JPH05223083A - 超微粒子で圧縮機を潤滑する冷媒圧縮式冷凍装置 - Google Patents

超微粒子で圧縮機を潤滑する冷媒圧縮式冷凍装置

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JPH05223083A
JPH05223083A JP2373492A JP2373492A JPH05223083A JP H05223083 A JPH05223083 A JP H05223083A JP 2373492 A JP2373492 A JP 2373492A JP 2373492 A JP2373492 A JP 2373492A JP H05223083 A JPH05223083 A JP H05223083A
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JP
Japan
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refrigerant
compressor
ultrafine particles
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Application number
JP2373492A
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English (en)
Inventor
Kazutaka Suefuji
末藤和孝
Kiju Endo
遠藤喜重
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 潤滑油を使用せず、自己潤滑性を有する超微
粒子により冷媒圧縮機の摺動部の潤滑を行う様にした冷
媒圧縮式冷凍装置を提供する。 【構成】 冷凍サイクルに封入される冷媒中に自己潤滑
性を有する超微粒子を混入してある。圧縮機構部を冷媒
が通過中に、又は、冷凍サイクル中の液冷媒ラインに連
通させた通路を通じて、差圧により、あるいは、ポンプ
の作用により、前記超微粒子が圧縮機の摺動部や軸受部
に供給されるようにする。 【効果】 圧縮機の油切れによる摺動部の焼き付きや、
冷凍サイクル内に吐出された油による熱交換器の性能低
下など、油に起因するトラブルがなくなり、冷凍装置の
信頼性および性能が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、空調機や冷凍機などの
冷媒圧縮式冷凍装置に係り、特に、密閉形の冷媒圧縮機
を用いた冷媒圧縮式冷凍装置に好都合な圧縮機摺動部の
基本的な潤滑技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の冷凍装置では、圧縮機の容器内に
潤滑油を保有し、該潤滑油をポンプまたは差圧により軸
受その他の摺動部に供給し、潤滑を行っていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】圧縮機からは潤滑油が
わずかずつ冷媒に混入して冷凍サイクルへ吐出され、圧
縮機への潤滑油の戻りが悪いと圧縮機内の潤滑油が枯渇
し、軸受その他の摺動部が焼き付きを起こしたり、異常
摩耗を起こしたりすることがある。また、圧縮機から吐
出された潤滑油は、冷凍サイクルの熱交換器のパイプ内
面に付着して熱交換性能を落す原因の一つになってい
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明では、潤滑油を用
いず、冷媒中に混入した自己潤滑性を有する超微粒子に
よって圧縮機の軸受その他の摺動部の潤滑を行う。該超
微粒子は、冷媒と共に循環することにより、また、高圧
部と摺動部を連通して設けられた通路から差圧により、
又はポンプにより、冷媒と共に圧縮機の軸受その他の摺
動部に供給される。
【0005】
【作用】上記超微粒子は、気体と同様の挙動をし、至る
所で冷媒に混ざり合い、冷媒と共に圧縮機の摺動部に供
給されて固体潤滑作用をなす。
【0006】
【実施例】本発明の第一の実施例を図1により説明す
