JPH05223524A - 加工物の空間座標決定方法 - Google Patents

加工物の空間座標決定方法

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JPH05223524A
JPH05223524A JP3206691A JP3206691A JPH05223524A JP H05223524 A JPH05223524 A JP H05223524A JP 3206691 A JP3206691 A JP 3206691A JP 3206691 A JP3206691 A JP 3206691A JP H05223524 A JPH05223524 A JP H05223524A
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Steven J White
スティーブン、ジェームズ、ホワイト
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TECHNICAL ARTS CORP
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、加工物の空間座標座標を求めるた
めの方法を提供することを目的とする。 【構成】 パルス信号をサンプリングする段階と、この
サンプリングの結果の標本値をデジタル化し、前記各標
本値を代表するデジタル量を発生する段階と、前記デジ
タル量を順に加算して総和を求めてこれを第1の合計と
し、前記デジタル量を順に加えていく段階で生じる中計
をそれぞれ加算して総和を求めてこれを第2の合計とす
る段階と、前記第2の合計を前記第1の合計で除してオ
フセット長を求め、前記パルス信号の最後の標本位置か
ら前記オフセット長だけ戻った位置として前記パルス信
号の重心を決定する段階と、を有するパルス信号の重心
の決定方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、検知電気パルスの位置
決定、より具体的に言えば視野内にある加工物の空間座
標の決定のための高速走査方法および装置の改善、特に
従来知られているものよりも高速でしかもより正確な視
野内の加工物の空間座標を与えることができる高速走査
方法に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】加工物を視野内でとらえ、その位
置を決定し、その加工物に対して作用する機器に指示を
与えることができる装置は従来から知られている。しか
しながらこれらの従来の装置は、それに用いられるカメ
ラやレーザ走査における具体的な制限から反応が遅い、
精度が悪いという欠点がある。例えば米国特許第4,1
88,544号に開示されている装置は、木材産業用に
設計されたもので、加工物としての丸太に光源から平面
状の光束を照射し、ビディコン撮像管カメラで丸太表面
と平面状光束との交線を検出することによって丸太を走
査するものである。この装置では、更に撮像管からの信
号を修正するキャリブレーション技術が開示されてい
る。この技術によれば、カメラの視野内に置かれた既知
の三次元参照物体からの走査信号を、その参照物体につ
いてあらかじめ得られている空間座標と比較することに
よって得られるキャリブレーション情報をメモリーユニ
ットに貯える。実際の測定は加工物の走査信号をキャリ
ブレーション走査によって得られたキャリブレーション
情報と比較することによって行なわれる。この従来技術
によるシステムでは、キャリブレーション演算にはメモ
リーに貯えられた空間座標のみが用いられる。このため
従来装置では貯える空間座標データの数、精度ともにそ
の分解能に限界を生じ、キャリブレーション走査中に対
応する空間座標を正確に決定する能力にも限界があっ
た。
【0003】米国特許第3,895,870号および同
第3,796,492号には、コヒーレント光を加工物
の表面に照射し、ビディコン撮像管カメラで受像する方
式の別なシステムが開示されている。これらの特許に開
示されている内容は、1本の線状ビームと1対の受像部
の組合わせか、あるいは1対の線状ビームと1個の受像
部の組合わせにより、ビームが照射されている物体と受
像部のカメラとの距離を決定するというもので、換言す
れば単に距離計を開示したにすぎない。
【0004】米国特許第4,111,557号には、物
体の形状と位置とを光学的に決定し比較する方法が開示
されている。この方法でも物体は光電受像器によって受
像され、電気パルスに変換され、A−D変換の後に空間
座標データとして貯えられる。物体が移動したり変形し
たりした後の実際の物体に関するデータが、既に貯えら
れていたデータと比較されて物体の位置、形状の変化が
決定される。しかしこの発明は単に位置、形状の変化を
検知するだけであり、空間座標を決定する試みすらでき
ない。
【0005】米国特許第4,146,926号にも1本
の線状ビームと1対の反射光集光手段の組合わせによっ
て、物体の表面を検知し、参照点についてその位置を決
定する方法が開示されている。
【0006】米国特許第4,115,806号および同
第3,980,812号の開示内容は電気信号に変換さ
れた像の分析方法に関するものであるが、本発明に係る
方法とは異なり関連性は非常に少ないと考えられる。
【0007】米国特許第4,126,395号には、鏡
面上の識別マークの空間的位置を各点の位置として決定
