JPH05222091A - たんぱく質の分離方法 - Google Patents
たんぱく質の分離方法Info
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- JPH05222091A JPH05222091A JP2690992A JP2690992A JPH05222091A JP H05222091 A JPH05222091 A JP H05222091A JP 2690992 A JP2690992 A JP 2690992A JP 2690992 A JP2690992 A JP 2690992A JP H05222091 A JPH05222091 A JP H05222091A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 膜分離技術により、特にアルブミンとγ−グ
ロブリンとの分画、γ−グロブリンの凝集体(会合体)
の分離などたんぱく質の各成分を相変化を伴うことなく
良好に分離する方法。 【構成】 一般にSiO2 −B2 O3 −AxOy(式中
のAはCa、Al、Na、KおよびZrから選ばれた少
なくとも1種、xおよびyは1〜10の正の整数)で示
された系の基礎ガラス体から分相・抽出法により製造し
た孔径が100〜1200オングストロームである珪酸
系の多孔質ガラス膜を用いて濾過することにより混合た
んぱく質からたんぱく質成分を分離する方法。
ロブリンとの分画、γ−グロブリンの凝集体(会合体)
の分離などたんぱく質の各成分を相変化を伴うことなく
良好に分離する方法。 【構成】 一般にSiO2 −B2 O3 −AxOy(式中
のAはCa、Al、Na、KおよびZrから選ばれた少
なくとも1種、xおよびyは1〜10の正の整数)で示
された系の基礎ガラス体から分相・抽出法により製造し
た孔径が100〜1200オングストロームである珪酸
系の多孔質ガラス膜を用いて濾過することにより混合た
んぱく質からたんぱく質成分を分離する方法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、たんぱく質の分離方法
に関する。詳しくは、本発明は、特定した多孔質ガラス
膜による混合たんぱく質の分離方法に関し、本発明は例
えば血液製剤、血漿交換治療、モノクロナール抗体治
療、細胞培養あるいは細菌培養、組織培養の発育促進剤
として添加される血清などを得る方法として広く利用さ
れるものである。
に関する。詳しくは、本発明は、特定した多孔質ガラス
膜による混合たんぱく質の分離方法に関し、本発明は例
えば血液製剤、血漿交換治療、モノクロナール抗体治
療、細胞培養あるいは細菌培養、組織培養の発育促進剤
として添加される血清などを得る方法として広く利用さ
れるものである。
【0002】
【従来技術】血漿中には、100種以上のたんぱく質が
含まれており、特定のたんぱく質の分離精製および製剤
化が行われている。血漿たんぱく質のうち約60%を占
め、膠質浸透圧の維持をするアルブミンと免疫を担うグ
ロブリンの分離は極めて重要である。このようなアルブ
ミンとγ−グロブリンの分離方法としては、例えば分別
沈殿法、ゲル濾過法、イオン交換クロマトグラフィー
法、高分子分離膜を用いる分離方法などがある。しかし
ながら、分別沈澱法では相変化を伴うためタンパク質が
変性するおそれがある。また、ゲル濾過法は、大量分画
に適さない。イオン交換クロマトグラフィー法では、溶
液が希釈されるため更に濃縮を行うことが必要となり、
操作が煩雑となる。一方、膜濾過による方法は、操作が
簡便であり、相変化を伴わず、大量分画にも適するため
有望視されている。しかし、その反面、既存の高分子膜
は膜の孔径に広い分布が存在し、分画性能が良くないと
いう欠点がある。特開昭56−81521号には、分画
分子量10万の限外濾過膜を用いて、塩を添加し、特定
のpH領域に溶液を制御してアルブミンとγ−グロブリ
ンを分画する方法が提供されている。しかし、この方法
も分画性能がに改良の余地があり、また溶液のpHを制
御することによりたんぱく質が変性する可能性がある。
含まれており、特定のたんぱく質の分離精製および製剤
化が行われている。血漿たんぱく質のうち約60%を占
め、膠質浸透圧の維持をするアルブミンと免疫を担うグ
ロブリンの分離は極めて重要である。このようなアルブ
ミンとγ−グロブリンの分離方法としては、例えば分別
