JPH05222358A - 吸油材 - Google Patents

吸油材

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JPH05222358A
JPH05222358A JP4025062A JP2506292A JPH05222358A JP H05222358 A JPH05222358 A JP H05222358A JP 4025062 A JP4025062 A JP 4025062A JP 2506292 A JP2506292 A JP 2506292A JP H05222358 A JPH05222358 A JP H05222358A
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JP
Japan
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oil
monomer
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functional group
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JP4025062A
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English (en)
Inventor
Yoshiyuki Onda
義幸 恩田
Susumu Inaoka
享 稲岡
Tomonori Gomi
知紀 五味
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Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 油水混合系からでも常温で多量の油を選択的
かつ効率的に吸収し、しかも吸収した油の保油性能に優
れ、且つ吸油性能、撥水性、通水性、通気性および保形
性に関して均一性に優れたフィルター等に有用な吸油材
を提供する。 【構成】 C3−30の脂肪族炭化水素基含有(メタ)
アクリレート等の疎水性単量体と縮合性官能基含有単量
体との共重合プレポリマーを架橋性縮合剤で後架橋する
ことにより得られる架橋重合体を多孔質基材に均一担持
してなる吸油材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、吸油材に関する。さら
に詳しくは、油水混合系の油や水面に浮上している薄膜
状油に対しても選択的かつ効率的に油を吸収し、しかも
吸収した油の保油性能に優れ一旦吸収した油の再放出
(液ダレ等)がないため油の回収効率が良く、且つ吸油
性能、撥水性、通水性、通気性および保形性に関して均
一性に優れたフィルター等に有用な吸油材に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、海上への流出油や廃水中の油分の
回収が環境保全上大きな問題となっている。また、家庭
や工場で廃棄される小規模の廃油や工場における機械油
などの漏油の簡便な処理方法が強く望まれている。
【0003】これらの流出油や廃水中の油分の回収ある
いは廃油や漏油の処理の有力な手段の一つとして、吸油
材で油を吸着したのち焼却その他の後処理を行なう手法
が従来より用いられている。このような吸油材として、
例えばポリプロピレン繊維、ポリスチレン繊維、ポリエ
チレン繊維などの疎水性繊維やその不織布からなる合成
樹脂系吸油材が使用されていた。しかし、従来の合成樹
脂系吸油材は、吸油作用が吸油材中に存在する空隙に油
を吸着保持することによるため、吸油後の保油性能に劣
っており、低粘性油に対しては実質的に保油能がなく、
また粘性油に対してもわずかな外圧により容易に吸収し
ていた油を再放出するため液ダレを生じ易く、後処理が
きわめてに煩雑になる欠点を有していた。また、油水混
合系の油分や水面に浮上している薄膜状油の回収に適用
した場合、油の回収率が悪く、しかも水分も多量に吸収
するため、吸油材が水中に沈んで回収が困難であったり
回収後の焼却に不都合が生じる問題点があった。
【0004】これらの問題点を解決する吸油材として、
本発明者らは特定の疎水性不飽和単量体を架橋性単量体
とともに共重合して得られる架橋重合体を疎水性多孔質
基材に担持してなる吸油材(特願平2−148669
号)を提案している。しかし、この吸油材は、油水混合
系からの選択的吸油能や保油能に向上が認められるもの
の、架橋重合体を多孔質基材上に均一に担持したものと
するのが困難であり、吸油性能、撥水性、通水性、通気
性および保形性に関して均一性に劣る問題点があった。
したがって、この吸油材を例えばオイルミストフィルタ
ー等に使用する際、架橋重合体の担持量が少なく通気性
の比較的大きい箇所からオイルミストが漏れ出る結果、
オイルミスト捕集効率を高めることができなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の吸油
材が有する前記問題点を解決するものである。すなわ
ち、本発明の目的は、油水混合系からでも常温で多量の
油を選択的かつ効率的に吸収し、しかも吸収した油の保
油性能に優れ、且つ吸油性能、撥水性、通水性、通気性
および保形性に関して均一性に優れたフィルター等に有
用な吸油材を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、特定の単
量体を重合して得た縮合性官能基を有する重合体を架橋
性縮合剤により後架橋することにより得られる架橋重合