する方法が開示されている。
【0008】米国特許第3,459,246号、同第
3,736,968号、同第3,787,700号、お
よび同第3,963,938号には非コヒーレント光の
光源と光電管センサとを用いたその他の従来技術に係る
システムが開示されており、また米国特許第3,77
3,422号にはテレビカメラとレーザ光源とを用い、
既知の距離と幾何的相対関係とによって物体の大きさを
計算するシステムが開示されている。
【0009】米国特許第3,187,185号、同第
3,590,258号、および同第3,625,618
号には、照射光ビームに対しある程度の角度をもった方
向から物体を観測することによって物体の外形表面を決
定するシステムが開示されている。
【0010】従来技術に係るテレビジョンタイプのセン
サとビデオデジタイザとによるシステムには、検知パル
スの位置決定における精度に問題があった。発明におけ
るパルス重心の決定方法はこれらの従来技術では用いら
れていない新技術である。また本発明では物体の空間座
標を正確に決定するためのキャリブレーション技術の改
善された方法をも含む。
【0011】
【発明の目的】本発明は、加工物の空間座標を求めるた
めの方法を提供することをその一般的目的とし、より詳
細に言えば以下のような目的をもつ。
【0012】本発明の第1の目的は、視野内に置かれた
加工物の空間座標を従来技術に比べてより正確にかつ高
速に決定することができる方法を提供することである。
【0013】本発明の第2の目的は、不規則な表面をも
つ加工物の全寸法および視覚的要素の詳細を決定する方
法を提供することである。
【0014】本発明の第3の目的は、非常にさまざまな
光学的特性をもった加工物の視覚的要素の詳細を決定す
る方法を提供することである。
【0015】本発明の第4の目的は、視野内に既知の形
状をもつジグを設け、このジグの空間座標を記録してお
くことなく自己キャリブレーションができるようにした
方法を提供することである。
【0016】本発明の第5の目的は、高価でしかも処理
時間がかかる乗算プロセスを必要とせずに、加算器のよ
うな比較的安価なアナログあるいはデジタル論理回路を
用いることによってパルスの重心を決定することができ
る装置および方法を提供することである。
【0017】
【発明の概要】本発明はパルス重心の位置決定方法に係
る。本発明に係る方法はコヒーレント光源を物体に照射
する段階をも含む。コヒーレント光と物体表面との交線
をも含めたその物体の像は、イメージオルシコン管等の
光電変換装置に従来から知られている干渉フィルターお
よびレンズを用いて形成される。光電変換装置はコヒー
レント光源から一定の角度離れた位置で物体の像を受像
する。コヒーレント光の平面状光束と物体表面との交線
はイメージオルシコン管の各水平走査線上に1つずつ参
照パルスを発生させる。各パルスの位置、特にそのパル
スの幾何学平均、即ち重心の位置が決定される。
【0018】本願では2つのパルス位置決定法を開示す
る。まず第1の方法は一般に「パルス積分法」と呼ばれ
るもので、光電変換装置からの1つの信号パルスをまず
サンプリングし、デジタル化するものである。続いて次
のような方法でパルス積分が行なわれる。まずサンプリ
ングされたパルスの各標本値を合計する。次に各標本値
をそれぞれ2倍する。そして最初の標本値から最後の標
本値へ向かって順に(あるいはその逆向きに順に)、そ
れぞれの標本値の2倍の値を先に求めた合計値から次々
と減算してゆく。このような減算により先に求めた合計
値は徐々に減少してゆくが、この合計値が0を越えたと
ころでこの減算操作を中止する。ここでその2倍の値を
合計値から減ずることによって合計値が0を越すことに
なったところの標本を基準標本として記録しておく。最
後に基準標本値の2倍の値と減算操作中止時の合計値の
絶対値との比を求め、基準標本の位置にこの比に対応す
る値を加え(あるいは減じ)ることによってパルスの重
心位置を決定する。
【0019】第2の方法は一般に「重心法」と呼ばれる
もので、「パルス積分法」と同様に光電変換装置からの
1つの信号パルスをまずサンプリングし、デジタル化す
る。続いて、次のような方法で重心が求められる。まず
サンプリングされたパルスの各標本値の合計である第1
の合計値が求められる。次に各標本値についての中計値
が求められるが、これはその標本値以前(その標本値も
含めて)のすべての標本値を合計した値として求められ
る。続いて各標本値についての中計値すべてを合計した
第2の合計値が求められる。そしてパルスの最後の標本
値の位置を記録しておき、第1の合計値と第2の合計値
との比に対応する値を先に記録した位置から減じること
によってパルスの重心、即ち幾何学平均を決定する。
【0020】以上2つの方法では、デジタル論理回路を
用いることが好ましい。もっとも重心法ではアナログ積
分器を用いることも可能である。コヒーレント光源、加
工物、および光電変換器のレンズ相互間における角度、
距離の関係が、後述するユニークなキャリブレーション
法によって決定され、この角度、距離の関係によって決
まる参照パルスの幾何学平均、即ち重心が前述したよう
に求まり、これによって加工物の空間座標が決定され
る。
【0021】キャリブレーション技術は光電変換装置の
視野内に正確に形状が決定されたジグを置くことによっ
て行なわれる。断面として特異な形状の幾何図形、例え
ば三角形、がジグによって一義的に決定される。接続さ
れたコンピュータには、ジグの空間座標よりはむしろこ
