JP4800530B2 - 透過色のシフトが減少した、着色されたガラス組成物及び自動車の可視パネル - Google Patents
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Description
(関連出願の相互参照)
本出願は、1993年11月16日出願の米国特許出願シリアル第08/153,246号明細書の継続出願であった、1995年3月31日出願の同時継続米国特許出願シリアル第08/414,165号明細書の一部継続出願である。本出願はまた、1999年6月11日出願の米国仮出願第60/138,899号及び1999年7月16日出願の米国仮出願第60/144,552号の利益をも請求する。また、これら米国仮出願に言及することによって、これら仮出願の内容の全てを本願明細書に組み入れる。
【0002】
(発明の背景)
(1.発明の分野)
本発明は概して、中間色の(neutral colored)ガラス組成物に関し、一層詳しくは、とりわけ、フロントガラス(windshields; 風防ガラス)、前面サイドランプ等の、自動車の可視パネルに対して非常に適している、透過色のシフト(shift; ずれ; 変化)特性の小さい灰色ガラス組成物に関する。
【0003】
(2.技術的考慮事項)
世界の様々な地域における、自動車の安全性;又は幹線道路若しくは他の公道の使用;を規定するか又は認可する責任のある諸行政機関は、フロントガラス、前面サイドランプ等の、自動車の特定の「可視パネル(vision panels)」に対する、光視感透過率(luminous light transmittance)の最低値を規定している。例えば、米国連邦規則(United States Federal regulations)は、自動車のフロントガラス及び前面サイドランプの光視感透過率(LTA)が少なくとも70%であることを要求している。トラック及びミニバンの、テールランプ(rear lights; 後灯)及び後面サイドランプのような他の自動車部品の透明性に対する視感透過率の必要条件、並びに、サンルーフ、ムーンルーフ等の非可視パネル(non-vision panels)に対する視感透過率の必要条件は典型的には、フロントガラス及び前面サイドランプに対する視感透過率の必要条件よりも小さい。世界の他の地域では、異なる最低値が規定されているかも知れない。
【0004】
規制された視感透過率の必要条件を満たす、現行の着色されたか又は被覆された自動車部品の透明体はまた、ある程度の遮光特性又は太陽光制御特性を与え、その結果、例えば、自動車のインテリアに与える紫外線放射の有害作用(例えば、織物の退色)を低減するのに役立つこともある。しかし、これら既知の、自動車部品の透明体は、太陽エネルギーをある程度防護するが、それら透明体はまた、その透明体を通して観測される物体の感知色(perceived color)に影響を及ぼす傾向もある。従来の着色された自動車部品の透明体を通して見られ、自動車の外側から感知される、例えば自動車インテリアの色(例えばインテリア織物の色)は、そのインテリアの実際の色と異なった色に見えることがある。もし、自動車インテリアが、自動車の全体的外観に関し、ある種の美的効果を提供するように選定されているならば、この感知される色のシフト又は「透過される」色のシフトは、自動車の全体的な美的外観に悪影響を与える。
【0005】
従って、例えば、一層低い刺激純度又はあまり強くない色(例えば灰色)を有するガラスのような中間色ガラスであって、感知された色のシフトを減少させ、同時に、良好な太陽光性能特性も提供する中間色ガラスは、好都合である。しかし、そのようなガラスを形成するには、様々な製造上の問題がある。例えば、良好な太陽光制御特性[例えば、赤外線(IR)若しくは紫外線(UV)の吸収及び/又は反射]を有する大抵の自動車用着色ガラスはまた、中程度の濃度〜高濃度の第一鉄(FeO)を含有する。第一鉄は、太陽スペクトルの赤色領域〜近赤外領域において広範囲の吸収バンドを生じる。ガラス中の第一鉄の濃度は、酸化鉄の全濃度とガラスの酸化状態の両者、又はそれのレドックス比(redox ratio)に依存する。従って、ガラス中において、中程度のレベル〜高レベルの第一鉄を達成することは、ガラスの全鉄濃度、又はガラスのレドックス比、又はそれら両者を増大させることを含むことがある。
【0006】
通常採用されている0.35以下のレドックス比で、ガラス中の全鉄を増加させると、緑色になる。他方、ガラスのレドックス比を増大させると、ガラスの色は青色にシフトする。これらの変量の一方又は両方を増大させれば、可視光の吸収が一層大きくなるために、光視感透過率(LTA)が一層小さくなる結果となる。このように、規制されている最低LTAの規定に従うために可視透過率を高レベルに維持しながら、中間色ガラスの赤外線吸収を大きくすることは、とりわけ困難である。
【0007】
従って、本発明の目的は、中間色であり、良好な太陽光性能特性を与え、且つ、従来のガラス組成物よりも一層小さい透過光シフト特性を与える、ガラス組成物及び自動車の可視パネルを提供することである。本発明のガラス組成物は、広範囲のレドックス比に渡って製造することができる。
【0008】
(発明の概要)
本発明によって、くすんだ灰色(a neutral gray color)と、ガラスが自動車の前方可視領域(例えば、フロントガラス及び前面サイドランプ)で;或いは自動車の主要なガラスとして;使用されるのを可能にする範囲内の視感(可視)透過率とを有するガラス組成物が提供される。このガラスはまた、建築用透明体に使用するのに有用である。本発明のガラスは、ある程度の太陽光制御特性をも与える諸主要着色剤を含有する従来のフロートガラス又は板ガラスのベース部分のような、典型的なソーダ・石灰・シリカガラスベース部分を有する場合がある。それら主要着色剤は、全鉄(Fe2O3) 0.30〜0.70重量%、CoO 0〜15ppm、及びSe 1〜15ppmを含有し、0.2〜0.675のレドックス比を有する。このガラスは、厚さ3.9mmでの少なくとも65%の視感透過率と、65%以下の全太陽エネルギー透過率(TSET)とを有するのが好ましい。例2で詳細に解説する通り、このガラスはまた、約6未満(一層好ましくは、約5未満)の標準透過色シフトを与えるのが好ましい。
【0009】
このガラスの主波長は、とりわけ色の選定に従って幾分変化する。しかし、このガラスは、約480nm〜約580nmの範囲の主波長と、約8%未満の刺激純度とによって特徴付けられるくすんだ灰色であるのが好ましい。
【0010】
