JPH05223071A - スクロ−ル形流体機械、スクロ−ル部材およびその加工方法 - Google Patents

スクロ−ル形流体機械、スクロ−ル部材およびその加工方法

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JPH05223071A
JPH05223071A JP4298410A JP29841092A JPH05223071A JP H05223071 A JPH05223071 A JP H05223071A JP 4298410 A JP4298410 A JP 4298410A JP 29841092 A JP29841092 A JP 29841092A JP H05223071 A JPH05223071 A JP H05223071A
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Hirokatsu Kosokabe
弘勝 香曽我部
Hiroaki Hatake
裕章 畠
Akihiko Ishiyama
明彦 石山
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】旋回側と固定側で渦巻体の材質が異なった場合
でも、両者等強度にでき、かつ寸法を小型化でき、内部
漏れを低減して性能向上が図れるスクロ−ル形流体機械
の提供。 【構成】旋回側渦巻体2の旋回外側曲線2aと旋回内側
曲線2bのいずれか一方側の曲線を極座標形式で式
(1)で表される代数螺線で形成し(ここで、r:動
径、θ:偏角、a:係数、k:指数)、この曲線と固定
側渦巻体5の固定外側曲線5aと固定内側曲線5bのい
ずれか一方側の曲線とは180度前後の位相差をつけて
構成し、旋回側と固定側の渦巻壁の厚さを適宜変化させ
る。 r= ………………………………………
…(1)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、容積形流体機械の一種
であるスクロ−ル形流体機械に係り、特に渦巻体の曲線
を代数螺線で形成したスクロ−ル流体機械、スクロ−ル
部材およびその加工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のスクロ−ル形流体機械は、互いに
偏心して組み合わされた同一形状の渦巻体をもつ固定ス
クロ−ルと旋回スクロ−ルからなり、渦巻形状として
は、一般に渦巻ピッチ、渦巻壁の厚さが一定となるイン
ボリュ−ト曲線が用いられている。渦曲線としてインボ
リュ−ト曲線を用いる利点としては、渦巻の法線ピッチ
が一定のため単一のカッタ−で内側と外側の渦曲線が同
時に加工ができるという加工のし易さが挙げられるが、
反面、渦巻壁の厚さが一定のため最も高圧になる渦巻体
の中央部の応力が高くなり強度上問題になりやすい。す
なわち、強度上の制約から厚さが決まり、設計条件であ
る運転圧力比から渦巻体の巻数が、行程容積から渦巻体
の高さおよび渦巻ピッチ等が決まり、その他外形寸法上
の制約を受けて諸寸法が決定される。このようにして、
渦巻体の一方の形状例えば旋回スクロ−ルが決まると、
これにかみ合う固定スクロ−ルの形状は、固定内側曲線
に旋回内側曲線の内側包絡線が選ばれ決定されていた。
また、渦巻体の中央部は内部の圧力差も大きいため、流
体の内部漏れにより性能低下を生じやすいといった欠点
を有している。さらに、インボリュ−ト曲線では渦巻ピ
ッチが一定のため、容積変化率も一定で、所定の寸法内
で、最外周での密封容積(行程容積)と最内周での密封
容積との比である内部容積比を大きくしようとした場
合、渦巻の巻数を大きくすると渦巻ピッチが小さくな
り、渦巻壁厚さが一定のため旋回半径が小さくなって行
程容積も小さくなってしまうといった問題があった。
【0003】上記問題点に対して、渦巻体の中央部付近
の渦巻壁厚さを厚くして高圧に耐えるようにした公知技
術として、米国特許3802809がある。また、渦巻
ピッチを変化させて内部容積比を変える公知技術として
は、米国特許第2324168号、特開平3−1110
2号に見ることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】米国特許第38028
09号に開示された構造は、渦巻体の巻き始めの渦巻壁
厚さを厚くしているため強度上の問題は解決されるが、
渦巻壁の厚さが厚くなっている範囲が巻き始めの一部分
に限定されるため、渦巻体の端面を通しての流体の内部
漏れを低減する効果は小さい。また、巻き始め部以外で
は渦巻壁の厚さは一定のためインボリュ−ト曲線と同様
に所定の寸法内で行程容積と内部容積比をともに大きく
することはできなかった。
【0005】また、米国特許第2324168号、特開
平3−11102号に開示されたスクロ−ル形流体機械
の場合、渦巻ピッチを変化させて内部容積比を変える構
造が示されているが、例えば、内部容積比を大きくしよ
うとして渦巻の外周から中央にかけて渦巻ピッチを小さ
くしていった場合、渦巻壁の厚さは渦巻の中央部(巻き
始め)にいくほど薄くなり強度上の配慮がされていな
い。反対に渦巻の外周にいくほど渦巻壁の厚さは厚くな
るため行程容積は小さくなる。このように、行程容積と
内部容積比を共に大きくでき、同一の行程容積、内部容
積比の場合にインボリュ−ト曲線よりも渦巻体の小型化
が可能な渦曲線は不明だった。また、渦巻ピッチや渦巻
壁の厚さが変化する渦巻体の幾何理論、すなわち、渦曲
線や渦巻体の構成法等は明らかにされていなかった。
【0006】本発明の第1の目的は、渦巻体の厚さが渦
巻の巻角に応じて次第に変化する渦巻体を有するスクロ
−ル流体機械を提供することにある。
【0007】本発明の第2の目的は、渦巻体の強度を確
保しながら、インボリュ−ト曲線よりも渦巻体を小型化
でき、流体の内部漏れを低減して性能向上が図れるスク
ロ−ル流体機械を提供することにある。
【0008】本発明の第3の目的は、固定スクロ−ルと
旋回スクロ−ルの材質が異なるような場合でも、両者同
様の強度を確保できるスクロ−ル流体機械を提供するこ
とにある。
【0009】本発明の第4の目的は、渦巻体の厚さが渦
巻の巻角に応じて次第に変化する渦巻体を有するスクロ
−ル部材の加工方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るために、本発明のスクロ−ル形流体機械は、端板とこ
れに直立している渦巻体とで形成された2つのスクロ−
ル部材が渦巻体を内側に向けた状態で互いにかみ合って
おり、一方のスクロ−ル部材が他方のスクロ−ル部材に
対して見かけ上自転しないように所定の旋回半径で公転
運動するスクロ−ル形流体機械において、両スクロ−ル
の渦巻体の基本渦曲線を、極座標形式で動径r、偏角
θ、代数螺線の係数a、代数螺線の指数kとしたとき、
次の式で表される代数螺線で形成したことを特徴とする
ものである。
【0011】
【数1】
【0012】また、端板とこれに直立している渦巻体と
で形成された2つのスクロ−ル部材が渦巻体を内側に向
けた状態で互いにかみ合っており、一方のスクロ−ル部
材が他方のスクロ−ル部材に対して見かけ上自転しない
ように旋回半径で公転運動するスクロ−ル形流体機械に
おいて、両スクロ−ルのそれぞれの渦巻体が、一方側の
曲線は代数螺線で形成され、他方側の曲線は、他方のス
クロ−ルの渦巻体の代数螺線を前記旋回半径で円運動さ
せたときに描かれる2つの包絡線のうちの一方の包絡線
で形成されていることを特徴とするものである。
【0013】また、端板とこれに直立している渦巻体と
で形成された旋回スクロ−ル部材およ固定スクロ−ル部
