JPH05230582A - ストリーク模様を呈するアルミニウム合金板およびその製造方法 - Google Patents

ストリーク模様を呈するアルミニウム合金板およびその製造方法

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JPH05230582A
JPH05230582A JP7332792A JP7332792A JPH05230582A JP H05230582 A JPH05230582 A JP H05230582A JP 7332792 A JP7332792 A JP 7332792A JP 7332792 A JP7332792 A JP 7332792A JP H05230582 A JPH05230582 A JP H05230582A
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JP
Japan
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aluminum alloy
streak pattern
temperature
treatment
hot rolling
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Pending
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JP7332792A
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Inventor
Hidemiki Matsumoto
英幹 松本
Yoshiro Togami
義朗 戸上
Shinji Shigemitsu
信治 重光
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Furukawa Aluminum Co Ltd
Original Assignee
Furukawa Aluminum Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 外観上美観を与えるような均一かつ鮮明なス
トリーク模様を呈するアルミニウム合金板とその製造方
法を提供する。 【構成】 Fe0.2〜1重量%(以下重量%を%と略
記する)およびSi0.02〜0.5%を含有し、残部
がAlと不可避的不純物とからなるアルミニウム合金で
あって、エッチング処理後の表面に、長さ3〜30mm、
密度5〜50本/cmのストリーク模様を呈することを特
徴とするアルミニウム合金板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、表面をエッチング処理
して実用に供するアルミニウム合金板およびその製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】サッシ材、カーテンウォール材、門扉材
等の建築用の外装材や内装材や自動車部材、器物、電気
製品等のアルミニウム製品には、JISの1000系、
5000系の合金が用いられ、種々の色調および面質の
ものが要望されており、ストリーク模様のような面質状
態の対しての強い要望もある。従来、アルミニウム合金
にエッチング、陽極酸化等の表面処理を施す合金板に関
して、ストリーク模様はその発生状態が不均一であるた
め、外観上好ましくないものとされ、積極的に利用され
るには至っていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記事情に
鑑みてなされたもので、エッチング処理を施した場合、
美観を与えるような均一なストリーク模様を呈するアル
ミニウム合金板およびその製造方法を提供することを目
的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成すべく、
本発明者らは、アルミニウム合金組成並びに製造条件に
ついて鋭意検討を重ねた結果、Fe、Si量を適正に調
整し、均質化処理条件および熱間圧延条件を規制するこ
とによって、この目的を達成することが可能であること
を見出し、本発明をなしたものである。
【0005】すなわち、本発明は、Fe0.2〜1%お
よびSi0.02〜0.5%を含有し、残部がAlと不
可避的不純物とからなるアルミニウム合金であって、エ
ッチング処理後の表面に、長さ3〜30mm、密度5〜5
0本/cmのストリーク模様を呈することを特徴とするア
ルミニウム合金板およびFe0.2〜1%およびSi
0.02〜0.5%を含有し、残部がAlと不可避的不
純物とからなるアルミニウム合金鋳塊に400〜560
℃の温度で20時間以内の均質化処理を施したのち、直
ちに熱間圧延を開始し、300℃以上の温度で熱間圧延
を終了したのち、冷間圧延を行い、さらに必要に応じて
150〜300℃の温度で1〜10時間安定化処理を行
うことを特徴とする、エッチング処理後の表面に、長さ
3〜30mm、密度5〜50本/cmのストリーク模様を呈
するアルミニウム合金板の製造方法である。
【0006】
【作用】ストリーク模様とは圧延方向に生じるスジ状模
様のことであり、結晶方位の違いによりエッチング処理
後の光沢に差を生じるため現出するものである。本発明
におけるストリーク模様は、圧延方向に長さ3〜30m
m、圧延方向と直角方向に密度5〜50本/cmのストリ
ークによる模様である。ストリークの長さが下限未満の
場合およびストリークの密度が上限をこえる場合は、ス
トリークが微細になりすぎ、不明瞭なストリーク模様と
なるため、外観上好ましくない。一方、長さが上限を超
える場合および密度が下限未満の場合は、ストリークが
粗大で不均一な模様となり、やはり外観上好ましくな
い。
【0007】次に本発明に用いられる合金の組成につい
て説明する。本発明合金組成において、Feは0.2〜
1%、Siは0.02〜0.5%の範囲とする。Feお
よびSiは合金中に固溶あるいはアルミニウム合金中の
他の元素と結合して微細な金属間化合物を形成する元素
であり、熱間圧延中の再結晶の回数を抑制する効果があ
る。Fe、Si含有量が各々下限未満であると、熱間圧
延中に再結晶が頻繁に生じ結晶粒が微細になりすぎるた
め、ストリーク模様が微細で、不明瞭となる。また一
方、上限を超える含有量では、再結晶の抑制効果が過大
になりすぎるため、結晶粒が粗大で不均一となるため、
ストリーク模様が粗大で、不均一なものとなる。
【0008】本発明におけるストリーク模様を呈するア
ルミニウム合金板を構成するアルミニウム合金中に含ま
れる不純物としては、Cu0.2%以下、Mn0.1%
以下、Mg0.1%以下、Cr0.1%以下、Zn0.
