JP3433317B2 - 超高速鉄道用分岐システム - Google Patents

超高速鉄道用分岐システム

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JP3433317B2 JP2000378131A JP2000378131A JP3433317B2 JP 3433317 B2 JP3433317 B2 JP 3433317B2 JP 2000378131 A JP2000378131 A JP 2000378131A JP 2000378131 A JP2000378131 A JP 2000378131A JP 3433317 B2 JP3433317 B2 JP 3433317B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高密度な輸送を行
う超高速鉄道用分岐システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、鉄道または道路を走行する輸送担
体(車両)は前後に所定の間隔をとり、安全を確保して
いる。近年は輸送密度を高めるため、輸送担体の高速化
を図ると共に、コンピュータ制御によって前後の担体間
隔を縮め、輸送効率を向上させる努力が行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら鉄道に例
を取ると出札、改札の自動化や、運行管理のコンピュー
タ化は行われているものの、その他の部分にまでは技術
革新が行き届いていないのが現状である。その結果、大
都市の鉄道路線においては過密ダイヤを組んでもラッシ
ュアワーの混雑が解消せず、また市街地中心部および周
辺部の道路においては交通渋滞が日常化している。この
状態を抜本的に改善する解決策は提示されていない。
【0004】一方で超電導方式および常導導方式の両方
式によるリニアモータカーの開発が成功し、この用途と
して都市近郊路線(空港線を含む)または大都市間路線
(例えば新幹線)への適用が提案されているが、現在ま
でのところ都市内路線への適用は検討されておらず、リ
ニアモータカーを基軸とした全国的規模の地上交通シス
テムの包括的検討もなされていない。
【0005】従来の地上交通システムのうち鉄道および
自動車道路はそれぞれ次のような利点と欠点を有してい
るが、これらの欠点が以上のべた都市交通問題の解決を
困難にしている。 a.鉄道は、スペース効率のよい一括大量安全輸送とい
う利点を有する反面、駅ごとの停車や乗り換えに伴う時
間的ロス、駅間距離の制約、および低速性が欠点であ
る。 b.自動車道路は、自在なルートを選択できるという利
点を有する反面、1人当たりのスペース効率の悪さ、信
号停止等による時間的ロス、および低速性が欠点であ
る。このうち低速性の欠点については、磁気浮上式リニ
アモータカーにより時速200〜500km/hの高速
が実現できるため、この欠点は大幅に緩和され航空シス
テムのそれに近付けることができる。しかしながら高速
性が実現しても大型車両を駅ごとに停車させていたので
は、停車時間のロスが防げないだけでなく、駅間距離を
長くしないと高速性の利点を生かせないという矛盾を避
けることができない。
【0006】上述した点を解決するには多数の小型磁気
浮上式リニアモータカーを用いて、完全コンピュータ制
御による無人運転(安全上の理由により有人化する場合
を除く)で目的地まで無停車走行させる大量高速輸送都
市交通網を構築すればよい。構想の詳細に関しては省略
するが、無停車走行により従来鉄道システムの欠点であ
った駅ごとの停車に伴う時間的ロスをなくすことができ
るだけでなく、乗車地点の駐車場から途中路線(軌道
路)を乗り継ぎながら目的地の駐車場まで最短ルートを
コンピュータ指令で直行させることにより乗り換え時間
のロスをなくすと共に駅間距離の制約を解消することが
できる。しかしながらこのような交通システムを実現す
るために最大の技術的難点は路線の分岐方式である。以
下その理由を詳細に説明する。
【0007】図6は従来技術による超電導方式を用いた
磁気浮上式リニアモータカーの一例の正面断面図であ
る。一般に超電導方式の磁気浮上式リニアモータカーに
おいては、最高時速は時速500km/h前後である
が、車両が浮上するのは時速150km〜200km/
hを超えてからとされ、車両が停止または低速走行して
いる時には浮上力は発生せず、走行はもっぱら支持補助
車輪12および案内補助車輪10を介して行われる。図
において20、20′は車両Vを空気バネSで支持する
台車9の両側に垂直にとりつけられた浮上・推進・案内
兼用の超電導コイル、1、1′はたがいに同一形状およ
び同一寸法の浮上・推進・案内兼用の導電体コイルで、
導電体コイル1、1′は上方のコイル2、2′および下
方のコイル3、3′をそれぞれ8の字形に接続した上、
接続線4、5(往復2本)を介してたがいに接続した閉
回路(ヌルフラックス接続)から構成されている。導電
体コイル1、1′は、断面がU型をなす軌道路13の案
内側壁14の内側両側面の車両進行方向に沿って、超電
導コイル20、20′と電磁結合可能なように、所定間
隔を隔てて垂直に、連続的に配置されている。その際、
車両Vが補助車輪12を介して軌道路13の車輪走行路
15に着座している時における超電導コイル20、2
0′の垂直方向の中心と導電体コイル1、1′の垂直方
向の中心とは同一水平線上にあるように設定される。
上記接続線4,5には3相または多相の周波数コントロ
ールされた推進用電源(図示せず)が接続される。この
ように構成した従来技術による超電導方式の磁気浮上式
リニアモータカーの動作原理は、おおよそ次ぎの通りで
ある。
【0008】車両Vが支持補助車輪12を介して車輪走
行路15上を低速走行している時は、車両上の超電導コ
イル20、20′と地上の導電体コイル1、1′の位置
関係は上述のように設定されており、この位置関係では
導電体コイル1、1′に超電導コイル20,20′の磁
束の電磁誘導作用による感応電流が誘起されないため、
浮上力は生じない。車両Vの支持補助車輪12を引き込
めての浮上走行時には、超電導コイル20、20′の垂
