JPH05225515A - 磁気ヘッド - Google Patents
磁気ヘッドInfo
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- JPH05225515A JPH05225515A JP5744092A JP5744092A JPH05225515A JP H05225515 A JPH05225515 A JP H05225515A JP 5744092 A JP5744092 A JP 5744092A JP 5744092 A JP5744092 A JP 5744092A JP H05225515 A JPH05225515 A JP H05225515A
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- Japan
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- magnetic
- ferrite
- single crystal
- mol
- head
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 高密度で高周波磁気記録再生特性に優れた磁
気ヘッドを提供する。 【構成】 非磁性薄膜2を介してCoZrNbから成る
非晶質金属磁性の軟磁性体膜3,3を積層し、前方側を
非磁性TiZn単結晶フェライト(TiO2 −ZnO-
FeO3 )より成る基板4,4で挾持し、後方側をZn
フェライト、NiZnフェライト、又は、TiZnフェ
ライトの各多結晶フェライトから成る導電性の非結晶質
金属磁性基板7,7で挾持した構造とする。これによ
り、偏磨耗特性,摺動潤滑性等の摺動特性に優れ、且
つ、摺動ノイズが無く電磁変換特性に優れた磁気ヘッド
が得られる。
気ヘッドを提供する。 【構成】 非磁性薄膜2を介してCoZrNbから成る
非晶質金属磁性の軟磁性体膜3,3を積層し、前方側を
非磁性TiZn単結晶フェライト(TiO2 −ZnO-
FeO3 )より成る基板4,4で挾持し、後方側をZn
フェライト、NiZnフェライト、又は、TiZnフェ
ライトの各多結晶フェライトから成る導電性の非結晶質
金属磁性基板7,7で挾持した構造とする。これによ
り、偏磨耗特性,摺動潤滑性等の摺動特性に優れ、且
つ、摺動ノイズが無く電磁変換特性に優れた磁気ヘッド
が得られる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はVTR,オーディオ,コ
ンピュータ等に用いられる高密度磁気記録再生用の磁気
ヘッドに関する。
ンピュータ等に用いられる高密度磁気記録再生用の磁気
ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】近年VTRを始めとする磁気テープ装
置,フレクシブル磁気ディスク装置,リジッド磁気ディ
スク装置等の磁気記録装置の広帯域高密度化が進められ
ている。広帯域高密度記録に適する高保磁力媒体用ヘッ
ドとしては、ヘッドコア材料の飽和磁束密度を従来のフ
ェライトヘッドより高めたセンダストや非晶質CoZr
Nb薄膜等の金属磁性薄膜を用いたメタルヘッド等があ
る。上記メタルヘッドはコアの大部分を非結晶或いは結
晶化ガラス基板、CaTiO3 ,非磁性MnNi(Mn
O−NiO)多結晶或いはAl2 O3 フォルステライト
基板等の多結晶セラミックス基板等で構成したものであ
り、作動ギャップ近傍の高飽和密度金属磁性膜によって
高い磁束を発生させることができ、高保磁力媒体への記
録再生を可能にしたものである。
置,フレクシブル磁気ディスク装置,リジッド磁気ディ
スク装置等の磁気記録装置の広帯域高密度化が進められ
ている。広帯域高密度記録に適する高保磁力媒体用ヘッ
ドとしては、ヘッドコア材料の飽和磁束密度を従来のフ
ェライトヘッドより高めたセンダストや非晶質CoZr
Nb薄膜等の金属磁性薄膜を用いたメタルヘッド等があ
る。上記メタルヘッドはコアの大部分を非結晶或いは結
晶化ガラス基板、CaTiO3 ,非磁性MnNi(Mn
O−NiO)多結晶或いはAl2 O3 フォルステライト
基板等の多結晶セラミックス基板等で構成したものであ
り、作動ギャップ近傍の高飽和密度金属磁性膜によって
高い磁束を発生させることができ、高保磁力媒体への記
