JP2018122288A - 電気集塵ユニット、および電気集塵ユニットの電極部収容ケース - Google Patents

電気集塵ユニット、および電気集塵ユニットの電極部収容ケース Download PDF

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天一 是川
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【課題】洗浄後の水切りや乾燥が容易で、汚れ落ちも良く、メンテナンス時間を短縮することができ、さらに乾燥不十分な状態での高電圧印加の危険を避けることのできる、電気集塵ユニットの提供。【解決手段】電気集塵ユニットのコレクターを構成する極板間を離間配置させるために、各極板23上に設けられた突起部(スペーサー部)25a、25b等を、水の流動を促す形状に形成する。スペーサー部25a等は、極板23の平坦部24に対する傾斜を複数組み合わせることによって形成されている。【選択図】図1−3

Description

本発明は電気集塵ユニット、および電気集塵ユニットの電極部収容ケースに係り、特に構成部品の形状・構造や使用方法等に関するものである。
電気集塵方式の空気清浄機は一般に、処理対象の汚染空気を整流するプレフィルター、汚染粒子をプラス静電気に帯電させるイオナイザー(荷電部)、通過する荷電粒子を集塵する集塵板(アース側、マイナス極板)と反発板(高電圧のプラス極板)からなるコレクター(集塵部)、および再整流、排気のためのアフターフィルターとから構成される。プラスに帯電している荷電粒子は、コレクターを通過する際に、高電圧の反発板に反発して、集塵板に吸着される。
電気集塵方式の空気清浄機については従来、技術的な提案も多くなされている。たとえば後掲特許文献1には、集塵効率が高く洗浄周期の長いコレクター電極板として、非集塵電極板(マイナス極板)の導電層を、所定の耐電圧を有する絶縁テープや絶縁塗料といった絶縁材料で被覆する構成が開示されている。そして、絶縁塗料の場合は、塗膜厚みを70μm以上500μm以下にするとしている。
また特許文献2には、同様の課題に対する解決手段として、非集塵側電極板にのみ突起スペーサーを設ける構成が開示されている。そして、突起スペーサーは電極板の上下両面に設けることができ、非集塵側電極板の導電層を絶縁材料で被覆することができ、少なくとも非集塵側電極板の気流流入側の絶縁部を気流排出側の絶縁部よりも幅を広くすることができる、としている。
また、従来から、高電圧側の極板への給電部にコイルスプリング(バネ)を用いる方式の電気集塵ユニットが提供されているが、特許文献3には、構成が簡単かつコイルスプリングの装着作業が容易な方式が開示されている。すなわち、
コイルスプリング内を貫通し両端でコイルスプリングを引っ張った状態にて固着されるコイルサポートを設けるという構成である。
特開2000−189837号公報「空気清浄装置用電極板」 特開2000−189838号公報「コレクタ電極板」 実用新案登録第2602807号公報「電気集塵機の集塵部」
(課題1)電気集塵方式は、フィルター方式と異なり集塵機能が使い捨てではなく、洗浄により繰り返し使用することのできる極板である。つまり、集塵板が汚れてきたら、これを水で洗浄し、水を切り、乾燥させて再使用に供すればよい。
ところで、電気集塵ユニットのコレクターは、二種類の極板、すなわち反発板と集塵板を複数積層することで構成されており、隣り合う極板間は均一の隙間により離間されている必要がある。そのため、積層する各極板にはスペーサーとなる突起が設けられ、これによって均一の隙間構成を実現している。しかし、従来の極板のスペーサーは、メンテナンス時の洗浄後の水切りや乾燥に適した形状、構造であるとはいえなかった。洗浄後の水切りや乾燥に時間を要すると、メンテナンス時間がかかるだけではなく、汚れの残りも発生しやすく、また乾燥不十分な場合には高電圧印可の危険もある。
