JPH05227858A - ヒメツルニチニチソウ形質転換植物体、その取得方法及びその増殖方法 - Google Patents

ヒメツルニチニチソウ形質転換植物体、その取得方法及びその増殖方法

Info

Publication number
JPH05227858A
JPH05227858A JP4069000A JP6900092A JPH05227858A JP H05227858 A JPH05227858 A JP H05227858A JP 4069000 A JP4069000 A JP 4069000A JP 6900092 A JP6900092 A JP 6900092A JP H05227858 A JPH05227858 A JP H05227858A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
plant
medium
periwinkle
transformed
hairy root
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4069000A
Other languages
English (en)
Inventor
Misato Takao
実里 高尾
Nobukazu Tanaka
伸和 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daicel Corp
Original Assignee
Daicel Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daicel Chemical Industries Ltd filed Critical Daicel Chemical Industries Ltd
Priority to JP4069000A priority Critical patent/JPH05227858A/ja
Publication of JPH05227858A publication Critical patent/JPH05227858A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Breeding Of Plants And Reproduction By Means Of Culturing (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 植物ホルモンが無添加であっても、良好な増
殖性を示し、しかも根の生育が旺盛なヒメツルニチニチ
ソウ形質転換植物体を得る。 【構成】 毛状根誘発遺伝子(rol遺伝子)で形質転
換されたヒメツルニチニチソウの組織を、植物組織培養
培地で培養し毛状根を誘発させる。前記培地として、オ
ーキシン類を0.01〜20mg/L含む培地が使用で
きる。誘発した毛状根を植物組織培養培地でさらに培養
することにより、ヒメツルニチニチソウ形質転換植物体
が得られる。また、前記形質転換植物体の少なくとも細
胞を、植物組織培養培地で培養することにより、前記植
物体を大量増殖することができる。培地にベンジルアミ
ノプリンなどのサイトカイニン類を添加すると、苗条数
が著しく増加する。出現する苗条を切り出し、培地に置
床すると、根の生育が旺盛なため、植物ホルモン無添加
であっても、短期間に極めて高い比率で発根する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、毛状根誘発遺伝子(r
ol遺伝子)で形質転換されているヒメツルニチニチソ
ウ形質転換植物体、その取得方法及びその増殖方法に関
する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】キョ
ウチクトウ科植物であるヒメツルニチニチソウ(Vinca m
inor)は、紫色の花を付ける園芸植物であると同時に、
脳血流改善剤として用いられているビンポセチンの原
料、ビンカミンを含有する有用植物としても知られてい
る。ヒメツルニチニチソウは従来より挿し木法により増
殖が行われてきた。しかし、挿し木法では、1個体から
増殖できる個体数がせいぜい数個体に限られており、ま
た全ての個体が確実に活着するわけではないので増殖効
率が極めて悪い。
【0003】一方、昨今急速に進展を遂げている植物組
織培養技術のうち、クローン繁殖技術により、短期間に
植物1個体を多量の個体に増殖させることが可能となっ
ている。R. E. Stapfer とC. W. Heuserは、ヒメツルニ
チニチソウのクローン繁殖を行うことによって、1個の
生長点を含む茎頂から、1カ月で10mm以上の苗条が
