JPH08326668A - スクロール圧縮機 - Google Patents

スクロール圧縮機

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Publication number
JPH08326668A
JPH08326668A JP13492395A JP13492395A JPH08326668A JP H08326668 A JPH08326668 A JP H08326668A JP 13492395 A JP13492395 A JP 13492395A JP 13492395 A JP13492395 A JP 13492395A JP H08326668 A JPH08326668 A JP H08326668A
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JP
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movable
fixed
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Application number
JP13492395A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Karato
宏 唐土
Hiroyuki Fukuhara
弘之 福原
Shigeru Muramatsu
繁 村松
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、固定スクロールを軸方向に移動可
能な構造のスクロール圧縮機において、固定スクロール
と可動スクロールとの摺動支持を一方の端面側のみで行
い、固定スクロールを安定させて振動騒音を低下させ、
耐久性を向上させることなどにある。更にフレームに取
り付けた新規なピンにより、信頼性の高い安価な固定ス
クロールの回転防止法を提供する。 【構成】 固定スクロール2を可動スクロール3に対し
て押し付け、各ラップ2b,3bの高さを互いに異なら
せたことなどを特徴とする。更にフレーム13に取り付
けたピン14が固定スクロール2と接触する部分を直方
面とすることなどにある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は業務用および家庭用の空
調装置や車両用空調機等に使用されるスクロール圧縮機
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、空調用の圧縮機としては、圧縮機
構部4がレシプロ式のもの、ロータリー式のものがあ
り、いづれの方式も家庭用、業務用の空調分野や車両用
空調の分野で使用されてきており、現在はコスト、性能
面等でそれぞれ特徴を生かして使われてきている。そし
て現在スクロール式の圧縮機がその低騒音、低振動とい
う特徴を生かして大いに実用化されてきた。
【0003】図5に従来の空調用の圧縮機として使用さ
れるスクロール圧縮機の縦断面図を示す。図6に従来の
スクロール圧縮機の圧縮機構部4の横断面図を示す。図
7に従来のスクロール圧縮機の圧縮機構部4の縦断面図
を示す。図8に従来のスクロール圧縮機の固定スクロー
ルの断面図を示す。密閉容器1の内部には、固定スクロ
ール鏡板22aと渦巻形状の固定スクロールラップ22
bを有する固定スクロール22、可動スクロール鏡板2
3aと渦巻形状の可動スクロールラップ23bを有する
可動スクロール23、この可動スクロール23より前記
固定スクロール22とを前記各ラップ22b,23bを
互いに噛み合わせて旋回運動させて冷媒ガスを密閉空間
4aで圧縮する圧縮機構部4が形成される。可動スクロ
ール23を支えるスラスト軸受部5aを有する軸受部品
5を密閉容器1に溶接固定して上部に設けている。そし
て可動スクロール23の軸23cを、クランク軸6の端
部の偏芯軸受7に挿入し、可動スクロール23をクラン
ク軸6により旋回運動させる。クランク軸6には電動機
7の回転子7aが取り付けられており、密閉容器1に焼
き嵌め固定された固定子7bと共に軸受部品5の下部に
配設されている。
【0004】クランク軸6は、軸受部品5の主軸受5b
と副軸受8とで支えられている。密閉容器1には冷媒の
吸入管9が設けられている。密閉容器1の下方底部には