材が渦巻体を内側に向けた状態で互いにかみ合ってお
り、旋回スクロ−ル部材が固定スクロ−ル部材に対して
見かけ上自転しないように旋回運動するスクロ−ル形流
体機械において、前記両スクロ−ル部材の渦巻体の外側
曲線が代数螺線で形成され、前記両スクロ−ル部材の渦
巻体の内側曲線は、旋回スクロ−ル部材は固定スクロ−
ル部材の代数螺線の外側包絡線で、固定スクロ−ル部材
は旋回スクロ−ル部材の代数螺線の外側包絡線で形成さ
れていることを特徴とするものである。
【0014】また、端板とこれに直立している渦巻体と
で形成された旋回スクロ−ル部材およ固定スクロ−ル部
材が渦巻体を内側に向けた状態で互いにかみ合ってお
り、旋回スクロ−ル部材が固定スクロ−ル部材に対して
見かけ上自転しないように旋回運動するスクロ−ル形流
体機械において、前記両スクロ−ル部材の渦巻体の内側
曲線が代数螺線で形成され、前記両スクロ−ル部材の渦
巻体の外側曲線は、旋回スクロ−ル部材は固定スクロ−
ル部材の代数螺線の内側包絡線で、固定スクロ−ル部材
は旋回スクロ−ル部材の代数螺線の内側包絡線で形成さ
れていることを特徴とするものである。
【0015】また、前記代数螺線が、極座標形式で動径
r、偏角θ、代数螺線の係数a、代数螺線の指数kとし
たとき、次の式で表される代数螺線で形成したものであ
る。
【0016】
【数1】
【0017】また、前記一方の代数螺線の指数kがk<
1.0とした代数螺線であり、他方の代数螺線が前記一
方の代数螺線を180°前後回転して形成されたもので
ある。
【0018】上記第2の目的を達成するために、本発明
のスクロ−ル形流体機械は、端板とこれに直立している
渦巻体とで形成された2つのスクロ−ル部材が渦巻体を
内側に向けた状態で互いにかみ合っており、一方のスク
ロ−ル部材が他方のスクロ−ル部材に対して見かけ上自
転しないように所定の旋回半径で公転運動するスクロ−
ル形流体機械において、両スクロ−ルの渦巻体の基本渦
曲線を、極座標形式で動径r、偏角θ、代数螺線の係数
a、代数螺線の指数kとしたとき、代数螺線の指数kを
偏角θに対応させて変化させた代数螺線で形成したこと
を特徴とするものである。
【0019】また、それぞれに渦巻体を有する静止して
いるスクロ−ル部材と旋回するスクロ−ル部材を備えた
ものにおいて、両渦巻体の最内領域の当接点間に形成さ
れるすきま容積が両渦巻体の相対的公転運動に伴い実質
的に零になるように構成するとともに、それぞれの渦巻
体は、代数螺線を基本渦曲線として渦巻壁の厚さが渦巻
きの巻き角に応じて次第に変化する形状を有しているこ
とを特徴とするものである。
【0020】前記代数螺線が、指数kをk>1.0で、
かつ係数aが定数に設定されたものであり、前記代数螺
線の指数kを偏角θの関数として変化させたものであ
る。
【0021】上記第3の目的を達成するために、本発明
のスクロ−ル形流体機械は、前記一方のスクロ−ル部材
の代数螺線がその原点を中心として角度α回転されたも
のであって、他方のスクロ−ル部材の代数螺線が前記原
点を中心として角度(180°−α)回転されたもので
ある。
【0022】また、前記一方のスクロ−ル部材が旋回ス
クロ−ル部材であって、旋回スクロ−ル部材の渦巻体の
厚さが他方のスクロ−ル部材の渦巻体の厚さより厚く構
成されているものである。
【0023】また、端板とこれに直立している渦巻体と
で形成された2つのスクロ−ル部材が渦巻体を内側に向
けた状態で互いにかみ合っており、一方のスクロ−ル部
材が他方のスクロ−ル部材に対して見かけ上自転しない
ように旋回半径eで公転運動するスクロ−ル形流体機械
において、半径e1、e2が前記旋回半径eとe=e1
+e2の関係を有するものであって、両スクロ−ルのそ
れぞれの渦巻体が、外側曲線が両スクロ−ルの代数螺線
をそれぞれ半径e1、e2で旋回運動させたときの内側
包絡線で形成され、内側曲線が両スクロ−ルの代数螺線
をそれぞれ半径e1、e2で旋回運動させたときの外側
包絡線で形成されていることを特徴とするものである。
【0024】上記第4の目的を達成するために、本発明
のスクロ−ル部材の加工方法は、スクロ−ル部材の渦巻
体の外側曲線および内側曲線が代数螺線あるいはその代
数螺線を旋回運動させたときの包絡線で形成されるもの
であって、前記外側曲線および内側曲線に沿ってカッタ
の中心を移動させることにより前記渦巻体の加工を行う
ことを特徴とするものである。
【0025】
【作用】両スクロ−ルの渦巻体の基本渦曲線を、極座標
形式で動径r、偏角θ、代数螺線の係数a、代数螺線の
指数kとしたとき、代数螺線で形成しているように、基
本的な渦曲線として、代数螺線を用いているため、代数
螺線の指数kの値を変えるだけで簡単に渦巻のピッチを
変えることができる。指数kがk>1.0の場合は、渦
巻の巻き角(偏角θ)が大きくなるにしたがって渦巻の
ピッチは大きくなり、反対にk<1.0の場合は、渦巻
の巻き角(偏角θ)が大きくなるにしたがって渦巻のピ
ッチは小さくなる。また、スクロ−ルのそれぞれの渦巻
体が、一方側の曲線は代数螺線で形成され、他方側の曲
線は、他方のスクロ−ルの渦巻体の代数螺線を前記旋回
半径で円運動させたときに描かれる2つの包絡線のうち
の一方の包絡線で形成されているので固定側渦巻体と旋
回側渦巻体は、複数の密封容積を作るための両渦巻間の
接触が幾何学的に保証されることになる。
【0026】また、それぞれに渦巻体を有する静止して
いるスクロ−ル部材と旋回するスクロ−ル部材を備えた
ものにおいて、両渦巻体の最内領域の当接点間に形成さ
れるすきま容積が両渦巻体の相対的公転運動に伴い実質
的に零になるように構成するとともに、それぞれの渦巻
体は、代数螺線を基本渦曲線として渦巻壁の厚さが渦巻
きの巻き角に応じて次第に変化する形状を有しているの
で、トップクリアランス小さくでき、再膨張損失を小さ
くでき、効率を向上させることができる。
【0027】また、代数螺線の指数kをk<1.0にす
るか、係数aまたは指数kが偏角θの関数となる代数螺
線を渦巻体の基本渦曲線にすることにより渦巻壁の厚み
を適宜変化させることができる。
【0028】前記一方のスクロ−ル部材の代数螺線がそ
の原点を中心として角度α回転されたものであって、他
方のスクロ−ル部材の代数螺線が前記原点を中心として
角度(180°−α)回転されたものでは、角度α回転
しているので、この角度αにより2つの渦巻壁の厚みを
変えて形成することができ、両渦巻体の材質が異なる場
合でも渦巻体の強度を確保することができる。
【0029】また、半径e1、e2が前記旋回半径eと
e=e1+e2の関係を有するものであって、両スクロ
−ルのそれぞれの渦巻体が、外側曲線が両スクロ−ルの
代数螺線をそれぞれ半径e1、e2で旋回運動させたと
きの内側包絡線で形成され、内側曲線が両スクロ−ルの
代数螺線をそれぞれ半径e1、e2で旋回運動させたと
きの外側包絡線で形成されているので、半径e1、e2
の大小関係、値を変えることにより2つの渦巻壁の厚み
を変えて形成することができ、両渦巻体の材質が異なる
場合でも渦巻体の強度を確保できる。また、インボリュ
−ト曲線よりも渦巻体寸法を小型化でき、流体の内部漏
れを低減して性能向上が図れるスクロ−ル形流体機械を
提供することができる。
【0030】スクロ−ル部材の渦巻体の外側曲線および
内側曲線が代数螺線あるいはその代数螺線を旋回運動さ
せたときの包絡線で形成されるものであって、前記外側
曲線および内側曲線に沿ってカッタの中心を移動させる
ことにより前記渦巻体の加工を行うので、連続的に加工
することができ、歯側面など寸法精度良く効率的に加工
できる。