最高8本出現すること、さらに、これらの苗条をモス・
ピートとバーミキュライト上に移植し、約1カ月培養す
ることで、100%発根することを報告している(HORT
SCIENCE 20:141-142, 1985)。
【0004】しかし、前記報告によれば、植物ホルモン
であるベンジルアミノプリンが苗条増殖に対して効果を
示す濃度範囲は、32〜64μM(約7.5〜15mg
/L)であり、植物の組織培養時の濃度としては極めて
高い。このような高濃度の植物ホルモン存在下での長期
培養においては、しばしば培養植物に変異が生じ、奇形
植物を生み出すことがある。さらに、組織が若干脱分化
することによるビトリフィケーション(水浸状態)や、
正常な植物体として生育しないという現象が見られる場
合がある。
【0005】一方、クローン増殖を行った植物を苗とし
て利用する場合、栽培時に十分な機能を果たす根の存在
が重要である。前記報告の方法によって得られる苗条
を、ベンジルアミノプリンなどの植物ホルモンを添加し
ていないムラシゲ・スクーグ培地に移植すると、約80
%程度しか発根せず、また発根しても根がほとんど生育
しない個体がある。前記のような発根しない個体及び発
根しても根の生育が悪い個体は土壌に活着できないた
め、クローン苗の栽培において歩留まりが悪い系とな
る。
【0006】従って、本発明の目的は、奇形やビトリフ
ィケーションなどを起こさないような、植物ホルモンが
無添加又は低濃度の条件下であっても、良好な増殖性を
示し、しかも根の生育が旺盛なヒメツルニチニチソウ形
質転換植物体、その取得方法及びその増殖方法を提供す
ることにある。
【0007】
【発明の構成】本発明者らは、上記課題を解決するため
に鋭意研究を重ねた結果、毛状根誘発遺伝子(rol遺
伝子)で形質転換されたヒメツルニチニチソウの組織を
植物組織培養培地で培養し、誘発した毛状根から植物体
を再生させると、再生植物体の組織は、植物ホルモンが
無添加又は低濃度の条件下であっても高い増殖性を示す
ことを見出だし本発明を完成した。すなわち、本発明
は、毛状根誘発遺伝子(rol遺伝子)で形質転換され
ているヒメツルニチニチソウ形質転換植物体を提供す
る。
【0008】また、本発明は、毛状根誘発遺伝子(ro
l遺伝子)で形質転換されたヒメツルニチニチソウの少
なくとも細胞を植物組織培養培地で培養し、誘発した毛
状根から植物体を再生させるヒメツルニチニチソウ形質
転換植物体の取得方法を提供する。
【0009】さらに、本発明は、毛状根誘発遺伝子(r
ol遺伝子)で形質転換されたヒメツルニチニチソウ形
質転換植物体の少なくとも細胞を、植物組織培養培地で
培養するヒメツルニチニチソウ形質転換植物体の増殖方
法を提供する。
【0010】なお、本明細書において、植物体とは、再
生した幼植物及び植物個体の双方を含む意味に用いる。
【0011】本発明の植物体は、毛状根誘発遺伝子(r
ol遺伝子)で形質転換されている。毛状根誘発遺伝子
としては、例えば、土壌細菌アグロバクテリウム・リゾ
ゲネス(Agrobacterium rhizogenes) が保有する毛状根
誘発プラスミド(Riプラスミド)のT−DNAに由来
する遺伝子が挙げられる。
【0012】Riプラスミドは巨大プラスミドであり、
その一部のT−DNAが植物染色体に移行し、形質転換
が起こる。従って、アグロバクテリウム・リゾゲネス
は、Riプラスミドを保有するかぎり、いかなる菌株で
あってもよい。このような菌株としては、例えば、アグ
ロバクテリウム・リゾゲネスATCC15834、A
4、8196、NCPPB2659、MAFF−03−
01724、MAFF−03−01725、MAFF−
03−01726、MAFF−03−01727等のア
グロピン型、マンノピン型、ククモピン型などの菌株が
例示される。これらのアグロバクテリウム属細菌は、一
般に、菌の防除が容易でなく、外国産の菌株のものが多
く、しかも農業上重大な被害を与える有害な植物病原菌
である。従って、我国での使用に際しては、植物防疫法
に基づく有害微生物の輸入許可が必要であり、また許可
された実験施設内外に飛散させないよう十分に注意して
取り扱わなければならないなど、使用に際して種々の制
約を受ける。一方、アグロバクテリウム・リゾゲネスM
AFF−03−01724、MAFF−03−0172
5、MAFF−03−01726、MAFF−03−0
1727等は、日本国内で発見されたメロン毛根病菌と
呼ばれる菌株であり[塩見ら、日本植物病理学会報, 5
3, 454-459, (1987)]、使用に際して何等制約を受ける
ことがなく、植物防疫上好ましい。なお、メロン毛根病
菌としては、人為的に改変したプラスミドを有するメロ