の幾何図形の寸法が詳しく記憶される。幾何図形の形
は、ジグの平坦な表面に沿って各点を走査し、これらの
各点を線で連結し、このようにしてできた線の交点によ
って決定される。これらの交点はジグにそなわっている
固有の幾何図形の頂点を決定することになる。このよう
にしてその図形についてあらかじめ記憶されていた寸法
を参照して求められた幾何図形によって、ジグと同様に
光電変換装置の視野内にある加工物の空間座標X,Y,
Zを正確に計算することが可能になる。ジグの長手方向
は光電変換装置の水平走査線に沿うように配置するのが
好ましい。ただ完全に平行にする必要はない。
【0022】以下に添付図面を参照しながら本発明の好
ましい一実施例について詳述する。これによって今まで
述べてきた本発明の種々の特徴、目的、利点がより明ら
かになるであろう。
【0023】
【実施例】本発明の実施例である加工物の空間座標を決
定する装置の代表例について図1のブロック図を用いて
説明する。レーザ10等の通常用いられる光源に光学系
12を取りつけ、コヒーレント光の平面状光束を作り、
これを加工物14に照射する。図1で加工物14として
木材の平板を例にとっているが、加工物としては精密測
定、検査、あるいは加工のためにその空間座標を求める
ことが必要とされるあらゆる対象物でよいことは言うま
でもない。従ってここでは木材を加工するという特定の
例について本発明の説明を行なうが、本発明に係る装置
は産業上の種々の制御装置、生産ラインの検査、在庫管
理、医学的なスキャニング等にも何ら制限を受けずに用
いることができる。また後述するパルス位置決定法も木
材加工の分野以外にも広く応用できる技術である。
【0024】イメージオルシコン、ビディコン、ウルト
ラコン等の撮像管を光電変換装置18として用い、これ
を平面状光源に対して既知のあらかじめ決定された角度
をなすように配置し、加工物の像をとらえる。この撮像
管は、1走査図形あたり複数の走査線を発生する。この
各走査線はそれぞれの走査線上に1つの参照パルスをも
つ。この参照パルスは走査線と、加工物に照射されてい
るコヒーレント光の平面状光束との交点に相当する。図
1に示すようなビデオ画像器に映してみれば、各走査線
の参照パルスによって形成される参照パルス線があらわ
れる。撮像管の出力信号はビデオデジタイザ22に入力
され、ここで各走査線について参照パルスをも含んだサ
ンプリングとデジタル化が行なわれる。ビデオデジタイ
ザ22はデジタル化された情報を用いて各参照パルスの
位置、特に各パルスの重心、即ち幾何学平均の位置を決
定する。この決定された各パルスの正確な位置情報、光
学系12の視野内に置かれた既知の形状をしたジグと光
学系12との距離情報、および後述するキャリブレーシ
ョン技術によって決定される種々の既知情報は、コンピ
ュータによって統合され、その結果加工物の空間座標が
徐々に決定される。このようにして決定された空間座標
は、木材切断装置等のユーザーが用いる外部装置を制御
する別なコンピュータに入力される。ユーザーが用いる
このような装置までは本発明に含まないが、本発明によ
る出力がこのような装置を制御するために容易に用いう
ることは周知のことである。
【0025】本発明の別な一実施例の概略を図2に示
す。前述の実施例と同様にレーザ10が走査用光源とし
てコヒーレント光を加工物14に照射する。2つの別々
な、しかも互いに一定の間隔離れた受像器を有する光学
系20によって加工物がとらえられ、加工物の2つの像
が作られる。光学系20の中で作られた2つの像は、イ
メージオルシコン管等の光電変換装置18によって受像
され、各走査線に付き1対の参照パルスが作られる。こ
れらの参照パルスは走査線と、加工物に照射されている
コヒーレント光の平面状光束との交点に相当する。図2
に示すようなビデオ画像器にこの結果を映してみれば、
図のような1対の参照パルス線となる。前述の実施例と
同様に、1つあるいは複数のビデオデジタイザ22が2
つの参照パルスを含んだ各走査線をサンプリングし、デ
ジタル化する。このデジタル化された情報は各パルスの
重心、即ち幾何学平均の位置を非常に正確に決定するた
めに用いられ、更にこの情報は、既知のあるいは計算に
よって求められたパラメータとともに、図1の装置に基
づいてこれから詳述するような方法によって加工物の空
間座標を決定する。
【0026】なお図1および図2に示すビデオ映像器
は、本発明を実施する上に必要な装置には含まれないこ
とを注記しておく。ここではビデオデジタイザに入力さ
れる電気信号を目にみえる形にした場合にどのような形
になるかを単に示すためにビデオ映像器を例示したにす
ぎない。
【0027】再び図1の実施例について説明する。レー
ザ10はこの装置の他の要素とは別に、離れて示されて
おり、これは本発明においてはこのレーザ10はその他
要素との間に何らハードウエア的なインターフェースを
要さないことを示す。もっとも何らかのハードウエア的
なインターフェースが用いられるとすれば、レーザを走
査する場合のX座標を計算するために用いられるレーザ
の角度検知器が考えられよう。加工物の上に配置された
レーザ10は、線状のコヒーレント光を発するが、レー
ザ出力光用の従来から知られている光学系12によって
この光は平面状光束に変換される。本発明の実施にはレ
ーザ以外の光源を用いることも可能であるが、周囲の光
の散乱効果を防ぐためにレーザを光源として用いる方が
好ましい。コヒーレント光の平面状光束は、空間座標を