体を多孔質基材に担持することにより前記目的が達成で
きることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち本発明は、溶解度パラメーター
(SP値)が9以下の単量体を主成分としてなる分子中
に1個の重合性不飽和基を有する単量体(A)90〜9
9.995重量%および分子中に少なくとも1個の縮合
性官能基(X)を有し且つ1個の重合性不飽和基を有す
る単量体(B)0.005〜10重量%(ただし単量体
(A)および(B)の合計は100重量%である。)か
らなる単量体成分を重合して得られる重合体(I)を、
縮合性官能基(X)と縮合し得る縮合性官能基(Y)を
分子中に少なくとも2個有する架橋性縮合剤(C)によ
り架橋することによって得られる架橋重合体(II)を多
孔質基材に担持してなる吸油材に関する。
【0008】
【作用】溶解度パラメーター(SP値)は、化合物の極
性を表す尺度として一般的に用いられており、本発明で
はSmallの計算式にHoyの凝集エネルギー定数を
代入して導いた値を適用するものとし、単位は(cal
/cm31/2で表せる。
【0009】本発明で用いられる単量体(A)の主成分
を構成する単量体は、溶解度パラメーター(SP値)が
9以下で分子中に1個の重合性不飽和基を有する単量体
であり、溶解度パラメーター(SP値)が9を越える単
量体を単量体(A)の主成分に用いると、吸油性能の不
十分な架橋重合体しか得られないため好ましくない。
【0010】溶解度パラメーター(SP値)が9以下で
分子中に1個の重合性不飽和基を有する単量体として
は、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メ
タ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、t-ブ
チル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メ
タ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、
ドデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)ア
クリレート、フェニル(メタ)アクリレート、オクチル
フェニル(メタ)アクリレート、ノニルフェニル(メ
タ)アクリレート、ジノニルフェニル(メタ)アクリレ
ート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、メンチル
(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレ
ート、ジブチルマレエート、ジドデシルマレエート、ド
デシルクロトネート、ジドデシルイタコネートなどの不
飽和カルボン酸エステル;(ジ)ブチル(メタ)アクリ
ルアミド、(ジ)ドデシル(メタ)アクリルアミド、
(ジ)ステアリル(メタ)アクリルアミド、(ジ)ブチ
ルフェニル(メタ)アクリルアミド、(ジ)オクチルフ
ェニル(メタ)アクリルアミドなどの炭化水素基を有す
る(メタ)アクリルアミド;1−ヘキセン、1−オクテ
ン、イソオクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ドデ
センなどのα−オレフィン;ビニルシクロヘキサンなど
の脂環式ビニル化合物;ドデシルアリルエーテルなどの
炭化水素基を有するアリルエーテル;カプロン酸ビニ
ル、ラウリン酸ビニル、パルミチン酸ビニル、ステアリ
ン酸ビニルなどの炭化水素基を有するビニルエステル;
ブチルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテルなどの
炭化水素基を有するビニルエーテル;スチレン、t-ブチ
ルスチレン、オクチルスチレンなどの芳香族ビニル化合
物などをあげることができ、これらの単量体を1種また
は2種以上用いることができる。これらの中でも、より
優れた吸油性能および保油性能を与える単量体として、
少なくとも1個の炭素数3〜30の脂肪族炭化水素基を
有し、かつアルキル(メタ)アクリレート、アルキルア
リール(メタ)アクリレート、アルキル(メタ)アクリ
ルアミド、アルキルアリール(メタ)アクリルアミド、
アルキルスチレンおよびα−オレフィンからなる群より
選ばれる少なくとも1種の不飽和化合物(a)を主成分
としてなる単量体(A)が特に好ましい。
【0011】このような溶解度パラメーター(SP値)
が9以下の単量体の単量体(A)中における使用量は、
単量体(A)の全体量に対して50重量%以上、より好
ましくは70重量%以上となる割合である。溶解度パラ
メーター(SP値)が9以下の単量体の単量体(A)中
の使用量が50重量%未満では、吸油性能や保油性能に
劣った架橋重合体しか得られない。
【0012】したがって、本発明では、単量体(A)中
に溶解度パラメーター(SP値)が9以下の単量体が5
0重量%以上含有される必要があるが、単量体(A)中
に50重量%以下の割合で溶解度パラメーター(SP
値)が9を越える分子中に1個の重合性不飽和基を有す
る単量体で単量体(B)以外の化合物が含有されてもよ
い。このような単量体として例えばメトキシポリエチレ
ングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエ
チレングリコール(メタ)アクリレートなどをあげるこ
とができる。
【0013】本発明で用いられる分子中に少なくとも1
個の縮合性官能基(X)を有し且つ1個の重合性不飽和
基を有する単量体(B)は、後述する架橋性縮合剤