直方向の中心が導電体コイル1、1′の垂直方向の中心
より下方に移行し、上方コイル2、2′と下方コイル
3、3′に鎖交する磁束間に差を生じて電流が誘起され
る。その際、上述した8の字形コイルの下半分(下方コ
イル3、3′)は超電導コイル20、20′と同じ極性
を示すため、下方コイル3、3′と超電導コイル20、
20′との間に反発力が発生する。一方8の字形コイル
の上半分(上方コイル2、2′)には下方コイル3、
3′と逆方向の電流が流れ、超電導コイル20、20′
と反対の極性を示すから吸引力が発生する。このように
車両上の超電導コイルと地上の導電体コイルとの間に生
じる反発力と吸引力によって車両上の超電導コイル2
0、20′を上方へ戻そうとする浮上力が発生し、車両
の重量とバランスした位置で安定する。
【0009】車両Vが軌道路13の中央に位置する時
は、地上の導電体コイル1、1′は軌道路の長手方向の
中心線に対して対称に配置され、かつ対向する上方コイ
ル2、2′と下方コイル3、3′は上述のごとく接続線
4、5を介して接続(ヌルフラックス接続)されて導電
体コイル1,1′を構成しているので、両者に鎖交する
磁束は0であり、導電体コイル1、1′には誘起電流を
生じない。しかし浮上走行中、車両Vが左右いずれかの
方向へ変位すると、上方コイル2と2′との間および下
方コイル3と3′との間で鎖交する磁束に差が生じ電流
が誘起されるため、車両上の超電導コイル20、20′
ひいては車両Vを中央へ戻す案内力が発生する。なお図
において、10は一端が車両Vに固定された軸11の他
端に枢着された案内補助車輪で、軌道路13の案内側壁
14の側面に沿って回転しつつ案内の補助をする。
【0010】導電体コイル1、1′は、上述のごとく断
面がU型をなす軌道路13の案内側壁14の内側両側
に、車両進行方向に沿って垂直に、所定間隔を隔てて連
続的に配置され、接続線4,5を介して接続された上方
コイル2,2′と下方コイル3,3′から構成され、接
続線4,5を介して3相または多相の電源(図示せず)
から周波数コントロールされた交流電圧を供給すると、
各コイル2、3、2′、3′には同一方向の交流が流
れ、磁界(N極、S極)が交互に発生する。一方、車両
V上にある超電導コイル20、20′はN極とS極が交
互に配置されているので、N極とS極の間で吸引力が、
N極、S極同士では反発力が生じ、回転式のインダクシ
ョン・モーターを線型(リニア)化した原理により地上
の各コイルと車両V上の超電導コイル20、20′との
間で交互に生じる吸引力と反発力により車両Vを前進さ
せる推進力が発生する。
【0011】図7は従来技術による常電導方式を用いた
磁気浮上式リニアモータカーの一例の正面断面図であ
る。一般に常電導方式の磁気浮上式リニアモータカーに
おいては、最高時速は200km/h前後であるが、車
両Vは停車状態においても浮上しているため、補助車輪
は必要としない。図において21、21′は車両Vを空
気バネSで支持する台車9の両側に水平に取り付けられ
た浮上・案内兼用常電導コイル、6、6′は軌道路13
の左右案内側壁14の両内側に水平に取り付けられた浮
上・案内兼用レールで、図に見られる通り、浮上・案内
兼用レール6、6′は浮上・案内兼用常電導コイル2
1、21′に対向してその上方に位置し、また7、7′
は台車9の両側に水平に取り付けられた推進用常電導コ
イル、8、8′は軌道路13の左右案内側壁14の両内
側に水平に取り付けられた推進用リアクション・プレー
トで、図に見られる通り、推進用リアクション・プレー
ト8、8′は推進用常電導コイル7、7′に対向してそ
の下方に位置している。このように構成された従来技術
による常電導方式のリニアモータカーの動作原理はおお
よそ次ぎの通りである。
【0012】浮上・案内兼用常電導コイル21、21′
に電流を流して常電導電磁石化し、浮上・案内兼用レー
ル6、6′を下方から吸引する。その吸引の反作用力が
車両Vを持ち上げる浮上力となる。その際、吸引された
常電導コイル21、21′がレール6、6′に接触しな
いように、ギャップセンサー(図示せず)により常電導
コイル21、21′に流す電流を制御し、一定の間隔が
保たれるようにする。
【0013】その際、車両Vの位置が軌道路13の中央
からはずれると、常電導コイル21、21′とレール
6、6′の位置もたがいにずれて両者間のすき間が広が
るため、ギャップセンサーの制御によって常電導コイル
21、21′への電流が強められ、吸引力が高まって車
両Vの位置を中央に近付ける方向に案内力が発生し、車
両Vの位置ずれが補正される。
【0014】車両V上にある電源から推進用常電導コイ
ル7、7′に移動磁界発生電流を流して移動磁界を発生
させると、レール6、6′上にあるアルミ製リアクショ
ン・プレート8、8′に渦電流が流れ、回転式のインダ
クション・モーターを線型(リニア)化した原理によ
り、車両Vを前進させる推進力が発生する。
【0015】上述のような磁気浮上式リニアモータカー
の軌道路分岐方式として通常図8または図9のようなも
のが考えられる。図8は従来技術による超電導方式また
は常電導方式を用いた磁気浮上式リニアモータカーの軌
道路分岐方式の一例の平面図で、車両が走行する軌道路
のコンクリート桁(図6に示した軌道路13の案内側壁
14、および車輪走行路15)の一部を切り離して転轍
機35とし、その一端36の部分を中心として回動する
ようになっている。転轍機35の一端36は本線37に
接続され、他端38は本線39または分岐線40に接続
される。図8の分岐方式は重いコンクリート桁の機械的
移動に頼って切り換え操作を行うため、列車間の間隔が
短い高密度運行に要求される高速切り換えや高信頼度を
要求される自動化に適さないという欠点を有している。
【0016】図9は従来技術による超電導方式を用いた
磁気浮上式リニアモータカーの軌道路分岐方式の他の例
の平面図で、分岐点において車両を磁気浮上式による高
速走行から支持補助車輪12(図6)による低速走行に
切り換え、車輪走行路15(図6)上に設けた本線のガ
イドレール41の途中に転轍機42を設けて分岐線のガ
イドレール43への切り換え操作を行うようになってい
る。分岐器の左右両側においては案内側壁14(図6)