ン毛根病菌であってもよい。
【0013】また、植物体は、RiプラスミドのT−D
NAより単離した毛状根誘発遺伝子により形質転換され
ていてもよい。このような毛状根誘発遺伝子としては、
rolA、rolB、rolC、rolDが知られてい
る[Journal of Bacteriolo-gy, 164, 33-44 (1985)
]。これらの遺伝子は単独で又は組合わせて用い、植
物を形質転換できる。
【0014】形質転換は、慣用の方法により行うことが
できる。
【0015】より詳細には、例えば、(1)Riプラス
ミドを保有する前記アグロバクテリウム属細菌を植物の
器官、組織片などに直接接種することによって形質転換
させることができる。前記アグロバクテリウム属細菌は
少なくとも一種使用できる。
【0016】また、(2)RiプラスミドのT−DNA
より単離した前記毛状根誘発遺伝子をアグロバクテリウ
ムのベクターのクローニング部位に連結し、大腸菌を形
質転換した後、アグロバクテリウム・ツメファシエンス
やアグロバクテリウム・リゾゲネスに移行させ、これら
の菌を植物の器官、組織片などに接種することにより、
形質転換することができる。これらの菌を接種し、感染
させることによって前記毛状根誘発遺伝子が植物細胞に
移行し、染色体DNA中に前記遺伝子が挿入されて形質
転換が起こる。ベクターとしては、例えばpLGV23
Neo、pLGV23DHFR、pNCAT7、pGV
831、pMON200などの中間ベクター;pBIN
19、pBI101、pBI121、pEND4K、p
GA482などのバイナリー・ベクターなどが挙げられ
る。
【0017】さらに、(3)前記毛状根誘発遺伝子を、
コピー数が多いクローニングベクターのクローニング部
位に連結し、大腸菌内で大量に増殖した後、単離した組
換えプラスミドを植物細胞へ直接導入する方法によって
も形質転換することができる。コピー数が多いクローニ
ングベクターとしては、例えば、pBR322、pBR
325、pBR328、pBR329、pUC8、pU
C9、pUC12、pUC13、pUC18、pUC1
9、pHSG298、pHSG299などが挙げられ
る。植物細胞への組換えプラスミドの直接導入法として
は、例えば、ポリオルニチンなどのポリカチオンを使用
する方法、ポリエチレングリコール法、ポリエチレング
リコール・リン酸カルシウム共沈澱法、エレクトロポレ
ーション法、パーティクルガン法などが例示される。
【0018】本発明のヒメツルニチニチソウ形質転換植
物体は、毛状根誘発遺伝子によって形質転換された植物
特有の特徴、すなわち、根系の充実、頂芽優性の消失、
花・葉などの器官の小型化、節間の縮小による矮化、雄
性不稔などのいわゆる毛状根シンドロームと呼ばれる症
状を示す。特に、頂芽優性の消失により、腋芽が著しく
増殖、伸長するという特徴が顕著に現れる。
【0019】そして、このような毛状根誘発遺伝子によ
って形質転換されたヒメツルニチニチソウ植物体の少な
くとも細胞を植物組織培養培地で培養すると、植物ホル
モンが無添加の培地であっても、出現する苗条数が非形
質転換植物体に比べて著しく多い。また、前記培地に、
少量のサイトカイニン類、例えばベンジルアミノプリ
ン、カイネチン、ゼアチンなどを添加することによっ
て、苗条の数をさらに増加させることができる。前記形
質転換植物体の少なくとも細胞を植物組織培養培地で培
養して出現する苗条数は、非形質転換植物体に比べて、
通常1.2倍程度以上である。好ましい形質転換植物体
は、前記苗条数が約1.5倍以上、さらに好ましい形質
転換植物体は、約1.7倍以上出現する。例えば、前記
形質転換植物体を0.2%ジェランガムで固化した植物
ホルモン無添加のムラシゲ・スクーグ培地で照明下、2
5℃で培養すると、出現する苗条数は非形質転換植物体
の約1.7倍、また、0.5mg/Lのベンジルアミノ
プリン添加培地では、約2.2倍となる。
【0020】また、前記形質転換植物体を植物ホルモン
無添加の植物組織培養培地に置床すると、根の生育が極
めて旺盛なため、短期間の間に極めて高い比率で発根す
る。好ましい形質転換植物体は、植物ホルモン無添加の
培地であっても、4週間以内に90%以上、好ましくは
100%発根する植物体である。例えば、前記形質転換
植物体の茎頂部を、0.2%ジェランガムで固化した植
物ホルモン無添加のムラシゲ・スクーグ培地に移植し、
25℃、照明下で培養すると、移植2週間後に76%、
4週間後にはほぼ100%の植物体が発根する。なお、
同様な方法で培養した非形質転換体は、2週間後で14
%、4週間後で約80%しか発根しない。
【0021】このような毛状根誘発遺伝子で形質転換さ