本発明のガラスは、高レドックス方法[例えば、0.35以上(好ましくは、0.4以上)のレドックス比]か又は低レドックス方法[例えば、0.35未満(好ましくは、0.3未満)のレドックス比]を用いて製造することができる。高レドックス方法は、現在、最大の性能と最善の色(即ち、最もくすんだ色)とを提供するのに好まれている。本発明のレドックスの範囲は、従来の天頂加熱炉(overhead fired furnace)及び他のガラス溶融炉で達成することができる。当業者によって理解される通り、レドックス比を制御する、諸バッチ成分[即ち、ソルト・ケーキ(salt cake)、石膏等の酸化性塩、及び炭素等の還元剤]の投入調整は、約0.25より大きいレドックス比を得るのに必要かも知れない。
【0011】
本発明はまた、セレンの損失が安定化されるガラス製造方法をも提供する。用語「安定化させる(stabilized)」は、ガラス中に保持されているセレンの部分が、実質的に一定であるか、又は所定範囲のレドックス比において増加さえすることを意味する。本発明において、セレンを含有するブロンズ色又は灰色のガラスバッチ組成物に関し、ガラス中のセレン保持率(%)は、約0.35〜約0.60の範囲のレドックス比において、比較的一定になることが分かった。更に、レドックス比を0.60以上に増大すると、セレン保持率のレベルが増大することとなる。
【0012】
このように、本明細書に記述される方法及び組成物によって製造されるガラスは、くすんだ灰色の外観と、低TSET値と、低標準透過色シフトとを有することがある。また、酸化セリウム、酸化バナジウム、酸化モリブデン、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ等の追加諸成分を種々の量と組み合わせで、上記のガラス組成物に添加することによって、その物品の紫外線透過率もまた抑制することができる。
【0013】
(発明の詳細な記述)
別段の表示をしない限り、本明細書で使用する諸成分、反応条件等の量を表現する全ての数は、全ての場合、用語「約(about)」で修飾されているものと理解されるべきである。例えば、「約」で修飾されている大体の数量に関し、それは、±50%、好ましくは±40%、一層好ましくは±25%、更に一層好ましくは±10%、なおさら一層好ましくは±5%を意味し、そして、最も好ましくは、記載されている値又は規定された範囲の値である。また、量に対する数値基準は、別段記載しない限り、「重量%」である。本明細書に開示するガラス組成物の全鉄含有量は、標準的分析慣例に準じてFe2O3の形で表示するが、実際にその形が存在するかどうかとは関係がない。更に、第一鉄状態の鉄の量は、たとえFeOが実際、ガラス中にFeOとして存在しなくても、FeOと記載する。また、別段記述しない限り、本明細書における用語「全鉄(total iron)」は、Fe2O3の形で表現される全鉄を意味し、そして、用語「FeO」は、FeOの形で表現される第一鉄状態の鉄を意味する。本明細書で使用する用語「レドックス比(redox ratio)」は、(Fe2O3と表示される)全鉄の量で割った、(FeOと表示される)第一鉄状態の鉄の量を意味する。セレンは、元素Seの形で表示し、コバルトはCoOの形で表示する。本明細書で使用する用語「太陽光制御(solar control)」及び「太陽光制御特性(solar control properties)」は、太陽光特性[例えば、ガラスの可視透過率、IR(赤外線)透過率、UV(紫外線)透過率、及び/又は反射率]に影響を及ぼす特性を意味する。
【0014】
概して、本発明のガラス組成物は、ベース部分、即ち、
SiO2 65〜75重量%
Na2O 10〜20重量%
CaO 5〜15重量%
MgO 0〜5重量%
Al2O3 0〜5重量%
K2O 0〜5重量%
によって特徴付けられるソーダ・石灰・シリカ型のガラスから成る、主要着色剤を含有しない、ガラスの主要構成成分である。
【0015】
鉄、コバルト及び/又はセレンのような主要着色剤は、このベース部分に添加して、このガラスを着色し、及び/又はガラスに太陽光制御特性[例えば、IR(赤外線)及び/又はUV(紫外線)放射吸収特性]を与えることができる。一般に好ましい態様において、主要着色剤は、全鉄 0.30〜0.70重量%、CoO 0〜15ppm、及びSe 1〜15ppmを含有し、0.2〜0.675のレドックス比を有する。
【0016】
本発明のガラス組成物は、広範囲のレドックス比で製造することができる。例えば、約0.4未満、好ましくは約0.2〜0.4、一層好ましくは約0.2〜0.35のレドックス比に対して、本発明の1つの典型的なガラス組成物は、0.5重量%より多い全鉄、12ppm未満のCoO(好ましくは9ppm未満のCoO)、及び9ppm未満のSe(好ましくは1〜6ppmのSe)を含有することができる。0.4以上、好ましくは約0.4〜0.675のレドックス比に対して、本発明の1つの典型的なガラス組成物は、0.5重量%未満の全鉄(好ましくは0.3〜0.5重量%の全鉄)、及び3〜6ppmのSe(好ましくは4〜5ppmのSe)を含有することができる。CoOは、もし含有されるとしてもごく微量である。具体的なガラス組成物、及び透過色シフトに及ぼすそれらガラス組成物の影響は、次の諸例に記述する。
【0017】
本発明のガラス組成物によって、中間色(即ち、灰色)のガラスが提供される。物体(とりわけ、ガラス)の色は、非常に主観的なものである。観測される色は、照明条件と、観測者の好みとに左右される。色を定量的基準で評価するために、幾つかの色票系(color order systems)が開発された。国際照明委員会(the International Commission on Illumination)(CIE)によって採用されている、色を特定するそのような1つの方法は、主波長(DW)及び刺激純度(Pe)を使用する。与えられた色に対するこれら2つの項目の数値は、その色の、いわゆる3刺激値X、Y、Zから色座標x及びyを計算することによって決定することができる。次いで、CIE刊行物第15.2号に取り扱われている通りに、それら色座標を、1931CIE色度図にプロットし、CIE標準C光源の色座標と数値比較を行う。CIE刊行物第15.2号に言及することによって、これを本明細書に組み入れる。この数値比較によって、色度図上の色空間位置が与えられ、ガラスの色の刺激純度及び主波長が確定される。
【0018】
もう1つの色票系において、色は、色相(hue)及び明度(lightness)によって特定される。この色票系は通常、CIELAB表色系(color system)と呼ばれる。色相によって、赤(red)、黄(yellow)、緑(green)、青(blue)等の色が識別される。明度又は色値(values)によって、明暗の程度が識別される。これら特性の数値は、L*、a*及びb*と表示され、3刺激値(X、Y、Z)から計算される。L*は、該色の明暗を示し、該色が存在する明度平面(lightness plane)を示す。a*は、赤(+a*)緑(−a*)軸上の該色の位置を示す。b*は、黄(+b*)青(−b*)軸上の該色の位置を示す。CIELAB表色系の直交座標が円柱極座標に変換されるとき、得られる表色系は、明度(L*)、色相角(Ho)及び彩度(chroma)(C*)によって色を特定するCIECH表色系として知られている。L*は、CIELAB表色系におけるような該色の明暗を示す。彩度、又は飽和度(saturation)若しくは強度(intensity)は、色の強度又は透明度[鮮明度(vividness)対曇り度(dullness)]を識別し、また、色空間の中心から、測定された色までのベクトル距離である。該色の彩度が低ければ低いほど(即ち、該色の強度が小さければ小さいほど)、該色は、いわゆる中間色に一層接近する。CIELAB表色系に関し、C*=[(a*)2+(b*)2]1/2である。色相角は、赤、黄、緑、青等の色を識別し、また、赤(+a*)軸から反時計回りに測定されるCIECH色空間の中心を通って、a*、b*座標から伸びるベクトルの角度の大きさである。
