JPH05222292A - 水性シリコーン乳濁液及びその製造方法 - Google Patents

水性シリコーン乳濁液及びその製造方法

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JPH05222292A
JPH05222292A JP30070892A JP30070892A JPH05222292A JP H05222292 A JPH05222292 A JP H05222292A JP 30070892 A JP30070892 A JP 30070892A JP 30070892 A JP30070892 A JP 30070892A JP H05222292 A JPH05222292 A JP H05222292A
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emulsion
water
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JP30070892A
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Brian Eric Craig
エリック クレイグ ブライアン
Christopher John Dunning
ジョン ダニング クリストファー
Gloria Janik Lyon
ジャニック ライアン グロリア
Robert E Kalinowski
エドワード カリノウスキ ロバート
Donald T Liles
テイラー ライルズ ドナルド
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Dow Corning Corp
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    • C08J3/02Making solutions, dispersions, lattices or gels by other methods than by solution, emulsion or suspension polymerisation techniques
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 乾燥すると透明なエラストマーになる水性シ
リコーン乳濁液を提供する。 【構成】 該乳濁液は、粒子寸法が1000ナノメート
ルよりも大きい分散相粒子が10%未満である分散相の
形態の架橋ポリジオルガノシロキサン100重量部と、
式RSO4M で示される界面活性剤0.7〜2.0部とを含
有する。前記式中、Rは炭素原子数6〜20個の炭化水
素基であり、そしてMはアルカリ金属カチオン及びアン
モニウム誘導体より成る群から選択される。好ましい架
橋方法はアルコキシシランと錫触媒を使用する方法であ
る。シリカ粒子の平均粒径が60ナノメートル未満であ
るコロイドシリカ分散液、ヒュームドシリカ及び沈降シ
リカを添加することによって乳濁液を強化して、コーテ
ィングやシーラントとして有用な組成物を得ることがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水分を除去したときに
透明なエラストマーを与える水性シリコーン乳濁液に関
する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】ポリジ
オルガノシロキサンの環状体またはオリゴマーを乳濁液
において重合すると、一般に白色の不透明な乳濁液が得
られる。その乳濁液を、架橋剤及び触媒を加えることに
よって変性してから乾燥すると、一般に不透明なまたは
部分的に不透明なエラストマーが得られる。米国特許第
3,294,725号(1966年12月27日発行)に教示されている
ような乳濁液はこのような性質をもっている。
【0003】米国特許第 3,360,491号(1967年12月26日
発行)は、シロキサン及びシルカルバンの重合方法を教
示している。この方法は、一般式R'OSO2OH(式中R'は少
なくとも6個の炭素原子を有する一価の脂肪族炭化水素
基である)で示される有機スルフェートを主な重合触媒
として使用する。その実施例には、重合流体の製造が示
されている。
【0004】米国特許第 3,575,910号(1971年 4月20日
発行)は、シロキサン−アクリレートコポリマーとその
乳濁液について教示している。その乳濁液は、水分を除
去すると透明フィルムを与えると言われている。
【0005】米国特許第 3,679,469号(1972年10月10日
発行)は、オルガノシロキサンの乳化重合方法について
教示している。この方法は、塩型または塩形のアニオン
界面活性剤を含有する水にオルガノシロキサンを乳化さ
せ、次いでその乳濁液を酸型カチオン交換樹脂と接触さ
せて界面活性剤を酸型に転換し、よってオルガノシロキ
サンの重合を開始するという方法である。
【0006】ジオルガノポリシロキサンと共に乳化剤と
して使用して透明な微小乳濁液を形成することができる
組成物が、米国特許第 3,975,294号(1977年 8月17日発
行)に教示されている。透明な水性微小乳濁液または透
明ゲルの製造方法が、米国特許第 4,052,331号(1977年
10月 4日発行)に特許請求されている。これらの材料か
ら水を除去して得られる生成物としてのエラストマーに
ついては教示されていない。
【0007】ポリジオルガノシロキサンの微小乳濁液
が、米国特許第 4,620,878号(1986年11月 4日発行)に
教示されている。これらは透明な乳濁液であるが、水を
除去したときの生成物が透明またはエラストマー性であ
るという示唆はまったくない。
【0008】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】1000
ナノメートルよりも大きな粒子寸法を示す分散相粒子が
10%未満である水中分散相の形態にある架橋ポリジオ
ルガノシロキサン100重量部と、式RSO4M(式中、R
は炭素原子数6〜20個の炭化水素基であり、そしてM
はアルカリ金属カチオン及びアンモニウム誘導体より成
る群から選択される)で示される界面活性剤0.7〜
2.0重量部とを含んで成る水性シリコーン乳濁液は、
水分を除去すると透明なエラストマーを生成する。好ま
しい架橋法は、アルコキシシランと錫触媒を利用する方
法である。この乳濁液は、コロイドシリカ分散液または
乾燥したもしくは分散液としてのヒュームドシリカもし
くは沈降シリカを添加することによって強化することが
できる。該シリカ粒子の平均粒径は60ナノメートル未
満である。
【0009】本発明は、(A)1000ナノメートルよ
りも大きな粒子寸法を示す分散相粒子が10%未満であ
る分散相の形態にある架橋ポリジオルガノシロキサン1
00重量部、(B)式 RSO4M(式中、Rは炭素原子数6
〜20個の炭化水素基であり、そしてMはアルカリ金属
カチオン及びアンモニウム誘導体より成る群から選択さ
れる)で示される界面活性剤0.7〜2.0重量部、並
びに(C)水32〜900重量部を含んで成り、水分を
除去すると透明なエラストマーを生成する水性シリコー
ン乳濁液に関する。
【0010】上述の水性シリコーン乳濁液を製造する方
法は、(A)(1)式 RSO4M(式中、Rは炭素原子数6
〜20個の炭化水素基であり、そしてMはアルカリ金属
カチオン及びアンモニウム誘導体より成る群から選択さ
れる)で示される界面活性剤0.7〜2.0重量部、
(2)水32〜900重量部、及び(3)ヒドロキシル
基で末端ブロックされたポリジオルガノシロキサン10
0重量部、の混合物を乳化して、1000ナノメートル
よりも大きな粒子寸法を示す分散相粒子が10%未満で
あるポリジオルガノシロキサン粒子の分散相を得る工
程;(B)イオン交換樹脂に暴露するかまたは強酸を添
加することによって界面活性剤のMイオンを水素に替
え、次いで該分散相中のポリジオルガノシロキサンを所
望の分子量に到達するまで重合させる工程、次いで;
(C)十分量の塩基を加えてpHを5よりも高く上げる
工程、次いで;(D)分散しているポリジオルガノシロ
キサンを架橋して、水を除去すると透明なシリコーンエ
ラストマーを生じる乳濁液を得る工程、を含んで成る。
【0011】本発明の水性シリコーン乳濁液を製造する
別の方法は、(A)(1)式 RSO4M(式中、Rは炭素原
子数6〜20個の炭化水素基であり、そしてMはアルカ
リ金属カチオン及びアンモニウム誘導体より成る群から
選択される)で示される界面活性剤0.7〜2.0重量
部、及び(2)水32〜900重量部を混合する工程;
(B)イオン交換樹脂に暴露するかまたは強酸を添加す
ることによって界面活性剤のMイオンを水素に替える工
程;(C)ヒドロキシル基で末端ブロックされたポリジ
オルガノシロキサン100重量部を加える工程、次い
で;(D)該混合物を乳化して、1000ナノメートル
よりも大きな粒子寸法を示す分散相粒子が10%未満で
あるポリジオルガノシロキサン粒子の分散相を得る工
程;(E)該分散相中のポリジオルガノシロキサンを所
望の分子量に到達するまで重合させる工程、次いで;
(F)十分量の塩基を加えてpHを5よりも高く上げる
工程、次いで;(G)分散しているポリジオルガノシロ
キサンを架橋して、水を除去するとシリコーンエラスト
マーを生じる乳濁液を得る工程、を含んで成る。
【0012】コーティング材として有用な材料を得るた
めに上述の乳濁液を架橋及び強化する方法は、上述の2
種類の各方法における工程(C)または(F)から始ま
り、以下の工程:次いで(G)式R'n Si(OR")4-n( 式
中、R'は炭素原子数1〜6個の置換アルキル基であり、
R"は炭素原子数1〜3個のアルキル基であり、そしてn
は0または1である)で示される架橋剤0.25〜5.
