食装置を提供しようとするものである。
前記高分子固体電解質は、陰イオン交換樹脂である送配水管内面の防食装置を提供しようとするものである。
前記高分子固体電解質は、陽イオン交換樹脂である送配水管内面の防食装置を提供しようとするものである。
前記高分子固体電解質は、陰イオン交換樹脂及び陽イオン交換樹脂である送配水管内面の防食装置を提供しようとするものである。
前記陰イオン交換樹脂は、強塩基性陰イオン交換樹脂である送配水管内面の防食装置を提供しようとするものである。
前記陽イオン交換樹脂は、強酸性陽イオン交換樹脂である送配水管内面の防食装置を提供しようとするものである。
前記イオン交換樹脂は、粒状であり、かつ、平均粒径が1ないし1000μmである送配水管内面の防食装置を提供しようとするものである。
前記犠牲陽極体は、複数枚の板状体の犠牲陽極集積板からなり、該集積板相互の間に該集積板と同質の材料からなるスペーサーによって僅かな空隙を設けられてなる送配水管内面の防食装置を提供しようとするものである。
前記犠牲陽極体は、防食すべき送配水管面積との関係において、鋼材面積比が0.06ないし0.002である送配水管内面の防食装置を提供しようとするものである。
前記プラスチック製筒体は、その横断面積が、送配水管の横断面積との面積比率を0.2から2.0の範囲にあるようにした送配水管内面の防食装置を提供しようとするものである。
前記電解質隔壁槽を前記鋼製容器内に収納することにより、前記犠牲陽極体のイオン化
と、前記高分子固体電解質によるイオン化とを互に促進するようにした送配水管内面の防
食装置を提供しようとするものである。
前記通水管にバタフライ弁を設け、その閉鎖により該通水管の水流を遮断しつつ、前記
鋼製容器内部の電解質隔壁槽及び犠牲陽極体の修理取替えを容易にした送配水管内面の防
食装置を提供しようとするものである。
本発明の一実施例の構成で実験した結果、送配水管の最大55mまで防食電流を到達させることができた。
<防食効果について>
一般的に、水道管等の送配水管において、水などの流体物を静止、停留させたときの管内の腐食速度は年間0.1mm程度減少する。流体物をたとえば10cm/秒の速度で流水移動させた場合の腐食速度は加速され、年間0.4mm程度減少する。送配水管の継承部はさらに大きく減ずる。中口径以下のパイプの肉厚は6m/m程度であることから、計算上ではこの腐食速度で判定すると、平均15年ほどで管厚が無くなることになる。
本発明において上記の腐食速度を測定した結果、年間0.036m/mであった。この数値は地球上で腐食環境にない鋼材の腐食量よりも小さく鉄鋼材の自然腐食量と比較しても大きく下回る量であり、概ね防食状態にあると判断できる数値である。
以下、本発明一実施例の構成を図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、縦型式防食装置を分解して内部の構成を示す斜視図である。送配水管1の側面の所要位置に連通するフランジ付短管2が水密的に固定されている。該短管2にはパッキン3を介在してバタフライ弁(図示されていない)を内蔵した通水管4の片側フランジ5がビス・ナット等の連結金具6により図2に示されているように連結されており、該バタフライ弁はハンドル7の回動操作で該通水管4の内腔を開閉調節することができると共に
その閉鎖により該通水管4の水流を遮断しつつ、前記鋼製容器12内部の電解質隔壁槽9
及び犠牲陽極体20の修理取替えを容易に行うことができる。該通水管4の他側フランジ
8と、中央部に電解質隔壁槽9を固定した隔壁槽フランジ板10との間にはパッキン11
を介在させ、該隔壁槽フランジ板10と、鋼製容器12の片側の容器フランジ13との間
にはパッキン14を介在させ、前記通水管4の他側フランジ8と鋼製容器12の容器フラ
ンジ13とがビス・ナット等の連結金具15により図2に示されているように一体的に連
結されている。該隔壁槽フランジ板10と該容器フランジ13との連結によって該電解質
隔壁槽9は、図3に示されているように、該鋼製容器12の内部に挿入位置されている。
前記鋼製容器12の内部には、図4において拡大して示されているように、中心の導電性固定棒16に多数の犠牲陽極集積板17がスペーサー18を各板毎に介在されて固定され、且つ該犠牲陽極集積板17がアース体19を介して該鋼製容器12に電気的に接続されてなる犠牲陽極体20を納置している。そして前記鋼製容器12の他側の容器フランジ21と鋼製蓋体22とをパッキン23を介在させてビス・ナット等の連結金具24により一体的に連結されている。25はアース体19の端子、26は鋼製容器12の端子である。
前記鋼製蓋体22には気体排出管27が付設されている。
前記電解質隔壁槽9は、図5に示されているように、胴部31がプラスチック製で、その両側板32は多孔板としてあり、該両側板32の内面、即ち、多孔板の内面にはそれぞれ不織布33が張設され、その間の空室に高分子固体電解質34が充填されている。
前記高分子固体電解質34としてはイオン交換樹脂が用いられている。該イオン交換樹脂は、粒状であり、かつ、平均粒径が1ないし1000μmであり、目的によって陰イオン交換樹脂及び/又は陽イオン交換樹脂が選択される。
前記陰イオン交換樹脂は強塩基性陰イオン交換樹脂が、そして前記陽イオン交換樹脂は、強酸性陽イオン交換樹脂がそれぞれ選択される。
図6は、横型式防食装置を分解して内部の構成を示す斜視図であって、基本的な構成は図1に示されている縦型式防食装置と同様であるが、フランジ付短管2と通水管4との間にエルボー(曲成)管が介在され、又、気体排出管27が鋼製容器12の胴部上側に付設されている点が異なっている。この横型式防食装置においては、犠牲陽極集積板17の各
陽極板が垂直に並列するので、その多層空間において発生する気体の流出がスムースに行われる点で優れている。
以下では、本発明に係る送配水管内面の防食装置を使用した実施例について説明する。
イオン交換性材料 陰イオン交換樹脂
隔壁断面積比 0.24
鋼材面積比 0.005
水道水の流速 0.065m/秒 の条件では、
電解質隔壁槽(9)からの距離(L)=2.5m、およびL=11mの位置鋼材の腐食速度は17日間の水道水の浸漬腐食速度が0.001〜0.017mm/年であった。
イオン交換性材料 陽イオン交換樹脂
隔壁断面積比 0.24
鋼材面積比 0.02
水道水の流速 0.034m/秒 の条件では、
電解質隔壁槽(9)からL=1.5位置にある鋼材の水道水浸漬の腐食速度は0.2mm/年であった。
イオン交換性材料 陰イオン交換樹脂
隔壁断面積比 0.45
鋼材面積比 0.021
水道水の流速 0.5m/秒 の条件では、
100A鋼管、全長60mの実用化評価試験設備を用いて90日間の水道水浸漬試験を実施した結果電解質隔壁槽(9)から鋼材までの距離(L)腐食速度の関係を下記する。そして、鋼材の腐食速度は平均0.036mm/年であった。

