JP3936635B2 - 流体対流ノズル装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は流体対流ノズル装置に係り、主として流体の攪拌、渦流の形成、強制対流、任意速度の流れ場の形成、液体又は浮遊する固体・粉体の吸引回収と噴出除去、流れの加速と増量等の用途を目的としている。
【0002】
【従来の技術】
流体での対流の形成においては、ポンプにパイプやホースによる配管を施し、汲み上げポンプの力で取水口から流体を吸引し、吸引した流体を池、プール、水槽等に戻して対流を形成していた。
また、流体内部に電動式プロペラ型の攪拌スクリューを回転させる方法や、養殖池等で見られる水車方式及び多翼ファン型の羽根車を水面に接触させ、これを回転させる攪拌及び空気(空気中の酸素)の混合方式等がある。
【0003】
化学反応等の効果を目的とする物質、薬剤、微生物、飼料等の注入を伴う混合、攪拌等の作業においては、ポンプの噴出側に貯水タンクを設け、その内部にプロペラ型の電動攪拌扇により渦流を形成させる形が多く見られ、そのタンク内に混合する材料を添加し、攪拌、混合が完了した段階で噴出し、池、水槽等に戻している。
【0004】
また、池、湖沼等においては、薬品、栄養剤、殺菌剤、微生物、飼料を人手による散布や、ホースの口からの水流(水道圧、ポンプ圧による)を利用して散布する方法や、高圧ポンプやコンプレッサーの流体圧によって霧状に散布する(流体ガンによる)方法が一般的である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記した従来の対流装置は、例えば池全体に対流を行き渡らせる方式ではなく、ポンプや攪拌用タンクからの噴出量により、池の水を置換するものである。したがって、狭い範囲や局所的な対流しか形成できない設備となり、置換速度を速めるためには大噴出量のポンプや大きなタンク等の処理設備が必要となっている。
また、置換効率を確保するため、注水口設備位置から最も離れた位置に取水口を設ける必要があるため、太い配管を長く設置しなければならないという問題点もあった。
【0006】
従来の設備では、対流速度が遅い定常流であるため、複雑な形状の池等の隅々まで流れが行き渡らず、均等な処理ができないという問題が生じていた。例えば、流れの無い箇所での有害な汚れや菌類の発生、また有害物質の集合、停滞などがある。
さらに、電動式プロペラ型の攪拌スクリューや多翼ファンを水面付近、あるいは水中に設置するには電気配線等も含め高い絶縁性能が求められるが、設備としてコストがかかる上、漏電、感電、プロペラやスクリューに接触する等の事故のリスクも高かった。また汚れなどが付着しやすいという欠点もあった。
また、薬剤等の注入作業においては、処理済みの液を池に戻す方式であるため、多量の未処理水の中へ戻すことになり、完全に処理を終了するためには長時間を要し、甚だ効率が悪いものであったし、対流が良好な状態で形成されないため、殺菌剤による処理等では、高濃度の領域が長時間生じることがあり、池の中の生物に悪影響を及ぼすことがあった。
【0007】
本発明は、全体をコンパクトに構成することができ、かつ設置場所に存在する水等の流体を好適に対流させることができる流体対流ノズル装置を提供して、上述の全ての問題点を解消しようとするものである。
【0008】
また本発明において、流体とは液体のみならず、気体をも含む概念である。
液体として使用する例としては、タンク、水槽、人工池、水泳・遊泳プール、汚水等の処理場、浴場、河川、海(湾、入り江、漁場など)、湖沼がある。
気体として使用する例としては、対流による炉内、室内の温度の均一化、ガス濃度の混合・均一化、液体の噴霧・加湿、気体の増幅機構(エジェクター)がある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1は、一端の開口を吸込口とするとともに他端の開口を噴出口とする断面矩形状で中空状の筒体であって、この筒体を左右壁及び上下壁で断面略矩形状に形成し、さらにこの筒体の内壁面の四隅に近接した位置に、前記噴出口に臨む流体噴射口を設け、この流体噴射口から噴出口に向けて流体を高速噴射する噴射手段を設け、前記筒体の吸込部を吸込口側から噴出口側に向かって順次小さくなるテーパ面に形成し、前記流体噴射口を形成する流体噴射部を、前記吸込口側端部から噴出口側端部に向けて、かつ筒体の中央に向けて順次流体内に突出するようにテーパ状に形成したことを特徴とする流体対流ノズル装置である。