る。図1において、鏡板2bとこれに直立した渦巻ラッ
プ2aとからなる固定スクロール2および鏡板3bとこ
れに直立した渦巻ラップ3aとからなる旋回スクロール
3で構成される圧縮部、旋回スクロール2を旋回運動さ
せるクランク軸4、旋回スクロールの自転を防止するオ
ルダムリング5、これらの部品を支持するフレーム6、
及びクランク軸4に直結する電動機7を主な構成要素と
し、以上の各要素を密閉容器1内に収納してスクロール
圧縮機が形成されている。冷媒ガスは吸入管8から密閉
容器1内に吸入され、そこから、固定・旋回両スクロー
ル間に形成される圧縮室9で圧縮されて吐出ポート10
から吐出管11(これは密閉容器1内とは通じていな
い)を通じ、機外へ吐出される。旋回スクロール3の背
面には、その鏡板3bに設けられた小孔を通じて、吸入
圧力と吐出圧力の中間的な圧力の圧縮室と連通する背圧
室12が設けられている。背圧室12内の圧力は、標準
的な圧力条件のとき、圧縮室の軸方向ガス力より大きい
力で旋回スクロール3を固定スクロール2側へ押しつけ
て、圧縮室をシールするために必要な大きさになるよう
に設定されている。
【0007】冷凍サイクル構成は吐出管11、凝縮器2
1、レシーバ22、膨張弁23、蒸発器24、吸入管8
を順に配管で接続して成る。
【0008】冷凍サイクルには冷媒が封入されている。
該冷媒には、自己潤滑性に優れたフッ素化合物、例えば
ポリテトラフルオロエチレン、フッ化カーボンなどの材
料からなる超微粒子が混入されている。該超微粒子は、
前記冷媒と共に冷凍サイクル中を循環する。超微粒子の
混入した冷媒ガスは、圧縮機の吐出管11から凝縮器2
1へ入り、冷媒ガスは冷却されて液化し、該液冷媒と超
微粒子はレシーバ22へ流入して一時貯溜され、その
後、膨張弁23を通って減圧し、冷媒は二相流となって
蒸発器24へ入り、加熱されて気化し、超微粒子と共に
吸入管8から再び圧縮機へ吸入される。
【0009】圧縮機の吸入管8から固定スクロール2の
吸入室8aへ冷媒と共に吸入された超微粒子は、固定ス
クロール2の鏡板2bと旋回スクロール3の鏡板3bの
摺動面へも入り込み、固体潤滑作用を奏する。また該超
微粒子が両スクロール間の圧縮室9を通過する際には、
固定スクロールのラップ2a及び旋回スクロールのラッ
プ3aの先端や側面の接触部へも入り込んで潤滑作用を
奏する。前記超微粒子は、前記冷媒と共に流動し、吐出
ポート10から吐出管11を通し、冷凍サイクルへ吐出
される。
【0010】固定スクロール鏡板2bの周部には、鏡板
2bの摺動面に開口する連通孔13が設けられている。
該連通孔13には、連通管14が接続されている。該連
通管14の他端はレシーバ22の出口につながる液ライ
ンに接続されている。該液ラインの圧力は、ほぼ吐出圧
力である。前記鏡板2bの摺動面の一方は吸入室8aに
通じ、他方は背圧室12に通じている。いずれの室8
a,12の圧力も吐出圧力より低いので、前記液ライン
から、超微粒子を含んだ液冷媒が、差圧により、前記鏡
板摺動面に供給される。前記超微粒子は自己潤滑作用を
有しており、前記鏡板摺動面を通って、前記吸入室8a
や背圧室12へ排出されるまでの間、摺動部の潤滑作用
を奏する。
【0011】フレーム6には主軸受6aと副軸受6bが
設けられ、クランク軸4はこれらの軸受6a,6bに支
持されている。クランク軸4の偏心軸部4aは、旋回ス
クロール3のボス部に設けられた旋回軸受3cに嵌合さ
れ、前記旋回スクロールを旋回駆動する。フレーム6に
おける主軸受6aと副軸受6bの間の空間(フレーム空
間という)6cに通じる連通孔15がフレーム6に設け
られている。該連通孔15には連通管16が接続されて
いる。該連通管16の他端はレシーバ出口の液ラインに
接続されている。該液ラインの圧力はほぼ吐出圧力であ
る。主軸受6aの他端は背圧室12に通じ、副軸受6b
の他端は容器1内、すなわち、吸入圧力の雰囲気に連通
している。背圧室12内および容器1内のいずれの圧力
も吐出圧力より低いので、前記連通孔15から前記フレ
ーム空間6cへ、前記超微粒子を含んだ液冷媒が差圧に
より供給される。該超微粒子は、前記軸受6a,6bの
