JPH05227998A - マラリア原虫の検出 - Google Patents

マラリア原虫の検出

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JPH05227998A
JPH05227998A JP4036485A JP3648592A JPH05227998A JP H05227998 A JPH05227998 A JP H05227998A JP 4036485 A JP4036485 A JP 4036485A JP 3648592 A JP3648592 A JP 3648592A JP H05227998 A JPH05227998 A JP H05227998A
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Satoshi Nakagami
智 中上
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    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A50/00TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE in human health protection, e.g. against extreme weather
    • Y02A50/30Against vector-borne diseases, e.g. mosquito-borne, fly-borne, tick-borne or waterborne diseases whose impact is exacerbated by climate change

Abstract

(57)【要約】 【構成】 下記式(1)〜(8)のいずれかの式で表さ
れる核酸断片、その変異配列、それらの標識体およびそ
れらの固相担体結合性誘導体より選ばれる熱帯熱マラリ
ア原虫および/または三日熱マラリア原虫検出用プライ
マー、これを用いたマラリア原虫の検出法及び検出用キ
ット。 (1) 5’GAACGAAAGTTAAGGGAGT (5) 5’TCTTAGATTTTCTGGAGACG (2) 5’ACTGAAGGAAGCAATCTAA (6) 5’AAGCAATCTAAAAGTCACCT (3) 5’TCAGATACCGTCGTAATCTT (7) 5’TCTTAGATTTTCTGGAGACA (4) 5’CCAAAGACTTTGATTTCTCAT (8) 5’GAATAAACTCCGAAGAGAAA 【効果】 本発明によって熱帯熱マラリア原虫および/
または三日熱マラリア原虫を検体から短時間で正確に診
断できるようになり、これらのマラリア流行地での大規
模な集団検診が可能になった。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱帯熱マラリア原虫お
よび/または三日熱マラリア原虫を検出するためのプラ
イマー、それを用いた検出法ならびにこのような検出を
行うためのキットに関する。
【0002】
【従来の技術】マラリアはプラスモジウム属原虫の感染
によって起こる感染症で、ハマダラカ属の蚊によって媒
介される。マラリアは熱帯地域全体に広く蔓延している
だけでなく温帯の多くの地域でも発生しており、世界保
健機構(WHO)の報告によると推定患者数2億7千万
人、推定死亡者は年間2百万人におよび(WorldH
ealth Organization: Malar
ia.“Tropical Disease in R
esearch,1989−1990”(8)UNDP
/World Bank/WHO(TDR).WHO
Geneva(1991).p29−40)、その対策
が急務とされている。集団検診によるマラリアの早期発
見、早期治療はマラリアの対策の中心であるが、現在の
診断法では広範囲な集団検診には対応できない。
【0003】従来マラリアの診断には、血液塗抹標本を
ギムザ染色して検鏡する顕微鏡法が用いられている。顕
微鏡法は安価で簡便に実施できる反面、その判定には熟
練を要する。また1人の検査技師が1日に検査できるサ
ンプル数は60〜70検体であるため、検査技師の不足
している流行地では、莫大な数の感染者に対応できな
い。特に集団検診のように無症状のものを対象とする場
合、陽性者の多くは血中マラリア原虫が非常に少ないた
め、判定に要する時間が長くかかり、原虫の有無や種の
判定に際し誤診の危険性が高い。
【0004】顕微鏡法に次いで広く実施されているのが
血清診断法である。血清診断法はマラリア原虫感染後に
産生される抗体(感染を阻止するほど強くはないが、感
染時の症状を軽減すると言われている)を検出する方法
で、間接蛍光抗体法やELISA(enzyme li
nked immunosorbent assay)
法等の手法が開発されている。これらの方法は大量のサ
ンプル処理が可能であるため、集団検診や疫学的調査研
究の手段として現在も広く用いられている。しかし、血
清診断法によって抗体が陽性であることが判っても、そ
れが検査時点での感染を意味するのか、それより以前の
感染を意味するのかが区別できないという問題がある
〔Bruce−chwatt, L. J.,Lanc
et 2,1509−1511(1987)〕。そのた
め臨床的には補助的な診断法と考えられている。
【0005】また、最近の分子生物学の発展に伴い、D
NA診断によるマラリア原虫の検出も行われている。マ
ラリア原虫の遺伝子には20〜30塩基の長さの多数の
繰り返しからなる特徴的な配列が存在し、その領域をタ
ーゲットとしたプローブが開発され、他の領域をプロー
ブとするより飛躍的に感度が高くなることが報告されて
いる〔Robert,H.Science 231,
1434−1436(1986)〕。しかしながら、検
出には操作が煩雑な膜を利用するハイブリダイゼーショ
ン法が必要であるうえに、実際に臨床現場で試してみる
と予想したほどの感度が得られない等の問題があった
〔Lamar, D.E. Am.J.Trop. M
ed. Hyg. 34,663−667(198
5)〕。そこで感度を改良するために遺伝子増幅法を用
いる検出法が開発された〔Molec.Cell. P
robes 4, 409−414(1990)〕。こ
の方法は熱帯熱マラリア原虫の18Sリボソーム遺伝子
の一部を遺伝子増幅し、検出する方法である。しかし、
熱帯熱マラリア原虫によるマラリアの流行地と三日熱マ
ラリア原虫によるマラリアの流行地は重なりあっている
場合も多く、有効な治療を行うためには上記方法による
熱帯熱マラリア原虫のみの検出では不十分である。ま
た、遺伝子増幅反応で高感度検出が実現したとしても、
依然検出のための操作は煩雑であり、集団検診の手段と
しては実用化にはほど遠いのが現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の目的は
熱帯熱マラリア原虫および/または三日熱マラリア原虫
を検出するためのプライマー、これを用いた迅速な検出
法、ならびにこれらの検出用キットを提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】かかる実状において、本
発明者らは種々の検討を行った。すなわち、熱帯熱マラ
リア原虫の18SリボソームRNA遺伝子〔McCut
chen, T. F.Molec. Bioche
m. Parasitol. 28, 63−68(1
988)〕、三日熱マラリア原虫の18SリボソームR
NA遺伝子〔Waters, A.P. Nuclei
c Acids Res. 17,2135(198
9)〕およびヒトの18SリボソームRNA遺伝子〔M
ccallum, F.S. Biochem. J.