(C)中の縮合性官能基(Y)と縮合して結合を形成す
る縮合性官能基(X)を有する化合物であり、このよう
な単量体(B)の例としては、(メタ)アクリル酸、フ
マル酸、イタコン酸などのカルボキシル基を有するビニ
ル系単量体;ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、
ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、プ
ロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプ
ロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリセ
リンモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパ
ンモノ(メタ)アクリレート、ヒドロキシスチレンなど
のヒドロキシル基を有するビニル系単量体;ビニルメル
カプタン、メルカプトエチル(メタ)アクリレートなど
のメルカプト基を有するビニル系単量体;(メタ)アク
リロニトリルなどのニトリル基を有するビニル系単量
体;アミノエチル(メタ)アクリレート、ビニルピリジ
ンなどのアミノ基を有するビニル系単量体;(メタ)ア
クリルアミドなどのアミド基を有するビニル系単量体;
ビニルイソシアナートなどのイソシアナート基を有する
ビニル系単量体;グリシジル(メタ)アクリレートなど
のエポキシ基を有するビニル系単量体;無水マレイン酸
などの酸無水物のビニル系単量体などをあげることがで
き、これら単量体を1種または2種以上用いることがで
きる。
【0014】重合体(I)を製造する際に用いられる単
量体成分中の単量体(A)および単量体(B)の比率
は、単量体(A)および単量体(B)の合計量に対し
て、単量体(A)が90〜99.995重量%の範囲、
単量体(B)が0.005〜10重量%の範囲である。
【0015】単量体(A)が90重量%未満であると、
後に架橋性縮合剤(C)を添加して得られる架橋重合体
の架橋密度が増加し過ぎたり残存する縮合性官能基が増
大し、吸油性能や保油性能が著しく低下した吸油材しか
得られないため好ましくない。また、単量体(B)が
0.005重量%未満では、後に架橋性縮合剤(C)を
添加して得られる架橋重合体の架橋密度が不足し、得ら
れる架橋重合体に流動性が生じたり、油への可溶性が増
大して吸油後の重合体に流動性が生じるなど架橋重合体
の強度や保油性能が低下するため好ましくない。
【0016】重合体(I)を製造するには、重合開始剤
を用いて単量体(A)および(B)からなる単量体成分
を共重合させればよい。共重合は、溶媒中での重合や塊
状重合などの公知の方法により行うことができる。
【0017】溶媒中での重合は、たとえば、エチルアル
コール、イソプロピルアルコール、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、シクロヘキサン、n−ヘキサン、ジオキ
サン、酢酸エチル、アセトン、メチルエチルケトンなど
の溶媒中において重合開始剤の存在下で重合すればよ
く、回分式または連続式のいずれを用いても行うことが
できる。重合開始剤としては、たとえば、ベンゾイルパ
ーオキシド、ラウロイルパーオキシド、クメンハイドロ
パーオキシドなどの有機過酸化物;N,N´−アゾビス
イソブチロニトリル、N,N´−アゾビスジメチルバレ
ロニトリルなどのアゾ化合物などを用いることができ、
重合温度は用いる溶媒や重合開始剤により適宜定められ
るが、通常0〜120℃の範囲で行われる。
【0018】塊状重合は、例えば、単量体(A)および
(B)からなる単量体成分を上記重合開始剤の存在下、
50〜150℃の条件下にて重合すればよい。
【0019】本発明で用いられる縮合性官能基(Y)を
分子中に少なくとも2個有する架橋性縮合剤(C)は、
単量体(B)に基いて重合体(I)中に含有されている
縮合性官能基(X)と縮合し架橋剤として働く化合物で
あり、重合体(I)に含有される縮合性官能基(X)に
応じて適宜選定できる。このような架橋性縮合剤(C)
の例としては、縮合性官能基(X)がカルボキシル基、
メルカプト基、ニトリル基、エポキシ基である場合に縮
合可能な、ジメチロールフェノールやポリメチロールフ
ェノールなどのフェノール樹脂;縮合性官能基(X)が
カルボキシル基、ヒドロキシル基である場合に縮合可能
な、メラミンやベンゾグアナミンや尿素などのアミノ化
合物とホルムアルデヒドやアルコールとを付加縮合した
アミノ樹脂;縮合性官能基(X)がカルボキシル基、イ
ソシアナート基、エポキシ基である場合に縮合可能な、
ヘキサメチレンジアミンやジエチレントリアミンやテト
ラエチレンペンタミンなどの多価アミノ化合物;縮合性
官能基(X)がカルボキシル基、ヒドロキシル基、メル
カプト基、イソシアナート基、アミド基、アミノ基、エ
ポキシ基である場合に縮合可能な、ヘキサメチレンジイ
ソシアナート、イソホロンジイソシアナート、p−フェ
ニレンジイソシアナート、2,4−トルエンジイソシア
ナート、2,6−トルエンジイソシアナート、1,5−
ナフタレンジイソシアナート、これらのイソシアナート
とメタノールやフェノールなどを縮合させたブロックド
イソシアナートなどのイソシアナート化合物;縮合性官
能基(X)がエポキシ基、イソシアナート基である場合
に縮合可能な、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、フタ
ル酸、テレフタル酸などの多価カルボン酸;縮合性官能
基がヒドロキシル基、イソシアナート基、エポキシ基で