れたヒメツルニチニチソウ形質転換植物体は、クローン
繁殖で大量に培養するには好都合な材料である。すなわ
ち、植物ホルモン、例えばベンジルアミノプリン、カイ
ネチン、ゼアチン等のサイトカイニン類などが無添加又
は低濃度の植物組織培養培地であっても高い増殖性を示
すことから、植物ホルモンによる変異やビトリフィケー
ションを回避できるだけでなく、培養したクローン苗の
確実な発根が期待できる。なお、少量のオーキシン類、
例えばナフタレン酢酸、インドール酢酸、インドール酪
酸等を添加することによって発根を促進させ、発根期間
の短縮や根数増加を行うことも可能である。
【0022】以下、ヒメツルニチニチソウ形質転換植物
体の取得方法について説明する。
【0023】本発明の取得方法は、(1) 毛状根誘発遺伝
子で形質転換されたヒメツルニチニチソウの少なくとも
細胞を植物組織培養培地で培養して毛状根を誘発させる
工程と、(2) 誘発した毛状根から植物体を再生させる工
程から成る。
【0024】前記(1) の工程において、形質転換に供さ
れるヒメツルニチニチソウの外殖片は、葉、茎、根など
のいずれの器官であってもよい。表面殺菌の点から、通
常、葉や茎を用いるのが好ましい。また、植物の器官
は、次亜塩素酸ナトリウム液、塩化水銀溶液やさらし粉
溶液などで殺菌し、滅菌水で十分に洗浄した後、通常、
適当な大きさに切断される。葉では、例えば、1cm×
1cm程度、茎では、1cm程度に切断できる。
【0025】前記外殖片として、通常、温室で栽培され
たヒメツルニチニチソウの外殖片を用いる場合が多い
が、表面殺菌の手間が省かれ、コンタミネーションの虞
がない点で、予め培養された無菌植物の外殖片が好適に
用いられる。
【0026】前記毛状根誘発遺伝子による形質転換は、
前記のような接種又は植物細胞への組換えプラスミドの
直接導入法などの慣用の方法に従って行うことができ
る。なお、接種により形質転換する場合、毛状根誘発遺
伝子を菌体内に含むプラスミドを有するアグロバクテリ
ウム・ツメファシエンスまたはアグロバクテリウム・リ
ゾゲネスを培養し、菌液として用いてもよい。菌液は、
前記アグロバクテリウム属細菌を、慣用の培地、例え
ば、ポテト・デキストロース培地、ニュートリエント・
ブロース培地、ルリア・ブロース培地、YEB培地、A
B培地、YM培地などで培養することにより調製でき
る。
【0027】なお、毛状根誘発遺伝子が導入された植物
の細胞と導入されなかった細胞とは、培養による毛状根
の生成の有無により容易に識別でき、選抜できる。ま
た、培養により毛状根が出現せず、カルスが形成される
場合には、クローニングベクター上に予め存在するセレ
クション・マーカー、例えばカナマイシン耐性遺伝子や
ハイグロマイシン耐性遺伝子などを利用して、毛状根誘
発遺伝子が導入された植物の細胞を容易に選抜できる。
【0028】前記形質転換された少なくとも細胞を培養
することにより、毛状根を誘発させることができる。そ
の際、RiプラスミドのT−DNA中にはオーキシン類
及びサイトカイニン類の合成に関与する遺伝子が含まれ
ているため、形質転換された植物細胞は、植物ホルモン
を含まない培地でも増殖可能である。培地には、抗生物
質、例えば、カルベニシリン、バンコマイシン、セフォ
タキシムなどを添加し、除菌するのが好ましい。
【0029】毛状根の誘発とその培養に用いられる培地
としては、植物の組織培養に用いられ、無機成分、有機
成分などを含有する種々の培地が使用できる。培地は、
例えば、慣用されているムラシゲ・スクーグ(Murashige
-Skoog、MS) 培地、リンスマイヤー・スクーグ(Linsmai
er-Skoog、LS) 培地、ホワイト(White、W)培地、ヘラー
(Heller 、H)培地、ニッチ・ニッチ(Nitsch-Nitsch、N
N) 培地、ガンボルグB5(B5)培地等や、これらを
基本培地として種々の改変を加えた培地のいずれであっ
てもよい。
【0030】培地の植物ホルモンとしては慣用のホルモ
ンが使用できる。植物ホルモンのオーキシン類として
は、天然及び合成オーキシン、例えば、2,4−ジクロ
ロフェノキシ酢酸(2,4−D)、インドール酢酸(I
AA)、インドール酪酸(IBA)、α−ナフタレン酢
酸、β−ナフタレン酢酸、2,3,4−トリヨード安息
香酸、フェニル酢酸等が例示される。サイトカイニン類
としては、カイネチン、ベンジルアミノプリン(BA
P)、ゼアチン、2−イソペンテニルアデニン等が例示
される。ジベレリン類としては、ジベレリンA1
13、アブシジン酸等を用いてもよい。上記植物ホルモ
ンは単独又は組合せて使用できる。
【0031】毛状根の発生及び発育を促進させるため、
ナフタレン酢酸などのオーキシン類を含む培地を用いる