は取り払われている。図9の分岐方式は分岐点において
低速進行に切り換えるため高速運行が妨げられるほか、
転轍機によるガイドレールの機械的移動に頼るため高信
頼性を要求される自動化に適さないという欠点を有して
いる。
【0017】図8および図9に示したような磁気浮上式
リニアモータカーの軌道路分岐を水平面内で行う方式は
いずれもコンクリート桁のような重量物から成る軌道路
や微妙な形状をもつガイドレールの機械的移動を必要と
するため、高速運行や自動化に適さないという欠点を有
しており、前述のような交通システムを実現するための
要求を満足するものではない。転轍機の操作を人手によ
り行うような場合には尚更である。
【0018】したがって本発明は、従来技術における以
下に挙げる課題を解決した超高速鉄道用分岐システムを
提供することを目的とする。 (1)水平面内で切り換えを行うのではなく、上下的に
切り換えを行うことにより、軌道路やガイドレールの機
械的移動を必要としない分岐方式とする。 (2)コンクリート桁のような重量物から成る軌道路や
微妙な形状をもつガイドレールの機械的移動や人手によ
る機械的操作のように高速切り換えや自動化に適さない
機構ではなく、高速切り換えや自動化に適した機構をも
つ分岐方式とする。 (3)分岐点において低速走行に切り換えるのではな
く、高速走行のまま切り換えを行うことのできる分岐方
式とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めに、請求項1の発明は、超高速運転時の鉄道車両を本
線から分岐させる超高速鉄道用分岐システムであって、
本線走行用軌道路と、分岐線走行用軌道路と、本線走行
用軌道路および分岐線走行用軌道路を走行する車両とか
ら構成され、本線走行用軌道路は車両の幅より広い開口
部を挟んで対向する位置に設けられ、分岐線走行用軌道
路は両側端部が前記開口部内にあり、本線から分岐線へ
の移行部においては進むに従って本線走行用軌道路より
下方に向け緩く弧を描いて下がる状態で構成され、前記
車両は、その下部に、第1の油圧シリンダと前記本線走
行用軌道路の幅から前記開口部の内側間隔より狭い幅ま
で伸縮する両腕部をもつ第1の伸縮機構を有し、その伸
縮機構の両腕部の各先端と本線走行用軌道路の案内側壁
の各内側面にそれぞれ対向して設けられた本線走行用手
段を備え、さらに前記第1の伸縮機構は、その下部に、
第2の油圧シリンダと前記分岐線走行用軌道路より広い
幅から前記分岐線走行用軌道路の幅まで伸縮する両腕部
をもつ第2の伸縮機構を有し、その第2の伸縮機構の両
腕部の各先端と分岐線走行用軌道路の中央壁の両外側面
にそれぞれ対向して設けられた分岐線走行用手段を備
え、車両が本線上を走行している時は、第1の伸縮機構
の両腕部が本線走行用軌道路まで延び、第2の伸縮機構
の両腕部が分岐線走行用軌道路より広い幅に延びた状態
で、第1の伸縮機構の両腕部の各先端に設けられた本線
走行用手段の各部と本線走行用軌道路の案内側壁の各内
側面に設けられた本線走行用手段の各部がそれぞれ協働
して車両を浮上・推進・案内し、車両が本線から分岐線
へ移行する区間では、本線走行時に分岐線走行用軌道路
より広い幅まで延びていた第2の伸縮機構の両腕部が分
岐線走行用軌道路の幅まで縮小し、第2の伸縮機構の両
腕部の各先端に設けられた分岐線走行用手段の各部と分
岐線走行用軌道路の中央壁の両外側面に設けられた分岐
線走行用手段の各部とがそれぞれ協働して車両を浮上、
推進、案内すると共に、本線走行時には本線走行用軌道
路まで延びていた第1の伸縮機構の両腕部が前記開口部
の内側間隔より狭い幅まで縮小した状態で車両が分岐線
走行用軌道路に移行し、さらに分岐線から本線へ移行す
る区間では、上記と逆の過程を辿ることを特徴とし、車
両がひとつの本線から分岐線へ、分岐線から他の本線へ
の移行を上下的に行い、ひとつの本線から他の本線への
乗り換えを完了するようにしたものである。
【0020】したがって、本発明では、従来技術におけ
るように磁気浮上式リニアモータカーの軌道路分岐を水
平面内で行う方式をとらず、車両は本線走行用手段と、
分岐線走行用手段とを備えたものであり、本線走行用手
段と分岐線走行手段とは共に長さ(幅)の伸縮が自在な
構造となっている。本線から分岐線への移行部において
は、軌道路の分岐装置として本線走行用軌道路と、この
軌道路を走行中の車両が進行するにしたがい本線から次
第に下方に離れるように立体的に交差する分岐線走行用
軌道路を設けている。さらに分岐線から本線への移行に
おいては、分岐線を進行中の車両が進行するにしたがい
次第に下方から上方の本線に近付くように立体的に交差
する分岐線走行用軌道路を設けている。なお分岐線走行
用軌道路は幅が本線走行用軌道路より十分狭く、かつ本
線走行用軌道路の心部付近に交差するようになってい
る。
【0021】上述したように、従来の技術では重いコン
クリート桁やガイドレールの機械的移動に頼って切り換
え操作を行うため、列車間の間隔が短い高密度運行に要
求される高速切り換えや高信頼度を要求される自動化に
適さない、転轍機の機械的操作に頼るため高信頼度を要
求される自動化に適さない、分岐点において低速走行に
切り換えるため高速運行が妨げられる、などの欠点を有
していた。
【0022】したがって本発明は、従来技術におけるよ
うに磁気浮上式リニアモータカーの軌道路分岐を水平面
内で行う方式を採らず、本線から分岐線へ、分岐線から
他の本線への移行を上下的に行う方式とすることによっ
て、コンクリート桁のような重量物の機械的移動に頼っ
て切り換え操作を行うのではなく、高速走行のまま、コ
ンピュータ制御による自動乗り換えができるようになっ
ている。
【0023】本発明の車両は、本線走行中および本線か
ら分岐線への移行区間の入り口では、本線走行用手段が
本線走行用軌道路まで延び、分岐線走行用手段が分岐線
走行用軌道路より広い幅まで延びた状態にあるため、本
線走行用手段だけで走行する。このとき分岐線走行用手
段は分岐線走行用軌道路より広い幅まで延びているので
分岐線走行用軌道路と接触することはない。移行区間を
進むにしたがい、分岐線用走行用手段は分岐線走行用軌
道路の幅まで縮小すると共に本線走行用手段の幅は本線