【0010】
上記した本発明に係る流体対流ノズル装置は、断面矩形状で中空状の筒体の内壁面に流体噴射口を備え、この流体噴射口を噴出口に臨ませただけの簡素な構成であるから、全体をコンパクトに形成することができる。
よって、この流体対流ノズル装置を所望の場所に容易にセットすることができ、かつ使用後は簡単に引き上げることができ、設置時には設置面積を大きくとることもない。
【0011】
また、流体噴射口から筒体の噴出口に向けて流体を高速度で噴射することにより、本装置の後部からの誘導流の作用で筒体内の水を噴出口から多量に噴出することができ、結果的に筒体の吸込口から筒体内に水を吸い込み、この吸い込んだ水を高速の噴射流で噴出口から強制噴出することができるので、水を好適に対流させることができるようになる。
【0012】
さらに前記筒体の吸込口側に、吸込口から前記噴出口へ向けて開口が順次小さくなるテーパ状の吸込部を備えたので、筒体内に比較的多量の水を効率よく吸い込むことが可能になる。
【0013】
また本発明は、断面略矩形状の筒体の四隅に近接した位置に流体噴射口を設けることで、筒体内の中心部を流れる水の流れが受ける水の抵抗を小さくできるので、本装置の後方からの水を一層好適に通過させることができる。
【0014】
さらに本発明は、流体噴射部を吸込口側端部から噴出口側端部に向けてテーパ状に形成することで、筒体内を流れる水の流れを流体噴射部で遮らないようにできるので、多量の水を一層好適に通過させることができる。
【0015】
本発明の請求項2は、前記筒体の噴出口側で左右壁近傍に、左右壁に沿わせてそれぞれ断面円形のロッドを設け、このロッドの下流側に臨む部位を平坦部としたことを特徴とする。
【0016】
このように、本発明は筒体の噴出口側に断面円形のロッドを設け、このロッドの下流側に臨む部位を平坦部としたので、筒体の噴出口から噴出した水の流れをロッドで制御し、このロッドで水の流れを制御することにより、噴出口から噴出する水にカルマン渦を発生させることができる。
【0017】
本発明の請求項3は、前記平坦部に、凹溝型のノッチが前記上下壁に対して平行に形成されたことを特徴とする。
【0018】
このように、平坦部に凹溝型、例えば断面略ロ字状、U字状、V字状のノッチを形成することで、噴出口から噴出する水にさらに強い力のカルマン渦を発生させることを目的としている。
【0019】
上記の請求項2及び3において、ノッチ部分が発生した渦を引きつけ、この部分の回転力が強くなる。この効果により、ノッチが無いロッドに比べて、長い時間(耐久性のある)渦が形成される。
【0020】
本発明の請求項4は、前記ノッチが前記平坦部に単数又は複数形成されたことを特徴とする。
【0021】
この平坦部に形成するノッチの数を単数又は複数にすることで、噴出口から噴出する水に、一層良好にカルマン渦を発生させることができる。
【0022】
本発明の請求項5は、筒体の上下壁及び/又は左右壁の一部を切り欠くように構成したことを特徴とする。
【0023】
前記筒体の上下壁及び/又は左右壁の一部を切り欠くことで、切り欠いた筒体の面が開放され、切り欠いた側の対流を強く構成できるようになる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下添付図面に基づいて、本発明に係る流体対流ノズル装置の一実施の形態を詳説する。
図1は本発明に係る流体対流ノズル装置の第1実施の形態を示す斜視図、図2は同要部を示す斜視図、図3は同作用を示す平面図、図4〜図5は同装置を貯水場の略中央に配置した状態の作用を示す説明図、図6は同装置を貯水場の略中央からずらせた位置に配置した状態の作用を示す説明図である。