潤滑油10を貯溜する油だめ10aが設けられ、吸入管
9からの吸入ガスが作用する構造となっている。オイル
ポンプ11によりクランク軸6のオイル穴6aを通じて
主軸受5b、偏芯軸受7、スラスト軸受部5aへ給油さ
れる。軸受部品5にはこれら軸受部を潤滑、冷却した潤
滑油9を排出する排出口5cが設けられている。12は
密閉容器1の外へ冷媒ガスを吐き出す吐出管である。
【0005】図9に従来のスクロール圧縮機の固定スク
ロールを拘束するピンの図を示す。固定スクロール22
は軸受部品5にボルトで締結されたフレーム13の勘合
部13aに取り付けられ、フレーム13に固定されたピ
ン114に挿入されて回転方向移動が規制され、軸方向
移動が許容される。図9に示すように従来のピン114
は全長にわたって円柱形状のものであり、一端をフレー
ム13に挿入固定され、他端を固定スクロール22の穴
部22dに挿入され、面状となっている直方面部22e
と接触するようになっている。22cは固定スクロール
22の固定スクロール鏡板22aの中央付近に設けられ
た吐出穴で、密閉空間4aからの圧縮ガスを吐き出す。
13bはフレーム13の中央付近に設けられ吐出穴2c
と連通している貫通口である。フレーム13と固定スク
ロール鏡板22aとの間のシール材15で囲まれた背圧
室4bには吐出穴22cからの圧縮ガスが作用し、密閉
空間4a内の冷媒ガスの圧力に打ち勝って固定スクロー
ル22を可動スクロール23側に押し付けて密閉容器4
aからの冷媒ガスの漏れを防止し、密封性を確保し性能
向上を図っている。また、密閉空間4a内の冷媒ガスの
圧力により固定スクロール22を径方向で自転させよう
とするモーメントが生じるが、ピン114によって拘束
している。16は停止時に可動スクロール2が逆転する
のを防ぎ、かつ圧縮不足、逆流防止の為の吐出弁で、1
7は吐出弁の動きを規制する吐出弁押さえでいづれもフ
レーム13に取り付けられている。18はフレーム13
に取り付けたカバーであり、貫通口13bからの吐出ガ
スを貯留させる吐出チャンバー19を形成し、密閉容器
1内の吸入ガスと隔離している。吐出チャンバー19は
吐出管12に通じている。20は可動スクロール3を固
定スクロール22に対して旋回運動させるための可動ス
クロール23の自転防止用の周知のオルダムリングであ
る。
【0006】上記構成により吸入ガスは吸入管9より密
閉容器1内へ戻り、圧縮機構部4へ吸入される。固定ス
クロール22に対して可動スクロール23が旋回運動す
ることにより、吸入ガスが密閉容器4aで圧縮されて高
圧ガスになり、吐出穴22c、貫通口13b、そして吐
出弁16を通じて吐出チャンバー19へ入る。そして吐
出管12より密閉容器1外へ吐出し、冷媒ガスを循環さ
せ、周知の冷凍サイクル(図示せず)を構成する。
【0007】一方、油だめ10aからオイルポンプ11
で吸い上げられた潤滑油10は、クランク軸6のオイル
穴6aの中を上昇し、主軸受5b、偏芯軸受7、スラス
ト軸受部5aを潤滑、冷却して排出口5cから固定子7
bの上部へ排出し、固定子7bと密閉容器1の隙間を通
って油だめ10aに戻る給油サイクルを形成する。スラ
スト軸受部5aを潤滑した油は一部圧縮機構部4へ吸入
ガスと共に流れ込み、密閉空間4aを通って圧縮された
冷媒ガスに含まれて、吐出管12から吐出され冷凍サイ
クルを循環して吸入管9から戻ることになる。一般的に
低圧式のスクロール圧縮機の場合、密閉空間4aに含ま
れた潤滑油10はそのまま密閉容器1外へ冷媒ガスと共
に吐出されることになり、熱交換性能を阻害したり、潤
滑油10が途中の冷媒配管中に留って圧縮機に戻ってこ
なかったりするので密閉容器1外への潤滑油10の吐出
量は少ない方が良い。しかし、密閉空間4aに含まれる
密閉空間4aに噛み込ます油の量が少な過ぎると、固定
スクロール22と可動スクロール23との噛み合い部の
シールの役目を果たせなくなるので密閉空間4aに噛み
込ます潤滑油10の量は適量にコントロールされねばな
らない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来の上記スクロール
圧縮機の場合、通常固定スクロールラップ22bと可動
スクロールラップ23bの高さ(渦巻方向に沿っての平
均的高さ)は同一にしていた。しかし、実際問題として
製造加工機のバラツキ、寸法バラツキ、誤差や運転時の