【0031】
【実施例】以下、本発明の第1の実施例を図1から図1
0により説明する。図1は本実施例のスクロ−ル形圧縮
機を適用した冷凍サイクル構成を示す図、図2は本実施
例に係るスクロ−ル形流体機械のスクロ−ル形状を示す
旋回スクロ−ルの平面図、図3は図2の縦断面図、図4
は作動原理を示す図、図5から図8は渦巻体の形成方法
の説明図、図9は渦巻体の巻き始め部形成法の説明図、
図10はカッタの軌跡を説明する図である。
【0032】図1に示すように、冷凍サイクルは、主と
してスクロ−ル形圧縮機30、凝縮器31、膨張弁3
2、蒸発器33から構成されている。スクロ−ル形圧縮
機30は、それぞれ同一形状の渦巻体を有し、渦巻体の
厚みが渦巻きの巻き角に応じて連続的に変化する渦巻体
によって形成された旋回スクロ−ル1と固定スクロ−ル
4、旋回スクロ−ル1を回転するクランク軸9、クラン
ク軸9を軸支するフレ−ム15、旋回スクロ−ル1の公
転運動は許容し自転運動を防止するオルダムリング1
6、クランク軸9を駆動するモ−タ17、吸入パイプ1
8と吐出パイプ19から構成されている。
【0033】このように構成されたスクロ−ル形圧縮機
においては、モ−タ17に通電することによりクランク
軸9が回転すると、旋回スクロ−ル1はオルダムリング
16により自転することなく公転運動し、作動原理とし
て示した図4に示されるように、両スクロ−ル1、4間
で冷媒の圧縮作用が行われる。圧縮された高温・高圧の
冷媒は矢印のごとく吐出パイプ19から凝縮器31に流
入し、熱交換を行って液化し、膨張弁32で絞られて断
熱膨張して低温・低圧となり、蒸発器33により熱交換
してガス化された後、吸入パイプ18を経てスクロ−ル
形圧縮機30に吸入される。
【0034】図2および図3に示すように、旋回スクロ
−ル1は、旋回側渦巻体2と端板3とにより形成され
る。旋回側渦巻体2は旋回外側曲線2aと旋回内側曲線
2bとによりなり、旋回スクロ−ル1の中心Oは、旋回
外側曲線2aと旋回内側曲線2bの原点である。ここ
で、旋回側渦巻体は、旋回外側曲線2aを数1で代表さ
れる代数螺線を基本渦曲線とし、代数螺線の指数kをk
<1.0にしている。
【0035】
【数1】
【0036】又、固定スクロ−ル4の渦巻体5も旋回ス
クロ−ル1の渦巻体2と同様に形成されている。固定側
渦巻体5は固定外側曲線5aと固定内側曲線5bからな
り、固定スクロ−ル4の中心O´は、固定外側曲線5
a、固定内側曲線5bの原点であり、固定外側曲線5a
を数1で表される代数螺線を原点O´を中心に180°
回転させて基本渦曲線とし、代数螺線の係数a、代数螺
線の指数kは旋回外側曲線2aと同じ値にしている。
【0037】圧縮作用は以下のように行われる。固定側
渦巻体5を静止し、旋回側渦巻体2を固定スクロ−ル中
心O´の周りに自転することなしに旋回半径e(=OO
´)で公転運動させることにより、図4に示すように旋
回側渦巻体2と固定側渦巻体5の間に形成された複数の
三日月状の密閉した作動室6、6が形成される。作動室
6、6の容積は、図4に示すように固定スクロ−ル4の
外周側に設けられた吸入ポ−トから流体の吸込みが終了
した状態(1)から、90゜、180゜、270゜と公転
が進むにしたがって、(2)、(3)、(4)とその容積を縮
小し、流体の圧縮作用が行われる。そして、圧縮された
流体は最後に吐出ポ−ト7から吐き出される。
【0038】旋回側渦巻体2、固定側渦巻体5をこのよ
うに構成することにより、渦巻体の渦巻壁の厚さtは渦
巻き始めから巻終わりにかけて連続的に変化させること
ができ、内部の流体の圧力が最も高圧になる渦巻体の中
央部が厚く、低圧になる巻終わり部では薄く形成でき、
渦巻体の渦巻壁の各部が作用する圧力に見合って一様な
強度となる。渦巻壁の厚さが一定なインボリュ−ト曲線
等に比べ渦巻体の容積を減らすことができ、材料費の低
減、軽量化が可能となる。また、渦巻の巻き始めから一
巻きほどの範囲は渦巻壁の厚さは比較的厚く構成され、
流体の内部漏れを低減することができる。
【0039】次に、本実施例における旋回側渦巻体2と
固定側渦巻体5の構成法を図5、図6、図7、図8を用
いて説明する。ここでは、渦巻体の外側曲線を基本渦曲
線にとった場合を例に挙げて説明する。
【0040】図5、図6はそれぞれ旋回側と固定側の基
本渦曲線と、この基本渦曲線を旋回半径eで円運動させ
たときに描く円軌跡の包絡線を示し、図7、図8はそれ
ぞれ旋回側と固定側の渦曲線の構成を示す。実線10は
旋回側の基本渦曲線で、数1で表される代数螺線であ
る。破線11と12は基本渦曲線10の包絡線で、11
が外側包絡線、12が内側包絡線である。また、実線2
0で示す固定側の基本渦曲線20は、旋回側の基本渦曲
線10を原点Oの周りに180゜回転させたものであ
る。破線21と22は基本渦曲線20の包絡線で、21
が外側包絡線、22が内側包絡線である。ここで、渦巻
体の外側曲線が基本渦曲線とするため、旋回外側曲線2
aは実線10が選ばれ、固定外側曲線5aは実線20が
選ばれる。渦巻体の内側曲線は、複数の密封容積を作る
ための両渦巻間の接触が幾何学的に保証されるように、
次のように決められる。旋回内側曲線2bは固定外側曲
線5aと接触するため固定側の基本渦曲線20の外側包
絡線21が選ばれ、固定内側曲線5bは旋回外側曲線2
aと接触するため固定側の基本渦曲線10の外側包絡線
11が選ばれる。以上、渦巻壁の厚さが渦巻の巻き角に
応じて連続的に変化する渦巻体の基本的な渦曲線構成法
を説明したが、このままでは、渦巻体の巻き始めで内側
曲線と外側曲線が一致してしない。巻き始め部の構成
は、旋回側渦巻体2を固定側渦巻体5の周りに旋回半径
eで公転運動させたときに両渦巻体が干渉しないという
条件を満足する必要がある。そこで、この巻き始め部の
構成の一例を図9により説明する。図9において、点A
は旋回外側曲線2aの開始位置、点Bは旋回内側曲線2
bの開始位置を表す。ここで点Aの位置は、旋回側渦巻
体2を固定側渦巻体5の周りに旋回半径eで公転運動さ
せたときに両渦巻体が干渉しないという条件から、旋回
外側曲線2a上で原点Oから旋回半径eの半分の距離に
決められる。この点Aが、図5から図8において、固定
側の基本渦曲線20の外側包絡線21にあたる旋回内側
曲線2b上では点Bに相当しており、点Aを通る旋回半
径eを半径とする円弧は点Bで旋回内側曲線2bとなめ
らかに接続することになる。なお、固定側渦巻対の巻き
始め部形状も前記旋回側と同様に形成される。
【0041】次に、このような渦巻体の製造方法を説明
する。図10は、旋回側渦巻体を形成するときのカッタ
−の軌跡を示す。例えば旋回半径eを半径とするカッタ
−(エンドミル等)を用い、固定側渦巻体5の外側曲線
5a及び内側曲線5bに沿ってカッタ−の中心座標を移
動させることにより、連続的に旋回側渦巻体2が加工さ
れるようになり、渦巻体の寸法精度を向上して効率的に
加工することができる。固定側渦巻体5を加工する場合
は、反対に、旋回側渦巻体2の渦曲線に沿ってカッタ−
中心を移動させることにより同様に加工される。
【0042】以上、渦巻体の外側曲線を基本渦曲線とし
たときの渦巻体の形成法を説明したが、次に、渦巻体の
内側曲線を基本渦曲線としたときの渦巻体の形成法につ
いて説明する。図11、図12はそれぞれ旋回側と固定
側の渦曲線を示す。この場合は、渦巻体の内側曲線が基
本渦曲線のため、旋回内側曲線2bは図5における実線
10が選ばれ、固定内側曲線5bは図6における実線2
0が選ばれる。渦巻体の外側曲線は次のように決められ
る。旋回外側曲線2aは固定内側曲線5bと接触するた
め図5における固定側の基本渦曲線20の内側包絡線2
