JPH05229361A - 車両用駆動力配分装置 - Google Patents

車両用駆動力配分装置

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JPH05229361A
JPH05229361A JP3524292A JP3524292A JPH05229361A JP H05229361 A JPH05229361 A JP H05229361A JP 3524292 A JP3524292 A JP 3524292A JP 3524292 A JP3524292 A JP 3524292A JP H05229361 A JPH05229361 A JP H05229361A
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JP
Japan
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driving force
input
gear
differential
planetary gear
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JP3524292A
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English (en)
Inventor
Kaoru Sawase
薫 澤瀬
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Mitsubishi Motors Corp
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Mitsubishi Motors Corp
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Publication date
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  • Arrangement And Mounting Of Devices That Control Transmission Of Motive Force (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、自動車等に用いて好適の、車両用
駆動力配分装置に関し、入力された回転駆動力を積極的
に配分できるようにすることを目的とする。 【構成】 エンジンからの回転駆動力を2つの駆動輪系
に配分する駆動力配分装置において、入力部1と入力部
1における回転駆動力をクラッチ機構13を介して入力
される差動機構20とをそなえ、2つの駆動輪系の各回
転軸部分2,3に遊星歯車機構16,17を設けて、各
遊星歯車機構16,17のリングギア10をいずれも差
動機構20の入力部10と一体回転するように設けると
ともにプラネタリギア7,8のキャリア11,12を差
動機構20の出力部2,3と一体回転するように設け
て、各キャリア11,12と入力部1との間にこれらを
一体回転させうるクラッチ機構14,15を介装して構
成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、四輪駆動式の自動車等
における前後輪あるいは左右輪への駆動力配分に用いて
好適の、車両用駆動力配分装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、四輪駆動車の開発が盛んに行なわ
れているが、前後輪間の駆動力配分を調整できるように
した、フルタイム四輪駆動方式のものの開発が種々行な
われている。このような前後輪間の駆動力配分を行なう
機構としては、前後輪への駆動力伝達経路に前後輪間に
生じる差動を許容する差動機構(センタデフ)を設け
て、このデフにその差動を制限できる差動制限機構(L
SD=リミデッドスリップデフ)を付設して駆動力配分
を行なう手段が開発されている。
【0003】また、左右輪間の差動機構(フロントデフ
あるいはリヤデフ)についてもセンタデフ同様、種々の