圧力、温度分布などにより各ラップ22b,23bの高
さには大きなバラツキがあった。そして、固定スクロー
ル22を背圧室4b内の冷媒ガス圧力により可動スクロ
ール23側へ押し付けるため、固定スクロール鏡板22
aと可動スクロールラップ23bとの摺動(図7におけ
るイ部)や、可動スクロール鏡板23aと固定スクロー
ルラップ22bとの摺動(図7におけるロ部)が生じる
ことになり、可動スクロール23はスラスト軸受部5a
で支えるが、固定スクロール22は可動スクロール鏡板
23aや可動スクロールラップ23bで支えることにな
り、どこで支えるかは必ずしも一定ではなく運転中にし
支持場所が変動したりして、固定スクロール22の転覆
の原因、ひいては密閉空間4aからラップ22b、23
bを通じて冷媒ガスが漏れたり、騒音、振動の原因にも
なっていた。
【0009】そしてまた、固定スクロール22を背圧室
4b内の冷媒ガス圧力により可動スクロール23側へ押
し付けるため、背圧室4bの冷媒ガス圧力が種々の運転
状態によって変化し、冷凍サイクル側の高圧が高い場合
など過大な押し付け力が発生し、固定スクロール鏡板2
2aと可動スクロールラップ23bとの摺動、もしくは
可動スクロール鏡板23aと固定スクロールラップ22
bとの摺動のいづれかまたは両方の場合において、極め
て過大な摺動摩擦力が発生し、たとえ圧縮機構部4の密
閉空間4aに潤滑用の油10が含まれていたとしても、
前述のように少なくコントロールされているのでどちら
かのラップ22b、または23bの先端が摩耗、場合に
よっては破損することがあった。
【0010】また、可動スクロール23は固定スクロー
ル22に対して旋回運動を行い、遠心力が発生して各ラ
ップ22b、23bや主軸受5b、偏芯軸受7に大きな
負荷がかかっていた。まして、インバータ機により高速
回転させるスクロール圧縮機の場合などでは更に大きな
遠心力がかかり、過大な負荷がかかっていた。そこで、
可動スクロール23をアルミ合金のような軽金属で構成
することが考えられるが、アルミ合金の強度上の問題
や、固定スクロール22との温度膨張係数との差がある
ことによるラップ22b、23bの高さ方向の伸びに差
がでる問題があった。
【0011】また、固定スクロール22は密閉空間4a
内の冷媒ガスの圧力に打ち勝って背圧室4b内の冷媒ガ
スの圧力による軸方向力によって可動スクロール23側
へ押し付けられると共に、密閉空間4a内の冷媒ガスの
圧力によって固定スクロール22と可動スクロール23
を回転させるモーメントが発生している。可動スクロー
ル23は周知のオルダムリング20によって自転防止さ
れているが、固定スクロール22はピン114によって
軸方向移動は許容され、回転方向移動が拘束されてい
る。この場合背圧室4bや密閉空間4a内の冷媒ガスの
圧力は運転中に変動するので前述のモーメントも変動
し、ピン114には微小な繰り返し変動荷重がかかり、
ピン114に微小摩耗が生じ易かった。しかもピン11
4は図9に示すように円柱状であったために固定スクロ
ール22との接触は穴部22dとの線接触となり、前述
の繰り返し変動荷重が過大となり、摩耗が生じ易かっ
た。まして、空調機用の冷媒が従来のHCFC系のR−
22からオゾン破壊係数がゼロのHFC系代替冷媒が使
用すると冷媒に塩素Cl成分を含まないために摺動潤滑
面で不利となることが予想されていた。
【0012】本発明は、上記従来の問題点を解消するも
ので、固定スクロールを軸方向に移動可能な構造のスク
ロール圧縮機において、固定スクロールと可動スクロー
ルとの摺動支持を一方のスクロールラップ端面側のみで
行い、固定スクロールを安定させて、密閉空間からの冷
媒の漏れを抑え、そして振動騒音を低下させ、耐久性を
向上させることを目的とする。
【0013】また、別の目的として固定スクロールと可
動スクロールとの摺動支持を潤滑用油が豊富な固定スク
ロールラップと可動スクロール鏡板とで行い、一層固定
スクロールと可動スクロールの耐久性を向上させること
にある。
【0014】また、別の目的として可動スクロールをア
ルミ合金などの軽金属で構成して、可動スクロールの耐
久性をより一層向上させることにある。
【0015】また、別の目的として固定スクロールを軸
方向に可動スクロール側へ押し付けるスクロール圧縮機
における固定スクロールの自転防止手段として耐久性が
