JPH0522807A - 磁気浮上式鉄道の軌道分岐装置 - Google Patents

磁気浮上式鉄道の軌道分岐装置

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JPH0522807A
JPH0522807A JP16960791A JP16960791A JPH0522807A JP H0522807 A JPH0522807 A JP H0522807A JP 16960791 A JP16960791 A JP 16960791A JP 16960791 A JP16960791 A JP 16960791A JP H0522807 A JPH0522807 A JP H0522807A
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Seiji Numata
征司 沼田
Fumio Iida
文雄 飯田
Koji Kobayashi
孝司 小林
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Abstract

(57)【要約】 【構成】軌道分岐装置1は本線軌道2及び分岐軌道3の
ある区間からなり、軌道分岐装置1は本線軌道2′及び
分岐軌道3′と連続している。軌道分岐装置1の分岐軌
道3の入口を横切る本線軌道側壁4を可動とし、可動側
壁4の両側に浮上案内コイル7及び推進コイルを取付
け、可動側壁4の下部に側壁支持物5を可動側壁4と一
体物として設け、可動側壁4の端部6を支点として周方
向に移動して本線軌道2及び分岐軌道3の側壁を形成
し、車両を高速で浮上走行させる。 【効果】可動側壁を移動するだけで軌道分岐装置の本線
軌道及び分岐軌道を形成することができ、車両を容易に
迅速で、かつ、安全に案内することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は磁気浮上式鉄道の軌道分
岐装置に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気浮上式鉄道における従来の軌道分岐
装置は、特公平2−35801号公報に示されている装置が考
えられている。すなわち、従来の軌道分岐装置は、本線
軌道から分岐軌道へ分岐する部分を一体物の可動軌道と
し、これを機械的に移動させて本線軌道及び分岐軌道の
固定軌道に接続する大がかりな装置である。また、本線
軌道の上側に開口部を有する分岐軌道を設け、車両が分
岐軌道を通るときは開口部に分岐軌道の両側壁から可動
走行路が機械的に出て、この可動走行路上を車輪走行す
る軌道分岐装置が考えられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のような
軌道分岐装置では可動軌道が非常に大型であるため迅速
な移動が困難であり、固定軌道と可動軌道との接続部分
の段差など安全運行に問題があった。また、非常に大型
であるため設備費が高く、可動軌道の移動に大電力を必
要とするなど不経済であった。このようなことから、容
易で迅速に分岐ができて安全性の得られる経済的な軌道
分岐装置の開発が求められていた。
【0004】本発明の目的は、軌道分岐装置の軌道側壁
のみを機械的に移動して軌道分岐装置の本線軌道及び分
岐軌道を形成し、車両を容易で迅速に、しかも、安全に
案内できる経済的な軌道分岐装置を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の軌道分岐装置は、本線軌道及び分岐軌道と
連続しており、本線軌道から分岐軌道に分岐する部分の
軌道側壁のみを移動して軌道分岐装置の本線軌道及び分
岐軌道を形成した。
【0006】第一手段として、分岐軌道の入口を横切る
本線軌道の側壁を切り離して可動側壁とし、この可動側
壁の両側に浮上案内コイル及び推進コイルを取付けて、
可動側壁の端部を支点として本線軌道上を移動させ、軌
道分岐装置の本線軌道及び分岐軌道を形成するようにし
た。
【0007】第二の手段として、軌道分岐装置の分岐軌
道の入口を横切る本線軌道の側壁を土台とも一緒に切り
離し、この切り離した側壁を駆動装置を用いて機械的に