232, 725−733(1985)〕の間での相同
性を検討し、(1)熱帯熱マラリア原虫の18Sリボソ
ームRNA遺伝子と三日熱マラリア原虫の18Sリボソ
ームRNA遺伝子とのいずれか一方または両方を増幅で
きること、(2)約400存在するヒトの18Sリボソ
ームRNA遺伝子を増幅しないこと、(3)熱帯熱マラ
リア原虫には有性生殖の際に発現されている遺伝子と無
性生殖の際に発現されている遺伝子があるので両者を検
出できること、等の要件を満たすプライマーの設計を行
った。その結果、下記式(1)〜(8)のいずれかの式
で表される核酸断片、その変異配列、それらの標識体ま
たはそれらの固相担体結合性誘導体が熱帯熱マラリア原
虫および三日熱マラリア原虫の両者またはいずれか一方
を検出するためのプライマーとして有用であることを見
出し、本発明を完成するに至った。
【0008】すなわち、本発明は下記式(1)〜(8)
のいすれかの式で表される核酸断片、その変異配列、そ
れらの標識体およびそれらの固相担体結合性誘導体より
選ばれる熱帯熱マラリア原虫および/または三日熱マラ
リア原虫検出用プライマーを提供するものである。 式(1) 5’GAACGAAAGTTAAGGGAGT 式(2) 5’ACTGAAGGAAGCAATCTAA 式(3) 5’TCAGATACCGTCGTAATCTT 式(4) 5’CCAAAGACTTTGATTTCTCAT 式(5) 5’TCTTAGATTTTCTGGAGACG 式(6) 5’AAGCAATCTAAAAGTCACCT 式(7) 5’TCTTAGATTTTCTGGAGACA 式(8) 5’GAATAAACTCCGAAGAGAAA
【0009】また本発明は上記プライマーを利用した熱
帯熱マラリア原虫および/または三日熱マラリア原虫の
検出法、ならびに検出用キットを提供するものである。
【0010】本発明のプライマーである式(1)〜
(8)で表される核酸断片は、その特性により次のよう
に分類することができる。 1)熱帯熱マラリア原虫の18SリボソームRNA遺伝
子と三日熱マラリア原虫18SリボソームRNA遺伝子
の両方を増幅するプライマー。 式(1) 5’GAACGAAAGTTAAGGGAGT 〔プライマー
(1)〕 式(2) 5’ACTGAAGGAAGCAATCTAA 〔プライマー
(2)〕 式(3) 5’TCAGATACCGTCGTAATCTT〔プライマー
(3)〕 式(4) 5’CCAAAGACTTTGATTTCTCAT 〔プライマー
(4)〕 2)熱帯熱マラリア原虫の18SリボソームRNA遺伝
子と三日熱マラリア原虫18SリボソームRNA遺伝子
の両方を増幅し、なおかつ増幅生成物の塩基配列がハイ
ブリダイゼーション法により、容易に熱帯熱マラリア原
虫の18SリボソームRNA遺伝子由来のものである
か、三日熱マラリア原虫の18SリボソームRNA遺伝
子由来のものであるかを区別できるプライマー。 式(3) 5’TCAGATACCGTCGTAATCTT 式(4) 5’CCAAAGACTTTGATTTCTCAT 3)熱帯熱マラリア原虫の18SリボソームRNA遺伝
子のみを選択的に増幅するプライマー。 式(5) 5’TCTTAGATTTTCTGGAGACG〔プライマー
(5)〕 式(6) 5’AAGCAATCTAAAAGTCACCT〔プライマー
(6)〕 4)三日熱マラリア原虫の18SリボソームRNA遺伝
子のみを選択的に増幅するプライマー。 式(7) 5’TCTTAGATTTTCTGGAGACA〔プライマー
(7)〕 式(8) 5’GAATAAACTCCGAAGAGAAA〔プライマー
(8)〕
【0011】本発明の式(1)〜(8)のプライマー
は、例えば、DNA自動合成機を用いて化学的に合成す
ることにより調製することができる。本発明のプライマ
ーにおける変異配列は、熱帯熱マラリア原虫および/ま
たは三日熱マラリア原虫検出におけるプライマーとして
機能するものであればいずれでもよく、例えば上記の式
(1)〜(8)で表される基本的プライマーの塩基配列
の一部の塩基を欠失するか、また他の塩基で置換もしく
は付加されたものである。さらに具体的には上記熱帯熱
マラリア原虫および/または三日熱マラリア原虫の突然
変異株の同遺伝子の相当部分に対応する塩基配列などが
挙げられる。ただし、プライマー伸長反応の効率に大き
く影響を与えると思われるプライマーの3’末端付近に
ついては、変異がないようにするか、あるいはあっても
最小限にとどめることが好ましく、より好適には5’末
端付近で変異があるようにする。
【0012】本発明のプライマーの標識体は、上記プラ
イマーに検出可能な標識物質を結合させたものが挙げら
れる。ここで標識物質としては、非放射性、放射性物質
のどちらを用いても良いが、好ましくは非放射性物質で
ある。非放射性の物質としては、直接測定可能なものと
して蛍光物質〔例えばフルオレッセインおよびその誘導
体(フルオレッセインイソチオシアネート等)、ローダ
ミンおよびその誘導体(テトラメチルローダミンイソチ
オシアネート、テキサスレッド等)〕、化学発光物質
(例えばアクリジン等)や遅延蛍光を発する物質(DT
TA:ファルマシア社製)などが挙げられる。なお、こ
れらの標識物質を検出するにあたっては、標識物と特異
的に結合する物質を利用すれば、間接的に標識物を検出
することができる。こうした場合の標識物質としては、
ビオチンあるいはハプテン等が挙げられ、ビオチンの場
合はこれに特異的に結合するアビジンあるいはストレプ
トアビジンが、ハプテンの場合は、これに特異的に結合
する抗体が利用できる。ハプテンとしては2,4−ジニ
トロフェニル基を有する化合物、ジゴキシゲニンを使う
ことができ、さらにはビオチンあるいは蛍光物質なども
ハプテンとして使用することができる。これらの標識物
はいずれも単独または必要とあれば複数種の組み合わせ
で公知手段(特開昭59−93098号、特開昭59−
93099号各公報参照)により、プライマーに導入す
ることができる。
【0013】また、本発明プライマーの固相担体結合性
誘導体としては、本発明プライマーに固相担体と結合可
能な部位を導入したものが挙げられる。当該固相担体と
結合可能な部位(固相担体結合部位)の一例としては、
上記非放射性標識物質を利用することもできる。その好
ましい具体例としては、ビオチン、あるいはフルオレッ
セインなどの蛍光物質または2,4−ジニトロフェニル
基を有する化合物あるいはジゴキシゲニンなどのハプテ
ンが挙げられ、これらは単独または必要があれば複数種
の組み合わせで予め本発明プライマーに導入しておくこ
とができる。なお、当該部位と固相担体とを選択的に結
合させるためには、部位と検出のための標識物は、同一
であってはならない。また、ここでいう固相担体は、反
応に使用する溶媒およびすべての試薬に対して不活性で
かつ何らかの方法で該試薬溶液と分離でき、なおかつ上
記部位と選択的に結合可能なものである。このようなも
のとしては、ミクロタイターウェル、ポリスチレンボー
ル、アガロースビーズ、ポリアクリルビーズ等の固相材