録再生を可能にしたものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、媒体と対向
し摺動する面に用いる基板は、従来の単結晶磁性フェラ
イトヘッドと同等以上の磁気媒体に対する優れた耐磨耗
性と共に、摺動潤滑性及び金属磁性膜との耐偏磨耗特性
に優れ、且つ、これらの特性を全て併せ持つ必要があ
る。
し摺動する面に用いる基板は、従来の単結晶磁性フェラ
イトヘッドと同等以上の磁気媒体に対する優れた耐磨耗
性と共に、摺動潤滑性及び金属磁性膜との耐偏磨耗特性
に優れ、且つ、これらの特性を全て併せ持つ必要があ
る。
【0004】しかしながら、これらガラス,CaTiO
3 等の非磁性基板は上記摺動上の諸性能を全て併せ持つ
ことが難しい。加えてガラス,CaTiO3 等の絶縁性
基板においてはスパイク状ノイズ{例えば、VTRヘッ
ドに用いた場合には再生画面上にちらつき(メダカノイ
ズ)}の発生があり信号の質を低下させるという問題が
あった。そこで、本発明は上記従来の欠点を解決し、信
頼性が高く広帯域高密度磁気記録再生に優れた磁気ヘッ
ドを提供することを目的とする。
3 等の非磁性基板は上記摺動上の諸性能を全て併せ持つ
ことが難しい。加えてガラス,CaTiO3 等の絶縁性
基板においてはスパイク状ノイズ{例えば、VTRヘッ
ドに用いた場合には再生画面上にちらつき(メダカノイ
ズ)}の発生があり信号の質を低下させるという問題が
あった。そこで、本発明は上記従来の欠点を解決し、信
頼性が高く広帯域高密度磁気記録再生に優れた磁気ヘッ
ドを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記問題点を
解決するために以下の1)〜3)の磁気ヘッドを提供し
ようというものである。即ち、 1)軟磁性体膜が磁路を構成する磁気ヘッドにおいて、
記録媒体と対向し摺動する面を非磁性単結晶フェライト
と前記軟磁性体の一部とから形成する一方、前記非磁性
単結晶フェライトを前記記録媒体と対向し摺動する面を
除き導電性基板と接合して成ることを特徴とする磁気ヘ
ッド。 2)前記非磁性単結晶フェライトの組成割合としてFe
2 O3 を42.0乃至53.5mol%、TiO2 を
8.0乃至12.0mol%、残部をZnOとしたこと
を特徴とする請求項1記載の磁気ヘッド。 3)前記導電性基板を非磁性多結晶フェライト材料で形
成したことを特徴とする請求項1又は2記載の磁気ヘッ
ド。
解決するために以下の1)〜3)の磁気ヘッドを提供し
ようというものである。即ち、 1)軟磁性体膜が磁路を構成する磁気ヘッドにおいて、
記録媒体と対向し摺動する面を非磁性単結晶フェライト
と前記軟磁性体の一部とから形成する一方、前記非磁性
単結晶フェライトを前記記録媒体と対向し摺動する面を
除き導電性基板と接合して成ることを特徴とする磁気ヘ
ッド。 2)前記非磁性単結晶フェライトの組成割合としてFe
2 O3 を42.0乃至53.5mol%、TiO2 を
8.0乃至12.0mol%、残部をZnOとしたこと
を特徴とする請求項1記載の磁気ヘッド。 3)前記導電性基板を非磁性多結晶フェライト材料で形
成したことを特徴とする請求項1又は2記載の磁気ヘッ
ド。
【0006】
【実施例】以下、図面を参照して、本発明の実施例につ
き説明する。図1は本発明の第1〜3実施例に係る磁気
ヘッドの基本構造図である。同図において、厚さ200
nmの非磁性薄膜2を介して一層の厚さが4μm のCoZ
rNbから成る非晶質金属磁性の軟磁性体膜3,3を積
層し、前方側を非磁性TiZn単結晶フェライト(Ti
O2 - ZnO- FeO3 )より成る非磁性単結晶フェラ
イト基板4,4でサンドイッチし、後方側をZnフェラ
イト、NiZnフェライト、又は、TiZnフェライト
の各多結晶フェライトから成る非結晶質金属磁性基板7
でサンドイッチし、一対のコア半体5,5をギャップ形
成材を介して突き合わせ接合して作動ギャップ6を形成
したものである。また、コア半体5,5及び作動ギャッ
プ6の接合には低融点ガラスを用い、作動ギャップ長を
0.3μm、ギャップ深さを25μmとしてVTR用の
リング型ヘッドとして形成したものである。特に、上記
いずれのフェライトも、その比抵抗が10Ω・cm以下
の導電性を有するものを用いている。
き説明する。図1は本発明の第1〜3実施例に係る磁気
ヘッドの基本構造図である。同図において、厚さ200