決定すべき加工物14に照射される。図にその一部分が
示されるように、加工物はコンベヤ16等の上にのせら
れる。好ましい実施例としては、レーザ10は動かない
ように固定した方がよいのであるが、本発明のまた別な
実施例として、加工物を走査するためにレーザを側方に
のみ動くように取り付けてもよい。
【0028】光電変換装置18に用いるレンズは、図1
に示す装置では加工物を視野内に確保できる程度に適当
に運ばれた通常のレンズを用いているが、その仕事の目
的に応じて種々のものが選ばれる。図には示されていな
いが、周囲の光をカットするために、このレンズと光電
変換装置との間にレーザ干渉フィルタが設けられる。図
2に示すような2つの受像器を有する光学系では、加工
物を視野内に確保できる程度に適当に選ばれた双眼鏡用
のレンズが用いられる。
【0029】図1に示す光電変換装置は、左から右へス
イープを繰り返し、1つの走査図形あたり複数の走査線
を発生する標準的閉回路テレビカメラでよい。このカメ
ラはその装置の仕事の目的による要求に応じて、高解像
度のもの、低解像度のもの、あるいは高感度のもの、低
感度のものを用いることができる。各走査線は、その走
査線と加工物に照射されているコヒーレント光の平面状
光束との交点に対応する参照パルスを含んでおり、図1
のビデオ映像器に示されるような出力信号を形成する。
【0030】図1および図2で1ブロックとして示した
ビデオデジタイザ22を図3に詳細に示す。このビデオ
デジタイザ22は、光電変換装置18の出力であるアナ
ログ信号を受け、概して言えばこのアナログ信号をサン
プリングしてデジタル化する。イメージオルシコン管か
らの1スイープ分の信号がサンプリングされた後、ビデ
オデジタイザ22の中のデジタル論理回路によって以下
に述べるような方法で各参照パルスの幾何学平均、即ち
重心が決定される。ビデオデジタイザ22の出力は図1
で各機能を表示した複数のブロックの集まりとして図式
化して示されているコンピュータ24に入力される。ビ
デオデジタイザの出力信号を受けたコンピュータ24
は、この信号を線形化、即ちレーザ光、カメラのレン
ズ、カメラの電気的要素等の非線形部分を数学的に補償
する。もっとも、このような補償機能は用いたカメラシ
ステムが結果に大きな影響を与える程度の非線形像を作
り出すような場合にのみ必要となろう。低品質のレンズ
を用いた場合にはかなり正確さが歪められることになろ
うが、高品質のカメラとレーザ用レンズを用いれば、こ
のような線形補償は必要なくなる。
【0031】ビデオデジタイザ22の出力は続いて、加
工物の空間座標を計算するためにキャリブレーションパ
ラメータと結合される。このキャリブレーションパラメ
ータは、正確に形状が定められたジグを走査し、このジ
グの平坦な表面に沿って走査された各点を選択し、これ
らの点を結んで交線を形成させることによって計算され
る。このようにして形成された交線どうしの交点はコン
ピュータに記憶される。これらの交点は例えば三角形の
ようなジグ固有の幾何図形の頂点を決定するとともに、
例えば底辺と高さのような寸法をも決定する。ジグを走
査することによって得られた幾何図形と、その図形につ
いて記憶されている寸法とを結合することにより、キャ
リブレーションパラメータは以下に述べる方法によって
計算され、加工物上で走査された各点の位置が正確に決
定される。
【0032】本発明によって得られる重要な利点、改善
点は、求めるべき参照パルスの位置を決定する際の精度
が、本発明に係る装置によって大幅に改善された点であ
る。テレビ放送等で用いられている典型的なビデオ信号
のバンド幅では、水平方向解像度はほぼ300〜500
画素が限度である。本発明に係る装置および方法によれ
ば、潜在的に利用可能な解像度が20000画素程度か
ら1000000画素程度以上に至るまでのきわめて高
い解像度を得ることができる。
【0033】前述したように、光電変換装置によって作
られた参照パルスの重心、即ち幾何学平均は、2つの方
法のうちのどちらか1つによって決定される。1つのパ
ルス積分法で、パルスの面積を積分によって求め、この
面積を互いに等しくとなりあう2つの部分に分けるよう
に位置をみつける方法である。もう1つは重心法で、パ
ルスのサンプリングされた標本値の一重積分値と二重積
分値を求める方法である。ここで一重積分値とは通常の
積分値、即ちパルスのサンプリングされた全標本値の合
計であり、二重積分値とは、後に詳述するが、一重積分
値として求められた中計をすべて合計したものである。
二重積分によって得られた値を一重積分によって得られ
た値で除することによってオフセット値が求まり、パル
スの最後の標本値の位置からこのオフセット値を減ずる
ことによって、パルスの重心が求められる。本実施例で
は、パルスの積分を行なう上で、ビデオデジタイザの分
解能によって制限を受ける閾値が、装置のコンピュータ
部分によってあらかじめ設定されている。ビデオデジタ
イザはビデオ信号をサンプリングし、サンプリングした
値を何倍かに増幅したデジタル信号の標本値を発生させ
る。
【0034】第1の方法、即ちパルス積分法では、パル
スの増幅された全標本値はすべてが記憶される。これは
本発明によればこれらの標本値がパルス積分過程で必要
となるからである。どちらの方法においても線形補間あ
るいは可能な場合には多項式を用いることになる曲線補
間が行なわれる。これらの補間により、増幅手段の分解
能、サンプリングする標本数といった主たる制限を受け