走行用軌道路の開口部の内側間隔より短くなる。そし
て、移行区間を通過して分岐線に入ると本線走行用手段
の役目は終って、分岐線走行用手段だけで走行するよう
になり、車両は分岐線走行用軌道路上を次第に本線から
下方へ離れていく。このときすでに本線走行用手段は本
線走行用軌道路の開口部の内側間隔より短くなっている
ので、本線走行用軌道路と接触することはない。
【0024】上述したように、請求項1の発明では、本
線走行用手段と分岐線走行用手段はそれぞれ第1の伸縮
機構と第2の伸縮機構の両腕部の先端に設けられて長さ
(幅)の伸縮が自在な構造となっており、本線走行時に
は本線走行用手段が本線走行用軌道路まで延び、分岐線
走行時には分岐線走行用手段が分岐線走行用軌道路の幅
まで縮小するようになっている。ところで、上述した分
岐線走行用手段の伸縮自在構造を除いた請求項1の内容
は特許第1900792号により公知である。しかし特
許第1900792号の発明には、本線走行用手段の伸
縮自在構造は含まれているものの、分岐線走行用手段の
伸縮自在構造は含まれていない。したがって特許第19
00792号の発明の内容では、分岐線走行用手段の長
さは分岐線走行用軌道路の幅に固定されており、本線か
ら分岐線へ移行する際に、分岐線走行用手段と分岐線走
行用軌道路が衝突する危険性があった。請求項1の発明
は、特許第1900792号の発明内容に含まれる第1
の伸縮機構に加え、両側に分岐線走行用軌道路より広い
幅から分岐線走行用軌道路の幅まで伸縮する腕部をもつ
第2の伸縮機構を備え、その伸縮機構の両腕部の各先端
と分岐線走行用軌道路の中央案内壁の両外側面にそれぞ
れ対向して設けられた分岐線走行用手段を備えることに
よって、分岐線走行用手段の長さも伸縮自在な構造と
し、上述したような、本線から分岐線へ移行する際に分
岐線走行用手段と分岐線走行用軌道路が衝突する危険性
を取り除いたものである。なお特許第1900792号
においては、本線走行用手段の伸縮自在構造の機構につ
いての説明がないが、請求項1の発明は、前記第1の伸
縮機構の両腕部の各先端に設けられた本線走行用手段お
よび第2の伸縮機構の両腕部の各先端に設けられた分岐
線走行用手段の長さの伸縮自在機構をそれぞれ油圧シリ
ンダとしたものである。油圧シリンダは、次の特徴によ
り、前記第1の伸縮機構の両腕部の各先端に設けられた
本線走行用手段および前記第2の伸縮機構の両腕部の各
先端に設けられた分岐線走行用手段の長さの伸縮自在機
構として、高速切り換えと自動化に適している。 1) 制御対象の速度、方向、力の制御が容易である。 2) 小型、軽量でパワーが大きく、応答性がよい。 3) 広範囲で安定した速度制御ができる。 4) 電気装置と簡単に組合わせられる。
【0025】請求項2の発明は、分岐線の一端が終着点
のときは、本線から分岐線への移行を下方に向けて行う
ことによって本線から終着点に向かう分岐線に乗り入
れ、分岐線の一端が始発点のときは、分岐線から本線へ
の移行を上方に向けて行うことによって、始発点から分
岐線を経て本線に乗り入れるようにしたものである。上
述したように本発明においては、ひとつの本線から分岐
線へ、分岐線から他の本線への車両の移行を上下的に行
い、ひとつの本線から他の本線への乗り換えを完了する
ようになっており、本線から分岐線へ移行する場合は下
方に向けて、分岐線から本線へ移行する場合は上方に向
けて、移行するようになっている。請求項2の発明は、
分岐線の一端が終着点である場合には下方に向けて本線
から分岐線に移行し、分岐線の一端が始発点である場合
には上方に向けて分岐線から本線に移行することにした
ものである。
【0026】請求項3の発明は、本線から分岐線へおよ
び分岐線から本線への移行区間の入り口と出口にそれぞ
れ光学的位置検出装置D、D′を備えたものである。上
述したように本発明においては、移行区間を走行中の車
両の位置に応じ、前記第1の伸縮機構の両腕部の各先端
に設けられた本線走行用手段の長さと前記第2の伸縮機
構の両腕部の各先端に設けられた分岐線走行用手段の長
さを伸縮させるようになっている。前記光学位置検出装
置D、D′は、それぞれ車両が本線から分岐線へおよび
分岐線から本線への移行区間の入り口と出口を通過する
時刻を検出して、車両の走行速度と合わせ、移行区間を
走行中の車両の位置情報を算出するためのものである。
【0027】
【発明の実施形態】以下、本発明の実施形態を図1〜図
5に従って説明する。図1〜図7において同一符号のも
のは同一機能の構成要素を示すものとし、可能な限り個
別機能の詳細説明の重複は避けることとする。
【0028】図1に本発明の路線分岐方式の概念側面図
を示す。本発明の第1の特長は、ひとつの本線(以下A
線という)から他の本線(以下B線という)への乗り換
えを分岐線を経由して行い、A線から分岐線へまたは分
岐線からB線への移行を上下方向に行うことにある。図
1において24はA線25からB線26へ乗り換える分
岐線である。本発明の路線分岐方式の一例において分岐
線24はA線25からいったん下降し、A線をはずれて
から水平走行に移り、B線26の直下に到達したら上昇
に移りB線26に移行したところで乗り換えを完了す
る。試算によれば、分岐線24の下降(または上昇)開
始から水平走行に移るまでの水平所要距離は、走行速度
500km/hとし、上下方向加速度を最大0.5g
(座席ベルト使用)とし、分岐線とA線またはB線との
高さの差を4mとしたとき、最短で250m(走行速度
250km/hなら125m、125km/hなら63
m)である。
【0029】本発明の第2の特長はA線25から分岐線
24へ移行する区間、および分岐線24からB線26へ
移行する区間において軌道路を上下方向に複線化するこ
とにある。図1において27はA線25から分岐線24
への移行区間、28は分岐線24からB線26への移行
区間である。移行区間27または28においてA線25
またはB線26と分岐線24は上下方向に平行して敷設
され、複線化されている。
【0030】図1に示した本発明の路線分岐方式の詳細
を図2および図3に示す。図2は移行区間27または2
8の縦断斜視図であり、図3は横断面図である。両図に