そこで本発明が解決しようとする課題は、かかる従来技術の問題点をなくし、洗浄後の水切りや乾燥が容易で、汚れ落ちも良く、メンテナンス時間を短縮することができ、さらに乾燥不十分な状態での高電圧印加の危険を避けることのできる、電気集塵ユニットを提供することである。
(課題2)
上述の通り、電気集塵のコレクターへの給電方法として、バネを用いて導電させ複数の極板を同時に挟み込む方式が発案され、提供されている。極板の数が多くなればなるほど、給電と固定方法の困難さが増すが、バネを使用することで簡便に極板へ給電し、かつ極板を固定することが可能となる。
しかしながら、極板枚数が多くなればなるほど用いるべきバネの長さも長くなり、バネの両端を引っ張るだけでは均一にバネを広げることが困難となる。そうすると、隙間の広狭が生じ、各極板への均一な給電、および均一な固定を良好に行うことができない。特にバネの長さが長くなるほど、その片側だけが広がってしまう傾向が顕著である。片側だけが広がったバネへ各極板を挿入する場合、隣り合わせた極板の間隔が不均一となり、また、広がっていない部位では極板の挿入が困難となる。
そこで本発明が解決しようとする課題は、かかる従来技術の問題点をなくし、バネによる給電方式において、コレクターの極板が多い場合でも、極板への均一な給電、および十分かつ安定した極板の固定を容易に行うことのできる、電気集塵ユニットを提供することである。
(課題3)
電気集塵ユニットの構造体において、高電圧を印加する電極部を収容する樹脂ケースの表面粗さが大きい(粗い)場合、高湿度環境、もしくは洗浄後において表面の濡れ性の良い領域が広がり、換言すれば、親水性が高くなり、高電圧印加時に放電を発生してしまう。
そこで本発明が解決しようとする課題は、かかる従来技術の問題点をなくし、高湿度環境、もしくは洗浄後においても電極部を収容する樹脂ケース表面の濡れ性の良い領域が広がらず、高電圧印加時の放電発生を有効に防止することのできる、電気集塵ユニットを提供することである。
本願発明者は上記課題について検討した結果、下記によって解決できることを見出した。
(解決の手掛かり1)
上記課題1について、コレクターを構成する極板のスペーサー部位の形状を、水はけの良い、流動を促すような形状とすること。具体的には、立体的に斜面を多用した流動性の良い形状とすること。
(解決の手掛かり2)
バネを用いる給電方式においてバネが一定以上の長さとなる仕様の場合は、バネの長手方向中間位置など所定の箇所に予め固定用の部材を用いること。これにより、均等にバネを広げて極板挿入を容易に行うことができる。
(解決の手掛かり3)
高電圧を印加する電極部が接触する絶縁物(ケース)の表面を滑らかな構造とすること。具体的には、表面の微小凹凸、いわゆる「表面粗さ」の算術平均粗さ(Ra)を0.4μm以下とすること。
以上の解決の手掛かりに基づいて、本発明を完成するに至った。すなわち、上記課題を解決するための手段として本願で特許請求される発明、もしくは少なくとも開示される発明は、以下の通りである。
(解決手段1)
〔1〕 イオナイザーと、該イオナイザーによる帯電粒子を集塵するコレクターを備えてなる電気集塵ユニットであって、該コレクターを構成する極板間を離間配置させるために該極板上に設けられた突起部(以下、「スペーサー部」)が水の流動を促す形状に形成されていることを特徴とする、電気集塵ユニット。
〔2〕 前記スペーサー部は前記極板の平坦部に対する傾斜によって形成されていることを特徴とする、〔1〕に記載の電気集塵ユニット。
〔3〕 前記傾斜は複数の傾斜角を組み合わせて形成されていることを特徴とする、〔2〕に記載の電気集塵ユニット。
〔4〕 前記傾斜角として17°以上84°以下の傾斜角が用いられていることを特徴とする、〔3〕に記載の電気集塵ユニット。
〔5〕 前記スペーサー部の角部は湾曲(以下、「アール」)をもって形成されていることを特徴とする、〔1〕ないし〔4〕のいずれかに記載の電気集塵ユニット。
〔6〕 イオナイザーと、該イオナイザーによる帯電粒子を集塵するコレクターを備えてなる電気集塵ユニットのコレクターの極板であって、該極板間を離間配置させるために該極板上に設けられた突起部(スペーサー部)が水の流動を促す形状に形成されていることを特徴とする、電気集塵ユニットのコレクターの極板。