0部を加える工程、次いで(H)有機錫触媒0.25〜
1.0部を加える工程、次いで(I)該成分を室温で少
なくとも15分間反応させる工程、次いで(J)十分量
の塩基を加えてpHを9よりも高く上げる工程、次いで
(K)平均粒径60ナノメートル未満の水性分散液とし
てのコロイドシリカ2.5〜45部を加えて、水分を除
去すると透明な強化シリコーンエラストマー性コーティ
ングを生じる固形分含有量10〜75重量%の乳濁液を
得る工程、が続く。
【0013】水を除去すると得られる透明な強化シリコ
ーンエラストマー性コーティングの透明度は各種方法で
測定することができる。「透明」は、ある特定の試験法
による規定値を満たすものと定義される。規定値は通常
その試験が許容する最大値であり、コーティングの測定
値が規定値以下であるならば、そのフィルムは「透明」
である。
【0014】本発明の乳濁液から透明コーティングを開
発する実験作業に利用された2種の試験法は、測定装置
として分光光度計を使用する。これらの第一の方法は、
未支持フィルム、またはポリスチレン(光学グレード)
のような透明支持体上のフィルムの光の透過率を測定す
る方法である。試験試料の光の透過率から測定された反
射率曲線を、標準の光の透過率から測定された反射率曲
線と比較する。標準は、(未支持フィルムについては)
空気、またはコーティングフィルムを含まない透明支持
体であることができる。比較のため、デルタE値を算出
する。この作業のため、デルタEはFMC2カラーモデ
ルを基準にした。試験の変数は、10度視野観測、昼光
光源、セラミックタイル校正、除外された正反射成分及
び含まれた紫外線(UV)成分を含んだ。デルタE値が
40未満のフィルムを「透明」と定義する。透明度の測
定法についての詳細はASTM試験法D 2244、E
179、E 308及びE 805を参照されたい。
【0015】分光光度計を利用する第二の方法はコント
ラスト比(C/R)試験と呼ばれる。この試験は、フィ
ルムの不透明性または隠蔽性(hiding)を測定する塗料工
業で共通に使用されている。ここではこの試験を、不透
明性の欠如が望まれることに関して使用する。この試験
は、標準の白黒色上で引落された乾燥フィルムの反射率
を測定する工程から成る。その反射率を比較し、その比
較からC/Rの値を算出する。完全な隠蔽性はC/R=
100となり、隠蔽がまったくないと理論的にはC/R
=0となる。本実施例で報告した結果については、Lene
ta不透明チャート(フォーム2A)上にフィルムを一定
の厚さで引落した(このチャートは上述の標準白黒色を
有する)。フィルムの反射率は、10度視野観測、昼光
光源、セラミックタイル校正、排除された正しい反射成
分及び含まれたUV成分を用いて測定された。C/R値
が8.0以下のフィルムを「透明」と定義する。
【0016】シーラント材として有用な材料を得るため
に上述の乳濁液を架橋及び強化する方法は、固形分含有
量40〜75%を示す乳濁液を使用することによって、
上述の2種類の各方法における工程(C)または(F)
から始まり、以下の工程:次いで(G)式R'n Si(OR")
4-n( 式中、R'は炭素原子数1〜6個の置換アルキル基
であり、R"は炭素原子数1〜3個のアルキル基であり、
そしてnは0または1である)で示される架橋剤0.2
5〜5.0部を加える工程、次いで(H)有機錫触媒
0.25〜1.0部を加える工程、次いで(I)該成分
を室温で少なくとも15分間反応させる工程、次いで
(J)十分量の塩基を加えてpHを9よりも高く上げる
工程、次いで(K)平均粒径60ナノメートル未満の水
性分散液としてのコロイドシリカ2.5〜45部を加え
る工程、が続いて、水分を除去すると透明な強化シリコ
ーンエラストマー性コーティングを生じる固形分含有量
10〜75重量%の乳濁液を与える。工程(K)におい
て、十分量のヒュームドシリカまたは有機増粘剤を加え
て、貯蔵管から押出したときに配置した場所にシーラン
トが留まるように流れ出すことのない粘度を付与するこ
とができる。得られた材料は、正しい位置で乾燥して透
明な低弾性率エラストマーを与える有用なシーラント材
である。
【0017】シリコーンポリマーを得る手段としての水
性乳化重合法については、米国特許第 2,891,920号(19
59年 6月23日発行)及び米国特許第 3,294,725号(1966
年12月27日発行)に教示されている。これらの特許の中
で、数多くのアニオン、カチオン及び非イオン乳化剤が
ポリジオルガノシロキサンの乳濁液を製造する方法に有
用であると教示されている。一般式R'OSO2OH(式中R'は
少なくとも6個の炭素原子を有する一価の脂肪族炭化水
素基である)で示される有機スルフェートを使用する乳
濁液中でのシロキサン及びシルカルバンの重合法が、米
国特許第 3,360,491号(1967年12月26日発行)に開示さ
れている。その乳濁液は、アセトンの添加によって破壊
すると、ポリマー流体を与えた。その乳濁液に顔料を添
加した場合、その着色乳濁液を表面に塗布して水分を乾
燥させると連続コーティングが得られる塗料として使用
することができた。前記特許には、水を除去すると透明
なエラストマーを与える乳濁液を得る方法に関する教示
はまったくない。
【0018】ここで、式 RSO4M(式中、Rは炭素原子数
6〜20個の炭化水素基であり、そしてMはアルカリ金
属カチオン及びアンモニウム誘導体より成る群から選択
される)で示される界面活性剤0.7〜2.0重量部
(ポリジオルガノシロキサン100重量部当たり)を使
用することによってヒドロキシル基末端ブロック化ポリ
ジオルガノシロキサンから製造される乳濁液であって、