【0019】
色はこれらの表色系のいずれによっても特徴付けることができること、また、当業者は、対応するDW及びPeの値;L*、a*及びb*の値;並びに、観測されたガラス又は複合透明体の透過率曲線からのL*、C*、Hoの値を計算することができることを認識すべきである。色の計算の詳細な解説は、米国特許第5,792,559号明細書に記載されており、その米国特許明細書に言及することによって、その米国特許明細書の内容を本明細書に組み入れる。
【0020】
上述の本発明の、ベースの鉄含有ソーダ・石灰・シリカガラス組成物に追加の着色剤をも添加して、ガラス中の色強度を低下させ、とりわけ、くすんだ灰色ガラスを造ることができる。本明細書で用いる用語「灰色(gray)」は、約480nm〜約580nm、好ましくは485nm〜540nmの範囲の主波長と、約8%、好ましくは3%未満の刺激純度とを有するガラス又は透明体を意味する。
【0021】
硫化ニッケル石(nickel sulfide stones)の形成を回避するために、一般に好ましい本発明のガラス組成物は、本質的にニッケルを含有しないのが好ましい。即ち、汚染によって痕跡量のニッケルが含有される可能性は必ずしも回避し得ないが、故意にニッケル又はニッケル化合物を添加しない。好ましくはないが、ニッケルを含有する本発明の態様もある。
【0022】
本明細書に開示するガラス組成物は、少量の他の物質(例えば、溶融助剤及び清澄助剤、混入物又は不純物)を含有することがあることを認識すべきである。更に、ガラス中に少量の追加諸成分を含有させて、望ましい色特性を与え、及び/又はガラスの太陽光性能を改善することができる。そのような諸成分の例には、鉄ポリスルフィドが含まれる。更なる例には、クロム、マンガン、チタン、セリウム、亜鉛、モリブデン、又はそれらの酸化物又はそれらの組み合わせが含まれる。もし存在するとすれば、これらの追加諸成分は、ガラス組成物の約3重量%以下で含有されるのが好ましい。
【0023】
上記に解説するように、本発明の主要着色剤には、酸化鉄、セレンが包含され、また、態様によっては酸化コバルトが包含され、これら主要着色剤には、ガラスに太陽光性能特性を与えるものがある。ガラス組成物中の酸化鉄は、幾つかの機能を果たす。酸化第二鉄、Fe2O3は、強い紫外線吸収剤であり、ガラス中では黄色着色剤として機能する。酸化第一鉄、FeOは、強い赤外線吸収剤であり、青色着色剤として機能する。
【0024】
セレン(Se)は、その酸化状態に左右されるが、紫外線吸収物質及び/又は着色物質として作用する元素である。着色剤としてのセレンは、それの酸化状態により、色に対して異なる結果を与える。亜セレン酸塩又はセレン酸塩として酸化されている場合、色に関する可視的効果(可視的影響)は全くない。(分子状Seとして溶解している)単体セレンは、ガラスにピンク色を与える。還元セレン(セレン化第二鉄)は、ガラスに赤褐色を与える。Seはまた、赤外線をある程度吸収し、Seの使用によりレドックスは減少しがちである。
【0025】
酸化コバルト(CoO)は、青色着色剤として機能し、赤外線吸収特性も紫外線吸収特性も何ら認められない。鉄(即ち、酸化第二鉄及び酸化第一鉄)とセレンの間の適切なバランス、及び大抵の態様では、鉄とセレンとコバルトの間の適切なバランスは、望ましい分光特性を有する、着色された望ましい可視ガラスを得るのに必要である。
【0026】
製造物が、約70%より大きいLTAを有する、自動車の可視ガラスの用途のために向けられている場合、セレン及びコバルトの濃度には限界値がある。具体的な諸例を本明細書に記載する。自動車の中への熱負荷を低減するためには、生成物は、65%以下、一層好ましくは60%以下、更に一層好ましくは55%以下、そして、最も好ましくは50%以下の全太陽エネルギー透過率(TSET)を持つ必要がある。所要のLTA及び所望のTSETを維持するためには、Se、CoO、全Fe2O3、及びレドックス比を制御する必要がある。このように、記載されている諸例は、所望の色及びTSET値のための、上記変量に関する特定の組み合わせを与えている。しかし、本発明は本明細書に開示の諸例に限定されないことを理解すべきである。一般的に、諸特性の好ましい組み合わせに関し、ガラスのTSETが減少すれば、FeO濃度(=レドックス比×全Fe2O3濃度)は増加する。全Fe2O3、レドックス比又はそれらの組み合わせがある値を超えると、CoO、Se又はそれら両者の濃度を低減させることが必要となる。
【0027】
本発明の典型的な高レドックス比ガラス組成物は、下記の諸構成要素を含む:
SiO2 65〜75重量%
Na2O 10〜20重量%
CaO 5〜15重量%
MgO 0〜5重量%
Al2O3 0〜5重量%
K2O 0〜5重量%
Fe2O3 0.25〜0.5重量%
CoO 0〜12ppm
Se 3〜12ppm
レドックス比 0.4〜0.60
【0028】
約70%未満のLTAを有するガラスに対しては、上記の諸着色剤及びレドックス比の範囲より一層広い範囲を用いることができる。CoO及びSeの最大量は、一層小さいTSET値(例えば、約52%以下)に対して、上記範囲の下端である。加えて、所定のLTA及びTSETに対し、それら個々の組成の合計は、各着色剤だけで使用することのできる最大濃度よりも小さい。概して、TSET値が減少するにつれて、上記の諸着色剤はそれほど必要ではなくなる。
本発明のガラスは、あらゆる厚さ(例えば、1mm〜20mm、好ましくは約1.6mm〜約4.9mm)で造ることができる。
【0029】