沈殿法、ゲル濾過法、イオン交換クロマトグラフィー
法、高分子分離膜を用いる分離方法などがある。しかし
ながら、分別沈澱法では相変化を伴うためタンパク質が
変性するおそれがある。また、ゲル濾過法は、大量分画
に適さない。イオン交換クロマトグラフィー法では、溶
液が希釈されるため更に濃縮を行うことが必要となり、
操作が煩雑となる。一方、膜濾過による方法は、操作が
簡便であり、相変化を伴わず、大量分画にも適するため
有望視されている。しかし、その反面、既存の高分子膜
は膜の孔径に広い分布が存在し、分画性能が良くないと
いう欠点がある。特開昭56−81521号には、分画
分子量10万の限外濾過膜を用いて、塩を添加し、特定
のpH領域に溶液を制御してアルブミンとγ−グロブリ
ンを分画する方法が提供されている。しかし、この方法
も分画性能がに改良の余地があり、また溶液のpHを制
御することによりたんぱく質が変性する可能性がある。
【0003】臨床治療における二重濾過血漿交換法は、
血漿分離器で一度濾過された血漿中のたんぱく質を、そ
の大きさに応じて、もう一度濾過して分離する方法であ
り、主としてアルブミンより小さい物質(アルブミン画
分)を膜透過させ、γ−グロブリンより大きい物質(病
因物質が含まれる)を除去することを意図した方法であ
る。しかし、2次膜として利用されている高分子膜は、
分離特性が悪くアルブミン画分とγ−グロブリン画分の
分離は不可能である。
血漿分離器で一度濾過された血漿中のたんぱく質を、そ
の大きさに応じて、もう一度濾過して分離する方法であ
り、主としてアルブミンより小さい物質(アルブミン画
分)を膜透過させ、γ−グロブリンより大きい物質(病
因物質が含まれる)を除去することを意図した方法であ
る。しかし、2次膜として利用されている高分子膜は、
分離特性が悪くアルブミン画分とγ−グロブリン画分の
分離は不可能である。
【0004】血漿たんぱく質の成分であるγ−グロブリ
ンを主成分とするγ−グロブリン製剤は、これまで広く
各種の感染症の予防および治療に役立てられてきた。筋
肉内投与に限定されていたこの製剤を静脈内投与が可能
なものとするために、様々な方法が提出されている。そ
のひとつに製剤中に含まれるγ−グロブリン凝集体を除
去する方法がある。更に、この凝集体を除去する方法
は、ポリエチレングリコール(PEG)沈澱法、pH
4.0処理法、イオン交換樹脂処理法、などがある。し
かしながら、PEG沈澱法は収率が悪く、PEGが残存
する恐れがあり、pH4.0処理法は、γ−グロブリン
分子が解離する恐れがある。また、イオン交換樹脂処理
法はγ−グロブリンのサブクラス組成が変化する可能性
がある。
ンを主成分とするγ−グロブリン製剤は、これまで広く
各種の感染症の予防および治療に役立てられてきた。筋
肉内投与に限定されていたこの製剤を静脈内投与が可能
なものとするために、様々な方法が提出されている。そ
のひとつに製剤中に含まれるγ−グロブリン凝集体を除
去する方法がある。更に、この凝集体を除去する方法
は、ポリエチレングリコール(PEG)沈澱法、pH
4.0処理法、イオン交換樹脂処理法、などがある。し
かしながら、PEG沈澱法は収率が悪く、PEGが残存
する恐れがあり、pH4.0処理法は、γ−グロブリン
分子が解離する恐れがある。また、イオン交換樹脂処理
法はγ−グロブリンのサブクラス組成が変化する可能性
がある。
【0005】また、血漿分画製剤の輸注に伴うウィルス
感染防止を目的とし、たんぱく質溶液中のウィルスを除
去または不活性化する様々な方法が考案されている。し
かし、満足のいく方法は提案されていない。例えば、吸
着による方法はウィルス除去率に経時的な変化があり、
高濃度にウィルスを含む溶液には適さない。ソルベント
デタージェント法は処理剤が残存する可能性があり、ま
た、脂質部分を持たないウィルスには適さない。加熱処
理は、たんぱく質が変性する可能性があり、また、耐熱
性のウィルスには適さない。限外濾過によりウィルスを
濾過分離する方法は、たんぱく質の相変化を伴わない、
工業化が容易であるなどの長所を有するが、分離に用い
られる高分子膜は、膜の孔径分布が広いため、たんぱく
質の大きさに近いウィルスの分離が不可能である。
感染防止を目的とし、たんぱく質溶液中のウィルスを除
去または不活性化する様々な方法が考案されている。し
かし、満足のいく方法は提案されていない。例えば、吸
着による方法はウィルス除去率に経時的な変化があり、
