JPH05220604A - 硬質被覆層の密着性にすぐれた表面被覆切削工具 - Google Patents

硬質被覆層の密着性にすぐれた表面被覆切削工具

Info

Publication number
JPH05220604A
JPH05220604A JP5711292A JP5711292A JPH05220604A JP H05220604 A JPH05220604 A JP H05220604A JP 5711292 A JP5711292 A JP 5711292A JP 5711292 A JP5711292 A JP 5711292A JP H05220604 A JPH05220604 A JP H05220604A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hard coating
coating layer
ticn
cutting tool
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP5711292A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2982476B2 (ja
Inventor
Ikuro Suzuki
育郎 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Materials Corp filed Critical Mitsubishi Materials Corp
Priority to JP4057112A priority Critical patent/JP2982476B2/ja
Publication of JPH05220604A publication Critical patent/JPH05220604A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2982476B2 publication Critical patent/JP2982476B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)
  • Cutting Tools, Boring Holders, And Turrets (AREA)
  • Chemical Vapour Deposition (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 表面被覆切削工具において、WC基超硬合金
基体またはTiCN基サーメット基体の表面に対する硬
質被覆層の密着性を向上させる。 【構成】 WC基超硬合金基体またはTiCN基サーメ
ット基体の表面に、TiC、TiN、TiCN、および
TiCNO、並びにAl2 3 のうちの2種以上の複層
からなる硬質被覆層を化学蒸着法にて形成してなる表面
被覆切削工具において、上記硬質被覆層の基体表面に対
する第1層を、X線回析における(422)面に最高ピ
ーク強度を示すTiCNで構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、硬質被覆層の炭化タ
ングステン(以下WCで示す)基超硬合金基体または炭
窒化チタン(以下TiCNで示す)基サーメット基体に
対する密着性のすぐれた表面被覆切削工具に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、一般にWC基超硬合金基体やTi
CN基サーメット基体の表面に、化学蒸着法を用いて、
Tiの炭化物、窒化物、炭窒化付物、および炭窒酸化
物、並びに酸化アルミニウム(以下、それぞれTiC、
TiN、TiCN、およびTiCNO、並びにAl2
3 で示す)のうちの2種以上の複層からなる硬質被覆層
を0.5〜20μmの平均層厚で形成してなる表面被覆
切削工具が各種鋼材などの連続切削や断続切削に広く用
いられていることは良く知られるところである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一方、近年の切削加工
の高速化および省力化に対する要求は厳しく、これに伴
ない高速切削や、高切込みおよび高送りなどの重切削が
強いられる傾向にあるが、上記の従来表面被覆切削工具
の場合、このような苛酷な条件下での切削では、表面被
覆層の基体表面に対する密着性が不十分であるために、
剥離が発生し易く、比較的短時間で使用寿命に至るのが
現状である。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者は、上
述のような観点から、上記の従来表面被覆切削工具に着
目し、これの硬質被覆層の基体表面に対する密着性を向
上せしめるべく研究を行なった結果、硬質被覆層の基体
表面に対する第1層をTiCN層に特定した上で、従来
のTiCN層形成条件である、 温度:880〜960℃、 圧力:30〜200torr、 反応ガス組成:1≦TiCl4 /CH3 CN≦9、 を、これに比して相対的に低温で、高TiCl4 /CH
3 CN比である、 温度:700〜860℃、 圧力:30〜200torr、 反応ガス組成:9<TiCl4 /CH3 CN≦13、 とした条件でTiCN層を形成すると、この結果形成さ
れたTiCN層をX線回折により観察した場合、上記の
従来形成条件で形成したTiCN層は、反応温度が高温
側に移行するにつれ、またTiCl4 /CH3 CN比が
9から1へ変化するにつれて、(220)面から(11
1)面、さらに(200)面へと最高ピーク強度が移行
するが、上記の低温および高TiCl4 /CH3 CN比
とした条件で形成したTiCN層は(422)面に最高
ピーク強度が現われるようになり、この(422)面に
最高ピーク強度が現われるTiCN層は、最高ピーク強
度が(220)面、(111)面、および(200)面
にそれぞれ最高ピーク強度が現われるTiCN層に比し
て基体および硬質被覆層に対する密着性が著しく高くな
り、したがって苛酷な条件下での切削でも剥離の発生な
く、すぐれた切削性能を長期に亘って発揮するという研
究結果を得たのである。
【0005】この発明は、上記の研究結果にもとづいて
なされたものであって、WC基超硬合金基体またはTi
CN基サーメット基体の表面に、TiC、TiN、Ti
CN、およびTiCNO、並びにAl2 3 のうちの2
種以上の複層からなる硬質被覆層を化学蒸着法にて形成
してなる表面被覆切削工具において、上記硬質被覆層の
基体表面に対する第1層を、X線回折における(42
2)面に最高ピーク強度を示すTiCNで構成すること
により硬質被覆層の密着性を向上せしめた表面被覆切削
工具に特徴を有するものである。
【0006】
【実施例】つぎに、この発明の表面被覆切削工具につい
て具体的に説明する。基体として、WC−10%Coの
組成、およびJIS・SEEN42AFTN1の形状を
有するWC基超硬合金基体、並びにTiCN−10%W
C−10%TaC−2%NbC−10%Co−10%N
iの組成(以上重量%)、およびJIS・SEEN42
FTN1の形状を有するTiCN基サーメット基体を用
意し、これら基体の表面に、それぞれ表1〜4に示され
る条件で第1層としてのTiCN層を形成し、ついでい
ずれもTiC層は、 温度:1020℃、 圧力:50torr、 反応ガス組成:容量%で、86.2%H2 −3.5%T
iCl4 −10.3%CH4 、 の条件で、TiN層は、 温度:920℃、 圧力:100torr、 反応ガス組成:容量%で、49%H2 −2%TiCl4
−49%H2 、 の条件で、TiCNO層は、 温度:1000℃、 圧力:100torr、 反応ガス組成:容量%で、76%H2 −4%TiCl4
−10%N2 −10%CO、 の条件で、さらにAl2 3 層は、 温度:1020℃、 圧力:50torr、 反応ガス組成:容量%で、85.7%H2 −9.5%T
iCl3 −4.8%CO2 、 の条件で、上記第1層としてのTiCN層の上に、さら
に表5〜8に示される組成および平均層厚の硬質被覆層
を形成することにより本発明表面被覆切削工具(以下、
本発明被覆工具という)1〜16および従来表面被覆切
削工具(以下、従来被覆工具という)1〜16をそれぞ
れ製造した。
【0007】
【表1】
【0008】
【表2】
【0009】
【表3】
【0010】
【表4】
【0011】
【表5】
【0012】
【表6】
【0013】
【表7】
【0014】
【表8】
【0015】ついで、この結果得られた本発明被覆工具
1〜16および従来被覆工具1〜16について、硬質被
覆層をX線回折により観察し、第1層のTiCN層に最
高ピーク強度が現われる結晶面を測定すると共に、本発
明被覆工具1〜8および従来被覆工具1〜8について
は、 被削材:SCM440(硬さ:HB 220) 切削速度:250m/min 、 切込み:2.5mm、 送り:0.2mm/刃(単刃切削)、 切削時間:60min 、 の条件で鋼の乾式高切込みフライス切削試験を行ない、
また本発明被覆工具9〜16および従来被覆工具9〜1
6については、 被削材:SNCM439(硬さ:HB 270) 切削速度:200m/min 、 切込み:2.5mm、 送り:0.2mm/刃(単刃切削)、 切削時間:40min 、 の条件で鋼の乾式高切込みフライス切削試験を行ない、
いずれの場合も切刃のすくい面摩耗深さおよび逃げ面摩
耗幅を測定した。これらの測定結果を表5〜8に示し
た。
【0016】また、図1,2には、それぞれ本発明被覆
工具1および従来被覆工具1の硬質被覆層のX線回折測
定結果を示した。
【0017】
【発明の効果】表1〜8および図1,2に示される結果
から、硬質被覆層のX線回折で、第1層であるTiCN
層の(422)面に最高ピーク強度が現われる本発明被
覆工具1〜16は、いずれも硬質被覆層の基体表面に対
する密着性にすぐれているので、苛酷な条件下での切削
にも剥離の発生なく、すぐれた耐摩耗性を示すのに対し
て、TiCN層の(220)面、(111)面、および
(200)面に最高ピーク強度が現われる従来被覆工具
1〜16においては、硬質被覆層の基体表面に対する密
着性が不十分なので、切削試験途中で剥離や欠損が発生
し、使用寿命に至ることが明らかである。
【0018】上述のように、この発明の表面被覆切削工
具は、硬質被覆層の第1層をX線回折で(422)面に
最高ピーク強度が現われるTiCN層で構成することに
より基体表面に対する硬質被覆層の密着性が著しく向上
したものになっているので、高速切削や重切削などの苛
酷な条件での切削でも硬質被覆層に剥離の発生なく、著
しく長期に亘ってすぐれた切削性能を発揮し、切削加工
の高速化および省力化に対応することができるものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明被覆工具1の硬質被覆層のX線回折測定
結果を示す図である。
【図2】従来被覆工具1の硬質被覆層のX線回折測定結
果を示す図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭化タングステン基超硬合金基体または
    炭窒化チタン基サーメット基体の表面に、Tiの炭化
    物、窒化物、炭窒化物、および炭窒酸化物、並びに酸化
    アルミニウムのうちの2種以上の複層からなる硬質被覆
    層を化学蒸着法にて形成してなる表面被覆切削工具にお
    いて、 上記硬質被覆層の基体表面に対する第1層を、X線回折
    における(422)面に最高ピーク強度を示す炭窒化チ
    タンで構成したことを特徴とする硬質被覆層の密着性に
    すぐれた表面被覆切削工具。
JP4057112A 1992-02-07 1992-02-07 硬質被覆層の密着性にすぐれた表面被覆切削工具 Expired - Lifetime JP2982476B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4057112A JP2982476B2 (ja) 1992-02-07 1992-02-07 硬質被覆層の密着性にすぐれた表面被覆切削工具