本発明の高レドックス比の態様に関し、予想される主な問題は、ガラス中の高レドックスとセレンの組み合わせであった。ガラスを製造するための、バッチ原料に添加されるセレンは高められた温度で、セレンがガラス溶融物の中に組み入れられる前に急速に蒸発し、そうすることによって、得られるガラス中のセレン保持率は低下する。ガラス工業界では一般に、レドックス比が増大すれば、セレン保持率は更に一層小さくなるものと考えられている。当初のデータは、本発明のレドックス比の下端(0.2〜0.3)で、レドックス比が増大するにつれて、セレン保持率は急速に低下することが示されていた。外延(extension)によって、0.3より大きいレドックス比の値では、ガラス中のセレン保持率は極わずかであると考えられていた。図1に示す通り、本発明によって、レドックス比が約0.2から約0.35に増大するとき、セレン保持率が急速に低下することが確認された。図1は、種々のレドックス比で製造したブロンズ色又は灰色の種々のガラスバッチ組成物中のセレン保持率(重量%)を示す。しかし、図1にも示される通り、約0.35〜約0.60のレドックス比の値の範囲の組成物では、セレン保持率が低下するこの傾向は衰えて、セレン保持率はレドックス比と相対的に独立した状態となる(即ち、横ばい状態となり実質的に一定の最終保持率(%)となる)。更に、レドックス比が約0.60を越えて増大すと、実際、セレン保持率のレベルが増大する結果となる。このように、0.35〜0.60のレドックス比の範囲でブロンズ色又は灰色のガラスを製造するとき、以前予想されていたこととは逆に、レドックス比が増大して、ガラス中のセレンは実質的に同一の最終量に到達するので、セレンの出発量を増大させる必要はない。
【0030】
本発明のガラス組成物は、大規模な連続的商業的なガラス溶融操作で、当業者に知られている溶融・精製バッチ原料から製造することができる。このガラス組成物は、フロート法によって、異なる厚さの板ガラスに形成することができる。フロート法において、溶融ガラスは、当業界の周知のやり方で、リボン形状を帯びている溶融金属(通常はスズ)のプールに支持され、次いで、冷却される。
【0031】
本明細書に開示するガラスは、当業者に周知の従来の天頂加熱連続溶融操作を使用して、製造するのが好ましいが、そのガラスはまた、多段溶融操作(multi-stage melting operation)[例えば、クンクル(Kunkle)等の米国特許第4,381,934号明細書、ペコラロ(Pecoraro)等の米国特許第4,792,536号明細書、及びセルチ(Cerutti)等の米国特許第4,886,539号明細書に開示されるもの]を使用して製造することもできる。もし必要ならば、ガラス製造操作の溶融段階及び/又は形成段階で、撹拌装置を採用して、ガラスを均質にし、最高の光学的品質のガラスを製造することができる。
【0032】
溶融操作のタイプに左右されるが、ソーダ・石灰・シリカガラスのバッチ原料に、溶融・精製助剤としてイオウを添加することができる。商業的に製造されるフロートガラスは、SO3を約0.5重量%以下で含有することができる。鉄及びイオウを含有するガラス組成物では、ペコラロ等の米国特許第4,792,536号明細書で解説されているように、還元条件を与えることによって、視感透過率を低減するこはく色を作り出すことができる。FeO含有量を増大させることによって、ガラスの赤外線吸収を増大させ、且つ、TSET吸収を低減させることが可能となる。しかし、ガラスが、高度に還元性条件のイオウの存在下で製造されるとき、イオウと第二鉄の間の反応から生じる発色団の形成によって、こはく色を呈することがある。しかし、更に、低レドックス系に関し本明細書に開示するタイプのフロートガラス組成物にこの色合いを生じさせるのに必要な還元条件は、フロート形成操作の間、溶融スズに接触している下部ガラス表面の最初のほぼ20μmに限定され、そして、暴露される上部ガラス表面に対しては一層少ない程度に限定されるものと思われる。ガラスのイオウ含有量が低く、また、あらゆる色合いが生じるガラス領域が限定されるために、特定のソーダ・石灰・シリカガラス組成物に左右されるが、これらの表面中のイオウは、主要な着色剤ではない。換言すれば、鉄イオウの発色団が存在しなくても、着色ガラスのための主波長が、低レドックスに対する所望の色のための所望の波長範囲を越えるという結果には至らない。それ故に、もし低レドックス(即ち、約0.35以下)において、何らかの物質がガラスの色又は分光特性に影響を与えるならば、これらの発色団はほとんど有さない。高レドックス(即ち、約0.35以上)において、鉄ポリスルフィドの発色団は、バルクガラスそれ自身の中に形成することがある。例えば、約0.4以上のレドックス比では、鉄ポリスルフィドが10ppm以下で存在する。
【0033】
上述の通り、溶融スズの上にガラスを形成する結果として、測定可能な量の酸化スズが、溶融スズと接触する側のガラス表面部分の中に移動することができる。フロートガラスの一部分は典型的には、スズと接触していたガラス表面の下の最初の約25μmの中に約0.05〜2重量%の範囲のSnO2濃度を有する。SnO2の典型的な背景濃度(background levels)は30ppm程度である場合がある。溶融スズによって支持されたガラス表面の最初の約10Å中に高濃度のスズがそのガラス表面の反射率をわずかに増大させることがある;しかし、ガラス特性に及ぼす全体的影響は、非常に小さい。
【0034】
本発明のガラス組成物は、1種以上の膜形成性のコーティング又は膜で被覆することができるか、又は、現行の膜物質を、そのガラスの少なくとも一部分の上に置くか若しくはその少なくとも一部分の表面全体に渡って堆積する(deposited)ことができる。基体上の1種以上の被覆性膜は、熱分解用途;化学蒸着;及びマグネトロンスパッタ真空蒸着(magnetron sputtered vacuum deposition)(以下「MSVD」という)、電子ビーム(EB)堆積等のスパッタリング技術;によって施されるような薄膜とすることができる。当業者に周知のあらゆる技術を使用することができる。例えば、真空スパッタリングを包含するスパッタリング、熱蒸発(thermal evaporation)、E−ビーム、イオンアシスト蒸着(ion-assisted deposition)等の薄膜堆積技術を使用することができる。基体スパッタリング技術を含む電子ビーム蒸発技術は、スパッタエッチング、R.F.基体バイアス及び反応性スパッタリングと一緒に使用することができる。マグネトロンスパッタリングは、基体に薄膜で堆積されるターゲット材の、プラズマ誘導による分子レベルでの運動量移動(momentus transfer)である。磁場は、プラズマ点火、イオンエネルギー、プラズマ密度、堆積速度、及び膜付着を増進させるために使用される。DCスパッタリングは、高い割合の金属薄膜、又は反応性背景ガスを伴う窒化物若しくは酸化物を堆積させるのに使用することができる。RF(高周波)スパッタリングは、不活性又は反応性の雰囲気中で、金属又は絶縁体の薄膜を堆積させるのに使用することができる。MSVD法では、不活性雰囲気、又は酸素含有雰囲気、及び/又は窒素含有雰囲気の中、負圧下で、金属含有カソードターゲットをスパッタリングさせて、基体上にスパッタコーティング(sputter coating)を堆積させることができる。
【0035】
