JPH0522043U - 電気集塵機のコレクタ用電極 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 電気集塵機のコレクタ電極をその構成が簡単
で、部品が減少し、組立て工数が減少し、その製作が容
易となり、接触の確実性が向上し、その品質も向上させ
ることを目的とする。 【構成】 高圧電極とアース電極との長手方向両端部に
側方向より装着されそれぞれの前記両電極を支持すると
共に、前記高圧電極間およびアース電極間をそれぞれ通
電させ、かつスペーサ機能を有するコイルスプリングに
よって構成する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、高圧電極とアース電極とに分離され前記高圧電極とアース電極との 間に電界をかけて集塵する電気集塵機のコレクタ用電極に関する。

【０００２】

【従来の技術】

図８は従来の金属性電極の組立構成図、図９は図８の平面図を示す。図におい て金属性電極１は、プラス側電極１ａ、アース側電極１ｂ、両電極１ａ，１ｂを 支持する支持用ボルト３，５、プラス側電極およびアース側電極支持用ボルト３ ，５にそれぞれ挿入される金属スペーサ７，９および対向する電極とスペーサ７ ，９との絶縁距離を確保するための逃げ穴１１，１３とから構成されている。こ のように、多数のプラス側およびアース側電極１ａ，１ｂが相互に積層され支持 用ボルト３，５が貫通され、それぞれの電極１ａ，１ｂの間に金属スペーサ７， ９および逃げ穴１１，１３が介在して、プラス側電極１ａ間、またはアース側電 極１ｂ間の通電および絶縁がそれぞれ可能である。

【０００３】 次に、図１０は従来の樹脂性電極の組立構成図、図１１は図１０の平面図を示 す。図において樹脂性電極１５は、ポリプロピレン等の樹脂材の可撓性絶縁シー トによる平行平板タイプで、プラス側電極１５ａ、アース側電極１５ｂ、両電極 １５ａ，１５ｂの表面に導電性物質が塗布またはコーティングまたは接着された 導電面１７、この導電面１７の電極端部１９に接触するプラス側およびアース側 接触バー２１，２３および支持枠２５，２７とからなる。なお、２９はプラス側 電極１５ａおよびアース側電極１５ｂの絶縁部３１に突起形成されたスペーサ用 突起片である。

【０００４】 このように、多数のプラス側およびアース側電極１５ａ，１５ｂが左右交互に 積層され、両電極１５ａ，１５ｂの一方の端部１９がそれぞれ湾曲されて導電面 １７が接触バー２１，２３に接触し、両電極１５ａ，１５ｂがそれぞれ通電され 、突起片２９により両電極１５ａ，１５ｂ間がそれぞれ絶縁されている。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、このような金属性電極１の場合には、多数のプラス側およびアース 側電極１ａ，１ｂを一枚づつ積層しながら、その都度スペーサ７，９を挿入して 組立てるために、非常に組立て工数がかかり、組立て時間が多くなる。また、樹 脂性電極１５の場合には、金属性電極１の場合ほどの組立て工数を要しないが、 湾曲される端部１９が経時劣化により弾性が喪失され塑性変形を生じ、プラス側 およびアース側電極１ａ，１ｂが多少でも左右横方向にずれると接触不良が生じ るという問題があった。また、電極１５ａ，１５ｂが耐薬品性の小さい材質であ ると、経時劣化により湾曲端部１９に割れが生じることもあった。

【０００６】 本考案の目的は、上記問題点を解決するために、その構成が簡単で、部品が減 少し、組立て工数が減少し、その製作が容易となり、接触の確実性が向上し、そ の品質も向上する電気集塵機のコレクタ用電極を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案は、それぞれ複数枚の高圧電極とアース電 極とを分離して設け、両電極間に電界をかけて集塵する電気集塵機において、前 記両電極の長手方向両端部に側方向より装着されそれぞれの前記両電極を支持す ると共に、前記高圧電極間およびアース電極間をそれぞれ通電させ、かつスペー サ機能を有するコイルスプリングを備えることを特徴とする電気集塵機のコレク タ用電極である。

【０００８】

【作用】

本考案の電気集塵機のコレクタ用電極を採用することにより、高圧電極とアー ス電極との長手方向両端部に側方向より装着されそれぞれの前記両電極を支持す ると共に、前記高圧電極間およびアース電極間をそれぞれ通電させ、かつスペー サ機能を有するコイルスプリングを設けることによって、その構成が簡単で、部 品が減少し、組立て工数が減少し、その製作が容易となり、接触の確実性が向上 し、その品質も向上する。

