JPH05230547A - バネ用オイルテンパー線の製造方法 - Google Patents
バネ用オイルテンパー線の製造方法Info
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- JPH05230547A JPH05230547A JP3220992A JP3220992A JPH05230547A JP H05230547 A JPH05230547 A JP H05230547A JP 3220992 A JP3220992 A JP 3220992A JP 3220992 A JP3220992 A JP 3220992A JP H05230547 A JPH05230547 A JP H05230547A
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- Japan
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- steel wire
- wire
- spring
- oxide film
- springs
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 製造工程を簡略化し、公害、安全性、コスト
に優れた製造方法を提供する。 【構成】 引抜加工用潤滑助剤として鋼線表面に蓚酸塩
皮膜を形成し、そして引抜加工を行った後に、酸化皮膜
を形成させる焼入、焼戻しを行う。
に優れた製造方法を提供する。 【構成】 引抜加工用潤滑助剤として鋼線表面に蓚酸塩
皮膜を形成し、そして引抜加工を行った後に、酸化皮膜
を形成させる焼入、焼戻しを行う。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、バネに使用されるバネ
成形性の良い酸化皮膜を有するオイルテンパー線の製造
方法に関するものである。
成形性の良い酸化皮膜を有するオイルテンパー線の製造
方法に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】バネのコイリング成形加工は、成形工具
により塑性加工されるが、成形工具と材料となる鋼線と
の間に摩擦が生じる。このため、特に高強度なオイルテ
ンパー線をコイリング成形加工する際は、大きな摩擦が
生じて、バネに疵が付いたり、一定のバネ形状に加工で
きなかったり、またコイリング成形加工が高速で行えな
いという不具合が発生していた。
により塑性加工されるが、成形工具と材料となる鋼線と
の間に摩擦が生じる。このため、特に高強度なオイルテ
ンパー線をコイリング成形加工する際は、大きな摩擦が
生じて、バネに疵が付いたり、一定のバネ形状に加工で
きなかったり、またコイリング成形加工が高速で行えな
いという不具合が発生していた。
【０００３】そこで、上記不具合を解決する方法とし
て、特開昭６３−７２８３２号公報では、オーステナイ
ト化温度域で水蒸気と窒素ガスを使って鋼線表面に酸化
皮膜を形成させて焼入し、その後焼戻しを施すバネ成形
性の良い酸化皮膜を有するオイルテンパー線の製造方法
が提案されている。しかし、従来の方法を実施するにあ
たり、オーステナイト化温度域より焼入する焼入工程の
前工程で、一般に引抜加工用潤滑助剤としてリン酸塩皮
膜や石灰、ボラックス（ほう砂）等を鋼線表面に施して
引抜加工されているが、その引抜加工された鋼線をその
まま用いて上記方法を行っても成形性の良い酸化皮膜は
全く形成されなかった。
て、特開昭６３−７２８３２号公報では、オーステナイ
ト化温度域で水蒸気と窒素ガスを使って鋼線表面に酸化
皮膜を形成させて焼入し、その後焼戻しを施すバネ成形
性の良い酸化皮膜を有するオイルテンパー線の製造方法
が提案されている。しかし、従来の方法を実施するにあ
たり、オーステナイト化温度域より焼入する焼入工程の
前工程で、一般に引抜加工用潤滑助剤としてリン酸塩皮
膜や石灰、ボラックス（ほう砂）等を鋼線表面に施して
引抜加工されているが、その引抜加工された鋼線をその
まま用いて上記方法を行っても成形性の良い酸化皮膜は
全く形成されなかった。
【０００４】その理由は、上記潤滑助剤が鋼の焼入に適
当なオーステナイト化温度で容易に蒸発気化せず、鋼線
表面に残留して酸化皮膜の形成を妨げるためである。よ
って、従来の製造方法では、図２に示すように、引抜加
工工程とオーステナイト化温度域より焼入する焼入工程
との間に、潤滑助剤を除去する洗浄工程が必要であるば
かりか、上記潤滑助剤は洗浄により確実に除去すること
が困難であった。
当なオーステナイト化温度で容易に蒸発気化せず、鋼線
表面に残留して酸化皮膜の形成を妨げるためである。よ
って、従来の製造方法では、図２に示すように、引抜加
工工程とオーステナイト化温度域より焼入する焼入工程
との間に、潤滑助剤を除去する洗浄工程が必要であるば
かりか、上記潤滑助剤は洗浄により確実に除去すること
が困難であった。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】上記洗浄工程におい
て、特に潤滑助剤としてリン酸塩皮膜を施した場合に
は、アルカリ洗浄をしなければならず、公害、コスト、
作業時の安全性の面で非常に扱いにくい洗浄工程を必要
としていた。また洗浄工程がバッチ式により行われた場
合には、鋼線同士の密着により潤滑助剤の取り残し部分
があると、次工程で酸化皮膜が形成されない部分が生じ
るため、洗浄作業には十分な注意が必要であった。
て、特に潤滑助剤としてリン酸塩皮膜を施した場合に