ある場合に縮合可能な、無水フタル酸やピロメリット酸
無水物やベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物などの
酸無水物;縮合性官能基(X)がヒドロキシル基、メル
カプト基、アミノ基、アミド基である場合に縮合可能
な、グリオキザルやテレフタルアルデヒドなどのアルデ
ヒド化合物;縮合性官能基(X)が、ヒドロキシル基、
イソシアナート基、エポキシ基である場合に縮合可能
な、エチレングリコールやジエチレングリコールやプロ
ピレングリコールやヘキサンジオールなどの多価アルコ
ール;縮合性官能基(X)がカルボキシル基、ヒドロキ
シル基、メルカプト基、イソシアナート基である場合に
縮合可能な、トルエンジグリシジルエーテルやヘキサメ
チレンジグリシジルエーテルやビスフェノールAジグリ
シジルエーテルやポリプロピレングリコールジグリシジ
ルエーテルなどのエポキシ化合物などをあげることがで
き、重合体(I)に含有されている縮合性官能基(X)
の種類により、その組合せは適宜定められ、これらの1
種または2種以上用いることができる。
【0020】これらの中でも特に好ましい縮合性官能基
(X)と縮合性官能基(Y)の組合せは、カルボキシル
基、ヒドロキシル基、メルカプト基、アミノ基およびア
ミド基からなる群より選ばれる少なくとも1つの官能基
とイソシアナート基、エポキシ基および無水カルボン酸
基からなる群より選ばれる少なくとも1つの官能基との
組合せである。
【0021】架橋を行う際に用いられる重合体(I)お
よび架橋性縮合剤(C)の比率は、重合体(I)の構成
単位である単量体(B)の有する縮合性官能基(X)の
モル数と架橋性縮合剤(C)が有する縮合性官能基
(Y)のモル数の関係から決定され、縮合性官能基
(X)1モルに対する縮合性官能基(Y)のモル数が
0.1〜10の範囲であることが好ましい。
【0022】縮合性官能基(Y)のモル数が縮合性官能
基(X)のモル数1に対して0.1未満であったり10
を越えると、架橋が充分に行えず強度の低い架橋重合体
しか得られなかったり、場合によっては架橋重合体が形
成されなくなるので好ましくない。
【0023】本発明の吸油材を製造するには、重合体
(I)を架橋性縮合剤(C)により架橋して架橋重合体
(II)を生成させると共に架橋重合体(II)を多孔質基
材に担持すればよい。架橋重合体(II)を多孔質基材に
均一に担持して本発明の吸油材を製造する好ましい方法
としては、重合体(I)と架橋性縮合剤(C)とを必要
に応じ不活性溶剤の存在下に混合し、必要に応じ反応促
進触媒を添加した後、架橋反応が進行する前に混合物を
多孔質基材上に付着またはコーティングし、該混合物を
基材上で常温下または加温条件下に縮合架橋させること
により、多孔質基材上に任意の厚みで架橋重合体(II)
を被覆する方法をあげることができる。
【0024】本発明に用いられる多孔質基材としては、
架橋重合体(II)を有効に担持できる広い表面積と油を
吸収保持する空隙を有する多孔質基材であれば特に制限
なく、例えばポリオレフィン、ポリエステル、ナイロ
ン、ポリウレタン、セルロース、ビスコース、レーヨ
ン、キュプラ、アセテート、原料パルプ、綿、無機材料
などからなる不織布、織布または紙、あるいは発泡技術
を用いたプラスチックフォームなどをあげることができ
る。
【0025】
【実施例】次に、本発明について、実施例をあげて詳細
に説明するが、本発明はこれだけに限定されるものでは
ない。なお、例中に特に断わりのない限り部は重量部を
表すものとする。
【0026】
【実施例1】温度計、攪拌機、2本の滴下ロート、ガス
導入管および還流冷却器を備えたフラスコにトルエン2
0部を仕込み攪拌下にフラスコ内を窒素置換し、窒素気
流下に80℃に加熱した。その後、窒素気流下に同温度
に維持しながら単量体(A)としてノニルフェニルアク
リレート(SP値:8.3)98.708部、単量体
(B)としてヒドロキシエチルアクリレート1.292
部およびトルエン50部からなる単量体混合溶液を2時
間かけて滴下し、同時にもう一方の滴下ロートから、ア
ゾビスジメチルバレロニトリル0.5部およびトルエン
30部からなる重合開始剤溶液を3時間かけて滴下し
た。滴下終了後さらに同温度で1時間維持して重合を完
了させた後、減圧下溶媒を留去することにより重合体
(1)を得た。
【0027】次いで、ステンレス製バットに重合体
(1)100部、架橋性縮合剤(C)としてヘキサメチ
レンジイソシアナート1.871部(縮合性官能基のモ
ル比は(Y)/(X)=2)および触媒としてジ−n−
ブチルスズジラウレート0.1部からなる混合溶液を仕
込み、20cm×20cmに裁断したポリプロピレン製
不織布(目付け200g/m2、嵩密度0.1g/c
3)を浸漬した後引き上げ、簡易ローラーにて絞っ
た。その後この混合溶液の付着したポリプロピレン製不
織布を温風乾燥機中に入れ、80℃で4時間加熱するこ
とにより架橋重合体が均一に担持された吸油材(1)を
得た。この時の架橋重合体のポリプロピレン製不織布へ
の担持量は、ポリプロピレン製不織布100部に対して
100部の割合であった。
【0028】
【実施例2】実施例1において単量体(A)としてヘキ
サデシルメタクリレート(SP値:7.8)59.30
0部およびN,N−ジオクチルアクリルアミド(SP
値:8.2)39.533部を代わりに用いヒドロキシ
エチルアクリレートの量を1.167部に変更した以外
は、実施例1と同様の方法により重合体(2)を得た。
【0029】次いで、ステンレス製バットに重合体
(2)100部、架橋性縮合剤(C)としてヘキサメチ
レンジイソシアナート1.690部((Y)/(X)=