高濃度にウィルスを含む溶液には適さない。ソルベント
デタージェント法は処理剤が残存する可能性があり、ま
た、脂質部分を持たないウィルスには適さない。加熱処
理は、たんぱく質が変性する可能性があり、また、耐熱
性のウィルスには適さない。限外濾過によりウィルスを
濾過分離する方法は、たんぱく質の相変化を伴わない、
工業化が容易であるなどの長所を有するが、分離に用い
られる高分子膜は、膜の孔径分布が広いため、たんぱく
質の大きさに近いウィルスの分離が不可能である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記したように、たん
ぱく質の分離、分画は種々の方法で試みられている。し
かしながら、工業的に実施されている分別沈殿法によっ
てアルブミンとγ−グロブリンを分画することは、収率
が好ましくないばかりでなく純度を上げるためにくり返
し分別沈殿を実施する必要があるため、大量の溶媒が必
要となり、また特定のたんぱく質に含まれている他の微
量のたんぱく質成分の分離を実施するには更に煩雑とな
る。
ぱく質の分離、分画は種々の方法で試みられている。し
かしながら、工業的に実施されている分別沈殿法によっ
てアルブミンとγ−グロブリンを分画することは、収率
が好ましくないばかりでなく純度を上げるためにくり返
し分別沈殿を実施する必要があるため、大量の溶媒が必
要となり、また特定のたんぱく質に含まれている他の微
量のたんぱく質成分の分離を実施するには更に煩雑とな
る。
【0007】これに対して、相変化を伴わない分離技術
である膜分離法は、たんぱく質を変性させることなく分
離できるため、たんぱく質相互の分離あるいはγ−グロ
ブリン凝集体の除去に最も望ましい方法であることは事
実である。しかしながら、前記した従来の膜分離技術と
しては、特開昭56−81521号のほか、特開昭62
−3815号に記載されている特定した材質の限外濾過
膜を用いて、pHを規制して分離する方法などが提供さ
れているが、満足な結果が得られていない。
である膜分離法は、たんぱく質を変性させることなく分
離できるため、たんぱく質相互の分離あるいはγ−グロ
ブリン凝集体の除去に最も望ましい方法であることは事
実である。しかしながら、前記した従来の膜分離技術と
しては、特開昭56−81521号のほか、特開昭62
−3815号に記載されている特定した材質の限外濾過
膜を用いて、pHを規制して分離する方法などが提供さ
れているが、満足な結果が得られていない。
【0008】したがって、本発明の目的は、膜分離技術
による混合たんぱく質からたんぱく質の成分を分離する
改良された方法を提供することにある。
による混合たんぱく質からたんぱく質の成分を分離する
改良された方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記した
従来技術の問題点に鑑み鋭意研究の結果、特定の分離膜
を用いて特定の条件により、混合たんぱく質の各成分の
分画、特にアルブミンとγ−グロブリンとの分離、また
γ−グロブリンからγ−グロブリンの凝集体(会合体)
の分離、更に血漿たんぱく質或いはその各成分から混在
する1000オングストローム以下のウィルスの分離等
が良好に達成される知見に基づき、本発明を完成するに
至った。即ち、本発明によれば、分相・抽出法により得
た孔径が100〜1200オングストロームである珪酸
系の多孔質ガラス膜を用いて濾過することを特徴とする
たんぱく質の分離方法が提供される。本発明の多孔質ガ
ラス膜を得る分相・抽出法とは、分相現象を生じる成分
を含む珪酸系の基礎ガラス体を、加熱処理により相分離
を生じせしめ、次いで酸処理して分離相を溶出する従来
公知の製法である。例えば、前記した特公昭62−25
618号公報、同63−66777号公報などに記載の
方法が好適に採用される。
従来技術の問題点に鑑み鋭意研究の結果、特定の分離膜
を用いて特定の条件により、混合たんぱく質の各成分の
分画、特にアルブミンとγ−グロブリンとの分離、また
γ−グロブリンからγ−グロブリンの凝集体(会合体)
の分離、更に血漿たんぱく質或いはその各成分から混在
する1000オングストローム以下のウィルスの分離等
が良好に達成される知見に基づき、本発明を完成するに
至った。即ち、本発明によれば、分相・抽出法により得
た孔径が100〜1200オングストロームである珪酸
