JPH05238282A - 車両用駆動力配分装置 - Google Patents

車両用駆動力配分装置

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JPH05238282A
JPH05238282A JP4160492A JP4160492A JPH05238282A JP H05238282 A JPH05238282 A JP H05238282A JP 4160492 A JP4160492 A JP 4160492A JP 4160492 A JP4160492 A JP 4160492A JP H05238282 A JPH05238282 A JP H05238282A
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JP
Japan
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planetary gear
gear mechanism
driving force
planetary
output shaft
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JP4160492A
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Inventor
Kaoru Sawase
薫 澤瀬
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Mitsubishi Motors Corp
Original Assignee
Mitsubishi Motors Corp
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Publication date
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  • Arrangement And Mounting Of Devices That Control Transmission Of Motive Force (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、車両用駆動力配分装置に関し、入
力された回転駆動力を可変配分できるようにすることを
目的とする。 【構成】 入力部3に入力される回転駆動力を2つの駆
動輪系7,8に配分する車両用駆動力配分装置におい
て、入力部3と駆動輪系7,8の間に2つの遊星歯車機
構1,2が介装され、駆動輪系7が遊星歯車機構1のサ
ンギア9に結合され、駆動輪系8が遊星歯車機構2のサ
ンギア13に結合され、遊星歯車機構1と遊星歯車機構
2とののリングギア12が結合され、遊星歯車機構1と
遊星歯車機構2とのキャリア11が結合され、リングギ
ア12がカップリング5を介して入力部3に結合されキ
ャリア11がカップリング4を介して入力部3に結合さ
れて、各カップリング4,5の係合状態を制御する制御
手段6を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、四輪駆動車等の車両に
おける前後輪への駆動力配分に用いて好適の、車両用駆
動力配分装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、四輪駆動車の開発が盛んに行なわ
れているが、前後輪間の駆動力配分を調整できるように
した、フルタイム四輪駆動方式のものの開発が種々行な
われている。このような前後輪間の駆動力配分を行なう
機構としては、前後輪への駆動力伝達経路に前後輪間に
生じる差動を許容する差動機構(センタデフ)を設け
て、このデフにその差動を制限できる差動制限機構(L
SD=リミデッドスリップデフ)を付設して駆動力配分
を行なう手段が開発されている。
【0003】また、左右輪間の差動機構(フロントデフ
あるいはリヤデフ)についてもセンタデフ同様、種々の
差動制限機構が開発されており、駆動力配分を可能にし
ている。このような前後輪間あるいは左右輪間の差動制
限機構には、前後輪(又は左右輪)の回転速度差に対応
するタイプのものや、入力されたトルク(回転駆動力)
に比例するタイプのものがある。
【0004】回転速度差対応タイプには、液体の粘性を
