JPH052263Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、ワークをクランプするクランプアー
ムのクランプ動作を手動で行い、そのアンクラン
プ動作をシリンダで自動的に行うようにした手動
及び自動併用のクランプ装置に関する。

（従来の技術） 従来、この種クランプ装置においては、操作レ
バの操作によりトグル機構を介してクランプアー
ムをクランプ動作させ、単動シリンダによりクラ
ンプアームをアンクランプ動作させるようにして
いる。

（考案が解決しようとする課題） 上記のものでは、クランプアームをクランプ状
態に機械的に保持するトグル機構を設けるため、
装置が大型化する問題がある。

ところで、クランプアームのクランプ動作を手
動で行うのは、ワークの捻れや曲りを作業者が適
宜修正してワークを複数のクランプ装置で順次ク
ランプする必要があるためであり、クランプ装置
のシリンダとして複動シリンダを用い、クランプ
アームのクランプ動作もシリンダで行うようにす
ることは問題がある。

本考案は、クランプアームのクランプ動作は手
動でのみ行い、且つクランプアームをクランプ状
態にシリンダにより保持し得るようにし、トグル
機構を不要とした小型簡素なクランプ装置を提供
することをその目的としている。

（課題が解決するための手段） 上記目的を達成すべく、本考案では、シリンダ
と、該シリンダのピストンロツドに連結されるク
ランプアームとを備え、該クランプアームを手動
でクランプ動作させて該シリンダによりアンクラ
ンプ動作させるものにおいて、該シリンダを、該
クランプアームをアンクランプ動作させる方向に
ピストンロツドを押動する第１圧力室と、該クラ
ンプアームをクランプ動作させる方向にピストン
ロツドを押動する第２圧力室とを有する複動シリ
ンダで構成し、該シリンダに切換弁に接続される
１対の第１第２ポートと、ドレン用の第３ポート
とを設けて、前記第１圧力室を第１ポートに接続
すると共に、該シリンダ内に、前記第２圧力室を
第２ポートと第３ポートとに選択的に接続する制
御弁を設け、前記ピストンロツドがクランプ動作
方向のストロークエンド近傍に移動されたとき、
該制御弁が該ピストンロツドに連動して該第２圧
力室を該第３ポートに接続する状態から該第２ポ
ートに接続する状態に切換動作されるようにし
た。

この場合、前記第３ポートは絞りを介して大気
開放することが望ましい。

（作用） ワークをクランプする際は、切換弁を介して第
２ポートに圧力流体が供給されるが、クランプア
ームを手動でクランプ動作するまで、制御弁はシ
リンダの第２圧力室を第３ポートに接続する状態
に存し、第２圧力室に圧力流体が供給されない。

クランプアームをクランプ動作させるとピスト
ンロツドが連れ動きし、これがクランプ動作方向
のストロークエンド近傍に移動したところで制御
弁が切換動作されて、第２圧力室が第２ポートに
接続され、該第２圧力室に圧力流体が供給され
て、クランプアームがピストンロツドを介してク
ランプ状態に押圧保持される。

ワークをアンクランプする際は、切換弁を介し
て第１ポートに圧力流体を供給するもので、これ
によれば第１圧力室に圧力流体が流入して、クラ
ンプアームがピストンロツドを介してアンクラン
プ動作され、又制御弁が第２圧力室を第３ポート
に接続する状態に復帰する。

この場合、該第３ポートを絞りを介して大気開
放するようにしておけば、第２圧力室の内圧でピ
ストンロツドのアンクランプ動作方向への急激な
移動が規制され、急激なアンクランプ動作による
ピストンロツドやクランプアームの復帰シヨツク
が軽減され、耐久性が向上する。

（実施例） 第１図を参照して、１は自動車のルーフガータ
等のワークＷをセツトする治具を示し、該治具１
に複数のクランプ装置２を取付けて、これらクラ
ンプ装置２でワークＷをクランプするようにし
た。

該クランプ装置２は、治具１に固定されるブラ
ケツト３上の支柱３ａにピン４ａを介して枢着し
たクランプアーム４と、該ブラケツト３の下面に
吊設したシリンダ５とで構成され、該シリンダ５
の上方に突出するピストンロツド６の上端をリン
ク４ｂを介してクランプアーム４の尾端に連結
し、更に該クランプアーム４に操作レバー４ｃを
固設し、該クランプアーム４を該レバー４ｃを把
持しての手動操作で反時計方向に揺動させてクラ
ンプ動作させ、又シリンダ５の作動によるピスト
ンロツド６の下動でクランプアーム４を時計方向
に揺動させてアンクランプ動作させるようにし
た。

該シリンダ５は、ピストンロツド６の下端のピ
ストン６ａにより仕切られる上側の第１圧力室７
_１と下側の第２圧力室７₂とを有する複動エアシリ
ンダで構成されており、該シリンダ５の上端のシ
リンダカバー５ａに、第２図に示す如く、切換弁
８に接続される１対の第１第２ポート９₁，９₂
と、絞り１０を示して大気に開放される第３ポー
ト９₃とを形成して、第１ポート９₁を第１圧力室
７₁に接続し、又該シリンダカバー５ａ内に、ピ
ストンロツド６に遊嵌する筒状のスプール弁から
成る制御弁１１を摺動自在に嵌挿し、該制御弁１
１により第２圧力室７₂を第２ポート９₂と第３ポ
ート９₃とに選択的に接続するようにした。