系の多孔質ガラス膜を用いて濾過することを特徴とする
たんぱく質の分離方法が提供される。本発明の多孔質ガ
ラス膜を得る分相・抽出法とは、分相現象を生じる成分
を含む珪酸系の基礎ガラス体を、加熱処理により相分離
を生じせしめ、次いで酸処理して分離相を溶出する従来
公知の製法である。例えば、前記した特公昭62−25
618号公報、同63−66777号公報などに記載の
方法が好適に採用される。
【0010】本発明の用いる珪酸系の多孔質ガラス膜
は、一般に式SiO2 −B2 O3 −AxOy(式中のA
はCa、Al、Na、KおよびZrから選ばれた少くと
も1種以上、xおよびyは1〜10の正の整数)で示さ
れる系のガラス体を熱処理して分相させ、次いで酸処理
して酸可溶成分を溶出除去して得られる多孔質ガラス膜
である。具体的には、例えば米国特許第2106744
号、同第2215039号に記載されているNaO−B
2 O3 −SiO2 系ガラスにおいてNa2 O−B2 O3
成分を溶出させる多孔性高けい酸ガラス体、また特公昭
62−25618号、同63−66777号に記載され
ているCaO−B2 O3 −SiO2 −Al2 O3 系ガラ
スから得られるAl2 O3 含有量に対する制約の少な
い、かつ細孔径が容易に制御された多孔質ガラス成形体
が好適に採用できる。
は、一般に式SiO2 −B2 O3 −AxOy(式中のA
はCa、Al、Na、KおよびZrから選ばれた少くと
も1種以上、xおよびyは1〜10の正の整数)で示さ
れる系のガラス体を熱処理して分相させ、次いで酸処理
して酸可溶成分を溶出除去して得られる多孔質ガラス膜
である。具体的には、例えば米国特許第2106744
号、同第2215039号に記載されているNaO−B
2 O3 −SiO2 系ガラスにおいてNa2 O−B2 O3
成分を溶出させる多孔性高けい酸ガラス体、また特公昭
62−25618号、同63−66777号に記載され
ているCaO−B2 O3 −SiO2 −Al2 O3 系ガラ
スから得られるAl2 O3 含有量に対する制約の少な
い、かつ細孔径が容易に制御された多孔質ガラス成形体
が好適に採用できる。
【0011】本発明に用いる多孔質ガラス膜は、孔径を
一般に100〜1200オングストローム、特に200
〜1000オングストロームで選定することが、混合た
んぱく質の目的とする各種の成分を良好に分離するため
に必要である。例えば、アルブミンとγ−グロブリンを
分画する場合には、孔径が300〜500オングストロ
ーム、特に350〜450オングストロームの多孔質ガ
ラス膜が用いられ、またγ−グロブリンの凝集体を分
離、除去する場合には、孔径が450〜1200オング
ストロームの多孔質ガラス膜が好ましく用いられる。な
お、孔径が100オングストロームより小さい多孔質ガ
ラス膜は、機械的強度に劣るとともに、透過液の濾過速
度が遅いため実用的でなく、また孔径が1200オング
ストロームより大きい多孔質ガラス膜では混合たんぱく
質の目的とする各種成分の良好な分画が達成されない。
更にまた、たんぱく質或いはその各成分中に混在するウ
ィルスを、そのウィルスの大きさに相当する孔径の多孔
質ガラス膜を用いることによって、分離することが出来
る。特に本発明で特定する孔径の大きさ即ち100〜1
200オングストロームの孔径の膜を使用するとき10
00オングストローム以下のビールスが効率よく分離さ
れる。
一般に100〜1200オングストローム、特に200
〜1000オングストロームで選定することが、混合た
んぱく質の目的とする各種の成分を良好に分離するため
に必要である。例えば、アルブミンとγ−グロブリンを
分画する場合には、孔径が300〜500オングストロ
ーム、特に350〜450オングストロームの多孔質ガ
ラス膜が用いられ、またγ−グロブリンの凝集体を分
離、除去する場合には、孔径が450〜1200オング
ストロームの多孔質ガラス膜が好ましく用いられる。な
お、孔径が100オングストロームより小さい多孔質ガ
ラス膜は、機械的強度に劣るとともに、透過液の濾過速
度が遅いため実用的でなく、また孔径が1200オング
ストロームより大きい多孔質ガラス膜では混合たんぱく
質の目的とする各種成分の良好な分画が達成されない。
更にまた、たんぱく質或いはその各成分中に混在するウ
ィルスを、そのウィルスの大きさに相当する孔径の多孔
質ガラス膜を用いることによって、分離することが出来