2を選び、固定外側曲線5aは旋回内側曲線2bと接触
するため図5における固定側の基本渦曲線10の内側包
絡線12が選ぶことにより、複数の密封容積を作るため
の両渦巻間の接触が幾何学的に保証されることになる。
また、この時渦巻体の巻き始め部は、前述した渦巻体の
外側曲線を基本渦曲線とした場合(図9)と異なり図1
3のように形成される。図13において、点Aは旋回側
渦巻体2を形成する旋回外側曲線2aの開始位置、点B
は旋回内側曲線2bの開始位置を表す。点Aと点Bの位
置は、原点Oを中心に旋回半径eの半分を半径とする円
を描き、この円周上の一点Cをとおり旋回外側曲線2a
と旋回内側線2bとをなめらかに結ぶ直線で接続するこ
とによって決められる。このとき、点Cは点Aと点Bを
結ぶ直線の中間点となる。以上述べたことは、旋回側渦
巻体の巻き始め部の形状を説明したが、固定側渦巻体も
旋回側と同様に形成される。
【0043】以上、渦巻壁の厚さが渦巻の巻き角に応じ
て連続的に変化する渦巻体の形成法を説明したが、さら
に、本実施例の渦巻体では、トップクリアランス容積が
零になり、トップクリアランス内流体の再膨張に伴う損
失がないという従来のインボリュ−ト曲線にはない優れ
た特長を有している。図14は、図4で示した本実施例
のスクロ−ル形圧縮機の作動原理図において、渦巻体中
央部のかみ合い状態を説明する要部拡大図である。図に
14に示すように、旋回側渦巻体2と固定側渦巻体5の
最も内側の接触点8、8´で形成される最内室6aは、
図から明らかなように、本実施例では旋回側渦巻体2が
固定側渦巻体5の周りに旋回半径e(=OO´)で、相
対的に公転運動を行うと、図14の(1)、(2)、
(3)、(4)の順に接触点8、8´で形成される最内
室6aの容積が減少し、従来存在していたトップクリア
ランス容積は零になる。このため、圧縮された流体は無
駄な再膨張を起こすことなく吐出ポ−ト(図示せず)か
らすべて外部に吐き出されることになる。なお、図14
では省略したが、実際には最内室6aと通じる位置に吐
出ポ−トを形成する必要があるため、この吐出ポ−ト部
の容積はトップクリアランス容積になるが、従来のもの
に比べてこの量は非常に小さく実質的に零とみなすこと
ができる。ここでは、渦巻体の巻き始め部形成が図9で
示したものについて説明したが、図13で示した巻き始
め部形成のものも、説明は省略するが同様にトップクリ
アランス容積は零になる。
【0044】このように形成されたスクロ−ル圧縮機を
冷凍サイクルあるいは冷房専用のサイクルに適用してい
るので、渦巻体間の流体の内部漏れが低減でき、トップ
クリアランス容積も零になるため圧縮機の効率が大幅に
向上する。これより、エネルギ効率に優れ、信頼性の高
い冷凍・空調システムが得られる。
【0045】次に本発明の第2の実施例を図15から図
18により説明する。第1の実施例では、渦巻体の基本
渦曲線を数1で表される代数螺線とし、代数螺線の指数
kをk<1.0にし、代数螺線の係数aも任意の定数と
した場合を示したが、さらに、数1で表される代数螺線
の係数aあるいは代数螺線の指数kが、偏角θの関数と
なるような基本渦曲線にすることにより渦巻壁の厚みを
適宜変化させることができ、渦巻体の強度を確保しなが
ら、インボリュ−ト曲線よりも渦巻体を小型化できる。
この場合、代数螺線の指数kはk<1.0の範囲に限定
されなくなる。この実施例を図15、図16を参照しな
がら説明する。
【0046】図15および図16は、渦巻体の基本渦曲
線を数1で表される代数螺線とし、代数螺線の指数kを
k>1.0の定数にし、代数螺線の係数aも定数とした
場合のスクロ−ル形状を示し、図15は旋回スクロ−
ル、図16は圧縮機として用いた場合の吸い込み終了
(圧縮開始)時の渦巻体の構成を示す。図17および図
18は、図15および図16と同様、代数螺線の指数k
をk>1.0にし、代数螺線の係数aも図14および図
15と同じ定数値だが、指数kが偏角θの関数で表され
る代数螺線を基本渦曲線にした場合のスクロ−ル形状を
示している。具体的には指数kは偏角θの一次関数で、
巻き始めから巻き終わりにかけて直線的にkの値が減少
するようになっている。図14および図15を比較して
見ると明らかなように、代数螺線の指数kをk>1.0
の定数とした図15および図16では、渦巻壁の厚さは
渦巻の中央部(巻き始め)にいくほど薄くなり強度上問
題になりやすいが圧力差が小さい場合に適用できる。反
対に渦巻の外周に至るほど渦巻壁の厚さは厚くなるため
外形を一定にした場合最外周の作動室6、6の容積(行
程容積)は小さくなる。これに対し、代数螺線の指数k
を渦巻の巻き角によって変化させた図17および図18
では、指数kはk>1.0だが、巻き始め部の渦巻壁の
厚さは強度が問題にならない程度に確保され、渦巻の外
周では代数螺線の指数kがk<1.0の場合と同様に巻
き終わり部にいくほど渦巻壁の厚さは薄くなって行程容
積は増加している。詳しい数値解析を行った結果、外形
(渦巻の径と高さ)を一定とすると、図15および図1
6に示す渦巻体は図17および図18に示す渦巻体に比
べ行程容積が約3割増加し、内部容積比も全社の2.7
1から後者の2.80と大きくなっていることがわかっ
た。従って、行程容積と内部容積比を一定にした場合に
は、渦巻体を小型化できることになる。ここでは、指数
kが偏角θの一次関数で変化する場合を示したが、偏角
θの二次、三次関数あるいは対数関数で与えてもよい。
あるいは、指数kを常数とし、代数螺線の係数aを偏角
θの関数で変化するようにしても同様に渦巻壁の厚みを
適宜変化させることができ、渦巻体の強度を確保しなが
ら、インボリュ−ト曲線よりも渦巻体を小型化でき、流
体の内部漏れを低減して性能向上となるスクロ−ル形圧
縮機を得ることができる。
【0047】本発明の第3の実施例を図19から図30
により説明する。図19はスクロ−ルを組み合わせた状
態を示す平面図、図20は作動原理を説明する図、図2
1から図24はスクロ−ル形状の形成方法を説明する
図、図25は旋回スクロ−ルの巻き始め部の構成を示す
平面図、図26は固定スクロ−ルの巻き始め部の構成を
示す平面図、図27から図29は角度αを設けた場合の
スクロ−ルの形状変化を示す平面図、図30は渦巻体中
央部のかみ合い状態を示す平面図、図31は渦巻体中央
部のかみ合い状態を示す平面図である。
【0048】本実施例のスクロ−ル形状は第1の実施例
に示すスクロ−ル形状と同様に形成されるが、本実施例
では、旋回スクロ−ルと固定スクロ−ルとは材質が異な
るように形成されており、例えば、旋回スクロ−ルはア
ルミ合金等の軽量・低強度材料、固定スクロ−ルは、旋
回スクロ−ルよりも強度の高い通常の鉄系材料で構成さ
れている。本実施例のように、低強度材料からなる旋回
側渦巻体2は、より強度の高い固定側渦巻体5に比べて
全体的に渦巻壁の厚さが厚く構成され、両者ほぼ等しい
強度となるように設定されるが、旋回スクロ−ルおよび
固定スクロ−ルの渦巻体の外側曲線と内側曲線、渦巻曲
線の原点O、O´および代数螺線の指数kは第1の実施
例と同様に設定されている。
【0049】しかし、旋回側渦巻体2の構成は、旋回外
側曲線2aを数1で表される代数螺線を渦巻壁の厚さを
より厚くするために、後述するように原点Oを中心に角
度αだけ回転させて基本渦曲線としている。これより、
旋回側渦巻体2及び固定側渦巻体5の渦巻壁の厚みはと
もに渦巻の巻き始めから巻き終わりにかけて連続的に変
化しており、内部の流体の圧力が最も高圧になる渦巻体
の中央部が厚く、低圧になる巻き終わり部では薄くなっ
ており、渦巻壁の厚さが一定なインボリュ−ト曲線等に