これを更に詳述するに、該シリンダカバー５ａ
の内周面に、第２圧力室７₂に連通管１２を介し
て接続される第１バルブポート１１ａと、該第１
バルブポート１１ａの上方に位置させて第２ポー
ト９₂に連通する第２バルブポート１１ｂと、該
第１バルブポート１１ａの下方に位置させて第３
バルブポート９₃に連通する第３バルブポート１
１ｃとを開口すると共に、前記制御弁１１の外周
面に環状溝１１ｄを形成して、該制御弁１１を、
該環状溝１１ｄを介して第１第３バルブポート１
１ａ，１１ｃを連通する下方の切換位置から第１
第２バルブポート１１ａ，１１ｂを連通する上方
の切換位置にばね１１ｅに抗して上動し得るよう
にし、更にピストンロツド６の下端部に該制御弁
１１の下端に当接可能な作動体６ｂを固設し、該
ピストンロツド６がクランプ動作方向即ち上方の
ストロークエンド近傍に上動したとき、該制御弁
１１が該作動体６ｂにより上方の切換位置に押上
げられるようにした。

次に本実施例の作用を説明する。

ワークＷをクランプする際は、切換弁８を図面
で左方のクランプ位置に切換えて、第１ポート９
_１を大気に開放し、第２ポート９₂に圧縮エアを供
給するが、クランプアーム４のアンクランプ状態
では制御弁１１が下方の切換位置に存するため、
第２圧力室７₂は第３ポート９₃を介して大気に開
放されており、クランプアーム４は上記の如く手
動で操作しなければクランプ動作されない。

クランプアーム４を手動でクランプ動作する
と、これに追従してピストンロツド６が引上げら
れ、クランプアーム４がワークＷをクランプする
直前の位置まで揺動されたところで、上記の如く
作動体６ｂを介して制御弁１１が上方の切換位置
に押上げられ、第２ポート９₂と第２圧力室７₂と
が接続されて、該第２圧力室７₂に圧縮エアが流
入し、エア圧によりピストンロツド６が押上げら
れて、クランプアーム４がクランプ状態に押圧保
持される。

アンクランプ時は、切換弁８を図面で右方のア
ンクランプ位置に切換えて、第１ポート９₁を介
して第１圧力室７₁に圧縮エアを供給するもので、
これによればピストンロツド６が押下げられてク
ランプアーム４がアンクランプ動作される。

そして、このアンクランプ動作の初期に制御弁
１１は作動体６ｂによる押圧を解かれて下方の切
換位置に復帰し、第２圧力室７₂内のエアが第３
ポート９₃から絞り１０を介して排気されるよう
になり、ピストンロツド６の急激な下動が第２圧
力室７₂からの排気抵抗により規制されて、ピス
トンロツド６やクランプアーム４のアンクランプ
方向のストローク端への復帰時に発生するシヨツ
クが軽減される。

（考案の効果） 以上の説明から明らかなように、請求項１の考
案によれば、クランプアームを転動でのみクラン
プ動作し得るようにする手動及び自動併用のクラ
ンプ装置の本来の機能を維持しつつ、シリンダに
よつてクランプアームをクランプ状態に保持で
き、従来技術の如きトグル機構が不要となつて装
置の小型化を図れ、而もその構成はシリンダにピ
ストンロツドに連動する制御弁を組込むだけで足
り、構造簡素にして安価に得られる効果を有す
る。

又、請求項２の考案によれば、クランプアーム
のアンクランプ動作に際してのシリンダの動作速
度が規制されて、ピストンロツドやクランプアー
ムの復帰シヨツクが軽減され、耐久性が向上する
効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案装置の１例の部分截断側面図、第
２図はそのシリンダの第１図の右方から見た側面
図である。 ２……クランプ装置、４……クランプアーム、
５……シリンダ、６……ピストンロツド、７₁…
…第１圧力室、７₂……第２圧力室、８……切換
弁、９₁……第１ポート、９₂……第２ポート、９
_３……第３ポート、１０……絞り、１１……制御
弁。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ シリンダと、該シリンダのピストンロツドに
   連結されるクランプアームとを備え、該クラン
   プアームを手動でクランプ動作させて該シリン
   ダによりアンクランプ動作させるものにおい
   て、該シリンダを、該クランプアームをアンク
   ランプ動作させる方向にピストンロツドを押動
   する第１圧力室と、該クランプアームをクラン
   プ動作させる方向にピストンロツドを押動する
   第２圧力室とを有する複動シリンダで構成し、
   該シリンダに切換弁に接続される１対の第１第
   ２ポートと、ドレン用の第３ポートとを設け
   て、前記第１圧力室を第１ポートに接続すると
   共に、該シリンダ内に、前記第２圧力室を第２
   ポートと第３ポートとに選択的に接続する制御
   弁を設け、前記ピストンロツドがクランプ動作
   方向のストロークエンド近傍に移動されたと
   き、該制御弁が該ストピンロツドに連動して該
   第２圧力室を該第３ポートに接続する状態から
   該第２ポートに接続する状態に切換動作される
   ようにしたことを特徴とする手動及び自動併用
   のクランプ装置。 ２ 前記第３ポートを絞りを介して大気開放する
   ことを特徴とする請求項１に記載の手動及び自
   動併用のクランプ装置。