隙間を通って、前記背圧室12や容器1内に排出される
までの間、軸受部の潤滑作用を奏する。
【0012】クランク軸4内には、一方がフレーム空間
6cに連通し、他方が旋回軸受3cの存する旋回スクロ
ールボス部内の空間(ボス空間という)3dに連通する
通路4bが設けられている。旋回軸受3cの他端は背圧
室12に通じているので、該軸受3cにも、前記通路1
4bを通じて、前記超微粒子を含んだ冷媒が差圧により
供給される。該超微粒子は、前記軸受3cの隙間を通っ
て、前記背圧室12に排出されるまでの間、軸受部3c
の潤滑作用を奏する。
【0013】本発明の第二の実施例を図2により説明す
る。第一の実施例との違いは、図1の背圧室12に相当
する空間が、容器1内と連通し、吸入圧力の背面室1
2’になっていることである。旋回スクロール3は圧縮
室の圧力に押されてフレームの座面6dに押し付けら
れ、ラップの先端に隙間が生じるので、圧縮室9の密閉
を図るために、ラップの端面にはチップシール(不図
示)が装着されている。鏡板3bと前記フレーム座面6
bとの間に摺動面が形成される。したがって、本実施例
では、連通孔13が前記摺動面をなすフレーム座面部6
dに設けられている。該摺動面の両側はいずれも吸入圧
力雰囲気であり、連通管14および連通孔13から、超
微粒子を含む液冷媒が差圧により供給され、超微粒子は
前記摺動面の潤滑作用を奏する。その他の構成は第一の
実施例と同じである。
【0014】本発明の第三の実施例を図3により説明す
る。吸入管8は固定スクロールの吸入室8aに直接連通
し、密閉容器1内とは連通していない。該吸入管8から
吸入室8aへ吸入された冷媒ガスと超微粒子は、圧縮室
9で圧縮された後、吐出管11からサイクルへ吐出され
る。吐出管11も固定スクロールの吐出口10に直接連
通し、密閉容器1内とは連通していない。冷凍サイクル
構成は吐出管11、凝縮器21、圧縮機の容器1の下
部、膨張弁23、蒸発器24、吸入管8を順に配管で接
続して成る。超微粒子の混入した冷媒ガスが吐出管11
から凝縮器21へ入り、冷媒ガスは冷却されて液化し、
該液冷媒と超微粒子は圧縮機の容器1の下部へ流入して
そこに一時貯溜され、その後、膨張弁23を通って減圧
され、冷媒は二相流となって蒸発器24へ入り、冷媒は
加熱されて気化し、超微粒子と共に吸入管8から再び圧
縮機へ吸入される。本実施例では、圧縮機の容器1が、
第一の実施例(図1)及び第二の実施例(図2)のレシ
ーバ22の働き兼ねており、容器1内の圧力はほぼ吐出
圧力に等しい。旋回スクロール3の背面には、第一の実
施例と同じく中間圧の導入される背圧室12が設けら
れ、旋回スクロールを固定スクロールへ押し付けてい
る。
【0015】クランク軸4の下端は、容器1底部に貯溜
した液冷媒に浸漬しており、クランク軸4の内部にはこ
の液冷媒中に開口する通路4bが設けられている。該通
路4bと主軸受6aの内面は連通孔4cで、また該通路
4bと副軸受6bの内面は連通孔4dで通じている。該
通路4bはクランク軸上端に開口している。主軸受6a
と副軸受6bの間のフレーム空間6cと背圧室12とは
フレーム6内の通路6dで通じている。したがって、各
軸受6a,6b,3cは一端が背圧室圧力であり、容器
1内は吐出圧力であるから、容器1底部に溜っている液
冷媒と超微粒子の混合物は、差圧により、クランク軸4
下端から各軸受6a,6b,3cへ供給される。該超微
粒子はこの各軸受隙間内を通過中に潤滑作用を奏する。
【0016】旋回軸受3cの存する旋回スクロールボス
内のクランク軸頭部上の空間(ボス空間)と鏡板摺動面
とは、旋回スクロール鏡板3b内の通路3eにより連通
している。該摺動面は一方が吸入室8aに、他方が背圧
室12に通じており、前記ボス空間内が吐出圧力である
から、差圧により液冷媒と超微粒子は該摺動面に供給さ
れる。超微粒子は該摺動面を通過中に潤滑作用を奏す
る。
【0017】本実施例によると、圧縮機の容器1がレシ
ーバを兼ねているので、独立したレシーバを付ける必要
がない。したがって、冷凍サイクルを構成する部品が少
なくてすみ、簡素化される。
【0018】本発明の第四の実施例を図4により説明す
る。図4において、吸入管8は固定スクロール2の吸入