該ポリジオルガノシロキサンの分散相粒子の10%未満
が1000ナノメートル(10000オングストローム
または1マイクロメートル)よりも大きな粒子寸法を有
する乳濁液が、その乳濁液から水を除去すると透明なエ
ラストマーを与えることを発見した。上記界面活性剤を
上記範囲内の量で使用しないか、あるいは上記範囲内の
寸法の分散粒子を含まないポリジオルガノシロキサンの
乳濁液は、水を除去したときに透明なエラストマーを与
えず、使用した界面活性剤及び使用した分散相の粒子寸
法によって半透明または不透明なエラストマーを与え
る。
【0019】上記界面活性剤は硫酸アルキル塩である。
R基は、炭素原子数6〜20個の(一価の脂肪族)炭化
水素基、例えばヘキシル、オクチル、デシル、ドデシ
ル、セシル、ステアリル及びオクチニルである。ラウリ
ル(ドデシル)基が、最も利用し易いので好ましい。M
は、アルカリ金属カチオン及びアンモニウム誘導体より
成る群から選択される。アルカリ金属カチオンは、例え
ばナトリウムやカリウムであり、ナトリウムが好まし
い。アンモニウム誘導体は、NH4 + またはNHR'3 +(R'
はメチル基のような炭化水素基である)のようなカチオ
ンである。好ましい界面活性剤は、工業上の利用性によ
りラウリル硫酸ナトリウムである。界面活性剤の使用量
は、水を除去したときに乳濁液から透明なエラストマー
を得る上で重要である。界面活性剤を規定量未満で使用
すると、貯蔵の際に不安定な乳濁液をもたらす。界面活
性剤を規定量を越えて使用すると、曇り過ぎて透明には
分類できないエラストマーを与える。
【0020】ヒドロキシル基で末端ブロックされたポリ
ジオルガノシロキサンは、式HO-(R2SiO)n H で示される
ものであり、式中のRは、アルキル基、例えばメチル、
エチル、プロピル、オクタデシル及びミリシル;アルケ
ニル基、例えばビニル、アリル、メタリル、ヘキサニル
及びブタジエニル;脂環式基、例えばシクロブチル、シ
クロヘキシル、シクロペンテニル及びシクロヘキサジエ
ニル;アリール炭化水素基、例えばフェニル、トリル、
ナフチル、ミシチル、チミル及びキセニル;アラルキル
炭化水素基、例えばベンジル及びベンズヒドリル;並び
に、一価ハロゲン化炭化水素基、例えばクロロフェニ
ル、トリフルオロトリル、トリフルオロビニル、3,3,3-
トリフルオロプロピル及びテトラブロモキセニル、のよ
うな一価のいずれの炭化水素基であってもよい。好まし
くは、Rは、基1個当たり7個未満の炭素原子を含有す
る一価の炭化水素基であるか、または基1個当たり7個
未満の炭素原子を含有する2-(ペルフルオロアルキル)
エチル基である。ヒドロキシル基で末端ブロックされた
ポリジオルガノシロキサンは、好ましくは少なくとも5
0%がメチル基である有機基を含有する。ヒドロキシル
基で末端ブロックされたポリジオルガノシロキサンは、
本質的には、珪素原子1個当たり2個の有機基を含有す
る線状ポリマーであるが、製造工程中の不純物として存
在する微量のモノオルガノシロキサン単位やトリオルガ
ノシロキサン単位を含んでもよい。好ましいヒドロキシ
ル基で末端ブロックされたポリジオルガノシロキサン
は、ヒドロキシル基で末端ブロックされたポリジメチル
シロキサンである。nは、ポリジオルガノシロキサンの
粘度が25℃で0.3Pa・s 未満になるような値である
ことが好ましく、該粘度は0.1Pa・s 未満であること
が最も好ましい。より高い粘度を使用することも可能で
はあるが、必要な粒子寸法へ乳化することがより困難と
なる。
【0021】この方法に用いる水の量は、ポリジオルガ
ノシロキサン100重量部当たり32〜900重量部の
範囲にあることができる。用いる水の量は、乳濁液の所
望の固形分含有量に依存する。コーティング用の乳濁液
は通常約10〜75%の固形分範囲にあり、一方、シー
ラント用の乳濁液は通常約55〜75%の固形分範囲に
ある。
【0022】界面活性剤と、水と、ポリジオルガノシロ
キサンの混合物は、ホモジナイザー、ソノレーター(son
olator) 及びコロイドミルのような周知のいずれの装置
ででも乳化することができる。これらの各装置は、分散
相を細かい粒子寸法へ低減するために流体を高速高圧で
せん断するように設計された装置である。採用する方法
及び装置は、形成される乳濁液が、1000ナノメート
ルより大きな直径の粒子が10%未満であるようなポリ
ジオルガノシロキサンの分散粒子を含むようになるも
の、であることが必要である。分散粒子の平均粒子寸法
が200〜500ナノメートルで、1000ナノメート
ルより大きな直径の粒子が5%未満であることが好まし
い。粒子寸法及び分布は、流体にかかる圧力や機械の通
過数を変更することによって、またポリジオルガノシロ
キサンの最初の粘度によって調整することができる。当
業者であれば、当該技術分野で周知の技法を採用して必
要なポリジオルガノシロキサン及び界面活性剤を使用す
ることによって、必要な粒子寸法及び分布を実現するこ
とができる。
【0023】先に示した界面活性剤はポリジオルガノシ
ロキサンの乳濁液を提供するが、Mを水素に替えない
と、ポリジオルガノシロキサンのより高分子量ポリマー
への望ましい重合を引き起こさない。これは、イオン交
換樹脂、例えばDOWEX HCRW2Hの使用によって、または強
酸、例えば塩酸、硫酸もしくは硝酸の使用によって行う
ことができ、重合触媒であり且つ界面活性剤でもあるRS
O4H を与える。この転換は、均質化工程中のいつでも行
うことができる。界面活性剤(1)と水(2)とを一緒
に混合し、次いでイオン交換樹脂または強酸のいずれか
