JPH05221712A - 焼結体およびその製造法 - Google Patents

焼結体およびその製造法

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JPH05221712A
JPH05221712A JP4059043A JP5904392A JPH05221712A JP H05221712 A JPH05221712 A JP H05221712A JP 4059043 A JP4059043 A JP 4059043A JP 5904392 A JP5904392 A JP 5904392A JP H05221712 A JPH05221712 A JP H05221712A
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JP
Japan
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tic
powder
al2o3
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coating film
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JP4059043A
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English (en)
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Shigeru Osaka
茂 大坂
Shigemi Katori
茂美 香取
Nobuhiro Shinohara
伸広 篠原
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AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】薄膜磁気ヘッド用基板として最適な摺動潤滑
性、耐摩耗性、磁気特性、機械加工性と高信頼性に優れ
たAl23 −Ti系焼結体を得る。 【構成】TiCを含む被膜を形成した平均粒径2μm以
下のAl23 −Ti粒子からなる焼結体とするため
に、0.3μm以下のAl23 −TiC粉末にTiを
含む有機化合物を加えた原料配合物を成形、焼結する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は薄膜磁気ヘッド基板とし
て最適な摺動潤滑性および耐摩耗性、磁気特性等を有
し、しかも特に機械加工性と高信頼性に優れたAl2
3 −TiC系焼結体およびその製造法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、磁気記録密度向上の要求に対応す
るため薄膜磁気ヘッドの開発が進められているが、さら
なる高密度化の要請により薄膜磁気ヘッドの磁気ディス
クとの浮上隙間、いわゆるフライングハイトの狭小化や
薄膜磁気ヘッド本体であるスライダーの小型化が進んで
いる。このような状況下において薄膜磁気ヘッド用基板
としては、摺動性、潤滑性、耐摩耗性、耐久性などの諸
特性が要求されるが、特に精密加工に最適な機械加工性
が重要である。そのため、薄膜磁気ヘッド基板として各
種材質のものが提案されており、実用化されたものとし
てはAl23 −TiC系のものがある(例えば特開昭
55−163665号)。
【0003】Al23 −TiC系基板の製造方法とし
ては、Al23 粒子、およびTiC粒子に粒成長抑制
剤等の焼結助剤を添加し通常の粉砕混合を行ったのちに
ホットプレスや熱間静水圧で焼結し、所定サイズの基板
を得る方法がとられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】薄膜磁気ヘッド用Al
23 −TiC基板には、極めて高精度の鏡面仕上げ加
工性やチッピングがほとんど発生せずしかも容易な機械
加工性が要求される。そのようなAl23 −TiC基
板としては、ほとんど理論密度に近いレベルまで焼結す
る必要があり、しかも焼結に際しては粒成長を十分に抑
制しなければならない。
【0005】しかし従来の技術(例えば特開昭55−1
63665号)では、目的とする理論密度を得るために
高い焼結温度を必要とし、その結果、粒成長抑制剤を添
加しているにもかかわらずAl23 結晶粒の粒成長を
伴いチッピングや微細孔ができやすいという欠点があ
る。この欠点の解消を目的として各種の焼結助剤が提案
されている(例えば特開昭63−129061号)が、
Al23 粒子間やAl23 粒子とTiC粒子の粒界
に粒成長抑制剤が偏析していることに変わりはなくチッ
ピングや微細孔の解消という点で不十分であった。本発
明の目的は、従来技術が有していた前述の欠点を解消し
ようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述の問題点
を解決するべくなされたものであり、本質的にはTiC
を含む被膜でコーティングされたAl23 粒子で特徴
づけられたものであり、そのための方法としてAl2
3 粒子の表面に焼成時にTiCを含む被膜を形成するよ
うな成分を配合することを特徴とするAl23 −Ti
C系焼結体の製造方法を提供するものである。
【0007】以下本発明を最も適した用途である薄膜磁
気ヘッド用基板として説明するが、その他の用途に用い
ることもできるものである。
【0008】本発明で用いられるコーティング剤として
の被膜形成成分はチタンを含む有機化合物であれば最も
効果的に目的を達成することができるもので、その代表
的なものとしてチタンカップリング剤がある。チタンカ
ップリング剤としては、テトライソプロピルチタネー
ト、テトラブチルチタネート、テトラステアリルチタネ
ート、のようなテトラアルキルチタネート、イソプロキ
シチタニウムステアレート、イソプロピルステアリルチ
タネート、イソプロピルトリデシルベンゼンスルホニル
チタネート、イソプロピルトリ(ジオクチルホスフェー
ト)チタネート、イソプロピルトリ(ジオクチルパイロ
ホスフェート)チタネート、イソプロピルトリ(N−エ
チルアミノーエチルアミノ)チタネート、テトラオクチ
ルジ(ジトリデシルホシファイト)チタネートなどがあ
る。
【0009】また本発明において、チタンを含む有機化
合物でコーティングされたAl23 粉末を得る方法は
特に限定されないが、例えば水または有機溶媒にチタン
を含む有機化合物を溶解した後セラミックス粉末を投入