米国特許第4,379,040号明細書;同第4,610,771号明細書;同第4,861,669号明細書;同第4,900,633号明細書;同第4,920,006号明細書;同第4,938,857号明細書;同第5,552,180号明細書;同第5,821,001号明細書;及び同第5,830,252号明細書(これら明細書に言及することによって、それらの内容は本明細書に組み入れる)には、典型的なMSVD装置と、ガラス基体を包含する基体の上に、被覆金属及び/又は被覆酸化物の諸膜をスパッタリングする方法とが記述されている。
【0036】
CVD又はスプレー熱分解法(spray pyrolysis methods)によるコーティング膜の形成は、本発明のガラス組成物でガラスフロートリボンのような基体を製造する間、実施することもできる。上記で解説した通り、ガラスフロートリボンは、炉中で諸ガラスバッチ原料を溶融し、次いで、溶融スズ浴の上に精製済み溶融ガラスを送り出すことによって製造する。溶融スズ浴上の溶融ガラスは、連続したガラスリボンとして、そのスズ浴を横切って引っ張り、その間、その溶融ガラスは、ある大きさに作り、そして、制御しながら冷却し、寸法が安定したガラスフロートリボンを形成する。そのフロートリボンは、溶融スズ浴から取り外し、レア(lehr; ガラス焼きなまし炉)を通して輸送ロールによって移動させ、フロートリボンをアニーリングする。次いで、アニーリング済みフロートリボンは、輸送ロールで切削ステーション(cutting station)を通して移動させる。切削ステーションにおいて、このリボンは、所望の長さと幅の板ガラスに切断する。米国特許第4,466,562号明細書及び同第4,671,155号明細書には、フロートガラスのプロセスが解説されている。これら米国特許明細書に言及することによって、それらの内容は本明細書に組み入れる。
【0037】
スズ浴上のガラスフロートリボンの温度は通常、浴の供給端の約1093.3oC(2000oF)から、浴の出口端の約538oC(1000oF)の範囲に及ぶ。スズ浴とアニーリングレアの間のフロートリボンの温度は通常、約480oC(896oF)〜約580oC(1076oF)の範囲にあり;アニーリングレア中のフロートリボンの温度は通常、約204oC(400oF)〜約557oC(1035oF)(最大値)の範囲にある。
【0038】
被覆性膜を施すための温度範囲は、被覆される基体によって影響を受けることがある。例えば、基体がガラスフロートリボンであり、フロートリボンを製造する間にフロートリボンにコーティングを施す場合、そのフロートガラスは、1000oC(1832oF)を越える温度に到達することがある。フロートガラスリボンは通常、約800oC(1472oF)の温度で細くするか又はある大きさに作る(例えば、伸ばすか又は圧縮する)。フロートガラスを細くする前、又は細くしている間にコーティングを施せば、フロートリボンは伸ばされるか又は圧縮されるので、そのコーティングにはクラック又はしわが生じることがある。従って、フロートリボンの寸法が安定するとき[例えば、ソーダ・石灰・シリカガラスでは約800oC(1472oF)以下]であって、且つ、フロートリボンが、金属含有前駆体を分解する温度[例えば、約400oC(752oF)以上]であるときに、コーティングを施すのが好ましい。
【0039】
米国特許第4,853,257号明細書;同第4,971,843号明細書;同第5,536,718号明細書;同第5,464,657号明細書;及び同第5,599,387号明細書には、本発明を実施するのに使用されて、ガラスフロートリボンを製造する間にそのガラスフロートリボンを被覆することのできる、CVD被覆装置及びCVD法が記述されている。これら米国特許明細書に言及することによって、それらの内容は本明細書に組み入れる。CVD法によると、フロートリボンの製造に関連する苛酷な環境に耐えながら、移動しているフロートリボンを被覆することができる。CVD被覆装置は、フロートリボンを製造するプロセスの幾つかの時点で採用することができる。例えば、CVD被覆装置は、フロートリボンがスズ浴を通って移動する時;フロートリボンがスズ浴を出た後;フロートリボンがアニーリングレアに入る前;フロートリボンがアニーリングレアを通過して移動する時;又は、フロートリボンがアニーリングレアを出た後;に採用することができる。
【0040】
当業者には理解されると思われるが、基体上のコーティングの厚さは、幾つかのプロセスパラメータに影響を受ける。被覆性膜を形成するための材料に関しては、熱分解又はCVDを適用するためのキャリヤガス中の、金属又は金属含有前駆体の濃度;及びキャリヤガスの流量;が影響を及ぼすことがある。基体に関しては、フロートリボンの速度(線速度);フロートリボンの表面積に相対するCVD被覆装置の表面積;及びフロートリボンの表面積と温度;が要因である。また、CVD被覆装置の排気口を通過する使用済みキャリヤガスの流量、一層具体的には、「排気整合比(exhaust matching ratio)」として知られている、[CVD被覆装置の排気口を通過する排気速度]対[CVD被覆装置を通過するキャリヤガスの入力速度]の比もまた、1つの要因である。これらのパラメータは、CVD法によって、フロートリボン上に形成される被覆性膜の最終厚さと最終形態とに影響を与える。
【0041】
米国特許第4,719,126号明細書;同第4,719,127号明細書;同第4,111,150号明細書;及び同第3,660,061号明細書には、ガラスフロートリボンの製造プロセスと一緒に使用することのできる、スプレー熱分解装置及びスプレー熱分解法が記述されている。これら米国特許明細書に言及することによって、それらの内容は本明細書に組み入れる。CVD法のようなスプレー熱分解法は、移動しているフロートガラスリボンを被覆するのに非常に適しているが、このスプレー熱分解法は、CVD装置よりも一層複雑な装置を有し、通常、スズ浴の出口端と、フロートガラスの製造プロセスのためのアニーリングレアの入口端の間で採用される。
【0042】
当業者には理解され得ると思われるが、熱分解によって噴霧(スプレー)される水性懸濁液の諸構成成分及び濃度;フロートリボンの線速度;熱分解スプレーガンの数;スプレー圧力又はスプレー容積;スプレーパターン;及び堆積時のフロートリボンの温度;は、スプレー熱分解によってフロートリボン上に形成されるコーティングの最終の厚さ及び形態に影響を与えるパラメータの一部である。使用することのできる、商業的タイプのコーティングの例は、米国特許第4,134,240号明細書に開示されているものが包含され、夏季の間、太陽エネルギーの通過を減少させるコーティング及び/又はそのような放射熱損を減少させるコーティングは、米国特許第2,724,658号明細書;同第3,081,200号明細書;同第3,107,177号明細書;同第3,410,710号明細書;及び同第3,660,061号明細書に教示されており、PPGインダストリーズ社(ペンシルバニア州、ピッツバーグ)から市販されている。上記の全ての米国特許明細書に言及することによって、それらの内容は本明細書に組み入れる。