と反応させてアルキル水素スルフェートを得、その後に
ポリジオルガノシロキサン(3)を加えてその混合物を
乳化することができる。界面活性剤(1)と水(2)と
ポリジオルガノシロキサン(3)とを混合し、次いでそ
の混合物をイオン交換樹脂または強酸で処理してアルキ
ル水素スルフェートを得、その後にその混合物を乳化す
ることができる。界面活性剤(1)と水(2)とポリジ
オルガノシロキサン(3)とを乳化して乳濁液を与え、
その後にその乳濁液をイオン交換樹脂または強酸で処理
してアルキル水素スルフェートを与えることができる。
各場合とも、原料成分が混合され、アルキル水素スルフ
ェートが存在し、そして乳濁液が形成されると、ポリジ
オルガノシロキサンが縮合して高分子量ポリマーを与え
る。Mカチオンのすべてを交換する必要はない。適当な
時間で重合を達成するためには十分量のMカチオンを交
換する必要がある。ポリジオルガノシロキサンは、その
分子量が50,000よりも大きく、好ましくは 100,000以上
になるまで重合すべきである。乳濁液から水分を除去す
ることによって製造されるエラストマーに所望の物理特
性を得るためには高分子量ポリマーが必要である。
【0024】重合が所望の程度にまで進行した時点で、
乳濁液に十分量の塩基を加えてpHを5よりも高く、好
ましくは7〜10の範囲に上昇させることによって、重
合プロセスを停止させる。好ましい塩基は、アルカリ金
属の水酸化物または炭酸塩、例えば水酸化ナトリウム、
炭酸ナトリウム、水酸化カリウム及び炭酸カリウム;並
びに窒素誘導体、例えばアンモニアまたはアミン、例え
ば水酸化アンモニウム、ジエチルアミン及び2-アミノ -
2-メチル -1-プロパノールである。
【0025】ポリジオルガノシロキサンの乳濁液を所望
の程度にまで重合した後、水分を除去することによって
乳濁液を乾燥したときに得られるポリマーがエラストマ
ーになるように、ポリジオルガノシロキサンを架橋す
る。ポリジオルガノシロキサンは、周知のいずれの方法
によっても架橋できるので、ポリジオルガノシロキサン
を架橋すべき方法に関しては現在のところ制限はない。
【0026】未架橋乳濁液ポリマーから水分を除去する
と、非エラストマー性の粘着性シリコーンガムを生じる
が、本発明の方法によって製造した場合にはそれらは透
明になる。架橋したシリコーン乳濁液ポリマーから水分
を除去すると、不粘着性のエラストマーが生成する。
【0027】シリコーン乳濁液ポリマーを架橋する方法
はいくつかある。最も普通の方法は、Johnson らの米国
特許第 4,221,688号に記載されている珪酸(シリカ由
来)とジアルキル錫ジカルボキシレート硬化触媒を使用
する方法である。関連の方法は、Liles の米国特許第
4,954,565号に記載されているアルコキシシランと二価
の錫触媒を使用する方法である。
【0028】シリコーン乳濁液ポリマーを架橋する別の
方法は、共重合法を利用するものである。Findlay and
Weyenberg の米国特許第 3,294,725号に記載されている
ように、少量の多官能性架橋剤、例えばメチルトリメト
キシシランと、オリゴマーのポリジオルガノシロキサン
とを乳化共重合する。共重合法によってシリコーン乳濁
液を架橋するさらに別の例が、Huebner and Saamの米国
特許第 4,567,231号、Huebner and Landisの米国特許第
4,661,556号及びBauman and Huebnerの米国特許第 4,6
18,645号に記載されている。
【0029】シリコーン乳濁液ポリマーを架橋する別の
方法は、Willing の米国特許第 4,248,751号及びLiles
の米国特許第 5,001,186号に教示されている水素化有機
珪素と白金触媒を使用する方法である。シリコーン乳濁
液ポリマーを架橋する関連の方法は、Kondo and Koshii
の米国特許第 4,782,112号及びLiles の米国特許第 4,9
62,153号に教示されている水素化有機珪素と錫触媒を使
用する方法である。
【0030】Saam and Wegenaer の米国特許第 4,273,6
34号に教示されているように、乳濁液に高エネルギーの
放射線を照射するか、または有機過酸化物と加熱との組
合せによって、シリコーン乳濁液ポリマーを架橋するこ
とも可能である。
【0031】これらすべての方法は架橋シリコーン乳濁
液ポリマーまたは前硬化シリコーン乳濁液を製造するの
で、これらはすべて本発明の範囲内に入るものである。
シリコーン乳濁液を架橋する好ましい方法は、Johnson,
Saam and Schmidt の米国特許第 4,221,688号及びLile
s の米国特許第 4,954,565号に教示されている錫触媒を
使用する方法である。
【0032】本発明の乳濁液は、水を除去すると透明な
シリコーンエラストマーを与える。原因は詳細には理解
されていないが、乳濁液中に存在する架橋ポリジオルガ
ノシロキサンの分散粒子が水分除去時に融合して、不粘
着性表面を有し、引張強度や伸び率のような有意な物理
特性を示すエラストマーの塊を形成する。
【0033】透明なエラストマー性コーティング組成物
は、適当な乳濁液、強化シリカ、架橋剤及び触媒を選択
した場合に、上述の透明なエラストマー性乳濁液から製
造することができる。乳濁液は、10〜75重量%、好
ましくは64〜72%、そして最も好ましくは70〜7
2%の固形分含有量を示すべきである。乳濁液は、好ま
しくは600ナノメートル未満、最も好ましくは500
ナノメートル未満の平均粒径を示し、その粒子の99%
が1200ナノメートル未満、最も好ましくは1000