利用したVCU(ビスカスカップリングユニット)式L
SDやHCU(ハイドロリックカップリングユニット)
式LSDなどのものがあり、車両の走行安定性を向上し
うる利点がある。また、入力トルク比例タイプのものに
は、一般的な機械式LSDなどのフリクションタイプの
ものや、ウォームギアの摩擦抵抗を利用してトルクに感
応して制御するTORSEN(トルセン)式LSDなど
のメカニカルタイプのものがあり、車両の旋回性能の向
上やスタック脱出性能の確保や走破性の向上を実現でき
る等の利点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ような各差動制限機構は駆動力配分を積極的に調整する
ものではなく、入力された回転駆動力を任意に配分して
2本の駆動軸に出力できるものではなかった。本発明
は、上述の課題に鑑み創案されたもので、入力された回
転駆動力を積極的に可変配分できるようにした、車両用
駆動力配分装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】このため、本発明の車両
用駆動力配分装置は、エンジンからの回転駆動力を第1
の駆動輪系と第2の駆動輪系とに配分する車両用駆動力
配分装置において、回転駆動力を入力される入力部をそ
なえ、この入力部と上記第1の駆動輪系及び第2の駆動
輪系との間にそれぞれ第1の遊星歯車機構及び第2の遊
星歯車機構が介装され、上記第1の駆動輪系が上記第1
の遊星歯車機構のサンギアに結合されるとともに上記第
2の駆動輪系が上記第2の遊星歯車機構のサンギアに結
合され、上記第1の遊星歯車機構のリングギアが上記第
2の遊星歯車機構のリングギア又はキャリアに結合され
るとともに上記第1の遊星歯車機構のキャリアが上記第
2の遊星歯車機構のキャリア又はリングギアに結合さ
れ、上記第1の遊星歯車機構のリングギアがカップリン
グを介して上記入力部に結合されるとともに上記第1の
遊星歯車機構のキャリアがカップリングを介して上記入
力部に結合されて、上記の各カップリングの係合状態を
制御する制御手段が設けられていることを特徴としてい
る。
【0007】
【作用】上述の本発明の車両用駆動力配分装置では、エ
ンジンから入力部に入力された回転駆動力は、第1の遊
星歯車機構及び第2の遊星歯車機構に伝達された後、各
遊星歯車機構のリングギアおよびキャリアを介して第1
の駆動輪系と第2の駆動輪系へ伝達される。
【0008】このとき、第1の遊星歯車機構のリングギ
アと上記入力部との間に介装されたカップリングと、上
記第1の遊星歯車機構のキャリアと上記入力部との間に
介装されたカップリングとの係合状態が制御手段によっ
て制御されて、2つの駆動輪系へ駆動力が可変配分され
る。
【0009】
【実施例】以下、図面により、本発明の実施例について
説明すると、図1は本発明の第1実施例としての車両用
駆動力配分装置を示す模式的な構成図であり、図2は本
発明の第2実施例としての車両用駆動力配分装置を示す
模式的な構成図である。まず、第1実施例について説明
すると、この駆動力配分装置は、例えば、エンジン(図
示省略)からの回転駆動力を前後輪に配分する経路(例
えばプロペラシャフト)上に設けられて、前後輪側のそ
れぞれの駆動軸に対して駆動力配分ができるようになっ
ており、本装置は、第1の遊星歯車機構1,第2の遊星
歯車機構2,カップリング4,5およびこれらのカップ
リング4,5を制御する制御手段6により構成されてい
る。
【0010】ここで、本装置を用いた四輪駆動車の前後
輪側への駆動力伝達経路について説明すると、図1に示
すように自動車のエンジンからトランスミッション(図
示省略)等を介して出力された回転駆動力は、本装置の
入力部としての入力ギア3に入力されるようになってい
る。そして、この回転駆動力は入力ギア3から各遊星歯
車機構1,2と各カップリング4,5とを介して、第1
および第2の出力軸7,8とに伝達されるようになって
いる。ここで、第1の出力軸7は、第1の駆動輪系の回
転軸としてその端部を前輪の駆動系に連結され、第2の
出力軸8は、第2の駆動輪系の回転軸としてその端部を
後輪の駆動系に連結されている。
【0011】そして、本装置により、第1の出力軸7と
第2の出力軸8との差動を許容しながら第1の出力軸7
と第2の出力軸8とに伝達される回転駆動力を所定の比
率に配分できるようになっている。ここで、本装置にお