は、アルカリ洗浄をしなければならず、公害、コスト、
作業時の安全性の面で非常に扱いにくい洗浄工程を必要
としていた。また洗浄工程がバッチ式により行われた場
合には、鋼線同士の密着により潤滑助剤の取り残し部分
があると、次工程で酸化皮膜が形成されない部分が生じ
るため、洗浄作業には十分な注意が必要であった。
【０００６】よって、本発明は、従来技術の有する上記
問題に鑑みてなしたものであり、鋼線の引抜加工工程後
の引抜加工用潤滑助剤を除去する洗浄工程を省略して、
製造工程を簡略化し、公害、コスト、作業性に優れ、さ
らには鋼線の長手方向、円周方向ともに均一なバネ成形
性の良い酸化皮膜を有するバネ用オイルテンパー線の製
造方法を提供することを目的とするものである。
問題に鑑みてなしたものであり、鋼線の引抜加工工程後
の引抜加工用潤滑助剤を除去する洗浄工程を省略して、
製造工程を簡略化し、公害、コスト、作業性に優れ、さ
らには鋼線の長手方向、円周方向ともに均一なバネ成形
性の良い酸化皮膜を有するバネ用オイルテンパー線の製
造方法を提供することを目的とするものである。
【０００７】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のバネ用オイルテンパー線の製造方法は、鋼
線表面に引抜加工用潤滑助剤として蓚酸塩皮膜を形成し
て引抜加工を行った後に、酸化皮膜を形成させる焼入、
焼戻しを行うものである。
に、本発明のバネ用オイルテンパー線の製造方法は、鋼
線表面に引抜加工用潤滑助剤として蓚酸塩皮膜を形成し
て引抜加工を行った後に、酸化皮膜を形成させる焼入、
焼戻しを行うものである。
【０００８】
【作用】引抜加工後の鋼線表面に残留する蓚酸塩皮膜
は、次工程の焼入オーステナイト化炉で加熱すると、約
１９０℃以上でＣＯ2 とＯ2 の気化ガスに昇華し、鋼線
の鉄地が露出して酸化皮膜を形成し易い表面状態とな
る。
は、次工程の焼入オーステナイト化炉で加熱すると、約
１９０℃以上でＣＯ2 とＯ2 の気化ガスに昇華し、鋼線
の鉄地が露出して酸化皮膜を形成し易い表面状態とな
る。
【０００９】
【実施例】以下本発明の一実施例について説明する。図
１は本発明の一実施例の製造工程であり、引抜加工の前
処理として酸洗を行った後に蓚酸塩皮膜（ＦｅＣ
2 Ｏ4 ）を形成し、次いで引抜加工を行った後に、潤滑
性に優れた酸化皮膜を形成する焼入、焼戻しを行う構成
となっている。
１は本発明の一実施例の製造工程であり、引抜加工の前
処理として酸洗を行った後に蓚酸塩皮膜（ＦｅＣ
2 Ｏ4 ）を形成し、次いで引抜加工を行った後に、潤滑
性に優れた酸化皮膜を形成する焼入、焼戻しを行う構成
となっている。
【００１０】そして、上記製造工程によりシリコンクロ
ム鋼オイルテンパー線を製造した。材料は、表面疵取り
研削、引抜加工のための熱処理を施した線径φ５.5mmシ
リコンクロム鋼線（ＳＡＥ９２５４）を用い、まず従来
と同様に酸洗により熱処理時に発生したスケールを除去
し、その後、液温８０℃の蓚酸（Ｃ2 Ｏ4 ）を主成分と
する水溶液（商品名 ＴＤ−３７９：日本パーカライジ
ング株式会社製）に１０分間浸漬し、金属表面に３ｇ／
ｍ2 〜５ｇ／ｍ2 の蓚酸塩皮膜（ＦｅＣ2 Ｏ4）を化学
反応により形成した。
ム鋼オイルテンパー線を製造した。材料は、表面疵取り
研削、引抜加工のための熱処理を施した線径φ５.5mmシ
リコンクロム鋼線（ＳＡＥ９２５４）を用い、まず従来
と同様に酸洗により熱処理時に発生したスケールを除去
し、その後、液温８０℃の蓚酸（Ｃ2 Ｏ4 ）を主成分と
する水溶液（商品名 ＴＤ−３７９：日本パーカライジ
ング株式会社製）に１０分間浸漬し、金属表面に３ｇ／
ｍ2 〜５ｇ／ｍ2 の蓚酸塩皮膜（ＦｅＣ2 Ｏ4）を化学
反応により形成した。
【００１１】次いで、ダイス伸線により線径φ５.5mmよ
りφ３.0mmとした後に、従来と同様の水蒸気と窒素ガス
の混合ガス中でオーステナイト化温度域まで加熱して焼
入を行い、そして焼戻しを行い金属表面に厚さ２〜３μ
のマグネタイトスケール（Ｆｅ3 Ｏ4 ）を主成分とする
密着性に優れた酸化皮膜を有するバネ用オイルテンパー
線を製造した。
りφ３.0mmとした後に、従来と同様の水蒸気と窒素ガス
の混合ガス中でオーステナイト化温度域まで加熱して焼
入を行い、そして焼戻しを行い金属表面に厚さ２〜３μ
のマグネタイトスケール（Ｆｅ3 Ｏ4 ）を主成分とする
密着性に優れた酸化皮膜を有するバネ用オイルテンパー
線を製造した。
【００１２】このバネ用オイルテンパー線をコイリング
成形加工により、バネ径：線径＝７：１でコイル巻数＝
５1/2 のコイルバネに加工したところ、本発明によるオ
イル用オイルテンパー線は、従来技術により製造したオ
イルテンパー線と同等以上のバネ成形時の潤滑性を示
し、優れたバネ成形性を有することが確認された。
成形加工により、バネ径：線径＝７：１でコイル巻数＝
５1/2 のコイルバネに加工したところ、本発明によるオ
イル用オイルテンパー線は、従来技術により製造したオ
イルテンパー線と同等以上のバネ成形時の潤滑性を示
し、優れたバネ成形性を有することが確認された。
【００１３】
【発明の効果】本発明によるときは、引抜加工後の洗浄
工程を省略することができ、従来技術のアルカリ洗浄等
の場合の廃液処理の公害や作業の安全性の問題が発生せ
ず、またバネ用オイルテンパー線の製造コストを低下で
き、さらにはコイリング成形加工性を向上させたバネ用
オイルテンパー線が得られる等の優れた効果を有するも
のである。
工程を省略することができ、従来技術のアルカリ洗浄等
の場合の廃液処理の公害や作業の安全性の問題が発生せ