料に、上記部位を捕捉可能なストレプトアビジンまたは
抗体などを導入したものが挙げられる。好ましくは、操
作性および機械化等に優れたミクロタイターウェルであ
る。例えば、ビオチンが導入されたプライマーを用いて
の遺伝子増幅生成物を捕捉するには、ストレプトアビジ
ンを固相に結合した担体を、また、フルオレッセイン残
基や2,4−ジニトロフェニル基が導入されたプライマ
ーを用いての遺伝子増幅生成物に対しては、それぞれに
対する抗体を固相に結合した担体を用いることができ
る。
【0014】また、本発明におけるハイブリダイゼーシ
ョン法としては、遺伝子増幅生成物を固相担体に固定
し、所望のプローブを用いて行うサザンハイブリダイゼ
ーション法やドットブロットハイブリダイゼーション法
を利用することができる〔Sinha,A.A.Sci
ence 239,1026−1029(198
8)〕。さらに、より簡便には、検出可能な標識を導入
したプライマーを用いて遺伝子増幅反応を行い、予め膜
に固定しておいた所望のプローブとハイブリダイゼーシ
ョン反応を行うリバースドットハイブリダイゼーション
法〔Saiki,R.K.Proc.Natl.Aca
d.Sci.USA 86,6230−6234(19
89)〕を利用することができる。しかしながら、集団
検診等の大規模な診断にはその様な方法でも不十分であ
り、ミクロタイターウェル等を利用する自動化可能な方
法が好ましい。例えば、双方がビオチン標識されたプラ
イマーを用いて遺伝子増幅反応を行い、増幅生成物を所
望のプローブを固定したミクロタイターウェル中に加え
てハイブリダイゼーション反応を行い、プレートと結合
した遺伝子増幅生成物の標識を検出することができる。
【0015】本発明の検出法においては、プライマー
(1)とプライマー(2)の組み合わせ、プライマー
(3)とプライマー(4)の組み合わせ、プライマー
(5)とプライマー(6)の組み合わせあるいはプライ
マー(7)とプライマー(8)の組み合わせ等を用いた
遺伝子増幅反応が利用される。このようなプライマーの
組み合わせの具体例としては次の(イ)−(ニ)が挙げ
られる。 (イ)2種のプライマーとも何も修飾されていないも
の。 (ロ)2種のプライマーのうち少なくとも一方が検出可
能な標識体であるもの。 (ハ)2種のプライマーのうち少なくとも一方が固相担
体結合性誘導体であるもの。 (ニ)2種のプライマーのうち一方が固相担体結合性誘
導体であり、他方が標識体であるもの。
【0016】このうち、遺伝子増幅物と担体に固定した
プローブとの間でハイブリダイゼーション反応を行って
検出する場合(ロ)の組み合わせが好ましい。特に感度
を上げる必要がある場合、2種のプライマーの両方が標
識されている方が好ましい。従って、(ロ)の組み合わ
せを用いて熱帯熱マラリア原虫と三日熱マラリア原虫を
区別して検出する場合、プライマー(3)およびプライ
マー(4)の両方が検出可能な物質で標識されているの
が好ましい。
【0017】また、検出操作の簡易性および迅速性を考
慮すれば(ニ)の組み合わせが特に好ましい。例えば、
熱帯熱マラリア原虫と三日熱マラリア原虫を区別しない
で同時に検出する場合、プライマー(1)またはプライ
マー(2)のいずれか一方が検出可能な物質で標識さ
れ、もう一方が固相担体結合性誘導体で標識されておれ
ばよい。プライマー(3)とプライマー(4)の組み合
わせについても同様である。
【0018】さらに、熱帯熱マラリア原虫と三日熱マラ
リア原虫とを同時に区別して検出する場合においては、
プライマー(5)またはプライマー(6)の固相担体結
合部位と、プライマー(7)またはプライマー(8)の
固相担体結合部位が同一であるとき、プライマー(5)
またはプライマー(6)の標識物と、プライマー(7)
またはプライマー(8)の標識物とが同一であってはな
らない。なぜなら、熱帯熱マラリア原虫に由来する標識
物と三日熱マラリア原虫に由来する標識物とを区別して
検出することができないからである。従って、この
(ニ)の組み合わせを用い、熱帯熱マラリア原虫と三日
熱マラリア原虫を同時に区別して検出する場合、プライ
マーは次の(i)−(iii)の態様が好ましい。 (i)プライマー(5)またはプライマー(6)の固相担
体結合部位とプライマー(7)またはプライマー(8)
の固相担体結合部位が同一であって、プライマー(5)
またはプライマー(6)の標識物とプライマー(7)ま
たはプライマー(8)の標識物が異なる。 (ii)プライマー(5)またはプライマー(6)の固相担
体結合部位とプライマー(7)またはプライマー(8)
の固相担体結合部位とが異なり、プライマー(5)また
はプライマー(6)の標識物とプライマー(7)または
プライマー(8)の標識物が同一。 (iii)プライマー(5)またはプライマー(6)の固相
担体結合部位とプライマー(7)またはプライマー
(8)の固相担体結合部位とが異なり、プライマー
(5)またはプライマー(6)の標識物とプライマー
(7)またはプライマー(8)の標識物が異なる。
【0019】さらに、遺伝子増幅反応を利用した種々の
病原微生物あるいは遺伝病等の検出においては遺伝子増
幅はその結果の判定のみならず、遺伝子増幅までのサン
プルの前処理がいかに簡易かという点が重要になってく
る。特に、遺伝子増幅反応においてはサンプルに含まれ
る成分によってDNAポリメラーゼの反応が著しく、こ
とに血液成分による阻害が最も顕著であることが知られ
ている〔Erlich,H.A. PCR techn
ology.Principle and Appli
cati on for DNA amplifica
tion.p31−39(1989)Stockton
Press〕。それらの阻害を除くため、種々の阻害
成分を想定し阻害を減少させる方法が考案されている
が、実用化というほどには至っていない。その様な状況
下、本発明者らは遺伝子増幅反応の阻害の主たる原因が
別にあると考え種々検討した。その結果、サンプルに含
まれる種々の成分によるpHの変化が遺伝子増幅反応に大
きな影響を及ぼしていることを発見した。つまり、サン
プル処理後のpHを測定し、遺伝子増幅反応のpHをDNA
ポリメラーゼ反応の至適pHとなるように調整することに
より阻害反応が大幅に改善される。例えば、サンプルと
してヒトの血液をそのまま用いる場合、遺伝子増幅反応
における緩衝液(例えばトリス塩酸)の濃度を通常の1
0mM程度から50〜200mM程度に上げ、しかも反応液
に加える前の緩衝液のpHを通常の8.3から8.6〜
8.9の範囲に上げることによって阻害反応が大きく改
善される。
【0020】以下本発明の検出法の操作を詳細に説明す
る。 (1)検体の前処理 まず、目的の熱帯熱マラリア原虫および/または三日熱
マラリア原虫の存在の有無を検知しようとする検体を用
意する。主たる検体としては、感染者あるいは患者より
得られる血液が挙げられる。採取した血液は、血清成分
を除いた後あるいはそのままで界面活性剤等〔例えばサ
ポニン等(Biochem.Biophys.Res.