上・下に移動するようにした。また、分岐軌道側壁の延
長線上でかつ本線軌道を横切る部分の本線軌道土台を切
り抜いて、ここに分岐軌道の側壁を土台と一体物にして
置き、駆動装置で機械的に上・下させて軌道分岐装置の
本線軌道及び分岐軌道を形成するようにした。
【0008】第三の手段として、分岐軌道の入口を横切
る本線軌道側壁のみを上・下に移動して該装置の本線軌
道側壁を形成すると共に、分岐軌道に車両が進入できる
ようにした。分岐軌道の入口附近では軌道側壁が片側だ
けにしかないので、この片側側壁に浮上案内コイルを取
付けると車両は、反発されて軌道から外れてしまう。そ
こで本発明では、分岐軌道入口附近の軌道側壁に推進コ
イルのみを取付け、車両搭載の超電導コイルと推進コイ
ルとの間で発生する吸引力と推進力によって車両を分岐
軌道に案内し、車輪走行させるようにした。
【0009】また、軌道分岐装置の本線軌道から分岐軌
道のある区間にわたって、車両を案内するための閉回路
の案内コイルを軌道の土台に埋設し、路面に走行車輪用
溝を設けた。
【0010】更に、軌道の側壁は平坦でないので、車両
の台車側面に取付けた案内車輪が走行のできるレールを
分岐軌道の片側側壁に設けた。
【0011】
【作用】前述の第一及び第二の手段のように軌道分岐装
置の軌道側壁を機械的に移動することにより、浮上案内
コイル及び推進コイルを取付けた両側壁のある本線軌道
及び分岐軌道が形成されるので、車両は軌道分岐装置と
連続している本線軌道及び分岐軌道を走行する場合と同
様に高速で浮上走行ができる。ここで、軌道の両側壁に
取付けた浮上案内コイルは車両搭載の超電導コイルが発
生する磁束によって車両を浮上及び案内する反発電磁力
を誘起し、推進コイルは交流励磁することにより車両の
速度と同期して極性が変わり、車両の超電導コイルとの
間で推進力を発生する作用をする。
【0012】前述の第三の手段は、軌道分岐装置の本線
軌道だけは両側壁を設けて車両を高速で浮上走行させ、
また分岐軌道を走行する場合は分岐軌道入口を横切る本
線軌道側壁を機械的に路面まで下げて車両が分岐軌道に
進入できるようにし、分岐軌道の片側側壁に取付けた推
進コイルと車両の超電導コイルとの間で発生する吸引力
及び推進力,軌道土台に埋設した案内コイルの反発電磁
力及び路面に設けた走行車輪用溝によって車両を分岐軌
道に車輪走行で案内する。また、分岐軌道の側壁に取付
けたレールは、側壁面を平坦にして車両の台車側面に取
付けた案内車輪がスムーズに走行できるようにするとと
もに、軌道側壁の摩耗を防ぐ働きがある。
【0013】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1ないし図8によ
り説明する。
【0014】図1は本発明の第一の実施例で、側壁浮上
型の磁気浮上式鉄道における軌道分岐装置1の平面図で
ある。軌道分岐装置1は本線軌道2から分岐軌道3に分
岐する所のある区間から構成され、軌道の両側壁に浮上
案内コイル及び推進コイルを取付けた本線軌道2′及び
分岐軌道3′と連続している。そして軌道分岐装置1は
分岐軌道3の入口を横切る本線軌道側壁4を軌道土台か
ら切り離し、側壁4の下部に鉄筋コンクリートの側壁支
持物5を一体物に取付けこれを可動とした。可動側壁4
は端部6を支点として本線軌道2上を周方向に移動し
て、本線軌道2及び分岐軌道3の側壁を形成した。
【0015】図2に図1のII−II線に沿う断面を示す。
図は軌道分岐装置1の本線軌道2を形成した状態を示
す。可動側壁4は両側に浮上案内コイル7a,7b及び
推進コイル8a,8bが取付けられており、この側壁4
の下部に鉄筋コンクリート製の側壁支持物5が側壁4と
一体物となって設けられている。そして側壁支持物5に
は車輪9及び駆動機10が取付けられている。軌道分岐
装置の軌道土台11には側壁支持物5の通る溝12が設
けられており、側壁支持物5に取付けた車輪9が駆動機
10によって駆動されることにより、可動側壁4が移動
して本線軌道及び分岐軌道を形成する。軌道に溝12を
設けたので段差が生じないようにするために、溝12に
は常に側壁支持物5が入っているようにした。
【0016】図3は可動側壁4を移動して分岐軌道3を
形成したときの平面図である。可動側壁4の移動は前記