差動制限機構が開発されており、駆動力配分を可能にし
ている。このような前後輪間あるいは左右輪間の差動制
限機構には、前後輪(又は左右輪)の回転速度差に対応
するタイプのものや、入力されたトルク(回転駆動力)
に比例するタイプのものがある。
【0004】回転速度差対応タイプには、液体の粘性を
利用したVCU(ビスカスカップリングユニット)式L
SDやHCU(ハイドロリックカップリングユニット)
式LSDなどのものがあり、車両の走行安定性を向上し
うる利点がある。また、入力トルク比例タイプのものに
は、一般的な機械式LSDなどのフリクションタイプの
ものや、ウォームギアの摩擦抵抗を利用してトルクに感
応して制御するTORSEN(トルセン)式LSDなど
のメカニカルタイプのものがあり、車両の旋回性能の向
上やスタック脱出性能の確保や走破性の向上を実現でき
る等の利点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ような各差動制限機構は駆動力配分を積極的に調整する
ものではなく、入力された回転駆動力を任意に配分して
2本の駆動軸に出力できるものではなかった。本発明
は、上述の課題に鑑み創案されたもので、入力された回
転駆動力を積極的に可変配分できるようにした、車両用
駆動力配分装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】このため、本発明の車両
用駆動力配分装置は、エンジンからの回転駆動力を2つ
の駆動輪系に配分する駆動力配分装置において、上記回
転駆動力を入力される入力部と、該入力部に入力された
回転駆動力をクラッチ機構を介して入力され、上記の2
つの駆動輪系へ差動を許容しつつ伝達する差動機構とを
そなえ、上記の2つの駆動輪系の各回転軸部分にそれぞ
れ遊星歯車機構が設けられて、これらの遊星歯車機構の
サンギアが上記の各回転軸部分に設置され、上記の各遊
星歯車機構のリングギアがいずれも差動機構の入力部と
一体回転するように設けられるとともにプラネタリギア
のキャリアが上記差動機構の出力部と一体回転するよう
に設けられて、上記の各キャリアと上記の入力部との間
に係合時に各キャリアと入力部とを一体回転させうるク
ラッチ機構がそれぞれ介装されていることを特徴として
いる。
【0007】
【作用】上述の本発明の車両用駆動力配分装置では、入
力部に入力された回転駆動力は、差動機構へクラッチ機
構を介して入力される。そして、この回転駆動力は、差
動機構により2つの駆動輪系へ差動を許容しつつ伝達さ
れる。そして、上記クラッチ機構の接続状態に応じて、
上記2つの駆動輪系の各回転軸部分にそれぞれ設けられ
た遊星歯車機構により駆動力の配分が行なわれる。
【0008】
【実施例】以下、図面により、本発明の一実施例として
の車両用駆動力配分装置について説明すると、図1はそ
の構成を示す模式的な構成図である。この駆動力配分装
置は、例えば、エンジン(図示省略)からの回転駆動力
を左右輪に配分する経路上に設けられて、左右輪側のそ
れぞれの駆動軸に対して駆動力配分ができるようになっ
ている。
【0009】そして、本装置は、基本的には3組の遊星
歯車機構16,17,18の組み合わせによる差動機構
20と、この3組の遊星歯車機構16,17,18のそ
れぞれに回転駆動力を伝達する3つのクラッチ機構1
3,14,15と、これらのクラッチ機構13,14,
15を制御する制御手段19により構成されている。図
1に示すように自動車のエンジンからトランスミッショ
ン(図示省略)等を介して出力された回転駆動力は、入
力ギア1,各クラッチ機構13,14,15および各遊
星歯車機構16,17,18とを介して、第1および第
2の出力軸2,3に伝達されるようになっており、第1
の出力軸2はその左端を左輪の駆動系に連結され、第2
の出力軸3はその右端を右輪の駆動系に連結されてい
る。
【0010】そして、各遊星歯車機構16,17,18
によって構成された差動機構20により、2つの出力軸
2,3の差動を許容しながら、これらの出力軸2,3に
伝達される回転駆動力を所要の比率に配分できるように
なっている。本装置における差動機構20は、2つのピ