室8aに直接連通し、密閉容器1内とは連通していな
い。該吸入管8から吸入室8aへ吸入された冷媒ガスと
超微粒子は、圧縮室9で圧縮された後、吐出口10から
容器1内の吐出室1aに吐出され、容器1内の下部室1
bにも充満し、吐出管11からサイクルへ吐出される。
【0019】固定スクロール鏡板2b周部には、鏡板2
bの摺動面に開口する連通孔13が設けられている。該
連通孔13には連通管14が接続されている。主軸受6
aと副軸受6bの間のフレーム空間6cには、連通孔1
5が設けられている。該連通孔15には連通管16が接
続されている。連通管14と連通管16の他端はポンプ
25の出口に接続され、該ポンプ25の入口はレシーバ
22の出口につながる液ラインに接続されている。
【0020】圧縮機の運転中、ポンプ25を運転するこ
とにより、前記液ラインから、超微粒子を含んだ液冷媒
が前記鏡板2bの摺動面及び前記フレーム空間6cに供
給される。前記超微粒子を含んだ液冷媒は、前記鏡板の
摺動面及び主軸受6a、副軸受6bの摺動面を通って、
前記背圧室12や容器1内に排出されるまでの間、該摺
動面の潤滑作用を奏する。
【0021】本発明の第五の実施例を図5により説明す
る。本実施例はスクリュー圧縮機を用いた実施例であ
る。ケーシング101内に、該ケーシング内の圧縮室内
で互いに噛み合う雄ロータ102と雌ロータ103とか
らなる圧縮部、雄ロータ102を駆動する電動機10
4、各ロータを支持する軸受105,106,107,
108を主な構成要素として収納してスクリュー圧縮機
が形成されている。ガスは吸入口109から吸入され、
圧縮室で圧縮されて吐出口110から機外へ吐出され
る。
【0022】冷凍サイクル構成は吐出口110、凝縮器
21、レシーバ22、膨張弁23、蒸発器24、吸入口
109を順に配管で接続して成る。冷媒には、第一の実
施例と同様、自己潤滑性に優れた超微粒子が混入されて
いる。該超微粒子は、前記冷媒と共に冷凍サイクル中を
循環する。圧縮機の吸入口109からケーシング内を通
過して、圧縮室へ冷媒と共に吸入された超微粒子は、雄
ロータ102と雌ロータ103の摺動面及び各ロータと
ケーシングの摺動面へも入り込み、固体潤滑作用を奏す
る。前記超微粒子は、前記冷媒と共に流動し、吐出口1
10から冷凍サイクルへ吐出される。
【0023】ケーシング101には軸受105,10
6,107,108へ通じる連通孔111が設けられて
いる。該連通孔111には連通管112が接続されてい
る。該連通管112の他端はレシーバ22の出口につな
がる液冷媒ラインに接続されている。前記各軸受の少な
くとも一端は吐出圧力より低圧の雰囲気に連通してお
り、連通管112を通じて前記連通孔111から前記各
軸受へ、前記超微粒子を含んだ液冷媒が差圧により供給
される。該超微粒子は、前記軸受部を通って、前記ケー
シング内あるいは圧縮室に排出されるまでの間、軸受部
の潤滑作用を奏する。
【0024】本発明の第六の実施例を図6により説明す
る。本実施例はベーン付ロータリー圧縮機を用いた実施
例である。密閉容器201内にケーシング202、ロー
タ203、ベーン204、サイドカバ205,206か
らなる圧縮部と、ロータ203を駆動するクランク部2
07を有するクランク軸208と、該クランク軸を支持
する軸受209と、クランク軸208駆動用の電動機2
10とを主な構成要素として収納してロータリー圧縮機
が形成されている。冷媒ガスは吸入口211から吸入さ
れ、ケーシング202内で圧縮されて吐出口212から
機外へ吐出される。
【0025】冷凍サイクル構成は吐出口212、凝縮器
21、レシーバ22、膨張弁23、蒸発器24、吸入口
211を順に配管で接続して成る。冷媒には、第一の実
施例と同様、自己潤滑性に優れた超微粒子が混入されて
いる。該超微粒子は、前記冷媒と共に冷凍サイクル中を
循環する。圧縮機の吸入口211からケーシング202
内へ冷媒と共に吸入された超微粒子は、ロータ203と
前記ケーシングやベーン204との摺動面及び該ベーン
と前記ケーシングの摺動面へも入り込み、固体潤滑作用
を奏する。前記超微粒子は、前記冷媒と共に流動し、吐