2)および触媒としてジ−n−ブチルスズジラウレート
0.1部からなる混合溶液を仕込み、20cm×20c
mに裁断したポリプロピレン製不織布(目付け200g
/m2、嵩密度0.1g/cm3)を浸漬した後引き上
げ、簡易ローラーにて絞った。その後この混合溶液の付
着したポリプロピレン製不織布を温風乾燥機中に入れ、
80℃で4時間加熱することにより架橋重合体が均一に
担持された吸油材(2)を得た。この時の架橋重合体の
ポリプロピレン製不織布への担持量は、ポリプロピレン
製不織布100部に対して100部の割合であった。
【0030】
【実施例3】実施例1において単量体(A)としてドデ
シルアクリレート(SP値:7.9)98.527部を
代わりに用い、ヒドロキシエチルアクリレートの量を
1.473部に変更した以外は実施例1と同様の方法に
より重合体(3)を得た。
【0031】次いで、ステンレス製バットに重合体
(3)100部、架橋性縮合剤(C)としてヘキサメチ
レンジイソシアナート2.133部((Y)/(X)=
2)および触媒としてジ−n−ブチルスズジラウレート
0.1部からなる混合溶液を仕込み、20cm×20c
mに裁断したポリプロピレン製不織布(目付け200g
/m2、嵩密度0.1g/cm3)を浸漬した後引き上
げ、簡易ローラーにて絞った。その後この混合溶液の付
着したポリプロピレン製不織布を温風乾燥機中に入れ、
80℃で4時間加熱することにより架橋重合体が均一に
担持された吸油材(3)を得た。この時の架橋重合体の
ポリプロピレン製不織布への担持量は、ポリプロピレン
製不織布100部に対して100部の割合であった。
【0032】
【実施例4】実施例1において単量体(A)としてt−
ブチルスチレン(SP値:7.9)53.718部およ
び1−デセン(SP値:7.0)43.951部を代わ
りに用い、ヒドロキシエチルアクリレートの量を2.3
31部に変更した以外は実施例1と同様の方法により重
合体(4)を得た。
【0033】次いで、ステンレス製バットに重合体
(4)100部、架橋性縮合剤(C)としてヘキサメチ
レンジイソシアナート3.376部((Y)/(X)=
2)および触媒としてジ−n−ブチルスズジラウレート
0.1部からなる混合溶液を仕込み、20cm×20c
mに裁断したポリプロピレン製不織布(目付け200g
/m2、嵩密度0.1g/cm3)を浸漬した後引き上
げ、簡易ローラーにて絞った。その後この混合溶液の付
着したポリプロピレン製不織布を温風乾燥機中に入れ、
80℃で4時間加熱することにより架橋重合体が均一に
担持された吸油材(4)を得た。この時の架橋重合体の
ポリプロピレン製不織布への担持量は、ポリプロピレン
製不織布100部に対して100部の割合であった。
【0034】
【実施例5】実施例1において単量体(A)としてノニ
ルフェニルアクリレート(SP値:8.3)74.13
4部およびメトキシポリエチレングリコールアクリレー
ト(1分子当り平均で9個のエチレンオキシド単位を含
むもの、平均分子量482、SP値:9.4)24.7
11部を代わりに用い、ヒドロキシエチルアクリレート
の量を1.155部に変更した以外は実施例1と同様の
方法により重合体(5)を得た。
【0035】次いで、ステンレス製バットに重合体
(5)100部、架橋性縮合剤(C)としてヘキサメチ
レンジイソシアナート1.673部((Y)/(X)=
2)および触媒としてジ−n−ブチルスズジラウレート
0.1部からなる混合溶液を仕込み、20cm×20c
mに裁断したポリプロピレン製不織布(目付け200g
/m2、嵩密度0.1g/cm3)を浸漬した後引き上
げ、簡易ローラーにて絞った。その後この混合溶液の付
着したポリプロピレン製不織布を温風乾燥機中に入れ、
80℃で4時間加熱することにより架橋重合体が均一に
担持された吸油材(5)を得た。この時の架橋重合体の
ポリプロピレン製不織布への担持量は、ポリプロピレン
製不織布100部に対して100部の割合であった。
【0036】
【実施例6】実施例1において単量体(A)としてドデ
シルアクリレート(SP値:7.9)99.758部を
代わりに用い、ヒドロキシエチルアクリレートの量を
0.242部に変更した以外は実施例1と同様の方法に
より重合体(6)を得た。
【0037】次いで、ステンレス製バットに重合体
(6)100部、架橋性縮合剤(C)としてヘキサメチ
レンジイソシアナート0.350部((Y)/(X)=
2)および触媒としてジ−n−ブチルスズジラウレート
0.1部からなる混合溶液を仕込み、20cm×20c
mに裁断したポリプロピレン製不織布(目付け200g
/m2、嵩密度0.1g/cm3)を浸漬した後引き上
げ、簡易ローラーにて絞った。その後この混合溶液の付
着したポリプロピレン製不織布を温風乾燥機中に入れ、
80℃で4時間加熱することにより架橋重合体が均一に
担持された吸油材(6)を得た。この時の架橋重合体の
ポリプロピレン製不織布への担持量は、ポリプロピレン
製不織布100部に対して100部の割合であった。
【0038】
【実施例7】実施例1において単量体(A)としてドデ
シルアクリレート(SP値:7.9)91.330部、
単量体(B)としてポリエチレングリコールモノメタク
リレート(1分子当り平均で4個のエチレンオキシド単
位を含むもの、平均分子量262)8.670部をそれ
ぞれ代わりに用いた以外は実施例1と同様の方法により
重合体(7)を得た。
【0039】次いで、ステンレス製バットに重合体
(7)100部、架橋性縮合剤(C)としてヘキサメチ
レンジイソシアナート5.559部((Y)/(X)=
2)および触媒としてジ−n−ブチルスズジラウレート