電解質隔壁槽(9)/鋼材の距離(L) 腐食速度(mm/年)
5.5m 0.040
11 m 0.038
33 m 0.039
55 m 0.027
ここで、本発明の一実施例を構成する要件を更に纏めて詳述すれば以下の通りである。
(1)本発明に係る鋼製容器の第一の隔壁は、プラスチック製筒とその筒の両面を内面が不織布などの透水性を持った織布で内張りされたプラスチック製多孔板より構成されており、この筒の中に高分子固体電解質が充填されたものである。この場合、隔壁の断面積と送水管の断面積の比率を隔壁断面積比として表し、この隔壁断面積比は0.2〜2.0の範囲である。 隔壁断面積/送水管断面積 = 0.2〜2.0
(2)本発明に係る鋼製容器の第二の犠牲陽極体は、板状の犠牲陽極材を集積したものである。板状の犠牲陽極材は、密着することなくその表面積を大ならしめる目的で、犠牲陽極材と同質の材料を使ったスペーサーを犠牲陽極材と犠牲陽極材との間に挿入して構成されたものである。
(3)本発明に係る構成容器の第三は、犠牲陽極体と水との反応で発生する気体を、構成容器から放出させるための構造である。M2 + 2H2O → M(OH)2 + H2
(4)本発明に係る鋼製容器の第四は、送配水管本体と接続するために可能な構造である。
(5)本発明に係る鋼製容器の第五は、隔壁及び犠牲陽極体を新規な隔壁および犠牲陽極体と交換可能ならしめる構造でもある。
(6)本発明に係る鋼製容器の第六は、鋼製容器の内面が耐食性のプラスチック材料で被覆されたものである。
(7)本発明に係る鋼製容器の前項(1)の隔壁に充填される高分子固体電解質としてのイオン交換性材料がイオン交換樹脂である。
(8)本発明に係る鋼製容器の前項(1)の隔壁に充填されるイオン交換樹脂が陽イオン交換樹脂および陰イオン交換樹脂である。
(9)本発明に係る前項(1)の隔壁に充填される陽イオン交換樹脂は強酸性陽イオン交換樹脂である。
(10)本発明に係る前項(1)の隔壁に充填される陰イオン交換樹脂は強塩基性陽イオン交換樹脂である。
(11)本発明に係る隔壁に充填されるイオン交換性材料は粒状であり、かつ、平均粒径が1〜1000μmである。
(12)本発明に用いるイオン交換樹脂は前記のとおり陽イオン交換樹脂と陰イオン交換樹脂がある。陽イオン交換樹脂は強酸性陽イオン交換樹脂が使用でき、たとえばスチレン・ジビニルベンゼン共重合体、フェノール・ホルマリン樹脂を基本してイオン交換基としてスルホン酸基を持ったものがあげられる。
(13)本発明に用いる陰イオン交換樹脂は強塩基性陰イオン交換樹脂が使用でき、例えばスチレン・ジビニルベンゼン共重合体などを基体とし、イオン交換基としてトリメチルアンモニウム基、β−ヒドロキシエチルジメチルアンモニウム基などを持つものがあげられる。
(14)本発明に係る前項(2)の犠牲陽極材は、例えばAZ−31(ASTM)系のマグネシウム合金版で、厚さが0.5〜2.5mmである。
(15)本発明に係る前項(2)の犠牲陽極体は、防食すべき送配水管(1)内面の表面積と下記式で定める表面積比が0.06〜0.002となるものである。



