JPH05229981A - 芳香族アセトアルデヒドの製造方法 - Google Patents

芳香族アセトアルデヒドの製造方法

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JPH05229981A
JPH05229981A JP4069737A JP6973792A JPH05229981A JP H05229981 A JPH05229981 A JP H05229981A JP 4069737 A JP4069737 A JP 4069737A JP 6973792 A JP6973792 A JP 6973792A JP H05229981 A JPH05229981 A JP H05229981A
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ion
group
aromatic
catalyst
ruthenium
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JP4069737A
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Yoshifumi Yuasa
良文 湯浅
Masao Konno
雅夫 今野
Toyohiko Kobayashi
東洋彦 小林
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Takasago International Corp
Original Assignee
Takasago International Corp
Takasago Perfumery Industry Co
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Publication date
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    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
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  • Heterocyclic Compounds That Contain Two Or More Ring Oxygen Atoms (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 一般式(I)のアリル基を有する芳香族化合
物を、ルテニウム触媒及び相間移動触媒の存在下に酸化
分解して芳香族アセトアルデヒドを製造する。 (R,R,R,R,Rは各々同一または異な
っていて、水素原子、低級アルキル基、低級アルコキシ
基またはベンゼン環上に置換基を有していてもよいベン
ジルオキシ基を示すか、あるいは隣接する二つが一緒に
なってメチレンジオキシ基を形成する) 【効果】 医薬、農薬、香料および人工甘味料などの合
成中間体等に広く利用されている芳香族アセトアルデヒ
ドを、安全かつ高い選択性及び高い収率で得ることがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アリル基を有する芳香
族化合物を、特定の触媒の存在下に酸化分解することに
よる、安全かつ簡便に高い選択性および高い収率で芳香
族アセトアルデヒドを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】芳香族アセトアルデヒドは、医薬、農
薬、香料、人口甘味料などの合成中間体として広く利用
されている。例えば3,4−ジメトキシフェニルアセト
アルデヒドは、強心薬の塩酸ドパミン、パーキンソン症
候群治療薬のレボドパまたは冠状動脈拡張薬のベラパミ
ルの合成中間体として有用な、3,4−ジメトキシフェ
ネチルアミンを製造する際に重要な化合物である。
【0003】従来、芳香族アセトアルデヒドを製造する
方法としては、(a)置換アリルベンゼン類のオゾン酸化
により製造する方法(特開昭51−141830号公
報)、(b)置換アリルベンゼン類を四酸化オスミウムお
よび過ヨウ素酸ナトリウムにより酸化して製造する方法
(P.F.Schudaら;J.Org.Chem.,52,pp.1972-1979(198
7))、(C)置換アリルベンゼン類を過マンガン酸カリウ
ムで酸化した後、得られた酸化物をさらに四酢酸塩によ
り酸化して製造する方法(Chemical Abstract 41:2398
(1947))、(d)置換スチレンオキサイド類の異性化によ