〔7〕 イオナイザーと、該イオナイザーによる帯電粒子を集塵するコレクターを備えてなる電気集塵ユニットのコレクターであって、該コレクターを構成する極板間を離間配置させるために該極板上に設けられた突起部(スペーサー部)が水の流動を促す形状に形成されていることを特徴とする、電気集塵ユニットのコレクター。
(解決手段2)
〕 イオナイザーと、該イオナイザーによる帯電粒子を集塵するコレクターを備えてなる電気集塵ユニットにおいて該コレクターへの給電方法としてコイル状バネ(以下、「バネ」)を用いる電気集塵ユニットであって、該バネの固定が、該バネの両端に加えその間における一または複数の箇所においてもなされることを特徴とする、電気集塵ユニット。
〕 前記両端以外の固定は、前記バネの全長を等分する位置においてなされることを特徴とする、〔〕に記載の電気集塵ユニット。
〕 前記バネの固定は、該バネの所定箇所に挿入される固定板によりなされることを特徴とする、〔〕または〔〕に記載の電気集塵ユニット。
〕 イオナイザーと、該イオナイザーによる帯電粒子を集塵するコレクターを備えてなる電気集塵ユニットにおいてコレクターへの給電方法としてコイル状バネ(「バネ」)を用いる電気集塵ユニットにおけるバネ固定構造であって、該バネの固定が、該バネの両端に加えその間における一または複数の箇所においてもなされることを特徴とする、電気集塵ユニットのバネ固定構造。
〕 イオナイザーと、該イオナイザーによる帯電粒子を集塵するコレクターを備えてなる電気集塵ユニットにおいてコレクターへの給電方法としてコイル状バネ(「バネ」)を用いる電気集塵ユニットにおけるバネ固定方法であって、該バネを載置収容するバネ用溝部と、該バネ用溝部の一または複数の所定位置に交差して設けられる固定板用溝部とを備えた治具を用い、該治具により該固定板が挿入された該バネを該電気集塵ユニットに取り付けることを特徴とする、電気集塵ユニットのバネ固定方法。
(解決手段3)
〕 イオナイザーと、該イオナイザーによる帯電粒子を集塵するコレクターを備えてなる電気集塵ユニットであって、該コレクターの高電圧側の電極部が収容されるケースの表面粗さの算術平均粗さ(Ra)が0.4μm以下であることを特徴とする、電気集塵ユニット。
〕 前記ケースの表面粗さの算術平均粗さ(Ra)が0.1μm以下であることを特徴とする、〔〕に記載の電気集塵ユニット。
〕 イオナイザーと、該イオナイザーによる帯電粒子を集塵するコレクターを備えてなる電気集塵ユニットの高電圧側の電極部収容ケースであって、その表面粗さの算術平均粗さ(Ra)が0.4μm以下であることを特徴とする、電気集塵ユニットの電極部収容ケース。
本発明の電気集塵ユニット、電気集塵ユニットのコレクターならびにその極板、電気集塵ユニットのバネ固定構造ならびにバネ固定方法、および電気集塵ユニットの電極部収容ケースは上述のように構成されるため、これらによれば、下記の各効果を得ることができる。
(効果1)
極板のスペーサー部において水の流動が促されるため、洗浄後の水切りや乾燥が容易となり、汚れ落ちも良くなり、また、メンテナンス時間を短縮することができる。さらに、乾燥不十分な状態での高電圧印加の危険を、有効に避けることができる。
(効果2)
バネによる給電方式において、コレクターの極板が多い場合でも、極板への均一な給電、および十分かつ安定した極板の固定を容易に行うことができる。つまり、従来のバネ固定方法によれば広狭の分布を生じざるを得ないほど長いバネを用いた場合であっても、隣り合わせる極板の間隔の不均一さを解消して極板間の間隔を均一化でき、また、極板の挿入が困難な箇所の発生をなくすることができる。
本発明は、バネの均等な広がりがなされ得る間隔で固定板(ストッパー)による固定部を設け、固定部から先のバネ部分を継続して広げることで、長いバネを均一に広げるものであり、いわば、長いバネを、適切な間隔の短いバネに分割して用いる思想である。ストッパーと治具を用いたバネ分割方法も簡便である。また、本発明によればさらに、電気集塵ユニットの給電部とコレクターの組立てが画期的にスムーズになる。すなわち、製造上のメリットも大きい。