おいて、25および16はそれぞれ本線および本線走行
用軌道路、24および17はそれぞれ分岐線および分岐
線走行用軌道路、14および18はそれぞれ本線走行用
軌道路の案内側壁および分岐線走行用軌道路の中央案内
壁、15は車輪走行路を示す。両図から明らかなよう
に、逆T字型の分岐線24はA線25の中央開口部直下
に設けられ(開口部は車両の幅より広い)、下方に向け
て緩く弧を描くように延在している。
【0031】(第1実施形態)図4(a)〜(c)に、
本発明の分岐方式を第6図に示した従来技術による超電
導方式を用いた磁気浮上式リニアモータカーの一例に適
用した場合(以下本発明のリニアモータカーの第1実施
形態という)の正面断面図の一例を示す。図4(a)は
本線(A線25またはB線26)を走行中の断面、図4
(b)は本線から分岐線への移行区間(27または2
8)における複線化部分を走行中の断面、図4(c)は
分岐線(24)を走行中の断面を示す。図(d)は移行
区間(27)における分岐線走行用軌道路の中央案内壁
(18)の縦断面図の一例である。
【0032】図4(a)は、本線(A線25またはB線
26)を走行中の本発明のリニアモータカーの第1実施
形態の正面断面図の一例を示す。本発明の分岐方式を図
6に示した従来技術による超電導方式を用いた磁気浮上
式リニアモータカーに適用することにより、図4(a)
が図6と相違した点を列挙すると、次の通りである。以
下路線を軌道路という。 a.本線走行用軌道路16(A線25またはB線26)
は車両Vの幅より広い開口部を挟んで対向する位置に設
けられている。 b.図6で車両Vの下部に設けられていた台車9の代わ
りに、図4(a)では、第1の油圧シリンダ30,3
0′と本線走行用軌道路16の幅から前記開口部の内側
間隔より狭い幅まで伸縮する両腕部32、32′をもつ
第1の伸縮機構22が設けられ、さらにその伸縮機構2
2の下部に、第2の油圧シリンダ31、32′と分岐線
走行路用軌道路17(破線で示す)より広い幅から分岐
線走行用軌道路の幅まで伸縮する両腕部33、33′を
もつ第2の伸縮機構23が設けられている。 c.図6では台車9の両外側面および軌道路13の左右
案内側壁14の各内側面にそれぞれ対向して浮上・推進
・案内兼用の超伝導コイル20、20′および浮上・推
進・案内兼用の導電体コイル1、1′が設けられていた
が、図4(a)では、第1の伸縮機構22の両腕部3
2,32′が本線走行用軌道路16まで延びた状態で、
本線走行中は、第1の伸縮機構22の両腕部32、3
2′の各先端に設けられた浮上・推進・案内兼用の本線
走行用手段(超電導コイル)20、20′と、それに対
向して本線走行用軌道路16の左右案内側壁14の各内
側面に設けられた浮上・推進・案内兼用の本線走行用手
段(導電体コイル1、1′(2、2′および3、3′か
ら成る))とが協働して、本線走行中の車両Vを浮上・
推進・案内するようになっている。図4(a)ではさら
に、第2の伸縮機構23の両腕部33、33′が分岐線
走行用軌道路17より広い幅まで延びた状態で、第2の
伸縮機構23の両腕部33、33′の各先端の内側面
に、浮上・推進・案内兼用の分岐線走行用手段20、2
0′が設けられているが、本線走行中は、分岐線走行用
軌道路17(破線で示す)が設置されていないため、こ
れらは機能しない。 d.第1の伸縮機構22および第2の伸縮機構23の左
右方向の長さは、第1の油圧シリンダ30、30′およ
び第2の油圧シリンダ31、31′によりそれぞれ伸縮
が可能になっており、そのため油圧ポンプ29が設けら
れている。 e.第2の伸縮機構23に、分岐線走行用軌道路17
(破線で示す)の中央案内壁18の側面に対向して案内
補助車輪10、案内中央壁18の上面に対向して支持補
助車輪12が設けられているが、いずれも本線走行中か
ら分岐線への移行区間27の入り口まで分岐線走行用軌
道路17の中央案内壁18と接触しないように、破線で
示す分岐線走行用軌道路17の中央案内壁18と間隔を
保っている。
【0033】図4(b)は、移行区間(27または2
8)を走行中の本発明のリニアモータカーの第1実施形
態の正面断面図の一例を示す。車両Vが本線から分岐線
へ移行する移行区間27では、本線走行時に(図4
(a)に示すように)分岐線走行用軌道路17より広い
幅まで延びていた第2の伸縮機構23の両腕部33,3
3′が、(図4(b)に示すように)第2の伸縮機構2
3の案内補助車輪10と分岐線走行用軌道路17の中央
案内壁18の側面が接触するまで縮小すると共に、移行
区間への入り口では(図4(a)に示すように)分岐線
走行用軌道路17の中央案内壁18の上面と間隔を保っ
ていた支持補助車輪12が、車両Vの走行に伴い(図4
(d)に示すように)中央案内壁18の高さが増加する
ことにより、(図4(b)に示すように)中央案内壁1
8の上面に接触するまで近接する。第2の伸縮機構23
の案内補助車輪10と分岐線走行用軌道路17の中央案
内壁18の側面が接触し、支持補助車輪12と分岐線走
行用軌道路17の中央案内壁18の上面が接触するのを
それぞれ検出し、それに連動して、第2の伸縮機構23
の両腕部33、33′の分岐線走行用手段(超電導コイ
ル20、20′)および分岐線走行用軌道路17の中央
案内壁18の両外側面に設けられた分岐線走行用手段
(導電体コイル1、1′)の各部(2、2′および3、
3′)をそれぞれ活性化して分岐線走行用手段により車
両Vを浮上・推進・案内させると同時に、本線走行時に
は本線走行用軌道路16まで延びていた第1の伸縮機構
22の両腕部32、32′の長さ(幅)を車両V全体の
最大幅が前記開口部の内側間隔より狭くなるように縮小
すると共に本線走行用手段を非活性化する。このように
して、図1および図2に示した本線25から分岐線24
への移行区間27の出口を通過し分岐線24の下降部分
へ移行する。この地点を通過すると本線走行用手段の役
目は終わり、分岐線走行用手段だけで走行するようにな
って、分岐線24への移行を完了する。
【0034】図4(c)は、図1において車両Vが移行
区間27の出口を経て分岐線24の下降部分を通過し、
分岐線24の水平部分を走行中の本発明のリニアモータ
カーの第1実施形態の正面断面図の一例を示す。上述の