(送配水管(1)内面の防食すべき表面積)
表面積比=――――――――――――――――――――――――――――――――――― (送配水管(1)内面の防食すべき表面積)+犠牲陽極材集積体の全表面積)

次に、本発明一実施例の高分子固体電解質を陰イオン交換樹脂にして電解質隔壁槽(9)に充填した場合の防食メカニズムについて図7を参照しながら説明する。

陰イオン交換樹脂を電解質隔壁槽(9)に充填した場合の防食メカニズム

1.鋼製容器12に挿入されている、犠牲陽極体20であるマグネシウム板は、鋼製容器12内でイオン化して溶解する。

Mgo→ Mg2++2e

この反応で発生する電子eは集積板(17)に蓄積され、やがて、電気的に接続された送配水管(1)を移動し、流動する水と接触する鋼管の露出金属表面(例えば溶接部)に達する。

2.露出金属表面では、水および水に含まれている酸素(通常は約8ppm程度)が、犠牲陽極体(20)から移動してきた電子eと反応して

0+1/2 0+2e→20H

OHイオンを生成し消費される。消費される電子eを補う為に、Mg犠牲陽極体は更にイオン化反応を促進する。電流は電子の流れの逆方向であるから、露出金属表面から犠牲陽極体(20)へ流れる。

3.電解質隔壁槽9に充填された陰イオン交換樹脂は、鋼製容器(12)内の水の電離

0→H十〇H

で生成しているOHイオンと交換反応を行い、陰イオン交換樹中のCIイオンが発生する。このCIイオンはマグネシウムと反応して塩化マグネシウムとなり、マグネシウムのイオン化を促進する。

4.前項1で生成した、Mg2+イオンは電解質隔壁槽(9)を経由して送配水管(1)に移動し、このMg2+イオンが電気を運搬して、送配水管(1)の露出金属表面に到達する。

この1項〜4項の一連の流れによって電流回路が形成されるが、犠牲陽極体(20)から遠く離れた露出金属表面に防食電流を到達させるには、犠牲陽極集積板(17)の表面積を大きくしてイオン化面積を大とする必要があり、板状の犠牲陽極集積板(17)を集積体(20)とする事が重要であり、従来のインゴット状犠牲陽極では目的を達成できない。
同様に、本発明一実施例の高分子固体電解質を陽イオン交換樹脂にして電解質隔壁槽9に充填した場合の防食メカニズムについては図8を参照しながら説明する。