Commun.175,179−184(1991)〕
を用いて血球成分を破壊し、遠心操作により血球成分を
除くことができる。血球を除いた後の原虫については通
常の細胞と同様プロテアーゼ等の処理で細胞を破壊する
ことができる。また、操作を簡易化するためには遠心操
作を除く必要がある。その場合、血液成分によってDN
Aポリメラーゼ反応が極めて阻害されやすいので注意を
要する。例えば、全血を上記サポニンで処理し、そのま
まプロテアーゼ等で処理して遺伝子増幅のサンプルとす
ることができるが、その場合あらかじめ細胞破壊反応後
のpHを測定し、DNAポリメラーゼ反応に最適となるよ
うに細胞破壊処理時あるいは遺伝子増幅反応時に前記の
如く緩衝液を加えるのが好ましい。全血を破壊処理する
とpHは下がるのでDNAポリメラーゼ反応において最適
とするには、一般に用いられている細胞破壊の際の緩衝
液や遺伝子増幅反応の緩衝液よりpHを高くし、濃度も高
くしておくのが好ましい。
【0021】(2)遺伝子増幅反応 上記検体に本発明のプライマーを加えることにより、検
体中に目的とする熱帯熱マラリア原虫および/または三
日熱マラリア原虫が存在すればプライマーの伸長反応に
基づく遺伝子増幅反応を行うことができる。プライマー
の伸長反応は、4種類のヌクレオチド三リン酸〔(デオ
キシアデノシン三リン酸、デオキシグアノシン三リン
酸、デオキシシチジン三リン酸およびチミジン三リン酸
(これらの混合物をdNTPということもある)〕を基
質として該プライマーに取り込ませることにより実施で
きる。この伸長反応にはE.coliDNAポリメラー
ゼI、E.coliDNAポリメラーゼIのクレナウ断
片、T4DNAポリメラーゼなどが使用される。特に、
Taqポリメラーゼのような高温で伸長反応を行える耐
熱酵素を用いればプライマーによる標的配列認識の特異
性を高めることもできる(詳細は特開平1−31496
5号および同1−252300号参照)。本発明による
2種類の各プライマー〔(1)と(2)の組み合わせ、
(3)と(4)の組み合わせ、(5)と(6)の組み合
わせまたは(7)と(8)の組み合わせ〕を用いて伸長
反応を繰り返すことにより、目的とする三日熱マラリア
原虫18SリボソームRNA遺伝子および/または三日
熱マラリア原虫18SリボソームRNA遺伝子を効率的
に増幅させることができる。遺伝子増幅反応のさらに具
体的な方法については成書を参照されたい〔実験医学、
8、No.9(1990)羊土社、あるいはPCR Te
chnology,Stockton press(1
989)〕。
【0022】(3)検出 プライマー伸長反応により生成した目的遺伝子と検出プ
ライマーとの結合物を検出すれば、検体中の熱帯熱マラ
リア原虫および/または三日熱マラリア原虫を検出する
ことが出来るが、当該結合物の好ましい検出法は、上記
プライマーの伸長反応物、すなわちその合成核酸の種類
もしくは形態により異なる。一般的には、遺伝子増幅反
応生成物は二重鎖となり、この合成核酸は電気泳動法
〔Saiki,R.K.Science 230,13
50−1354(1985)〕あるいは標識プローブを
用いるドットハイブリダイゼーション法〔Saiki,
R.K.Nature 324,163−166(19
86)〕等により検出することができる。合成核酸鎖に
標識物質が導入されている場合は、固相担体に固定した
プローブと該標識合成核酸鎖をハイブリダイズさせるリ
バースドットハイブリダイゼーション法〔Saiki,
R.K.Proc.Natl.Acad.Sci.US
A,86,6230−6234(1989)〕、あるい
は固体吸着剤を用いたカラム法(特開平1−31496
5号参照)等によっても、当該核酸を検出することがで
きる。また、特開平1−252300号記載の方法によ
れば、さらに用意に核酸を検出することもできる。すな
わち、プライマーとして前記(ニ)の組み合わせを用
い、遺伝子増幅反応を行った反応物を固相担体と接触さ
せたのち、不純物を適当な溶媒で洗浄除去する方法があ
る。この方法でも該固相担体結合部位を持つプライマー
から伸長した合成核酸鎖は、もう一方の標識物が導入さ
れたプライマーから伸長された合成核酸と二重鎖を組ん
でおり、目的の遺伝子増幅反応生成物は標識物を持つ形
で該固相担体に固定され、特異的に固定されることにな
る。標識物質の検出は、使用する標識物質に応じて一般
的手法を用いればよい。例えば、標識物質がラジオアイ
ソトープであればそのまま活性を測定すればよいし、例
えばビオチンであればアビジン(もしくはストレプトア
ビジン)−酵素結合体、またハプテンであれば抗体−酵
素結合体を用いて基質と反応させ、色的または蛍光的手
段により検出可能な成分を得ることができる。また、例
えば、標識物質が蛍光であればそのまま蛍光光度計を用
いて強度を測定すればよい。なお、上記方法で熱帯熱マ
ラリア原虫18SリボソームRNA遺伝子と三日熱マラ
リア原虫18SリボソームRNA遺伝子を同時に区別し
て検出するにあたり、プライマー(5)または(6)の
標識物とプライマー(7)または(8)の標識物とが互
いに異なるハプテンである場合、抗体−酵素結合体を基
質と反応させて検出する操作は別々に行う必要がある。
また、プライマー(3)と(4)の組み合わせより得ら
れる遺伝子増幅物をハイブリダイゼーション法を用い
て、その増幅物が熱帯熱マラリア原虫由来のものである
か、三日熱マラリア原虫由来のものであるかを判定する
ことができるが、その場合特願平3−182035号記
載の方法を用いるとハイブリダイゼーション操作が簡便
になる。その場合、プローブとしては、プライマー
(3)とプライマー(4)で増幅される配列のなかで、
熱帯熱マラリア原虫18SリボソームRNA遺伝子と三
日熱マラリア原虫18SリボソームRNA遺伝子との間
で互いに異なる配列を選び特願平3−182035号記
載の方法に従ってプローブを調製すればよい。
【0023】本発明の熱帯熱マラリア原虫および/また
は三日熱マラリア原虫検出用キットの一つの形態は、
(A)細胞を破壊するための試薬類、(B)プライマー
(1)とプライマー(2)との組み合わせ、プライマー
(5)とプライマー(6)との組み合わせ、プライマー
(7)とプライマー(8)との組み合わせ、あるいはプ
ライマー(5)、(6)、(7)および(8)との組み
合わせよりなる検出用プライマーを含有する遺伝子増幅
を行うための試薬類、ならびに(C)遺伝子増幅生成物
を固定化するための担体を組み合わせることを特徴とす
る。また、本発明のキットには、必要に応じ(D)洗浄
液、オイル、標識物を間接的に測定するための試薬類を
含むものである。
【0024】また、もう一方の形態としては(A)プラ
イマー(3)とプライマー(4)との組み合わせよりな
る検出用プライマーを含有する遺伝子増幅を行うための