り製造する方法(特開昭61−151145号公報)、
(e)置換フェニルグリシド酸エステル類をアルカリと反
応せしめて塩とした後、脱炭酸を行ない製造する方法
(Y.Banら;Chem.Pharm.Bull., 6 , pp. 574 - 576(195
8))、(f)α−オキソ−置換ベンゼンプロパン酸類のエ
ナミンを経て製造する方法(I.K.Stamos;Tetrahedron L
ett., 23 (4) pp.459-462(1982))などが知られてい
る。
【0004】しかしながら、上記の方法は、それぞれ、
次のような問題点を有するため、工業的に利用するには
必ずしも満足のゆくものではなかった。即ち、方法(a)
のオゾン酸化は有害なオゾンガスを使用するために特別
な安全対策の整った設備が必要であり、また、ヒドロキ
シペルオキシドなどを生じる異常反応が生じることがあ
る。また、方法(b)で用いる四酸化オスミウムは、非常
に高価であるという問題があり、方法(c)で用いる四酢
酸鉛は、重金属による公害発生源となる恐れがあった。
さらに方法(d)の原料となる置換スチレンオキサイド類
の中には、合成に手間がかかるものがあり、原料の制限
を受けるという問題があった。さらに方法(e)および(f)
は、共に工程が長く複雑であるという欠点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、安全かつ簡便
に、高い選択性および高い収率で目的とする芳香族アセ
トアルデヒドを製造する新しい方法の開発が望まれてい
た。
【0006】
【課題を解決するための手段】このような実情におい
て、本発明者らは容易に入手することができるアリル基
を有する芳香族化合物(以下、「アリルベンゼン誘導
体」という)を原料とし、これを酸化分解して芳香族ア
セトアルデヒドを製造する方法について鋭意検討した結
果、アリルベンゼン誘導体を、ルテニウム触媒、相間移
動触媒および酸化剤と共に酸化分解すれば、上記課題を
解決することを見出し、本発明を完成した。
【0007】すなわち、本発明は、アリルベンゼン誘導
体を、ルテニウム触媒及び相間移動触媒の存在下、酸化
分解することを特徴とする芳香族アセトアルデヒドの製
造方法を提供するものである。
【0008】本発明方法の原料化合物であるアリルベン
ゼン誘導体の好ましい例としては、次の一般式(I)
【化2】 (式中、R1、R2、R3、R4およびR5は、各々同一ま
たは異なっていて、水素原子、低級アルキル基、低級ア
ルコキシ基またはベンゼン環上に置換基を有していても
よいベンジルオキシ基を示すか、あるいは隣接する二つ
が一緒になってメチレンジオキシ基を形成する)で表さ
れる化合物が挙げられる。ここでいう「低級」とは、炭
素数1ないし4の直鎖または分岐鎖の基を意味する。ま
た、ベンジルオキシ基のベンゼン環上に有していてもよ
い置換基の例としては、ハロゲン原子、低級アルキル
基、低級アルコキシ基またはニトロ基などを挙げること
ができる。特に好ましいアリルベンゼン誘導体は、上記
式(I)中、R2、R3はそれぞれ低級アルコキシ基であ
るか、もしくは一緒になってメチレンジオキシ基を形成
し、かつ、R1、R4およびR5が水素原子である化合物
である。
【0009】これらのアリルベンゼン誘導体は、公知の
方法、例えば、芳香族アリルエーテル類のクライゼン転
位、あるいはアリルハライドを亜鉛の存在下にベンゼン
誘導体と反応せしめてアリル基を導入する方法などによ
り、合成して得ることができる。また、アリルベンゼ
ン、4−メトキシアリルベンゼン、メチルオイゲノー
ル、サフロールなど、入手が容易な市販のアリルベンゼ
ン誘導体を原料化合物として用いることもできる。
【0010】本発明方法において使用されるルテニウム
触媒は、ルテニウム金属またはその化合物から選ばれる
触媒であり、その好ましい具体例としては、ルテニウム
金属;三二酸化ルテニウム、二酸化ルテニウム、四酸化
ルテニウムなどの酸化物;水酸化ルテニウム;塩化ルテ
ニウム、臭化ルテニウム、ヨウ化ルテニウムなどのハロ
ゲン化ルテニウム;硫酸ルテニウム;ジクロロトリス
(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、ジクロロ
(1,5−シクロオクタジエン)ルテニウムなどの種々
のルテニウム錯体などを例示することができる。中で
も、安価に入手可能な塩化ルテニウムが好ましい。
【0011】ルテニウム触媒の使用量は、被酸化物であ
るアリルベンゼン誘導体1モルに対して通常0.000
1モル〜0.01モルの範囲とするのがよく、更に好ま