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4057112A JP2982476B2 (ja) 1992-02-07 1992-02-07 硬質被覆層の密着性にすぐれた表面被覆切削工具

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05220604A true JPH05220604A (ja) 1993-08-31
JP2982476B2 JP2982476B2 (ja) 1999-11-22

Family

ID=13046446

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4057112A Expired - Lifetime JP2982476B2 (ja) 1992-02-07 1992-02-07 硬質被覆層の密着性にすぐれた表面被覆切削工具

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2982476B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1015710A (ja) * 1996-07-05 1998-01-20 Hitachi Tool Eng Ltd 表面被覆超硬製切削工具
EP1897970A1 (en) * 2006-09-05 2008-03-12 Tungaloy Corporation Coated cutting tool and method for producing the same
US7422806B2 (en) * 2004-08-11 2008-09-09 Mitsubishi Materials Corporation Surface-coated cermet cutting tool with hard coating layer having excellent chipping resistance in high-speed intermittent cutting work
US7597970B2 (en) 2005-03-22 2009-10-06 Kyocera Corporation Surface coated member and cutting tool
US20120275870A1 (en) * 2011-03-31 2012-11-01 Sumitomo Electric Hardmetal Corp. Surface-coated cutting tool and manufacturing method thereof
WO2018092791A1 (ja) * 2016-11-16 2018-05-24 京セラ株式会社 切削インサート及び切削工具

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1015710A (ja) * 1996-07-05 1998-01-20 Hitachi Tool Eng Ltd 表面被覆超硬製切削工具
US7422806B2 (en) * 2004-08-11 2008-09-09 Mitsubishi Materials Corporation Surface-coated cermet cutting tool with hard coating layer having excellent chipping resistance in high-speed intermittent cutting work
US7597970B2 (en) 2005-03-22 2009-10-06 Kyocera Corporation Surface coated member and cutting tool
EP1897970A1 (en) * 2006-09-05 2008-03-12 Tungaloy Corporation Coated cutting tool and method for producing the same
US7906230B2 (en) 2006-09-05 2011-03-15 Tungaloy Corporation Coated cutting tool and method for producing the same
US20120275870A1 (en) * 2011-03-31 2012-11-01 Sumitomo Electric Hardmetal Corp. Surface-coated cutting tool and manufacturing method thereof
US8801817B2 (en) * 2011-03-31 2014-08-12 Sumitomo Electric Hardmetal Corp. Surface-coated cutting tool and manufacturing method thereof
WO2018092791A1 (ja) * 2016-11-16 2018-05-24 京セラ株式会社 切削インサート及び切削工具
JPWO2018092791A1 (ja) * 2016-11-16 2019-10-17 京セラ株式会社 切削インサート及び切削工具

Also Published As

Publication number Publication date
JP2982476B2 (ja) 1999-11-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4783153B2 (ja) 刃先交換型切削チップ
JP3109306B2 (ja) 硬質被覆層の耐摩耗性が向上した表面被覆サーメット製切削工具
EP0446375B1 (en) Surface-coated hard member for cutting and abrasion-resistant tools
JPH09174304A (ja) 耐チッピング性のすぐれた表面被覆超硬合金製切削工具
JP3291775B2 (ja) 表面被覆切削工具
JP2982476B2 (ja) 硬質被覆層の密着性にすぐれた表面被覆切削工具
JP3278785B2 (ja) 表面被覆切削工具の製造法
JPH0890310A (ja) 表面被覆切削工具
JPH08267306A (ja) 硬質層被覆切削工具およびその製造方法
JP2982481B2 (ja) 硬質被覆層の基体表面に対する密着性にすぐれた表面被覆切削工具
JP3419140B2 (ja) 表面被覆切削工具
JP2917312B2 (ja) 切削・耐摩工具用表面被覆超硬部材
JP2926883B2 (ja) 耐摩耗性に優れた表面被覆硬質部材
JP2005153098A (ja) 表面被覆切削工具
JPS62270764A (ja) 表面被覆硬質部材
JP3236903B2 (ja) 表面被覆切削工具
JP4518626B2 (ja) 被覆切削工具
JP3109305B2 (ja) 硬質被覆層の耐摩耗性が向上した表面被覆サーメット製切削工具
JP4878808B2 (ja) 刃先交換型切削チップ
JPH1158104A (ja) 耐欠損性のすぐれた表面被覆超硬合金製切削工具
JP2970017B2 (ja) 層間接合面の存在しない硬質被覆層を形成してなる表面被覆炭化タングステン基超硬合金製切削チップ
JP2697185B2 (ja) 表面被覆炭化タングステン基超硬合金製切削工具部材
JP2556116B2 (ja) 耐摩耗性のすぐれた表面被覆炭化タングステン基超硬合金製切削工具
JP2002028803A (ja) 硬質被覆層がすぐれた層間密着性を有する表面被覆炭化タングステン基超硬合金製スローアウエイ切削チップ
JPH0433865B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 19990824

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080924

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080924

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090924

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090924

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100924

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100924

Year of fee payment: 11

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100924

Year of fee payment: 11

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100924

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110924

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120924

Year of fee payment: 13

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120924

Year of fee payment: 13