出口212から冷凍サイクルへ吐出される。
【0026】サイドカバ206にはクランク軸208の
端面に開口するパイプ213が設けられている。該パイ
プ213の他端はポンプ214の出口に接続され、該ポ
ンプ214の入口は連通管215によりレシーバ22の
出口につながる液ラインに接続されている。
【0027】圧縮機の運転中、ポンプ214の作用によ
り、前記液ラインから、超微粒子を含んだ液冷媒が前記
パイプ213を通り前記クランク軸208の端面から該
クランク軸内の通路を通ってロータ203とクランク部
207との摺動面及び軸受209の摺動面に供給され
る。該超微粒子は、前記摺動部を通って、前記ケーシン
グ内あるいは前記密閉容器内に排出されるまでの間、該
摺動面の潤滑作用を奏する。
【0028】本発明における前記超微粒子の作用につい
て図7により例説する。図7では、摺動部の一例とし
て、スクロール圧縮機における固定スクロール2と旋回
スクロール3の鏡板摺動部2bと3bが示されている。
該摺動部へは連通管14から固定スクロール鏡板に設け
た連通孔13を通って超微粒子を混入した液冷媒が供給
される。摺動部の表面には微小な凹凸31があり、超微
粒子の粒径は該凹凸の山と谷の高低差すなわち表面粗さ
より遥かに小さい。凹部に入り込んだ超微粒子はこの部
分に蓄積され、該凹部を埋めていく。すなわち前記摺動
部表面に超微粒子コーティング層32が形成されること
になる。その結果、前記超微粒子は自己潤滑性を有する
ので、摩擦係数が減少し、摩擦損失が低減されて性能が
向上する。また、摩耗も少なくなり、信頼性が向上す
る。
【0029】本発明の第七の実施例を図8により説明す
る。図8には、摺動部の一例として、スクロール圧縮機
における固定スクロール2と旋回スクロール3の鏡板摺
動部2bと3bが示されている。各摺動部の少なくとも
一方には予め自己潤滑性のコーティング33が施されて
いる。該摺動部へは連通管14および連通孔13から超
微粒子を混入した液冷媒が供給される。該超微粒子は前
記コーティング層33に一部埋まり込み、二次的な超微
粒子コーティング層32を形成する。該二次的なコーテ
ィング層32は最初のコーティング33を補強し、前記
摺動部の焼き付きや異常摩耗を防止する。したがって、
圧縮機の信頼性が向上する。
【0030】自己潤滑性の超微粒子として、第一の実施
例で述べた材料のほかに、二硫化モリブデンなどの材料
も用いることができる。
【0031】また、以上で示した各実施例の他にも、摺
動部へ超微粒子を供給する供給源や経路ならびに供給作
用(差圧やポンプ作用など)を変更した構造は種々考え
られるが、それらは本発明の範囲内である。
【0032】
【発明の効果】本発明によると、冷媒に混入した自己潤
滑性を有する超微粒子を、圧縮機の軸受や鏡板その他の
摺動部へ供給して潤滑を行うので、潤滑油を封入する必
要がない。したがって、冷凍装置における油に起因する
トラブルが解消される。例えば、圧縮機からサイクル中
へ吐出された油がサイクル中に滞留して戻らず、圧縮機
内の油が枯渇して、摺動部の潤滑に支障を来し、焼き付
きや異常摩耗を起こすようなことがない。また、サイク
ル中へ吐出された油が、熱交換器の管内壁に付着し、熱
交換性能を阻害するようなことがない。さらに、圧縮機
の軸受や鏡板の摺動部に超微粒子とともに液冷媒を供給
するので、気化熱による冷却が行われ、従来の油潤滑よ
り冷却効果が大きく、過負荷などによる摺動部の焼き付
きが起こりにくい。以上のように、従来の油潤滑式圧縮
機を使用した場合に比べて、冷凍装置の性能及び信頼性
を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施例に係るスクロール圧縮機
の断面図。
【図2】本発明の第二の実施例に係るスクロール圧縮機
の断面図。
【図3】本発明の第三の実施例に係るスクロール圧縮機
の断面図。
【図4】本発明の第四の実施例に係るスクロール圧縮機
の断面図。
【図5】本発明の第五の実施例に係るスクリュー圧縮機
の断面図。
【図6】本発明の第六の実施例に係るロータリー圧縮機
の断面図。
【図7】本発明における超微粒子の作用を示すスクロー