ながらも、できうる限りの精度で、パルスの平均を決定
することができる。どちらの方法も、アナログ回路、ビ
ットスライスプロセッサ、ソフトウエアとして具現化さ
れたプロセッサアルゴリズム、あるいはデジタル回路の
いずれを用いても実施できるが、現時点での技術的問題
に最も具体的な解決法を与えるのはデジタル回路を用い
る方法であろう。
【0035】図3のブロック図を用いながら、ビデオデ
ジタイザ22によって行なわれる第1の方法、即ちパル
ス積分法について説明する。ビデオ信号はビデオプリア
ンプ302に入力され、ここで整合、バッファリングさ
れて、更にビデオアナログ信号をデジタル化するA/D
コンバータ304に入力される。またこのビデオプリア
ンプ302からの信号は、同期検出器306およびフレ
ーム検出器308を経由して、それぞれ各ビデオ走査線
のスタート位置における同期パルスおよびビデオスクリ
ーンの開始点(スクリーン上部)におけるフレーム(ブ
ランキング)パルスとなる。これらのパルスはコンピュ
ータ24へ入力され、ビデオカメラで走査された走査線
番号pが決定される。同期発振器310は同期パルスを
受けて、この同期パルスに同期した出力信号を発生す
る。従ってこの出力信号は、ビデオデジタイザ22内部
での論理タイミングとして用いることができ、また全ビ
デオ信号のサンプリングにも用いることができる。
【0036】一方A/Dコンバータ304はビデオプリ
アンプ302にバッファーされているビデオ信号をサン
プリングし、その標本値を2進データ(デジタル)に変
換する。ビデオデジタイザ22には2つの動作モードが
ある。即ち(1)走査モードと、(2)検索モードであ
る。走査モードではデジタイザは、標本値がコンピュー
タ24によってセットされた設定値以上になった後の各
標本値をデジタル化し、積算し、記憶する。このように
して標本値が設定値以下になるまでサンプリングは続け
られ、各標本値は積算(積分)され、記憶される。サン
プリングが行なわれている間、カウンタ322は同期発
振器310からのパルスをNとしてカウントする。同期
発振器310からのパルスはこのようにカウンタ322
の内部でカウント値Nとしてカウントされるが、この値
は与えられた走査図形の走査線上における対応する標本
がサンプリングされたおおまかな位置に相当する。この
おおまかな位置N(即ちおおまかなカウント値N)は続
けて得られるより細かい補正要素によってより正確な値
となる。以下にこの補正要素について述べる。
【0037】全標本値が積算された後、この積算された
各標本値はランダムアクセスメモリー(RAM)314
に記憶される。積算は加算器316によって行なわれ、
パルスの全標本値の積算合計Σ、即ちそのパルスを代表
する全標本合計値がレジスタ317に記憶される。走査
モード中は、レジスタ317に記憶されるべき積算合計
値が負になるように、加算器316で加算される各標本
値の符号はスケーラー318により反転されてから加算
器316に入力される。
【0038】パルスの全標本値の加算が終了すると、シ
ステムは検索モードに切換わる。検索モードではメモリ
ー314に記憶されている各標本値の2倍の値が加算器
316によりレジスタ317の値にそれぞれ加算されて
ゆく。走査モードでは符号反転を行なったスケーラー3
18は、検索モードではビデオパルス検出器320の制
御のもとに標本値を2倍にする演算を行なう。この2倍
の値が加算器に加えられるごとに、その積算結果である
レジスタ317の内容の符号ビットが検索制御論理回路
324によって調べられる。もしこの符号ビットが正に
なっていたら次の3つの値が記憶される。まずカウンタ
322のカウント値NがNレジスタ326に記憶され
る。次に加算が行なわれた最後の標本値Aの2倍の値、
即ち2Aが2Aレジスタ328に記憶される。そして最
後にレジスタ317に残った正の数、即ち加算剰余Σ
がΣレジスタ330に記憶される。これらの3つの値
を次式に代入することによって各走査パルスの幾何学平
均ηが求められる。
【0039】
【数1】 また走査モードから検索モードへの切換時にレジスタ3
17に残っているパルスの全標本値の合計、即ちパルス
の面積がSレジスタ332に記憶される。
【0040】パルス積分法を詳細に考慮して、A/Dコ
ンバータ304によって発生できるデジタル出力信号の
フルスケールを利用できるようにA/Dコンバータの限
界を設定してやることにより、ビデオデジタイザ内に用
いられている固有のA/Dコンバータから最大限の分解
能を得ることができる。
【0041】以上のパルス積分法をもう一度まとめて述
べることにする。パルスの立上り部分の大きさが設定値
以上になったら、ビデオデジタイザ22は撮像管からの
出力信号をサンプリングし、デジタル化する。このデジ
タル化された値は、個々にRAM314に記憶されると
ともに、符号が反転されて負の合計値として互いに加算
されてゆく。パルスを代表する全標本値が個々に記憶さ
れ、かつ加算されたら、RAM314に記憶された個々
の標本値は順に取り出され、2倍されて加算器316に
よって負の合計値に加算されてゆく。
【0042】即ちパルスを代表する全標本値は一番最初
の標本値から記憶された順番に、あるいは一番最後の標
本値から記憶された逆順に、1つずつ取り出され、2倍
され、この2倍の値が加算器316によって合計値に次
々と加算されていくのである。この操作は加算器316
の合計値が正の値になるまで、即ち加算された2倍標本