本発明の典型的なガラス組成物は、以下の諸例に記述する。
【0043】
(例1)
この例は、本発明の原理を具体化するガラス組成物を開示する。ガラス組成物を設計し、また、本発明の原理を具体化する諸特性を作り出すために、特別なコンピュータモデルを使用することも可能である。
【0044】
開示する組成物の鉄、セレン及びコバルトの部分に加えて、他の混入成分(例えば、約15ppm以下のCr2O3、約40ppm以下のMnO2、及び0.08重量%以下のTiO2であるが、これらに限定されるものではない)が、溶融物中に含有されることがある。Cr2O3、MnO2及びTiO2は、カレット(cullet)の一部としてガラス溶融物の中に入るものと推定される。上記に解説したような商業的フロート法によって製造される、本発明のガラス組成物に関し、製造されたガラスには、例えば、約9ppm以下のCr2O3、及び約0.025重量%のTiO2が含有されることがある。そのような諸物質の上記レベルは、本発明のガラスの諸分光特性及び色特性に対して実質的に悪影響を与えない混入レベルであると考えられる。「混入物質(tramp material)」のこれら範囲は、単に典型的なものであって、本発明を制限するものではないことを理解すべきである。そのような混入物質が、得られるガラスの所望の特性に全く悪影響を与えない限り、それらの一層多い量は存在し得る。
【0045】
次の諸例に示される諸分光特性は、3.9mm(0.1535インチ)の基準厚さに基づいている。諸例の諸分光特性は、米国特許第4,792,536号明細書に開示される諸式を用いて、異なる厚さの近似値を求め得ることを理解すべきである。
【0046】
諸例の透過率のデータに関して、視感透過率(LTA)は、380〜770nmの主波長に渡り2oの観測者でC.I.E.標準「A」光源を用いて測定される。主波長及び刺激純度(Pe)の形でのガラスの色は、ASTM E308−90に規定されている手順に従い、2oの観測者でC.I.E.標準「C」光源を用いて測定される。全太陽紫外線透過率(TSUV)は、300〜400nmの波長範囲に渡り測定され、全太陽赤外線透過率(TSIR)は、775〜2125nmの波長範囲に渡り測定され、また、全太陽エネルギー透過率(TSET)は、275〜2125nmの波長範囲に渡り測定される。TSUV、TSIR及びTSETの透過率データは、当業界で知られているような、パリー・ムーン・エアー・マス・2.0直達太陽放射照度データ(Parry Moon air mass 2.0 direct irradiance data)を用いて計算され、また、台形法則(Trapezoidal Rule)を用いて積分される。記載の組成量は、蛍光X線によって決定した。
【0047】
本発明のガラス組成物は、バッチ原料及び前もって溶融した原料から製造することができる。これの実例には、次の配合が包含される:
カレット 239.7g
砂 331.1g
ソーダ灰 108.3g
石灰石 28.1g
苦灰石(ドロマイト) 79.8g
ソルトケーキ(salt cake) 2.3g
Fe2O3 (全鉄) 所要量
Se 所要量
Co3O4 所要量
【0048】
それら原料は、調整して最終のガラス重量を作り出すことができる。還元剤は、レドックスを制御するのに必要なだけ添加する。使用するカレットは、溶融物の約30%を構成することができ、0.51重量%以下の全鉄、0.055重量%のTiO2、及び7ppmのCr2O3を含有することができる。諸例中の溶融物を調製する場合、諸成分の重量を計り、混合することができる。バッチ原料は、シリカるつぼに入れて、1343oC(2450oF)まで加熱することができる。バッチ原料が溶融するとき、残りの原料をそのるつぼに添加することができ、次いで、そのるつぼは30分間、1343oC(2450oF)で維持することができる。溶融したバッチは加熱して、1371oC(2500oF)、1399oC(2550oF)、1427oC(2600oF)の温度にそれぞれ、30分間、30分間、1時間の間維持することができる。次いで、溶融したガラスは、水中でフリットにし、乾燥し、次いで、白金るつぼ中で2時間、1454oC(2650oF)まで再加熱することができる。溶融したガラスは、そのるつぼから一度に流し出して、スラブ(slab; 厚板)を形成し、アニーリングすることができる。試料は分析のために、そのスラブから切り取り、削り、研磨することができる。
【0049】
ガラス組成物(FeOは除く)の化学分析は、「RIGAKU 3370 蛍光X線分光光度計」を用いて決定することができる。ガラスの分光特性は、ガラスの諸分光特性を首尾よく達成するであろう、紫外線への長期暴露又はガラスの焼き入れ(tempering; 強化)の前に、「パーキンエルマーラムダ(Perkin-Elmer Lambda) 9 UV/VIS/NIR分光光度計」を用いて、アニーリング済み試料について決定することができる。FeO含有量及びレドックスは、化学的に決定するか、又はガラスの色及びスペクトル性能のコンピュータモデルを使用して決定することができる。
【0050】
次のものは、前述のバッチに基づいて計算した実験溶融物のためのおおよその基礎的酸化物である:
SiO2 72.1重量%
Na2O 13.6重量%
CaO 8.8重量%
MgO 3.8重量%
Al2O3 0.18重量%
K2O 0.057重量%
【0051】
下の表1は、種々のレドックス比での、本発明の典型的なガラス組成物を開示する。別段表示しない限り、表に記載の値は重量%である。用語「N/A」は、データが記録されなかったことを意味する。
【0052】
【0053】
表2は、表1の組成物から造った、厚さ3.9mm(0.1535インチ)の供試体の諸分光特性を開示する。
【0054】
(例2)
この例は、本発明のガラス組成物の、そのガラスを通して見た物体の感知される色に及ぼす影響を例証し、また、基体を通して観測される物体に対する「標準透過色シフト(standard transmitted color shift)」を測定する方法を与える。
【0055】
基体を通して見た物体の感知される色のシフト又は「透過される」色のシフトに及ぼす、その基体の影響を評価するために、「標準」系(即ち、基準基体、確定された基準物質及び基準光源)を用いた数理的ルーチン(routine)を開発した。選定した基準基体は、PPGインダストリーズ社(PPG Industries, Inc.)から市販されている、厚さ3.9mm(0.1535インチ)のスターフィア[Starphire(登録商標)]ガラスであった。基準物質は、市販の灰色の織物を選定することによって確定した。その織物の分光特性は表2に記載する。基準光源は、D65であった。
【0056】