ように、車両Vが分岐線24への移行を完了した時点で
は、第1の伸縮機構22の両腕部32、32′の長さは
本線走行用軌道路16の前記開口部の内側間隔より狭い
幅まで縮小した状態になっており、第2の伸縮機構23
の両腕部は分岐線走行用軌道路17、18の幅まで縮小
した状態で、第2の伸縮機構23の両腕部の各先端に設
けられた浮上・推進・案内兼用の分岐線走行用手段の2
0、20′の各部と分岐線走行用軌道路17の中央案内
壁18の両外側面に設けられた浮上・推進・案内兼用の
分岐線走行用手段1、1′(2、2′および3、3′か
ら成る)の各部とがそれぞれ協働して、分岐線24を走
行中の車両Vを浮上・推進・案内する。車両Vが図1に
おける分岐線24の水平部分を通過した後、上昇部分を
経てB線26へ移行する際には以上と逆の過程を辿る。
【0035】図4(d)は、本線(25)から分岐線
(24)への移行区間(27)における分岐線走行用軌
道路17の中央案内壁18の縦断面図の一例を示す。本
線(25)から移行区間(27)の入り口に達するまで
は、(図4(a)に示すように)支持補助車輪12と分
岐線走行用軌道路17の中央案内壁18の上面との間に
間隔があるが、(図4(d)に示すように)移行区間
(27)の入り口から中間点まで、分岐線走行用軌道路
17の中央案内壁18の高さは次第に増加し、移行区間
27の中間点のあたりで、支持補助車輪12と分岐線走
行用軌道路17の中央案内壁18の上面とが接触するよ
うになる。第2の伸縮機構23の案内補助車輪10と分
岐線走行用軌道路17の中央案内壁18の側面が接触
し、支持補助車輪12と分岐線走行用軌道路17の中央
案内壁の上面が接触するのをそれぞれ検出し、それに連
動して、本線走行用手段の役目を終わらせ、分岐線走行
用手段だけで走行するようにして、分岐線24への移行
を完了するのは、上述した通りである。
【0036】図1において車両Vが本線(A線25また
はB線26)上を走行している間、図4(a)に示した
車両V上に設けられた本線走行用手段(浮上・推進・案
内兼用超電導コイル)20、20′は活性化され、地上
の案内側壁14上に設けられた本線走行用手段(浮上・
推進・案内兼用導電体コイル)1、1′(2、2′およ
び3、3′から成る)との間の磁気感応作用により車両
Vの浮上・推進力を生じると共に車両Vの左右バランス
と方向の調節が行われる。車両Vが移行区間27、28
を走行している間および分岐線24を走行している間に
ついても以上に準じることは言うまでもない。
【0037】(第2実施形態)図5(a)〜(c)に、
本発明の分岐方式を図7に示した従来技術による常電導
方式を用いた磁気浮上式リニアモータカーの一例に適用
した場合(以下本発明のリニアモータカーの第2実施形
態という)の正面断面図の一例を示す。図5(a)は本
線(A線25またはB線26)を走行中の断面、第5図
(b)は本線から分岐線への移行区間(27または2
8)における複線化部分を走行中の断面、図5(c)は
分岐線(24)を走行中の断面を示す。
【0038】図5(a)は、本線(A線25またはB線
26)を走行中の本発明のリニアモータカーの第2実施
形態の正面断面図の一例を示す。本発明の分岐方式を図
7に示した従来技術による常電導方式を用いた磁気浮上
式リニアモータカーの一例に適用することにより、図5
(a)が図7と相違した点を列挙すると、次の通りであ
る。 a.本線走行用軌道路16(A線25またはB線26)
は車両Vの幅より広い開口部を挟んで対向する位置に設
けられている。 b.図7で車両Vの下部に設けられていた台車9の代わ
りに、図5(a)では、両側に本線走行用軌道路16の
幅から前記開口部の内側間隔より狭い幅まで伸縮する腕
部32、32′をもつ第1の油圧シリンダ30、30′
から成る第1の伸縮機構22が設けられ、さらにその伸
縮機構22の下部に、両側に分岐線走行路用軌道路17
(破線で示す)より広い幅から分岐線走行用軌道路の幅
まで伸縮する腕部33、33′をもつ第2の油圧シリン
ダ31、31′から成る第2の伸縮機構23が設けられ
ている。 c.図7では台車9の両端に浮上・案内兼用の常伝導コ
イル21、21′、その上方に軌道路13の左右案内側
壁14の両内側面に浮上・案内兼用の導電体レール6、
6′が設けられていたが、図5(a)では、本線走行中
は第1の伸縮機構22の両腕部32、32′が本線走行
用軌道路16まで延びた状態で、第1の伸縮機構22の
両腕部32、32′の各先端に設けられた浮上・案内兼
用の本線走行用手段(常電導コイル)21、21′と、
その上方にそれに対向して本線走行用軌道路16の左右
案内側壁14の各内側面に設けられた浮上・案内兼用の
本線走行用手段(導電体レール)6、6′とが協働し
て、本線走行中の車両Vを浮上・案内するようになって
いる。また図7では伸縮機構枠9の両端に推進用常電導
コイル7、7′、その下方に軌道路13の左右案内側壁
14の各内側面に推進用リアクション・プレート8、
8′が設けられていたが、図5(a)では、第1の伸縮
機構22の両腕部32、32′の各先端に設けられた推
進用の本線走行用手段(常電導コイル)7,7′と、そ
の下方にそれに対向して本線走行用軌道路16の左右案
内側壁14の各内側面に設けられた本線走行用手段(リ
アクション・プレート)8、8′とが協働して、本線走
行中の車両Vを推進する。図5(a)ではさらに、第2
の伸縮機構23の両腕部33、33′が分岐線走行用軌
道路より広い幅まで延びた状態で、第2の伸縮機構23
の両腕部33、33′の各先端の内側面に、浮上・案内
兼用の分岐線走行用手段21、21′および推進用の分
岐線走行用手段7、7′が設けられているが、本線走行
中は本線走行用軌道路16と分岐線走行用軌道路17
(破線で示す)が複線化されていないため、これらは機
能しない。 d.第1の伸縮機構22および第2の伸縮機構23の左
右方向の長さは、油圧シリンダ30、30′および3
1、31′によりそれぞれ伸縮が可能になっており、そ
のため油圧ポンプ29が設けられている。
【0039】図5(b)は、移行区間(27または2
8)を走行中の本発明のリニアモータカーの第2実施形
態の正面断面図の一例を示す。車両Vが本線から分岐線
