JPH05230570A - 高延性TiAl基合金 - Google Patents

高延性TiAl基合金

Info

Publication number
JPH05230570A
JPH05230570A JP7235392A JP7235392A JPH05230570A JP H05230570 A JPH05230570 A JP H05230570A JP 7235392 A JP7235392 A JP 7235392A JP 7235392 A JP7235392 A JP 7235392A JP H05230570 A JPH05230570 A JP H05230570A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tial
gamma
phases
ductility
phase
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7235392A
Other languages
English (en)
Inventor
Takashi Morikawa
隆 森川
Tetsuya Suganuma
徹哉 菅沼
Hiroyuki Shamoto
裕幸 社本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP7235392A priority Critical patent/JPH05230570A/ja
Publication of JPH05230570A publication Critical patent/JPH05230570A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacture And Refinement Of Metals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 常温延性および常温強度に優れたTiAl基
合金 【構成】 原子%で45〜50%のAlと、0.3〜
4.0%のCuを含有し、残部がTiおよび不可避不純
物とからなる。Cuの含有によりγ相の析出が低Al側
へ移動し、本来α2相(Ti3Al)とγ相(TiAl)
が交互に層状に積層したいわゆるラメラ組織となるとこ
ろ、このラメラ組織に混じってγ層が網目状に分散し、
ラメラ組織+γ相のいわゆる二重組織となり、さらにC
uはγ相中に優先的に固溶して、γ相自体を強化する働
きを持つので、優れた常温延性および常温強度が得られ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は常温延性および常温強度
に優れたTiAl基合金に関する。
【0002】
【従来の技術】Ti−Al二元系において、常温におけ
る35〜42原子%Alの組成域において、金属間化合
物TiAlが存在し、この金属間化合物は比重が約3.
8と軽量で、かつ、1070Kまでの耐力が400MP
a以上等の優れた力学的特性を持つため、軽量耐熱構造
材として、エンジンやタービン等への実用化が期待され
ている。
【0003】このTiAl金属間化合物は、他の金属間
化合物と同様に、通常の金属や合金に比べて脆く、常温
延性に乏しく、そのため比較的延性の出やすいTi寄り
のTiAl+Ti3Al相境界に近い組成の化合物を中
心に検討が続けられており、従ってTi−Al系合金の
実用組成としては、化学量論組成である36重量%Al
よりさらにTiリッチな化合物に、延性または耐酸化性
を改善するためMn、V、Si、Nb、Cr、Mo等の
第3元素が添加されている。
【0004】例えば、特開昭56−41344号公報の
チタニウム−アルミニウム合金の発明では、31〜36
重量%のAlを含有するTiAl合金に0.1〜4重量
%のVを添加することにより、高温における強度を大き
く低下することなく、低温度および中間温度における引
張強度および延性を向上している。
【0005】また、特開昭61−41740号公報の金
属間化合物TiAl基耐熱合金の発明においては、Ti
60〜70重量%及びAl30〜36重量%からなる金
属間化合物TiAlをベースとした合金に、Mnを0.
1〜5.0重量%を添加することにより、高温強度を損
なうことなく、延性を改善している。
【0006】さらに、特開平1−298127号公報の
金属間化合物TiAl基軽量耐熱合金の発明において
は、Alを30〜36重量%含有するTiAl基合金
に、0.5〜15%のNb、0.1〜4%のCrまたは
0.1〜6%のMoを添加し、室温および800℃にお
ける強度を低下させることなく、延性を著しく向上させ
ている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このように、Al30
〜36重量%からなる金属間化合物TiAlをベースと
した合金に、第3元素としてMn、V、Nb、Mo、C
r等を添加すると、常温延性の向上に効果があることが
知られているが、これら第3元素について実際に追跡試
験を行ってみると、期待した程の効果が得られない。表
1は第3元素を添加しないTiAl基合金と第3元素と
してMnまたはVを添加したTiAl基合金の常温にお
ける曲げ強さと伸びを示したものである。
【0008】
【表1】
【0009】表1において、第3元素としてVを含有さ
せたTi−47.5at%Al−1.0at%Vにおい
ては、常温における曲げ強さは909MPaであり、伸
びは1.1%である。また、Mnを含有させたTi−4
7.9at%Al−0.9at%Mnでは、常温におけ
る曲げ強さは959MPaであり、伸びは0.7%であ
る。これは、第3元素を添加しなかったTiAl基合
金、Ti−45.0at%の常温における曲げ強さ67
0MPa、伸び0.4%、Ti−47.6at%の常温
における曲げ強さ1021MPa、伸び1.6%と比較
して常温延性および強度共にさしたる向上が得られてい
ないのである。
【0010】これは、製造時の各種条件、不純物(N、
O等)、TiAl中に分散するTi3Alの形態・量等
により、第3元素添加による延性の向上の効果の再現性
が影響されるものと推察される。また、TiAl基合金
にV、Mn、Cr等を含有させると、耐酸化性が阻害さ
れるといわれている。
【0011】本発明はAl30〜36重量%からなる金
属間化合物TiAlをベースとした合金に、第3元素を
添加して延性の向上の効果を図った合金の前記の如き問
題点に鑑みてなされたものであって、耐酸化性を阻害す
る元素を添加することなく、常温における強度および延
性の優れたTiAl基合金を提供することを目的とす
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】そこで発明者等は、前記
第3元素以外の元素について、TiAl基合金の延性に
及ぼす影響について鋭意研究を重ねた。その結果、Ti