高く、かつ安価な手段を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために発明されたもので、その要旨とするところ
は、固定スクロール鏡板と渦巻形状の固定スクロールラ
ップを有する固定スクロールと可動スクロール鏡板と渦
巻形状の可動スクロールラップを有する可動スクロー
ル、この可動スクロールと固定スクロールとを各ラップ
を互いに噛み合わせて形成される密閉空間を有する圧縮
機構部を設け、可動スクロールを支えるスラスト軸受部
を有する軸受部品を構成し、固定スクロールを可動スク
ロールに対して押し付け、固定スクロールラップと可動
スクロールラップの高さを互いに異ならせたことを特徴
とするスクロール圧縮機にある。
【0017】また別の構成として、固定スクロールラッ
プ側の高さを可動スクロールラップの高さより大きくす
ることにある。
【0018】また別の構成として、固定スクロールと可
動スクロールの材質を異ならせ、かつ可動スクロールの
材質をアルミ合金として、固定スクロールラップの高さ
を可動スクロールラップの高さより大きくしたスクロー
ル圧縮機を提供することにある。
【0019】別の構成として、フレームに取り付けたピ
ンの固定スクロールとの接触部を直方面にして固定スク
ロールの回転を規制したスクロール圧縮機を提供するこ
とにある。
【0020】また別の構成として、ピンの一端のフレー
ムへの挿入部は円柱形状とし、ピンの他端の固定スクロ
ールとの接触部を直方面にすることにある。
【0021】更にまた別の構成として、ピンの直方面は
旋回運動方向に直角とすることにある。
【0022】
【作用】本発明の上記構成により、運転時に可動スクロ
ールを固定スクロールに対して旋回駆動させて密閉空間
内で冷媒ガスを圧縮し、固定スクロールを背圧室内の高
い冷媒圧力により可動スクロール側へ押し付けた時、固
定スクロールラップと可動スクロールラップとの高さが
異なるため、固定スクロールは固定スクロールラップの
高さが可動スクロールラップの高さよりも大きい場合は
可動スクロール鏡板で支持され、固定スクロールラップ
の高さが可動スクロールラップの高さよりも小さい場合
は、可動スクロールラップで支えられることになり、必
ず一方側でのみで安定支持されることになる。
【0023】また本発明の別の構成により、固定スクロ
ールを背圧室内の冷媒圧力により可動スクロール側へ押
し付けられた時、固定スクロールは固定スクロールラッ
プの高さが可動スクロールラップの高さよりも大きいの
で、可動スクロール鏡板の側で必ず支持され、固定スク
ロールの挙動は安定すると共に、潤滑油の大半は密閉空
間の下方部を流れているために摺動潤滑上好ましく、耐
久性がより確保される。
【0024】また本発明の更に別の構成により、固定ス
クロールとの材質を異ならせ、可動スクロールの材料を
アルミ合金などの軽金属とした場合、固定スクロールと
可動スクロールに温度膨張に差があったとしても、種々
の温度条件、圧力条件の下でも固定スクロールは固定ス
クロールラップの高さが可動スクロールラップの高さよ
りも大きいので、可動スクロール鏡板の側で必ず支持さ
れ、可動スクロールの材質が強度的に充分でなくても、
可動スクロールラップ側には摺動による摩擦力が発生せ
ず、強度上好ましくなる。
【0025】そして本発明の別の構成により、運転中に
固定スクロールは密閉空間内の冷媒ガスの圧力に打ち勝
って背圧室内の冷媒ガスの圧力による軸方向力によって
可動スクロール側へ押し付けられると共に、密閉空間内
の冷媒ガスの圧力によって固定スクロールと可動スクロ
ールを回転させるモーメントが発生する。この場合背圧
室や密閉空間内の冷媒ガスの圧力は運転中に変動し、前
述のモーメントも変動し、ピンには微小な繰り返し変動
荷重がかかるが、ピンと固定スクロールとの接触部を直
方面で受けており、しかもモーメントを直角に受けてい
るので負荷応力が小さくて済む。
【0026】
【実施例】以下、本発明の一実施例を添付図面により説
明する。図1は本発明の一実施例を示すスクロール圧縮
機の縦断面図、図2は同じく本発明の一実施例を示す圧
縮機構部4の縦断面図、図3は別の発明の一実施例を示
す圧縮機構部4の縦断面図であり、図4は本発明の一実
施例を示すピンの断面図である。ここで図1の本発明の
スクロール圧縮機の縦断面図において、図5の従来のス