(効果3)
高湿度環境、もしくは洗浄後においても、電極部を収容する樹脂ケース表面の濡れ性の良い領域が広がらず、高電圧印加時の放電発生を有効に防止することができる。なお、表面に撥水性を持たせることによってもある程度の濡れ性防止効果が得られるが、この方法では汚れが付着することは防げず、それにより粗い表面と同様の現象を生じてしまう。本発明に係る表面構造は汚れ付着がしにくい構造であり、実用性が高い。
本発明電気集塵ユニット実施例の外観斜視図である(上流側から)。 本発明電気集塵ユニット実施例の外観斜視図である(下流側から)。(以上、解決手段1、2、3関係) 本発明電気集塵ユニットの極板実施例を示す平面図である。 図1−3に示す極板の側面図である。 図1−3に示す極板におけるスペーサー部25aの断面図である(図中、(i)は図1−3と同一方向、(ii)は直交方向)。 図1−3に示す極板におけるスペーサー部25bの断面図である(図中、(i)は図1−3と同一方向、(ii)は直交方向)。 図1−3に示す極板におけるスペーサー部25cの断面図である(図1−3と直交方向)。(以上、発明1関係) 給電方法としてバネを用いる本発明電気集塵ユニットの電極部実施例を示す斜視図である。 図2−1の要部拡大図である。 本発明電気集塵ユニットのバネ固定方法の実施例を示す写真図である(手順1)。 本発明電気集塵ユニットのバネ固定方法の実施例を示す写真図である(手順2)。 本発明電気集塵ユニットのバネ固定方法の実施例を示す写真図である(手順3)。(以上、発明2関係) ケース表面滑らか仕上げの本発明電気集塵ユニットの効果確認試験を示す写真図である(照明試験)。 ケース表面滑らか仕上げの本発明電気集塵ユニットの効果確認試験(洗浄試験)を示す写真図である(洗浄前の乾燥状態)。 ケース表面滑らか仕上げの本発明電気集塵ユニットの効果確認試験(洗浄試験)を示す写真図である(洗浄直後〜15分後の状態)。 ケース表面滑らか仕上げの本発明電気集塵ユニットの効果確認試験(洗浄試験)を示す写真図である(洗浄20分後および25分後の状態)。(以上、発明3関係)
以下、図面にて示す実施例により本発明を詳細に説明する。なお、本発明がかかる実施例に限定されるものではない。
図1−1、1−2は、本発明電気集塵ユニット実施例の外観斜視図であり、前者は上流側から、後者は下流側からの図である。これらに示すように本電気集塵ユニット10は、イオン化線13とグランド線14からなるイオナイザー、通過する荷電粒子を集塵する集塵板(アース側、マイナス極板)3と反発板(高電圧のプラス極板)4からなるコレクター(集塵部)2を備えて構成される。上流側から導入された汚染粒子は、イオナイザーによってプラス静電気に帯電させられてプラスに帯電した荷電粒子となり、これは、コレクター2を通過する際に、高電圧の反発板4に反発して、集塵板3に吸着される。コレクター2の各極板3、4は交互に複数積層され、それぞれ高電圧側接点(電極)15、グランド側接点16に接続される。以上は基本的な構成であるが、以下、本発明の特徴ある構成、作用効果について説明する。
(発明1)
図1−3は、本発明電気集塵ユニットの極板実施例を示す平面図である。図示するように本電気集塵ユニットでは、コレクターを構成する極板間を離間配置させるために、各極板23上に設けられた突起部(スペーサー部)25a、25b等が水の流動を促す形状に形成された特徴的な構成とすることができる。なお、図示された極板23の仕様はもちろんのこと、スペーサー部25a等の形状、サイズ、配置(設ける位置)、個数、組み合わせもあくまでも例であり、本発明のスペーサー部はここに示された以外の形状、サイズ、配置(設ける位置)、個数、組み合わせであってもよい。