1%以下ならば特に問題はない。また鋳塊の製造に際
し、結晶微細化剤として通常使用されているTi、Bは
Ti0.05%以下、B0.01%以下の添加であれば
合金組織の均一微細化に有効である。
【0009】次に本発明に用いられる製造条件について
説明する。本発明において合金鋳塊の均質化処理条件
は、400〜560℃の温度で20時間以内とする。均
質化処理温度が下限未満であると熱間圧延時の変形抵抗
が過大になり、圧延が困難となる。一方、均質化処理温
度が上限を超える場合および均質化処理時間が20時間
を超える場合は、鋳塊中に微細に分散している金属間化
合物が固溶し、化合物の分散密度が減少し、また熱間圧
延時の温度低下によって析出する金属間化合物は、粗大
な化合物に吸収される形で析出しやすく化合物の分散密
度があまり増加しないため、再結晶の抑制効果が不十分
となり、熱間圧延中に再結晶が頻繁に生じ結晶粒が微細
になり、ストリーク模様が微細で、不明瞭となる。次に
均質化処理後直ちに熱間圧延を行う。均質化処理後熱間
圧延開始までの時間が長い場合、鋳塊の温度低下に伴い
固溶Fe、Si量の減少することおよび析出する金属間
化合物は粗大な化合物に吸収される形で析出しやすく、
化合物の分散密度はあまり増加しないため、再結晶の抑
制効果が不十分となり、ストリーク模様が微細で不明瞭
なものとなるためである。さらに具体的にいえば、均質
化処理終了後、熱間圧延開始までの温度低下が50℃以
内であることが望ましい。熱間圧延終了温度は、300
℃以上とし、熱間圧延後に完全再結晶組織とする。熱間
圧延終了温度が下限未満である場合、熱間圧延後の組織
は、加工組織又は部分的に加工組織が残留した部分再結
晶組織となり、次に行われる冷間加工の際、加工組織は
ストリークがさらに延ばされるため微細になりすぎ、部
分再結晶組織は、加工組織の部分と再結晶組織の部分で
ストリークが不均一となるため、良好なストリーク模様
が得られない。次に冷間圧延が行われるが、この際の冷
間圧延率は20〜80%の範囲であることが、適正なス
トリーク模様形成のため好ましい。さらに必要に応じ
て、150〜300℃の温度で1〜10時間安定化処理
を行ってH2n材としてもよい。この安定化処理を行った
場合、形状凍結性が向上し、焼付け塗装等の加熱を伴う
表面処理を行った際の形状変化を抑制する効果がある。
安定化処理の温度、時間が各々下限未満の場合、その効
果が充分でなく、また一方上限を超える場合、再結晶が
生じて、ストリーク模様が現出しなくなる。
【0010】このようにして得られたアルミニウム合金
板は、苛性ソーダ等のアルカリ性エッチング液、塩酸等
の酸性エッチング液を用いる化学的エッチング方法又
は、酸性、中性などの電解液中で、直流あるいは交流電
解する電気化学的エッチング方法など適宜手段によって
エッチングを行い、ストリーク模様を現出させることが
できる。さらにエッチングによりストリーク模様を現出
した板に、陽極酸化処理、表面塗装、フィルム張合せ等
の表面処理を施して耐蝕性および耐候性を向上させるこ
とが望ましい。
【0011】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細
に説明する。表1に示した組成のアルミニウム合金No.