【０００９】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面に基づいて、詳細に説明する。

【００１０】 図７に示すように、電気集塵機３３は、アイオナイザ（荷電部）３５とコレク タ（集塵部）３７とから構成されている。荷電部３５は、直流高圧電源３９、イ オン化線４１およびアース板４３からなり、流通空気Ｆに含まれた塵埃をイオン 化（荷電）する。集塵部３７は、イオン化された前記塵埃の捕集を行うために、 その間隙を小さくする多数のコレクタ電極１，１５が収容され、このコレクタ電 極１，１５には直流電源４５が接続される。

【００１１】 図１および図２に示すように、コレクタ電極（金属性）１は、積層されるプラ ス側電極１ａおよびアース側電極１ｂと、各電極１ａ，１ｂの長手方向両端部の 側方より装着されるコイルスプリング４７，４９とから構成される。図３および 図４に示すように、例えばプラス側電極１ａの長手方向端部の側方角部に４個の 逃げ穴５１が設けられ、アース側電極１ｂの長手方向端部に近い側方に４個の逃 げ穴５３が設けられている。各電極１ａ，１ｂの逃げ穴５１，５３の位置にそれ ぞれコイルスプリング４７，４９が装着されることにより、各電極１ａ，１ｂを 支持するためのスペーサとしての機能を果すと共に、通電を計り、逃げ穴５１， ５３により他の電極との絶縁を保持している。

【００１２】 次に、図５および図６に示すように、コレクタ電極（樹脂性）１５は、左右交 互に積層されるプラス側電極１５ａおよびアース側電極１５ｂと、各電極１５ａ ，１５ｂの長手方向両端部の側方より装着されるプラス側電極用およびアース側 電極用コイルスプリング５５，５７とから構成される。各電極用スプリング５５ ，５７は、それぞれ各電極１５ａ，１５ｂの導電面１７と絶縁部３１との長手方 向の端部を挟持して、各電極１５ａ，１５ｂを支持しスペーサとしての機能を果 すと共に、通電を計り、かつ他の電極との絶縁を保持している。

【００１３】 従って、コレクタ電極１においては、従来構造におけるスペーサ７，９および 指示用ボルト３，５が不要となり、部品点数の削減および工数の低減が可能であ る。また、コレクタ電極１５においては、湾曲構造が不要となり、接触部の確実 性が向上し、その品質も向上する。

【００１４】 なお、本考案は、上記の実施例に限定されるものではなく、適宜の設計的変更 を行うことにより、他の態様においても実施し得るものである。

【００１５】

【考案の効果】

上記説明によりすでに明らかなように、本考案の電気集塵機のコレクタ用電極 は、高圧電極とアース電極との長手方向両端部に側方向より装着されそれぞれの 前記両電極を支持すると共に、前記高圧電極間およびアース電極間をそれぞれ通 電させ、かつスペーサ機能を有するコイルスプリングを設けることによって、従 来技術の問題点が有効に解決され、その構成が簡単で、部品が減少し、組立て工 数が減少し、その製作が容易となり、接触の確実性が向上し、その品質も向上す る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案における集塵電極の一実施例の構成を示
す正面断面図である。

【図２】図１の平面図である。

【図３】図１のプラス側電極の平面図である。

【図４】図１のマイナス側電極の平面図である。

【図５】本考案における集塵電極の他の実施例の構成を
示す正面断面図である。

【図６】図５の平面図である。

【図７】本考案が実施された電気集塵機の原理説明図で
ある。

【図８】従来の金属性電極の組立構成図である。

【図９】図８の平面図である。

【図１０】従来の樹脂性電極の組立構成図である。

【図１１】図１０の平面図である。

【符号の説明】

１ 金属性電極 １ａ プラス側電極 １ｂ アース側電極 １５ 樹脂性電極 １５ａ プラス側電極 １５ｂ アース側電極 ３３ 電気集塵機 ４７，４９ コイルスプリング ５１，５３ 逃げ穴 ５５，５７ コイルスプリング

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 それぞれ複数枚の高圧電極とアース電極
   とを分離して設け、両電極間に電界をかけて集塵する電
   気集塵機において、前記両電極の長手方向両端部に側方
   向より装着されそれぞれの前記両電極を支持すると共
   に、前記高圧電極間およびアース電極間をそれぞれ通電
   させ、かつスペーサ機能を有するコイルスプリングを備
   えることを特徴とする電気集塵機のコレクタ電極。