陽イオン交換樹脂を電解質隔壁槽9に充填した場合の防食メカニズム

1.鋼製容器12に挿入されている、犠牲陽極体20であるマグネシウム板は、鋼製容器12内でイオン化して溶解する。

Mgo→Mg2++2e

この反応で発生する電子eは集積板(17)に蓄積され、やがて、電気的に接続された送配水管(1)を移動し、流動する水と接触する鋼管の露出金属表面(例えば溶接部)に達する。

2.露出金属表面では、水および水に含まれている酸素(通常は約8ppm程度)が、犠牲陽極体(20)から移動してきた電子eと反応して

0+1/20+2e→20H

OHイオンを生成し消費される。消費される電子eを補う為に、Mg犠牲陽極体は更にイオン化反応を促進する。電流は電子の流れの逆方向であるから、露出金属表面から犠牲陽極体(20)へ流れる。

3.電解質隔壁槽9に充填された陽イオン交換樹脂は、鋼製容器(12)内の水中に溶解しているCa2+イオンと交換反応を行い、また、送配水管(1)内のCa2+イオンとイオン交換してイオン交換樹中のNaイオンを放出する。このNaイオンが電気の運搬者として管内の露出金属表面に到達する。

4.前項1で生成した、Mg2+イオンは電解質隔壁槽(9)を経由して送配水管(1)に移動することはなく、このMg2+イオンは水を媒体とした電気の運搬には関与していない。ただし、鋼製容器(12)内ではMg犠牲陽極体から電解質隔壁槽(9)までの電気の運搬に関与している。

この1項〜4項の一連の流れによって電流回路が形成されるが、犠牲陽極体(20)から遠く離れた露出金属表面に防食電流を到達させるには、犠牲陽極集積板(17)の表面積を大きくしてイオン化面積を大とする必要があり、板状の犠牲陽極集積板(17)を集積集積体(20)とする事が重要であり、従来のインゴット状犠牲陽極では目的を達成できない。
ここで、本発明で使用される高分子固体電解質について説明する。
マグネシウム積層板と高分子固体電解質を同槽、同室に納めた場合、十分な効果は得られず、フィルターと多孔版を付属された隔壁槽の中に上記物質を収納させ、マグネシウム積層板を収納した槽と一体化させた装置であり、この隔壁槽を設け槽内に電解質を収納することと、使用する電解質の種類、材質も本発明の重要な部分である。
以上の説明により明らかなように、本発明によれば水道管等の外面の耐蝕性を長寿命化しても内面から腐食しかねないとの矛盾について、環境的衛生的にも安心・安全でかつ断水、停水をせずしかも非破壊施工で実施可能であるという諸点において資源の有効利用、環境対策に適合し、寄与するものである。
また、水道水などの送配水に使用される鋼製送配水管の内面側に発生する腐食を外面側から防食する方法であって鋼製送配水管を変化させないでかつ破壊させないで防食装置を取り付けるものであるから、利用可能な対象としては、上水、下水などの水道管、工業用水管、農業用水管、海水管、含油配水管、給湯管(但し鋼製)、温水管(温泉管)及び上記の流体物を収納、蓄納する容器、槽、タンクなどに利用することができるものである。
本発明一実施例の縦型式防食装置を分解して内部の構成を示す斜視図である。 本発明一実施例の縦型式防食装置の組立態様を示す正面図でる。 本発明一実施例の縦型式防食装置の組立態様における鋼製容器の内部を示す概略正面図である。 本発明一実施例の縦型式防食装置の犠牲陽極体の構成を示す拡大図である。 本発明一実施例の縦型式防食装置の電解質隔壁槽の構成を示す拡大図である。 本発明一実施例の横型式防食装置を分解して内部の構成を示す斜視図である。 本発明一実施例の高分子固体電解質を陰イオン交換樹脂の隔壁とした場合の防食メカニズムを示す説明図である。 本発明一実施例の高分子固体電解質を陽イオン交換樹脂の隔壁とした場合の防食メカニズムを示す説明図である。 従来の送配水管の溶接部における管内部の防食塗装面が腐食劣化しやすい状態を示す模式図である。
符号の説明
1 送配水管
2 フランジ付短管
3 パッキン
4 通水管
5 通水管4の片側フランジ
6 連結金具
7 ハンドル
8 通水管4の他側フランジ
9 電解質隔壁槽
10 隔壁槽フランジ板
11 パッキン
12 鋼製容器
13 鋼製容器12の片側の容器フランジ
14 パッキン
15 連結金具
16 導電性固定棒
17 犠牲陽極集積板
18 スペーサー
19 アース体
20 犠牲陽極体
21 鋼製容器12の他側の容器フランジ
22 鋼製蓋体
23 パッキン
24 連結金具
25 アース体19の端子
26 鋼製容器12の端子
27 気体排出管
31 電解質隔壁槽9の胴部
32 電解質隔壁槽9の両側板
33 電解質隔壁槽9の両側板32の内面の不織布
34 電解質隔壁槽9の高分子固体電解質