先ず、選定した基準織物の反射色スペクトルは、パーキンエルマー社(Perkin-Elmer Corporation)から市販されている、ラムダ9分光光度計及び基準光源(D65)を用い、種々な波長で測定した。その織物材料の反射色スペクトルは、D65光源、及び「CIE 1964(10o)観測者」の標準観測者のための「ASTM E 308−85」に開示される方法を用いて、1つの色(即ち、色度座標)に変換することができる。
次いで、その分光光度計を用いて、同じ選定諸波長で、基準スターフィア[Starphire(登録商標)]ガラスの透過率を測定した。これらの「基準」反射率及び透過率のデータは、表3に記載する。
【0057】
【0058】
基準基体[スターフィア(Starphire)(登録商標)ガラス]を通して観測されるときの、選定した基準材料(織物)の色のシフトを規定する「透過色シフト(transmitted color shift)」を計算するために、次の数式を開発した:
Tλ=SIλ×TGλ×ROλ×TGλ×SOλ
[式中、Tλは、波長λで基体を通して透過され、選定された材料によって反射され、次いで、該基体を再び通過して測定装置まで戻される、基準光源からの光の量であり;SIλは、前記基準光源の波長λ(ASTM E 308−85からのもの)での相対出力であり;TGλは、前記基体の波長λ(前記の分光光度計によって測定されたもの)での透過率であり;ROλは、前記選定された材料の波長λ(前記の分光光度計によって測定されたもの)での反射率であり;SOλは、波長λでの標準観測者3刺激値(ASTM E 308−85、CIE 1964補足的基準(Supplementary Standard)(10o)の標準観測者3刺激値)である]。次いで、基体を通して観測される材料の色は、ASTM E 308−85を用いて決定した。ASTM E 308−85に言及することによって、その内容は本明細書に組み入れる。典型的な色計算方法は、「F.W.ビルメイヤー(Billmeyer)及びM.ザルツマン(Saltzman):色彩技術の原理(Principles of Color Technology),第2版,ジョーン・ウィリー・アンド・サンズ(John Wiley & Sons)(1981)」に記述されている。その刊行物に言及することによって、その内容は本明細書に組み入れる。その色計算方法は、当業者に十分理解されるであろう。
【0059】
この標準系に対する透過色シフトを明確にした後、種々のガラス試料の供試体を用いて類似計算を行い、更に、これら試料の他のガラス供試体に対する透過色シフトを、再び上述の通りに計算した。スターフィア(Starphire)(登録商標)ガラスを通して観測した織物材料の計算色シフトと、試験を行っている選定基体を通して観測した織物材料の計算色シフトの間の差異は、本明細書では、「標準透過色シフト(standard transmitted color shift)」(DC)と呼び、
DC=[(a* ref−a* test)2+(b* ref−b* test)2]1/2
(式中、a* ref及びb* refは、標準系からのa*値及びb*値であり、a* test及びb* testは、試験供試体を用いたa*値及びb*値である)と定義する。
【0060】
表4〜表7は、上述の「標準」スターフィア(Starphire)(登録商標)系と比較した幾つかの異なる色の市販の織物に対する、表1に記載した本発明の選定ガラス組成物から製造した幾つかの代表的ガラスパネル(試料8、9、10及び11)の分光特性の差異を記載する。「デルタ」値は、記載されている特定の特性に対して、標準系の値から試験値を減じることによって計算される。
【0061】
【0062】
【0063】
【0064】
【0065】
比較するために、表8は、表4〜表7の同一織物材料に対する標準透過色シフトであるが、基準として上述した標準スターフィア(Starphire)(登録商標)系を使用して、従来の緑色ガラス[この場合、PPGインダストリーズ社から市販されているソーラーグリーン(Solargreen)(登録商標)である]を通して観測した標準透過色シフトを記載する。
【0066】
【0067】
表4〜表8に示される通り、本発明のガラス組成物は一般的に、ソーラーグリーン(Solargreen)(登録商標)ガラスよりも一層小さい標準透過色シフトを与える。本発明のガラスは、厚さ3.9mmで、6未満、好ましくは5未満、一層好ましくは4未満、そして、最も好ましくは3未満の、上記に定義した標準透過色シフトを有するのが好ましい。
【0068】
上述の計算方法を使用して、あらゆるガラス基体又は織物であって、各々の分光透過率及び分光反射率が既知であるものに対する標準透過色シフトを計算することができる。
【0069】
しかし、当業者にはよく理解されると思われるが、透過色シフトは、例えば、ビーク・ガードナー(Byk Gardner)から市販されているスペクトラガード(SpectraGard)計器を使用して、直接に測定することができる。この代替的方法において、ガラス供試体(即ち、基準)はその計器の反射部分に置き、材料(例えば、織物)は、その供試体の約1/4インチ後に置く。その計器は、正反射−排除モード(specular reflection-excluded mode)で操作するのが好ましい。基準光源(例えば、D65)及び基準観測者[例えば、1964(10o)観測者]は、選定することができる。この配置において、光はガラス供試体を通って移動し、その材料で反射し、次いで、再びその供試体を通って計器へ進む。次いで、その計器により、色の諸数値(例えば、L*、a*、b*等の色度座標)を決定する。
【0070】
これらの「標準」値が得られた後、基準ガラス供試体は試験供試体と取り替えることができ、そして、色の諸数値を再び測定する。次いで、その計器により、「標準」値と「試験供試体」値の間の測定済み色の差異を決定して、標準透過色シフトを得る。
【0071】
しかし、この代替的方法の短所は、その透過色シフトを測定するためには、実際の諸試料(即ち、基準ガラス供試体、試験供試体及び織物)が手元になければならないことである。もう1つの方法として、上述の分光光度計による計算方法において、一旦、特定のガラス供試体又は織物の分光データが測定されれば、他のあらゆるガラス供試体に関する透過色シフトは、それら試料の全てを物理的に存在させることなく、前記の他のガラス供試体の分光データを用いて計算することができる。
【0072】
本発明に関し、前記記述に開示した概念から逸脱することなく、諸修飾・変形を行うことができることは、当業者には容易に理解されるものと思われる。従って、本明細書に詳細に記述した特定の諸態様は、単に例証するものであって、本発明の範囲を制限するものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲及びそれに相当するもの全てによって与えられるべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】ブロンズ色又は灰色の多数のガラスバッチ溶融物の[セレン保持率(%)]対[レドックス比]のグラフである。