ける第1の遊星歯車機構1について説明すると、この第
1の遊星歯車機構1は、第1のサンギア9,第1のプラ
ネタリギア10,第1のプラネタリキャリア11および
リングギア12によって構成されている。
【0012】そして、第1のサンギア9は、第1の出力
軸7に固定されており、この第1の出力軸7を中心軸に
して回転するようになっている。また、第1のサンギア
9は、その外周において第1のプラネタリギア10に噛
合している。この第1のプラネタリギア10は、第1の
プラネタリキャリア11に自転可能に保持されている。
【0013】そして、第1のサンギア9および第1のプ
ラネタリギア10の外周にはリングギア12Aが設けら
れており、第1のプラネタリギア10は、リングギア1
2Aと噛合するようになっている。次に、第2の遊星歯
車機構2について説明すると、この第2の遊星歯車機構
2は、第2のサンギア13,第2のプラネタリギア14
A,第3のプラネタリギア14B,第2のプラネタリキ
ャリア16およびリングギア12Bによって構成されて
いる。
【0014】第2のサンギア13は、第1の遊星歯車機
構1と同様、第2の出力軸8に固定されており、この第
2の出力軸8を中心軸にして第2のサンギア13が回転
できるようになっている。また、第2のサンギア13
は、その外周において第2のプラネタリギア14Aに噛
合しており、さらに、第2のプラネタリギア14Aはそ
の外周において第3のプラネタリギア14Bに噛合して
いる。そして、この2つのプラネタリギア14A、14
Bは、第2のプラネタリキャリア16により自転可能に
保持されており、これにより、この第2の遊星歯車機構
2は、2つのプラネタリギア14A、14Bが自転しな
がら第2のサンギア13の外周を公転できる、いわゆる
ダブルピニオンギア機構になっている。
【0015】また、第3のプラネタリギア14Bは、リ
ングギア12Bに噛合するようになっている。そして、
リングギア12A,リングギア12Bは共通のドラムの
内周に一体回転するように形成されている。すなわち、
第1の遊星歯車機構1と第2の遊星歯車機構2とは、こ
のリングギア系(以下、単にリングギアという)12内
に並列に配置されているものである。
【0016】さらに、第1のプラネタリキャリア11と
第2プラネタリキャリア16とは一体回転するように結
合されている。また、第2プラネタリキャリア16に
は、2本の軸16A,16Bが有設けられており、これ
らの軸16A,16Bが2つのプラネタリギア14A、
14Bをそれぞれ枢支している。次に、本装置における
カップリング4,5について説明すると、これらのカッ
プリング4,5は入力ギア3の内側に設けられている。
そして、このカップリング4は、第1のプラネタリキャ
リア11と係合できるようになっており、また、カップ
リング5は、リングギア12に係合できるようになって
いる。
【0017】そして、これらのカップリング4,5を第
1のプラネタリキャリア11あるいはリングギア12に
係合させることにより、入力ギア3に伝達された回転駆
動力を第1のプラネタリキャリア11やリングギア12
に伝達することができるようになっている。また、これ
らのカップリング4,5は、制御手段6により制御され
るようになっている。ここで、制御手段6について説明
すると、本装置を搭載した車両には、図示しないが車速
や舵角等の運転状況や各車輪の回転状態等を検出するセ
ンサがそれぞれ設けられ、これらのセンサにより、制御
手段6に車両の運転状態が入力されるようになってい
る。そして、マイクロコンピュータ等を用いて、その状
態に適した指令信号が制御手段6において設定された
後、これら2つのカップリング4,5にこの指令信号が
送られて、各カップリング4,5は、それぞれ独立して
制御されるようになっている。
【0018】そして、この制御手段6と各カップリング
4,5の作動により、入力ギア3に伝達された回転駆動
力は、その伝達経路の相違によって第1の出力軸7と第
2の出力軸8への回転駆動力を可変配分できるようにな
っている。すなわち、2つのカップリング4,5のう
ち、どのカップリングを用いて入力された回転駆動力を
伝達するかにより、第1の出力軸7と第2の出力軸8へ
配分される回転駆動力の比が変化するようになってい
る。
【0019】本発明の第1実施例としての駆動力配分装
置は、上述のように構成されているので、制御手段6に