0.1部からなる混合溶液を仕込み、20cm×20c
mに裁断したポリプロピレン製不織布(目付け200g
/m2、嵩密度0.1g/cm3)を浸漬した後引き上
げ、簡易ローラーにて絞った。その後この混合溶液の付
着したポリプロピレン製不織布を温風乾燥機中に入れ、
80℃で4時間加熱することにより架橋重合体が均一に
担持された吸油材(7)を得た。この時の架橋重合体の
ポリプロピレン製不織布への担持量は、ポリプロピレン
製不織布100部に対して100部の割合であった。
【0040】
【実施例8】実施例1において単量体(A)としてドデ
シルアクリレート(SP値:7.9)99.093部、
単量体(B)としてアクリルアミド0.907部をそれ
ぞれ代わりに用いた以外は実施例1と同様の方法により
重合体(8)を得た。
【0041】次いで、ステンレス製バットに重合体
(8)100部、架橋性縮合剤(C)として2,4−ト
ルエンジイソシアナート5.557部((Y)/(X)
=5)および触媒としてジ−n−ブチルスズジラウレー
ト0.1部からなる混合溶液を仕込み、20cm×20
cmに裁断したポリプロピレン製不織布(目付け200
g/m2、嵩密度0.1g/cm3)を浸漬した後引き上
げ、簡易ローラーにて絞った。その後この混合溶液の付
着したポリプロピレン製不織布を温風乾燥機中に入れ、
80℃で4時間加熱することにより架橋重合体が均一に
担持された吸油材(8)を得た。この時の架橋重合体の
ポリプロピレン製不織布への担持量は、ポリプロピレン
製不織布100部に対して100部の割合であった。
【0042】
【実施例9】実施例1において単量体(A)としてドデ
シルアクリレート(SP値:7.9)99.081部、
単量体(B)としてアクリル酸0.919部をそれぞれ
代わりに用いた以外は実施例1と同様の方法により重合
体(9)を得た。
【0043】次いで、ステンレス製バットに重合体
(9)100部、架橋性縮合剤(C)として1,6−ヘ
キサメチレンジグリシジルエーテル2.936部
((Y)/(X)=2)および触媒として2,4,6−
トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール0.1部か
らなる混合溶液を仕込み、20cm×20cmに裁断し
たポリプロピレン製不織布(目付け200g/m2、嵩
密度0.1g/cm3)を浸漬した後引き上げ、簡易ロ
ーラーにて絞った。その後この混合溶液の付着したポリ
プロピレン製不織布を温風乾燥機中に入れ、80℃で4
時間加熱することにより架橋重合体が均一に担持された
吸油材(9)を得た。この時の架橋重合体のポリプロピ
レン製不織布への担持量は、ポリプロピレン製不織布1
00部に対して100部の割合であった。
【0044】
【実施例10】実施例1において単量体(A)としてド
デシルアクリレート(SP値:7.9)98.753
部、単量体(B)として無水マレイン酸1.247部を
それぞれ代わりに用いた以外は実施例1と同様の方法に
より重合体(10)を得た。
【0045】次いで、ステンレス製バットに重合体(1
0)100部、架橋性縮合剤(C)としてジエチレング
リコール1.349部((Y)/(X)=2)および触
媒としてアセチルアセトン第2鉄塩0.1部からなる混
合溶液を仕込み、20cm×20cmに裁断したポリプ
ロピレン製不織布(目付け200g/m2、嵩密度0.
1g/cm3)を浸漬した後引き上げ、簡易ローラーに
て絞った。その後この混合溶液の付着したポリプロピレ
ン製不織布を温風乾燥機中に入れ、80℃で4時間加熱
することにより架橋重合体が均一に担持された吸油材
(10)を得た。この時の架橋重合体のポリプロピレン
製不織布への担持量は、ポリプロピレン製不織布100
部に対して100部の割合であった。
【0046】
【実施例11】実施例1において単量体(A)としてド
デシルアクリレート(SP値:7.9)98.203
部、単量体(B)としてグリシジルメタクリレート1.
797部をそれぞれ代わりに用いた以外は実施例1と同
様の方法により重合体(11)を得た。
【0047】次いで、ステンレス製バットに重合体(1
1)100部、架橋性縮合剤(C)としてアジピン酸
1.848部((Y)/(X)=2)および触媒として
2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノー
ル0.1部からなる混合溶液を仕込み、20cm×20
cmに裁断したポリプロピレン製不織布(目付け200
g/m2、嵩密度0.1g/cm3)を浸漬した後引き上
げ、簡易ローラーにて絞った。その後この混合溶液の付
着したポリプロピレン製不織布を温風乾燥機中に入れ、
80℃で4時間加熱することにより架橋重合体が均一に
担持された吸油材(11)を得た。この時の架橋重合体
のポリプロピレン製不織布への担持量は、ポリプロピレ
ン製不織布100部に対して100部の割合であった。
【0048】
【実施例12】実施例11において架橋性縮合剤(C)
としてヘキサメチレンジアミン1.468部((Y)/
(X)=2)を代わりに用い触媒を用いず乾燥機温度を
70℃に変更した以外は、実施例11と同様の方法によ
り架橋重合体が均一に担持された吸油材(12)を得
た。この時の架橋重合体のポリプロピレン製不織布への
担持量は、ポリプロピレン製不織布100部に対して1
00部の割合であった。
【0049】
【実施例13】実施例11において架橋性縮合剤(C)
として1,2−ジメルカプトエタン1.190部
((Y)/(X)=2)を代わりに用い触媒を用いず乾
燥機温度を90℃に変更した以外は、実施例11と同様
の方法により架橋重合体が均一に担持された吸油材(1