nmの非磁性薄膜2を介して一層の厚さが4μm のCoZ
rNbから成る非晶質金属磁性の軟磁性体膜3,3を積
層し、前方側を非磁性TiZn単結晶フェライト(Ti
O2 - ZnO- FeO3 )より成る非磁性単結晶フェラ
イト基板4,4でサンドイッチし、後方側をZnフェラ
イト、NiZnフェライト、又は、TiZnフェライト
の各多結晶フェライトから成る非結晶質金属磁性基板7
でサンドイッチし、一対のコア半体5,5をギャップ形
成材を介して突き合わせ接合して作動ギャップ6を形成
したものである。また、コア半体5,5及び作動ギャッ
プ6の接合には低融点ガラスを用い、作動ギャップ長を
0.3μm、ギャップ深さを25μmとしてVTR用の
リング型ヘッドとして形成したものである。特に、上記
いずれのフェライトも、その比抵抗が10Ω・cm以下
の導電性を有するものを用いている。
【0007】まず、本発明の主要構成要素の一つである
非磁性単結晶フェライト基板4の実施例につき説明す
る。前記非磁性単結晶フェライト基板4は亜鉛フェライ
ト基板を用いた。この亜鉛フェライト基板Fe2 O3 −
ZnOは最適のTiO2 を添加すると共に、Fe2O3
の量の最適化を図ることで、室温非磁性でしかも所要の
熱膨脹係数を有し、且つ、安定的に単結晶の育成が可能
な組成として、次の要件を満たすものが用いられる。 (a)Fe2 O3 …42〜53.5mol% (b)TiO2 …8〜12.0mol% (c)ZnO …残部(35〜50mol%)
非磁性単結晶フェライト基板4の実施例につき説明す
る。前記非磁性単結晶フェライト基板4は亜鉛フェライ
ト基板を用いた。この亜鉛フェライト基板Fe2 O3 −
ZnOは最適のTiO2 を添加すると共に、Fe2O3
の量の最適化を図ることで、室温非磁性でしかも所要の
熱膨脹係数を有し、且つ、安定的に単結晶の育成が可能
な組成として、次の要件を満たすものが用いられる。 (a)Fe2 O3 …42〜53.5mol% (b)TiO2 …8〜12.0mol% (c)ZnO …残部(35〜50mol%)
【0008】図2(A),(B)は、熱膨張係数α及び
キュ−リ−温度Tcと組成との関係を示した図で、熱膨
張係数α及びキュ−リ−温度TcとはFe2 O3 濃度に
対して略比例し、Fe2 O3 濃度が53.5mol近辺
のとき、熱膨張係数αが略99×10-7/℃、キュ−リ
−温度Tcが略−25℃の関係を有しているものであ
る。
キュ−リ−温度Tcと組成との関係を示した図で、熱膨
張係数α及びキュ−リ−温度TcとはFe2 O3 濃度に
対して略比例し、Fe2 O3 濃度が53.5mol近辺
のとき、熱膨張係数αが略99×10-7/℃、キュ−リ
−温度Tcが略−25℃の関係を有しているものであ
る。
【0009】例えば、ここで、この非磁性単結晶フェラ
イト基板4が使用される装置の環境温度範囲を考慮する
と、0℃〜40℃前後の範囲で非磁性であることが必要
で、しかも、Fe2 O3 濃度を略53.5mol%以下
にする必要がある。また、Fe2 O3 濃度を小さくする
と熱膨張係数αも小さくなるが、この熱膨張係数αは低
αの金属薄膜の使用を考慮すると、90×10-7/℃近
辺以上とする必要がある。このためにはFe2 O3 濃度
を略42mol%以上にする必要があり、まず、これら
の条件が既述の要件の一つとされる。
イト基板4が使用される装置の環境温度範囲を考慮する
と、0℃〜40℃前後の範囲で非磁性であることが必要
で、しかも、Fe2 O3 濃度を略53.5mol%以下
にする必要がある。また、Fe2 O3 濃度を小さくする
と熱膨張係数αも小さくなるが、この熱膨張係数αは低
αの金属薄膜の使用を考慮すると、90×10-7/℃近
辺以上とする必要がある。このためにはFe2 O3 濃度
を略42mol%以上にする必要があり、まず、これら
の条件が既述の要件の一つとされる。
【0010】次に、他の二つの要件につき、非磁性単結
晶フェライト基板の各実施例と比較例とを用いて説明す
る。 単結晶フェライト基板の第1実施例 (a)〜(c)の各成分を次の組成比で混合して非磁性
単結晶フェライト試料を製造した。 (a)Fe2 O3 …46.1mol% (b)ZnO …43.8mol% (c)TiO2 …10.1mol%
晶フェライト基板の各実施例と比較例とを用いて説明す
る。 単結晶フェライト基板の第1実施例 (a)〜(c)の各成分を次の組成比で混合して非磁性