送られた指令信号に応じて各カップリング4,5が制御
されて、入力された回転駆動力を可変配分して第1の出
力軸7と第2の出力軸8へ出力することができる。ここ
で、本装置の動作について説明すると、各カップリング
4,5の係合状態の組み合わせにより、表1に示す4通
りの動作が考えられる。
【0020】
【表1】
【0021】表1における●はロック状態(カップリン
グが係合している状態)を示し、○はフリー状態(カッ
プリングが係合していない状態)を示している。まず、
第1の状態として各カップリング4,5が両方ともロッ
ク状態のときの本装置の動作について説明すると、この
とき、プラネタリキャリア11,16は、カップリング
4により入力ギア3に固定されるので入力ギア3と一体
になる。また、リングギア12もカップリング5により
入力ギア3に固定されるので、これにより、入力ギア
3,プラネタリキャリア11,16およびリングギア1
2が一体化する。
【0022】したがって、入力ギア3に入力された回転
駆動力により、第1の遊星歯車機構1と第2の遊星歯車
機構2とが一体となって回転し、第1の出力軸7と第2
の出力軸8とに駆動力が配分される。また、この状態に
おいては2つの出力軸7,8の差動は吸収されないの
で、これら2つの出力軸7,8の回転数は常に等しく、
駆動力は50:50に配分される。さらに、片側の出力
軸が空転しても他の出力軸へ駆動力を伝達することがで
きる。
【0023】次に、第2の状態として各カップリング
4,5が両方ともフリーの状態のときの本装置の動作に
ついて説明すると、このとき、カップリング4,5は、
プラネタリキャリア11,16およびリングギア12の
どちらとも係合していないので、入力ギア3に入力され
た回転駆動力は、第1の遊星歯車機構1と第2の遊星歯
車機構2のどちらにも伝達されず、入力ギア3のみが回
転して、第1の出力軸7および第2の出力軸8への回転
駆動力は遮断される。
【0024】そして、第3の状態としてカップリング4
がフリーの状態で、カップリング5がロック状態のとき
の本装置の動作について説明すると、このとき、入力ギ
ア3に入力された回転駆動力は、リングギア12を介し
て第1の遊星歯車機構1と第2の遊星歯車機構2とに伝
達される。そして、第1の出力軸7と第2の出力軸8の
回転数が等しいときは、2組の遊星歯車機構1,2が一
体になって回転駆動され2つの出力軸7,8へ駆動力が
伝達される。
【0025】一方、第1の出力軸7と第2の出力軸8と
に対する負荷が異なるときは、リングギア12に入力さ
れた回転駆動力により、プラネタリキャリア11,16
に支持された各プラネタリギア10,14A,14Bが
自転運動を行ないながら第1のプラネタリキャリア1
1,16がリングギア12に対して相対的に回転して、
第1の出力軸7と第2の出力軸8とに回転駆動力が伝達
される。
【0026】このとき、第1の遊星歯車機構1がシング
ルピニオン式の遊星歯車機構であるのに対し、第2の遊
星歯車機構2がダブルピニオン式の遊星歯車機構である
ため、プラネタリギア10とプラネタリギア14Aが互
いに逆転し、2つの出力軸7,8が互いに逆向きに回転
駆動される。また、第1および第2の遊星歯車機構1,
2全体の系に着目すると、入力ギア3によって入力され
る回転駆動力により2つの出力軸7,8を含む上記2組
の遊星歯車機構1,2が一体となって回転運動してい
る。
【0027】したがって、2組の遊星歯車機構1,2の
回転系の中で、各プラネタリギア10,14A,14B
が自転しつつ公転することにより、2つの出力軸7,8
の回転差が吸収される。このとき、2つの出力軸7,8
へ回転駆動力は例えば50:50に配分される。最後
に、第4の状態としてカップリング4がロック状態で、
カップリング5がフリー状態のときの本装置の動作につ
いて説明すると、このとき、入力ギア3に入力された回
転駆動力は、第1のプラネタリキャリア11及び第2の
プラネタリキャリア16を介して第1の遊星歯車機構1
と第2の遊星歯車機構2とに伝達される。そして、第1
の出力軸7と第2の出力軸8の回転数が等しいときは、
2組の遊星歯車機構1,2が一体になって回転駆動され
2つの出力軸7,8へ駆動力が伝達される。
【0028】一方、第1の出力軸7と第2の出力軸8と
に対する負荷が異なるときは、プラネタリキャリア1
1,16に入力された回転駆動力により、プラネタリキ