図1−4は、図1−3に示す極板の側面図である。図示するように本発明に係るスペーサー部25a等は、極板23の平坦部24に対する傾斜によって形成されたものとすることができる。傾斜は単一の角度によるものであっても、また、二または三以上の傾斜角を組み合わせて形成されたもの(多段傾斜)であってもよい。しかしながら、水洗後の水の流動性の良さは、後者が優れる。つまり、立体的に斜面を多用した流動性の良い形状とすることが望ましい。
スペーサー部25a等をかかる形状とすることによって、極板23の洗浄後の水切りや乾燥が容易となり、また汚れ落ちも良くなり、コレクターのメンテナンス時間を短縮することができる。さらに、乾燥不十分な状態での高電圧印加の危険を有効に回避することができる。
図1−5、1−6はそれぞれ、図1−3に示す極板におけるスペーサー部25a、25bの断面図である。各図中、(i)は図1−3と同一方向、(ii)は直交方向の図である。また、
図1−7は、図1−3に示す極板におけるスペーサー部25cの断面図である(図1−3と直交方向)。これらの例に示すようにスペーサー部25a等は、複数の傾斜角を組み合わせて流動性のより高い形状に形成すればよい。傾斜角としてはたとえば、17°以上84°以下の範囲内で複数の傾斜角を用い、それによってスペーサー部25a等の立体形状を形成することとしてもよい。ただし、本発明はこの角度範囲に限定されず、より広い範囲、より狭い範囲としてもよい。
また、スペーサー部の角部は湾曲(アール)をもって形成されることとしてもよい。角部を尖った形状ではなくアール形状とすることにより、流動性はより高まる。なお、以上説明した本発明電気集塵ユニットのコレクターの極板や、コレクター自体もまた、本発明の範囲内である。
(発明2)
図2−1は、給電方法としてバネを用いる本発明電気集塵ユニットの電極部実施例を示す斜視図である。また、図2−2は図2−1の要部拡大図である。なお、本発明に言う「バネ」は、導電性材料によるコイルスプリングである。これらに図示するように本発明電気集塵ユニットは、高電圧を印加する電極部31におけるバネ32の固定が、バネ32の両端32T、32Uに加えその間における一または複数の箇所においてもなされることを、特徴的な構成とする。なお、図に示す例では、新たな固定箇所32Mは一箇所のみだが、これは二箇所以上であってもよい。
図示するように、両端32T、32U以外の箇所32Mにおけるバネ32の固定は、バネ32の所定箇所32Mに挿入される固定板(ストッパー)33により行うものとすることができる。固定板33は、バネ32のピッチに合わせてその線間に挿入される挿入部33Sと、固定板33自体を電極部ケース39に固定するための固定部33Kとを備えて構成される。
固定部33Kは図示する例のように、固定板33の両端に設けて電極部ケース39に設けられた固定用溝38に差込み固定する方式とすることができる。しかし本発明はこれに限定されず、要するに電極部ケース39に固定することのできる形態、構造であればよい。また、固定板の形状、厚さ、材質も、固定対象であるバネの仕様に合わせて適宜に設計するものとすることができる。また、電極部ケース39側に固定用溝38を設ける方式の場合、電極部ケース39が備える固定用溝38の数も限定されない。
本発明の方式により、バネ32はその長さを、所定の固定箇所32Mにおける固定によって、あたかもバネ分割体32a、32bに分割された形態となり、それぞれの長さが短縮されたことにより、伸ばした場合のピッチの不均一さを解消し、均一化することができる。図示する例は固定箇所一箇所による二分割であるが、固定箇所を二箇所以上として分割数三以上としても、もちろんよい。要するに、バネを均等に広げられる最長スパンまたはそれより短いスパンで、バネ両端間における固定箇所を設ければよい。
本発明のバネ固定方式により、長いバネを均一に広げることが可能となり、極板をバネに挿入することが容易となり、電気集塵ユニットの給電部とコレクターの組立てが画期的にスムーズになり、隣り合う極板の間隔も均一化することが可能となった。
