JPH0522296Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （考案の技術分野） 本考案は噴霧器に係り、薬液タンク内の薬液を
吸い上げる際に、該タンク内の薬液の攪拌効果を
向上するようにしたものである。

（考案の背景） 園芸用などに使用される噴霧器として、薬液タ
ンク内に所望の薬剤が混入された薬液を貯溜し、
該薬液をポンプにより吸い上げて噴霧杆へ給送
し、噴霧杆先端のノズルから散布するようにした
ものが知られている。上記薬剤としては、例えば
殺虫剤や薬剤の添着剤などがあるが、この種薬剤
は一般に水よりも比重が大きいため、時間が経つ
につれて次第に沈降し、その一部は薬液タンクの
底部に沈澱する傾向にあり、このため噴霧杆から
散布される薬液の濃度にばらつきを生じやすい問
題点があつた。

（考案の目的） 本考案は上記事情に鑑みてなされたものであつ
て、噴霧杆から散布される薬液の濃度にばらつき
が生じるのを防止できる噴霧器を提供することを
目的とする。

（考案の概要） 本考案は、ポンプにより薬液タンク内の薬液を
吸い上げて、噴霧杆へ給送するようにした噴霧器
において、ポンプから薬液タンク内に垂設された
吸い上げ用パイプの下部に、このパイプに吸入さ
れる薬液にこのパイプの軸心線を中心とする渦流
を生じさせるべく斜方向からこのパイプ内に薬液
を吸入する吸入部を複数個設けるようにしてい
る。このように構成することにより、ポンプを駆
動して薬液タンク内の薬液を吸い上げる際に、吸
入部からの薬液の吸入とともに薬液タンク内に渦
流を生じさせ、以つて薬液タンク内の薬液を攪拌
して、均一な濃度の薬液を噴霧杆へ給送できるよ
うにしている。

（実施例） 次に図面を参照しながら本考案の実施例の説明
を行う。

第１図において、１は本体ケース、２は該本体
ケース１の下部に着脱自在に螺着された円筒状薬
液タンクであり、タンク２の上部には基板３が設
けられている。４は基板３上の本体ケース１内に
配設されたポンプ、５はポンプ駆動用モータであ
り、該ポンプ４からタンク２の内部に吸い上げ用
パイプ６が垂設されている。またタンク２の内壁
面には、リブ状のフイン７がらせん状に形成され
ている（第２図も併せて参照）。８は本体ケース
１上部の握り部９に設けられたスイツチ部、１０
は本体ケース１の外部に延出する電源コード、１
１はその先端部に取り付けられた電源プラグであ
る。１２は送水用チユーブ１８を介してポンプ４
に接続された噴霧杆、１２ａ，１２ｂはそのスイ
ツチ部およびノズル部であり、スイツチ部１２ａ
を操作するとポンプ４により吸い上げられたタン
ク２内の薬液は噴霧杆１２へ給送され、そのノズ
ル部１２ｂから噴出する。１９はポンプ４の吐出
側に設けられたバイパス部、２０は該バイパス部
１９に接続された還流パイプであり、ポンプ４が
駆動している状態においてノズル部１２ｂからの
薬液の噴出を停止した場合に、バイパス部１９に
より噴霧杆１２側の水圧上昇を検知してこれを作
動させ、薬液をタンク２に還流させるものであ
る。

１４は上記パイプ６の下端部に装着された吸入
体であつて（第３図も併せて参照）、該パイプ６
にまつすぐに挿着された短管１５と、パイプ６の
軸線から離れた位置を薬液の吸入開始点とするた
めに該短管１５の下端部から側方に突出形成され
た吸入管から成る４個の吸入部１６から成つてい
る。タンク２内の薬液を斜方向から吸入して、短
管１５の軸心線Ｙを中心とする渦流が生じるよう
に、これらの吸入部１６はその軸心線Ｘがパイプ
６や短管１５の軸心線Ｙからずれた短管１５の接
線方向に突出し、かつカギ形に屈曲してその先端
部に吸入開始点、すなわち吸入口１６ａが形成さ
れている。