ャリア11,16が2つの出力軸7,8に対して公転す
る。これにより、プラネタリキャリア11に支持された
各プラネタリギア10,14A,14Bが自転運動を行
ないながらプラネタリキャリア11,16がリングギア
12に対して相対的に回転して、第1の出力軸7と第2
の出力軸8とに回転駆動力が伝達される。
【0029】このとき、第3の状態で説明したように、
2組の遊星歯車機構1,2の回転系に対してプラネタリ
キャリア11,16が回転すると、プラネタリギア10
とプラネタリギア14Aが互いに逆転し、2つの出力軸
7,8が互いに逆向きに回転駆動される。したがって、
2組の遊星歯車機構1,2が回転しつつ、各プラネタリ
ギア10,14A,14Bが自転しつつ公転することに
より、2つの出力軸7,8の回転差が吸収され、2つの
出力軸7,8へ回転駆動力が配分される。また、2組の
遊星歯車機構1,2における各ギアのギア比を適度に設
定することにより、2つの出力軸7,8への回転駆動力
を例えば25:75に設定することができる。
【0030】また、上述の2つのカップリング4,5を
適度に滑らせながら係合させることにより、本装置にL
SD(=リミデッドスリップデフ)としての効果をもた
せることができる。これは、LSDが必要と判断される
状況を予め制御手段6にインプットしておき、制御手段
6に設けられた各センサの検出信号に基づいて車両の状
態に適した指令信号をカップリング4,5に送ることに
より実現される。
【0031】このようにして、第1実施例における本装
置では、2つのカップリング4,5を制御することによ
り、入力された回転駆動力を直結での駆動軸に伝達した
り、あるいは遮断したりすることができるうえ、入力さ
れた回転駆動力を2本の駆動軸に所定の比率に2通りに
配分することができるので、例えば、四輪駆動車の前後
輪の駆動力の配分装置に用いて、前後輪の駆動力を積極
的に制御することによって、車両の走行安定性や走破性
等を高めることができる。
【0032】また、この第1実施例では、本発明の車両
用駆動力配分装置を四輪駆動車の前後輪の駆動力配分装
置として説明しているが、本装置は、例えば自動車等に
おける左右輪への駆動力配分装置に用いても良く、本装
置を四輪駆動車の前後輪間,前輪側左右輪間および後輪
側左右輪間の3箇所に、それぞれ駆動力配分機構として
用いることにより、四輪の駆動力配分を独立して調整す
ることも可能である。
【0033】また、本装置にLSD(=リミデッドスリ
ップデフ)としての効果をもたせることにより、高度な
運転技術を必要としなくても走破性を高めて、快適に車
両を走行させることができる。次に、第2実施例につい
て説明すると、この駆動力配分装置は、第1の遊星歯車
機構1および第2の遊星歯車機構2の構成とこれらの遊
星歯車機構1,2の関係が第1実施例のものと異なって
いる。
【0034】本実施例における第1の遊星歯車機構1お
よび第2の遊星歯車機構2の構成は、図2に示すよう
に、共にシングルピニオン式の遊星歯車機構であってほ
ぼ同様に構成されている。そして、本実施例の車両用駆
動力配分装置では、第1の遊星歯車機構1におけるプラ
ネタリキャリア11が第2の遊星歯車機構2に設けられ
たリングギア12Bに固定されている。ここで、このプ
ラネタリキャリア11は、第1のプラネタリギア10を
回転可能に支持している。
【0035】これによって、リングギア12Bが回転す
るとプラネタリキャリア11も一体となって回転して第
1のプラネタリギア10が第1の出力軸7廻りに回転す
るようになっている。また、第2の遊星歯車機構2側で
は、このリングギア12Bと第2のサンギア13との間
に第2のプラネタリギア14Cが噛合しており、本実施
例の第2の遊星歯車機構2は、リングギア12B,第2
のプラネタリギア14Cおよび第2のサンギア13によ
って構成されるシングルピニオン式の遊星歯車機構にな
っている。
【0036】そして、この第2のプラネタリギア14C
を回転可能に支持している第2のプラネタリキャリア1
5は、第1の遊星歯車機構1に設けられたリングギア1
2Aに固定されている。これによって、リングギア12
Aが回転すると第2のプラネタリキャリア15も一体と
なって回転して第2のプラネタリギア14Cが第2の出
力軸8廻りに回転するようになっている。
【0037】また、入力ギア3の内側には第1実施例と
同様にカップリング4,5が設けられており、これらの