なお、図に例示するように、バネ32の両端32T、32U以外の固定箇所32Mは、バネ32全体を二分割するようにバネの全長を等分する位置とすることができるが、上述の通り、本発明はかかる例に限定されない。また、かかる本発明電気集塵ユニットにおけるバネ固定構造自体もまた、本発明の範囲内である。ここでバネ固定構造は、固定板、および固定板を固定する構造を備えた電極部ケースとから構成される。加えて、かかるバネ固定構造(換言すれば、バネ固定用構造)を用いてバネが分割固定された状態(換言すれば、バネ固定済み構造)も、本発明のバネ固定構造の範囲内である。
図2−3、2−4、2−5は、本発明電気集塵ユニットのバネ固定方法の実施例を示す写真図であり、順に、手順1、手順2、手順3である。なお、ここに示す例は、図2−1等に示したバネ固定構造(バネ固定済み構造)を得るために用いる方法である。これらに図示するように本バネ固定方法は、専用の治具30を用いてこれにセットされたバネ32に固定板33を挿入する、という方法である。
治具30は、バネ32を載置収容するバネ用溝部304と、バネ用溝部304の一または複数の所定位置に交差して設けられる固定板用溝部305とを備えて構成される。図示する例の治具30では、固定板用溝部305は一箇所のみである。治具30のバネ用溝部304にバネ32を載置収容し、ついで固定板(ストッパー)33をバネ32の上から固定板用溝部305に挿入する(図2−3)。
固定板33をバネ32上方から固定板用溝部305に挿入していくと、それにより同時に、バネ32の1ピッチの線間に固定板33の固定部33Sが挿入されたことになり、挿入が完了する(図2−4)。固定板33が挿入、装着されたバネ32は治具30から取り外される(図2−5)。そして、固定板33を装着済みのバネ32は、その両端が電極部ケースに所定方法により固定されるとともに、同ケースの所定箇所に設けられた溝に固定板33の固定部33Kが挿入、固定され、コレクターの極板への給電機能としての、電極部に対するバネ32取付けが完了する。
(発明3)
既述課題3に対応する本発明電気集塵ユニットは、コレクターの高電圧側の電極部が収容される樹脂製ケースの表面が滑らかに仕上げられた構成とする。具体的には、その表面粗さの算術平均粗さ(Ra)を0.4μm以下とする。これにより、高湿度環境にて高電圧を印加しても放電を発生しないとともに、汚れも付着しにくくなる。
これは、表面を滑らかな仕上げとすることによって、濡れ性の良い領域を狭めることができ、換言すれば親水性を低下させることができるからである。すなわち、高湿度環境もしくは洗浄後であっても、表面における濡れ性の良い領域が狭小であるため、水分・水滴が残りにくく、乾燥も速い。それにより、高電圧印加時の放電発生防止、洗浄後等の汚れ付着防止効果が得られる。なお、本発明電気集塵ユニットに係る電極部収容ケース自体もまた、本発明の範囲内である。
図2Aは、ケース表面滑らか仕上げの本発明電気集塵ユニットの効果確認試験を示す写真図である。比較例を含む4種類の表面仕上げ状態を、図中央に示すLEDチップ1個による照明がどのように投影されているか、により評価したものである。図中、左上はRa=0.04μm(鏡面仕上げ)、右上はRa=0.08μm、左下はRa=0.36μm、右下はRa=0.47μm(比較例)である。
図示するように、Ra=0.04μmの表面仕上げでは、LEDチップ照明光がほぼその形状およびサイズのまま投影されており、鏡面仕上げの表面が形成されていることが確認できた。Raが大きくなるにつれ、照明光の投影の形状およびサイズは実際の照明光との相違が大きくなり、比較例では投影が生じなかった。この結果、本発明効果を得られる表面粗さはRa=0.4μm以下、望ましくは0.1μm以下、より望ましくは0.05μm以下であると判断された。
図2B、2C、2Dは、ケース表面滑らか仕上げの本発明電気集塵ユニットの効果確認試験(洗浄試験)を示す写真図であり、順に、洗浄前の乾燥状態、洗浄直後〜15分後の状態、洗浄20分後および25分後の状態を示す。本試験は、表面粗さが大きいほど表面の保持水量が大きくなることに基づき、図2Aで用いた各表面粗さのケース表面を水洗浄した際の乾燥速度(乾燥程度)により、発明の効果を評価したものである。各図とも、左から、Ra=0.04μm、0.08μm、0.36μm、0.47μm(比較例)である。また、洗浄は各試料とも左半分のみ行った。