比べ渦巻体の容積を減らすことができ、材料費の低減、
軽量化が可能となるとともに、渦巻の巻き始めから一巻
きほどの範囲は渦巻壁の厚さは比較的厚く構成され、流
体の内部漏れを低減することができる。また、低強度材
料からなる旋回側渦巻体2は、より強度の高い固定側渦
巻体5に比べて全体的に渦巻壁の厚さが厚く構成され、
両者ほぼ等しい強度となる。
【0050】作動原理は、第1の実施例と同様図20に
示すように、固定側渦巻体5を静止し、旋回側渦巻体2
を固定スクロ−ル中心O´の周りに自転することなしに
旋回半径e(=OO´)で公転運動させることにより、
2つの渦巻体2、5間に複数の三日月状の密閉した空
間、作動室6、6が形成され、作動室6、6の容積が、
流体の吸込みが終了した状態(1)から、90゜、180
゜、270゜と公転が進むにしたがって、(2)、(3)、
(4)とその容積を縮小し、流体の圧縮作用が行われる次
に、本実施例における旋回側渦巻体2と固定側渦巻体5
の形成法を渦巻体の外側曲線を基本渦曲線にとった場合
を例に挙げて詳述する。図21、図22はそれぞれ旋回
側と固定側の基本渦曲線と、この基本渦曲線を旋回半径
eで円運動させたときに描く円軌跡の包絡線を示し、図
23、図24はそれぞれ旋回側と固定側の渦曲線の構成
を示す。実線10は旋回側の基本渦曲線で、数1で表さ
れる代数螺線を原点Oを中心として角度αだけ回転した
ものである。破線11と12は基本渦曲線10の包絡線
で、11が外側包絡線、12が内側包絡線である。ま
た、実線20は固定側の基本渦曲線で、この曲線は旋回
側の基本渦曲線10を原点Oの周りに(180−α)゜
回転させたものである。破線21と22は基本渦曲線2
0の包絡線で、21が外側包絡線、22が内側包絡線で
ある。第1の実施例と同様に、渦巻体の外側曲線が基本
渦曲線のため、旋回外側曲線2aは実線10が選ばれ、
固定外側曲線5aは実線20が選ばれ、渦巻体の内側曲
線は、複数の密封容積を作るための両渦巻間の接触が幾
何学的に保証されるように、次のように決められる。
又、旋回内側曲線2bは固定外側曲線5aと接触するた
め固定側の基本渦曲線20の外側包絡線21が選ばれ、
固定内側曲線5bは旋回外側曲線2aと接触するため固
定側の基本渦曲線10の外側包絡線11が選ばれる。
【0051】ここで、一点鎖線で示した旋回外側曲線2
a′及び固定内側曲線5b′は角度αが0°の場合であ
り、第1の実施例に相当する場合であるが、本実施例の
場合は、旋回側の基本渦曲線10と固定側の基本渦曲線
20とは同一形状で位相が(180−α)°ずれている
ため、位相差がちょうど180°となる第1の実施例に
示したスクロ−ル形状と異なり、固定側と旋回側で渦巻
壁の厚みを変化することができる。又、渦巻体の巻き始
めで内側曲線と外側曲線が一致してしないため、この巻
き始め部は第1の実施例と同様に、一例として図25、
図26に示したように決められる。図25は、旋回側渦
巻体2において基本渦曲線である旋回外側曲線2aを回
転(角度α)させたときの巻き始め部の構成を示し、図
26は、この旋回側渦巻体2にかみ合う固定側渦巻体5
の巻き始め部の構成を示す。図中の渦曲線において、実
線が回転しない場合(α=0°)、破線は実線の旋回外
側曲線2aを原点Oを中心として時計方向(以下、正方
向とする)にα°回転した場合で、一点鎖線は反時計方
向(以下、負方向とする)に−α°回転した場合であ
る。このように、数1で表される代数螺線からなる旋回
外側曲線2a(実線)をα°回転させることにより旋回
側渦巻体2の渦巻壁の厚さは厚くなり、固定側渦巻体5
の渦巻壁の厚さは薄くなる。又、逆に−α°回転した場
合には旋回側渦巻体2の渦巻壁の厚さは薄くなり、固定
側渦巻体5の渦巻壁の厚さは厚くなる。
【0052】巻き始め部の構成は、旋回側渦巻体2を固
定側渦巻体5の周りに旋回半径eで公転運動させたとき
に両渦巻体が干渉しないという条件を満足する必要があ
るが、本実施例では、単一の円弧により内側曲線と外側
曲線とを接続する方法を説明する。図25に示す旋回側
渦巻体2では、旋回外側曲線2a上で原点Oから旋回半
径eの半分の距離にある点Aを通る旋回半径eを半径と
する円弧により、旋回内側曲線2bと旋回外側曲線2a
はなめらかに接続される。図26に示す固定側渦巻体5
では、固定外側曲線5a上で原点O′から旋回半径eの
半分の距離にある点Bを通る旋回半径eを半径とする円
弧により固定内側曲線5bと固定外側曲線5aはなめら
かに接続される。なお、このときの円弧の中心位置は回
転の角度αによって変化し、この座標は図22における
点A、A′、A″にそれぞれ相当している。
【0053】回転角度αの変化によるスクロ−ル形状の
変化を示す図27から図29に示したことから分かるよ
うに、角度αの値により旋回側渦巻体2と固定側渦巻体
5の渦巻壁の厚みが変化し、図28、図29から、角度
αが同一数値で方向(回転方向に相当)が異なる場合
は、旋回側渦巻体2と固定側渦巻体5の形状がちょうど
入れ替わっていることがわかる。また、行程容積は、吸
入終了時の作動室6の面積を比較してもわかるように、
図27に示したα=0°の回転しない場合と同じ面積で
あり、使用材質に応じて固定側と旋回側で渦巻壁の厚さ
を適宜変化させることができるとともに、第1の実施例
と同様にインボリュ−ト曲線よりも渦巻体を小型化でき
る効果がある。なお、ここでは旋回側渦巻体2の外側曲
線を回転させた例を挙げたが固定側渦巻体5の方を回転
させても同様の構成が実現できる。
【0054】なお、本実施例における渦巻体の創成法も
第1の実施例で述べたものと同様である。また、渦巻体
中央部のかみあい状態を拡大して示した図30に示すよ
うに、本実施例の渦巻体においても第1の実施例と同様
にトップクリアランス容積が零になり、トップクリアラ
ンス内流体の再膨張に伴う損失がないという優れた特長
を有している。すなわち、図30において、旋回側渦巻
体2と固定側渦巻体5の最も内側の接触点8、8´で形
成される最内室6aは、図30から明らかなように、旋
回側渦巻体2が固定側渦巻体5の周りに旋回半径e(=
OO´)で、相対的に公転運動を行うと、図30に示す
(1)、(2)、(3)、(4)の順に、接触点8、8
´で形成される最内室6aの容積が減少し、トップクリ
アランス容積は零になる。このため、圧縮された流体は
無駄な再膨張を引き起こすことなく吐出ポ−ト(図示せ
ず)からすべて外部に吐き出されることになる。なお、
図24では省略したが、実際には最内室6aと通じる位
置に吐出ポ−トを形成する必要があるので、この吐出ポ
−ト部の容積はトップクリアランス容積になるが、この
容積は行程容積に比べて小さく実質的に零とみなすこと
ができる。
【0055】以上のように、本実施例では、渦巻体の巻
き始め部構成が図25、図26で示したものについての
み説明したが、後述するこれ以外の巻き始め部構成で
も、同様にトップクリアランス容積を零とすることが可
能である。
【0056】以上は、渦巻体の外側曲線を基本渦曲線と
したときの渦巻壁厚さの異なる渦巻体の構成法を説明し
たが、渦巻体の内側曲線を基本渦曲線としたときも、基
本渦曲線である旋回側渦巻体2の旋回内側曲線2bと固
定側渦巻体5の固定内側曲線5bを位相差が180°前
後になるように旋回内側曲線2bあるいは固定内側曲線
5bを適宜角度αを変化させることにより同様に構成さ
れる。一例として図26に数1で表される代数螺線を原
点Oを中心にα=−30°回転させて旋回内側曲線2b
(旋回側渦巻体2の基本渦曲線)とし、固定内側曲線5
b(固定側渦巻体の基本渦曲線)は旋回内側曲線2bと