のが好ましい。この場合、培地のオーキシン類の濃度
は、例えば0.001〜200mg/L、好ましくは
0.05〜50mg/L、さらに好ましくは0.01〜
20mg/L程度である。0.001mg/L未満の場
合には毛状根の発育促進効果が小さく、また200mg
/Lを越えると発育に悪影響を及ぼす場合がある。前記
培地のうち、特に、ナフタレン酢酸を0.01〜20m
g/L含む培地が好ましい。
【0032】また、培地には、エネルギー源、炭素源、
ビタミンやアミノ酸等を添加してもよい。エネルギー
源、炭素源としては、例えば、ブドウ糖、フルクトー
ス、ショ糖等が例示される。ビタミンとしては、例えば
イノシトール、チアミン塩酸塩、ピリドキシン、ニコチ
ン酸アミド、アスコルビン酸、パントテン酸カルシウ
ム、塩化コリン、葉酸、p−アミノ安息香酸、ビタミン
A、ビタミンB13等が例示され、アミノ酸としては、例
えばグリシン、アラニン等が例示される。さらには、コ
コナッツ・ミルク、カザミノ酸や、ピルビン酸ナトリウ
ム、クエン酸、マレイン酸等の有機酸、イーストエキ
ス、カゼイン加水分解物、酵母エキス、麦芽エキス、ト
マトやポテトの抽出液等を添加してもよい。
【0033】培地は、液体培地、固形培地のいずれであ
ってもよい。液体培地は、例えばゲル化剤を除く成分の
水溶液を、水酸化ナトリウムや塩酸などを用いてpHを
5.7〜5.8程度に調整し、オートクレーブ等による
高圧蒸気滅菌法や、メンブランフィルタなどによる濾過
滅菌法により滅菌することにより調製できる。固形培地
は、滅菌液にゲル化剤、例えば、寒天、アガロース、カ
ラギーナン、ジェランガム等などを添加することにより
調製でき、この固形培地は斜面培地であってもよい。培
地として、通常、固形培地が用いられる。
【0034】次に、前記(1) の工程で誘発された毛状根
を前記(2) の工程に供することにより植物体を再生する
ことができる。前記(2) の工程は、前記毛状根を、慣用
の方法、例えば、次のような方法に従い、培地上で培養
することにより行うことができる。
【0035】前記毛状根を、例えば暗黒下で培養する
と、カルス化が始まると共に、カルスから毛状根が次々
に再生、伸長する。この場合、毛状根を誘発した培地で
そのまま培養してもよいが、好ましくは誘発した毛状根
を別の培地に置床して培養する。置床する培地として、
前記オーキシン類を含む培地、特に、ナフタレン酢酸を
0.01〜20mg/L含む培地が好ましい。毛状根の
置床、培養を繰り返すことにより、継代培養することが
できる。そして、毛状根の培養の途中で毛状根から直接
苗条が再生する。
【0036】なお毛状根の培養の際、培地にサイトカイ
ニン類を添加することにより、出現する苗条の数を大幅
に増加させることができる。サイトカイニン類として、
前記のものが例示される。前記サイトカイニン類のう
ち、好ましくはベンジルアミノプリン等である。培地の
サイトカイニン類の濃度は、0.001〜50mg/
L、好ましくは0.01〜20mg/L程度である。
0.001mg/L未満の場合には添加効果が少なく、
また50mg/Lを越えると奇形やビトリフィケーショ
ンなどが生じ易くなる。特に、ベンジルアミノプリンを
0.01〜20mg/L含む培地が好ましい。
【0037】再生した苗条をさらに培養することによ
り、ヒメツルニチニチソウ形質転換植物体を得ることが
できる。前記苗条はそのまま同じ培地で培養してもよい
が、苗条を毛状根と共に、別の培地に移植して培養する
のが好ましい。苗条を、例えば暗黒下で培養すると、幼
植物体が得られ、更に、この幼植物体を照明下で培養す
ると完全な植物体が得られる。幼植物体はそのまま同じ
培地で培養してもよいが、好ましくは別の培地に移植し
て培養する。前記苗条及び幼植物体を培養する培地とし
て、毛状根の誘発及び培養に用いられる前記の種々の培
地を用いることができる。なお、この場合、植物ホルモ
ン無添加の培地であっても植物体は十分良好に生育する
が、培地に、例えば0.1〜10mg/L程度のジベレ
リン、ジベレリン酸等のジベレリン類を添加すると植物
体の伸長が促進される。
【0038】このようにして再生した植物個体のうち、
頂芽優性の消失の結果、腋芽の分枝が多く、根の生育の
旺盛な個体を選抜することにより、変異やビトリフィケ
ーション出現頻度が低い条件、すなわち、植物ホルモン
無添加又は低濃度条件下で培養できる増殖性のよいヒメ
ツルニチニチソウ植物体を得ることができる。
【0039】以下、ヒメツルニチニチソウ形質転換植物
体の増殖方法について説明する。
【0040】前記ヒメツルニチニチソウ形質転換植物体
は、通常のクローン増殖技術又は挿し木などによって大