1〜No.14を溶解鋳造し、両面を面削して厚さ350
mm、長さ2000mmの鋳塊とし、これを表1に示した条
件にて均質化処理、熱間圧延を行い、板厚4.0mmとし
た後、さらに板厚2.0mmまで冷間圧延した。また、一
部合金板に関しては、表1に示した条件にて安定化処理
を施した。次にNo.1〜No.14のアルミニウム合金板
を60℃の10%苛性ソーダ液中で10分のエッチング
処理を行った。このようにして作成した試料No.1〜N
o.14のストリーク模様の観察を行った。その結果を
表2に示す。
【0012】
【表1】
【0013】
【表2】
【0014】表2から明らかなように本発明例のアルミ
ニウム合金板No.1〜7は良好なストリーク模様が得ら
れている。ストリーク模様を呈するアルミニウム合金板
の代表例のストリーク模様を示す模式図を図1に示す。
これに対し、FeまたはSi含有量が本発明の範囲より
少ない比較例No.8、9はストリークが微細かつ不明瞭
であり、Fe含有量が本発明の範囲より多い比較例No.
10はストリーク模様が粗大かつ不均一である。また安
定化処理温度が高過ぎる比較例No.11はストリーク模
様が現出せず、製造条件が本発明の範囲を外れる比較例
No.12、13はストリーク模様が微細かつ不明瞭であ
ることが判る。
【0015】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
エッチング処理後の表面に適正かつ均一なストリーク模
様を呈するアルミニウム合金板を提供することができ、
工業上顕著な効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明アルミニウム合金板のストリーク模様を
示す模式図。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Fe0.2〜1重量%(以下重量%を%
    と略記する)およびSi0.02〜0.5%を含有し、
    残部がAlと不可避的不純物とからなるアルミニウム合
    金であって、エッチング処理後の表面に、長さ3〜30
    mm、密度5〜50本/cmのストリーク模様を呈すること
    を特徴とするアルミニウム合金板。
  2. 【請求項2】 Fe0.2〜1%およびSi0.02〜
    0.5%を含有し、残部がAlと不可避的不純物とから
    なるアルミニウム合金鋳塊を400〜560℃の温度で
    20時間以内の均質化処理を施したのち、直ちに熱間圧
    延を開始し、300℃以上の温度で熱間圧延を終了した
    のち、冷間圧延を行うことを特徴とする、エッチング処
    理後の表面に、長さ3〜30mm、密度5〜50本/cmの
    ストリーク模様を呈するアルミニウム合金板の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 Fe0.2〜1%およびSi0.02〜
    0.5%を含有し、残部がAlと不可避的不純物からな
    るアルミニウム合金鋳塊を400〜560℃の温度で2
    0時間以内の均質化処理を施したのち、直ちに熱間圧延
    を開始し、300℃以上の温度で熱間圧延を終了したの
    ち、冷間圧延を行い、150〜300℃の温度で1〜1
    0時間安定化処理を行うことを特徴とする、エッチング
    処理後の表面に、長さ3〜30mm、密度5〜50本/cm
    のストリーク模様を呈するアルミニウム合金板の製造方
    法。
JP7332792A 1992-02-24 1992-02-24 ストリーク模様を呈するアルミニウム合金板およびその製造方法 Pending JPH05230582A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009120926A (ja) * 2007-11-19 2009-06-04 Kobe Steel Ltd アルミニウム圧延板およびその製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009120926A (ja) * 2007-11-19 2009-06-04 Kobe Steel Ltd アルミニウム圧延板およびその製造方法

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