位相差が(180−α)°のときのスクロ−ル形状を示
す。内側曲線が基本渦曲線の場合は、図31に示した外
側曲線が基本渦曲線の場合と回転(角度α)の影響が逆
に表われ、α=−30°で、図28のα=30°の場合
と同様に旋回側渦巻体2の渦巻壁厚さは厚く、固定側渦
巻体5の渦巻壁厚さは薄く構成される。このように構成
することにより、渦巻体の材質が異なった場合でも、渦
巻体の各部を作用する圧力に対して同様な強度にでき、
小型化により軸受荷重が低減されるため圧縮機の信頼性
が大幅に向上する。
【0057】本発明の第4の実施例を図32から図35
により説明する。第3の実施例で述べた構成は、旋回側
渦巻体2と固定側渦巻体5の各々の基本渦曲線は回転は
しているものの基本的には同一の数式で表され、数1で
表される代数螺線を基本とし、代数螺線の指数kをk<
1.0にし、代数螺線の係数aも任意の定数に設定した
場合を示したが、本発明はこれに限定されるものではな
く、以下、本実施例で示すように、例えば、数1で表さ
れる代数螺線の係数aあるいは代数螺線の指数kが、偏
角θの関数となるようにしても渦巻壁の厚みを適宜変化
させることができ、渦巻体の強度を確保しながら、イン
ボリュ−ト曲線よりも渦巻体を小型化できる。この場
合、代数螺線の指数kはk<1.0の範囲に限定されな
くなる。さらに、旋回側渦巻体2と固定側渦巻体5の各
々の基本渦曲線を異なる曲線で構成してもよい。
【0058】図32に示すように、渦巻体の外側曲線を
基本渦曲線とし、旋回側渦巻体2の外側曲線2aと固定
側渦巻体5の外側曲線5aは、数1で表される代数螺線
で代数螺線の指数k、代数螺線の係数aを両者各々異な
る数値で構成している。この場合は、渦曲線を回転させ
る必要はなく、異なる2つの基本渦曲線を適宜選定する
ことにより図19で示した渦巻体と同様の効果を奏する
渦巻体を構成することができる。図25、図26では、
渦巻体の外側曲線を基本渦曲線に採ったときの、単一の
円弧を接続曲線とする巻き始め部構成を説明したが、本
発明の巻き始め部構成はこれに限定されるものではなく
これ以外にも種々の構成が考えられる。図33、図3
4、図35によりこのように構成された渦巻体の巻き始
め部の他の構成を説明する。図33、図34は、渦巻体
の外側曲線を基本渦曲線に採った場合、図35は、図3
1に示したように渦巻体の内側曲線を基本渦曲線に採っ
た場合を示している。図33から図35の各図では、旋
回側渦巻体2と固定側渦巻体5を、ともに同一のx−y
座標軸で表している。図33は、巻き始め部の接続曲線
を2つの円弧で構成した場合で、破線が図25、図26
に示した単一円弧の場合である。旋回側渦巻体2は、r
1とr2の2つの円弧により外側曲線2aと内側曲線2
bが接続され、固定側渦巻体5は、r3とr4の2つの
円弧により外側曲線5aと内側曲線5bが接続されてい
る。円弧同士の接続点A、Bは原点O(あるいはO´)
より旋回半径eの半分を半径とする円に接しており、円
弧r1とr4、円弧r2とr3の中心座標は同じであ
る。図34は、図33と異なり、円弧と直線によって巻
き始め部を構成している。円弧半径rは旋回側と固定側
が同じ(すなわちr=e)で、円弧に接続する直線は、
図33と同様に、原点O(あるいはO´)より旋回半径
eの半分を半径とする円に点A、Bで接するようになっ
ている。図35は、図31に示した渦巻体の内側曲線を
基本渦曲線に採った場合の巻き始め部構成で、内側曲線
2b、5bと外側曲線2a、5aは各々直線で接続され
ている。この場合、直線は旋回半径eの半分を半径とす
る円に点A、Bで接するが、この円の中心Cは、原点O
(あるいはO´)上にない。
【0059】以上述べたことから分かるように、渦巻体
の巻き始め部を構成する内側曲線と外側曲線とを結ぶ接
続線の必要条件は次の通りである。少なくとも内側曲線
に内接し、旋回側渦巻体2と固定側渦巻体5を同一座標
軸で表したときに、旋回半径eの半分を半径とする円が
これらの接続線間に内接するような任意の曲線(直線、
円弧も含む)からなる。このような巻き始め部構成によ
り、説明は省略するが図25と同様にトップクリアラン
ス容積は零になる。
【0060】本発明の第5の実施例を図36から図43
により説明する。図36は、本実施例の渦巻体構成法を
説明する平面図であり、巻き始め部において渦巻体の内
側曲線と外側曲線がほぼ接続するため、前記したような
接続曲線がほとんど不要となり、構成が簡便化されるも
のである。図36、図37はそれぞれ旋回側と固定側の
基本渦曲線と、この基本渦曲線を旋回半径eの半分の半
径で円運動させたときに描く円軌跡の包絡線を示し、図
38、図39はそれぞれ旋回側と固定側の渦曲線の構成
を示す。実線10は旋回側の基本渦曲線で、数1で表さ
れる代数螺線を原点Oを中心として角度αだけ回転した
ものである。破線13と14は基本渦曲線10の包絡線
で、13が外側包絡線、14が内側包絡線である。ま
た、実線20は固定側の基本渦曲線で、この曲線は旋回
側の基本渦曲線10を原点Oの周りに(180−α)°
回転させたものである。破線23と24はこの基本渦曲
線20の包絡線で、23が外側包絡線、24が内側包絡
線である。ここで、渦巻体は複数の密封容積を作るため
の両渦巻間の接触が幾何学的に保証されるように、以下
のように構成される。旋回外側曲線2aは旋回側の基本
渦曲線10の内側包絡線14が選ばれ、固定外側曲線5
aは固定側の基本渦曲線20の内側包絡線24が選ばれ
る。渦巻体の内側曲線は、旋回内側曲線2bは固定外側
曲線5aと接触するため、固定側の基本渦曲線20の外
側包絡線23が選ばれ、固定内側曲線5bは旋回外側曲
線2aと接触するため旋回側の基本渦曲線10の外側包
絡線13が選ばれる。このように、旋回側の基本渦曲線
10と固定側の基本渦曲線20とは同一形状で位相を
(180−α)°ずらして構成しているため、旋回側と
固定側で渦巻壁の厚みを変化することができるととも
に、各渦巻体を構成する内側曲線と外側曲線が巻き始め
部でほぼ接続するため、両者間の接続曲線はほとんど不
要となり、構成を簡便化できる。以上のように構成する
ことで、基本渦曲線としては、前記した図25に示した
場合と同様に種々の曲線を適用することができる。な
お、、角度αが0°の場合は旋回側と固定側の渦巻体は
同一形状になる。
【0061】図40から図43は、図36から図39で
示した渦曲線構成法における、基本渦曲線の回転(角度
α)によるスクロ−ル形状変化図と渦巻体中央部のかみ
あい状態を示す図(α=30°の場合)である。この図
から分かるように、図27から図30で示したのと同様
に、角度αの値により、旋回側渦巻体2と固定側渦巻体
5の渦巻壁の厚みを変化することができるとともに、各
渦巻体の巻き始め部がなめらかな曲線で構成され、トッ
プクリアランス容積も零にできる。
【0062】本発明の第6の実施例を図44から図47
により説明する。図44から図47は、渦巻体構成法を
説明する平面図で、図36から図39に示す実施例と同
様に巻き始め部において渦巻体の内側曲線と外側曲線が
なめらかに接続し、構成が簡便化できるものである。本
実施例では、スクロ−ル圧縮機の旋回半径をeとしたと
き、e=e1+e2を満足する2つの半径e1とe2を
決め、これらの値を適宜選定することにより旋回側渦巻
体2と固定側渦巻体5の渦巻壁の厚みを変化することが
できるものである。図44、図45は旋回側と固定側の
基本渦曲線と、この基本渦曲線を半径e1と半径e2で
円運動させたときに描く円軌跡の包絡線を示し、図4
6、図47はそれぞれ旋回側と固定側の渦曲線の構成を
示す。実線10は旋回側の基本渦曲線で、数1で表され