しくは、0.001モル〜0.01モルの範囲とするとよ
い。 ルテニウム触媒が0.0001モルより少ない場合
は触媒としての効果を示さず、また0.01モルより多
い場合は不経済となる。
【0012】また、本発明方法において使用される相間
移動触媒の好ましい例としては、次の一般式(II)、 R6789+- (II) (式中、R6、R7、R8およびR9は各々同一または異な
っていて、炭素数1〜20のアルキル基、アリールアル
キル基またはアリール基を示し、X+はアンモニウムイ
オンまたはホスホニウムイオンを示し、Y-はフッ素イ
オン、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、ヒドロ
キシイオンまたは過塩素酸イオンを示す)で表される化
合物が挙げられる。
【0013】化合物(II)の更に好ましい具体例とし
ては、フッ化テトラメチルアンモニウム、フッ化テトラ
エチルアンモニウム、フッ化テトラ−n−ブチルアンモ
ニウム、塩化テトラメチルアンモニウム、塩化テトラエ
チルアンモニウム、塩化テトラ−n−プロピルアンモニ
ウム、塩化テトラ−n−ブチルアンモニウム、塩化トリ
−n−オクチルメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリ
メチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウ
ム、塩化ベンジルトリメチルアンモニウム、塩化ベンジ
ルトリエチルアンモニウム、塩化ベンジルトリ−n−プ
ロピルアンモニウム、塩化ベンジルトリ−n−ブチルア
ンモニウム、塩化フェニルトリメチルアンモニウム、臭
化テトラメチルアンモニウム、臭化テトラエチルアンモ
ニウム、臭化テトラ−n−プロピルアンモニウム、臭化
テトラ−n−ブチルアンモニウム、臭化テトラ−n−ペ
ンチルアンモニウム、臭化テトラ−n−ヘキシルアンモ
ニウム、臭化テトラ−n−ヘプチルアンモニウム、臭化
テトラ−n−オクチルアンモニウム、臭化ラウリルトリ
メチルアンモニウム、臭化ミリスチルトリメチルアンモ
ニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、臭化セチ
ルジメチルエチルアンモニウム、臭化ベンジルトリメチ
ルアンモニウム、臭化ベンジルトリエチルアンモニウ
ム、ヨウ化テトラエチルアンモニウム、ヨウ化テトラ−
n−プロピルアンモニウム、ヨウ化テトラ−n−ブチル
アンモニウム、ヨウ化テトラ−n−ヘキシルアンモニウ
ム、ヨウ化エチルトリメチルアンモニウム、ヨウ化エチ
ルトリ−n−プロピルアンモニウム、ヨウ化メチルトリ
−n−ブチルアンモニウム、ヨウ化ベンジルトリメチル
アンモニウム、ヨウ化フェニルトリメチルアンモニウ
ム、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエ
チルアンモニウム、水酸化テトラ−n−プロピルアンモ
ニウム、水酸化テトラ−n−ブチルアンモニウム、水酸
化セチルトリメチルアンモニウム、水酸化ベンジルトリ
メチルアンモニウム、水酸化ベンジルトリエチルアンモ
ニウム、水酸化フェニルトリメチルアンモニウム、過塩
素酸テトラメチルアンモニウム、過塩素酸テトラエチル
アンモニウム、過塩素酸テトラ−n−プロピルアンモニ
ウム、過塩素酸テトラ−n−ブチルアンモニウム、塩化
ベンジルトリフェニルホスホニウム、塩化テトラフェニ
ルホスホニウム、臭化テトラ−n−ブチルホスホニウ
ム、臭化エチルトリフェニルホスホニウム、臭化n−ブ
チルトリフェニルホスホニウム、臭化n−プロピルトリ
フェニルホスホニウム、臭化n−ペンチルトリフェニル
ホスホニウム、臭化n−ヘプチルトリフェニルホスホニ
ウム、臭化セチルトリフェニルホスホニウム、臭化テト
ラフェニルホスホニウム、ヨウ化メチルトリフェニルホ
スホニウム、ヨウ化テトラフェニルホスホニウムなどを
例示することができる。
【0014】なかでもより高い収率で目的物を得るに
は、塩化ベンジルトリエチルアンモニウム、ヨウ化テト
ラ−n−ブチルアンモニウム、臭化テトラ−n−ブチル
アンモニウム、過塩素酸テトラ−n−ブチルアンモニウ
ム、臭化テトラ−n−ブチルホスホニウムを使用するの
が好ましい。
【0015】相間移動触媒の使用量は、アリルベンゼン
誘導体1モルに対して通常0.0001モル〜0.1モル
の範囲とするのがよく、更に好ましくは、0.005モ
ル〜0.05モルの範囲とするとよい。 相間移動触媒が
0.0001モルより少ない量では触媒としての効果を
示さず、また0.1モルより多く加えても不経済であ
る。
【0016】本発明において、酸化分解のため使用され