ナノメートル未満の直径を有する。
【0034】好ましい架橋剤は、式R'n Si(OR")4-nで示
されるものであり、該式中、R'は炭素原子1〜6個を有
する置換アルキル基であり、R"は炭素原子1〜3個を有
するアルキル基であり、そしてnは0または1である。
R'は、クロロプロピル、トリフルオロプロピル及び3-メ
タクリルオキシプロピルのような基であり、中でもクロ
ロプロピル基が好ましい基である。R"は、メチル、エチ
ル及びプロピルのような基であり、中でもメチル基が好
ましい基である。好ましい架橋剤はクロロプロピルトリ
メトキシシランである。架橋剤の好ましい量は、ポリジ
オルガノシロキサン100重量部当たり0.25〜5重
量部であり、中でも0.5〜1.5重量部がより好まし
く、そして1.0重量部が最も好ましい。
【0035】好ましい錫触媒は、ポリジオルガノシロキ
サン100重量部当たり0.25〜1.0重量部のオク
タン酸第一錫であり、中でも0.25〜0.5部が好ま
しく、そして0.5部が最も好ましい。
【0036】ポリジオルガノシロキサン乳濁液に架橋剤
と触媒を添加した後、ポリマーは乳濁液のまま架橋さ
れ、架橋ポリマーの乳濁液粒子が得られる。架橋反応は
室温で15〜90分間かかり、好ましい架橋剤及び触媒
に対しては30〜60分で十分である。
【0037】架橋工程は、塩基、例えば水酸化ナトリウ
ム、水酸化アンモニウム及びアミン、例えば2-アミノ -
2-メチル -1-プロパノールを添加することによって停止
させることができる。水酸化アンモニウムが好ましい。
【0038】次いで、乳濁液を、コロイドシリカ分散液
の添加によって強化することができる。使用するコロイ
ドシリカ分散液は、ヒュームドシリカの水中分散液では
なく、コロイドシリカの水中分散液からなるものでなけ
ればならない。分散液の平均粒子寸法は、60ナノメー
トル未満、好ましくは20ナノメートル未満、そして最
も好ましくは8ナノメートル未満でなければならない。
シリカの量は、完成した乳濁液をコーティングとして使
用すべき場合には、ポリジオルガノシロキサン100重
量部当たり2.5〜45重量部、好ましくは10〜25
部、そして最も好ましくは10〜15部である。好まし
いコロイドシリカ分散液は、Nalco Chemical社から市販
されている製品名Nalcoag 1115、1130、1140、1050及び
1060(これらはナトリウムで安定化されている)並びに
2327(これはアンモニウムで安定化されている)の分散
液である。好ましいコロイドシリカはNalcoag 1115であ
り、これは15重量%のシリカを含有する水性分散液で
あり、そのシリカは平均粒子寸法約4ナノメートル及び
表面積約750m2/g を示す。
【0039】コーティング乳濁液組成物は、共通の乳濁
液原料成分、例えば流動学的増粘剤、殺生剤及び殺カビ
剤、融合助剤、凍解安定剤、消泡剤並びに艶消剤を含有
することもできる。もちろん、すべての添加剤につい
て、乳濁液や乳濁液から水を除去して得られるコーティ
ングの透明性に悪影響を与えないことを確かめるために
評価することが必要である。有用な増粘剤として、セル
ロース系、例えばNatrosol及びMethocelの製品;ポリウ
レタン連合型、例えば SCT-275、RM 1020 及びDSX 151
4;アルカリ膨潤型、例えばASE-75及びRM-5;並びに複
合体、例えば Polyphobe系列 102、103 または107 が挙
げられる。殺生剤や殺カビ剤を含ませて、乳濁液中にお
けるカビや胞子の成長を防止することができる。有用な
ものは、Dowicil 75、Troysan Polyphase AF1 、Skane
M-8 及びKathon LX である。融合助剤は、一時的にポリ
マーを軟化すること、または乾燥の際に粒子を一緒に融
合することによって、被膜形成を助ける溶剤である。そ
の例として、Texanol 及びポリジメチルシロキサン環体
または低分子量線状ポリマーが含まれる。凍解安定剤
は、凍結点を低下させるか、または乳濁液粒子を立体的
に安定化させることによって、低温における乳濁液の凍
結防止を助ける。好ましい安定化剤は、長鎖の非イオン
界面活性剤、例えばアルキルフェノキシポリエチレンエ
タノール、ポリエチレングリコール、ノニルフェノール
等である。表面で反射性のない透明コーティングは、約
1〜15重量%のヒュームドシリカまたは沈降シリカを
乳濁液に加えることによって得ることができる。
【0040】透明なエラストマー性シーラント組成物
は、適当な乳濁液、架橋剤、触媒、流動学的調整剤、強
化充填剤、凍解添加剤及び定着剤を選択した場合に、上
述の透明なエラストマー性乳濁液から製造することがで
きる。乳濁液は、40〜75%、好ましくは55〜75
%、そして最も好ましくは65〜72%の固形分含有量
を示すべきである。乳濁液は、好ましくは600ナノメ
ートル未満、より好ましくは500ナノメートル未満の
平均粒径を示し、その粒子の99%が1200ナノメー
トル未満、最も好ましくは1000ナノメートル未満の
直径を有する。
【0041】好ましい架橋剤は上記式のものであり、R'
がクロロプロピル基であるものが好ましい。メチルが好
ましいR"基である。好ましい架橋剤は、クロロプロピル
トリメトキシシランである。架橋剤の好ましい量は、ポ
リジオルガノシロキサン100重量部当たり0.25〜
5重量部、より好ましくは0.5〜1.5重量部、そし
て最も好ましくは1.0重量部である。
【0042】好ましい錫触媒は、ポリジオルガノシロキ
サン100重量部当たり0.25〜1.0重量部、好ま
しくは0.25〜0.5部、そして最も好ましくは0.