へ移行する移行区間27では、本線走行時に分岐線走行
用軌道路16より広い幅まで延びていた第2の伸縮機構
23の両腕部が分岐線走行用軌道路17の幅まで縮小
し、第2の伸縮機構23の両腕部33、33′の各先端
に設けられた浮上・案内兼用の分岐線走行用手段(常電
導コイル)21、21′と、その上方にそれに対向して
分岐線走行用軌道路17の中央案内壁18の両外側面に
設けられた浮上・案内兼用の分岐線走行用手段(導電体
レール)6、6′とがそれぞれ協働して車両Vを浮上・
案内すると共に、同じく第2の伸縮機構23の各先端に
設けられた推進用の分岐線走行用手段(常電導コイル)
7、7′と、その下方にそれに対向して分岐線走行用軌
道路17の中央案内壁18の両外側面に設けられた推進
用の分岐線走行用手段(リアクション・プレート)8、
8′とがそれぞれ協働して車両Vを推進する。それに伴
い、さらに本線走行時には本線走行用軌道路16まで延
びていた第1の伸縮機構22の両腕部32、32′の長
さが縮小して車両V全体の最大幅が前記開口部の内側間
隔より狭くなるので、図1および図2に示した分岐線へ
の移行区間27の出口を通過して下降部分への移行が可
能となる。この地点を通過すると本線走行用手段の役目
は終わり、分岐線走行用手段だけで走行するようになっ
て、分岐線24への移行を完了する。
【0040】図5(c)は、図1において車両Vが分岐
線24の下降部分を通過し、分岐線24の水平部分を走
行中の本発明のリニアモータカーの第2実施形態の正面
断面図の一例を示す。上述のように、車両Vが分岐線2
4への移行を完了した時点では、第1の伸縮機構22の
両腕部32、32′の長さは本線走行用軌道路16の前
記開口部の内側間隔より狭い幅まで縮小した状態になっ
ており、第2の伸縮機構23の両腕部は分岐線走行用軌
道路17の幅まで縮小した状態で、第2の伸縮機構23
の両腕部33、33′の各先端に設けられた浮上・案内
兼用の分岐線走行用手段(常電導コイル)21、21′
と、その上方にそれに対向して分岐線走行用軌道路17
の中央案内壁18の両外側面に設けられた浮上・案内兼
用の分岐線走行用手段(導電体レール)6、6′とが協
働して、分岐線24を走行中の車両Vを浮上・案内し、
第2の伸縮機構23の両腕部33、33′の各先端に設
けられた推進用の分岐線走行用手段(常電導コイル)
7、7′と、その下方にそれに対向して分岐線走行用軌
道路17の中央案内壁18の両外側面に設けられた推進
用の分岐線走行用手段(リアクション・プレート)8、
8′とが協働して、分岐線24を走行中の車両Vを推進
する。車両Vが第1図における分岐線24の水平部分を
通過した後、上昇部分を経てB線26へ移行する際には
以上と逆の過程を辿る。
【0041】以上本発明の実施例につき詳細に説明した
が、以上の説明により明らかなごとく、本発明において
は第1の伸縮機構22および第2の伸縮機構23の長さ
を伸縮させる第1の油圧シリンダ30、30′および第
2の油圧シリンダ31、31′以外に機械的駆動部分が
なく、それ以外はすべて電子的ないしは電気的に本線か
ら分岐線へまた分岐線から本線への移行動作が行われ
る。唯一の機械的動作である第1および第2の伸縮機構
の伸縮も複線化された移行区間27または28を走行中
に車両側で行われるため、軌道自体の機械的動作は全く
必要としない。万一伸縮機構22または23の伸縮機構
が故障のため動作しなかった場合にも、動作が行われな
いことを車両上で検知できるので、移行を中止するなど
の安全操作を瞬時に行うことが容易である。そのため本
発明の前提とした磁気浮上式リニアモータカーによる都
市交通システムのように高速・無停車走行を原則とした
完全コンピュータ制御による自動化が必要な場合でも、
高信頼度かつフォールト・トレラントな線路分岐機構の
構築が可能となる。
【0042】本発明は、以上説明した通り,磁気浮上式
リニアモータカーによる大量高速輸送交通システムの実
現を可能とし、前述した都市交通問題の抜本的解決を可
能とするものであるが、上述の具体例に制約されないこ
とは云うまでもない。
【0043】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように本線から
分岐するとき本線と上下的に平行して分岐線を設け、そ
の分岐線が次第に本線から下方に離れ、さらに分岐線か
ら他の本線への移行時には上記と逆の過程を辿るように
構成されているので、高速走行中にスムーズな分岐が行
え、しかも後続の車両との距離が近くても差し支えない
ので、高密度な輸送を行う超高速鉄道用分岐システムに
用いることができ、高速切り換えや高信頼度を要求され
る自動化に適していると云う効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる超高速鉄道用分岐システムの実
施例を示す概念側面図である。
【図2】本発明にかかる超高速鉄道用分岐システムにお
ける分岐部の実施例を示す縦断斜視図である。
【図3】本発明にかかる超高速鉄道用分岐システムにお
ける分岐部の実施例を示す横断面図である。
【図4】(a)〜(c)は、本発明にかかる超高速鉄道
用分岐システムにおける磁気浮上式リニアモータカーの
第1実施例を示す正面断面図の一例である。(a)は本
線(A線25またはB線26)を走行中の断面、(b)
は本線から分岐線への移行区間(27または28)にお
ける複線化部分を走行中の断面、(c)は分岐線(2
4)を走行中の断面を示す。(d)は移行区間(27)
における分岐線走行用軌道路の中央案内壁(18)の実
施例を示す縦断面図である。
【図5】(a)〜(c)は、本発明にかかる超高速鉄道
用分岐システムにおける磁気浮上式リニアモータカーの
第2実施例を示す正面断面図の一例である。(a)は本
線(A線25またはB線26)を走行中の断面、(b)
は本線から分岐線への移行区間(27または28)にお
ける複線化部分を走行中の断面、(c)は分岐線(2
4)を走行中の断面を示す。
【図6】従来技術による超電導方式を用いた磁気浮上式
リニアモータカーの一例の正面断面図である。
【図7】従来技術による常電導方式を用いた磁気浮上式
リニアモータカーの一例の正面断面図である。