ニオンギア(プラネタリギア)を用いて構成されるいわ
ゆるダブルピニオンギア機構が1組と、2組のシングル
ピニオンギア機構からなる計3組の遊星歯車機構が同一
軸心上に配置され構成されている。
【0011】まず、第1の遊星歯車機構16の構成につ
いて説明すると、出力軸2にはサンギア4が固着されて
おり、このサンギア4は、その外周にはプラネタリギア
7が歯合している。そして、このプラネタリギア7は、
キャリア11Aに枢支されており、リングギア10Aと
歯合し、自転しながらサンギア4の外周を公転できるよ
うになっている。
【0012】また、第2の遊星歯車機構17では、出力
軸3にはサンギア5が固着されており、このサンギア5
はその外周にはプラネタリギア8が歯合している。そし
て、上述の第1の遊星歯車機構16と同様、このプラネ
タリギア8は、キャリア12Aに枢支されており、リン
グギア10Bと歯合し、自転しながらサンギア5の外周
を公転できるようになっている。
【0013】次に、第3の遊星歯車機構18について説
明すると、回転軸11Bの末端にサンギア6が固着され
ており、このサンギア6は、その外周にはプラネタリギ
ア9Bが歯合するように設けられている。このプラネタ
リギア9Bは、ダブルピニオン機構のインナピニオンで
あり、その外周でダブルピニオン機構のアウタピニオン
となるプラネタリギア9Aに歯合している。また、プラ
ネタリギア9Aはリングギア10Cと歯合している。こ
れらプラネタリギア9A,9Bはプラネタリキャリア1
2Bによって自転可能に軸支されている。これにより、
この第3の遊星歯車機構18では、2つのプラネタリギ
ア9A,9Bの自転に伴いサンギア6がリングギア10
Cと同方向に回転するようになっている。
【0014】さらに、この第3の遊星歯車機構18のプ
ラネタリキャリア12Bと、第2の遊星歯車機構17の
プラネタリキャリア12Aとが一体に形成されており、
プラネタリギア9A,9Bとプラネタリギア8とが一体
に公転するようになっている。なお符号12は、これら
のキャリア12A,12Bが一体となった回転部を示
す。
【0015】そして、第1の遊星歯車機構16のプラネ
タリキャリア11と、第3の遊星歯車機構18のサンギ
ア6の回転軸11Bとが一体に形成されており、サンギ
ア6がプラネタリギア7の公転に合わせて自転できるよ
うになっている。なお符号11はキャリア11Aと回転
軸11Bとが一体となった回転部を示す。また、これら
の各遊星歯車機構16,17,18におけるリングギア
10A,10B,10Cは、各遊星歯車機構16,1
7,18ごとに独立して設けられているものではなく一
体に形成されており、以下、これら10A〜10Cを1
つのリングギア10として説明する。
【0016】次に、本装置におけるクラッチ機構につい
て説明すると、本装置には第1,第2及び第3のクラッ
チ機構13,14,15が設けられている。この第1の
クラッチ機構13は、入力ギア1に伝達された回転駆動
力を各リングギア10A〜10Cに伝達したり、あるい
はこの回転駆動力を断つことができるようになってお
り、第2のクラッチ機構14は、入力ギア1に伝達され
た回転駆動力を回転部11(即ち、プラネタリキャリア
11A及び回転軸11B)に伝達したり、あるいはこの
回転駆動力を断つことができるようになっている。ま
た、第3のクラッチ機構15は、第2のクラッチ機構1
4と同様に、入力ギア1に伝達された回転駆動力を回転
軸12(即ち、プラネタリキャリア12A及び12)に
伝達したり、あるいはこの回転駆動力を断つことができ
るようになっている。
【0017】そして、これらのクラッチ機構13,1
4,15はマイクロコンピュータ等をそなえた制御手段
19により制御されるようになっている。すなわち、本
装置を搭載した車両には、図示しないが車速や舵角等の
運転状況や各車輪の回転状態等を検出するセンサがそれ
ぞれ設けられ、これらのセンサにより、制御手段19に
車両の運転状態が入力されて、その運転状態に適した指
令信号が制御手段19において設定された後、各クラッ
チ機構13,14,15にこの指令信号が送られて、そ
れぞれのクラッチ機構13,14,15は個々に制御さ
れるようになっている。