ず、またバネ用オイルテンパー線の製造コストを低下で
き、さらにはコイリング成形加工性を向上させたバネ用
オイルテンパー線が得られる等の優れた効果を有するも
のである。
【図１】本発明のバネ用オイルテンパー線の製造方法を
示す工程図。
示す工程図。
【図２】従来の製造方法を示す工程図。
Claims (1)
- 【請求項１】 鋼線表面に引抜加工用潤滑助剤として蓚
酸塩皮膜を形成して引抜加工を行った後に、酸化皮膜を
形成させる焼入、焼戻しを行うことを特徴とするバネ用
オイルテンパー線の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3220992A JPH05230547A (ja) | 1992-02-19 | 1992-02-19 | バネ用オイルテンパー線の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3220992A JPH05230547A (ja) | 1992-02-19 | 1992-02-19 | バネ用オイルテンパー線の製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH05230547A true JPH05230547A (ja) | 1993-09-07 |
Family
ID=12352527
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP3220992A Pending JPH05230547A (ja) | 1992-02-19 | 1992-02-19 | バネ用オイルテンパー線の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH05230547A (ja) |
Cited By (7)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6526554B1 (en) | 1999-09-20 | 2003-02-25 | Nec Corporation | Integrated circuit layout system, integrated circuit layout method, and computer-readable storage medium storing program therefor |
| JP2004115859A (ja) * | 2002-09-25 | 2004-04-15 | Sumitomo Denko Steel Wire Kk | オイルテンパー線 |
| JP2007023337A (ja) * | 2005-07-15 | 2007-02-01 | Nhk Spring Co Ltd | 耐食性と耐腐食疲労性に優れた鋼材、及びその表面処理方法 |
| CN102534173A (zh) * | 2010-12-24 | 2012-07-04 | 日立金属株式会社 | 金属线材的热处理装置 |
| US20120238685A1 (en) * | 2009-12-01 | 2012-09-20 | Nv Bekaert Sa | Reinforced polymer composite |
| CN111014524A (zh) * | 2019-12-18 | 2020-04-17 | 安庆谢德尔汽车零部件有限公司 | 一种高应力弹簧制造工艺 |
| CN114292996A (zh) * | 2021-11-26 | 2022-04-08 | 铃木加普腾钢丝（苏州）有限公司 | 热处理钢丝氧化层工艺 |
-
1992
- 1992-02-19 JP JP3220992A patent/JPH05230547A/ja active Pending
Cited By (9)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6526554B1 (en) | 1999-09-20 | 2003-02-25 | Nec Corporation | Integrated circuit layout system, integrated circuit layout method, and computer-readable storage medium storing program therefor |
| JP2004115859A (ja) * | 2002-09-25 | 2004-04-15 | Sumitomo Denko Steel Wire Kk | オイルテンパー線 |
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| CN111014524A (zh) * | 2019-12-18 | 2020-04-17 | 安庆谢德尔汽车零部件有限公司 | 一种高应力弹簧制造工艺 |
| CN111014524B (zh) * | 2019-12-18 | 2022-04-26 | 安庆谢德尔汽车零部件有限公司 | 一种高应力弹簧制造工艺 |
| CN114292996A (zh) * | 2021-11-26 | 2022-04-08 | 铃木加普腾钢丝（苏州）有限公司 | 热处理钢丝氧化层工艺 |
| CN114292996B (zh) * | 2021-11-26 | 2023-12-08 | 铃木加普腾钢丝（苏州）有限公司 | 热处理钢丝氧化层工艺 |
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