ルを示す圧縮機の部分断面図。
【図8】本発明の第七の実施例を示すスクロール圧縮機
の部分断面図。
【符号の説明】
1…密閉容器 2…固定スクロー ル 3…旋回スクロール 4…クランク軸 5…オルダムリング 6…フレーム 7…電動機 8…吸入管 8a…吸入室 9…圧縮室 10…吐出ポート 11…吐出管 12…背圧室 13,15…連通 孔 14,16…連通管 21…凝縮器 22…レシーバ 23…膨張弁 24…蒸発器 31…凹凸 32…超微粒子 33…コーティン グ 101…ケーシング 102…雄ロータ 103…雌ロータ 104…電動機 105,106,107,108…軸受 109…吸入口 110…吐出口 111…連通孔 112…連通管 201…密閉容器 202…ケーシン グ 203…ロータ 204…ベーン 205,206…サイドカバ 207…クランク 部 208…クランク軸 209…軸受 210…電動機 211…吸入口 212…吐出口 213…連通管 214…ポンプ

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冷媒圧縮式冷凍装置において、冷凍サイ
    クルに封入される冷媒中に自己潤滑性を有する超微粒子
    を混入し、該超微粒子を冷媒と共に冷媒圧縮機の摺動部
    に供給するように構成したことを特徴とする冷媒圧縮式
    冷凍装置。
  2. 【請求項2】 冷媒圧縮式冷凍装置において、冷凍サイ
    クルに封入される冷媒中に自己潤滑性を有する超微粒子
    を混入し、該超微粒子を冷媒と共に冷媒圧縮機及び冷凍
    サイクル内を循環せしめ、該超微粒子で冷媒圧縮機の摺
    動部を潤滑するように構成するように構成したことを特
    徴とする冷媒圧縮式冷凍装置。
  3. 【請求項3】 冷媒圧縮機の軸受部と、該軸受部の雰囲
    気圧力より高圧の液冷媒の存在する冷凍サイクル中の容
    器あるいは配管とを導通する通路を設け、該通路を通っ
    て前記超微粒子を液冷媒と共に軸受部へ差圧により供給
    するように構成したことを特徴とする請求項1又は2記
    載の冷媒圧縮式冷凍装置。
  4. 【請求項4】 液冷媒の存在する冷凍サイクル中の容器
    あるいは配管から冷媒圧縮機の軸受部へポンプを介して
    導通する通路を設け、該通路を通って該ポンプの作用に
    より前記超微粒子を液冷媒と共に前記軸受部へ供給する
    ように構成したことを特徴とする請求項1又は2記載の
    冷媒圧縮式冷凍装置。
  5. 【請求項5】 冷媒圧縮機として、鏡板に渦巻状のラッ
    プを直立させて各々なる固定スクロールと旋回スクロー
    ルとを、互いにラップを向き合わせて組み合わせ、前記
    旋回スクロールを自転することなく固定スクロールに対
    し旋回運動させて冷媒ガスを圧縮するようにしたスクロ
    ール圧縮機を使用し、液冷媒の存在する冷凍サイクル中
    の容器あるいは配管から固定スクロールと旋回スクロー
    ルの鏡板摺動部へ導通する通路を設け、該通路を通って
    差圧あるいは該通路内に設置されたポンプにより、前記
    超微粒子を前記冷媒と共に前記摺動部へ供給するように
    構成したことを特徴とする請求項1,2,3又は4記載
    の冷媒圧縮式冷凍装置。
  6. 【請求項6】 冷媒圧縮機として、鏡板に渦巻状のラッ
    プを直立させて各々なる固定スクロールと旋回スクロー
    ルとを互いにラップを向き合わせて組み合わせて密閉容
    器内に収納し、旋回スクロールを自転することなく固定
    スクロールに対して旋回運動させて冷媒ガスを圧縮する
    ようにしたスクロール圧縮機を使用し、該スクロール圧
    縮機は前記密閉容器外から前記固定スクロールの吸入口
    へ直結した吸入管と、前記固定スクロールの吐出口から
    密閉容器外へ直結した吐出管を有し、冷凍サイクル中の
    凝縮器を経由して液化した液冷媒を一旦前記密閉容器内
    の貯溜部へ導入して貯溜し、該貯溜部から前記スクロー
    ル圧縮機の固定スクロールと旋回スクロールとの鏡板摺