カップリング4,5は、それぞれ第1のプラネタリキャ
リア11,リングギア12Aに係合できるようになって
いる。そして、これらのカップリング4,5を第1のプ
ラネタリキャリア11あるいはリングギア12Aに係合
させることにより、入力ギア3に伝達された回転駆動力
を第1のプラネタリキャリア11やリングギア12Aに
伝達することができるようになっている。
【0038】また、これらのカップリング4,5を制御
する制御手段6も設けられているが、本実施例の制御手
段6は第1実施例と同一のものであり、ここでは説明を
省略する。そして、この制御手段6と各カップリング
4,5の作用により、入力ギア3に伝達された回転駆動
力は、その伝達経路の相違によって第1の出力軸7と第
2の出力軸8への回転駆動力を可変配分できるようにな
っている。
【0039】すなわち、2つのカップリング4,5のう
ち、どのカップリングを用いて回転駆動力を伝達するか
により、第1の出力軸7と第2の出力軸8へ配分される
回転駆動力の比が変化するようになっている。本発明の
第2実施例としての駆動力配分装置は、上述のように構
成されているので、制御手段6に送られた指令信号に応
じて各カップリング4,5が制御されて、入力された回
転駆動力を可変配分して第1の出力軸7と第2の出力軸
8へ出力することができる。
【0040】ここで、本装置の動作について説明する
と、各カップリング4,5の係合状態の組み合わせによ
り、前述の表1に示す4通りの動作が考えられる。ま
ず、第1の状態として各カップリング4,5が両方とも
ロック状態のときの本装置の動作について説明すると、
このとき、第1のプラネタリキャリア11は、カップリ
ング4により入力ギア3に固定され、リングギア12A
は、カップリング5により入力ギア3に固定される。こ
れにより、2つのプラネタリギア10,14Cは拘束さ
れて自転できなくなり、入力ギア3に回転駆動力が入力
されると第1の遊星歯車機構1と第2の遊星歯車機構2
とが一体となって回転し、第1の出力軸7と第2の出力
軸8とに駆動力が配分される。
【0041】また、この状態においては、第1のプラネ
タリキャリア11および第2のプラネタリキャリア15
も入力ギア3に対して固定された状態となるので、2つ
の出力軸7,8の差動は許容されなくなる。したがっ
て、これら2つの出力軸7,8の回転数は常に等しくな
り、片側の出力軸が空転しても他の出力軸へ駆動力を伝
達することができる。また、2つの出力軸7,8へ伝達
された駆動力は50:50に配分される。
【0042】次に、第2の状態として各カップリング
4,5が両方ともフリーの状態のときの本装置の動作に
ついて説明すると、このとき、カップリング4,5は、
第1のプラネタリキャリア11およびリングギア12A
のどちらとも係合していないので、入力ギア3に入力さ
れた回転駆動力は、第1の遊星歯車機構1と第2の遊星
歯車機構2のどちらにも伝達されず、入力ギア3のみが
回転する。したがって、第1の出力軸7および第2の出
力軸8のどちらの出力軸も駆動されず、回転駆動力は遮
断される。
【0043】そして、第3の状態としてカップリング4
がフリーの状態で、カップリング5がロック状態のとき
の本装置の動作について説明すると、このとき、入力ギ
ア3に入力された回転駆動力は、リングギア12Aと第
2のプラネタリキャリア15とを介して第1の遊星歯車
機構1と第2の遊星歯車機構2とに伝達される。このと
き、第1の遊星歯車機構1は、リングギア12Aを入力
部として回転駆動力を入力され、一方、第2の遊星歯車
機構2は、リングギア12Aに固定された第2のプラネ
タリキャリア15を入力部として回転駆動力を入力され
る。
【0044】そして、第1の出力軸7と第2の出力軸8
とに対する負荷が等しいときは、第1の遊星歯車機構1
と第2の遊星歯車機構2が一体になって回転駆動され、
2つの出力軸7,8へ駆動力が伝達される。一方、第1
の出力軸7と第2の出力軸8とに対する負荷が異なると
きは、上記第1および第2の遊星歯車機構1,2が差動
機構として作用し、第1の出力軸7と第2の出力軸8と
の間の回転差は吸収される。
【0045】この時、第1の遊星歯車機構1および第2
の遊星歯車機構2の動作を説明すると以下のようにな
る。まず、カップリング5を通じて回転駆動力を入力さ
れる第2のプラネタリキャリア15を基準に考える。こ