Claims (14)

  1. 水道水鋼製の送配水管(1)固定して取付け、及び前記送配水管(1)と電気的に導通し、並びに前記水道水が浸透する防食装置において、
    (一)前記送配水管(1)と固定的に接続し且つ前記送配水管(1)と電気的に導通した通水管(4)と、
    (二)内部に高分子固体電解質材(34)を収容した電解質隔壁槽(9)と、
    (三)鉄鋼材より自然電位が相対的に低いマグネシウム、アルミニューム、亜鉛のうち少なくとも一つの材料を有した卑金属製の薄板状体を積層し、その積層した集積体(17)によって構成された犠牲陽極体(20)と、
    (四)前記犠牲陽極体(20)と前記電解質隔壁槽(9)とを内蔵固定する鋼製容器(12)であって、前記通水管(4)と電気的に導通する前記鋼製容器(12)と、
    (五)気体排出管(27)と、
    を備え、
    前記送配水管(1)に対して直交方向にあるいは並行方向に、前記(一)、(二)、(三)、(五)が順次に並んでおり、且つ、前記(一)、(四)、(五)の順序でそれら(一)〜(五)が固定してあり、
    前記犠牲陽極体(20)と前記鋼製容器(12)電気的に導通させることで前記犠牲陽極体(20)と前記送配水管(1)とを電気的に導通させて、前記送配水管(1)の内面の腐食を抑制することを特徴とする送配水管内面の防食装置。
  2. 前記電解質隔壁槽は、プラスチック製の筒体からなり、かつ、該筒体の両端開口部内側面を不織布透水性素材で内張りし、複数のキリ穴開口を有する多孔板よりなる請求頂1に記載の送配水管内面の防食装置。
  3. 前記電解質隔壁槽の横断面積は、送配水管の横断面積との比率が0.2から2.0の範囲にある請求項1ないしのいずれか一項に記載の送配水管内面の防食装置。
  4. 前記高分子固体電解質は、イオン交換樹脂である請求頂又はに記載の送配水管内面の防食装置。
  5. 前記高分子固体電解質は、陰イオン交換樹脂である請求頂又はに記載の送配水管内面の防食装置。
  6. 前記高分子固体電解質は、陽イオン交換樹脂である請求頂又はに記載の送配水管内面の防食装置。
  7. 前記高分子固体電解質は、陰イオン交換樹脂及び陽イオン交換樹脂である請求頂又はに記載の送配水管内面の防食装置。
  8. 前記陰イオン交換樹脂は、強塩基性陰イオン交換樹脂である請求頂に記載の送配水管内面の防食装置。
  9. 前記陽イオン交換樹脂は、強酸性陽イオン交換樹脂である請求頂に記載の送配水管内面の防食装置。
  10. 前記イオン交換樹脂は、粒状であり、かつ、平均粒径が1ないし1000μmである請求頂に記載の送配水管内面の防食装置。
  11. 前記犠牲陽極は、複数枚の前記薄板状体からなり、前記薄板状体相互の間に前記板状体と同質の材料からなるスペーサーによって僅かな空隙を設けられてなる請求項1に記載の送配水管内面の防食装置。
  12. 前記犠牲陽極は、下記式で定める表面積比が0.06ないし0.002であ請求項1に記載の送配水管内面の防食装置。