    動部へ導通する通路を設け、差圧あるいは該通路内に設
    置されたポンプにより、前記超微粒子を前記液冷媒と共
    に前記貯溜部から前記通路を通って前記摺動部へ供給す
    るように構成したことを特徴とする請求項1,2,3又
    は4記載の冷媒圧縮式冷凍装置。
  7. 【請求項7】 冷媒圧縮機として、ねじ状の歯を有する
    雄ロータと雌ロータをケーシング内の圧縮室中で噛み合
    わせ、ロータの回転により前記圧縮室内で冷媒ガスを圧
    縮するようにしたスクリュー圧縮機を使用し、液冷媒の
    存在する冷凍サイクル中の容器あるいは配管から該スク
    リュー圧縮機の軸受部へ導通する通路を設け、差圧ある
    いは該通路内に設置されたポンプにより、前記超微粒子
    を前記液冷媒と共に前記軸受部へ供給するように構成し
    たことを特徴とする請求項1,2,3又は4記載の冷媒
    圧縮式冷凍装置。
  8. 【請求項8】 冷媒圧縮機として、ロータとベーン及び
    ケーシングで圧縮室を構成し、ロータの回転により前記
    圧縮室内で冷媒ガスを圧縮するようにしたロータリ圧縮
    機を使用し、冷凍サイクル中の液冷媒の存在する容器あ
    るいは配管から前記ロータ、ベーン、ケーシングの摺動
    部およびロータ駆動軸の軸受部へ導通する通路を設け、
    差圧あるいは該通路内に設置されたポンプにより、前記
    超微粒子を前記液冷媒と共に前記摺動部および軸受部へ
    供給するように構成したことを特徴とする請求項1,
    2,3又は4記載の冷媒圧縮式冷凍装置。
  9. 【請求項9】 自己潤滑性を有する超微粒子がフッ素化
    合物であることを特徴とする請求項1ないし8のいずれ
    かに記載の冷媒圧縮式冷凍装置。
  10. 【請求項10】 フッ素化合物がポリテトラフルオロエ
    チレンである請求項9記載の冷媒圧縮式冷凍装置。
  11. 【請求項11】 フッ素化合物がフッ化カーボンである
    請求項9記載の冷媒圧縮式冷凍装置。
  12. 【請求項12】 自己潤滑性を有する超微粒子が二硫化
    モリブデンであることを特徴とする請求項1ないし8の
    いずれかに記載の冷媒圧縮式冷凍装置。
  13. 【請求項13】 自己潤滑性を有する超微粒子が、冷媒
    に溶解しない粒径1μm以下の固体であることを特徴と
    する、請求項1ないし12のいずれかに記載の冷媒圧縮
    式冷凍装置。
  14. 【請求項14】 自己潤滑性を有する超微粒子が、冷媒
    に溶解せず粒径が摺動面もしくは軸受面の平均表面粗さ
    寸法の10分の1以下の固体であることを特徴とする請
    求項1ないし12のいずれかに記載の冷媒圧縮式冷凍装
    置。
  15. 【請求項15】 冷媒圧縮機の摺動部もしくは軸受部に
    予め自己潤滑性の一次コーティングを施し、冷凍サイク
    ルに封入される冷媒中に混入された自己潤滑性を有する
    超微粒子が冷媒と共に前記圧縮機の摺動部もしくは軸受
    部を通過中に、該微粒子が前記コーティング層に付着
    し、自己潤滑性の二次のコーティング層が形成されるよ
    うにしたことを特徴とする請求項1ないし14のいずれ
    かに記載の冷媒圧縮式冷凍装置。
JP2373492A 1992-02-10 1992-02-10 超微粒子で圧縮機を潤滑する冷媒圧縮式冷凍装置 Pending JPH05223083A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008025437A (ja) * 2006-07-20 2008-02-07 Mitsubishi Materials Corp 摺動装置
EP1217214B1 (en) * 2000-12-21 2008-08-06 Ingersoll-Rand European Sales Limited Compressor and driving motor assembly

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