Al基合金にCuを添加することにより、TiAl基合
金特有のラメラ組織に混じって、網目状のγ相(TiA
l相)が析出し、常温延性および強度が著しく向上する
ことを新たに知見した。発明者等はこの知見に基づき、
さらにCuの含有量と延性との関係を研究し、最適の含
有量の範囲を見出すことにより本発明を完成したもので
ある。
【0013】本発明の高延性TiAl基合金は、原子%
で45〜50%のAlと、0.3〜4.0%のCuを含
有し、残部がTiおよび不可避不純物とからなることを
要旨とする。
【0014】
【作用】本発明の高延性TiAl基合金は、原子%で4
5〜50%のAlを含有するTiAl基合金において、
0.3〜4.0%のCuを含有せしめたので、γ相の析
出が低Al側へ移動する。原子%で45〜50%のAl
を含有するTiAl基合金においては、本来α2相(T
3Al)とγ相(TiAl)が交互に層状に積層した
いわゆるラメラ組織となるが、Cuの含有によりこのラ
メラ組織に混じってγ層が網目状に分散し、ラメラ組織
+γ相のいわゆる二重組織となる。
【0015】図4は47.4原子%のAlと2.2原子
%のCuを含有する本発明合金の金属組織を表す顕微鏡
写真、図5は47.6原子%のAlを含有する比較材の
金属組織を表す顕微鏡写真である。図5の比較材はラメ
ラ主体の組織であるのに対し、図4の本発明合金はラメ
ラ組織にγ相が網目状に分散しているのがわかる。
【0016】このラメラ相およびγ相のCu濃度をEP
MAにて測定したところ、表2に示すような結果を得
た。表2の結果より、ラメラ相中のCu濃度が1.5原
子%であるのに対して、γ相中のCu濃度は3.2原子
%であって、Cuはγ相中に優先的に固溶して、γ相自
体を強化する働きを持つことがわかる。
【0017】
【表2】
【0018】このように、Cuは延性に重要な影響を持
つラメラ組織を改善し、ラメラ組織にγ相を網目状に分
散すると共に、γ相に優先的に固溶して固溶強化するの
で、TiAl基合金の常温強度および延性を著しく向上
することができる。
【0019】次に本発明において、組成範囲を限定した
理由を説明する。AlはTiとTiAl、Ti3Alあ
るいはTiAl3等の金属間化合物を作り、TiAl基
合金に耐酸化性、硬さおよび高温強度を付与する。Al
が50原子%を越えて含有されると、TiAl単相とな
り常温延性が確保できない。また、Alが45原子%未
満になると、TiAlとTi3Alの2相組織が得られ
るが、Ti3Alの体積率が大きくなり過ぎて高温強度
が低下すると共に常温延性も急激に劣化する。そのた
め、Al含有量は45〜50原子%に限定した。
【0020】CuはTiAl基合金のγ相に固溶し基地
を強化すると共に、ラメラ組織にγ相を網目状に分散し
て、常温強度および常温延性を向上させる。Cu含有量
が0.3原子%未満では前記効果が充分に得られず、C
u含有量が4.0原子%を越えると却って常温延性およ
び強度が劣化するので、Cu含有量は0.3〜4.0原
子%に限定した。
【0021】
【実施例】本発明の実施例を比較例と対比しつつ説明
し、本発明の効果を明らかにする。純度99.7重量%
のスポンジチタン、純度99.99重量%のAl、およ
び純度99.9重量%のCuを用い、タングステン電極
による非消耗アーク溶解にて、表3に示す組成の本発明
材および比較材のボタンインゴットを製造した。なお、
表3において、比較材1、2および4は第3元素を含ま
ないもの、3はCuを本発明の組成範囲以上に含むもの
である。
【0022】インゴットサイズはおよそ20×120×
10mmであって、このインゴットより3×4×40m
mの板状試験片を切出し、常温大気中にて3点曲げ試験
に供すると共に破断伸びを測定した。なお、曲げ試験の
標点間距離は30mm、歪速度は0.5mm/minと
した。得られた結果は表3に合わせて示した。
【0023】
【表3】
【0024】表3の結果に基づき、図1は曲げ強さとC
u含有量の関係を表した線図であり、図2は破断伸びと
Cu含有量との関係を表した線図である。また、図3は
曲げ強さと破断伸びとの関係を示す図である。
【0025】表3および図3に示したように、本発明材
はCuを0.3〜4.0%含有させて、γ相を網目状に
析出させて2重組織としたので、比較材と比較して曲げ
強さおよび破断伸び共に優れていることが判明し、本発
明の効果を確認することができた。
【0026】また、図1および図2に示したように、曲
げ強度および破断伸び共にCu含有量が0.3原子%に
おいて急激に上昇し、2原子%で最大となり、4.0原
子%まで緩やかに減少し、4.0原子%を越えると破断
伸びが著しく劣化する。この結果、Cu含有量が0.3
〜4.0原子%において、優れた常温強度および伸びの
得られることが確認された。
【0027】
【発明の効果】本発明の高延性TiAl基合金は以上詳
述したように、原子%で45〜50%のAlと、0.3
〜4.0%のCuを含有し、残部がTiおよび不可避不
純物とからなることを特徴とするものであって、α2
の析出が高Al側へ移動し、本来α2相(Ti3Al)と
γ相(TiAl)が交互に層状に積層したいわゆるラメ
ラ組織となるところ、Cuの含有によりこのラメラ組織
に混じってγ層が網目状に分散し、ラメラ組織+γ相の
いわゆる二重組織となり、さらにCuはγ相中に優先的
に固溶して、γ相自体を強化する働きを持つので、優れ
た常温延性および常温強度が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】曲げ強さとCu含有量の関係を表した線図であ
る。
【図2】破断伸びとCu含有量との関係を表した線図で
ある。
【図3】本発明例と比較例の曲げ強さと破断伸びとの関
係を示す図である。
【図4】本発明合金の金属組織を表す顕微鏡写真であ
る。
【図5】第3元素を含まないTiAl基合金の金属組織
を表す顕微鏡写真である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年12月2日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図4】
【図5】
【図3】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原子%で45〜50%のAlと、0.3
    〜4.0%のCuを含有し、残部がTiおよび不可避不
    純物とからなることを特徴とする常温延性および常温強
    度に優れたTiAl基合金。
JP7235392A 1992-02-21 1992-02-21 高延性TiAl基合金 Pending JPH05230570A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7235392A JPH05230570A (ja) 1992-02-21 1992-02-21 高延性TiAl基合金