し必要に応じて加熱するなどして反応を促進して撹拌混
合し、ろ過分離などして粉末を得る方法やこの後さらに
焼付けを実施する方法、あるいはチタンを含む有機化合
物を溶解させた水や有機溶剤にセラミックス粉末を投入
し撹拌混合してスラリーとなした後スプレードライヤー
で噴霧乾燥する方法またはチタンカップリング剤をセラ
ミックス粉末に直接と噴霧スプレーした後加熱する方法
が好ましい。
【0010】さらには、Al23 粒子とTiC粒子お
よび焼結助剤を湿式粉砕混合する際に粉砕媒体と一緒に
チタンを含む有機化合物を添加して乾燥しAl23
TiC原料粉末とする方法などがある。
【0011】また、これらチタンを含む有機化合物など
の被膜形成成分の使用量は、有機化合物など中のチタン
量がAl23 とTiCのセラミックス粉末に対し0.
05〜10重量%、好ましくは0. 1〜5重量%となる
ように使用するのが望ましい。
【0012】本発明焼結体基板を構成するAl23
TiCの結晶粒径はいずれも2μm以下にすることが望
ましく、2μm以下にすることにより機械的特性が著し
く向上しチッピングやクラックの小さい機械加工性に優
れた基板ができる。そのために本発明を構成するAl2
3 、TiC等の原料粉末の粒度はより細かいものが必
要であり平均粒径が0. 3μmのものが用いられる。
0. 3μm以上では焼結して生成する結晶粒が成長して
大きくなりやすく薄膜磁気ヘッド基板の表面の平滑性が
低下するので好ましくない。
【0013】本発明方法において、原料粉末を成形後焼
結する条件として、雰囲気としてはアルゴン、窒素など
の不活性雰囲気とし、温度は1500〜1800℃が好
ましい。
【0014】以下模式的に示した図面を参照して説明す
る。図2は、従来の組織を説明するもので図中1はAl
23 粒子、2はTiC粒子、3は粒界を示す。図1
は、本発明の組織を説明するもので図中の1から3は図
2と対応しており、図1で4がAl23 粒子をコーテ
ィングしているTiCを含む被膜である。ここでこのT
iCを含む被膜は厚みとしては通常0.01〜0.2μ
程度であることが緻密な微細組織のために望ましく、ま
たAl23 粒子のほぼ全周をコーティングしている状
態が望ましい。
【0015】
【作用】本発明において、その焼結体としての効果をも
たらすAl23 粒子をコーティングしているTiCを
含有するセラミック被膜の作用機構は必ずしも明確でな
いが、Al23 粒子全体を包み込むことによりAl2
3 粒子の粒成長を等方的に抑制する効果を生ずるもの
と考えられる。特に焼結時にTiC被膜ができるような
方法のときその効果が大きいと思われる。このことによ
り粒成長を防ぎながら高密度にAl23 −TiC基板
を焼結することが可能となり、極めて高精度の鏡面仕上
げ性とチッピングの非常に少ない薄膜磁気ヘッド基板が
得られる。
【0016】
【実施例】以下本発明を実施例に基づいて説明する。ナ
イロン製ポットミルにAl23 粉末(平均粒径0.2
μ以下)65重量%、TiC粉末(平均粒径0.2μ以
下)30重量%、その他MgO、CaOなどの焼結助剤
5重量%を入れ、テトライソプロピルチタネートを粉に
対して2重量%(TiとしてAl23 とTiCの合量
に対し0.34%)添加し、さらにイソプロピルアルコ
ールを所定量添加し、20時間の湿式混合粉砕を行った
後、通常の乾燥で原料粉末とした。この原料粉末をカー
ボン型内に充填し圧力250kg/cm2 、温度は17
50℃、アルゴン雰囲気下で1時間ホットプレスし直径
60mm、厚さ5mmの焼結体を得た。
【0017】焼結体の物性として密度はアルキメデス法
により測定した。次に焼結体表面を研削後、スズ板を用
いたラップ法により鏡面研磨面に仕上げた。鏡面仕上げ
性を評価するため、触針式の表面粗さ計を用いて鏡面研
磨面の表面粗度を測定した。ビッカース硬度は基板の鏡
面研磨面を用い加重200gにてビッカース硬度計によ
り測定した。Al23 粒子のTiCによる被覆状態や
粒径等の組織を観察するため、焼結体破面のSEM観察
を行った。
【0018】次に機械加工性を評価するために、鏡面研
磨面をダイヤモンドブレードで切断し角部の微細なチッ
ピングを光学顕微鏡にて観察した。この加工性評価試験
は形状が幅0. 3mmおよび直径80mmで粒度30〜
40μmのダイヤモンド粒子で構成されるダイヤモンド
切断ブレードを用い周速1500m/ min、切込み
0. 5mm、送り毎秒5mmで実施した。深さが5μm
をこえるチッピング数をカウントした。結果を表1に示
す。
【0019】比較例として、テトライソプロピルチタネ
ートを使用しない無処理粉末を同様の方法で製造、評価
した。密度、ビッカース硬度、平均粒径、Al23
子の状態、表面粗度、チッピング性の比較結果を表1に
示す。このように本発明のAl23 粒子のまわりには
TiCの被膜が厚み0.05〜0.1μのものとして観
察されたが、比較例ではそのような被膜は全く観察され
なかった。
【0020】また本発明により焼結体の平均粒径は1.
5μと比較例の約60%になり、粒成長の抑制が確認さ
れた。また表面粗度およびチッピング性が本発明により
向上しており、焼結密度も十分上がっている。これらの
ことから本発明は薄膜磁気ヘッド用基板として最適なA
23 −TiC基板を提供できる。
【0021】
【表1】
【0022】
【発明の効果】本発明はAl23 粒子をTiを含有す
るコーティング剤でコーティングし、そのコーティング
膜が焼成時にTiCを含む被膜を形成してAl23
子の粒成長を抑制すると思われる特徴を有することか
ら、
【0023】(1)Al23 粒子の粒成長が被膜によ
り等方的にコントロールされることから、焼結体の密度
を理論密度近くまで上げながら、しかも粒成長が効果的
に制御されたAl23 −TiC基板を提供できる。 (2)粒成長が制御されて高密度に焼結できることから
極めて高精度の鏡面仕上げ加工性とチッピングの非常に
少ないAl23 −TiC基板が提供できる。 (3)焼結体中の粒子は、粒成長が等方的に制御される
ことから異常粒成長が少なく、アスペクト比の揃った信
頼性に優れたAl23 −TiC基板を提供できる。 といった薄膜磁気ヘッド用基板として最適であるなど優
れた焼結体として種々の用途に使用可能なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の組織の説明図
【図2】従来法による組織の説明図
【符号の説明】
1 Al23 粒子 2 TiC粒子 3 粒界 4 Al23 粒子をコーティングしているTiCを含
む被膜