る酸化剤の好ましい例としては、過ヨウ素酸ナトリウム
および過ヨウ素酸カリウムが挙げられる。
【0017】酸化剤の使用量は、被酸化物であるアリル
ベンゼン誘導体1モルに対して通常0.1モル〜10モ
ルの範囲とするのがよく、更に好ましくは、1モル〜5
モルの範囲とするのがよい。
【0018】本発明方法は、通常溶剤の存在または不存
在下に実施される。使用することのできる溶剤の例とし
ては、反応に不活性な溶剤を挙げることができ、具体的
には、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シク
ロヘキサンなどの脂肪族炭化水素類;トルエン、キシレ
ンなどの芳香族炭化水素類;メタノール、エタノール、
イソプロパノールなどのアルコール類;アセトン、メチ
ルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン
類;ギ酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステ
ル類などを例示することができる。なお、溶剤として、
四塩化炭素、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロルエ
タン、クロルベンゼンなどのハロゲン化炭化水素などの
ハロゲン系溶剤も使用することができるが、環境汚染や
毒性の問題を有するため、好ましくは前記したハロゲン
系以外の溶剤を使用するのがよい。 更に、必要に応じ
て、水の存在下に実施することもできる。
【0019】本発明の方法を実施するには、上記したア
リルベンゼン誘導体、ルテニウム触媒、相間移動触媒お
よび酸化剤からなる混合物を、必要に応じて溶剤に溶解
ないし懸濁せしめ、通常0℃〜100℃、好ましくは、
20℃〜50℃の温度で撹拌すれば良い。 反応に要す
る時間は、被酸化物であるアリルベンゼン誘導体の種
類、反応温度、その他の反応条件により異なるが、一般
には、約2時間〜8時間とするのがよい。
【0020】反応終了後、得られた混合物を、公知の分
離抽出、蒸留、晶析等の方法で処理することにより、目
的とする芳香族アセトアルデヒドを得ることができる
が、元来、芳香族アセトアルデヒドは分子内反応を起こ
してしまうなど不安定な化合物であるので、このような
精製をすることなくつぎの反応に付すこともできる。例
えば、3,4−ジメトキシフェニルアセトアルデヒド
は、ヒドロキシルアミンと縮合せしめオキシムとし、次
いで還元すれば医薬中間体として有用な3,4−ジメト
キシフェネチルアミンを得ることができる。
【0021】
【実施例】以下、実施例、参考例および比較例を掲げ、
本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定さ
れるものではない。なお、以下の測定には、次の機器を
用いた。 転化率・選択率;ガスクロマトグラフィー5890(ヒ
ューレットパッカード社製) カラム;シリコンOV−1 (0.25mm×25m) 温度;100℃より200℃まで10℃/分昇温 融点;MP−S3型(柳本商事株式会社製) 核磁気共鳴スペクトル(1H−NMR);AM−400
型(400MHz)(ブルッカー社製) 内部標準物質:テトラメチルシラン 赤外吸収スペクトル(IR);IR−810型(日本分
光工業株式会社製) 質量スペクトル(MS);M−80B質量分析計(イオ
ン化電圧:20eV)(株式会社 日立製作所製)
【0022】実 施 例 1 3,4−ジメトキシフェニルアセトアルデヒドの製造:
メチルオイゲノール8.0g(45ミリモル)に酢酸エ
チル80ml、塩化ベンジルトリエチルアンモニウム
0.5g(2.2ミリモル)および塩化ルテニウム50m
g(0.25ミリモル)を加えた。この混合液中に、室
温にてメタ過ヨウ素酸ナトリウム47.5g(225ミ
リモル)を水500mlに溶かした溶液を60分間かけ
て滴下した。そのまま1時間撹拌し、ガスクロマトグラ
フィーにより、原料のメチルオイゲノールの消失(転化
率100%)を確認した。次いで反応液から有機層を分
液し、これを水洗して、無水硫酸マグネシウムで乾燥し
た後、溶媒を留去し、油状の粗生成物6.3gを得た。
この油状物の組成は、ガスクロマトグラフィーで分析し
た結果、目的とする3,4−ジメトキシフェニルアセト
アルデヒドが95%(選択率95%、収率74%)、副
生成物の3,4−ジメトキシベンズアルデヒドが5%で
あった。
【0023】参 考 例 1 3,4−ジメトキシフェニルアセトアルドキシムの製
造:実施例1で得た粗アルデヒド油状物6.3g(3,4
−ジメトキシフェニルアセトアルデヒド95%、33.