【0018】この制御手段19によると各クラッチ機構
13,14,15の接続状況により、入力ギア1に伝達
された回転駆動力は、その伝達経路の相違によって2つ
の出力軸2,3への回転駆動力を可変配分できるように
なっている。すなわち、上記各クラッチ機構13,1
4,15のうち、どのクラッチ機構を用いて入力された
回転駆動力を伝達するかにより、2つの出力軸2,3へ
配分される回転駆動力の比が変化するようになってい
る。
【0019】本発明の一実施例としての車両用駆動力配
分装置は、上述のように構成されているので、走行中の
運転状況に応じて制御手段19から各クラッチ機構1
3,14,15に指令信号が送られる。そして、この指
令信号に応じて各クラッチ機構13,14,15が制御
されて、駆動力配分装置は入力される回転駆動力を可変
配分して2つの出力軸2,3へ出力する。
【0020】そして、本装置は、各クラッチ機構13,
14,15の接続状態によって、表1に示す8通りの状
態が考えられ、これを第1〜第5の状態に分けてそれぞ
れの状態について説明すると以下のようになる。
【0021】
【表1】
【0022】表1における●はロック状態を示し、○は
フリー状態を示す。まず、第1の状態についてこの駆動
力配分装置の動作を説明すると、これは、制御手段19
により、第1のクラッチ機構13が接続状態(ロック状
態)で、且つ、第2及び第3のクラッチ機構14,15
は接続されないような状態(フリー状態)のときであ
る。
【0023】このとき、本装置の動作を説明すると、ま
ず、入力ギア1に伝達された回転駆動力は、第1のクラ
ッチ機構13を介してリングギア10へ伝達される。そ
して、2つの出力軸2,3の間に回転差が生じないとき
(即ち、2つの出力軸2,3の駆動負荷に差がないと
き)は、入力ギア1,リングギア10及びリングギア1
0内に並列に配置された3組の遊星歯車機構16,1
7,18は一体となった回転し、2つの出力軸2,3へ
の駆動力は50:50に配分される。
【0024】また、2つの出力軸2,3の駆動負荷に差
が生じると、この2つの出力軸2,3間に回転差が生じ
ようとするが、3組の遊星歯車機構16,17,18の
作用によりこの回転差は吸収される。このとき、プラネ
タリキャリア11Aとプラネタリキャリア12Aとの間
に回転差が生じるが、第2及び第3のクラッチ機構1
4,15がフリー状態になっているので、何ら問題なく
回転差が吸収され、差動が許容される。
【0025】すなわち、このような第1の状態において
は、本装置は、通常用いられているデファレンシャルギ
アと同じ機能を果たすことができる。次に、第2の状態
について説明すると、これは、第2のクラッチ機構14
がロック状態であって、且つ、第1および第3のクラッ
チ機構13,15がフリー状態のときである。
【0026】このとき、本装置の動作について説明する
と、まず、入力ギア1に伝達された回転駆動力は、第2
のクラッチ機構14を介してプラネタリキャリア11A
に伝達れさる。そして、2つの出力軸2,3の間に回転
差がないとき(即ち、2つの出力軸2,3の駆動負荷に
差がないとき)は、上述の場合と同様に、入力ギア1,
リングギア10及びリングギア10内に並列に配置され
た3組の遊星歯車機構16,17,18は一体となって
回転して、2つの出力軸2,3に駆動力が伝達される。
【0027】一方、2つの出力軸2,3の駆動負荷に差
が生じると、プラネタリキャリア11Aおよびプラネタ
リギア7は、サンギア4の外周を自転を伴いながら公転
して出力軸2へ回転駆動力を伝達する。また、プラネタ
リキャリア11Aの回転により、サンギア6に回転駆動
力が伝達され、ダブルピニオンのプラネタリギア9A,
9Bおよびプラネタリキャリア12Aに回転駆動力が伝
達される。
【0028】これにより、プラネタリギア8がサンギア
5の外周を自転を伴いながら公転して出力軸3へ回転駆
動力が伝達される。これによって、2つの出力軸2,3
との間に差動が生じる。そして、上記3組の遊星歯車機
構16,17,18の各ギアの歯数の組み合わせによっ
て、この2つの出力軸2,3に出力された2つの回転駆
動力の比を、例えば、70:30にすることができる。