3)を得た。この時の架橋重合体のポリプロピレン製不
織布への担持量は、ポリプロピレン製不織布100部に
対して100部の割合であった。
【0050】
【実施例14】ステンレス製バットに実施例3で得られ
た重合体(3)100部、架橋性縮合剤(C)としてヘ
キサメチレンジイソシアナート2.133部((Y)/
(X)=2)および触媒としてジ−n−ブチルスズジラ
ウレート0.1部からなる混合溶液を仕込み、20cm
×20cmに裁断したポリエステル製不織布(目付け2
00g/m2、嵩密度0.1g/cm3)を浸漬した後引
き上げ、簡易ローラーにて絞った。その後この混合溶液
の付着したポリエステル製不織布を温風乾燥機中に入
れ、80℃で4時間加熱することにより架橋重合体が均
一に担持された吸油材(14)を得た。この時の架橋重
合体のポリエステル製不織布への担持量は、ポリエステ
ル製不織布100部に対して100部の割合であった。
【0051】
【実施例15】ステンレス製バットに実施例3で得られ
た重合体(3)100部、架橋性縮合剤(C)としてヘ
キサメチレンジイソシアナート2.133部((Y)/
(X)=2)および触媒としてジ−n−ブチルスズジラ
ウレート0.1部からなる混合溶液を仕込み、20cm
×20cmに裁断したナイロン製不織布(目付け200
g/m2、嵩密度0.1g/cm3)を浸漬した後引き上
げ、簡易ローラーにて絞った。その後この混合溶液の付
着したナイロン製不織布を温風乾燥機中に入れ、80℃
で4時間加熱することにより架橋重合体が均一に担持さ
れた吸油材(15)を得た。この時の架橋重合体のナイ
ロン製不織布への担持量は、ナイロン製不織布100部
に対して100部の割合であった。
【0052】
【実施例16】ステンレス製バットに実施例3で得られ
た重合体(3)100部、架橋性縮合剤(C)としてヘ
キサメチレンジイソシアナート2.133部((Y)/
(X)=2)および触媒としてジ−n−ブチルスズジラ
ウレート0.1部からなる混合溶液を仕込み、20cm
×20cmに裁断した紙(目付け750g/m2、嵩密
度0.05g/cm3)を浸漬した後引き上げ、簡易ロ
ーラーにて絞った。その後この混合溶液の付着した紙を
温風乾燥機中に入れ、80℃で4時間加熱することによ
り架橋重合体が均一に担持された吸油材(16)を得
た。この時の架橋重合体の紙への担持量は、紙100部
に対して100部の割合であった。
【0053】
【比較例1】実施例3においてドデシルアクリレートの
量を89.219部、ヒドロキシエチルアクリレートの
量を10.781部にそれぞれ変更した以外は実施例3
と同様の方法により重合体(12)を得た。
【0054】次いで、ステンレス製バットに重合体(1
2)100部、架橋性縮合剤(C)としてヘキサメチレ
ンジイソシアナート15.614部((Y)/(X)=
2)および触媒としてジ−n−ブチルスズジラウレート
0.1部からなる混合溶液を仕込み、20cm×20c
mに裁断したポリプロピレン製不織布(目付け200g
/m2、嵩密度0.1g/cm3)を浸漬した後引き上
げ、簡易ローラーにて絞った。その後この混合溶液の付
着したポリプロピレン製不織布を温風乾燥機中に入れ、
80℃で4時間加熱することにより比較吸油材(1)を
得た。この時の架橋重合体のポリプロピレン製不織布へ
の担持量は、ポリプロピレン製不織布100部に対して
100部の割合であった。
【0055】
【比較例2】実施例3においてドデシルアクリレートの
量を99.998部、ヒドロキシエチルアクリレートの
量を0.002部にそれぞれ変更した以外は実施例3と
同様の方法により重合体(13)を得た。
【0056】次いで、ステンレス製バットに重合体(1
3)100部、架橋性縮合剤(C)としてヘキサメチレ
ンジイソシアナート0.003部((Y)/(X)=
2)および触媒としてジ−n−ブチルスズジラウレート
0.1部からなる混合溶液を仕込み、20cm×20c
mに裁断したポリプロピレン製不織布(目付け200g
/m2、嵩密度0.1g/cm3)を浸漬した後引き上
げ、簡易ローラーにて絞った。その後この混合溶液の付
着したポリプロピレン製不織布を温風乾燥機中に入れ、
80℃で4時間加熱したが混合溶液の硬化は見られなか
った。
【0057】
【比較例3】実施例1において単量体(A)としてドデ
シルアクリレート(SP値:7.9)44.519部お
よびメトキシポリエチレングリコールアクリレート(1
分子当り平均で9個のエチレンオキシド単位を含むも
の、平均分子量482、SP値:9.4)54.411
部を代わりに用い、ヒドロキシエチルアクリレートの量
を1.070部に変更した以外は実施例1と同様の方法
により重合体(14)を得た。
【0058】次いで、ステンレス製バットに重合体(1
4)100部、架橋性縮合剤(C)としてヘキサメチレ
ンジイソシアナート1.550部((Y)/(X)=
2)および触媒としてジ−n−ブチルスズジラウレート
0.1部からなる混合溶液を仕込み、20cm×20c
mに裁断したポリプロピレン製不織布(目付け200g
/m2、嵩密度0.1g/cm3)を浸漬した後引き上
げ、簡易ローラーにて絞った。その後この混合溶液の付
着したポリプロピレン製不織布を温風乾燥機中に入れ、
80℃で4時間加熱することにより架橋重合体が均一に
担持された比較吸油材(2)を得た。この時の架橋重合
体のポリプロピレン製不織布への担持量は、ポリプロピ
レン製不織布100部に対して100部の割合であっ
た。
【0059】
【比較例4】ステンレス製バットにドデシルアクリレー
ト(SP値:7.9)97.170部、1,6−ヘキサ