値の合計2Σ′が、標本値の合計Σを越えるまで続けら
れる。
【0043】加算器316の合計がひとたび正になった
ら、最後に加算された標本値の位置は、パルスの重心即
ち幾何学平均から1標本区間内にあることは知られてい
る。このようにして、Nカウンタに残っている対応する
カウンタ値(補間前のN)が幾何学平均を決定するため
の標準標本位置として用いられる。標本値を2倍して加
算してゆく操作がパルスを代表する全標本値の一番最後
の標本値から行なわれた場合はNカウンタは1ずつ減少
させてカウントしていくが、標本値を2倍して加算して
いく操作がパルスを代表する全標本値の一番最初の標本
値から行なわれた場合は、Nカウンタはその一番最初の
標本値に対応する値にリセットされ、そこから1ずつ増
加させてカウントしていくことになる。標準標本位置、
即ちNカウンタの値の補間補正は、加算器316に残っ
ている最終合計である加算剰余Σと、2倍して加算器
の合計に2Aとして加算された最後の標本値Aとを用い
て計算される。即ち、加算剰余Σを最終加算標本値の
2倍である2Aで除することによって補間量が求まる。
従ってパルスの重心、即ち幾何学平均ηは次式で求ま
る。
【0044】
【数2】 ここで、2倍加算がパルスの最初の標本値から順に行な
われた場合は、補間値Σ/2AはNに加算され2倍加
算がパルスの最後の標本値から逆順に行なわれた場合
は、補間値Σ/2AはNから減算される。
【0045】Nに補間値を加減することによって幾何学
平均が求まることは、Σが加算器316に加えられた
最後の数、即ちその加算によって合計が幾何学平均を超
えることになった最終加算標本値の2倍の値に対する比
例配分値に対応することを考えれば明らかである。この
ようにして、補間値Σ/2Aを最終加算標本値の位置
を示すNカウンタ値に加減することによって、幾何学平
均の正確な位置が決定される。この場合のデジタル分解
能はN×2A′で与えられる。ここでMは1本の走査線
を構成する標本数、A′は1つの標本値に許される最大
デジタル段階数である。例えば8ビットのA/Dコンバ
ータを用いた場合、1つの標本値に許される最大デジタ
ル段階数は256である。従って8ビットのA/Dコン
バータを用い、30MHzのサンプル周期でサンプリン
グを行なうと(M=1700)、M×2A′=8.70
×105 となる。
【0046】次に前述したビデオデジタイザ22にかえ
て用いることができるビデオデジタイザ23によって行
なわれる重心法について図12に示すブロック図を参照
しながら説明する。前述のパルス積分法と同様に、ビデ
オ信号はビデオプリアンプ402に入力され、ここで整
合、バッファリングされて、更にA/Dコンバータ40
4へ入力される。またこのビデオプリアンプ402から
の信号は、同期検出器406およびフレーム検出器40
8を経由して、それぞれ各ビデオ走査線のスタート位置
における同期パルスおよびビデオスクリーンの開始点
(スクリーン上部)におけるフレーム(ブランキング)
パルスとなる。これらのパルスはコンピュータ24へ入
力され、光電変換装置18で走査された走査番号ρが決
定される。同期発振器410は同期パルスを受けて、こ
の同期パルスに同期した出力信号を発生する。従ってこ
の出力信号は、ビデオデジタイザ23内部での論理タイ
ミングとして用いることができ、また全ビデオ信号のサ
ンプリングにも用いることができる。
【0047】一方A/Dコンバータ404はビデオプリ
アンプ402にバッファーされているビデオ信号をサン
プリングし、その標本値を2進データ(デジタル)に変
換する。第1加算器416は、標本値がコンピュータ2
4によってセットされた設定値以上になった後の各標本
値を合計する。このようにして標本値が設定値以下にな
るまでサンプリングは続けられ、各標本値は積算(積
分)される。これが第1の合計値である。第2の合計値
は第1の加算器416によって各標本値を加算するごと
に得られる各中計値を、それぞれ第2加算器418で合
計することによって求められる。
【0048】サンプリングが行なわれている間、カウン
タ422は同期発振器410からのパルスをNとしてカ
ウントする。同期発振器410からの各パルス、即ちカ
ウンタ422におけるカウント値は、ビデオ信号の標本
1つ1つに対応する。カウンタ422のカウント値N
は、また与えられた走査線上での対応する標本値の位置
を示すことにもなる。同期発振器の周波数は高くすれば
する程、精度および分解能が向上する。パルスを代表す
る全標本値がサンプリングされると、これら標本値の合
計値が第1加算器416にストアされ、この全標本値、
即ち、パルスを代表する全標本値の積算合計Σは第1レ
ジスタ417に記憶される。第2加算器418およびそ
の出力を受ける第2レジスタ419には、パルス標本値
の中計値の合計、即ち標本列の二重積分の値が入れられ
る。パルスの全標本値の加算が終了すると、加算および
カウント操作は停止する。そして以下の3つの値が記憶
される。まずカウンタ422のカウント値NがNレジス
タ426に記憶される。次に第2レジスタ419の値が
2 レジスタ428に記憶される。そして最後に第1レ
ジスタ417の値がI1 レジスタ430に記憶される。
これら3つの値を次式に代入することによって各走査パ
ルスの幾何学平均ηが求められる。
【0049】
【数3】 本実施例でも、また正確なパルス位置決定を要求される
他の実施例でも、古典的な重心方程式を用いることがで
きる。パルスの大きさを示す関数をf(t)とすれば、