クロール圧縮機の縦断面図と固定スクロール、可動スク
ロール、ピンを除いて構成部品がほぼ同一であるので、
同一機能部品については、同一番号を使用している。そ
して、図1の基本動作についても図5の従来のスクロー
ル圧縮機とほぼ同一である。即ち、吸入冷媒ガスを吸入
管9から圧縮機構部4へ取り入れて、冷媒ガスを密閉空
間4aで圧縮して吐出穴22c、貫通口13b、吐出弁
16、吐出チャンバー19を通って吐出管12から密閉
容器1外へ吐出する冷凍サイクルや、油だめ10aの潤
滑油10をオイルポンプ11で吸い上げてオイル穴6a
を通って、主軸受5b、偏芯軸受7、スラスト軸受部5
aを潤滑して、排出口5cから油だめ10aへ再び戻る
給油サイクルも同じである。
【0027】図1において従来例との構成上の第1の差
異は、固定スクロール2の固定スクロールラップ2bと
可動スクロール3の可動スクロールラップ3bの高さを
互いに異ならせていることにある。この場合の高さとは
それぞれ固定スクロール鏡板2a、可動スクロール鏡板
3a底面からの固定スクロールラップ2b、可動スクロ
ールラップ3bまでの距離であり渦巻形状の各ラップ2
b、3bの平均的な高さを云う。従って、運転時に可動
スクロール3を固定スクロール2に対して旋回駆動させ
て密閉空間4a内で冷媒ガス(図示せず)を圧縮し、固
定スクロール2を背圧室4b内の高い冷媒圧力により可
動スクロール3側へ押し付けた時、固定スクロールラッ
プ2bと可動スクロールラップ3bとの高さが異なるた
め、固定スクロール2は固定スクロールラップ2bの高
さが可動スクロールラップ3bの高さよりも大きい場合
は、図3に示すごとく可動スクロール鏡板3aの底面で
支持され、固定スクロールラップ2bの高さが可動スク
ロールラップ3bの高さよりも小さい場合は、図2に示
すごとく可動スクロールラップ3bの先端面で支えられ
ることになり、必ず一方側でのみで安定支持されること
になり、従来のように運転中に支持場所が変動したり、
固定スクロール2と可動スクロール3との組み合せによ
って支持場所が変わったりすることはなかった。従っ
て、固定スクロール2と可動スクロール3との運転中の
衝突音も少なくなるし、固定スクロール2の転覆も発生
せず、騒音、振動の原因が抑えられることになる。
【0028】また、図3には発明請求項2の実施例とし
て、固定スクロールラップ2bの高さを可動スクロール
ラップ3bの高さより大きくしたスクロール圧縮機の圧
縮機構部4の縦断面図を示す。この構成により、固定ス
クロール2を背圧室4b内の冷媒圧力により可動スクロ
ール3側へ押し付けられた時、固定スクロール2は固定
スクロールラップ2bの高さが可動スクロールラップ3
bの高さよりも大きいので、図3のように可動スクロー
ル鏡板3aの底面で支持され、固定スクロール2の挙動
が安定して騒音、振動低減の効果を有する。そして密閉
空間4aで圧縮される冷媒ガスには油だめ10aからオ
イルポンプ11によって各摺動部、即ち主軸受5b、偏
芯軸受7、スラスト軸受5aを潤滑した後の潤滑油10
が排出口5cから排出される前に、一部の潤滑油10が
圧縮機構部4へ可動スクロール鏡板3aとスラスト軸受
部5aとの隙間から流れ込み、大半は密閉空間4aの下
方部を流れているために可動スクロール3の底面と固定
スクロールラップ2bの先端面とが摺動する場合潤滑上
好ましい状態になり、耐久性がより確保されることにな
る。
【0029】また、別の発明請求項3の実施例として同
じく図3に示しているが、固定スクロール2と可動スク
ロール3の材質を異ならせ、固定スクロール2の材質を
鉄系の鋳物とし、可動スクロール3の材質をアルミ合金
として、固定スクロールラップ2bの高さを可動スクロ
ールラップ3bの高さより大きくしたスクロール圧縮機
を提供している。固定スクロール2の材料と可動スクロ
ール3との材質を異ならせ、可動スクロール3の材料を
アルミ合金などの軽金属とした場合のように、互いに温
度膨張係数が異なり、種々の温度条件、圧力条件の下で
も、固定スクロール2は固定スクロールラップ2bの高
さが可動スクロールラップ3bの高さよりも大きくして
いるので、固定スクロール2は可動スクロール鏡板3a
の底面側で必ず支持されることになる。従って、可動ス
クロールラップ3bの先端側は固定スクロール鏡板2a
の底面に接触せず、可動スクロールラップ3bには接触