る。特に本発明で特定する孔径の大きさ即ち100〜1
200オングストロームの孔径の膜を使用するとき10
00オングストローム以下のビールスが効率よく分離さ
れる。
【0012】このような多孔質ガラス膜では、一般に基
礎ガラスにおける分相のサイズにより、得られる孔径が
依存するため、熱処理条件の適当な設定により所望する
孔径を調整する。即ち、前記した式SiO2 −B2 O3
−AxOyで示される組成(系)の基礎ガラスにおいて
は、熱処理温度を一定にして熱処理時間を変化させる方
法、または熱処理時間を一定として熱処理温度を変化さ
せる方法により、目的とする多孔質ガラス膜の孔径を調
整することができる。次いで、このように熱処理された
分相ガラスを必要により一部弗酸処理した後、塩酸、硝
酸、硫酸などの酸溶液に浸漬し、必要に応じて加熱する
ことにより、該分相ガラス中の酸可溶成分であるほう酸
ナトリウムなどを溶出して、多孔質ガラス膜を製造す
る。
礎ガラスにおける分相のサイズにより、得られる孔径が
依存するため、熱処理条件の適当な設定により所望する
孔径を調整する。即ち、前記した式SiO2 −B2 O3
−AxOyで示される組成(系)の基礎ガラスにおいて
は、熱処理温度を一定にして熱処理時間を変化させる方
法、または熱処理時間を一定として熱処理温度を変化さ
せる方法により、目的とする多孔質ガラス膜の孔径を調
整することができる。次いで、このように熱処理された
分相ガラスを必要により一部弗酸処理した後、塩酸、硝
酸、硫酸などの酸溶液に浸漬し、必要に応じて加熱する
ことにより、該分相ガラス中の酸可溶成分であるほう酸
ナトリウムなどを溶出して、多孔質ガラス膜を製造す
る。
【0013】本発明に用いる多孔質ガラス膜は、孔径が
100〜1200オングストロームに制御されていれば
特に制限されないが、一般に通常の焼結法により製造さ
れたセラミック膜にくらべて、相転換法により製造され
た高分子多孔膜は孔径分布が均一(シャープ)である。
また、この多孔質ガラス膜の細孔容積は、孔径に依存す
るため一概に規定できないが、一般に0.2cc/g以
上であり、特に500オングストロームの孔径を有する
膜では、少なくとも0.3cc/g以上であることが好
ましい。なお、このような多孔質ガラス膜は、例えば平
膜、中空管状膜、中空糸状膜などの形状で目的に応じて
用いられるが、膜面積および機械的強度を考慮して、中
空糸状膜をモジュールに組込んだ形態が好ましい。
100〜1200オングストロームに制御されていれば
特に制限されないが、一般に通常の焼結法により製造さ
れたセラミック膜にくらべて、相転換法により製造され
た高分子多孔膜は孔径分布が均一(シャープ)である。
また、この多孔質ガラス膜の細孔容積は、孔径に依存す
るため一概に規定できないが、一般に0.2cc/g以
上であり、特に500オングストロームの孔径を有する
膜では、少なくとも0.3cc/g以上であることが好
ましい。なお、このような多孔質ガラス膜は、例えば平
膜、中空管状膜、中空糸状膜などの形状で目的に応じて
用いられるが、膜面積および機械的強度を考慮して、中
空糸状膜をモジュールに組込んだ形態が好ましい。
【0014】本発明の分離方法において、たんぱく質は
水溶液中に存在するもの、生理的食塩水中に存在するも
のなど、特に限定されるものでない。特に、極めて分子
量が近似する血漿たんぱく質の分離など、性質が類似す
る血漿たんぱく質の分離には、食塩などの無機塩を添加
したり、適宜pHを調整することによって、高分子電解
質の1種である血漿たんぱく質の水中における大きさ、
解離度を変えることによって、より効率的に血漿たんぱ
く質の相互を分離することができる。さらに、適当な有
機溶媒、例えばエタノールなどを添加することによって
も、分離効率を向上できる場合がある。
水溶液中に存在するもの、生理的食塩水中に存在するも
のなど、特に限定されるものでない。特に、極めて分子
量が近似する血漿たんぱく質の分離など、性質が類似す
る血漿たんぱく質の分離には、食塩などの無機塩を添加
したり、適宜pHを調整することによって、高分子電解
質の1種である血漿たんぱく質の水中における大きさ、
解離度を変えることによって、より効率的に血漿たんぱ
く質の相互を分離することができる。さらに、適当な有
機溶媒、例えばエタノールなどを添加することによって
も、分離効率を向上できる場合がある。
【0015】尚、多孔質ガラスの孔径は島津製作所製ポ