と同様にして行う。
【0017】図4は図3のIV−IV線に沿う断面を示す。
図は軌道分岐装置の分岐軌道3を車両14が高速で浮上
走行している状態を示している。ここで車両14の構成
について説明する。車両14は車体15を支持した台車
16に浮上力,案内力及び推進力を発生させるための超
電導コイル17a,17bが取付けられており、走行車
輪18a,18b及び案内車輪19a,19bが装着さ
れている。図のように軌道の両側壁に浮上案内コイル7
b及び推進コイル8bが取付けられている場合は、車両
14が搭載している超電導コイル17a,17bの発生
磁束が浮上案内コイル7b及び推進コイル8bと鎖交
し、浮上案内コイル7bには反発電磁力が誘起され、ま
た、推進コイル8bは車両14の速度と同期して推進力
を発生するので、車両は高速で浮上走行することができ
る。
【0018】図5は本発明の第二の実施例で、軌道分岐
装置1の分岐軌道3の入口を横切る本線軌道側壁20及
び本線軌道2を横切る分岐軌道側壁21を機械的に上・
下して、本線軌道及び分岐軌道を形成する平面図であ
る。本線軌道2を形成するときは本線軌道側壁20を片
側の側壁高さまで上げ、分岐軌道側壁21を路面13ま
で下げる。また、分岐軌道3を形成するときは、上記と
同様にして分岐軌道側壁21を上げ、本線軌道側壁20
を下げる。
【0019】図6は図5のVI−VI線に沿う断面を示す。
図は駆動装置22を用いて軌道側壁を機械的に上・下さ
せ、両側壁のある分岐軌道3を形成して車両14が高速
で浮上走行している状態を示している。軌道の側壁には
浮上案内コイル7b及び推進コイル8bが取付けられて
いるので、図4の場合と同様に高速で浮上走行すること
ができる。
【0020】図7は本発明の第三の実施例で、分岐軌道
3の入口を横切る本線軌道側壁20を軌道から切り離し
て可動とし、これを機械的に上・下させて本線軌道2及
び分岐軌道3を形成する平面図である。軌道分岐装置1
の本線軌道2及び分岐軌道3の土台11には車両を分岐
軌道3に案内するための閉回路の案内コイル23を埋設
し、さらに軌道分岐装置1の本線軌道2から分岐軌道3
のある区間にわたって走行車輪用溝24を設けた。ま
た、分岐軌道3の入口附近から分岐軌道3のある区間に
わたる片側の分岐軌道側壁25に対して推進コイル8b
のみを取付け、車両搭載の超電導コイルと推進コイルと
の間で発生する吸引力と推進力によって車両を分岐軌道
3に案内し、車輪走行をできるようにした。
【0021】図8は図7のVIII−VIII線に沿う断面を示
す。図は分岐軌道の入口を横切る本線軌道側壁20を駆
動装置22を用いて路面13まで下げ、分岐軌道3に車
両14が進入している状態を示している。分岐軌道側壁
25には推進コイル8bのみが取付けられており、車両
14の超電導コイル17bの発生する磁束が推進コイル
8bと鎖交するので、車両14の速度と同期して極性の
変わる推進コイル8との間で吸引力と推進力が発生し、
車両14は分岐軌道側壁25に取り付けられたレール2
6の上を案内車輪19bが押し付けた状態で走行する。
軌道の土台11には車両14が分岐軌道側壁25に沿っ
た状態で走行するように走行車輪用溝24が設けられて
いる。また、車両14が分岐軌道側壁25に沿って走行
している状態で、案内コイル23a,23bは車両搭載
の超電導コイル17a,17bが発生する磁束によって反
発電磁力が誘起され、その反発電磁力は分岐軌道側壁2
5に向うように埋設する。このように軌道分岐装置1の
本線軌道2及び分岐軌道3の土台11に案内コイル23
及び走行車輪用溝24を設けることによって、車両14
の分岐軌道3への案内が確実に行われるようになる。
【0022】車両14が本線軌道2を走行する場合は、
駆動装置22によって本線軌道側壁20を他方の本線軌
道側壁の高さまで上げて本線軌道2を形成する。この本
線軌道2の両側壁には浮上案内コイル7a及び推進コイ
ル8aが取付けられているので、高速で浮上走行するこ
とができる。
【0023】
【発明の効果】本発明によれば、軌道分岐装置の本線軌
道及び分岐軌道の可動側壁と機械的に移動して、軌道分
岐装置と連続している本線軌道及び分岐軌道と同様の軌