の時、第2のプラネタリギア14Cが自転すると、第2
のサンギア13がリングギア12Bと逆方向に回転駆動
され、この回転駆動力が第2の出力軸8に伝達される。
【0046】一方、この第2のプラネタリギア14Cに
自転によってリングギア12Bが回転すると、リングギ
ア12Bに固定された第1のプラネタリキャリア11も
一体回転する。この時、回転駆動力を入力されるリング
ギア12Aを基準に考えると、第1のプラネタリキャリ
ア11の回転に伴って、この第1のプラネタリキャリア
11に支持された第1のプラネタリギア10が公転し
て、第1のサンギア9を第1のプラネタリキャリア11
と同方向に回転駆動する。そして、この回転駆動力が第
1の出力軸7に伝達される。
【0047】したがって、第1の遊星歯車機構1および
第2の遊星歯車機構2の回転系に対して、第1の出力軸
7と第2の出力軸8とは逆方向に回転駆動される。これ
により、第1の出力軸7と第2の出力軸8との差動が許
容される。このとき、第1の遊星歯車機構1および第2
の遊星歯車機構2における、各ギアのギア比を適度に設
定することにより、第1の出力軸7と第2の出力軸8と
の駆動力配分を例えば、70:30にすることができ
る。
【0048】最後に、第4の状態として、カップリング
4がロック状態でカップリング5がフリー状態のときの
本装置の動作について説明すると、このとき、入力ギア
3に入力された回転駆動力は、第1のプラネタリキャリ
ア11を介して第1の遊星歯車機構1と第2の遊星歯車
機構2とに伝達される。そして、第1の遊星歯車機構1
は、第1のプラネタリキャリア11を入力部として回転
駆動力を入力され、一方、第2の遊星歯車機構2は、第
1のプラネタリキャリア11に固定されたリングギア1
2Bを入力部として回転駆動力を入力される。
【0049】ここで、第1の出力軸7と第2の出力軸8
とに対する負荷が等しいときは、上述の第3の状態と同
様に、第1の遊星歯車機構1と第2の遊星歯車機構2が
一体になって回転駆動され、2つの出力軸7,8へ駆動
力が伝達される。一方、第1の出力軸7と第2の出力軸
8とに対する負荷が異なるときは、上記第1および第2
の遊星歯車機構1,2が差動機構として作用し、第1の
出力軸7と第2の出力軸8との間の回転差は吸収され
る。
【0050】この時、第1の遊星歯車機構1および第2
の遊星歯車機構2の動作を説明すると以下のようにな
る。まず、カップリング4を通じて回転駆動力を入力さ
れる第1のプラネタリキャリア11を基準に考える。こ
の時、第1のプラネタリギア10が自転すると、第1の
サンギア9がリングギア12Aと逆方向に回転駆動さ
れ、この回転駆動力が第1の出力軸7に伝達される。
【0051】一方、リングギア12Aが回転すると、リ
ングギア12Aに固定された第2のプラネタリキャリア
15も一体回転する。この時、第1の遊星歯車機構1と
同様に、リングギア12Bを基準に考えると、リングギ
ア12Bは、第1のプラネタリキャリア11に固定され
ているので、カップリング4を通じて回転駆動力が入力
される。
【0052】また、第2のプラネタリキャリア15の回
転に伴って、この第2のプラネタリキャリア15に支持
された第2のプラネタリギア14Cが公転して、第2の
サンギア13を第2のプラネタリキャリア15と同方向
に回転駆動する。そして、この回転駆動力が第2の出力
軸8に伝達される。したがって、第1の遊星歯車機構1
および第2の遊星歯車機構2の回転系に対して、第1の
出力軸7と第2の出力軸8とは逆方向に回転駆動され
る。これにより、2つの出力軸7,との差動が許容され
る。
【0053】このとき、第1の遊星歯車機構1および第
2の遊星歯車機構2における駆動力配分は、例えば、上
述の第3の状態において70:30であれば、この第4
の状態においては30:70となる。また、第1実施例
と同様に、上述の2つのカップリング4,5を適度に滑
らせながら係合させることにより、本装置にLSD(=
リミデッドスリップデフ)としての効果をもたせること
ができる。
【0054】このようにして、第2実施例における本装
置は、第1実施例と同様の効果を得られることができ、
例えば、四輪駆動車の前後輪の駆動力の配分装置に用い
て、前後輪の駆動力を積極的に制御することによって、
車両の走行安定性や走破性等を高めることができる。ま
た、本装置を四輪駆動車の前後輪間,前輪側左右輪間お
よび後輪側左右輪間の3箇所に、それぞれ駆動力配分機