【0025】
図1に示す第1実施の形態の流体対流ノズル装置10は、一端の開口を吸込口12とするとともに他端の開口を噴出口13とする中空状の筒体11と、この筒体11の内壁面14に噴出口13に臨む流体噴射口22(一例として4個)を備え、これらの流体噴射口22から噴出口13に向けて流体を高速度で噴射するための噴射手段20とで構成される。
【0026】
筒体11は、筒体11を左右壁11a,11b及び上下壁11c,11dで断面略矩形状に形成し、吸込口12側に、吸込口12から噴出口13へ向けて開口が順次小さくなるテーパ状の吸込部15を備える。
【0027】
筒体11の四隅16に近接した位置には、それぞれ流体噴射口22が形成された流体噴射部21が設けられている。
図2に示すように、この流体噴射部21は、吸込口12側の端部21aから噴出口13側の端部21bに向けて、表面21cが筒体11の内側に向けて順次突出するようにテーパ状に形成され、噴出口13側の端部21bに流体噴射口22が設けられている。
【0028】
図1に示すように、筒体11の四隅16に近傍した位置には、それぞれ流体供給口24(奥側の1個は図示せず)が外側に突出した状態で設けられ、これらの流体供給口24は流体噴射部21内の流路(図示せず)を経て流体噴射口22に連通されている。
それぞれの流体供給口24には、図示しないチューブやホース等の流体供給流路の一端が接続され、この流体供給流路の他端が流体供給源(図示せず)に接続される。なお、流体供給口24及び流体噴射口22は、筒体の対角位置に存する二隅に近接した位置に設けるようにすることもでき、これによれば構成を簡素にして誘導流の効果を確保することができる。
【0029】
このため、流体供給源を駆動することにより、流体供給流路を経て各流体供給口24まで流体を導き、それぞれの流体供給口24から流体噴射部21の流路を経て、図3に示すように4個の流体噴射口22から流体を矢印A方向に高速度で噴射することができる。
【0030】
ここで図3に示すように、流体噴射部21の噴出口13側の端部21bは、角度αに傾斜されている。よって、流体噴射口22からの流体を、矢印Aで示すように筒体11の中心軸に向けて角度α分傾斜させて高速度で噴射することができる。
このように、流体の噴射方向を筒体11の中心軸に向けて角度α分傾斜させることで、流体を筒体11の内壁面14(図1参照)から離すことができ、噴出口13に向けて効率よく流体を噴射することができ、かつ装置の後方に吸引力が働くため、誘導流を得ることができる。
【0031】
つぎに、流体対流ノズル装置10の作用を図3〜図6に基づいて説明する。
まず、図3に示す流体対流ノズル装置10の流体供給口24に、図示しない流体供給流路を接続して、流体供給口24に高圧小型ポンプのような流体供給源(図示せず)を接続する。この状態で、流体対流ノズル装置10を所望の設置場所にセットする。
【0032】
ここで、本発明の流体対流ノズル装置10は、中空状の筒体11の内壁面14(図1参照)に流体噴射口22を備えただけのコンパクトな構成とすることができるので、流体対流ノズル装置10を設置場所に容易にセットすることができる。
また、流体対流ノズル装置10の使用後は、設置場所から流体対流ノズル装置10を簡単に引き上げることもできる。
【0033】
流体対流ノズル装置10をセットした後、流体供給源を駆動することにより、流体供給口24を経て流体噴射部21内に流体を供給し、この流体を流体噴射部21内の流路(図示せず)を通して流体噴射口22まで導き、図3に示すように流体噴射口22から筒体11の噴出口13に向けて流体を矢印A方向に高速度で噴射する。
【0034】
流体噴射口22から傾斜角度をもって高速噴射される流れAと、この流れAの力により吸引される装置後方からの誘導流Bが吸込口12から筒体11の内部に入り込み、加速しながら流れAと合流する。この流路に筒体11の吸引口12側にテーパ状の吸込部15を備えたことにより、低い摩擦抵抗で多量の水を吸い込むことが可能となる。