3ミリモル)に、塩酸ヒドロキシルアミン7.8g(1
12ミリモル)、ピリジン6mlおよびエタノール44
mlを加え、1時間加熱還流した後、溶媒を留去し、残
渣に酢酸エチル50mlおよび水50mlを加え抽出し
た。次いで酢酸エチル層を分液し、希塩酸で1回、飽和
食塩水で2回洗浄した。さらに、無水硫酸マグネシウム
で乾燥後、溶媒を留去し3,4−ジメトキシフェニルア
セトアルドキシムのE型およびZ型異性体混合物の粗結
晶5.7g(メチルオイゲノールからの収率65%)を
得た。
【0024】融 点: 54〜56℃ 核磁気共鳴スペクトル:1 H−NMR(δ;CDCl3):3.48,3.69(d,J=
6.3Hz;d,J=5.4Hz;2H),3.87(s,6
H),6.72−6.84(m,3H),6.89,7.53
(t,J=5.4Hz;t,J=6.2Hz;1H) 赤外吸収スペクトル:(νcm-1max;KBr):345
0,1610,1595,1515 質量スペクトル:195(M+), 151, 107, 7
7, 65
【0025】参 考 例 2 3,4−ジメトキシフェネチルアミンの製造:参考例1で
得たオキシムの粗結晶2.5g(12.2ミリモル)をオ
ートクレーブ中でエタノール25mlに溶解し、ラネー
ニッケルの存在下、水素圧40Kg/cm2、80℃で
1時間反応させた。この反応液をガスクロマトグラフィ
ーで分析したところ、転化率100%、3,4−ジメト
キシフェネチルアミンの選択率75%であった。次い
で、反応液から触媒を濾別し、濾液を濃縮して油状物
2.1gを得た。これに10%塩化水素含有エタノール
を加え、3,4−ジメトキシフェネチルアミンの塩酸塩
1.85g(3,4−ジメトキシフェニルアセトアルド
キシムの粗結晶からの収率69.5%)を得た。 融 点: 152〜154℃
【0026】比 較 例 1 オゾン酸化による3,4−ジメトキシフェニルアセトア
ルデヒドの製造:メチルオイゲノール1.78g(10
ミリモル)を酢酸エチル50mlに溶解し、−55〜−
60℃に冷却しながら撹拌下でオゾンを吹き込んだ。反
応終了後、オゾンをジメチルスルフィドで分解し、得ら
れた生成物の組成をガスクロマトグラフィーにより分析
した結果、転化率100%、目的とする3,4−ジメト
キシフェニルアセトアルデヒドの選択率39%、3,4
−ジメトキシフェニル酢酸の選択率12%であった。
【0027】実 施 例 2 3,4−メチレンジオキシフェニルアセトアルデヒド
(ホモピペロナール)の製造:サフロール10.9g
(67ミリモル)に酢酸エチル50ml、塩化ベンジル
トリエチルアンモニウム0.5g(2.2ミリモル)およ
び塩化ルテニウム50mg(0.25ミリモル)を加え
た。この混合液中に、室温にてメタ過ヨウ素酸ナトリウ
ム71.5g(333ミリモル)を水700mlに溶か
した溶液を60分間かけて滴下した。そのまま2時間撹
拌し、ガスクロマトグラフィーにより原料のサフロール
の消失(転化率100%)を確認した後、有機層を分液
した。この有機層を水洗して無水硫酸マグネシウムで乾
燥した後、溶媒を留去し、油状の粗生成物10.1gを
得た。この油状物の組成は、ガスクロマトグラフィーで
分析した結果、目的とするホモピペロナール94%(選
択率94%、収率86%)、副生成物のピペロナール4
%であった。
【0028】参 考 例 3 ホモピペロニルアルドキシムの製造:実施例2で得た粗
アルデヒド油状物10.1g(ホモピペロナール94
%、58ミリモル)に、塩酸ヒドロキシルアミン11.