量に増殖することができる。
【0041】本発明の増殖方法では、前記毛状根誘発遺
伝子で形質転換されたヒメツルニチニチソウ形質転換植
物体の少なくとも細胞を、植物組織培養培地で培養す
る。培養の対象物は、前記植物体の少なくとも細胞であ
ればよく、前記対象物には、細胞、組織、器官及び植物
体が含まれる。前記器官として、例えば、根、茎、葉、
胚、花粉等が挙げられる。通常、生長点を含む茎頂、毛
状根等が繁用される。
【0042】増殖用の培地として、毛状根の誘発等に用
いられる前記した種々の培地を用いることができる。前
記のように、植物ホルモン無添加の培地であっても、発
根し苗条が出現する。また、培地に前記のサイトカイニ
ン類を添加することにより、出現する苗条の数を大幅に
増加させることができる。前記サイトカイニン類のう
ち、好ましくはベンジルアミノプリン等である。培地の
サイトカイニン類の濃度は、0.001〜50mg/
L、好ましくは0.01〜20mg/L程度である。
0.001mg/L未満の場合には添加効果が小さく、
また50mg/Lを越えると奇形やビトリフィケーショ
ンなどが生じ易くなる。特に、ベンジルアミノプリンを
0.01〜20mg/L含む培地が好ましい。
【0043】そして、出現した苗条を切り出し、前記の
培地に移植し、発根させることにより、ヒメツルニチニ
チソウ苗を大量に生産することができる。この場合、培
地は植物ホルモンを特に含まなくてもよいが、培地にナ
フタレン酢酸、インドール酢酸、インドール酪酸等のオ
ーキシン類を添加すると発根が促進される。培地のオー
キシン類濃度は、例えば0.001〜200mg/L、
好ましくは0.05〜50mg/L、さらに好ましくは
0.01〜20mg/L程度である。
【0044】本発明の取得方法及び増殖方法の好ましい
態様として、以下の態様が挙げられる。
【0045】毛状根誘発遺伝子を導入した細胞を、オー
キシン類を添加した植物組織培養培地で培養し、得られ
た毛状根を、オーキシン類を添加した植物組織培養培地
に植え継ぎ、出現した苗条を暗黒下で培養して再生植物
を得ることにより、ヒメツルニチニチソウ形質転換植物
体を取得する。前記培地は、オーキシン類として、ナフ
タレン酢酸を0.01〜20mg/L含むのが好まし
い。
【0046】前記形質転換植物体を、サイトカイニン類
を添加した植物組織培養培地で培養することにより、ヒ
メツルニチニチソウ形質転換植物体を増殖させる。培地
は、サイトカイニン類として、ベンジルアミノプリンを
0.01〜20mg/L含むのが好ましい。
【0047】
【発明の効果】本発明のヒメツルニチニチソウ形質転換
植物体は植物ホルモンが無添加又は低濃度の条件下であ
っても良好な増殖性を示し、しかも根の生育が旺盛なた
め、効率よく大量増殖できる。
【0048】また、本発明の取得方法によれば、根の生
育が旺盛で良好な増殖性を示すヒメツルニチニチソウ形
質転換植物体を簡便に得ることができる。
【0049】さらに、本発明の増殖方法によれば、有用
植物であるヒメツルニチニチソウを効率よく大量増殖さ
せることができる。
【0050】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細
に説明する。
【0051】実施例1 温室で栽培したヒメツルニチニチソウの茎頂付近1cm
を洗剤で洗浄し、10%次亜塩素酸ナトリウム溶液に7
分間浸漬し、表面殺菌した後、滅菌水に20分間3回浸
漬することで十分に水洗した。こうして殺菌処理した茎
頂部を、0.2%ジェランガムで固化した植物ホルモン
無添加ムラシゲ・スクーグ培地に植え込み培養すること
により、無菌植物体を得た。この無菌植物体は、1カ月
毎に茎の先端約3cmを切り取り、上記と同じ培地に植
え継いだ。こうして得られた無菌植物体の節を含む茎を
1cmずつに切断し、ルリア・ブロース(LB)培地で
1晩培養したアグロバクテリウム・リゾゲネス(Agroba
cterium rhizogenes)MAFF03−01724(ro
l領域を含むpRi1724を保有)の菌液に5分間浸
漬した後、1%素寒天上に置床し、照明下、25℃で3
日間培養することにより菌を感染させた。
【0052】次いで、1mg/Lのナフタレン酢酸(N
AA)、及び除菌のために500μg/mlのバンコマ
イシンと500μg/mlのカルベニシリンを含み、
0.2%ジェランガムで固化されたムラシゲ・スクーグ
培地に、前記の菌を感染させた茎片を移植し、暗黒下2
5℃で2週間培養して毛状根を誘発させた。得られた毛
状根を切り取り、1mg/LのNAAを含むムラシゲ・
スクーグ培地上で1カ月培養すると、幼植物が再生し
た。
【0053】上記のようにして得られた幼植物を、0.