重心方程式の連続形式は次式で表わされる。
【0050】
【数4】 離散的なシステムでは、上記方程式は以下のとおりとな
る。
【0051】
【数5】 この重心法は、比較的標本数が少ないパルスについて
は、前に説明したパルス積分法に比べて著しく有利であ
ることが確認された。この重心法を用いる唯一の問題点
は、パルス積分法と同じ演算速度で同じ経済性をもっ
て、ifi という項を演算することが困難である点であ
る。この問題点は重心方程式を乗算のない形に変形し、
演算速度、コストともに著しく削減することによって解
決することができる。この変形方法を図13に示すデー
タ配列を参照しながら説明する。このデータ配列は次の
3つの特徴をもっている。 (1) 全配列要素の合計: (2) 斜線より下の全配列要素の合計: (3) 斜線より上の全配列要素の合計 よって、 また、 従って重心方程式は次式のように変形できる。
【0052】
【数6】 ここで を求める演算はパルスの標本値を加算することによって
求まる。図13の斜線より上の配列要素の横の各中計値
は、第1加算器417で得られ、I1 レジスタ430に
逐次記憶される。従ってこれらの中計値を単に合計する
ことにより、 が求まる。この値は第2加算器419で得られ、I2
ジスタ428に記憶される。このように比較的安価な2
つの加算器を用いるだけで、標本値から次の標本値へと
オンライン演算が可能になる。パルスの重心を求めるに
は、サンプリング終了後、 による除算を行なえばよい。
【0053】上述した1つあるいはいくつかの方法を用
いて、必要とされる程度の分解能で各参照パルスの幾何
学平均即ち重心がひとたび決定されると、この装置のコ
ンピュータ部分が得られた幾何学平均を光学系とジグと
の距離のような既知のパラメータと比較し、加工物の空
間座標を計算する。
【0054】キャリブレーションに必要なパラメータを
決定する場合、図4乃至図11に示すような精密な形を
もったジグ900の1つを用いる。このジグは、従来技
術で用いられていたように記憶された空間座標として用
いるよりはむしろ計算を行なうための参照標準として用
いられる。図8乃至図11に示すように、ジグの表面の
平面に沿って走査された複数のパルス中心点901が選
択され、これらの点を結ぶ複数の直線902が形成され
る。このようにして形成されたこれらの直線の交点90
4は、図9および図10に示される三角形905のよう
な幾何図形の頂点を決定する。このようにして形成され
た図形の特定の寸法、即ち三角形の底辺と高さとがコン
ピュータに記憶される。頂点904の空間座標はコンピ
ュータによって知ることができない。またこれらの頂点
は図8乃至図11に示すようにジグの表面にある必要は
なく、ジグの好ましい形としてはむしろ表面にない方が
よい。
【0055】図8および図9に示すジグ900は、低コ
ストで、成形が容易で、異物がたまらないという点でジ
グとして好ましい形である。図8および図9のジグ90
0に形成されているスロット908は、切りかす、小さ
な木片、その他の破片をジグ内から落とす役目をし、他
の形のジグに比べて走査される表面を汚れのない状態に
保つことができる。更に図8および図9に示すジグ90
0は、加工物の支持体表面に容易かつ安価に形成させる
ことができる。即ち表面に何ら障害物を設けることな
く、図示されたコンベヤ16の上面に設けることができ
る。このように加工物の支持体表面にジグを形成させる
ということは、またジグの加工物の支持体に対する相対
位置を高精度で保証することにもなり、計算を容易に
し、精度の改善が行なえる。
【0056】ジグを走査することによって得られた情報
をもとに、コンピュータによって求められたジグ固有の
幾何図形は、あらかじめコンピュータに記憶されている
図形の各寸法と比較される。この幾何図形の頂点の1つ
が座標0,0,0の点として三次元座標系の原点として
定義される。座標系の原点として選ばれた頂点は、コン
ベヤ16との相対位置が決定され、この相対位置はコン
ピュータ24に取り込まれ、その座標系において加工物
の表面の各点の位置が正確に決定される。当然ながら、
ジグが加工物の支持体表面、即ちコンベヤ16の表面に
形成されている場合には、このジグの相対位置は固定さ
れコンピュータにあらかじめプログラムされることにな
る。幾何図形の1つあるいは複数の他の頂点がこの座標
系において決定される。この座標系で決定された各点
は、原点を含めて後述する式において設定されるキャリ
ブレーションパラメータの計算に用いられることにな
る。
【0057】ジグの空間座標を記憶する分解能に避けら
れない制限を受けていた従来装置に比較して、本発明に
係る装置では、このようなユニークな方法によりその精
度が著しく改善される。本発明によれば、光学走査器が
どこを向いていようが、ジグがカメラの視野内にある限
りキャリブレーションを行なうことができる。ジグの長
手方向の軸はコンベヤ16の長手方向の軸に向けた方
が、加工物の空間座標の計算を単純にする上で好ましい
が、こうすることが必要であるわけではない。
【0058】YZ座標の計算には4つのパラメータを計
算するキャリブレーション手段が用いられる。加工物の
各点のYおよびZ空間座標の計算には次式が用いられ
る。
【0059】
【数7】 またX空間座標の計算は次式で行なわれる。
【0060】X=Ztan β ここでη0 ,η,K1 ,K2 およびρ′はキャリブレ
ーションによって計算されるパラメータ、ηおよびρは