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】TiCを含む被膜で表面をコーティングさ
    れたAl23 粒子とTiC粒子から本質的になるAl
    23 −TiC系焼結体。
  2. 【請求項2】請求項1において、Al23 およびTi
    C粒子は平均粒径が2μm以下である焼結体。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2において、TiC
    を含む被膜は0.01〜0.2μである焼結体。
  4. 【請求項4】Al23 粒子の表面に焼結時にTiCを
    含む被膜を形成するようにTiを含む被膜形成成分を加
    えた本質的にAl23 粉末とTiC粉末からなる配合
    物を成形、焼成することを特徴とするAl23 −Ti
    C系焼結体の製造法。
  5. 【請求項5】請求項4において被膜形成成分がTiを含
    む有機化合物であるAl23 −TiC系焼結体の製造
    法。
  6. 【請求項6】請求項4または5において、Al23
    末およびTiC粉末はいずれも平均粒径が0.3μm以
    下のものを使用し、かつこれらの粉末100重量部に対
    しTiを含む被膜形成成分をTiとして0.05〜10
    重量%となるように配合し、成形、焼結するAl23
    −TiC系焼結体の製造法。
JP4059043A 1992-02-12 1992-02-12 焼結体およびその製造法 Withdrawn JPH05221712A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006347798A (ja) * 2005-06-15 2006-12-28 Kyocera Corp セラミック焼結体及びその製造方法並びに磁気ヘッド用基板
JP2007084352A (ja) * 2005-09-20 2007-04-05 Tdk Corp 混合粉末の製造方法、混合粉末、セラミックス焼結体の製造方法及びセラミックス焼結体

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006347798A (ja) * 2005-06-15 2006-12-28 Kyocera Corp セラミック焼結体及びその製造方法並びに磁気ヘッド用基板
JP2007084352A (ja) * 2005-09-20 2007-04-05 Tdk Corp 混合粉末の製造方法、混合粉末、セラミックス焼結体の製造方法及びセラミックス焼結体

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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 19990518