摩擦力による曲げモーメントが発生せず、可動スクロー
ル鏡板3aの底面側に摩擦力が発生するのみで、この部
分には潤滑油10が少なからず存在するので、可動スク
ロール3の材質が強度的にそれほど充分でなくても、可
動スクロール3は強度上好ましい状態となる。
【0030】別の発明請求項4〜6の実施例として図
1、図4に示しているが、圧縮機運転時には固定スクロ
ール2は密閉空間4a内の冷媒ガスの圧力に打ち勝って
背圧室4b内の冷媒ガスの圧力による軸方向力によって
可動スクロール3側へ押し付けられると共に、密閉空間
4a内の冷媒ガスの圧力によって径方向に固定スクロー
ル2と可動スクロール3を回転(自転)させるモーメン
トが発生する。可動スクロール3は周知のオルダムリン
グ20によって自転防止されるが、固定スクロール2は
本発明の実施例のようにフレーム13に取り付けられた
ピン14によって軸方向移動は許容され、自転方向移動
が拘束されている。ピン14の一端の挿入部14aが円
柱形状で容易にフレーム13に挿入固定され、固定スク
ロール22の穴部22dの直方面部22eとピン14の
他端の直方面14bとで接触し、固定スクロール2の回
転が規制されている。このピン14の直方面14bは固
定スクロール2の回転方向、即ち可動スクロール3の旋
回運動方向に直角に構成されている。背圧室4bや密閉
空間4a内の冷媒ガスの圧力は運転中に変動し、前述の
固定スクロール2を自転させようとするモーメントの値
も可動スクロール3の旋回運動一回転中に変動し、ピン
14の直方面14bには微小な繰り返し変動荷重がかか
るが、受圧する面積が線接触時の場合と違って充分大き
いので耐摩耗性が確保されることになる。しかもピン1
4の直方面14bが可動スクロール3の旋回運動方向と
直角になっているので、繰り返し変動荷重を直角に受
け、更に負荷応力が小さくて済むことになり、耐久性の
高い固定スクロール3の自転防止が実現できる。
【0031】尚、本発明の実施例として、密閉型の圧縮
機で説明したが、車両空調機などの開放型のスクロール
圧縮機の構成においても、同様の効果を有している。
【0032】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように請求項1
の発明によると、固定スクロールラップと可動スクロー
ルラップとの高さが異なるため、固定スクロールは可動
スクロールラップ先端面、または可動スクロール鏡板底
面で支えられることになり、必ず一方側でのみ安定支持
されることになり、従来のように運転中に支持場所が変
動したりすることはなかった。従って、固定スクロール
と可動スクロールとの運転中の衝突音も少なくなるし、
固定スクロールの転覆も発生せず、騒音、振動の原因が
抑えられることになる。
【0033】また請求項2の発明によると、固定スクロ
ールラップの高さが可動スクロールラップの高さよりも
大きいので、固定スクロールは可動スクロール鏡板側の
底面で支持され、固定スクロールの挙動が安定して騒
音、振動低減の効果を有すると共に、潤滑油が密閉空間
内で圧縮される冷媒ガスに一部含まれており、かつこの
潤滑油の大半は密閉空間の下方部を流れているために可
動スクロールの底面と固定スクロールラップの先端面と
が摺動する場合、潤滑上好ましい状態になり、耐久性が
より確保されることになる。
【0034】更に請求項3の発明によると、固定スクロ
ールと可動スクロールの材質を異ならせ、可動スクロー
ルの材質をアルミ合金として、固定スクロールラップの
高さを可動スクロールラップの高さより大きくしている
ので、たとえ互いに温度膨張係数が異なり、種々の冷媒
温度、圧力の運転条件の下でも、固定スクロールは可動
スクロール鏡板の底面側で必ず支持されることになり、
従って可動スクロールラップの先端側は固定スクロール
鏡板の底面に接触せず、可動スクロールラップには接触
摩擦力による曲げモーメントが発生せず、可動スクロー
ル鏡板の底面側に摩擦力が発生するのみで、この部分に
は潤滑油が少なからず存在するので、可動スクロールの
材質が強度的にそれほど充分でなくても、可動スクロー
ルは強度上好ましい状態となる。
【0035】請求項4の発明によると、運転中に背圧室
や密閉空間内の冷媒ガスの圧力が変動し、従って固定ス
クロールを回転させようとするモーメントの値も変動
し、ピンの直方面には微小な繰り返し変動荷重がかかる