【0035】
噴出口13もテーパ状に広がっているが、同様に低圧力損失と放出流Cがやや拡散し、外部誘導流Dを強く引き込むことができるようになっている。
【0036】
ついで図1に示すように、筒体11の四隅16に近接した位置に流体噴射部21を設けるとともに、図2に示すように流体噴射部21の表面21cをテーパ状に形成することで、流体噴射部21の構成を水の流れを妨げない構造のものとすることができ、筒体11内に取り込んだ水を筒体11内で円滑に流すことができるようになる。
【0037】
このように、筒体11内に比較的多量の水を吸い込み、かつ筒体11内に取り込んだ水を筒体11内で円滑に流すことで、筒体11の吸込口12から水を連続的に効率よく筒体11内に吸い込むことができ、吸い込んだ水を噴出口13から矢印C(図3参照)のように連続的に効率よく噴出することができる。
この際、筒体11の周囲に存在する水を矢印Dのように流すことができるので、この部分にも誘導流による対流効果を及ぼすことが可能となる。
【0038】
図4は、流体対流ノズル装置10を、筒体11の上下壁11c,11d(11dは図1参照)を上下に配置して貯水場30の略中央にセットし、流体対流ノズル装置10を作動させて、筒体11の吸込口12から水を矢印Bのように筒体11内に吸い込み、吸い込んだ水を噴出口13から矢印Cのように効率よく噴出させることにより、筒体11の左右壁11a,11b側のエリアの水を矢印Dのように好適に対流させた状態を示している。
【0039】
また図5は、流体対流ノズル装置10を、筒体11の左右壁11a,11b(11bは図1参照)を上下に配置して貯水場30の略中央にセットすることで、筒体11の上下壁11c,11d側のエリアの水を矢印Dのように好適に対流させた状態を示している。
【0040】
このように、本発明の流体対流ノズル装置10によれば、筒体11の左右壁11a,11b側のエリアの水を矢印Dのように好適に対流させるとともに、筒体11の上下壁11c,11d側のエリアの水も矢印Dのように好適に対流させることができる。
【0041】
以上で説明した矢印Dの対流は、いずれも流体による誘導流の作用で、筒対の外部に存在する水であるにもかかわらず、噴出流Cにより効果的な誘導流Bを発生させることができた結果によるものである。
【0042】
図4及び図5においては、流体対流ノズル装置10を貯水場30の略中央にセットした例について説明したが、図6に示すように流体対流ノズル装置10を貯水場30の中央からずらせてセットすることも可能である。
【0043】
この場合でも、図4及び図5と同様に、筒体11の左右壁11a,11b側のエリアの水や、筒体11の上下壁11c,11d側のエリアの水を矢印Dのように好適に対流させることができる。
このため、本発明の流体対流ノズル装置10を比較的ルーズにセットしたとしても、十分効果的な対流発生効果を得ることができるので、取り扱いを容易にできるという特徴がる。
【0044】
ここで対流の強さを、筒体11の左右、又は上下で変化をもたせたいような場合には、強くしたいと希望する側の筒体11の壁面を切り欠くことで対応することができ、設置場所の要望により自由にその調整を行うことが可能である。
【0045】
つぎに、第2実施の形態について説明する。なお、第2実施の形態において、第1実施の形態と同一構成部材については同一符号を付して説明を省略する。
【0046】
図7に示す第2実施の形態の流体対流ノズル装置40は、一端の開口を吸込口12とするとともに他端の開口を噴出口13とする中空状の筒体11と、この筒体11の内壁面14に噴出口13に臨む流体噴射口22を備え、この流体噴射口22から噴出口13に向けて流体を高速度で噴射する噴射手段20と、筒体11の噴出口13側で左右壁11a,11b近傍に、左右壁11a,11bに沿わせて設けられた一対のロッド41とからなる。
【0047】
すなわち、第2実施の形態の流体対流ノズル装置40は、筒体11の噴出口13側で左右壁11a,11b近傍に、左右壁11a,11bに沿わせて一対のロッド41をビス43で取り付けた点で第1実施の形態と異なるだけで、その他の構成は第1実施の形態と同様である。