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7235392A JPH05230570A (ja) 1992-02-21 1992-02-21 高延性TiAl基合金

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05230570A true JPH05230570A (ja) 1993-09-07

Family

ID=13486870

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7235392A Pending JPH05230570A (ja) 1992-02-21 1992-02-21 高延性TiAl基合金

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05230570A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999049090A1 (de) * 1998-03-21 1999-09-30 Max-Planck-Institut Für Eisenforschung GmbH TiA1-BASISLEGIERUNG

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999049090A1 (de) * 1998-03-21 1999-09-30 Max-Planck-Institut Für Eisenforschung GmbH TiA1-BASISLEGIERUNG

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2679109B2 (ja) 金属間化合物TiA▲l▼基軽量耐熱合金
JP3049767B2 (ja) 耐熱性に優れたTi合金
JP2760004B2 (ja) 加工性に優れた高強度耐熱鋼
JP2543982B2 (ja) マンガンとニオブで改良されたチタン―アルミニウム合金
JP2586023B2 (ja) TiA1基耐熱合金の製造方法
JP2569710B2 (ja) 常温靱性を有するTi−A▲l▼系金属間化合物型鋳造合金
EP0593824A1 (en) Nickel aluminide base single crystal alloys and method
JP2001089821A (ja) 耐高温大気酸化性に優れた高強度、高延性チタン合金
JPH0578769A (ja) 金属間化合物基耐熱合金
JPH05320791A (ja) Ti−Al系金属間化合物合金
JPH05230570A (ja) 高延性TiAl基合金
JPH06108187A (ja) 窒素添加高強度チタン合金
JPH0129858B2 (ja)
JPH06228685A (ja) 高強度高延性TiAl系金属間化合物およびその製造方法
GB2423089A (en) Beta titanium eutectoid alloys
JP2542603B2 (ja) 耐摩耗性Al−Si−Mn系焼結合金
JP3365190B2 (ja) α+β型チタン合金溶接部材の後熱処理方法
JPH0621305B2 (ja) 耐熱チタン合金
JPH0222435A (ja) 耐熱チタン合金
JPH11199955A (ja) 耐衝撃特性に優れた鋳造用Ti合金
JP5533352B2 (ja) β型チタン合金
JP2536583B2 (ja) 冷間加工性に優れた高強度チタン合金
US2796347A (en) Titanium base alloys containing antimony
JPH02277736A (ja) TiAl基耐熱合金
JPH04285138A (ja) 耐酸化性に優れたTiAl基合金