デジタイザによってコンピュータに送られるパラメー
タ、Z0 はカメラとキャリブレーションジグとの距離に
等しい定数、またβはレーザのカメラに対する角度であ
る。ジグの表面の各点についてのデータをサンプリング
するために精密に成形されたキャリブレーションジグと
ビデオデジタイザとが用いられ、前述したように三次元
座標系での各点が決定される。
【0061】上述の式を移項し、この移項した式を各パ
ラメータについて解くために幾何図形の頂点についての
既知の位置座標を用いることによって、4つのパラメー
タ(η0 ,η,K1 およびK2 )を高精度で決定する
ことができる。
【0062】図8乃至図11に示すジグを用いる場合、
コンピュータはジグのZ=0面906(図5のジグでも
破線として示されている。)の位置を指示させる。これ
によってシステムはジグの平坦な表面にサンプル点を選
ぶことができる。ジグの平坦な表面上(即ちジグの表面
どうしの交差部分を除いたジグ表面上)に、2またはそ
れ以上のサンプル点901が選ばれ、コンピュータによ
ってこれらの各点を連結した線902が形成される。そ
してこれら選択点から形成される複数の線902の交点
904が決定される。続いて図形の各頂点としての視野
上の各点が構成された特定の幾何図形についてのあらか
じめ記憶されている寸法と、これらの各交点904が比
較される。座標系はこれら頂点のうちの1つを原点とし
てとらえ、残りの頂点はこの座標系のもとに正確に定義
される。この座標系での原点を含めたこれら既知の点
は、上述したYおよびZに関する方程式を移項した式に
用いられ、これら方程式を連立して解くことによってη
0 ,η,K1 およびK2 が計算される。このようにし
て、本発明に係る装置では、ジグ表面の各点の空間座標
を記憶することなしにキャリブレートが行なえる。4つ
のパラメータは周期的に、あるいは上述したように連続
的に決定することができる。
【0063】以上、高速かつ高精度で加工物の位置を決
定させることができる従来知られていなかった新規でユ
ニークな方法および装置について述べてきたわけであ
る。しかしながら、当業者であれば本発明の精神、本質
的特徴からはずれないような、上述してきた特定の実施
例以外の実施例、実施態様として本発明の実施を行ない
得ることは明らかである。上述した高速走査装置の特定
の実施例は、あらゆる点で説明のためだけのもので、何
ら制限を与えるものではないと考えるべきである。従っ
て本発明の主旨は前述してきた実施例によって何ら制限
を受けるものではなく、特許請求の範囲に記載したとお
りのものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る加工物の空間座標を決定する典型
的な装置の一実施例のブロック図。
【図2】一対のレンズをもつカメラを用いた本発明に係
る加工物の空間座標を決定する典型的な装置の別な実施
例のブロック図。
【図3】本発明に係る典型的なビデオデジタイザのブロ
ック図。
【図4】本発明に用いることのできる典型的なキャリブ
レーションジグの側面図。
【図5】図4に示したジグの斜視図。
【図6】本発明に用いることのできるキャリブレーショ
ンジグの別な実施例の側面図。
【図7】図6に示したジグの斜視図。
【図8】加工物の支持体表面に形成された好ましいキャ
リブレーションジグの一例の斜視図。
【図9】図8に示す好ましいキャリブレーションジグの
切断線9−9によって切断した断面図。
【図10】図6に示すジグを改良したジグの側面図。
【図11】図10に示したジグの斜視図。
【図12】本発明に用いることができるビデオデジタイ
ザの別の好ましい一例のブロック図。
【図13】デジタル化したパルスの代表値データの配列
を示すグラフ。
【符号の説明】
10 レーザ 12 光学系 14 加工物 16 コンベヤ 18 光電変換装置 20 光学系 900 ジグ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】パルス信号をサンプリングする段階と、 このサンプリングの結果の標本値をデジタル化し、前記
    各標本値を代表するデジタル量を発生する段階と、 前記デジタル量を順に加算して総和を求めてこれを第1
    の合計とし、前記デジタル量を順に加えていく段階で生
    じる中計をそれぞれ加算して総和を求めてこれを第2の
    合計とする段階と、 前記第2の合計を前記第1の合計で除してオフセット長
    を求め、前記パルス信号の最後の標本位置から前記オフ
    セット長だけ戻った位置として前記パルス信号の重心を
    決定する段階と、 を有するパルス信号の重心の決定方法。
  2. 【請求項2】第1の合計および第2の合計がデジタル加
    算器を用いて得られる特許請求の範囲第1項記載のパル
    ス信号の重心の決定方法。
  3. 【請求項3】パルスを含んだ前記信号の1周期にわたっ
    て前記信号をアナログ積分器により積分し、その結果を
    第1の合計とする段階と、 前記第1の合計をアナログ積分器により更に積分し、そ
    の結果を第2の合計とする段階と、 前記第2の合計を前記第1の合計で除することにより、
    前記信号の1周期の最後の位置と前記パルスの重心の位
    置との時間的距離に比例した信号をつくる段階と、 を有するパルス信号の重心の決定方法。
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