が、受圧する面積が線接触時の場合と違って充分大きい
ので耐摩耗性が確保される。
【0036】また請求項5の発明によると、ピンの一端
を円柱形状にしてフレームに挿入固定し、他端を直方面
として固定スクロールを拘束しているので容易にかつ安
価なピンの固定方法が実現できる。
【0037】更に請求項6の発明によると、ピンの直方
面が繰り返し変動荷重を直角に受けるので更に負荷応力
が小さくて済むことになり、冷媒に塩素Cl成分を含ま
ないHFC系代替冷媒を使用しても良好な摺動潤滑が実
現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すスクロール圧縮機の縦
断面図
【図2】同じく本発明の一実施例を示す圧縮機構部の要
部縦断面図
【図3】別の発明による一実施例を示す圧縮機構部の要
部縦断面図
【図4】(a)は本発明の一実施例を示すスクロール圧
縮機のピン側面図 (b)は同正面図
【図5】従来のスクロール圧縮機の縦断面図
【図6】(a)はスクロール圧縮機の圧縮機構部の横断
面図 (b)は同横断面図 (c)は同横断面図 (d)は同横断面図
【図7】従来のスクロール圧縮機の圧縮機構部の要部縦
断面図
【図8】従来のスクロール圧縮機の固定スクロールの断
面図
【図9】従来のスクロール圧縮機のピンの断面図
【符号の説明】
1 密閉容器 2 固定スクロール 2a 固定スクロール鏡板 2b 固定スクロールラップ 3 可動スクロール 3a 可動スクロール鏡板 3b 可動スクロールラップ 4 圧縮機構部 4a 密閉空間 5 軸受部品 5a スラスト軸受部 13 フレーム 14 ピン 14a ピンの挿入部 14b ピンの直方面

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】固定スクロール鏡板と渦巻形状の固定スク
    ロールラップを有する固定スクロール、可動スクロール
    鏡板と渦巻形状の可動スクロールラップを有する可動ス
    クロール、該可動スクロールと前記固定スクロールとを
    前記各ラップを互いに噛み合わせて形成される密閉空間
    を有する圧縮機構部、前記可動スクロールを支えるスラ
    スト軸受部を有する軸受部品を構成し、前記固定スクロ
    ールを前記可動スクロールに対して押し付けてなるスク
    ロール圧縮機において、前記固定スクロールラップと可
    動スクロールラップの高さを互いに異ならせたことを特
    徴とするスクロール圧縮機。
  2. 【請求項2】固定スクロールラップの高さを可動スクロ
    ールラップの高さより大きくしたことを特徴とする請求
    項1記載のスクロール圧縮機。
  3. 【請求項3】固定スクロールと可動スクロールの材質が
    異なり、かつ可動スクロールの材質をアルミ合金とした
    ことを特徴とする請求項2記載のスクロール圧縮機。
  4. 【請求項4】固定スクロール鏡板と渦巻形状の固定スク
    ロールラップを有する固定スクロール、可動スクロール
    鏡板と渦巻形状の可動スクロールラップを有する可動ス
    クロール、該可動スクロールと前記固定スクロールとを
    前記各ラップを互いに噛み合わせて形成される密閉空間
    を有する圧縮機構部、前記可動スクロールを支えるスラ
    スト軸受部を有する軸受部品、該軸受部品に取り付けら
    れたフレーム、前記固定スクロールを前記フレームに勘
    合させ、かつ前記フレームに挿入されたピンにより前記
    固定スクロールの回転を規制し、軸方向移動を許容して
    前記可動スクロールに対して押し付け、前記可動スクロ
    ールを前記固定スクロールに対して旋回運動させてなる
    スクロール圧縮機において、前記ピンの前記固定スクロ
    ールとの接触部を直方面にして回転を規制したことを特
    徴とするスクロール圧縮機。
  5. 【請求項5】ピンのフレームへの挿入部は円柱形状と
    し、ピンの固定スクロールとの接触部を直方面にしたこ
    とを特徴とする請求項4記載のスクロール圧縮機。
  6. 【請求項6】ピンの直方面は旋回運動方向に直角とした
    ことを特徴とする請求項4記載のスクロール圧縮機。
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