単結晶フェライト試料を製造した。 (a)Fe2 O3 …46.1mol% (b)ZnO …43.8mol% (c)TiO2 …10.1mol%
【0011】単結晶フェライト基板の第2実施例 (a)Fe2 O3 …51.1mol% (b)ZnO …39.7mol% (c)TiO2 … 9.2mol%
【0012】単結晶フェライト基板の第3実施例 (a)Fe2 O3 …52.0mol% (b)ZnO …23.4mol% (c)TiO2 … 9.6mol%
【0013】単結晶フェライト基板の比較例1 (a)〜(c)の各成分を次の組成比で混合して比較例
としての非磁性単結晶フェライト試料を製造した。 (a)Fe2 O3 …53.5mol% (b)ZnO …41.2mol% (c)TiO2 … 5.3mol%
としての非磁性単結晶フェライト試料を製造した。 (a)Fe2 O3 …53.5mol% (b)ZnO …41.2mol% (c)TiO2 … 5.3mol%
【0014】単結晶フェライト基板の比較例2 (a)Fe2 O3 …56.2mol% (b)ZnO …35.2mol% (c)TiO2 … 8.5mol%
【0015】単結晶フェライト基板の比較例3 (a)Fe2 O3 …53.7mol% (b)ZnO …32.2mol% (c)TiO2 …14.1mol%
【0016】そして、これらの各試料について、熱膨張
係数α及びキュ−リ−温度Tcを求めた。この結果を、
表1に示す。
係数α及びキュ−リ−温度Tcを求めた。この結果を、
表1に示す。
【0017】
【表1】
【0018】表1から明らかなように、TiO2 を5.
9〜10.14mol%と変化させて育成を行ったが、
TiO2 が5.3mol%及び14.1mol%(比較
例1,3)の場合には、インゴット中にクラックが生じ
て結晶性の悪い単結晶しか得られなかった。特に、Ti
O2 が14.1mol%の比較例3は、インゴットから
測定用試料を切断できず測定不能であった。また、比較
例2はFe2 O3 を上述した52.5mol%以上の5
6.2mol%としたもので、比較例1,3と同様にイ
ンゴット中にクラックが生じて結晶性の悪い単結晶しか
得られなかった。
9〜10.14mol%と変化させて育成を行ったが、
TiO2 が5.3mol%及び14.1mol%(比較
例1,3)の場合には、インゴット中にクラックが生じ
て結晶性の悪い単結晶しか得られなかった。特に、Ti
O2 が14.1mol%の比較例3は、インゴットから
測定用試料を切断できず測定不能であった。また、比較
例2はFe2 O3 を上述した52.5mol%以上の5
6.2mol%としたもので、比較例1,3と同様にイ
ンゴット中にクラックが生じて結晶性の悪い単結晶しか
得られなかった。
【0019】これに対し、TiO2 が9〜10mol%
の単結晶フェライト基板の実施例1〜3では、熱膨張係
数α及びキュ−リ−温度Tcとも略満足できる結果が得
られ、且つ、クラックのないインゴットが得られた。こ
のことより、室内非磁性で、しかも所要の熱膨張係数α
を有し、且つ安定的に単結晶の育成が可能な組成として
は、上述の範囲が好ましいことが分かる。
の単結晶フェライト基板の実施例1〜3では、熱膨張係
数α及びキュ−リ−温度Tcとも略満足できる結果が得
られ、且つ、クラックのないインゴットが得られた。こ
のことより、室内非磁性で、しかも所要の熱膨張係数α
を有し、且つ安定的に単結晶の育成が可能な組成として
は、上述の範囲が好ましいことが分かる。
【0020】以下、上述の条件を満す非磁性単結晶基板
4を用いた本実施例の磁気ヘッドにつき表2を用いて説
明する。表2は第1〜3実施例に係る磁気ヘッドと比較
例1〜5に係る従来の磁気ヘッドとを市販の1450O
e 程度の抗磁力を有するメタルテ−プを用い、500時
間の走行を行った際の各項目における比較結果である。
4を用いた本実施例の磁気ヘッドにつき表2を用いて説
明する。表2は第1〜3実施例に係る磁気ヘッドと比較
例1〜5に係る従来の磁気ヘッドとを市販の1450O
e 程度の抗磁力を有するメタルテ−プを用い、500時
間の走行を行った際の各項目における比較結果である。
【0021】なお、比較例1〜4のヘッド(従来のヘッ
ド)は、本実施例(第1〜3実施例)の基本ヘッド構造
のうち、非磁性単結晶フェライト基板4,4及び後方側