試薬類、ならびに(C)遺伝子増幅物を熱帯熱マラリア
原虫18SリボソームRNA遺伝子と三日熱マラリア原
虫18SリボソームRNA遺伝子のいずれであるかを判
定するためのプローブを固定した担体を組み合わせるこ
とを特徴とする。また、本発明のキットには必要に応じ
(D)ハイブリダイゼーション溶液、洗浄液、オイル、
標識物を間接的に測定するための試薬類を含むものであ
る。以下、これらの構成要素について具体的に説明す
る。
【0025】(A)細胞を破壊するための試薬類 熱帯熱マラリア原虫および/または三日熱マラリア原虫
の存在している赤血球を分解するためには界面活性剤が
適しており、一般的に使われているサボニンを使えばよ
いがそのほか以後の反応に影響を及ぼさないものであれ
ばいかなるものでもよい。一方、タンパク質を分解する
ための酵素としては、タンパク質のペプチド結合を切断
可能なものであればよく、例えば、トリプシン、ペプシ
ンあるいはプロテアーゼK等を使用することができる。
これらの酵素には、必要に応じてTriton X−1
00,Nonidet P−40,Tween20,S
DS等の界面活性剤を添加することもできる。なお、こ
れら反応のpHを調節する緩衝液としては酵素反応等で最
もよく使われるトリス塩酸を用いればよい。
【0026】(B)遺伝子増幅反応を行うための試薬 遺伝子増幅反応を行うための前記プライマー、核酸を合
成(増幅)するための単位核酸および核酸伸長酵素を含
むものである。核酸伸長酵素としては、任意のDNAポ
リメラーゼを用いることができるが、好ましくは熱安定
性のDNAポリメラーゼを用いることにより迅速かつ特
異的に遺伝子増幅反応を行うことができる。これらの具
体例としては、Taq DNAポリメラーゼ、Tth
DNAポリメラーゼおよびVent DNAポリメラー
ゼ等がある。
【0027】(C)遺伝子増幅反応生成物を固定化する
ための担体 本発明プライマーに導入された固相担体結合部位と特異
的に結合可能な固相担体で、具体的には前記した通りで
ある。好ましくは、ミクロタイターウェルに該部位が特
異的に結合するように処理したものを用いることができ
る。
【0028】(D)担体に固定化したプローブ 本発明プライマー(3)と(4)の組み合わせにより得
られる遺伝子増幅物とハイブリダイゼーションを行うプ
ローブとしては前記に示した通りであり、ミクロタイタ
ーウェルに固定化したものが好ましい。
【0029】(E)その他の試薬類 洗浄液は、未反応プライマー、試薬等を除去するための
洗浄液であって、本検出反応に影響がないものであれば
特に限定されない。一般に緩衝液を用いることができ
る。ハイブリダイゼーション溶液は一般の膜を利用する
ハイブリダイゼーションで使われているものをそのまま
使用すればよい。オイルは、反応溶液の水分の蒸発を防
止するためのオイルであって、水と分配可能で、かつ水
より比重の軽いものである。例えば、シリコンオイル、
ミネラルオイル等を使用することができる。
【0030】標識を間接的に測定するための試薬は、プ
ライマーに直接検出可能な標識以外の標識を導入した場
合、その標識を間接的に測定するための試薬類を含むも
のである。例えば標識がハプテンである場合、a)ハプ
テンと特異的に結合する抗体に酵素を結合させたもの、
b)該酵素の基質等が挙げられる。これらの具体例とし
ては、酵素がβ−D−ガラクトシダーゼの場合、基質と
して2−ニトロフェニル−β−D−ガラクトピラノシ
ド、4−メチルウンベリフェリル−β−D−ガラクトピ
ラノシド等;酵素がペルオキシダーゼの場合、基質とし
て3−(p−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸、3,
3’,5,5’−テトラメチルベンジジン、1,2−フ
ェニレンジアミン等;酵素がアルカリフォスファターゼ
の場合、基質として4−メチルウンベリフェリルフォス
フェート、NADP、4−ニトロフェニルフォスフェー
ト等;酵素がグルコース−6−リン酸脱水酵素の場合、
基質としてグルコース、NAD等;また酵素がアルコー
ル脱水酵素である場合、基質としてエタノール、NAD
等を用いることができる。
【0031】
【発明の効果】本発明によって熱帯熱マラリア原虫およ
び/または三日熱マラリア原虫を検体から短時間で正確
に診断できるようになり、これらのマラリア流行地での
大規模な集団検診が可能になった。
【0032】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明を詳細に説明する
が、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0033】実施例1:プライマーの調製 本発明において標識物あるいは固相担体結合部位が導入
されているプライマーまたは導入されていないプライマ
ーは以下に示す方法で化学合成した。まず、標識物ある
いは固相担体結合部位のいずれも導入されていないもの
は、Caruthersらのホスホアミダイト法〔Te
trahedron Lett.,22,1859(1
981)〕に基づいてアプライドバイオシステム社のD
NA自動合成機モデル381Aを用いて0.2マイクロ
モルのスケールで行った。また、標識物または固相担体
結合部位が導入されたものは、まずそれぞれの5’末端
にアミノ基を導入したオリゴヌクレオチドとして合成
し、そののち適当な試薬を用いて標識物あるいは固相担
体結合部位を導入した。その例を以下に示す。まず、
5’末端にアミノ基を導入したオリゴヌクレオチド
(5’GAACGAAAGTTAAGGGAGT)はアプライドバイオシステ
ム社のDNA自動合成機モデル381Aを用いて合成し
た。0.2マイクロモルの支持体に順次保護モノヌクレ
オチドホスホアミダイトを付加し、5’末端の塩基を付
加した後アミノリンクII(商品名:アプライドバイオ
システム社)をさらに付加した。次に濃アンモニア水処
理により支持体からの脱離および保護基の除去を行っ
た。脱保護後は、セファデックスG−50を用いてゲル
濾過し、最初に溶出したピークのフラクションを集めて
濃縮した。次にこのアミノ化オリゴヌクレオチドの水溶
液(1 O.D.:10μl)に1M NaHCO3
溶液(10μl)、H2O(30μl)およびビオチニ
ル−N−ヒドロキシサクシニミドエステル(BRL社)
のDMF溶液(20μg/μl、50μl)を加え、混
和後室温で放置した。4時間後、ゲル濾過カラム(セフ
ァデックスG−50)にかけ、50mMTEABバッファ
ー(重炭酸トリエチルアンモニウム緩衝液、pH7.5)
で溶離し、最初に溶出したピークを集めて乾固した。次
にこの試料を逆相のHPLCで精製した(カラム:μ−
Bondapak C18、溶出液:5−20%アセト
ニトリル−50mMトリエチルアンミニウム酢酸 pH7.