構として用いることにより、四輪の駆動力配分を独立し
て調整することも可能である。
【0055】さらに、本装置にLSD(=リミデッドス
リップデフ)としての効果をもたせることにより、高度
な運転技術を必要としなくても走破性を高めて、快適に
車両を走行させることができる。
【0056】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の車両用駆
動力配分装置によれば、エンジンからの回転駆動力を第
1の駆動輪系と第2の駆動輪系とに配分する車両用駆動
力配分装置において、回転駆動力を入力される入力部を
そなえ、この入力部と上記第1の駆動輪系及び第2の駆
動輪系との間にそれぞれ第1の遊星歯車機構及び第2の
遊星歯車機構が介装され、上記第1の駆動輪系が上記第
1の遊星歯車機構のサンギアに結合されるとともに上記
第2の駆動輪系が上記第2の遊星歯車機構のサンギアに
結合され、上記第1の遊星歯車機構のリングギアが上記
第2の遊星歯車機構のリングギア又はキャリアに結合さ
れるとともに上記第1の遊星歯車機構のキャリアが上記
第2の遊星歯車機構のキャリア又はリングギアに結合さ
れ、上記第1の遊星歯車機構のリングギアがカップリン
グを介して上記入力部に結合されるとともに上記第1の
遊星歯車機構のキャリアがカップリングを介して上記入
力部に結合されて、上記の各カップリングの係合状態を
制御する制御手段が設けられているという構成により、
入力部に入力された回転駆動力を任意に可変配分して2
本の駆動軸に出力することができる。また、本装置を四
輪駆動車における前後輪への駆動力配分装置に用いるこ
とにより、前後輪の駆動力配分を積極的に制御すること
ができ、車両の走行安定性や走破性等を高めることがで
きる。
【0057】また、本装置の各カップリングの係合状態
を適当に制御できるように設定することにより、本装置
をリミデッドスリップデフとして作用させることがで
き、これにより、車両の安全性をより高めることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例としての車両用駆動力配分
装置を示す模式的な構成図である。
【図2】本発明の第2実施例としての車両用駆動力配分
装置を示す模式的な構成図である。
【符号の説明】
1 第1の遊星歯車機構 2 第2の遊星歯車機構 3 入力ギア 4,5 カップリング 6 制御手段 7 第1の出力軸 8 第2の出力軸 9 第1のサンギア 10 第1のプラネタリギア 11 第1のプラネタリキャリア 12,12A,12B リングギア 13 第2のサンギア 14A 第2のプラネタリギア 14B 第3のプラネタリギア 14C 第2のプラネタリギア 15 第2のプラネタリキャリア 16 第2のプラネタリキャリア 16A,16B 軸

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンからの回転駆動力を第1の駆動
    輪系と第2の駆動輪系とに配分する車両用駆動力配分装
    置において、回転駆動力を入力される入力部をそなえ、
    この入力部と上記第1の駆動輪系及び第2の駆動輪系と
    の間にそれぞれ第1の遊星歯車機構及び第2の遊星歯車
    機構が介装され、上記第1の駆動輪系が上記第1の遊星
    歯車機構のサンギアに結合されるとともに上記第2の駆
    動輪系が上記第2の遊星歯車機構のサンギアに結合さ
    れ、上記第1の遊星歯車機構のリングギアが上記第2の
    遊星歯車機構のリングギア又はキャリアに結合されると
    ともに上記第1の遊星歯車機構のキャリアが上記第2の
    遊星歯車機構のキャリア又はリングギアに結合され、上
    記第1の遊星歯車機構のリングギアがカップリングを介
    して上記入力部に結合されるとともに上記第1の遊星歯
    車機構のキャリアがカップリングを介して上記入力部に
    結合されて、上記の各カップリングの係合状態を制御す
    る制御手段が設けられていることを特徴とする、車両用
    駆動力配分装置。
JP4160492A 1992-02-27 1992-02-27 車両用駆動力配分装置 Withdrawn JPH05238282A (ja)

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