る代数螺線である。破線34は基本渦曲線10を半径e
1で円運動させたときの外側包絡線、破線35は基本渦
曲線10を半径e2で円運動させたときの内側包絡線で
ある。また、実線20は固定側の基本渦曲線で、この曲
線は旋回側の基本渦曲線10を原点Oの周りに180°
回転させたものである。破線36はこの基本渦曲線20
を半径e2で円運動させたときの外側包絡線、破線37
は基本渦曲線20を半径e1で円運動させたときの内側
包絡線である。ここで、渦巻体は複数の密封容積を作る
ための両渦巻間の接触が幾何学的に保証されるように、
以下のように構成される。旋回外側曲線2aは旋回側の
基本渦曲線10の内側包絡線35が選ばれ、固定外側曲
線5aは固定側の基本渦曲線20の内側包絡線37が選
ばれる。渦巻体の内側曲線は、旋回内側曲線2bは固定
外側曲線5a(37)と接触するため、内側包絡線37
と旋回半径eの距離だけ隔たった固定側の基本渦曲線2
0の外側包絡線36が選ばれ、同様に、固定内側曲線5
bは旋回外側曲線2a(35)と接触するため、内側包
絡線35と旋回半径eの距離だけ隔たった旋回側の基本
渦曲線10の外側包絡線34が選ばれる。このように、
基本渦曲線10と基本渦曲線20で各々e1、e2の2
つの異なる半径の包絡線を考え、e1>e2とすること
により、渦巻きの巻き角によって渦巻壁の厚さが次第に
変化するとともに、旋回側渦巻体2は固定側渦巻体5に
比べて全体的に渦巻壁の厚さを厚く構成することができ
る。e1<e2の場合は、反対に固定側渦巻体5の方が
旋回側渦巻体2よりも渦巻壁の厚さを厚く構成すること
ができる。
【0063】以上スクロ−ル形流体機械として圧縮機を
例に挙げて、渦巻壁の厚さが渦巻の巻き角に応じて連続
的に変化し、かつ、固定側と旋回側で渦巻壁の厚みが異
なる渦巻体のもう一つの基本的な渦曲線構成法を述べた
が、本発明はこれ以外に膨張機、ポンプにも適用するこ
とができる。また、本発明ではスクロ−ルの運動形態と
して、一方のスクロ−ルが固定しもう一方のスクロ−ル
が任意の旋回半径で自転せずに公転運動を行う形式とし
たが、相対的に上記の運動と等価な運動形態となる両回
転式のスクロ−ル形流体機械にも適用することができ
る。また、渦巻体の基本渦曲線として数1で表される代
数螺線を用いたが、本発明はこれに限定されるものでは
なく、本発明で明らかにした渦巻体の構成法は、渦巻き
の曲率が連続的に変化するなめらかな任意の渦曲線に適
用することができる。
【0064】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
代数螺線を基本渦曲線に用いることにより、渦巻体の巻
始め部の強度を確保しながら渦巻体を小型化できるた
め、軸受荷重も小さくなり、信頼性の高いスクロ−ル流
体機械を提供できる。また、渦巻壁の厚みを次第に変化
させることができるため、渦巻体間の流体の内部漏れが
低減され、トップクリアランス容積も小さく、あるいは
零にできるためスクロ−ル流体機械の効率を向上するこ
とができる。また、このスクロ−ル流体機械を搭載する
ことにより、エネルギ効率に優れ、信頼性の高い空調設
備を提供できる。
【0065】また、渦巻体の材質が旋回側と固定側で異
なる場合でも、各々強度的に必要な渦巻壁の厚さを保ち
ながら、渦巻きの巻き角に応じて渦巻壁の厚さが連続的
に変化する渦巻体の構成法を明らかにするとともに、代
数螺線を基本渦曲線に用いることにより、渦巻体の巻き
始め部の強度を確保しながら、インボリュ−ト曲線より
も渦巻体を小型化することができる。
【0066】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示すスクロ−ル圧縮機
を搭載した空調設備の構成図である。
【図2】本実施例の旋回スクロ−ルの構成図である。
【図3】図1の横断面図である。
【図4】本実施例のスクロ−ル圧縮機の作動原理を示す
平面図である。
【図5】本実施例のスクロ−ル形状の形成法を説明する
図である。
【図6】本実施例のスクロ−ル形状の形成法を説明する
図である。
【図7】本実施例のスクロ−ル形状の形成法を説明する
図である。
【図8】本実施例のスクロ−ル形状の形成法を説明する
図である。
【図9】本実施例のスクロ−ルの巻始め部の形成を説明
する図である。
【図10】本実施例のスクロ−ル形状を加工するカッタ
の軌跡を示す図である。
【図11】本実施例のスクロ−ル形状の形成法を説明す
る図である。
【図12】本実施例のスクロ−ル形状の形成法を説明す
る図である。
【図13】本実施例のスクロ−ルの巻始め部の形成を説
明する図である。
【図14】本実施例の渦巻体中央部のかみ合い状態を示
す要部拡大図である。
【図15】本発明の第2の実施例を示すスクロ−ル形状
の平面図である。
【図16】本実施例を示すスクロ−ル形状の平面図であ
る。
【図17】本実施例を示すスクロ−ル形状の平面図であ
る。
【図18】本実施例を示すスクロ−ル形状の平面図であ
る。
【図19】本発明の第3の実施例を示すスクロ−ル形状
の平面図である。
【図20】スクロ−ル圧縮機の作動原理を説明する図で
ある。
【図21】本実施例のスクロ−ル形状の形成法を説明す
る図である。
【図22】本実施例のスクロ−ル形状の形成法を説明す
る図である。
【図23】本実施例のスクロ−ル形状の形成法を説明す
る図である。
【図24】本実施例のスクロ−ル形状の形成法を説明す
る図である。
【図25】本実施例の旋回スクロ−ルの巻き始め部の構
成を示す平面図である。
【図26】本実施例の固定スクロ−ルの巻き始め部の構
成を示す平面図である。
【図27】角度αを設けた場合のスクロ−ル形状変化を
示す平面図である。
【図28】角度αを設けた場合のスクロ−ル形状変化を
示す平面図である。
【図29】角度αを設けた場合のスクロ−ル形状変化を
示す平面図である。
【図30】渦巻体中央部のかみ合い状態を示す平面図で
ある。
【図31】渦巻体中央部のかみ合い状態を示す平面図で
ある。
【図32】本発明の第4の実施例を示すスクロ−ル形状
の平面図である。
【図33】本実施例の巻き始め部の構成を示す平面図で
ある。
【図34】本実施例の巻き始め部の構成を示す平面図で
ある。
【図35】本実施例の巻き始め部の構成を示す平面図で
ある。
【図36】本発明の第5の実施例を示すスクロ−ル形状
の形成法を説明する図である。
【図37】本実施例を示すスクロ−ル形状の形成法を説
明する図である。
【図38】本実施例を示すスクロ−ル形状の形成法を説
明する図である。
【図39】本実施例を示すスクロ−ル形状の形成法を説
明する図である。
【図40】本実施例の角度αの変化によるスクロ−ル形
状変化を示す平面図である。
【図41】本実施例の角度αの変化によるスクロ−ル形
状変化を示す平面図である。
【図42】本実施例の角度αの変化によるスクロ−ル形
状変化を示す平面図である。
【図43】本実施例における渦巻体中央部のかみ合い状
態を示す平面図である。
【図44】本発明の第5の実施例を示すスクロ−ル形状
の形成法を説明する図である。
【図45】本実施例を示すスクロ−ル形状の形成法を説
明する図である。
【図46】本実施例を示すスクロ−ル形状の形成法を説
明する図である。
【図47】本実施例を示すスクロ−ル形状の形成法を説
明する図である。
【符号の説明】
1…旋回スクロ−ル、2…旋回側渦巻体、2a…旋回外
側曲線、2b…旋回内側曲線、3…端板、4…固定スク
ロ−ル、5…固定側渦巻体、5a…固定外側曲線、5b
…固定内側曲線、6…作動室、6a…最内室、7…吐出
ポ−ト、8、8´…接触点、9…クランク軸、10…旋
回側基本渦曲線、11、13、34…旋回側基本渦曲線