【0029】このとき、入力ギア1とプラネタリキャリ
ア12との間に回転速度差が生じることも考えられる
が、上述したように、第3のクラッチ機構15がフリー
状態であるので何ら問題はない。次に、第3の状態につ
いて説明すると、第3のクラッチ機構15がロック状態
であって、且つ、第1および第2のクラッチ機構13,
14がフリー状態のときであり、このときの本装置の動
作を説明すると次のようになる。
【0030】まず、入力ギア1に伝達された回転駆動力
は、第3のクラッチ機構15を介してプラネタリキャリ
ア12Aに伝達れさる。そして、2つの出力軸2,3の
間に回転差がないとき(即ち、2つの出力軸2,3の駆
動負荷に差がないとき)は、入力ギア1,リングギア1
0及びリングギア10内に並列に配置された3組の遊星
歯車機構16,17,18が相対回転のない一体となっ
た回転を行なう。
【0031】そして、2つの出力軸2,3の駆動負荷に
差が生じると、上述の第2のクラッチ機構14をロック
状態にした場合とは逆の経路により回転駆動力が伝達さ
れる。すなわち、プラネタリキャリア12およびプラネ
タリギア8は、サンギア5の外周を自転を伴いながら公
転して出力軸3へ回転駆動力を伝達する。また、プラネ
タリキャリア12の回転により、ダブルピニオンのプラ
ネタリギア9A,9Bに回転駆動力が伝達され、サンギ
ア6に回転駆動力が伝達される。
【0032】これにより、プラネタリギア7がサンギア
4の外周を自転を伴いながら公転することにより、出力
軸2へ回転駆動力が伝達される。そして、各ギアの歯数
の組み合わせによって、この2つの出力軸2,3とに出
力された2つの回転駆動力の比を、例えば、30:70
にすることができる。また、上述したように、第2のク
ラッチ機構14がフリー状態であるので、入力ギア1と
プラネタリキャリア11との間に回転速度差が生じても
この速度差は吸収される。
【0033】本装置は以上のような動作を行なうので、
上述の3組のクラッチ機構13,14,15のうちいづ
れか1つのクラッチ機構をロック状態にすることで2つ
の出力軸2,3へ伝達される駆動力の配分比を変えるこ
とができる。さらに、これらのクラッチ機構13,1
4,15は、LSD(差動制限機構)としての機能も持
ち合わせており、各クラッチ機構13,14,15のう
ちいづれか1つのクラッチ機構を完全にロック状態にし
て、残りのクラッチ機構のうち1つのクラッチ機構を多
少滑らせながら係合させることによって、2つの出力軸
2,3の差動を制限することができる。
【0034】次に、第4の状態について説明すると、こ
れは、各クラッチ機構13,14,15がすべてフリー
状態のときである。このとき、入力ギア1に伝達された
回転駆動力は、リングギア10,プラネタリキャリア1
1,12のいずれにも伝達されないので、2つの出力軸
2,3には回転駆動力が遮断された状態となる。最後
に、第5の状態について説明すると、これら3組のクラ
ッチ機構13,14,15のうち、2組以上のクラッチ
機構を同時にロック状態すると、本装置は直結状態とな
り、2つの出力軸2,3の間の差動は吸収されなくな
る。すなわち、この状態では、3組のクラッチ機構1
3,14,15は、いわゆるデフロック装置としても機
能する。
【0035】これにより、片方の駆動軸側の車輪が路面
μ(路面摩擦抵抗)の変化や脱輪等によって空転して
も、他方の駆動軸側の車輪に駆動力を伝達することがで
きる。本装置は、上述したように入力された回転駆動力
を2本の出力軸2,3に所定の比率に配分することがで
きるので、例えば、自動車の左右輪の駆動力の配分装置
に用いて、左右輪の駆動力を積極的に制御することによ
って、車両の走行安定性を高めることができる。
【0036】また本装置を用いることにより、運転者に
何ら特別な操作を強いることなく、車両の走破性をより
高めることも可能である。また、本実施例では、本発明
の車両用駆動力配分装置を自動車等における左右輪の駆
動力配分装置として説明しているが、本装置は、例えば
四輪駆動車の前後輪への駆動力配分装置に用いても良
く、本装置を四輪駆動車の前後輪間,前輪側左右輪間お
よび後輪側左右輪間の3箇所に、それぞれ駆動力配分機