0g(158ミリモル)、ピリジン10mlおよびエタ
ノール60mlを加え、1時間加熱還流した後、溶媒を
留去し、残渣に酢酸エチル50mlおよび水50mlを
加え抽出した。次いで酢酸エチル層を分液し、希塩酸で
1回、飽和食塩水で2回洗浄した。さらに無水硫酸マグ
ネシウムで乾燥後、溶媒を留去し、ホモピペロニルアル
ドキシムのE型およびZ型異性体混合物の粗結晶6.8
g(サフロールからの収率57%)を得た。
【0029】融 点: 116〜117℃ 核磁気共鳴スペクトル:1 H−NMR(δ;CDCl3):3.44,3.65(d,J=
6.3Hz;d,J=5.4Hz;2H),5.99(s,2
H),6.67−6.77(m,3H),6.85,7.49
(t,J=5.4Hz;t,J=6.3Hz;1H) 赤外吸収スペクトル:(νcm-1max;KBr):345
0,1610,1510 質量スペクトル:179(M+), 161, 135, 1
03, 77
【0030】実 施 例 3 フェニルアセトアルデヒドの製造:アリルベンゼン2.
95g(25ミリモル)に酢酸エチル45ml、塩化ベ
ンジルトリエチルアンモニウム0.4g(1.8ミリモ
ル)および塩化ルテニウム28mg(0.11ミリモ
ル)を加えた。この混合液中に、室温にてメタ過ヨウ素
酸ナトリウム26.4g(125ミリモル)を水280
mlに溶かした溶液を60分間かけて滴下した。そのま
ま1時間撹拌し、ガスクロマトグラフィーにより原料の
アリルベンゼンの消失(転化率100%)を確認した。
次いで有機層を分液し、水洗して、無水硫酸マグネシウ
ムで乾燥した後、溶媒を留去し、油状の粗生成物2.6
gを得た。この油状物の組成は、ガスクロマトグラフィ
ーで分析した結果、フェニルアセトアルデヒド75%
(選択率75%、収率65%)であった。
【0031】参 考 例 4 フェニルアセトアルドキシムの製造:実施例3で得た粗
アルデヒド油状物2.1g(フェニルアセトアルデヒド
75%、13.1ミリモル)に、塩酸ヒドロキシルアミ
ン4.4g(63ミリモル)、ピリジン4mlおよびエ
タノール25mlを加え、1時間加熱還流した後、溶媒
を留去し、残渣に酢酸エチル25mlおよび水25ml
を加え、抽出した。次いで、酢酸エチル層を分液し、希
塩酸で1回、飽和食塩水で2回洗浄した後、無水硫酸マ
グネシウムで乾燥し、溶媒を留去してフェニルアセトア
ルドキシムの粗結晶2.0g(アリルベンゼンからの収
率60%)を得た。
【0032】融 点: 58〜63℃ 核磁気共鳴スペクトル:1 H−NMR(δ;CDCl3):3.52(d,J=6.3Hz,
2H),7.12−7.36(m,6H) 赤外吸収スペクトル:(νcm-1max;KBr):345
0,1620,1520 質量スペクトル:136(M+1),135(M+), 1
17, 104, 91, 65
【0033】実 施 例 4 4−メトキシフェニルアセトアルデヒドの製造:4−メ
トキシアリルベンゼン7.4g(50ミリモル)に酢酸
エチル90ml、塩化ベンジルトリエチルアンモニウム
0.5g(2.2ミリモル)および塩化ルテニウム50m
g(0.25ミリモル)を加えた。この混合液中に、室
温にてメタ過ヨウ素酸ナトリウム53.5g(250ミ
リモル)を水560mlに溶かした溶液を60分間かけ
て滴下した。そのまま1時間撹拌し、ガスクロマトグラ
フィーにより原料の4−メトキシアリルベンゼンの消失
(転化率100%)を確認した。次いで、有機層を分液
して水洗し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒
を留去して油状の粗生成物5.7gを得た。この油状物
の組成は、ガスクロマトグラフィーで分析した結果、4
−メトキシフェニルアセトアルデヒド98%(選択率9
8%、収率74%)であった。
【0034】参 考 例 5 4−メトキシフェニルアセトアルドキシムの製造:実施
例4で得た粗アルデヒド油状物7.1g(4−メトキシ
フェニルアセトアルデヒド98%、47ミリモル)に、
塩酸ヒドロキシルアミン8.7g(125ミリモル)、
ピリジン7mlおよびエタノール50mlを加え、1時
間加熱還流した後、溶媒を留去し、残渣に酢酸エチル5
0mlおよび水50mlを加え、抽出した。この酢酸エ
チル層を分液して、希塩酸で1回、飽和食塩水で2回洗
浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を留去
して、4−メトキシフェニルアセトアルドキシムのE型
およびZ型異性体混合物の粗結晶5.2g(4−メトキ
シアリルベンゼンからの収率63%)を得た。
【0035】融 点: 66〜68℃ 核磁気共鳴スペクトル:1 H−NMR(δ;CDCl3):3.47,3.69(d,J=
6.3Hz;d,J=5.4Hz;2H),3.79(s,3
H),6.85−7.51(m,4H),7.51,(t,6.