の外側包絡線、12、14、35…旋回側基本渦曲線の
内側包絡線、15…フレ−ム、16…オルダムリング、
17…モ−タ、18…吸入パイプ、19…吐出パイプ、
20…固定側基本渦曲線、21、23、36…固定側基
本渦曲線の外側包絡線、22、24、37…固定側基本
渦曲線の内側包絡線、30…スクロ−ル圧縮機、31…
凝縮器、32…膨張弁、33…蒸発器、O…旋回スクロ
−ル中心、O´…固定スクロ−ル中心、e…旋回半径、
α…渦曲線の回転の角度、e1、e2…円運動(公転運
動)の半径。

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】端板とこれに直立している渦巻体とで形成
    された2つのスクロ−ル部材が渦巻体を内側に向けた状
    態で互いにかみ合っており、一方のスクロ−ル部材が他
    方のスクロ−ル部材に対して見かけ上自転しないように
    所定の旋回半径で公転運動するスクロ−ル形流体機械に
    おいて、両スクロ−ルの渦巻体の基本渦曲線を、極座標
    形式で動径r、偏角θ、代数螺線の係数a、代数螺線の
    指数kとしたとき、次の式で表される代数螺線で形成し
    たことを特徴とするスクロ−ル形流体機械。 【数1】
  2. 【請求項2】端板とこれに直立している渦巻体とで形成
    された2つのスクロ−ル部材が渦巻体を内側に向けた状
    態で互いにかみ合っており、一方のスクロ−ル部材が他
    方のスクロ−ル部材に対して見かけ上自転しないように
    所定の旋回半径で公転運動するスクロ−ル形流体機械に
    おいて、両スクロ−ルの渦巻体の基本渦曲線を、極座標
    形式で動径r、偏角θ、代数螺線の係数a、代数螺線の
    指数kとしたとき、代数螺線の指数kを偏角θに対応さ
    せて変化させた代数螺線で形成したことを特徴とするス
    クロ−ル形流体機械。
  3. 【請求項3】端板とこれに直立している渦巻体とで形成
    された2つのスクロ−ル部材が渦巻体を内側に向けた状
    態で互いにかみ合っており、一方のスクロ−ル部材が他
    方のスクロ−ル部材に対して見かけ上自転しないように
    旋回半径で公転運動するスクロ−ル形流体機械におい
    て、両スクロ−ルのそれぞれの渦巻体が、一方側の曲線
    は代数螺線で形成され、他方側の曲線は、他方のスクロ
    −ルの渦巻体の代数螺線を前記旋回半径で円運動させた
    ときに描かれる2つの包絡線のうちの一方の包絡線で形
    成されていることを特徴とするスクロ−ル形流体機械。
  4. 【請求項4】端板とこれに直立している渦巻体とで形成
    された旋回スクロ−ル部材およ固定スクロ−ル部材が渦
    巻体を内側に向けた状態で互いにかみ合っており、旋回
    スクロ−ル部材が固定スクロ−ル部材に対して見かけ上
    自転しないように旋回運動するスクロ−ル形流体機械に
    おいて、前記両スクロ−ル部材の渦巻体の外側曲線が代
    数螺線で形成され、前記両スクロ−ル部材の渦巻体の内
    側曲線は、旋回スクロ−ル部材は固定スクロ−ル部材の
    代数螺線の外側包絡線で、固定スクロ−ル部材は旋回ス
    クロ−ル部材の代数螺線の外側包絡線で形成されている
    ことを特徴とするスクロ−ル形流体機械。
  5. 【請求項5】端板とこれに直立している渦巻体とで形成
    された旋回スクロ−ル部材およ固定スクロ−ル部材が渦
    巻体を内側に向けた状態で互いにかみ合っており、旋回
    スクロ−ル部材が固定スクロ−ル部材に対して見かけ上
    自転しないように旋回運動するスクロ−ル形流体機械に
    おいて、前記両スクロ−ル部材の渦巻体の内側曲線が代
    数螺線で形成され、前記両スクロ−ル部材の渦巻体の外
    側曲線は、旋回スクロ−ル部材は固定スクロ−ル部材の
    代数螺線の内側包絡線で、固定スクロ−ル部材は旋回ス
    クロ−ル部材の代数螺線の内側包絡線で形成されている
    ことを特徴とするスクロ−ル形流体機械。
  6. 【請求項6】端板とこれに直立している渦巻体とで形成
    された2つのスクロ−ル部材が渦巻体を内側に向けた状
    態で互いにかみ合っており、一方のスクロ−ル部材が他
    方のスクロ−ル部材に対して見かけ上自転しないように
    旋回半径eで公転運動するスクロ−ル形流体機械におい
    て、半径e1、e2が前記旋回半径eとe=e1+e2
    の関係を有するものであって、両スクロ−ルのそれぞれ
    の渦巻体が、外側曲線が両スクロ−ルの代数螺線をそれ
    ぞれ半径e1、e2で旋回運動させたときの内側包絡線
    で形成され、内側曲線が両スクロ−ルの代数螺線をそれ
    ぞれ半径e1、e2で旋回運動させたときの外側包絡線
    で形成されていることを特徴とするスクロ−ル形流体機
    械。
  7. 【請求項7】それぞれに渦巻体を有する静止しているス
    クロ−ル部材と旋回するスクロ−ル部材を備えたものに
    おいて、両渦巻体の最内領域の当接点間に形成されるす
    きま容積が両渦巻体の相対的公転運動に伴い実質的に零
    になるように構成するとともに、それぞれの渦巻体は、
    代数螺線を基本渦曲線として渦巻壁の厚さが渦巻きの巻
    き角に応じて次第に変化する形状を有していることを特
    徴とするスクロ−ル形流体機械。
  8. 【請求項8】前記代数螺線が、極座標形式で動径r、偏
    角θ、代数螺線の係数a、代数螺線の指数kとしたと
    き、次の式で表される代数螺線で形成した請求項3から
    7のいずれかに記載のスクロ−ル形流体機械。 【数1】
  9. 【請求項9】前記一方の代数螺線の指数kがk<1.0
    とした代数螺線であり、他方の代数螺線が前記一方の代
    数螺線を180°前後回転して形成されたものである請
    求項1又は8に記載のスクロ−ル形流体機械。
  10. 【請求項10】前記代数螺線が、指数kをk>1.0
    で、かつ係数aが定数に設定されたものであり、前記代
    数螺線の指数kを偏角θの関数として変化させた請求項
    8に記載のスクロ−ル形流体機械。
  11. 【請求項11】前記一方のスクロ−ル部材の代数螺線が
    その原点を中心として角度α回転されたものであって、
    他方のスクロ−ル部材の代数螺線が前記原点を中心とし
    て角度(180°−α)回転されたものである請求項3
    から6に記載のスクロ−ル形流体機械。
  12. 【請求項12】前記一方のスクロ−ル部材が旋回スクロ
    −ル部材であって、旋回スクロ−ル部材の渦巻体の厚さ
    が他方のスクロ−ル部材の渦巻体の厚さより厚く構成さ
    れている請求項3又は11に記載のスクロ−ル形流体機
    械。
  13. 【請求項13】スクロ−ル部材の渦巻体の外側曲線およ
    び内側曲線が代数螺線あるいはその代数螺線を旋回運動
    させたときの包絡線で形成されることを特徴とするスク
    ロ−ル部材。
  14. 【請求項14】スクロ−ル部材の渦巻体の外側曲線およ
    び内側曲線が代数螺線あるいはその代数螺線を旋回運動
    させたときの包絡線で形成されるものであって、前記外
    側曲線および内側曲線に沿ってカッタの中心を移動させ
    ることにより前記渦巻体の加工を行うことを特徴とする
    スクロ−ル部材の加工方法。
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