の非結晶質金属磁性基板7,7を設ける代わりに、ガラ
ス, 結晶化ガラス基板,CaTiO3 多結晶セラミック
ス基板,MnNi(MnO−NiO)多結晶セラミック
ス基板を前方と後方とに分離構造とすることなく夫々一
体に設けると共に、これらの基板を比抵抗1×108 Ω
・ cm 以上の絶縁体としたものである。また、比較例5
のヘッドは外側の前方部と後方部とを非磁性単結晶フェ
ライトとCaTiO3 とを分離接合して形成したもので
ある。
ド)は、本実施例(第1〜3実施例)の基本ヘッド構造
のうち、非磁性単結晶フェライト基板4,4及び後方側
の非結晶質金属磁性基板7,7を設ける代わりに、ガラ
ス, 結晶化ガラス基板,CaTiO3 多結晶セラミック
ス基板,MnNi(MnO−NiO)多結晶セラミック
ス基板を前方と後方とに分離構造とすることなく夫々一
体に設けると共に、これらの基板を比抵抗1×108 Ω
・ cm 以上の絶縁体としたものである。また、比較例5
のヘッドは外側の前方部と後方部とを非磁性単結晶フェ
ライトとCaTiO3 とを分離接合して形成したもので
ある。
【0022】表2の比較項目としては、500時間走行
後の各磁気ヘッドの媒体摺動面の偏磨耗量、脱粒、摺動
潤滑性の指標となる媒体成分の付着による変色の有無、
ヘッド化工程における加工性の良否、そして、500時
間走行後のスパイク性ノイズの発生の有無を夫々示し
た。
後の各磁気ヘッドの媒体摺動面の偏磨耗量、脱粒、摺動
潤滑性の指標となる媒体成分の付着による変色の有無、
ヘッド化工程における加工性の良否、そして、500時
間走行後のスパイク性ノイズの発生の有無を夫々示し
た。
【0023】
【表2】
【0024】表2より明らかなように本実施例のいずれ
のヘッドも、比較例のヘッドに比べ、偏磨耗量10nm以
下と優れ,脱粒も無く、且つ、変色の無い優れた媒体摺
動潤滑性を全て併せ持ち、ヘッド化工程上の加工性にも
優れていることが分かる。また、導電性の基板を用いた
ことで、この基板よりスパイク性ノイズを逃がすことが
でき、従来ヘッドに比べ、良好な結果が得られた。
のヘッドも、比較例のヘッドに比べ、偏磨耗量10nm以
下と優れ,脱粒も無く、且つ、変色の無い優れた媒体摺
動潤滑性を全て併せ持ち、ヘッド化工程上の加工性にも
優れていることが分かる。また、導電性の基板を用いた
ことで、この基板よりスパイク性ノイズを逃がすことが
でき、従来ヘッドに比べ、良好な結果が得られた。
【0025】表2には示していないが、接合する非磁性
導電性基板をAl2 O3 −TiC等の基板とした時はノ
イズの改善が見られるものの、熱膨張の不適合と加工性
の低下が見られた。しかし、NiZn,TiZn等の多
結晶フェライトとすることで摺動面の単結晶フェライト
と同じスピネル型結晶構造で接合が容易に行え、ヘッド
化工程上の加工性を単結晶に比べ更に向上することが容
易となった。また、熱膨張率を金属磁性膜特性の面から
最適化が容易となりヘッド特性向上の安定化が図れた。
導電性基板をAl2 O3 −TiC等の基板とした時はノ
イズの改善が見られるものの、熱膨張の不適合と加工性
の低下が見られた。しかし、NiZn,TiZn等の多
結晶フェライトとすることで摺動面の単結晶フェライト
と同じスピネル型結晶構造で接合が容易に行え、ヘッド
化工程上の加工性を単結晶に比べ更に向上することが容
易となった。また、熱膨張率を金属磁性膜特性の面から
最適化が容易となりヘッド特性向上の安定化が図れた。
【0026】なお、以上の実施例ではVTR用のヘッド
として示したが、これに限らず、オ−ディオ用の記録再
生装置,フレクシブル磁気ディスク用の記録再生装置,
リジッド磁気ディスク用の記録再生装置、デジタル・コ
ンパクト・カセット使用の装置等の多チャンネル薄膜ヘ
ッドにおいても適用できることはいうまでもない。
として示したが、これに限らず、オ−ディオ用の記録再
生装置,フレクシブル磁気ディスク用の記録再生装置,
リジッド磁気ディスク用の記録再生装置、デジタル・コ
ンパクト・カセット使用の装置等の多チャンネル薄膜ヘ
ッドにおいても適用できることはいうまでもない。
【0027】
【発明の効果】請求項1に記載の磁気ヘッドによれば、
従来のガラスや多結晶体を用いたヘッドに比べ、偏磨耗
特性、摺動潤滑性等の摺動特性に優れ、且つ、ノイズが
無く信号の質に優れた磁気ヘッドを提供できる。請求項