アサイザー9310を用いて水銀圧入法によって求め
た。
アサイザー9310を用いて水銀圧入法によって求め
た。
【0016】
【作用および効果】本発明によれば、相変化を伴うこと
なく極めて効率よく、混合たんぱく質からたんぱく質成
分を良好に分離することができる。その理由は、分相・
抽出法によ 乗効果と推測される。
なく極めて効率よく、混合たんぱく質からたんぱく質成
分を良好に分離することができる。その理由は、分相・
抽出法によ 乗効果と推測される。
【0017】
【実施例】以下、本発明の内容を具体的に実施例によっ
て説明するが、本発明はこれらの実施例だけに制限され
るものではない。
て説明するが、本発明はこれらの実施例だけに制限され
るものではない。
【0018】尚、実施例においては、アルブミンとγ−
グロブリンの分画を主に実施した。これらの分析は、H
PLC(高速液体クロマトグラフィー)チャートの各成
分の面積比(各成分の分子吸光係数の違いを補正)にビ
ュレート法で求めた総たんぱく質の濃度を乗じることに
より各成分の濃度を計算した。ただし、面積比の計算に
際してアルブミン及びグロブリンの分子吸光係数をそれ
ぞれ5.3,13.8mol-1・cm-1とした。HPL
Cの濃度分析には、280nmの紫外線を用いた。
グロブリンの分画を主に実施した。これらの分析は、H
PLC(高速液体クロマトグラフィー)チャートの各成
分の面積比(各成分の分子吸光係数の違いを補正)にビ
ュレート法で求めた総たんぱく質の濃度を乗じることに
より各成分の濃度を計算した。ただし、面積比の計算に
際してアルブミン及びグロブリンの分子吸光係数をそれ
ぞれ5.3,13.8mol-1・cm-1とした。HPL
Cの濃度分析には、280nmの紫外線を用いた。
【0019】実施例1 主要成分がSiO2 −Al2 O3 −CaO−NaO−B
2 O3 系である基礎ガラスを、必要に応じて適当な成分
を調合した後、外径3.5mm、内径3mm、長さ15
cmの中空管を成形した。次いで、この中空管をそれぞ
れ所定の加熱温度、時間を設定して熱処理した後、酸に
よる分離相の抽出処理を行ない、表1に示すNO(1)
〜(4)の孔径および細孔容積を有する主成分がSiO
2 −Al2 O3 −CaO系である多孔質ガラスの中空管
を得た。
2 O3 系である基礎ガラスを、必要に応じて適当な成分
を調合した後、外径3.5mm、内径3mm、長さ15
cmの中空管を成形した。次いで、この中空管をそれぞ
れ所定の加熱温度、時間を設定して熱処理した後、酸に
よる分離相の抽出処理を行ない、表1に示すNO(1)
〜(4)の孔径および細孔容積を有する主成分がSiO
2 −Al2 O3 −CaO系である多孔質ガラスの中空管
を得た。
【0020】
【表1】
【0021】上記した多孔質ガラス中空管(1)〜
(5)を用いて、それぞれ7本を束にして、給液口と排
液口を有するアクリル樹脂製のモジュールにポッテング
して、いずれも有効膜面積として1dm2 の分離装置
(1)〜(5)を製作した。
(5)を用いて、それぞれ7本を束にして、給液口と排
液口を有するアクリル樹脂製のモジュールにポッテング
して、いずれも有効膜面積として1dm2 の分離装置
(1)〜(5)を製作した。
【0022】アルブミンおよびγ−グロブリンの濃度を
それぞれ0.3%(総たんぱく量0.6%)に調整し、
pHを7.0としてNaCl濃度140mMとした後、
これを孔径0.2μmのフィルターで濾過して測定用の
混合たんぱく溶液を調整した。
それぞれ0.3%(総たんぱく量0.6%)に調整し、
pHを7.0としてNaCl濃度140mMとした後、
これを孔径0.2μmのフィルターで濾過して測定用の
混合たんぱく溶液を調整した。
【0023】測定は、まず純水の透過係数を濾過圧10
0mmHg(定圧濾過)で測定し、次いで混合たんぱく
溶液の濾過を行い、経時的にサンプリングをした。原液
流量は300ml/minで多孔質ガラス管内に混合た
んぱく溶液を流し、管外側に純水を配して純水中に透過
してくるたんぱく質濃度を経時的に分析し、開始後累積
濾液量40mlで定常値となった。この定常状態におい
て原液側の溶液濃度(CB)と濾液側の溶液濃度(C
f)の比(Cf/CB)を求めてふるい係数(SC)と
した。また、それぞれ多孔質ガラス中空管における水お
よび混合たんぱく質溶液の濾液流量(ml/min/c
m2 )を求めた。
0mmHg(定圧濾過)で測定し、次いで混合たんぱく
溶液の濾過を行い、経時的にサンプリングをした。原液
流量は300ml/minで多孔質ガラス管内に混合た
んぱく溶液を流し、管外側に純水を配して純水中に透過
してくるたんぱく質濃度を経時的に分析し、開始後累積
濾液量40mlで定常値となった。この定常状態におい
て原液側の溶液濃度(CB)と濾液側の溶液濃度(C
f)の比(Cf/CB)を求めてふるい係数(SC)と
した。また、それぞれ多孔質ガラス中空管における水お
よび混合たんぱく質溶液の濾液流量(ml/min/c
m2 )を求めた。
【0024】上記した多孔質ガラス中空管膜(1)〜
(5)を用いた分離装置による測定結果は、それぞれ表
2に示すとおりであった。
(5)を用いた分離装置による測定結果は、それぞれ表
2に示すとおりであった。
【0025】
【表2】
【0026】実施例2 主要成分がSiO2 −B2 O3 −Na2 O系の基礎ガラ
ス体を用いて、分相・抽出法により孔径が400オング
ストロームである実施例1と同一形状の多孔質ガラス中
空管を得た後、次いで同様に分離装置を製作した。
ス体を用いて、分相・抽出法により孔径が400オング
ストロームである実施例1と同一形状の多孔質ガラス中
空管を得た後、次いで同様に分離装置を製作した。
【0027】この分離装置により、実施例1と同様にア
ルブミンとγ−グロブリンの分画を実施した結果、アル
ブミンは透過したが、γ−グロブリンは全く透過しなか
った。また、濾過流量は、純水が8.2×10-3、たん
ぱく混合液が6.1×10-3であった。
ルブミンとγ−グロブリンの分画を実施した結果、アル
ブミンは透過したが、γ−グロブリンは全く透過しなか
った。また、濾過流量は、純水が8.2×10-3、たん
ぱく混合液が6.1×10-3であった。
【0028】実施例3 主要成分がSiO2 −B2 O3 −K2 O−ZrO2 系の
基礎ガラス体を分相・抽出法により孔径が405オング
ストロームである実施例1と同一形状の多孔質ガラス中
空管を得た後、これを用いて同様に分離装置を製作し
た。
基礎ガラス体を分相・抽出法により孔径が405オング
ストロームである実施例1と同一形状の多孔質ガラス中
空管を得た後、これを用いて同様に分離装置を製作し
た。
【0029】この分離装置により、実施例1と同様にア
ルブミンとγ−グロブリンの分画を実施した結果、アル
ブミンは透過したが、γ−グロブリンは全く透過せずγ
−グロブリンのSCは0であり、γ−グロブリン二量体
のSCも0であった。
ルブミンとγ−グロブリンの分画を実施した結果、アル
ブミンは透過したが、γ−グロブリンは全く透過せずγ
−グロブリンのSCは0であり、γ−グロブリン二量体
のSCも0であった。
【0030】実施例4 実施例1で得た孔径400オングストロームの多孔質ガ
ラス中空管を用いた同一の分離装置により、ガラス中空
管の膜間圧力差を変えたアルブミンとγ−グロブリンの
分画を実施した。その結果を表3に示す。
ラス中空管を用いた同一の分離装置により、ガラス中空
管の膜間圧力差を変えたアルブミンとγ−グロブリンの
分画を実施した。その結果を表3に示す。
【0031】
【表3】
【0032】実施例5 実施例1で用いた原液中に表4に示す3種類のウィルス
をそれぞれ混合して用いた以外は実施例1と同様にし
て、Sindbis virus、Sendai virus(HVJ)、水泡性
口内炎ウィルス(VSV)の分離を実施した。その結果
を表4に示す。尚測定はプラーク法によって行った。
をそれぞれ混合して用いた以外は実施例1と同様にし
て、Sindbis virus、Sendai virus(HVJ)、水泡性
口内炎ウィルス(VSV)の分離を実施した。その結果
を表4に示す。尚測定はプラーク法によって行った。
【0033】
【表4】
フロントページの続き (72)発明者 井出 武夫 東京都渋谷区広尾4−1−31 日本赤十字 社 血漿分画センター内 (72)発明者 関口 定美 東京都渋谷区広尾4−1−31 日本赤十字 社 血漿分画センター内 (72)発明者 佐田 俊勝 山口県徳山市御影町1番1号 徳山曹達株 式会社内 (72)発明者 山本 貢 山口県徳山市御影町1番1号 徳山曹達株 式会社内 (72)発明者 岸本 文都 山口県徳山市御影町1番1号 徳山曹達株 式会社内
Claims (4)
- 【請求項1】 混合たんぱく質溶液からたんぱく質の成
分を隔膜を用いて分離するに際し、隔膜として分相・抽