2%ジェランガムで固化した植物ホルモン無添加のムラ
シゲ・スクーグ培地に移植し、照明下、25℃で培養す
ることにより完全な植物体とした。この植物体は、0.
2%ジェランガムで固化した植物ホルモン無添加のムラ
シゲ・スクーグ培地で1カ月毎に継代培養した。
【0054】上記のようにして毛状根から得られたヒメ
ツルニチニチソウ再生植物体の形質転換の有無を調べる
ために、オパインの一種であるミキモピンの検出を行っ
た。再生植物体の根及び葉を約10mg切り取り、その
組織液を電気泳動用濾紙にスポットした。この濾紙を電
気泳動槽に取り付け、5g/L炭酸アンモニウム(pH
9.8)緩衝液を用いて、30分間500Vで電気泳動
を行った。濾紙を乾燥後、パウリ試薬で呈色した結果を
図1に示す。対照として、非形質転換植物体の根につい
ても同様の試験を行った。
【0055】電気泳動の結果、毛状根再生植物体の根及
び葉よりミキモピンが検出され、前記植物体は、Agroba
cterium rhizogenes MAFF03−01724が保有
するRiプラスミドのT−DNAにより形質転換されて
いることが判明した。
【0056】実施例2 実施例1と同様にして毛状根より得られたヒメツルニチ
ニチソウ形質転換植物体を茎頂より約3cm切り取り、
0.2%ジェランガムで固化したムラシゲ・スクーグ培
地上に移植し、照明下、25℃で培養した。培地とし
て、植物ホルモン無添加の培地及びベンジルアミノプリ
ン(BAP)を添加した培地を用いた。また、各BAP
濃度につき、前記植物体を40個体ずつ用いて試験を行
った。1カ月後の苗条数を表1に示す。対照として、ヒ
メツルニチニチソウ茎頂より誘導した非形質転換植物体
を、0.2%ジェランガムで固化した植物ホルモン無添
加のムラシゲ・スクーグ培地上で1カ月培養した植物体
を用い、前記と同様に培養した。
【0057】
【表1】 表1に示されるように、植物ホルモン無添加の培地上で
は、形質転換体の苗条数は非形質転換体の約1.7倍、
また0.5mg/LのBAP添加培地上では、約2.2
倍となり、いずれの場合も形質転換体の苗条数は非形質
転換体に比べ著しく多い。また、BAPを添加した培地
の方が、形質転換体と非形質転換体との苗条数の比がよ
り高くなることがわかった。
【0058】実施例3 実施例2のようにして増殖したヒメツルニチニチソウ形
質転換植物体を茎頂より約3cm切り取り、0.2%ジ
ェランガムで固化した植物ホルモン無添加のムラシゲ・
スクーグ培地上に移植し、照明下、25℃で培養した。
2週間後及び4週間後の発根率を表2に示す。対照とし
て、非形質転換植物体についても同様の試験を行った。
なお、形質転換植物体、非形質転換植物体それぞれにつ
き、40個体ずつ用いて試験した。
【0059】
【表2】 形質転換体は、移植2週間後に70%以上、4週間後に
は100%の植物体が発根したのに対し、非形質転換体
は、4週間で約80%しか発根しなかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1における電気泳動の結果を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 ミキモピン標品 2 対照植物の根 3 毛状根再生植物の根 4 毛状根再生植物の葉

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 毛状根誘発遺伝子(rol遺伝子)で形
    質転換されているヒメツルニチニチソウ形質転換植物
    体。
  2. 【請求項2】 毛状根誘発遺伝子(rol遺伝子)で形
    質転換されたヒメツルニチニチソウの少なくとも細胞を
    植物組織培養培地で培養し、誘発した毛状根から植物体
    を再生させるヒメツルニチニチソウ形質転換植物体の取
    得方法。
  3. 【請求項3】 培地がオーキシン類を含む請求項2記載
    のヒメツルニチニチソウ形質転換植物体の取得方法。
  4. 【請求項4】 培地がオーキシン類を0.01〜20m
    g/L含む請求項3記載のヒメツルニチニチソウ形質転
    換植物体の取得方法。
  5. 【請求項5】 毛状根誘発遺伝子(rol遺伝子)で形
    質転換されたヒメツルニチニチソウ形質転換植物体の少
    なくとも細胞を、植物組織培養培地で培養するヒメツル
    ニチニチソウ形質転換植物体の増殖方法。
  6. 【請求項6】 培地がサイトカイニン類を含む請求項5
    記載のヒメツルニチニチソウ形質転換植物体の増殖方
    法。
  7. 【請求項7】 培地がサイトカイニン類を0.01〜2
    0mg/L含む請求項6記載のヒメツルニチニチソウ形
    質転換植物体の増殖方法。
JP4069000A 1992-02-17 1992-02-17 ヒメツルニチニチソウ形質転換植物体、その取得方法及びその増殖方法 Pending JPH05227858A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4069000A JPH05227858A (ja) 1992-02-17 1992-02-17 ヒメツルニチニチソウ形質転換植物体、その取得方法及びその増殖方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4069000A JPH05227858A (ja) 1992-02-17 1992-02-17 ヒメツルニチニチソウ形質転換植物体、その取得方法及びその増殖方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05227858A true JPH05227858A (ja) 1993-09-07

Family

ID=13389901