ンジオールジアクリレート2.830部および重合開始
剤として2,2´−アゾビスジメチルバレロニトリル
0.1部からなる混合溶液を仕込み、20cm×20c
mに裁断したポリプロピレン製不織布(目付け200g
/m2、嵩密度0.1g/cm3)を浸漬した後引き上
げ、簡易ローラーにて絞った。その後この混合溶液の付
着したポリプロピレン製不織布を、窒素気流下に50℃
に保温された温風乾燥機中に2時間維持して重合を行
い、さらに80℃に昇温して、同温度で2時間維持して
重合を完了させることにより比較吸油材(3)を得た。
この時の架橋重合体のポリプロピレン製不織布への担持
量は、ポリプロピレン製不織布100部に対して100
部の割合であった。
【0060】しかし、この比較吸油材(3)はポリプロ
ピレン製不織布の表面に架橋重合体が充分に担持されて
いない部分が認められた。また、比較吸油材(3)は、
表面粘着性のため取扱い難いものであり、重ねておくと
一部分くっついてしまった。
【0061】
【実施例17】実施例1〜16で得られた吸油材(1)
〜(16)および比較例1、3、4で得られた比較吸油
剤(1)〜(3)および実施例1で用いたのと同じポリ
プロピレン製不織布のそれぞれを10×10cmに裁断
した。この裁断された試料のそれぞれを20℃の条件下
にトルエンまたはn−デカンに浸漬し、24時間後に金
網上にろ別回収した。次いで、試料を金網上に30分間
放置して試料に保持されないトルエンまたはn−デカン
を流下せしめた後、膨潤試料の重量を測定し、次式に従
い吸油量を計算した。
【0062】 吸油量(g)=浸漬後の試料重量−浸漬前の試料重量 また、吸油後の膨潤試料のそれぞれを200メッシュの
金網上にのせて、試料に10kg/cm2の荷重を1分間か
け、その時に流出するトルエンまたはn−デカン量を測
定し、次式に従い加重後の保油率を計算した。
【0063】保油率(%)={(吸油量−流出量)/吸
油量}×100 吸油量および保油率の測定結果を表1に示した。
【0064】
【表1】
【0065】
【発明の効果】本発明の吸油材は、吸油性能発現に有効
な特定の単量体と縮合性官能基を有する単量体を共重合
して得られる重合体(プレポリマー)を架橋性縮合剤で
後架橋することにより得られる架橋重合体を多孔質基材
に均一担持してなるため、次のような優れた性能を有す
る。
【0066】すなわち、 多量の油を短時間に吸収できる。
【0067】水をほとんど吸収せず、油のみを選択的
に吸収し、また水中溶存油分に対しても高い回収能を示
す。
【0068】吸油後の保油能に優れ、液ダレを生じる
ことがなく後処理がきわめて容易である。
【0069】プレポリマーが適度な粘度を有するため
担持された架橋重合体層の厚みを均一とすることが容易
であり、しかも架橋反応が均一に進行するため担持され
た架橋重合体の性状を均一化しやすいので、吸油材の吸
油性能、撥水性、通水性、通気性および保形性に関して
均一性が高い。
【0070】従って、本発明の吸油材は、海上流出油回
収、浮上油回収、排水中の油分回収、エマルションブレ
ーカー、オイルミストフィルター、漏洩油処理剤、食用
廃油処理剤、機械用廃油処理剤、家庭用または工業用油
ふきとり剤、化学ぞうきん、オイルシール剤および各種
芳香剤、殺虫剤、防汚剤、集魚剤などの徐放性基材とし
て非常に広範な用途に適用することができ、産業の発展
に大きく貢献できるものである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶解度パラメーター(SP値)が9以下
    の単量体を主成分としてなる分子中に1個の重合性不飽
    和基を有する単量体(A)90〜99.995重量%お
    よび分子中に少なくとも1個の縮合性官能基(X)を有
    し且つ1個の重合性不飽和基を有する単量体(B)0.
    005〜10重量%(ただし単量体(A)および(B)
    の合計は100重量%である。)からなる単量体成分を
    重合して得られる重合体(I)を、縮合性官能基(X)
    と縮合し得る縮合性官能基(Y)を分子中に少なくとも
    2個有する架橋性縮合剤(C)により架橋することによ
    って得られる架橋重合体(II)を多孔質基材に担持して
    なる吸油材。
  2. 【請求項2】 単量体(A)が、少なくとも1個の炭素
    数3〜30の脂肪族炭化水素基を有し、かつアルキル
    (メタ)アクリレート、アルキルアリール(メタ)アク
    リレート、アルキル(メタ)アクリルアミド、アルキル
    アリール(メタ)アクリルアミド、アルキルスチレンお
    よびα−オレフィンからなる群より選ばれる少なくとも
    1種の不飽和化合物(a)を主成分としてなるものであ
    る請求項1記載の吸油材。
  3. 【請求項3】 単量体(B)中に含まれる縮合性官能基
    (X)と架橋性縮合剤(C)中に含まれる縮合性官能基
    (Y)との組合せが、カルボキシル基、ヒドロキシル
    基、メルカプト基、アミノ基およびアミド基からなる群
    より選ばれる少なくとも1つの官能基とイソシアナート
    基、エポキシ基および無水カルボン酸基からなる群より
    選ばれる少なくとも1つの官能基との組合せである請求
    項1記載の吸油材。
  4. 【請求項4】 縮合性官能基(X)および縮合性官能基
    (Y)の量比が、縮合性官能基(X)1モルに対して縮
    合性官能基(Y)が0.1〜10モルの範囲である請求
    項1記載の吸油材。
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