    (送配水管(1)内面の防食すべき表面積)
    表面積比=――――――――――――――――――――――――――――――――――― (送配水管(1)内面の防食すべき表面積)+犠牲陽極材集積体の全表面積)
  13. 前記電解質隔壁槽を前記鋼製容器内に収納することにより、前記犠牲陽極体のイオン化
    と、前記高分子固体電解質によるイオン化とを互に促進するようにした請求項1に記載の送配水管内面の防食装置。
  14. 前記通水管にバタフライ弁を設け、その閉鎖により前記通水管の水流を遮断しつつ、前記鋼製容器内部の前記電解質隔壁槽及び前記犠牲陽極の修理取替えを容易にした請求項1に記載の送配水管内面の防食装置。
JP2008198506A 2008-07-31 2008-07-31 送配水管内面の防食装置 Expired - Fee Related JP5232563B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008198506A JP5232563B2 (ja) 2008-07-31 2008-07-31 送配水管内面の防食装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008198506A JP5232563B2 (ja) 2008-07-31 2008-07-31 送配水管内面の防食装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010037571A JP2010037571A (ja) 2010-02-18
JP5232563B2 true JP5232563B2 (ja) 2013-07-10

Family

ID=42010426

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008198506A Expired - Fee Related JP5232563B2 (ja) 2008-07-31 2008-07-31 送配水管内面の防食装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5232563B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105154889B (zh) * 2015-09-08 2017-11-07 中国石油天然气股份有限公司 一种内涂层套管井的牺牲阳极保护装置
CN113864856B (zh) * 2021-08-30 2022-11-08 华能国际电力股份有限公司大连电厂 一种城市供暖设备

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0329324Y2 (ja) * 1985-08-30 1991-06-21
JPS62247088A (ja) * 1986-04-18 1987-10-28 Matsushita Electric Ind Co Ltd 給水装置
JPH0699827B2 (ja) * 1986-08-18 1994-12-07 松下電器産業株式会社 犠牲陽極装置
JPH0523279Y2 (ja) * 1988-12-23 1993-06-15
JPH06272069A (ja) * 1993-03-22 1994-09-27 Nippon Light Metal Co Ltd 犠牲陽極を使用したAl合金製ラジエータの防食
JP3752274B2 (ja) * 1995-07-07 2006-03-08 株式会社日邦バルブ サドル型分水栓用犠牲陽極
JPH1088378A (ja) * 1996-09-18 1998-04-07 Kao Corp 洗浄装置及び洗浄方法
JP4318673B2 (ja) * 2005-07-28 2009-08-26 株式会社水道技術開発機構 流体配管系の機器交換方法
KR100712031B1 (ko) * 2005-08-31 2007-04-30 이상진 액체 처리장치

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010037571A (ja) 2010-02-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Bahadori Cathodic corrosion protection systems: a guide for oil and gas industries
JP5232563B2 (ja) 送配水管内面の防食装置
US3342712A (en) Water conditioning method and apparatus
CN104911605A (zh) 一种游艇管路的防腐装置
Tuthill et al. Effect of chlorine on common materials in fresh water
Pedeferri et al. Cathodic and anodic protection
Ko et al. Pitting corrosion of copper tubes for fire sprinkler system
US4140614A (en) Internal cathodic protection of pipes
Farahani et al. AC corrosion of steel pipeline under cathodic protection: A state‐of‐the‐art review
Jones Corrosion of central heating systems
Jawad et al. Performance improvement of sacrificial anode cathodic protection system for above ground storage tank
Urquidi-Macdonald et al. Modeling mechanisms in biocorrosion
JP4741378B2 (ja) 地下埋設構造物の電気防食方法と電気防食構造
Vasyliev et al. Steel Pipe Internal Corrosion Protection Using Magnesium Anode: Impact of Protective Potential and Phase Layer Formation on Corrosion Rate
CN101363121A (zh) 一种镶嵌式复合牺牲阳极及其应用
CN206218557U (zh) 一种导电性复合多层储罐
CN206297714U (zh) 一种水面漂浮浮台及具有所述浮台的逆变升压机构
Mainier et al. Application of anticorrosive techniques compatible with the environment to engineering education
Nagy et al. Developed software for cathodic protection of storage tanks
CN101609060A (zh) 一种海水试压期间的储油罐防腐蚀装置
RU94975U1 (ru) Устройство защиты от коррозии внутренней поверхности нефтепроводов
Marsh et al. Combined Structure Geometry and Anode Placement Effects on Cathodic Protection Effectiveness
Callaghan Corrosion of Solar Water Heating Systems
Ruschau et al. Hydrotesting of LNG Tanks Using Untreated Brackish Water
Bzdawka Cathodic protection for soil-steel bridges

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110113

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20121129

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121211

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130204

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130305

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130325

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160329

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5232563

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees