JPH05221712A - 焼結体およびその製造法 - Google Patents
焼結体およびその製造法Info
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- JPH05221712A JPH05221712A JP4059043A JP5904392A JPH05221712A JP H05221712 A JPH05221712 A JP H05221712A JP 4059043 A JP4059043 A JP 4059043A JP 5904392 A JP5904392 A JP 5904392A JP H05221712 A JPH05221712 A JP H05221712A
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- Japan
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- tic
- powder
- al2o3
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Abstract
(57)【要約】
【目的】薄膜磁気ヘッド用基板として最適な摺動潤滑
性、耐摩耗性、磁気特性、機械加工性と高信頼性に優れ
たAl2 O3 −Ti系焼結体を得る。 【構成】TiCを含む被膜を形成した平均粒径2μm以
下のAl2 O3 −Ti粒子からなる焼結体とするため
に、0.3μm以下のAl2 O3 −TiC粉末にTiを
含む有機化合物を加えた原料配合物を成形、焼結する。
性、耐摩耗性、磁気特性、機械加工性と高信頼性に優れ
たAl2 O3 −Ti系焼結体を得る。 【構成】TiCを含む被膜を形成した平均粒径2μm以
下のAl2 O3 −Ti粒子からなる焼結体とするため
に、0.3μm以下のAl2 O3 −TiC粉末にTiを
含む有機化合物を加えた原料配合物を成形、焼結する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は薄膜磁気ヘッド基板とし
て最適な摺動潤滑性および耐摩耗性、磁気特性等を有
し、しかも特に機械加工性と高信頼性に優れたAl2 O
3 −TiC系焼結体およびその製造法に関するものであ
る。
て最適な摺動潤滑性および耐摩耗性、磁気特性等を有
し、しかも特に機械加工性と高信頼性に優れたAl2 O
3 −TiC系焼結体およびその製造法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、磁気記録密度向上の要求に対応す
るため薄膜磁気ヘッドの開発が進められているが、さら
なる高密度化の要請により薄膜磁気ヘッドの磁気ディス
クとの浮上隙間、いわゆるフライングハイトの狭小化や
薄膜磁気ヘッド本体であるスライダーの小型化が進んで
いる。このような状況下において薄膜磁気ヘッド用基板
としては、摺動性、潤滑性、耐摩耗性、耐久性などの諸
特性が要求されるが、特に精密加工に最適な機械加工性
が重要である。そのため、薄膜磁気ヘッド基板として各
種材質のものが提案されており、実用化されたものとし
てはAl2 O3 −TiC系のものがある(例えば特開昭
55−163665号)。
るため薄膜磁気ヘッドの開発が進められているが、さら
なる高密度化の要請により薄膜磁気ヘッドの磁気ディス
クとの浮上隙間、いわゆるフライングハイトの狭小化や
薄膜磁気ヘッド本体であるスライダーの小型化が進んで
いる。このような状況下において薄膜磁気ヘッド用基板
としては、摺動性、潤滑性、耐摩耗性、耐久性などの諸
特性が要求されるが、特に精密加工に最適な機械加工性
が重要である。そのため、薄膜磁気ヘッド基板として各
種材質のものが提案されており、実用化されたものとし
てはAl2 O3 −TiC系のものがある(例えば特開昭
55−163665号)。
【0003】Al2 O3 −TiC系基板の製造方法とし
ては、Al2 O3 粒子、およびTiC粒子に粒成長抑制
剤等の焼結助剤を添加し通常の粉砕混合を行ったのちに
ホットプレスや熱間静水圧で焼結し、所定サイズの基板
を得る方法がとられている。
ては、Al2 O3 粒子、およびTiC粒子に粒成長抑制
剤等の焼結助剤を添加し通常の粉砕混合を行ったのちに
ホットプレスや熱間静水圧で焼結し、所定サイズの基板
を得る方法がとられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】薄膜磁気ヘッド用Al
2 O3 −TiC基板には、極めて高精度の鏡面仕上げ加
工性やチッピングがほとんど発生せずしかも容易な機械
加工性が要求される。そのようなAl2 O3 −TiC基
板としては、ほとんど理論密度に近いレベルまで焼結す
る必要があり、しかも焼結に際しては粒成長を十分に抑
制しなければならない。
2 O3 −TiC基板には、極めて高精度の鏡面仕上げ加
工性やチッピングがほとんど発生せずしかも容易な機械
加工性が要求される。そのようなAl2 O3 −TiC基
板としては、ほとんど理論密度に近いレベルまで焼結す
る必要があり、しかも焼結に際しては粒成長を十分に抑
制しなければならない。
【0005】しかし従来の技術(例えば特開昭55−1
63665号)では、目的とする理論密度を得るために
高い焼結温度を必要とし、その結果、粒成長抑制剤を添
加しているにもかかわらずAl2 O3 結晶粒の粒成長を
伴いチッピングや微細孔ができやすいという欠点があ
る。この欠点の解消を目的として各種の焼結助剤が提案
されている(例えば特開昭63−129061号)が、
Al2 O3 粒子間やAl2 O3 粒子とTiC粒子の粒界
に粒成長抑制剤が偏析していることに変わりはなくチッ
ピングや微細孔の解消という点で不十分であった。本発
明の目的は、従来技術が有していた前述の欠点を解消し
ようとするものである。
63665号)では、目的とする理論密度を得るために
高い焼結温度を必要とし、その結果、粒成長抑制剤を添
加しているにもかかわらずAl2 O3 結晶粒の粒成長を
伴いチッピングや微細孔ができやすいという欠点があ
る。この欠点の解消を目的として各種の焼結助剤が提案
されている(例えば特開昭63−129061号)が、
Al2 O3 粒子間やAl2 O3 粒子とTiC粒子の粒界
に粒成長抑制剤が偏析していることに変わりはなくチッ
ピングや微細孔の解消という点で不十分であった。本発
明の目的は、従来技術が有していた前述の欠点を解消し
ようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述の問題点
を解決するべくなされたものであり、本質的にはTiC
を含む被膜でコーティングされたAl2 O3 粒子で特徴
づけられたものであり、そのための方法としてAl2 O
3 粒子の表面に焼成時にTiCを含む被膜を形成するよ
うな成分を配合することを特徴とするAl2 O3 −Ti
C系焼結体の製造方法を提供するものである。
を解決するべくなされたものであり、本質的にはTiC
を含む被膜でコーティングされたAl2 O3 粒子で特徴
づけられたものであり、そのための方法としてAl2 O
3 粒子の表面に焼成時にTiCを含む被膜を形成するよ
うな成分を配合することを特徴とするAl2 O3 −Ti
C系焼結体の製造方法を提供するものである。
【0007】以下本発明を最も適した用途である薄膜磁
気ヘッド用基板として説明するが、その他の用途に用い
ることもできるものである。
気ヘッド用基板として説明するが、その他の用途に用い
ることもできるものである。
【0008】本発明で用いられるコーティング剤として
の被膜形成成分はチタンを含む有機化合物であれば最も
効果的に目的を達成することができるもので、その代表
的なものとしてチタンカップリング剤がある。チタンカ
ップリング剤としては、テトライソプロピルチタネー
ト、テトラブチルチタネート、テトラステアリルチタネ
ート、のようなテトラアルキルチタネート、イソプロキ
シチタニウムステアレート、イソプロピルステアリルチ
タネート、イソプロピルトリデシルベンゼンスルホニル
チタネート、イソプロピルトリ(ジオクチルホスフェー
ト)チタネート、イソプロピルトリ(ジオクチルパイロ
ホスフェート)チタネート、イソプロピルトリ(N−エ
チルアミノーエチルアミノ)チタネート、テトラオクチ
ルジ(ジトリデシルホシファイト)チタネートなどがあ
る。
の被膜形成成分はチタンを含む有機化合物であれば最も
効果的に目的を達成することができるもので、その代表
的なものとしてチタンカップリング剤がある。チタンカ
ップリング剤としては、テトライソプロピルチタネー
ト、テトラブチルチタネート、テトラステアリルチタネ
ート、のようなテトラアルキルチタネート、イソプロキ
シチタニウムステアレート、イソプロピルステアリルチ
タネート、イソプロピルトリデシルベンゼンスルホニル
チタネート、イソプロピルトリ(ジオクチルホスフェー
ト)チタネート、イソプロピルトリ(ジオクチルパイロ
ホスフェート)チタネート、イソプロピルトリ(N−エ
チルアミノーエチルアミノ)チタネート、テトラオクチ
ルジ(ジトリデシルホシファイト)チタネートなどがあ
る。
【0009】また本発明において、チタンを含む有機化
合物でコーティングされたAl2 O3 粉末を得る方法は
特に限定されないが、例えば水または有機溶媒にチタン
を含む有機化合物を溶解した後セラミックス粉末を投入
し必要に応じて加熱するなどして反応を促進して撹拌混
合し、ろ過分離などして粉末を得る方法やこの後さらに
焼付けを実施する方法、あるいはチタンを含む有機化合
物を溶解させた水や有機溶剤にセラミックス粉末を投入
し撹拌混合してスラリーとなした後スプレードライヤー
で噴霧乾燥する方法またはチタンカップリング剤をセラ
ミックス粉末に直接と噴霧スプレーした後加熱する方法
が好ましい。
合物でコーティングされたAl2 O3 粉末を得る方法は
特に限定されないが、例えば水または有機溶媒にチタン
を含む有機化合物を溶解した後セラミックス粉末を投入
し必要に応じて加熱するなどして反応を促進して撹拌混
合し、ろ過分離などして粉末を得る方法やこの後さらに
焼付けを実施する方法、あるいはチタンを含む有機化合
物を溶解させた水や有機溶剤にセラミックス粉末を投入
し撹拌混合してスラリーとなした後スプレードライヤー
で噴霧乾燥する方法またはチタンカップリング剤をセラ
ミックス粉末に直接と噴霧スプレーした後加熱する方法
が好ましい。
【0010】さらには、Al2 O3 粒子とTiC粒子お
よび焼結助剤を湿式粉砕混合する際に粉砕媒体と一緒に
チタンを含む有機化合物を添加して乾燥しAl2 O3 −
TiC原料粉末とする方法などがある。
よび焼結助剤を湿式粉砕混合する際に粉砕媒体と一緒に
チタンを含む有機化合物を添加して乾燥しAl2 O3 −
TiC原料粉末とする方法などがある。
【0011】また、これらチタンを含む有機化合物など
の被膜形成成分の使用量は、有機化合物など中のチタン
量がAl2 O3 とTiCのセラミックス粉末に対し0.
05〜10重量%、好ましくは0. 1〜5重量%となる
ように使用するのが望ましい。
の被膜形成成分の使用量は、有機化合物など中のチタン
量がAl2 O3 とTiCのセラミックス粉末に対し0.
05〜10重量%、好ましくは0. 1〜5重量%となる
ように使用するのが望ましい。
【0012】本発明焼結体基板を構成するAl2 O3 、
TiCの結晶粒径はいずれも2μm以下にすることが望
ましく、2μm以下にすることにより機械的特性が著し
く向上しチッピングやクラックの小さい機械加工性に優
れた基板ができる。そのために本発明を構成するAl2
O3 、TiC等の原料粉末の粒度はより細かいものが必
要であり平均粒径が0. 3μmのものが用いられる。
0. 3μm以上では焼結して生成する結晶粒が成長して
大きくなりやすく薄膜磁気ヘッド基板の表面の平滑性が
低下するので好ましくない。
TiCの結晶粒径はいずれも2μm以下にすることが望
ましく、2μm以下にすることにより機械的特性が著し
く向上しチッピングやクラックの小さい機械加工性に優
れた基板ができる。そのために本発明を構成するAl2
O3 、TiC等の原料粉末の粒度はより細かいものが必
要であり平均粒径が0. 3μmのものが用いられる。
0. 3μm以上では焼結して生成する結晶粒が成長して
大きくなりやすく薄膜磁気ヘッド基板の表面の平滑性が
低下するので好ましくない。
【0013】本発明方法において、原料粉末を成形後焼
結する条件として、雰囲気としてはアルゴン、窒素など
の不活性雰囲気とし、温度は1500〜1800℃が好
ましい。
結する条件として、雰囲気としてはアルゴン、窒素など
の不活性雰囲気とし、温度は1500〜1800℃が好
ましい。
【0014】以下模式的に示した図面を参照して説明す
る。図2は、従来の組織を説明するもので図中1はAl
2 O3 粒子、2はTiC粒子、3は粒界を示す。図1
は、本発明の組織を説明するもので図中の1から3は図
2と対応しており、図1で4がAl2 O3 粒子をコーテ
ィングしているTiCを含む被膜である。ここでこのT
iCを含む被膜は厚みとしては通常0.01〜0.2μ
程度であることが緻密な微細組織のために望ましく、ま
たAl2 O3 粒子のほぼ全周をコーティングしている状
態が望ましい。
る。図2は、従来の組織を説明するもので図中1はAl
2 O3 粒子、2はTiC粒子、3は粒界を示す。図1
は、本発明の組織を説明するもので図中の1から3は図
2と対応しており、図1で4がAl2 O3 粒子をコーテ
ィングしているTiCを含む被膜である。ここでこのT
iCを含む被膜は厚みとしては通常0.01〜0.2μ
程度であることが緻密な微細組織のために望ましく、ま
たAl2 O3 粒子のほぼ全周をコーティングしている状
態が望ましい。
【0015】
【作用】本発明において、その焼結体としての効果をも
たらすAl2 O3 粒子をコーティングしているTiCを
含有するセラミック被膜の作用機構は必ずしも明確でな
いが、Al2 O3 粒子全体を包み込むことによりAl2
O3 粒子の粒成長を等方的に抑制する効果を生ずるもの
と考えられる。特に焼結時にTiC被膜ができるような
方法のときその効果が大きいと思われる。このことによ
り粒成長を防ぎながら高密度にAl2 O3 −TiC基板
を焼結することが可能となり、極めて高精度の鏡面仕上
げ性とチッピングの非常に少ない薄膜磁気ヘッド基板が
得られる。
たらすAl2 O3 粒子をコーティングしているTiCを
含有するセラミック被膜の作用機構は必ずしも明確でな
いが、Al2 O3 粒子全体を包み込むことによりAl2
O3 粒子の粒成長を等方的に抑制する効果を生ずるもの
と考えられる。特に焼結時にTiC被膜ができるような
方法のときその効果が大きいと思われる。このことによ
り粒成長を防ぎながら高密度にAl2 O3 −TiC基板
を焼結することが可能となり、極めて高精度の鏡面仕上
げ性とチッピングの非常に少ない薄膜磁気ヘッド基板が
得られる。
【0016】
【実施例】以下本発明を実施例に基づいて説明する。ナ
イロン製ポットミルにAl2 O3 粉末(平均粒径0.2
μ以下)65重量%、TiC粉末(平均粒径0.2μ以
下)30重量%、その他MgO、CaOなどの焼結助剤
5重量%を入れ、テトライソプロピルチタネートを粉に
対して2重量%(TiとしてAl2 O3 とTiCの合量
に対し0.34%)添加し、さらにイソプロピルアルコ
ールを所定量添加し、20時間の湿式混合粉砕を行った
後、通常の乾燥で原料粉末とした。この原料粉末をカー
ボン型内に充填し圧力250kg/cm2 、温度は17
50℃、アルゴン雰囲気下で1時間ホットプレスし直径
60mm、厚さ5mmの焼結体を得た。
イロン製ポットミルにAl2 O3 粉末(平均粒径0.2
μ以下)65重量%、TiC粉末(平均粒径0.2μ以
下)30重量%、その他MgO、CaOなどの焼結助剤
5重量%を入れ、テトライソプロピルチタネートを粉に
対して2重量%(TiとしてAl2 O3 とTiCの合量
に対し0.34%)添加し、さらにイソプロピルアルコ
ールを所定量添加し、20時間の湿式混合粉砕を行った
後、通常の乾燥で原料粉末とした。この原料粉末をカー
ボン型内に充填し圧力250kg/cm2 、温度は17
50℃、アルゴン雰囲気下で1時間ホットプレスし直径
60mm、厚さ5mmの焼結体を得た。
【0017】焼結体の物性として密度はアルキメデス法
により測定した。次に焼結体表面を研削後、スズ板を用
いたラップ法により鏡面研磨面に仕上げた。鏡面仕上げ
性を評価するため、触針式の表面粗さ計を用いて鏡面研
磨面の表面粗度を測定した。ビッカース硬度は基板の鏡
面研磨面を用い加重200gにてビッカース硬度計によ
り測定した。Al2 O3 粒子のTiCによる被覆状態や
粒径等の組織を観察するため、焼結体破面のSEM観察
を行った。
により測定した。次に焼結体表面を研削後、スズ板を用
いたラップ法により鏡面研磨面に仕上げた。鏡面仕上げ
性を評価するため、触針式の表面粗さ計を用いて鏡面研
磨面の表面粗度を測定した。ビッカース硬度は基板の鏡
面研磨面を用い加重200gにてビッカース硬度計によ
り測定した。Al2 O3 粒子のTiCによる被覆状態や
粒径等の組織を観察するため、焼結体破面のSEM観察
を行った。
【0018】次に機械加工性を評価するために、鏡面研
磨面をダイヤモンドブレードで切断し角部の微細なチッ
ピングを光学顕微鏡にて観察した。この加工性評価試験
は形状が幅0. 3mmおよび直径80mmで粒度30〜
40μmのダイヤモンド粒子で構成されるダイヤモンド
切断ブレードを用い周速1500m/ min、切込み
0. 5mm、送り毎秒5mmで実施した。深さが5μm
をこえるチッピング数をカウントした。結果を表1に示
す。
磨面をダイヤモンドブレードで切断し角部の微細なチッ
ピングを光学顕微鏡にて観察した。この加工性評価試験
は形状が幅0. 3mmおよび直径80mmで粒度30〜
40μmのダイヤモンド粒子で構成されるダイヤモンド
切断ブレードを用い周速1500m/ min、切込み
0. 5mm、送り毎秒5mmで実施した。深さが5μm
をこえるチッピング数をカウントした。結果を表1に示
す。
【0019】比較例として、テトライソプロピルチタネ
ートを使用しない無処理粉末を同様の方法で製造、評価
した。密度、ビッカース硬度、平均粒径、Al2 O3 粒
子の状態、表面粗度、チッピング性の比較結果を表1に
示す。このように本発明のAl2 O3 粒子のまわりには
TiCの被膜が厚み0.05〜0.1μのものとして観
察されたが、比較例ではそのような被膜は全く観察され
なかった。
ートを使用しない無処理粉末を同様の方法で製造、評価
した。密度、ビッカース硬度、平均粒径、Al2 O3 粒
子の状態、表面粗度、チッピング性の比較結果を表1に
示す。このように本発明のAl2 O3 粒子のまわりには
TiCの被膜が厚み0.05〜0.1μのものとして観
察されたが、比較例ではそのような被膜は全く観察され
なかった。
【0020】また本発明により焼結体の平均粒径は1.
5μと比較例の約60%になり、粒成長の抑制が確認さ
れた。また表面粗度およびチッピング性が本発明により
向上しており、焼結密度も十分上がっている。これらの
ことから本発明は薄膜磁気ヘッド用基板として最適なA
l2 O3 −TiC基板を提供できる。
5μと比較例の約60%になり、粒成長の抑制が確認さ
れた。また表面粗度およびチッピング性が本発明により
向上しており、焼結密度も十分上がっている。これらの
ことから本発明は薄膜磁気ヘッド用基板として最適なA
l2 O3 −TiC基板を提供できる。
【0021】
【表1】
【0022】
【発明の効果】本発明はAl2 O3 粒子をTiを含有す
るコーティング剤でコーティングし、そのコーティング
膜が焼成時にTiCを含む被膜を形成してAl2 O3 粒
子の粒成長を抑制すると思われる特徴を有することか
ら、
るコーティング剤でコーティングし、そのコーティング
膜が焼成時にTiCを含む被膜を形成してAl2 O3 粒
子の粒成長を抑制すると思われる特徴を有することか
ら、
【0023】(1)Al2 O3 粒子の粒成長が被膜によ
り等方的にコントロールされることから、焼結体の密度
を理論密度近くまで上げながら、しかも粒成長が効果的
に制御されたAl2 O3 −TiC基板を提供できる。 (2)粒成長が制御されて高密度に焼結できることから
極めて高精度の鏡面仕上げ加工性とチッピングの非常に
少ないAl2 O3 −TiC基板が提供できる。 (3)焼結体中の粒子は、粒成長が等方的に制御される
ことから異常粒成長が少なく、アスペクト比の揃った信
頼性に優れたAl2 O3 −TiC基板を提供できる。 といった薄膜磁気ヘッド用基板として最適であるなど優
れた焼結体として種々の用途に使用可能なものである。
り等方的にコントロールされることから、焼結体の密度
を理論密度近くまで上げながら、しかも粒成長が効果的
に制御されたAl2 O3 −TiC基板を提供できる。 (2)粒成長が制御されて高密度に焼結できることから
極めて高精度の鏡面仕上げ加工性とチッピングの非常に
少ないAl2 O3 −TiC基板が提供できる。 (3)焼結体中の粒子は、粒成長が等方的に制御される
ことから異常粒成長が少なく、アスペクト比の揃った信
頼性に優れたAl2 O3 −TiC基板を提供できる。 といった薄膜磁気ヘッド用基板として最適であるなど優
れた焼結体として種々の用途に使用可能なものである。
【図1】本発明の組織の説明図
【図2】従来法による組織の説明図
1 Al2 O3 粒子 2 TiC粒子 3 粒界 4 Al2 O3 粒子をコーティングしているTiCを含
む被膜
む被膜
Claims (6)
- 【請求項1】TiCを含む被膜で表面をコーティングさ
れたAl2 O3 粒子とTiC粒子から本質的になるAl
2 O3 −TiC系焼結体。 - 【請求項2】請求項1において、Al2 O3 およびTi
C粒子は平均粒径が2μm以下である焼結体。 - 【請求項3】請求項1または請求項2において、TiC
を含む被膜は0.01〜0.2μである焼結体。 - 【請求項4】Al2 O3 粒子の表面に焼結時にTiCを
含む被膜を形成するようにTiを含む被膜形成成分を加
えた本質的にAl2 O3 粉末とTiC粉末からなる配合
物を成形、焼成することを特徴とするAl2 O3 −Ti
C系焼結体の製造法。 - 【請求項5】請求項4において被膜形成成分がTiを含
む有機化合物であるAl2 O3 −TiC系焼結体の製造
法。 - 【請求項6】請求項4または5において、Al2 O3 粉
末およびTiC粉末はいずれも平均粒径が0.3μm以
下のものを使用し、かつこれらの粉末100重量部に対
しTiを含む被膜形成成分をTiとして0.05〜10
重量%となるように配合し、成形、焼結するAl2 O3
−TiC系焼結体の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4059043A JPH05221712A (ja) | 1992-02-12 | 1992-02-12 | 焼結体およびその製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4059043A JPH05221712A (ja) | 1992-02-12 | 1992-02-12 | 焼結体およびその製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05221712A true JPH05221712A (ja) | 1993-08-31 |
Family
ID=13101891
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4059043A Withdrawn JPH05221712A (ja) | 1992-02-12 | 1992-02-12 | 焼結体およびその製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05221712A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006347798A (ja) * | 2005-06-15 | 2006-12-28 | Kyocera Corp | セラミック焼結体及びその製造方法並びに磁気ヘッド用基板 |
JP2007084352A (ja) * | 2005-09-20 | 2007-04-05 | Tdk Corp | 混合粉末の製造方法、混合粉末、セラミックス焼結体の製造方法及びセラミックス焼結体 |
-
1992
- 1992-02-12 JP JP4059043A patent/JPH05221712A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006347798A (ja) * | 2005-06-15 | 2006-12-28 | Kyocera Corp | セラミック焼結体及びその製造方法並びに磁気ヘッド用基板 |
JP2007084352A (ja) * | 2005-09-20 | 2007-04-05 | Tdk Corp | 混合粉末の製造方法、混合粉末、セラミックス焼結体の製造方法及びセラミックス焼結体 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 19990518 |