出法により得た孔径が100〜1200オングストロー
ムである珪酸系の多孔質ガラス膜を用いて濾過すること
を特徴とするたんぱく質の分離方法。 - 【請求項2】 たんぱく質溶液がアルブミンとγ−グロ
ブリンのたんぱく質の混合溶液である請求項1の分離方
法。 - 【請求項3】 たんぱく質溶液が二量体以上のγ−グロ
ブリンの凝集体を含むγ−グロブリン溶液である請求項
1の分離方法。 - 【請求項4】 たんぱく質溶液が1000オングストロ
ーム以下のウィルスを含むたんぱく質溶液である請求項
1の分離方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2690992A JPH05222091A (ja) | 1992-02-13 | 1992-02-13 | たんぱく質の分離方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2690992A JPH05222091A (ja) | 1992-02-13 | 1992-02-13 | たんぱく質の分離方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05222091A true JPH05222091A (ja) | 1993-08-31 |
Family
ID=12206348
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2690992A Pending JPH05222091A (ja) | 1992-02-13 | 1992-02-13 | たんぱく質の分離方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05222091A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2016136978A1 (ja) * | 2015-02-26 | 2016-09-01 | 旭硝子株式会社 | 微小物質捕捉フィルター、微小物質観察用ガラス基板、微小物質観察装置、微小物質捕捉方法及び微小物質観察方法 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6225618A (ja) * | 1985-07-25 | 1987-02-03 | Fukui Giyomou Kk | 植生用ネツトによる法面施工方法 |
JPH03266921A (ja) * | 1990-03-19 | 1991-11-27 | Meiji Milk Prod Co Ltd | 乳製品の除菌及び均質化方法 |
-
1992
- 1992-02-13 JP JP2690992A patent/JPH05222091A/ja active Pending
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6225618A (ja) * | 1985-07-25 | 1987-02-03 | Fukui Giyomou Kk | 植生用ネツトによる法面施工方法 |
JPH03266921A (ja) * | 1990-03-19 | 1991-11-27 | Meiji Milk Prod Co Ltd | 乳製品の除菌及び均質化方法 |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2016136978A1 (ja) * | 2015-02-26 | 2016-09-01 | 旭硝子株式会社 | 微小物質捕捉フィルター、微小物質観察用ガラス基板、微小物質観察装置、微小物質捕捉方法及び微小物質観察方法 |
JPWO2016136978A1 (ja) * | 2015-02-26 | 2017-12-07 | 旭硝子株式会社 | 微小物質捕捉フィルター、微小物質観察用ガラス基板、微小物質観察装置、微小物質捕捉方法及び微小物質観察方法 |
US10478784B2 (en) | 2015-02-26 | 2019-11-19 | AGC Inc. | Device and method for observing and filter for capturing a minute substance |
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