0、収量:0.35 O.D.)。5’末端にジニトロ
フェニル基(DNP)を導入したオリゴヌクレオチド
(5’ACTGAAGGAAGCAATCTAA )は、まずビオチン化オリ
ゴヌクレオチドの場合と同様にアミノ基を導入したもの
を合成し、これを原料として用いた。ゲル濾過で粗精製
したアミノ化オリゴヌクレオチドの水溶液(1.0
O.D.:180μl)に1M NaHCO3 (20μ
l)を加え、これに5%(v/v)ジニトロフルオロベ
ンゼンのエタノール溶液(100μl)を加え37℃で
2時間加温した。反応後はビオチン化オリゴヌクレオチ
ドと同様にしてゲル濾過によって試薬を除き、逆相のH
PLCで精製した(収量:0.38 O.D.)。5’
末端にフルオレッセイン基を導入したオリゴヌクレオチ
ド(5’GAATAAACTCCGAAGAGAAA)は、まずビオチン化オ
リゴヌクレオチドの場合と同様にアミノ基を導入したも
のを合成し、これを原料として用いた。ゲル濾過で粗精
製したアミノ化オリゴヌクレオチドの水溶液(2.0
O.D.:40μl)に1M Na 2CO3(108μ
l)とH2O(120μl)を加え、これにフルオレッ
セインイソチオシアネート(FITC)のDMF溶液
(4mg/12μl)を加えて混和し、室温で終夜反応し
た。反応後はビオチン化オリゴヌクレオチドと同様にし
てゲル濾過によって試薬を除き、逆相HPLCで精製し
た(収量:0.30 O.D.)。
【0034】実施例2:抗体の標識 DNPおよびFITC標識抗体はそれぞれのハプテンと
キーホールリンペットヘモシアニン(KLH)の共役体
を調製し、それらを用いてウサギを免疫した。それぞれ
から得られる抗血清は硫安塩析、アフィニティークロマ
トグラフィーを用いて精製した。得られた精製抗体はF
ab’とし、N−(ε−マレイミドカプロン酸)スクシ
ンイミド(EMCS)を架橋剤としてアルカリフォスフ
ァターゼ標識した。 実施例3:ストレプトアビジン固定化マイクロタイター
ウェルの調製 2%グルタルアルデヒドリン酸緩衝液(PBS)溶液
(100μl/ウェル)をアミノ化マイクロタイターウ
ェル(住友ベークライト、セパプレート8Fアミノタイ
プ)に加え37℃で4時間反応した。反応後、水で2回
洗浄し、ストレプトアビジンの炭酸緩衝液(10μg/
ml,100mM NaHCO3−Na2CO3pH9.5)を
加え(100μl/ウェル)、37℃で4時間反応し
た。反応後PBSで5回洗浄し、1%BSA、0.05
%NaN3 、PBSを加えて4℃で保存した。 実施例4:マイクロタイターウェルに固定したプローブ
の調製 下記式(A)(熱帯熱マラリア原虫用)および(B)
(三日熱マラリア原虫用)に示すオリゴヌクレオチドを
合成し、その5’末端をT4ポリヌクレオチドリン酸化
酵素とATPを用いてリン酸化し、それぞれ2種のオリ
ゴヌクレオチドを混合して2本鎖を形成させた。 (A) 5’pTATTAAGTCATCTTTCGAGGTGAC 3'’ 3'TTCAGTAGAAAGCTCCACTGATAAp 5' (B) 5’pTATTGAATTTTCTCTTCGGAGTTTA 3'’ 3'CTTAAAAGAGAAGCCTCAAATATAAp 5' この2本鎖のフラグメントをそれぞれT4DNAリガー
ゼを用いて結合させ、その後、大腸菌DNAポリメラー
ゼIのKlenow断片と4種のデオキシリボヌクレオ
チド三リン酸を用いて平滑末端とした。次に、プラスミ
ドpUC−Sfix2(特開平2−190194号公
報)を制限酵素BamHIで切断後、Klenow断片
を用いて平滑末端とした。これらDNAをT4DNAリ
ガーゼを用いて結合し、大腸菌DH5を形質転換した。
目的のクローンを制限酵素解析によって選択した。さら
に、得られたプラスミドを制限酵素SfiIで切断し、
電気泳動を用いて該配列の繰り返しを含む部分を精製、
回収した。次に、ベクターに対し過剰の該配列の繰り返
しを含むSfi断片をT4DNAリガーゼにより結合し
た。なお、この際ベクターとしてはpUC−Sfix2
をSfiIで切断したものを用いた。これを用いてMV
1184を形質転換し、制限酵素解析により上記(A)
および(B)に示す単位配列をおよそ60個含むクロー
ンをそれぞれ選びだした。これらからヘルパーファージ
M13KO7を用いて常法に従って一本鎖DNAを調製
した〔Molecular cloning,4.29
−4.32 2nd ed.〕。得られた一本鎖DNA
を、10mM Tris−HCl pH7.6、1mM ED
TA溶液で1μg/50μlの濃度とし、等量の固定化
バッファー(1.5MNaCl、0.3M Tris−
HCl(pH8.0)、0.3M MgCl2 )を加えて
混和し、マイクロタイターウェル(住友ベークライト、
セパプレート8F Hタイプ)に1ウェルあたり100
μlずつ加えた。ウェルはふたをして37℃16時間放
置した。その後液を除き、37℃30分間乾燥後、スト
ラタリンカー2400(ストラタジーン社製)を用い、
500,000μJの光照射を行った。光照射後、洗浄
バッファー(1M NaCl、2mM MgCl2 、0.
1M Tris−HCl pH9.3、0.1% Twe
en20:200μl)で3回洗浄した。(A)の単位
配列を含む一本鎖DNAを固定したものを熱帯熱マラリ
ア原虫検出用マイクロタイターウェル、(B)の単位配
列を含む一本鎖DNAを固定したものを三日熱マラリア
原虫検出用マイクロタイターウェルとした。マイクロタ
イターウェルをビニールパックに入れシールして4℃で
保存した。
【0035】実施例5:各プライマーの特異性 熱帯熱マラリア原虫(FC0−1)およびヒトDNAは
常法に従って精製したものを、三日熱マラリア原虫につ
いては、三日熱マラリア原虫感染者より得られた血液を
サポニン溶血処理およびプロテアーゼK処理したものを
遺伝子増幅のサンプルとした。サンプルが精製したDN
Aである場合は、熱帯熱マラリア原虫で1.1ng、ヒト
で1μgを使用し、三日熱マラリア原虫の場合、塗末標
本の検鏡より得られた原虫濃度から換算した104 細胞
相当分をサンプルとした。これにそれぞれのプライマー
50ngを加え、dATP、dGTP、dCTP、TTP
それぞれ200μM、50mM Tris−HCl(pH
8.9)、80mM KCl、1.5mM MgCl2
0.1% Triton X−100、0.1%(w/