Claims (15)
- 透過色シフト特性が減少した自動車可視パネルのためのくすんだ灰色のガラス組成物において、
SiO2 65〜75重量%
Na2O 10〜20重量%
CaO 5〜15重量%
MgO 0〜5重量%
Al2O3 0〜5重量%
K2O 0〜5重量%
を含有するベース部分と、
Fe2O3(全鉄) 0.30〜0.50重量%
CoO 0〜15ppm
Se 3〜6ppm
鉄ポリスルフィド 0より大きく10ppm以下
から実質的になる主要着色剤と、
を有する該ガラス組成物であって、そのガラスが、厚さ3.9mmでの少なくとも65%の視感透過率;0.35より大きく0.60までのレドックス比;65%以下のTSET;及び6未満の標準透過色シフト;を有する上記ガラス組成物であって、
前記標準透過色シフトは、下記の技術A又は技術Bのいずれかの方法によって測定される、前記ガラス組成物。
技術A
(A)下記の式1、式2及び式3、下記の表に記載の灰色織物材料、及びLabmda9分光光度計を使用して、下記表における各波長の前記ガラス組成物のX,Y,Zの3刺激値を計算し;
TλX=SIλ×TGλ×ROλ×TGλ×SOλX (式1)
TλY=SIλ×TGλ×ROλ×TGλ×SOλY (式2)
TλZ=SIλ×TGλ×ROλ×TGλ×SOλZ (式3)
(式中、λは下記表に記載の波長であり;
TλXは、波長λにおける前記ガラス組成物のガラスを通して透過され、前記灰色織物材料によって反射され、次いで、該ガラス組成物のガラスを再び通過して分光光度計の測定装置まで戻される、基準光源からの光の量であり、TλX値は波長λにおける3刺激値Xであり;
SIλは、分光光度計の前記基準光源の波長λでの相対出力であり;
TGλは、分光光度計を使用して測定される、前記ガラス組成物の波長λでの透過率であり;
ROλは、前記灰色織物材料の波長λでの反射率であり;
SOλXは、波長λでのASTM E 308−85,CIE1964補足的基準(10°)の標準観測者3刺激による標準観測者3刺激値Xであり;
TλYは、波長λにおける前記ガラス組成物のガラスを通して透過され、前記灰色織物材料によって反射され、次いで、該ガラス組成物のガラスを再び通過して分光光度計の測定装置まで戻される、基準光源からの光の量であり、TλY値は波長λにおける3刺激値Yであり;
SOλYは、波長λでのASTM E 308−85,CIE1964補足的基準(10°)の標準観測者3刺激による標準観測者3刺激値Yであり;
TλZは、波長λにおける前記ガラス組成物のガラスを通して透過され、前記灰色織物材料によって反射され、次いで、該ガラス組成物のガラスを再び通過して分光光度計の測定装置まで戻される、基準光源からの光の量であり、TλZ値は波長λにおける3刺激値Zであり;
SOλZは、波長λでのASTM E 308−85,CIE1964補足的基準(10°)の標準観測者3刺激による標準観測者3刺激値Zである。)、
(B)前記ガラス組成物のガラスの全てのTλXの値、全てのTλYの値、全てのTλZの値を加えて、表に記載の370から770ナノメートルの範囲の波長を網羅するXYZ3刺激値を算出し;
(C)表に記載の370から770ナノメートルの波長の範囲を網羅する前記ガラス組成物のガラスについて計算されたXYZ3刺激値を、L*、a*、b*色システムに変換し;
(D)前記(A)〜(C)の工程においてガラス組成物のガラスから、基準ガラスに変更し、同様の方法により、基準ガラスのL*、a*、b*色システムを算出し;
(E)下記式4を使用して前記ガラス組成物のガラスの前記色シフト値(DC)を計算する;ことを含む技術A;
DC=[(基準ガラスのa*値−前記ガラス組成物のガラスのa*値)2 +
(基準ガラスのb*値−前記ガラス組成物のガラスのb*値)2]1/2 (式4)
技術B
1964(10°)観測者でセットされた光源D65を有する分光光度計を用意し;
前記分光光度計の反射部分に基準ガラスを置き、前記基準ガラスは3.9mmの厚さ及び下記の表に記載された透過率を有し、基準ガラスのこの透過率は分光光度計を使用して3.9mmの厚さの時に測定したものであり;
基準ガラスが灰色織物材料と分光光度計の光源との間になるように基準ガラスの1/4インチ後ろに灰色織物材料を置く工程であって、前記灰色織物材料は下記の表の波長において表に記載の反射率を有し、その灰色織物材料の反射率は前記分光光度計を用いて測定されたものであり;
前記分光光度計を用いて、基準ガラス系としての基準ガラスと灰色織物材料との組み合わせのa*、b*色座標を測定し;
前記分光光度計の反射部分に前記ガラス組成物の3.9mmの厚さの前記ガラス組成物のガラスを置き;
前記ガラス組成物のガラスが灰色織物材料と分光光度計の光源との間になるように前記ガラス組成物のガラスの1/4インチ後ろに灰色織物材料を置き;
前記分光光度計を用いて、前記ガラス組成物のガラス系としてのガラス組成物のガラスと灰色織物材料との組み合わせのa*、b*色座標を測定し、
下記式5により前記ガラス組成物のガラスの前記色シフト(DC)を決定する;ことを含む技術B。
DC=[(基準ガラス系のa*値−前記ガラス組成物のガラス系のa*値)2 + ( 基準ガラス系のb*値−前記ガラス組成物のガラス系のb*値)2]1/2 (式5)
【表1】
表
- ガラス組成物が本質的にニッケルを含有していない、請求項1記載のガラス組成物。
- ガラス組成物が、酸化クロム、酸化マンガン、酸化チタン、酸化セリウム、酸化亜鉛、及び酸化モリブデンから選ばれる1種以上の追加成分を含有する、請求項1又は2記載のガラス組成物。
- 標準透過色シフトが4以下である、請求項1から3のいずれか一項に記載のガラス組成物。
- TSETが60%以下である、請求項1から4のいずれか一項に記載のガラス組成物。
- 刺激純度が8%未満である請求項1から5に記載のガラス組成物。
- 刺激純度が3%未満である請求項6記載のガラス組成物。
- ガラスが、480〜580nmの範囲の主波長によって特徴付けられる、請求項1から7のいずれか一項に記載のガラス組成物。
- 追加の紫外線吸収性物質を更に含有する、請求項1から8のいずれか一項に記載のガラス組成物。
- 追加の紫外線吸収性物質が、セリウム、酸化亜鉛、酸化スズ、バナジウム、チタン、モリブデン、又はそれらの組み合わせから選ばれる物質の酸化物である、請求項9記載のガラス組成物。
- 追加の紫外線吸収性物質が、ガラス組成物の3重量%以下である、請求項9又は10記載のガラス組成物。
- 請求項1から11のいずれか一項に記載のガラス組成物で造られた透明体。
- 透明体が1mm〜20mmの厚さを有する、請求項12記載の透明体。
- 自動車可視パネルとしての、請求項12又は13記載の透明体の使用。
- 自動車可視パネルとして使用される、請求項12又は13記載の透明体。
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