この噴霧器は上記のような構成より成り、握り
部９を保持してスイツチ部８を投入すると、ポン
プ４が駆動してタンク２内の薬液は各吸入部１６
の先端吸入口１６ａから吸入されて、パイプ６、
チユーブ１８を通つて噴霧杆１２へ給送され、ス
イツチ部１２ａを操作するとノズル部１２ｂから
噴出する。またスイツチ部１２ａをオフにする
と、ポンプ４に吸い上げられた薬液はバイパス部
１９によりバイパスされて、還流パイプ２０から
タンク２に還流される。

上記のように薬液は、各吸入部１６がパイプ６
の軸線から離れた位置に吸入開始点を有すので薬
液の移動機会が多く攪拌効果に優れ、特に吸入部
１６がパイプ中心に向かつて渦流を発生させるよ
うに吸入されるため、タンク２内の薬液はその渦
流により攪拌され、常に均一な濃度の薬液が噴霧
杆１２に給送される。破線矢印は渦流を表してい
る。この場合タンク２の内壁面にらせん状に形成
されたフイン７のガイド作用により、タンク２の
内部全体にわたつてより効果的に渦流を生じさせ
ることができる。

（他の実施例） 第４図ａにおいて、吸入体２を構成する管状の
吸入部２３は３本であり、吸入開始点をパイプ６
の軸線から離すために短管１５からまつすぐに突
出している。また同図ｂの吸入体２４は円曲状に
屈曲する２本の管状吸入部２５が設けられてお
り、これらのものも吸入時にはタンク２内に渦流
を生じる。また第５図ａ，ｂに示す吸入体２６
は、短管１５の下部に円曲状の羽根板２７を４枚
放射状に突設し、かつ各羽根板２７の間に吸入口
２８を開設して吸入部２９を形成しており、吸入
開始点はパイプ軸線から離れて羽根板２７の先端
付近となつている。薬液は羽根板２７に案内され
ながら、斜方向から吸入口２８に吸入され、タン
ク２内に渦流を生じる。このように本考案は種々
の設計変更が考えられるのであつて、短管１５を
吸い上げ用パイプ６と一体的に形成してもよく、
要は、複数の吸入部から斜方向に薬液を吸入し
て、パイプの軸心線を中心とする渦流を生じさ
せ、薬液の攪拌効果を上げるようにすればよい。

（考案の効果） 以上説明したように本考案に係る噴霧器は、タ
ンク２内に垂設された吸い上げ用パイプ６に、こ
のパイプ６に吸入される薬液にこのパイプ６の軸
心線Ｙを中心とする渦流を生じさせるべく斜方向
からこのパイプ６内に薬液を吸入する吸入部１６
を複数個設けているので、ポンプ４を駆動してタ
ンク２内の薬液をパイプ６から吸い上げる際に、
タンク２内の薬液に渦流を生じて薬液は攪拌さ
れ、常に均一な濃度の薬液を噴霧杆１２に給送で
きる。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の実施例を示すものであつて、第１
図は噴霧器の斜視図、第２図はタンクの断面図、
第３図は要部断面図、第４図ａ，ｂは本考案の他
の実施例の要部平面図、第５図ａ，ｂは更に他の
実施例の要部斜視図および要部断面図である。 １……本体ケース、２……薬液タンク、４……
ポンプ、５……ポンプ駆動用モータ、６……吸い
上げ用パイプ、１６，２３，２５，２９……吸入
部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ポンプ４およびポンプ駆動用モータ５が配設さ
   れた本体ケース１と、該本体ケース１に装着され
   た薬液タンク２とから成り、該ポンプ４により該
   薬液タンク２内の薬液を吸い上げて噴霧杆１２へ
   給送するようにした噴霧器において、上記ポンプ
   ４から上記薬液タンク２内に垂設された吸い上げ
   用パイプ６の下部に、このパイプ６に吸入される
   薬液にこのパイプ６の軸心線Ｙを中心とする渦流
   を生じさせるべく斜方向からこのパイプ６内に薬
   液を吸入する吸入部１６を複数個設けたことを特
   徴とする噴霧器。