5部のオクタン酸第一錫である。
【0043】ポリジオルガノシロキサン乳濁液に架橋剤
と触媒を添加した後、ポリマーは乳濁液のまま架橋さ
れ、架橋ポリマーの乳濁液粒子が得られる。架橋反応は
室温で15〜90分間かかり、好ましい架橋剤及び触媒
に対しては15〜30分で十分である。
【0044】架橋工程は、塩基、例えば水酸化ナトリウ
ム、水酸化アンモニウム及びアミン、例えば2-アミノ -
2-メチル -1-プロパノールを添加することによって停止
させることができる。アミンが好ましい。
【0045】上述の方法によって、乾燥して低弾性率エ
ラストマーになる組成物が得られる。シーラント材とし
て最も有用にするために、乳濁液の粘度をそれが流動し
ない点にまで上昇させる。乳濁液は、5部以下のヒュー
ムドシリカの添加または有機増粘剤の添加によって増粘
されることができるが、但しそれらは透明性が損なわれ
ないように選ばれる。コーティング材について先に教示
したように、新たに別のコロイドシリカを添加すること
は可能であるが、これは得られるエラストマーの弾性率
を低下させる。
【0046】さらに別の原料成分、例えば定着剤、凍解
安定剤及び融合助剤を添加して、シリコーン乳濁液及び
/または形成されたエラストマーの特性を変えることが
できる。いずれの添加剤も、乳濁液や製造されたエラス
トマーの透明性に悪影響を及ぼさないことを確かめるた
めに評価されなければならない。
【0047】シーラントの厚さ1/4インチ(6.35mm)の
ビーズを通して新聞を読むことができる十分な透明性を
示すものを透明シーラントと記述する。半透明シーラン
トは、厚さ1/4インチ(6.35mm)のビーズを通して木目
または金属ネジが見える十分な透明性を示す。
【0048】シーラント材として有用な水性シリコーン
乳濁液を製造する好ましい方法は、(A)(1)式 RSO
4M(式中、Rは炭素原子数6〜20個の炭化水素基であ
り、そしてMはアルカリ金属カチオン及びアンモニウム
誘導体より成る群から選択される)で示される界面活性
剤0.7〜2.0重量部、及び(2)水32〜40重量
部を混合する工程;(B)イオン交換樹脂に暴露するか
または強酸を添加することによって界面活性剤のMイオ
ンを水素に替える工程;(C)ヒドロキシル基で末端ブ
ロックされたポリジオルガノシロキサン100重量部を
加える工程、次いで;(D)該混合物を乳化して、10
00ナノメートルよりも大きな粒子寸法を示す分散相粒
子が10%未満であるポリジオルガノシロキサン粒子の
分散相を得る工程;(E)該分散相中のポリジオルガノ
シロキサンを所望の分子量に到達するまで重合させる工
程、次いで;(F)十分量の塩基を加えてpHを5より
も高く上げる工程、次いで;(G)平均粒子寸法60ナ
ノメートル未満のヒュームドシリカまたは沈降シリカ
0.5〜5部を加えて均一に分散するまで混合する工
程;(H)オクタン酸第一錫0.375〜1.0部を添
加する工程;(I)ガンマ−メタクリルオキシプロピル
トリメトキシシラン0.5〜1.5部を添加して、その
混合物を少なくとも30分間反応させる工程、次いで;
(J)十分量の塩基を加えてpHを9よりも高く上げる
工程、次いで;(K)平均粒子寸法60ナノメートル未
満のコロイドシリカ2〜5部を水性分散液として混合
し、水を除去すると乾燥して透明な強化エラストマーに
なるペースト粘度及び固形分含有量65〜75%を有す
る乳濁液を得る工程、を含んで成る。
【0049】
【実施例】以下の実施例は、例示を目的とするものであ
って、特許請求の範囲に適切に記載されている本発明を
限定するものと理解してはならない。実施例中に記載さ
れている部は重量部である。
【0050】実施例1 まず4部のDupanol WAQE(30重量%ラウリル硫酸ナト
リウム水溶液)と21部の水を混合することによってポ
リジメチルシロキサン乳濁液を製造した。均質になるま
で攪はんした後、100部の水/乳化剤溶液に5重量%
のDowex HCRW2Hイオン交換樹脂を加えて、ナトリウムイ
オンを水素イオンに交換した。イオン交換は、pHを1
未満にして30分以内で完了した。イオン交換樹脂を濾
過して除いた。次いで、乳化剤水溶液25部を、約0.08
Pa・s の粘度を示すヒドロキシル基で末端ブロックされ
たポリジメチルシロキサン75部と一緒に攪はんし、そ
してその混合物1800 psiでソノレーターを2回通過させ
た。4.5時間の重合後、乳濁液を2N水酸化ナトリウ
ムで中和した。得られた乳濁液は、粒子寸法500〜5
50ナノメートルを示す粒子を約99%含んだ。該乳濁
液のブルックフィールド粘度は約40,000センチポイズで
あった。融合ポリマーは、GPC分析によりMn 106,0
00及びMw 220,000を有することがわった。この乳濁液
は、100部のポリジメチルシロキサン、1.6部のラ
ウリル硫酸ナトリウム及び32部の水を含有した。
【0051】実施例2 約80センチポイズの粘度を示すヒドロキシル基で末端
ブロックされたポリジメチルシロキサン73部と、イオ
ン交換樹脂でラウリル硫酸水素に転換したDupanol WAQE
4部と、水20部とを使用して、実施例1と同様の方法
で乳濁液を製造した。乳濁液を4時間重合した後、乳濁
液を2N水酸化ナトリウムで中和した。完成した乳濁液
は、固形分含有量約73重量%、粘度約100,000 及び平
均粒子寸法約470ナノメートルを示し、その粒子の9
5%未満が1000ナノメートルよりも大きかった。
【0052】シリコーンシーラントを上記乳濁液を使用
して製造した。最初に100部の上記乳濁液をミキサー
に入れ、次いで平均粒子寸法約19ナノメートル及び表
面積170m2/gを示す2.5部の沈降シリカを混入し
た。これが濃厚な材料を与え、シリカを乳濁液中に適当
に分散させる十分なせん断を可能にした。次いで、0.