【0048】
ロッド41は、図8に示すように略断面円形に形成されるとともに、上端から下端に貫通するねじ孔44が形成され、ロッド41の外周面41aのうち下流側に臨む部位が平坦部42に形成されている。
ねじ孔44に、図7に示すビス43をねじ結合することにより、ロッド41を筒体11に取り付けることができる。
【0049】
また、ロッド41に平坦部42を備えることで、筒体11の噴出口13から噴出した水の流れを、ロッド41で制御することができる。
ロッド41で水の流れを制御することで、図9に示すように噴出口13から噴出される水に効率的にカルマン渦45を発生させることができる。
【0050】
これにより、図10に示すように流体噴射口22から流体を矢印A方向に噴射して、噴出口13から噴出した噴出流Bにカルマン渦45を発生させることができる。
【0051】
つぎに、第3〜第4実施の形態を図11〜図12に基づいて説明する。
なお、第3〜第4実施の形態において、第2実施の形態と同一部材については同一符号を付して説明を省略する。
図11に示す第3実施の形態の流体対流ノズル装置は、ロッド51の外周面41aのうち下流側に臨む部位が平坦部42に形成され、平坦部42の略中央に断面略V字形のノッチ52が上下壁に対して平行に形成されている。
【0052】
このように、平坦部42にノッチ52を備えることで、筒体11の噴出口13(図7参照)から噴出した水(噴出流B)にカルマン渦45(図10参照)を効率よく発生することができる。
なお、平坦部42に形成するノッチ52を一本にすることで、ノッチ52の加工が簡単にできる。
【0053】
図12に示す第4実施の形態の流体対流ノズル装置は、ロッド61の平坦部42にノッチ52が複数(一例として3本)形成された点で第3実施の形態と異なるだけで、その他の構成は第3実施の形態と同様である。
平坦部42にノッチ52を3本備えることで、筒体11の噴出口13(図7参照)から噴出した水にカルマン渦45(図10参照)を複雑な形に発生させることができ、攪拌性能を上げることができる。
【0054】
なお、前記実施の形態では、筒体11の四隅16に近接した位置にそれぞれ流体噴射口22を設けた例について説明したが、流体噴射口22の配設位置はこれに限られることなく、任意に決めることができる。
また、前記実施の形態では、本発明の流体対流ノズル装置を使用して貯水場内の水を対流させる例について説明したが、これに限らないで、水以外の流体を対流させることも、もちろん可能である。
【0055】
【発明の効果】
以上述べたように、請求項1による流体対流ノズル装置によれば、断面矩形状で中空状の筒体の内壁面に流体噴射口を備え、この流体噴射口を噴出口に臨ませただけの簡素な構成としたため、コンパクト化を図ることができる。
よって、流体対流ノズル装置を貯水場内に容易にセットすることができ、かつ使用後は貯水場内から簡単に引き上げることができるので、取扱い性の向上を図ることができる。
【0056】
また、流体噴射口から筒体の噴出口に向けて流体を高速度で噴射することにより誘導流を形成し、この誘導流の作用により筒体内の水を噴出口から多量に噴出することができるので、筒体の吸込口から水を多量に吸い込み、吸い込んだ水を噴出口から効果的に噴出して対流を発生させることができる。
【0057】
さらに、筒体の吸込口側にテーパ状の吸込部を備えることで、筒体内に比較的多量の水を効率よく吸い込むことができるので、貯水場内の水を一層好適に対流させることができる。
【0058】
また、断面略矩形状の筒体の四隅に近接した位置に流体噴射口を設けることで、筒体内を流れる水の流れが受ける抵抗を小さくすることができるので、筒体内に取り込んだ水を、筒体内で円滑に通過させることができる。
【0059】
さらに、断面略矩形状の筒体の対角位置の二隅に近接した位置に流体噴射口を設けることで、請求項2と同様の効果が得られるものを簡単に製造できるという効果がある。
【0060】