3Hz,1H) 赤外吸収スペクトル:(νcm-1max;KBr):345
0,1620,1520 質量スペクトル:165(M+), 147, 132, 1
21, 91, 77
【0036】実 施 例 5 〜 9 および 比 較 例 2 実施例1において相間移動触媒として使用した塩化ベン
ジルトリエチルアンモニウムの代わりに、表1に示す各
相間移動触媒を、実施例1と同量の2.2ミリモルずつ
使用し、それ以外は実施例1と同様にして、メチルオイ
ゲノールから3,4−ジメトキシフェニルアセトアルデ
ヒドを製造した(実施例5〜9)。また、相間移動触媒
を使用しないで、それ以外は実施例1と同様にして、メ
チルオイゲノールから3,4−ジメトキシフェニルアセ
トアルデヒドを製造した(比較例2)。各々の実施例お
よび比較例におけるメチルオイゲノールの転化率、3,
4−ジメトキシフェニルアセトアルデヒドの選択率およ
び収率を表1に示す。
【0037】
【0038】実 施 例 10 および 比 較 例 3 実施例1においてルテニウム触媒として用いた塩化ルテ
ニウムの代わりに、ジクロロ(1,5−シクロオクタジ
エン)ルテニウムを実施例1と同量の0.25ミリモル
使用し、それ以外は実施例1と同様にして、メチルオイ
ゲノールから3,4−ジメトキシフェニルアセトアルデ
ヒドを製造した(実施例10)。また、実施例10と同
量のジクロロ(1,5−シクロオクタジエン)ルテニウ
ムを用い、相間移動触媒は使用しないで、それ以外は実
施例1と同様にしてメチルオイゲノールから3,4−ジ
メトキシフェニルアセトアルデヒドを製造した(比較例
3)。実施例10および比較例3におけるメチルオイゲ
ノールの転化率、3,4−ジメトキシフェニルアセトア
ルデヒドの選択率および収率を表2に示す。
【0039】
【0040】
【発明の効果】以上のように、本発明の製造方法によれ
ば、医薬、農薬、香料および人工甘味料などの合成中間
体等に広く利用されている芳香族アセトアルデヒドを、
安全かつ高い選択性及び高い収率で得ることができ、産
業上の利益に資するところが大きいものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07D 317/54 // C07B 61/00 300

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アリル基を有する芳香族化合物を、ルテ
    ニウム触媒及び相間移動触媒の存在下、酸化分解するこ
    とを特徴とする芳香族アセトアルデヒドの製造方法。
  2. 【請求項2】 アリル基を有する芳香族化合物が、次の
    一般式(I) 【化1】 (式中、R1、R2、R3、R4およびR5は、各々同一ま
    たは異なっていて、水素原子、低級アルキル基、低級ア
    ルコキシ基またはベンゼン環上に置換基を有していても
    よいベンジルオキシ基を示すか、あるいは隣接する二つ
    が一緒になってメチレンジオキシ基を形成する)で表さ
    れる請求項第1項記載の芳香族アセトアルデヒドの製造
    方法。
  3. 【請求項3】 相間移動触媒が、次の一般式(II) R6789+- (式中、R6、R7、R8およびR9は各々同一または異な
    っていて、炭素数1〜20のアルキル基、アリールアル
    キル基またはアリール基を示し、X+はアンモニウムイ
    オンまたはホスホニウムイオンを示し、Y-はフッ素イ
    オン、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、ヒドロ
    キシイオンまたは過塩素酸イオンを示す)で表される触
    媒である請求項第1項または第2項記載の芳香族アセト
    アルデヒドの製造方法。
  4. 【請求項4】 酸化分解に用いる酸化剤が過ヨウ素酸塩
    である請求項第1項ないし請求項第3項のいずれかの項
    記載の芳香族アセトアルデヒドの製造方法。
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