5部のオクタン酸第一錫を混入し、続いて1部のガンマ
−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシランを混入
した。その混合物を30分間反応させ、ポリジメチルシ
ロキサンを架橋した。次いで、1部の14%水酸化アン
モニウム溶液を加え、続いて2部のNalco 1050(Nalco
Chemical社製の粒子寸法約20ナノメートル及び表面積
150m2/gを示す固形分含有量50重量%のコロイドシ
リカ分散液)を加えた。
【0053】この中和したシリコーンシーラントの物理
特性について試験した。このシーラントを厚さ0.060 イ
ンチの湿潤フィルムにキャストした。シーラントは30
分間でスキンを有した。これは、25℃及び相対湿度5
0%において、きれいな指で表面を軽く触る方法で試験
した場合に硬化性材料が不粘着性表面を形成するのに要
した時間である。不粘着時間は1時間であった。これ
は、表面に1枚のポリエチレンフィルムを載せ、その上
に面積2平方インチを有する1オンスの重りを置き、次
いで4秒後に表面からポリエチレンフィルムを取り除く
方法で試験した場合に硬化性材料が不粘着表面を形成す
るのに要した時間である。7日間乾燥した後、硬化フィ
ルムを試験試料に切り出し、そしてASTM D 22
40によってジュロメーターを、ASTM D 412
によって引張強度と伸び率を測定した。ジュロメーター
は14ショアAで、引張強度は69ポンド/平方イン
チ、そして伸び率は1750%であった。
【0054】そのフィルムをHunter Hazemeterで透明性
について測定したところ、光の透過率は85%で、曇り
度は99%であった。
【0055】実施例3 一連のシリコーンポリマー乳濁液を実施例1の手順に従
い製造した。ソノレーターの通過回数及び重合時間は表
Iに示した。それぞれの粒子寸法及び分布、並びに重量
平均分子量を測定した。これらを表Iに示す。次いで、
乳濁液固形分100部当たり0.5部のオクタン酸第一
錫と1部のクロロプロピルトリメトキシシランを混合
し、次いでその混合物を30分間反応及び架橋させるこ
とによって、各乳濁液を配合してコーティングとした。
次いで、平均粒径8ナノメートル及び表面積375m2/g
を示す、乳濁液ポリマー100部当たり20部のコロイ
ドシリカを固形分含有量30%の水中分散液の形態で混
入した。次いで、直径35mmのペトリ皿に厚さ 0.012〜
0.015 インチの乾燥フィルムを与えるのに十分量のコー
ティングを注入することによって、各コーティング材料
からフィルムをキャストした。7日間乾燥した後、FM
C2カラーモデルからFMC2−DE値として分光光度
計でフィルムの透明性を測定した。DE値は昼光光源及
び10度視野観測から記録した。分光光度計は、セラミ
ック校正手順を用いて校正した。他の設定値は、含まれ
る分光成分、含まれる紫外成分、及び試料口用の大面積
視野(large surface view)であった。ステータス(statu
s)はDTEILとした。空のペトリ皿を標準として使用
して比較することでDE値を得た。硬化フィルムを2回
測定して、反射率の値を示した結果について平均した。
【0056】別のフィルムを150mmのペトリ皿にキャ
ストして湿厚0.030 インチとし、乾燥し、試験片に切り
出して引張強度及び伸び率について試験した。その結果
を表Iに記載する。
【0057】
【表1】
【0058】このデータは、一定温度において重合速度
が粒子寸法及び時間に依存することを示している。
【0059】実施例4 実施例1の手順に従いシリコーンポリマー乳濁液を製造
したが、ここでは乳濁液の固形分含有量が64重量%で
あり、平均粒径が443ナノメートルであり、そして粒
子の99%が1020ナノメートル未満であった。ポリ
マー100部当たり0.5部のオクタン酸第一錫と、
1、2.5または5部の表IIに示した架橋剤を添加し、
次いで表IIに示したように30、60または90分間反
応させることによって、一連のコーティングをこの乳濁
液から製造した。次いで、平均粒子寸法4ナノメートル
及び表面積750m2/gを示すコロイドシリカ2.5部を
混合した。実施例3のようにフィルムをキャストし測定
して、その結果を表IIに示した。初期透明度は48時間
硬化後のキャストしたままの状態であり、曇り度の値
は、試料を25℃で相対湿度90%に48時間暴露した
後の透明度の測定値であり、高湿度条件で測定されたも
のである。
【0060】
【表2】
【0061】
【表3】
【0062】先に試験した各架橋性シランが使用可能で
あり、クロロプロピルトリメトキシシランが好ましい。
得られた物理特性は時間と共に変化する。その最適値は
架橋剤の種類と濃度によって変化する。
【0063】実施例5 様々な平均粒子寸法及び表面積を有する各種のコロイド
シリカ分散液を用いて製造した一連の混合物に、実施例
4のシリコーン乳濁液を使用した。使用するシリカ濃度
を変化させて、存在する各種表面積を考慮した。各試料
は、ポリマー100部当たり0.5部のオクタン酸第一
錫で触媒し、そして1.0部のクロロプロピルトリメト
キシシランで30分間架橋した。架橋時間終了時に、所
望の種類と量のシリカを加えた。次いで、先のようにフ
ィルムをキャストして、透明度、引張強度及び伸び率に
ついて試験した。その結果を表III に示す。
【0064】
【表4】
【0065】一般に、シリカ濃度が増加するにつれて、
引張強度が増大して最大値に達した後低下した。伸び率
はシリカ濃度が増加するにつれて低下した。透明度はシ
リカ濃度が増加するにつれて低下した。しかしながら、
「曇り」条件におけるフィルムの透明度は、シリカ濃度
の増加につれて初期の透明度よりも低くなった。
【0066】実施例6 実施例1の乳濁液(ポリジメチルシロキサン100部)
139部と平均粒子寸法約19ナノメートル(表面積1
70m2/g)の沈降シリカ(Pittsburgh Plate GlassのT
600)2.5部を、乳濁液に空気が混入しないように
真空下で混合することによって、透明なシーラントを製
造した。この混合の結果、混合機がシリカをせん断しそ
れを乳濁液全体に十分に分散させることができる濃厚な
相が生じた。次いで、0.5部のオクタン酸第一錫を、
続いて1部のガンマ−メタクリルオキシプロピルトリメ
トキシシランを混入した。シラン架橋剤と乳濁液ポリマ
ーとを約30分間反応させた後、1部の14%水酸化ア
ンモニウム溶液を加えることによって乳濁液を中和し
た。次いで、平均粒子寸法約20ナノメートル(表面積
150m2/g)のコロイドシリカの50%水分散液(Nalc
o Chemical社のNalco1050)を2部添加することによっ
て、乳濁液を強化した。得られた乳濁液は、固形分含有
量約71重量%のペースト粘度を示し、そして半透明材
料に見えた。
【0067】60ミルの湿潤フィルムをキャストし、周
囲条件下で14日間乾燥させることによって試料を作製
した。スキンオーバー時間(skin over time)は30分
で、不粘着時間は1時間であった。乾燥後、試料をフィ
ルムから切り出して物理特性を評価した。引張強度は6
9 psi、伸び率は1750%、そしてショアAジュロメ
ーターは14であった。厚さ47ミルの乾燥フィルムを
Hunter Hazemeterで透明度について評価した。光の透過