さらに、流体噴射部を吸込口側端部から噴出口側端部に向けてテーパ状に形成することで、筒体内を流れる水の流れが受ける抵抗を小さくすることができるので、筒体内に取り込んだ水を、筒体内で円滑に通過させることができる。
【0061】
請求項2は、筒体の噴出口側に断面円形のロッドを設け、このロッドの下流側に臨む部位を平坦部としたので、筒体の噴出口から噴出した水の流れを、ロッドで制御することができ、噴出口から噴出する水にカルマン渦を発生させることができる。
【0062】
請求項3は、平坦部に凹溝状のノッチを形成することで、噴出口から噴出する水に強力なカルマン渦を発生させることができる。
【0063】
請求項4は、平坦部に形成するノッチを単数又は複数にすることで、噴出口から噴出する水に強力なカルマン渦を一層良好に発生させることができる。
【0064】
請求項5は、筒体の上下壁及び/又は左右壁の一部を切り欠くことで、切り欠いた筒体の面が開放され、切り欠いた側の対流を強く構成できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る流体対流ノズル装置の第1実施の形態を示す斜視図である。
【図2】 同第1実施の形態の要部を示す斜視図である。
【図3】 同第1実施の形態の作用を示す平面図である。
【図4】 同第1実施の形態を貯水場の略中央に配置した状態の作用を示す説明図である。
【図5】 同第1実施の形態を貯水場の略中央に配置した状態の作用を示す説明図である。
【図6】 同第1実施の形態を貯水場の略中央からずらせた位置に配置した状態の作用を示す説明図である。
【図7】 本発明に係る流体対流ノズル装置の第2実施の形態を示す斜視図である。
【図8】 同第2実施の形態のロッドを示す斜視図である。
【図9】 同第2実施の形態のロッドの作用を示す平面図である。
【図10】 同第2実施の形態の作用を示す平面図である。
【図11】 本発明に係る第3実施の形態のロッドを示す斜視図である。
【図12】 本発明に係る第4実施の形態のロッドを示す斜視図である。
【符号の説明】
10、40…流体対流ノズル装置
11…筒体
11a…左壁
11b…右壁
11c…上壁
11d…下壁
12…吸込口
13…噴出口
14…内壁面
15…テーパ状の吸込部
16…四隅
20…噴射手段
21…流体噴射部
21a…吸込口側の端部
21b…噴出口側の端部
21c…表面
22…流体噴射口
24…流体供給口
30…池や堀等の貯水場
41、51、61…ロッド
41a…外周面
42…平坦部
43…ビス
44…ねじ孔
45…カルマン渦
52…ノッチ
Claims (5)
- 一端の開口を吸込口とするとともに他端の開口を噴出口とする断面矩形状で中空状の筒体であって、この筒体を左右壁及び上下壁で断面略矩形状に形成し、さらにこの筒体の内壁面の四隅に近接した位置に、前記噴出口に臨む流体噴射口を設け、この流体噴射口から噴出口に向けて流体を高速噴射する噴射手段を設け、前記筒体の吸込部を吸込口側から噴出口側に向かって順次小さくなるテーパ面に形成し、前記流体噴射口を形成する流体噴射部を、前記吸込口側端部から噴出口側端部に向けて、かつ筒体の中央に向けて順次流体内に突出するようにテーパ状に形成したことを特徴とする流体対流ノズル装置。
- 前記筒体の噴出口側で左右壁近傍に、左右壁に沿わせてそれぞれ断面円形のロッドを設け、このロッドの下流側に臨む部位を平坦部としたことを特徴とする請求項1記載の流体対流ノズル装置。
- 前記平坦部に、凹溝型のノッチが前記上下壁に対して平行に形成されたことを特徴とする請求項2記載の流体対流ノズル装置。
- 前記ノッチが前記平坦部に単数又は複数形成されたことを特徴とする請求項3記載の流体対流ノズル装置。
- 筒体の上下壁及び/又は左右壁の一部を切り欠くように構成したことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の流体対流ノズル装置。
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