v)コール酸ナトリウム、500μl/ml BSAを含
む総量50μlを反応液とした。反応は94℃5分間加
熱したのち、50℃に5分間保った。つづいて、Tth
DNAポリメラーゼ(TOYOBO)1単位を加え、
94℃・30秒、50℃・60秒、50℃・60秒を1
サイクルとし、30サイクルの反応を行った。反応後の
混合液5μlをアガロース電気泳動に供し、エチジウム
プロミド染色により、増幅精製物の有無および長さをサ
イズマーカーより推定した。結果を表1に示した。
【0036】
【表1】
【0037】実施例6:血液の簡易処理による遺伝子増
幅 (方法1)血液培養した熱帯熱マラリア原虫をヒト血液
で106 細胞/mlになるように希釈した。この血液サン
プル(10μl)に0.015%サポニンPBS溶液
(500μl)を加え、よく攪拌した後5分間遠心した
(10,000rpm)。上清を除き、lysis液(1
10mM Tris−HCl(pH8.9)、1.5mM M
gCl2 、80mM KCl、500μg/ml BSA、
0.1%コール酸ナトリウム、0.1% Triton
X−100、200μg/ml プロテイナーゼK、
0.45% Tween20、0.45% NP40)
40μlを加え、60℃で20分間処理し、PCR混合
液〔プライマー(1)およびプライマー(2)それぞれ
5μg/ml、dATP、dGTP、dCTP、TTPそ
れぞれ1mM、50mM Tris−HCl(pH8.9)、
80mM KCl、1.5mMMgCl2 、0.1% Tr
iton X−100、0.1%(w/v)コール酸ナ
トリウム、500μg/ml BSA、1U Tth P
olymerase〕を10μl加えて実施例5と同様
の操作で遺伝子増幅反応を行った。反応後の混合液をア
ガロース電気泳動にかけ増幅物の有無を調べた。その結
果、上記熱帯熱マラリア原虫を含む血液サンプルはおよ
そ140bpの増幅物がみられ、原虫を含まないコント
ロールの血液サンプルでは増幅物がみられなかった。
【0038】(方法2)熱帯熱マラリア原虫のDNAを
ヒト血液で0.5ng/μlになるように希釈した。この
血液サンプル(2μl)にlysis液(110mM T
ris−HCl(pH8.9)、1.5mM MgCl2
80mM KCl、500μg/ml BSA、0.1%
(w/v)コール酸ナトリウム、0.1% Trito
nX−100、200μg/ml プロテイナーゼK、
0.45% Tween20、0.45% NP40)
40μlを加え、60℃で20分間処理し、94℃で1
0分間処理した後、PCR混合液〔プライマー(1)お
よびプライマー(2)それぞれ5μg/ml、dATP、
dGTP、dCTP、TTPそれぞれ1mM、50mM T
ris−HCl(pH8.9)、80mM KCl、1.5
mM MgCl 2 、0.1% Triton X−10
0、0.1%(w/v)コール酸ナトリウム、500μ
g/ml BSA、1U Tth Polymeras
e〕を10μl加えて実施例5と同様の操作で遺伝子増
幅反応を行った。反応後の混合液をアガロース電気泳動
にかけ増幅物の有無を調べた。その結果、熱帯熱マラリ
ア原虫のDNAを含む血液サンプルはおよそ140bp
の増幅物がみられ、原虫のDNAを含まないコントール
の血液サンプルでは増幅物がみられなかった。
【0039】実施例7:熱帯熱マラリア原虫と三日熱マ
ラリア原虫の同時検出 血液培養した熱帯熱マラリア原虫をヒト血液で106
胞/mlになるように希釈したもの、三日熱マラリア原虫
に感染した患者から得られた血液で、健常人ヒト血液で
106 細胞/mlになるように調製したものおよび健常人
の血液を用いて以下のように行った。まず、実施例6の
方法1に従ってそれぞれの血液(10μl)をサポニン
溶血処理、lysis処理した。これにPCR混合液
〔ビオチン標識したプライマー(1)およびDNP標識
したプライマー(2)それぞれ5μg/ml、dATP、
dGTP、dCTP、TTPそれぞれ1mM、50mM T
ris−HCl(pH8.9)、80mM KCl、1.5
mM MgCl2 、0.1% Triton X−10
0、0.1%(w/v)コール酸ナトリウム、500μ
g/ml BSA、100/mlU Tth Polyme
rase〕を10μl加えて実施例5と同様の条件で遺
伝子増幅反応を行った。反応後の混合液5μlを、あら
かじめ100μlの緩衝液〔50mM Tris−HCl
(pH7.5)、0.15M NaCl、0.05% T
ween20〕で希釈したアルカリホスファターゼ標識
抗DNP抗体を加えておいたストレプトアビジン固定化
マイクロタイターウェルに加えた。室温で30分間おい
た後、上述の緩衝液約400μlで洗浄した。この洗浄
操作をさらに2回行い、100μlのp−ニトロフェニ
ルリン酸溶液(4mg/ml、1M ジエタノールアミン
(pH8.9)緩衝液で溶解)を加え、室温で30分間お
いたのちマイクロプレートリーダーで405nmの吸光度
を測定した。結果を表2に示した。
【0040】
【表2】
【0041】実施例8:熱帯熱マラリア原虫と三日熱マ
ラリア原虫を同時に区別して検出する方法(1) 実施例7と同様な血液サンプルを同様にサポニン処理
し、つづいてlysis処理した。これにPCR混合液
〔ビオチン標識したプライマー(3)および(4)それ
ぞれ5μg/ml、dATP、dGTP、dCTP、TT
Pそれぞれ1mM、50mM Tris−HCl(pH8.
9)、80mM KCl、1.5mM MgCl 2 、0.1
% Triton X−100、0.1%(w/v)コ
ール酸ナトリウム、500μg/ml BSA、100U
/ml Tth Polymerase〕を10μl加え
て遺伝子増幅反応を行った。それぞれの混合液5μlを
熱変性しあらかじめハイブリダイゼーション溶液(5×
SSC、200μg/mlマスDNA:100μl/ウェ
ル)を加えておいた熱帯熱マラリア原虫検出用マイクロ
タイターウェルおよび三日熱マラリア原虫検出用マイク
ロタイターウェルに加え60℃で1時間ハイブリダイゼ
ーションした。ハイブリダイゼーション溶液を除き、2
×SSC(200μl/ウェル)で3回洗浄した。これ
に、ストレプトアビジン−アルカリホスファターゼ溶液
(BRL社のストレプトアビジン−アルカリホスファタ
ーゼを0.1M Tris−HCl(pH7.5)、0.
