JPH0414128Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （考案の技術分野） 本考案は噴霧器に係り、バイパス部によりバイ
パスされて還流パイプから吐出される薬液の流勢
により攪拌羽根を回転させて、薬液タンク内の薬
液を攪拌するようにしたものである。

（考案の背景） 園芸用などに使用される噴霧器として、薬液タ
ンク内に所望の薬剤が混入された薬液を貯溜し、
該薬液をポンプにより吸い上げて噴霧杆へ給送
し、噴霧杆先端のノズルから散布するようにした
ものが知られている。上記薬剤としては、例えば
殺中剤や薬剤の展着剤などがあるが、この種薬剤
は一般に水よりも比重が大きいため、時間が経つ
につれて次第に沈降し、その一部は薬液タンクの
底部に沈澱する傾向にあり、このため噴霧杆から
散布される薬液の濃度にばらつきを生じやすい問
題点があつた。

（考案の目的） 本考案は、薬液タンク内の薬液を簡単に攪拌で
きる噴霧器を提供することを目的とする。更に詳
しくは、本考案のこの種噴霧器に一般に設けられ
るバイパス液の還流パイプに着眼してなされたも
のであつて、これから吐出される薬液の流勢を利
用することにより、簡単な構成によりタンク内の
薬液を攪拌できる装置を提供することを目的とす
る。

（考案の概要） 本考案は、噴霧杆による薬液の散布を一時的に
停止したときに、ポンプから吐出された薬液を、
ポンプの吐出側に設けられたバイパス部や還流パ
イプを通して薬液タンクに還流させるようにした
噴霧器において、該還流パイプの吐出部に近接し
て、該吐出部から吐出される薬液の流勢により回
転する攪拌羽根を配設している。このように構成
することにより、この種噴霧器に一般に設けられ
る還流パイプから吐出される薬液の流勢を、攪拌
羽根の駆動源として活用し、きわめて簡単な構成
により手軽に薬液の攪拌を行つて、均一な濃度の
薬液を噴霧杆に給送できるようにしている。

（実施例） 次に図面を参照しながら本考案の実施例の説明
を行う。

第１図において、１は本体ケース、２はその下
部に装着された薬液タンクである。本体ケース１
の内部には、ポンプ３やポンプ駆動用モータ４が
配設されており、ポンプ３が駆動すると、これか
らタンク２内に垂設された吸い上げ用パイプ５か
ら薬液が吸い上げられ、送水チユーブ６を介して
ポンプ３に接続された噴霧杆７の先端ノズル７ａ
から薬液が噴出する。７ｂはスイツチ部である。

９はポンプ３の吐出側に設けられたバイパス
部、１０は該バイパス部９に接続された還流パイ
プであつて、該還流パイプ１０はタンク２内に垂
設されており、その下端の吐出部１０ａはタンク
底板２ａの近くに位置している。ポンプ３を駆動
させたままスイツチ部７ｂを操作して噴霧杆７か
らの薬液の散布を一時的に停止すると、バイパス
部９は噴霧杆７側の水圧上昇を検出して作動し、
薬液は還流パイプ１０を通してタンク２内へ還流
する。１２は本体ケース１の上部に設けられた握
り部、１３はスイツチ部である。１４はモータ４
への給電用コードであつて、その先端部には給電
用プラグ１５が取り付けられている。上記還流パ
イプ１０の下端吐出部１０ａは側方へ屈曲してお
り、これに近接して攪拌羽根１６がタンク底板２
ａ上に配設されている（第２図も併せて参照）。
したがつて上述のようにポンプ３を駆動させたま
ま噴霧杆７からの薬液の噴出を一時的に停止し、
バイパス部９から薬液をバイパスしてタンク２内
に還流させると、パイプ１０先端の吐出部１０ａ
から吐出される薬液の流勢により攪拌羽根１６は
回転し、タンク２内の薬液は攪拌される。

（他の実施例） 第３図は本考案の他の実施例を示すものであつ
て、同図ａにおいて還流パイプ１０の下端吐出部
１０ａは屈曲することなくまつすぐに垂下してお
り、その直下に攪拌羽根１７が配設されて、吐出
液の流勢により回転するようになつている。また
同図ｂに示す攪拌羽根１７は、吐出部１０ａの下
端部に装着された保持部材１８に軸着されてい
る。また同図ｃに示すものは、吸い上げ用パイプ
５の下端吸い込み部５ａも上記第１実施例の吐出
部１０ａと同様に側方へ屈曲しており、攪拌羽根
１６は吐出部１０ａと吸い込み部５ａの間に配設
されている。したがつて攪拌羽根１６は吐出部１
０ａからの吐出液の流勢と、吸い込み部５ａの薬
液吸入にともなう流勢とによつて回転される。更
には同図ｄに示すように、還流パイプ１０に近接
して配設される攪拌羽根とは別個に、吸い込みパ
イプ５の吸い込み部５ａに近接する位置にも、攪
拌羽根１７を独立して配設してもよい。このよう
に本考案は種々の設計変更が考えられる。

（考案の効果） 以上説明したように本考案に係る噴霧器は、噴
霧杆７による薬液の散布を一時的に停止したとき
に、バイパス部９によりバイパスされて、還流パ
イプ１０の吐出部１０ａからタンク２内に吐出さ
れる薬液の流勢により、攪拌羽根１６を回転させ
るようにしているので、タンク２内の薬液を手軽
に攪拌することができるものであり、特にこのよ
うに吐出液の流勢を利用することにより、交流電
源や電源電池などの攪拌羽根１６の駆動電力源を
設けることなく、きわめて簡単な構成によりこれ
を回転させることができる。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の実施例を示すものであつて、第１
図は噴霧器の側面図、第２図は要部平面図、第３
図ａ，ｂ，ｃ，ｄは本考案の他の実施例の側面図
および平面図である。 １……本体ケース、２……薬液タンク、３……
ポンプ、４……ポンプ駆動用モータ、７……噴霧
杆、９……バイパス部、１０……還流パイプ、１
０ａ……吐出部、１６，１７……攪拌羽根。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ポンプ３およびポンプ駆動用モータ４が収納さ
   れた本体ケース１と、該本体ケース１の下部に装
   着された薬液タンク２と、上記ポンプ３に接続さ
   れた噴霧杆７とを備え、上記ポンプ３の吐出側に
   バイパス部９を設けて、該バイパス部９に接続さ
   れた還流パイプ１０を、上記薬液タンク２の内部
   に垂設して成る噴霧器において、上記還流パイプ
   １０の吐出部１０ａに近接して、該吐出部１０ａ
   から吐出される薬液の流勢により回転する攪拌羽
   根１６を配設したことを特徴とする噴霧器。