道側壁を設けたので、車両は軌道分岐装置を高速で浮上
走行することができる。また、軌道分岐装置の本線軌道
の可動側壁を機械的に上・下させて本線軌道及び分岐軌
道を形成したので、車両は両側壁のある本線軌道を高速
で浮上走行できる。分岐軌道は入口附近が片側側壁なの
で、この片側側壁に推進コイルのみを取付け、分岐軌道
入口附近の軌道土台に案内コイル及び走行車輪用溝を設
けたので、分岐軌道への車両進入は推進コイルと超電導
コイルとの間で発生する吸引力及び推進力によって行う
ことができ、案内コイル及び走行車輪用溝によって車両
の案内を確実に行うことができる。
【0024】したがって、軌道分岐装置は従来の軌道分
岐装置のような大がかりな装置とならず、軌道側壁の移
動は容易にできる。これによって車両の軌道変更は容易
で迅速にしかも安全にでき、かつ設備が大がかりなもの
とならないので経済的な軌道分岐装置を提供することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施例である軌道分岐装置の本
線軌道の形成を示す平面図。
【図2】図1のII−II線に沿う断面図。
【図3】本発明の第一の実施例である軌道分岐装置の分
岐軌道の形成を示す平面図。
【図4】図3のIV−IV線に沿う断面図。
【図5】本発明の第二の実施例である軌道分岐装置の平
面図。
【図6】図5のVI−VI線に沿う断面図。
【図7】本発明の第三の実施例である軌道分岐装置の平
面図。
【図8】図7のVIII−VIII線に沿う断面図。
【符号の説明】
1…軌道分岐装置、2…本線軌道、3…分岐軌道、4…
可動側壁、5…側壁支持物、7a,7b…浮上案内コイ
ル、8a,8b…推進コイル。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】軌道の側壁に浮上案内コイルと推進コイル
    を取付けた側壁浮上型の磁気浮上式鉄道の軌道分岐装置
    において、前記軌道分岐装置は本線軌道から分岐軌道に
    分岐する部分からなり、この部分の軌道を横切る軌道側
    壁を可動とし、この側壁を機械的に移動させて前記軌道
    分岐装置の本線軌道及び分岐軌道の側壁を形成すること
    を特徴とする磁気浮上式鉄道の軌道分岐装置。
  2. 【請求項2】請求項1において、移動する前記軌道側壁
    の両側に浮上案内コイル及び推進コイルを取付け、前記
    軌道側壁を端部支点で本線軌道上を周方向に移動させ
    て、前記軌道分岐装置の前記本線軌道及び分岐軌道の側
    壁を形成する磁気浮上式鉄道の軌道分岐装置。
  3. 【請求項3】請求項1において、前記軌道分岐装置の本
    線軌道及び分岐軌道入口を横切る軌道側壁を上・下方向
    に移動させて、前記本線軌道及び前記分岐軌道の側壁を
    形成する磁気浮上式鉄道の軌道分岐装置。
  4. 【請求項4】請求項1において、前記軌道分岐装置の分
    岐軌道入口を横切る本線軌道の側壁を上・下させ、前記
    軌道分岐装置の前記本線軌道から前記分岐軌道のある区
    間にわたる軌道側壁に推進コイルのみを取付け、車両を
    前記軌道分岐装置の前記本線軌道及び前記分岐軌道に案
    内する磁気浮上式鉄道の軌道分岐装置。
  5. 【請求項5】請求項4において、前記軌道分岐装置の前
    記本線軌道から前記分岐軌道のある区間にわたる軌道土
    台に、閉回路の案内コイルを埋設し、車両を該装置の前
    記本線軌道及び前記分岐軌道に案内する磁気浮上式鉄道
    の軌道分岐装置。
  6. 【請求項6】請求項5において、前記軌道分岐装置の本
    線軌道から分岐軌道のある区間にわたる軌道土台に、車
    両を前記分岐軌道に案内するための走行車輪用溝を設け
    る磁気浮上式鉄道の軌道分岐装置。
  7. 【請求項7】請求項6において、前記軌道分岐装置の分
    岐軌道入口附近から前記分岐軌道のある区間にわたる前
    記分岐軌道の側壁に、車両台車の側壁に取付けた案内車
    輪が走行するためのレールを取付けた磁気浮上式鉄道の
    軌道分岐装置。
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