率は85%で、曇り度は99%であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 グロリア ジャニック ライアン アメリカ合衆国,ミシガン,ミッドラン ド,ティンバー ドライブ 1308 (72)発明者 ロバート エドワード カリノウスキ アメリカ合衆国,ミシガン,オーバーン, サウス ナイン マイル ロード 4426 (72)発明者 ドナルド テイラー ライルズ アメリカ合衆国,ミシガン,ミッドラン ド,ウェイクフィールド 1205

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)1000ナノメートルよりも大き
    な粒子寸法を示す分散相粒子が10%未満である分散相
    の形態にある架橋ポリジオルガノシロキサン100重量
    部、 (B)式 RSO4M(式中、Rは炭素原子数6〜20個の炭
    化水素基であり、そしてMはアルカリ金属カチオン及び
    アンモニウム誘導体より成る群から選択される)で示さ
    れる界面活性剤0.7〜2.0重量部、並びに (C)水32〜900重量部 を含んで成り、水分を除去すると透明なエラストマーを
    生成する水性シリコーン乳濁液。
  2. 【請求項2】 (A)(1)式 RSO4M(式中、Rは炭素
    原子数6〜20個の炭化水素基であり、そしてMはアル
    カリ金属カチオン及びアンモニウム誘導体より成る群か
    ら選択される)で示される界面活性剤0.7〜2.0重
    量部、及び(2)水32〜900重量部を混合する工
    程、 (B)イオン交換樹脂に暴露するかまたは強酸を添加す
    ることによって界面活性剤のMイオンを水素に替える工
    程、 (C)ヒドロキシル基で末端ブロックされたポリジオル
    ガノシロキサン100重量部を加える工程、次いで (D)該混合物を乳化して、1000ナノメートルより
    も大きな粒子寸法を示す分散相粒子が10%未満である
    ポリジオルガノシロキサン粒子の分散相を得る工程、 (E)該分散相中のポリジオルガノシロキサンを所望の
    分子量に到達するまで重合させる工程、次いで、 (F)十分量の塩基を加えてpHを5よりも高く上げる
    工程、次いで、 (G)分散しているポリジオルガノシロキサンを架橋し
    て、水分を除去するとシリコーンエラストマーを生成す
    る乳濁液を得る工程、 を含んで成る水性シリコーン乳濁液の製造方法。
  3. 【請求項3】 (A)(1)式 RSO4M(式中、Rは炭素
    原子数6〜20個の炭化水素基であり、そしてMはアル
    カリ金属カチオン及びアンモニウム誘導体より成る群か
    ら選択される)で示される界面活性剤0.7〜2.0重
    量部、(2)水32〜900重量部、及び(3)ヒドロ
    キシル基で末端ブロックされたポリジオルガノシロキサ
    ン100重量部、の混合物を乳化して、1000ナノメ
    ートルよりも大きな粒子寸法を示す分散相粒子が10%
    未満であるポリジオルガノシロキサン粒子の分散相を得
    る工程、 (B)イオン交換樹脂に暴露するかまたは強酸を添加す
    ることによって界面活性剤のMイオンを水素に替え、次
    いで該分散相中のポリジオルガノシロキサンを所望の分
    子量に到達するまで重合させる工程、次いで (C)十分量の塩基を加えてpHを5よりも高く上げる
    工程、次いで (D)分散しているポリジオルガノシロキサンを架橋し
    て、水分を除去すると透明なシリコーンエラストマーを
    生成する乳濁液を得る工程、 を含んで成る水性シリコーン乳濁液の製造方法。
  4. 【請求項4】 (A)(1)式 RSO4M(式中、Rは炭素
    原子数6〜20個の炭化水素基であり、そしてMはアル
    カリ金属カチオン及びアンモニウム誘導体より成る群か
    ら選択される)で示される界面活性剤0.7〜2.0重
    量部、及び(2)水32〜900重量部を混合する工
    程、 (B)イオン交換樹脂に暴露するかまたは強酸を添加す
    ることによって界面活性剤のMイオンを水素に替える工
    程、 (C)25℃で0.3Pa・s 未満の粘度を示すヒドロキ
    シル基で末端ブロックされたポリジオルガノシロキサン
    100重量部を加える工程、次いで (D)該混合物を乳化して、1000ナノメートルより
    も大きな粒子寸法を示す分散相粒子が10%未満である
    ポリジオルガノシロキサン粒子の分散相を得る工程、 (E)該分散相中のポリジオルガノシロキサンを所望の
    分子量に到達するまで重合させる工程、次いで、 (F)十分量の塩基を加えてpHを5よりも高く上げる
    工程、次いで、 (G)式R'n Si(OR")4-n( 式中、R'は炭素原子数1〜6
    個の置換アルキル基であり、R"は炭素原子数1〜3個の
    アルキル基であり、そしてnは0または1である)で示
    される架橋剤0.25〜5.0部を加える工程、次いで (H)有機錫触媒0.25〜1.0部を加える工程、次
    いで (I)該成分を室温で少なくとも15分間反応させる工
    程、次いで (J)十分量の塩基を加えてpHを9よりも高く上げる
    工程、次いで (K)平均粒径60ナノメートル未満の水性分散液とし
    てのコロイドシリカ2.5〜45部を加えて、水分を除
    去すると透明な強化シリコーンエラストマー性コーティ
    ングを生成する固形分含有量10〜75重量%の乳濁液
    を得る工程、 を含んで成る水性シリコーン乳濁液の製造方法。
  5. 【請求項5】 (A)(1)式 RSO4M(式中、Rは炭素
    原子数6〜20個の炭化水素基であり、そしてMはアル
    カリ金属カチオン及びアンモニウム誘導体より成る群か
    ら選択される)で示される界面活性剤0.7〜2.0重
    量部、及び(2)水32〜40重量部を混合する工程、 (B)イオン交換樹脂に暴露するかまたは強酸を添加す
    ることによって界面活性剤のMイオンを水素に替える工
    程、 (C)ヒドロキシル基で末端ブロックされたポリジオル
    ガノシロキサン100重量部を加える工程、次いで (D)該混合物を乳化して、1000ナノメートルより
    も大きな粒子寸法を示す分散相粒子が10%未満である
    ポリジオルガノシロキサン粒子の分散相を得る工程、 (E)該分散相中のポリジオルガノシロキサンを所望の
    分子量に到達するまで重合させる工程、次いで (F)十分量の塩基を加えてpHを5よりも高く上げる
    工程、次いで (G)平均粒子寸法60ナノメートル未満のヒュームド
    シリカもしくは沈降シリカ0.5〜5部または十分量の
    有機増粘剤を加えて所望のレオロジーを得、そして均一
    に分散するまで混合する工程、 (H)オクタン酸第一錫0.375〜1.0部を添加す
    る工程 (I)ガンマ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシ
    シラン0.5〜1.5部を添加して、その混合物を少な
    くとも30分間反応させる工程、次いで (J)十分量の塩基を加えてpHを9よりも高く上げる
    工程、次いで (K)平均粒子寸法60ナノメートル未満のコロイドシ
    リカ2〜5部を水性分散液として混合して、水を除去す
    ると乾燥して半透明な強化エラストマーになるペースト
    粘度及び固形分含有量65〜75%を有する乳濁液を得
    る工程、 を含んで成る水性シリコーン乳濁液の製造方法。
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