構として用いることにより、四輪の駆動力配分を独立し
て調整することも可能である。
【0037】さらに、本装置は、上述のように1つのリ
ングギア10内に3組の遊星歯車機構16,17,18
が設けられて構成されているので、本装置を比較的小型
化しやすいというメリットがあり、車両搭載を比較的容
易に行なうことができる。また、本装置における第3の
遊星歯車機構18の代わりに、ベベルギア式デファレン
シャルギアを用いることも考えられる。
【0038】これは、回転軸11Bをベベルギア式デフ
ァレンシャルギアの一方の出力軸に固定し、プラネタリ
キャリア12Bをベベルギア式デファレンシャルギアの
他方の出力軸に固定することにより実現される。このと
き、本装置の機能は何ら変わるものではなく、コストや
スペース効率等の車載条件によってどちらかの機構を選
択すればよい。
【0039】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の車両用駆
動力配分装置によれば、エンジンからの回転駆動力を2
つの駆動輪系に配分する駆動力配分装置において、上記
回転駆動力を入力される入力部と、該入力部に入力され
た回転駆動力をクラッチ機構を介して入力され、上記の
2つの駆動輪系へ差動を許容しつつ伝達する差動機構と
をそなえ、上記の2つの駆動輪系の各回転軸部分にそれ
ぞれ遊星歯車機構が設けられて、これらの遊星歯車機構
のサンギアが上記の各回転軸部分に設置され、上記の各
遊星歯車機構のリングギアがいずれも差動機構の入力部
と一体回転するように設けられるとともにプラネタリギ
アのキャリアが上記差動機構の出力部と一体回転するよ
うに設けられて、上記の各キャリアと上記の入力部との
間に係合時に各キャリアと入力部とを一体回転させうる
クラッチ機構がそれぞれ介装されているという構成によ
り、入力された回転駆動力を2つの駆動輪系に所定の比
率に配分することができる。
【0040】また、本装置を四輪駆動車の前後輪間,前
輪側左右輪間および後輪側左右輪間の3箇所に、それぞ
れ駆動力配分機構として用いることにより、四輪の駆動
力配分を独立して調整することができ、車両の走行安定
性をより高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としての車両用駆動力配分装
置を示す模式的な構成図である。
【符号の説明】
1 入力ギア 2 第1の出力軸 3 第2の出力軸 4,5,6 サンギア 7,8,9A,9Bプラネタリギア 10 リングギア 11,11A,12,12A,12B プラネタリキャ
リア 11B 回転軸 13 第1のクラッチ機構 14 第2のクラッチ機構 15 第3のクラッチ機構 16 第1の遊星歯車機構 17 第2の遊星歯車機構 18 第3の遊星歯車機構 19 制御手段 20 差動機構

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンからの回転駆動力を2つの駆動
    輪系に配分する駆動力配分装置において、上記回転駆動
    力を入力される入力部と、該入力部に入力された回転駆
    動力をクラッチ機構を介して入力され、上記の2つの駆
    動輪系へ差動を許容しつつ伝達する差動機構とをそな
    え、上記の2つの駆動輪系の各回転軸部分にそれぞれ遊
    星歯車機構が設けられて、これらの遊星歯車機構のサン
    ギアが上記の各回転軸部分に設置され、上記の各遊星歯
    車機構のリングギアがいずれも差動機構の入力部と一体
    回転するように設けられるとともにプラネタリギアのキ
    ャリアが上記差動機構の出力部と一体回転するように設
    けられて、上記の各キャリアと上記の入力部との間に係
    合時に各キャリアと入力部とを一体回転させうるクラッ
    チ機構がそれぞれ介装されていることを特徴とする、車
    両用駆動力配分装置。
JP3524292A 1992-02-21 1992-02-21 車両用駆動力配分装置 Withdrawn JPH05229361A (ja)

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