これらに示すように、Ra=0.04μmの表面では、洗浄直後からほとんど水滴すら残らず、洗浄10分後には水滴も全く残らない状態であった。Ra=0.08μmの表面では、洗浄10分後まではわずかに水滴が残ったが、洗浄15分後には水滴の残存が認められなかった。またRa=0.36μmの方面では、洗浄25分後でも残存水滴が認められたが、その量は極わずかであった。以上の例では、濡れエリアの発生は洗浄直後から全く認められなかった。
他方、Ra=0.47μm(比較例)の表面では、洗浄直後に全表面に亘って濡れ性の良い領域(濡れエリア)が生じた。図中では、破線四角枠で囲んだ部分が、濡れエリアである。これは、時間の経過とともに徐々に狭まってはいくものの、他の3例のように水滴レベルにまで縮小することはなく、洗浄25分後においても全表面の20%弱程度を濡れエリアが湿る状態であった。本試験の結果、本発明効果を得られる表面粗さはRa=0.4μm以下、望ましくは0.1μm以下、より望ましくは0.05μm以下であることが確認された。
(利用性1)
本発明の電気集塵ユニット、電気集塵ユニットのコレクターおよびその極板によれば、極板のスペーサー部において水の流動が促されるため、洗浄後の水切りや乾燥が容易となり、汚れ落ちも良くなり、また、メンテナンス時間を短縮することができ、乾燥不十分な状態での高電圧印加の危険を有効に避けることができる。
(利用性2)
本発明の電気集塵ユニット、そのバネ固定構造およびバネ固定方法によれば、バネによる給電方式において、コレクターの極板が多い場合でも、極板への均一な給電、および十分かつ安定した極板の固定を容易に行うことができる。さらに、電気集塵ユニットの給電部とコレクターの組立てが画期的にスムーズになり、製造上のメリットも大きい。
(利用性3)
本発明の電気集塵ユニットおよびその電極部収容ケースによれば、高湿度環境、もしくは洗浄後においても、電極部を収容する樹脂ケース表面の濡れ性の良い領域が広がらず、高電圧印加時の放電発生を有効に防止することができる。しかも、汚れ付着がしにくい構造であり、実用性が高い。
したがって本発明は、空気清浄機製造、使用分野および関連する全分野において、産業上利用性が高い発明である。
2…コレクター(集塵部)
3…集塵板(アース側、マイナス極板)
4…反発板(高電圧のプラス極板)
10…電気集塵ユニット
11…筐体
12…ガイドレール
13…イオン化線
14…グランド板
15…高電圧側接点(電極)
16…グランド側接点
19…取っ手
23…極板
24…平坦部
25a、25b、25c…突起部(スペーサー部)
30…治具
304…バネ用溝部
305…固定板用溝部
31…高電圧を印加する電極部
32…バネ
32M…バネの固定箇所
32T、32U…バネの固定端
33…固定板(ストッパー)
33K…固定部
33S…挿入部
38…固定用溝
39…電極部ケース

Claims (3)

  1. イオナイザーと、該イオナイザーによる帯電粒子を集塵するコレクターを備えてなる電気集塵ユニットであって、該コレクターの高電圧側の電極部が収容されるケースの表面粗さの算術平均粗さ(Ra)が0.4μm以下であることを特徴とする、電気集塵ユニット。
  2. 前記ケースの表面粗さの算術平均粗さ(Ra)が0.1μm以下であることを特徴とする、請求項に記載の電気集塵ユニット。
  3. イオナイザーと、該イオナイザーによる帯電粒子を集塵するコレクターを備えてなる電気集塵ユニットの高電圧側の電極部収容ケースであって、その表面粗さの算術平均粗さ(Ra)が0.4μm以下であることを特徴とする、電気集塵ユニットの電極部収容ケース。




























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