3M NaCl、2mM MgCl2 、0.05%(v/
v)Triton X−100で1/2000に希釈:
100μl/ウェル)を加え、室温で15分間放置し
た。反応液を除き、洗浄液(0.1M Tris−HC
l(pH7.5)、0.3M NaCl、2mM MgCl
2 、0.05%(v/v)Triton X−100:
200μl/ウェル)で3回洗浄した。洗浄後、p−ニ
トロフェニルリン酸溶液(1M ジエタノールアミンpH
9.8、0.5mM MgCl2 :4mg/ml:100μl
/ウェル)を加えて室温で1時間反応し、405nmで吸
光度を測定した。その結果は表3に示されるとおりであ
る。
【0042】
【表3】
【0043】実施例9 熱帯熱マラリア原虫と三日熱マ
ラリア原虫を同時に区別して検出する方法(2) 実施例7と同様な血液サンプルを同様にサポニン処理
し、つづいてlysis処理した。これにPCR混合液
〔ビオチン標識したプライマー(5)、FITC標識し
たプライマー(6)、ビオチン標識したプライマー
(7)およびDNP標識したプライマー(8)それぞれ
5μg/ml、dATP、dGTP、dCTP、TTPそ
れぞれ1mM、50mM Tris−HCl(pH8.9)、
80mM KCl、1.5mM MgCl2 、0.1% T
riton X−100、0.1%(w/v)コール酸
ナトリウム、500μg/ml BSA、100U/ml
TthPolymerase〕を10μl加えて遺伝子
増幅反応を行った。反応後の混合液5μlずつを、あら
かじめ100μlの緩衝液〔50mM Tris−HCl
(pH7.5)、0.15mM MgCl2 、0.05%
Tween20〕で希釈したアルカリホスファターゼ標
識抗DNP抗体を加えておいたストレプトアビジン固定
化マイクロタイターウェルとアルカリホスファターゼ標
識抗FITC抗体を加えておいたストレプトアビジン固
定化マイクロタイターウェルに加えた。室温で30分間
おいた後、上述の緩衝液約400μlで洗浄した。この
洗浄操作をさらに2回行い、100μlのp−ニトロフ
ェニルリン酸溶液(4mg/ml、1Mジエタノールアミン
緩衝液で溶解)を加え、室温で30分間おいたのちマイ
クロプレートリーダーで405nmの吸光度を測定した。
結果を表4に示した。
【0044】
【表4】
【図面の簡単な説明】
【図1】熱帯熱マラリア原虫18SリボソームRNA遺
伝子、三日熱マラリア原虫18SリボソームRNA遺伝
子およびヒト18SリボソームRNA遺伝子の部分配列
の比較を示す図である。
フロントページの続き (72)発明者 中野 浩美 広島県高田郡甲田町下甲立1624 湧永製薬 株式会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(1)〜(8)のいずれかの式で
    表される核酸断片、その変異配列、それらの標識体およ
    びそれらの固相担体結合性誘導体より選ばれる熱帯熱マ
    ラリア原虫および/または三日熱マラリア原虫検出用プ
    ライマー。 式(1) 5’GAACGAAAGTTAAGGGAGT 式(2) 5’ACTGAAGGAAGCAATCTAA 式(3) 5’TCAGATACCGTCGTAATCTT 式(4) 5’CCAAAGACTTTGATTTCTCAT 式(5) 5’TCTTAGATTTTCTGGAGACG 式(6) 5’AAGCAATCTAAAAGTCACCT 式(7) 5’TCTTAGATTTTCTGGAGACA 式(8) 5’GAATAAACTCCGAAGAGAAA
  2. 【請求項2】 下記式(1)〜(4)のいずれかの式で
    表される核酸断片その変異配列、それらの標識体および
    それらの固相担体結合性誘導体より選ばれる熱帯熱マラ
    リア原虫および三日熱マラリア原虫検出用プライマー。 式(1) 5’GAACGAAAGTTAAGGGAGT 式(2) 5’ACTGAAGGAAGCAATCTAA 式(3) 5’TCAGATACCGTCGTAATCTT 式(4) 5’CCAAAGACTTTGATTTCTCAT
  3. 【請求項3】 下記式(5)または(6)で表される核
    酸断片、その変異配列、それらの標識体およびそれらの
    固相担体結合性誘導体より選ばれる熱帯熱マラリア原虫
    を特異的に検出するプライマー。 式(5) 5’TCTTAGATTTTCTGGAGACG 式(6) 5’AAGCAATCTAAAAGTCACCT
  4. 【請求項4】 下記式(7)または(8)で表される核
    酸断片、その変異配列、それらの標識体およびそれらの
    固相担体結合性誘導体より選ばれる三日熱マラリア原虫
    を特異的に検出するプライマー。 式(7) 5’TCTTAGATTTTCTGGAGACA 式(8) 5’GAATAAACTCCGAAGAGAAA
  5. 【請求項5】 a)熱帯熱マラリア原虫および/または
    三日熱マラリア原虫を含有する被検体に請求項1記載の
    少なくとも2種の検出用プライマーを加えて遺伝子増幅
    反応を行い、b)ついで被検体中の熱帯熱マラリア原虫
    および/または三日熱マラリア原虫の18Sリボソーム
    RNA遺伝子と当該検出用プライマーによる遺伝子増幅
    反応生成物を検出することを特徴とする熱帯熱マラリア
    原虫および/または三日熱マラリア原虫の検出法。
  6. 【請求項6】 a)熱帯熱マラリア原虫および/または
    三日熱マラリア原虫を含有する被検体に式(3)または
    (4)で表される核酸断片、その変異配列およびそれら
    の標識体より選ばれる2種の検出用プライマーを加えて
    遺伝子増幅反応を行い、b)ついで被検体中の熱帯熱マ
    ラリア原虫または三日熱マラリア原虫の18Sリボソー
    ムRNA遺伝子と当該検出用プライマーによる遺伝子増
    幅反応生成物をハイブリダイゼーション法により区別し
    て検出することを特徴とする熱帯熱マラリア原虫または
    三日熱マラリア原虫の検出法。
  7. 【請求項7】 a)熱帯熱マラリア原虫および/または
    三日熱マラリア原虫を含有する被検体に請求項3記載の
    少なくとも2種または請求項4記載の少なくとも2種の
    検出用プライマーを加えて遺伝子増幅反応を行い、b)
    次いで被検体中の熱帯熱マラリア原虫または三日熱マラ
    リア原虫の18SリボソームRNA遺伝子と当該検出用
    プライマーによる遺伝子増幅反応生成物を区別して検出
    することを特徴とする熱帯熱マラリア原虫または三日熱
    マラリア原虫の検出法。
  8. 【請求項8】 被検体が予め細胞破壊処理されたもので
    ある請求項5〜7のいずれかの項記載の検出法。
  9. 【請求項9】 (A)細胞を破壊するための試薬類、
    (B)式(1)〜(8)のいずれかの式で表される核酸
    断片、その変異配列、それらの標識体およびそれらの固
    相担体結合性誘導体より選ばれる2種の検出用プライマ
    ーを含有する遺伝子増幅反応を行うための試薬類、なら
    びに(C)当該検出用プライマーによる遺伝子増幅物を
    固定するための担体を組み合わせたことを特徴とする熱
    帯熱マラリア原虫および/または三日熱マラリア原虫の
    検出用キット。
  10. 【請求項10】 (A)細胞を破壊するための試薬類、
    (B)式(3)または(4)で表される核酸断片、その
    変異配列およびそれらの標識体より選ばれる2種のプラ
    イマーを含有する遺伝子増幅反応を行うための試薬類、
    ならびに(C)当該検出用プライマーによる遺伝子増幅
    物が熱帯熱マラリア原虫の18SリボソームRNA遺伝
    子由来のものであるか三日熱マラリア原虫由来の18S
    リボソームRNS遺伝子由来のものであるかをハイブリ
    ダイゼーション法により決定するためのプローブ固定化
    担体を組み合わせたことを特徴とする熱帯熱マラリア原
    虫と三日熱マラリア原虫を区別して検出するためのキッ
    ト。
  11. 【請求項11】 細胞を破壊するための試薬および/ま
    たは遺伝子増幅反応を行うための試薬に、細胞破壊処理
    によって生ずるpH変化を補うのに十分な緩衝試薬が含ま
    れている請求項9または10記載のキット。
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