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4069000A Pending JPH05227858A (ja) 1992-02-17 1992-02-17 ヒメツルニチニチソウ形質転換植物体、その取得方法及びその増殖方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05227858A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1995019698A1 (en) * 1994-01-21 1995-07-27 Goldsmith Seeds Inc. Phytophthora resistance gene of catharanthus and its use
CN104120144A (zh) * 2014-07-08 2014-10-29 上海交通大学 基于发根植株再生的植物免组织培养转基因方法
JP2018505648A (ja) * 2016-01-13 2018-03-01 中国科学院華南植物園 パフィオペディルム・モーディアエの優質種苗の組織培養と迅速増殖の方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1995019698A1 (en) * 1994-01-21 1995-07-27 Goldsmith Seeds Inc. Phytophthora resistance gene of catharanthus and its use
CN104120144A (zh) * 2014-07-08 2014-10-29 上海交通大学 基于发根植株再生的植物免组织培养转基因方法
JP2018505648A (ja) * 2016-01-13 2018-03-01 中国科学院華南植物園 パフィオペディルム・モーディアエの優質種苗の組織培養と迅速増殖の方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU736027B2 (en) Method for transforming indica rice
JP4099898B2 (ja) ユーカリ属植物の成木を形質転換する方法
Roy et al. In vitro plant regeneration from callus derived from root explants of Lathyrus sativus
Gharyal et al. Differentiation in explants from mature leguminous trees
CN104561089A (zh) 一种转基因甜瓜组培苗的培育方法及应用
AU706650B2 (en) Genetic modification of plants
Schnall et al. Culturing peanut (Arachis hypogaea L.) zygotic embryos for transformation via microprojectile bombardement
JP4228044B2 (ja) シバ属植物の再分化植物体及び形質転換植物体
JP2008259497A (ja) アグロバクテリウムを介したダイズ国内品種の形質転換体作出方法並びに形質転換体当代及び後代の種子を短期間で獲得する方法
CN112931227B (zh) 一种杜仲各部位全株诱导植物再生及构建转基因植株再生体系的方法
JPH05227858A (ja) ヒメツルニチニチソウ形質転換植物体、その取得方法及びその増殖方法
CN113234750A (zh) 快速获得以菘蓝转基因根为外植体的转基因植株的方法
Khan et al. Agrobacterium-mediated genetic transformation of two varieties of Brassica: optimization of protocol
JPH0998684A (ja) ユーカリプタス・グロブラスのクローン増殖方法
JPH03277219A (ja) バラの組織培養法
JP6273123B2 (ja) Sonchus属植物の形質転換植物の作成方法
JP2568660B2 (ja) 新規なクローン植物の取得方法
JP6716876B2 (ja) 遺伝的に改変された植物体を作製するための形質転換植物体の製造方法、及びこの製造方法により作製された、遺伝的に改変された形質転換植物体
Khaleghi et al. Induction of embryogenic callus and plant regeneration from nodes of greenhouse grown plants of Alstroemeria cv. Fuego
Kundu et al. Micro-propagation techniques in horticultural crops and various factors affecting it: A review
JP2002291360A (ja) ユーカリプタス・ダニアイの形質転換方法
Bora et al. Direct organogenesis in Dianthus caryophyllus Linn
Yakandawala et al. Transient expression of uida reporter gene in regenerable callus tissues of Anthurium andraeanum lind. by agrobacterium mediated transformation
JP2005058164A (ja) パスパラムの育成法
CN114592001A (zh) 一种不依赖基因型的除虫菊遗传转化方法