2に記載の磁気ヘッドによれば、より優れた金属磁性膜
特性が得られ請求項1のヘッドに比べ、更に電磁変換特
性に優れ、且つ、ヘッド化工程上の加工特性に優れた磁
気ヘッドを提供できる。請求項3の磁気ヘッドによれ
ば、請求項1叉は2に記載の効果に加えて、ヘッド化工
程上の加工特性に優れ、且つ、より優れた金属磁性膜特
性を得ることができ、更に電磁変換特性に優れた磁気ヘ
ッドを提供できる。
従来のガラスや多結晶体を用いたヘッドに比べ、偏磨耗
特性、摺動潤滑性等の摺動特性に優れ、且つ、ノイズが
無く信号の質に優れた磁気ヘッドを提供できる。請求項
2に記載の磁気ヘッドによれば、より優れた金属磁性膜
特性が得られ請求項1のヘッドに比べ、更に電磁変換特
性に優れ、且つ、ヘッド化工程上の加工特性に優れた磁
気ヘッドを提供できる。請求項3の磁気ヘッドによれ
ば、請求項1叉は2に記載の効果に加えて、ヘッド化工
程上の加工特性に優れ、且つ、より優れた金属磁性膜特
性を得ることができ、更に電磁変換特性に優れた磁気ヘ
ッドを提供できる。
【図1】本発明の第1〜3実施例に係る磁気ヘッドの基
本構造図である。
本構造図である。
【図2】熱膨張係数α及びキュ−リ−温度Tcと組成と
の関係を示した図である。
の関係を示した図である。
2 非磁性薄膜 3 軟磁性体膜 4 非磁性単結晶フェライト基板 5 コア半体 6 作動ギャップ 7 磁性膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 満次郎 神奈川県横浜市神奈川区守屋町3丁目12番 地 日本ビクター株式会社内
Claims (3)
- 【請求項1】 軟磁性体膜が磁路を構成する磁気ヘッド
において、記録媒体と対向し摺動する面を非磁性単結晶
フェライトと前記軟磁性体の一部とから形成する一方、
前記非磁性単結晶フェライトを前記記録媒体と対向し摺
動する面を除き導電性基板と接合して成ることを特徴と
する磁気ヘッド。 - 【請求項2】 前記非磁性単結晶フェライトの組成割合
としてFe2 O3 を42.0乃至53.5mol%、T
iO2 を8.0乃至12.0mol%、残部をZnOと
したことを特徴とする請求項1記載の磁気ヘッド。 - 【請求項3】 前記導電性基板を非磁性多結晶フェライ
ト材料で形成したことを特徴とする請求項1又は2記載
の磁気ヘッド。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5744092A JPH05225515A (ja) | 1992-02-10 | 1992-02-10 | 磁気ヘッド |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5744092A JPH05225515A (ja) | 1992-02-10 | 1992-02-10 | 磁気ヘッド |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05225515A true JPH05225515A (ja) | 1993-09-03 |
Family
ID=13055723
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5744092A Pending JPH05225515A (ja) | 1992-02-10 | 1992-02-10 | 磁気ヘッド |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05225515A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6985336B2 (en) * | 2001-10-09 | 2006-01-10 | Sony Corporation | Magnetic reproducing head having a structure to inhibit electrostatic discharge to a recording tape |
-
1992
- 1992-02-10 JP JP5744092A patent/JPH05225515A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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