【図8】従来技術による超電導方式または常電導方式を
用いた磁気浮上式リニアモータカーの分岐方式の一例の
平面図である。
【図9】従来技術による超電導方式を用いた磁気浮上式
リニアモータカーの分岐方式の他の例の平面図である。
【符号の説明】
1、1′ 浮上・推進・案内兼用導電体コイル 2、2′ 浮上・推進・案内兼用導電体コイルの上方
コイル 3、3′ 浮上・推進・案内兼用導電体コイルの下方
コイル 4、5 接続線(往復2本) 6、6′ 浮上・案内兼用導電体レール 7、7′ 推進用常電導コイル 8、8′ 推進用リアクション・プレート 9 台車 10 案内補助車輪 11 案内補助車輪軸 12 支持補助車輪 13 軌道路(路線) 14 本線走行用軌道路の案内側壁 15 車輪走行路 16 本線走行用軌道路 17 分岐線走行用軌道路 18 分岐線走行用軌道路の中央案内壁 20、20′浮上・推進・案内兼用超電導コイル 21、21′浮上・案内・兼用常電導コイル 22 第1の伸縮機構 23 第2の伸縮機構 24 分岐線 25 本線A 26 本線B 27 移行区間A 28 移行区間B 29 油圧ポンプ 30、30′第1の油圧シリンダ 31、31′第2の油圧シリンダ 32、32′第1の伸縮機構の腕部 33、33′第2の伸縮機構の腕部 35、42 転轍機 36 転轍機の一端(回転中心) 37、39 本線 38 転轍機の他端 40 分岐線 41 本線のガイドレール 43 分岐線のガイドレール D (移行区間の入り口にある)光学的位置検
出装置 D′ (移行区間の出口にある)光学的位置検出
装置 S 空気バネ V 車両

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超高速運転時の鉄道車両を本線から分岐
    させる超高速鉄道用分岐システムであって、本線走行用
    軌道路(25、26、16)と、分岐線走行用軌道路
    (24、17)と、本線走行用軌道路および分岐線走行
    用軌道路を走行する車両(V)とから構成され、本線走
    行用軌道路(25、26、16)は車両(V)の幅より
    広い開口部を挟んで対向する位置に設けられ、分岐線走
    行用軌道路(24、17)は両側端部が前記開口部内に
    あり、進むに従って本線走行用軌道路より下方に向け緩
    く弧を描いて下がる状態で構成され、 車両(V)は、その下部に、第1の油圧シリンダ(3
    0、30′)と前記本線走行用軌道路の幅から前記開口
    部の内側間隔より狭い幅まで伸縮する両腕部(32、3
    2′)をもつ第1の伸縮機構(22)を有し、その伸縮
    機構(22)の両腕部(32、32′)の各先端と本線
    走行用軌道路の案内側壁(14、14′)の各内側面に
    それぞれ対向して設けられた本線走行用手段を備え、さ
    らに前記第1の伸縮機構(22)は、その下部に、第2
    の油圧シリンダ(31,31′)と前記分岐線走行用軌
    道路より広い幅から前記分岐線走行用軌道路の幅まで伸
    縮する両腕部(33、33′)をもつ第2の伸縮機構
    (23)を有し、その伸縮機構(23)の両腕部(3
    3、33′)の各先端と分岐線走行用軌道路の中央案内
    壁(18)の両外側面にそれぞれ対向して設けられた分
    岐線走行用手段を備え、車両(V)が本線(25)を走
    行している時は、第1の伸縮機構(22)の両腕部(3
    2、32′)が本線走行用軌道路まで延び、第2の伸縮
    機構(23)の両腕部(33、33′)が分岐線走行用
    軌道路より広い幅まで延びた状態で、第1の伸縮機構
    (22)の両腕部(32、32′)の各先端に設けられ
    た本線走行用手段の各部と本線走行用軌道路の案内側壁
    (14、14′)の各内側面に設けられた本線走行用手
    段の各部がそれぞれ協働して車両(V)を浮上・推進・
    案内し、 車両(V)が本線(25)から分岐線(24)へ移行す
    る区間(27)では、本線走行時に分岐線走行用軌道路
    より広い幅まで延びていた第2の伸縮機構(23)の両
    腕部(33、33′)が分岐線走行用軌道路の幅まで縮
    小し、第2の伸縮機構(23)の両腕部(33、3
    3′)の各先端に設けられた分岐線走行用手段の各部と
    分岐線走行用軌道路の中央壁(18)の両外側面に設け
    られた分岐線走行用手段の各部とがそれぞれ協働して車
    両(V)を浮上・推進・案内すると共に、本線走行時に
    は本線走行用軌道路まで延びていた第1の伸縮機構(2
    2)の両腕部(32、32)が前記開口部の内側間隔よ
    り狭い幅まで縮小した状態で本線走行用軌道路を離れて
    分岐線走行用軌道路に移行し、 さらに車両(V)が分岐線(24)から本線(26)へ
    移行する区間(28)では、上記と逆の過程を辿ること
    によって、 車両(V)がひとつの本線(25)から分岐線(24)
    へ、分岐線(24)から他の本線(26)への移行を上
    下方向に行い、ひとつの本線から他の本線への乗り換え
    を完了することを特徴とする超高速鉄道用分岐システ
    ム。
  2. 【請求項2】 分岐線(24)の一端が終着点のとき
    は、本線(25)から分岐線(24)への移行を下方に
    向けて行うことによって本線から終着点に向かう分岐線
    に乗り入れ、分岐線(24)の一端が始発点のときは、
    分岐線(24)から本線(26)への移行を上方に向け
    て行うことによって、始発点から分岐線を経て本線に乗
    り入れることを特徴とする請求項1記載の超高速鉄道用
    分岐システム。
  3. 【請求項3】 本線(25)から分岐線(24)へ、お
    よび分岐線(24)から本線(26)への移行区間(2
    7、28)の入り口と出口にそれぞれ光学的位置検出装
    置(D、D′)を備えたことを特徴とする請求項1〜2
    記載の超高速鉄道用分岐システム。
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