JPH05220176A - 振動発生装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】バインダを、歯の残根にかぶせられる歯冠、ブ
リッジ等の中でも、歯冠等をかぶせた後の歯冠等と歯の
残根の間でも、極めて簡単に且つ短時間で機械的に均一
に分配することができるような振動発生装置を提供す
る。 【構成】振動発生源に接続可能なアクチュエータ３１が
設けられている。アクチュエータ３１は、昇降部材３３
を備え、且つ液圧式連動捍３５を介して作業器４３に連
結されており、該作業器により、アクチュエータ３１に
よって生じた振動を歯冠３、ブリッジ、歯充填部７等の
処理されるべき部分へ伝動可能である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、振動発生装置、特に歯
科学用の振動発生装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】歯科治療においては、歯冠、ブリッジ等
の部材を歯の残根に固定するため、例えばセメントまた
はプラスチックのようなバインダが使用される。バイン
ダは、歯冠を装着する前に手でかきまぜられるか、或い
は機械でかきまぜられ、その後歯冠またはブリッジの中
に挿入される。しかしながら、バインダを能動的に(akt
iv)はめこむ場合も、また受動的に（passiv)挿入する場
合も、バインダを均一に配分することは極めて困難であ
る。なぜなら歯冠及び（または）歯の残根のすべての隙
間及びくぼみにバインダがいきわたらないからである。
従って気泡が形成されることがあり、固化時間が比較的
長く、その間患者は痛みに耐えねばならない。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、バイ
ンダを、歯の残根にかぶせられる歯冠、ブリッジ等の中
でも、歯冠等をかぶせた後の歯冠等と歯の残根の間で
も、極めて簡単に且つ短時間で機械的に均一に分配する
ことができ、及び（または）圧縮することができ、その
際口腔内での作業を時折行なう必要がないような振動発
生装置を提供することである。これを可能にするための
構成を簡潔にし、従って振動発生装置の経済的な製造も
可能にすること、他方装置の操作が簡単であり、特にブ
リッジ及び歯冠を装着する際に操作が簡単であるように
することも課題とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するため、振動発生源に接続可能なアクチュエータが
設けられ、該アクチュエータが、昇降部材を備え、且つ
液圧式連動捍を介して作業器（例えば共振器、充填ピス
トン）に連結されており、該作業器により、アクチュエ
ータによって生じた振動を歯冠、ブリッジ、歯充填部等
の処理されるべき部分へ伝動可能であることを特徴とす
るものである。

【０００５】合目的には、アクチュエータが、電磁石、
有利には可逆式リフティングマグネット、超音波振動発
生器、ピエゾトランスレータ、またはカムホイール及び
これと協働するタペットを昇降部材として備えている回
転モータによって形成されているのがよい。

【０００６】また、アクチュエータに、昇降部材のスト
ローク、振動数及び（または）昇降力を設定可能な制御
器が付設されているのが有利である。

【０００７】アクチュエータと作業器の間に設けられて
いる液圧式連動捍は、圧縮不能な媒体によって充填され
る管によって形成され、この管の、アクチュエータ側の
端部に、該アクチュエータの昇降部材によって操作可能
なピストンが取り付けられ、管の、作業器側の端部が、
ダイアフラムまたはベローズによって閉止されているの
が有利である。この場合、管は少なくとも部分的に可撓
性のホース管として構成され、該ホース管は、ねじ部に
より、ピストンを受容しているシリンダ及び作業器また
は中間部材に接続されている。

【０００８】さらに、管に、有利にはそのシリンダの領
域に、液体のロスを補償する装置及び（または）圧力測
定装置が接続され、ピストン及び（または）ダイアフラ
ムが、球状に構成される中間部材を介して、アクチュエ
ータの昇降部材または作業器と協働するのが有利であ
る。

【０００９】管を密閉しているダイアフラムは、共振器
として構成され有利にはグリップ部材を備えている作業
器の中に直接挿着されていることができる。この場合、
ダイアフラムに、膨張せしめられた純粋なポリテトラフ
ルオールエチレン材から成る押圧部材が付設され、該押
圧部材は、直方体の痛み防止クッションとして構成され
ている。

【００１０】一方作業器は、グリップ部材に挿着される
充填ピストンとして構成され、該充填ピストンにたいし
て、ダイアフラムまたはベローズが直接にまたは中間部
材を介して作用することができる。

【００１１】

【実施例】次に、本発明の実施例を添付の図面を用いて
説明する。

【００１２】図１に図示し、符号１を付した装置は、特
に歯科学において使用可能で、図２から図４までに図示
したように歯の残根２の上にかぶせられる歯冠３と残根
２との間にあるバインダ４を短時間で均一に分配させる
ために機械的な振動を伝えるために用いる。装置１は、
導電線１２を介して電源に接続可能で、種々の態様で構
成されるアクチュエータ１１を有している。アクチュエ
ータ１１は、液圧式連動捍１３を介して作業器に接続さ
れている。作業器を用いて、アクチュエータ１１によっ
て発生させることができる機械的な振動が、処理される
べき部分、例えば歯冠またはブリッジに伝えられる。

【００１３】作業器としては、図１によれば、グリップ
部材１４を備えた共振器１５ないし１５’’’’を設け
ることができる。共振器１５ないし１５’’’’は、単
一歯冠（１５）、二重歯冠（１５’）、多重歯冠（１
５’’）、門歯用歯冠（１５’’’）、または完全歯列
（１５’’’’）用のものである。しかしグリップ部材
１６に充填ピストン１７ないし１７’’’を装着するこ
ともできる。充填ピストン１７ないし１７’’’は、尖
端形状（１７）、ボールトップ（１７’）、小さなへら
状トップ（１７’’）、または大きなへら状トップ（１
７’’’）を有することができる。

【００１４】アクチュエータ１１に付設され、スイッチ
２５を備えている制御器２１を用いると、表示部２２，
２３，２４に示したように、アクチュエータ１１に設け
られている昇降部材のストローク、振動数及び（また
は）ストロークパワーを設定することができる。

【００１５】図２に詳細に図示したアクチュエータ３１
は、ケーシング３４内に配置される市販の電磁石３２、
有利には可逆式リフティングマグネットを有している。
電磁石３２の電機子は昇降部材３３を形成している。電
磁石３２の代わりに、公知の態様で構成され昇降部材３
３に作用する超音波振動器を設けても良い。

【００１６】アクチュエータ３１は、液圧式連動捍３５
を介してグリップ部材４３に連結されている。グリップ
部材４３は、図３によれば一つのダイアフラム４０によ
って閉止され、図４によれば二つのダイアフラム４０，
４０’によって閉止されている圧力室３９を有してい
る。液圧式連動捍３５は、圧縮不能な媒体４１、例えば
医学用オイルによって充填される管３６によって形成さ
れている。管３６は、アクチュエータ３１側の端部にシ
リンダ３７を備えている。シリンダ３７にはピストン３
８が挿着されている。また管３６の他端は、ダイアフラ
ム４０または４０’によって閉止されている。有利には
可撓性のホースから成る管３６は、ねじ部４２と４４に
よりシリンダ３７またはグリップ部材４３に固定されて
いる。そしてシリンダ３７は、ねじ部４５によりアクチ
ュエータ３１のケーシング３４に装着されている。さら
に、シリンダ３７とピストン３８の間に形成される環状
隙間は、パッキン４７によって密封されている。

【００１７】アクチュエータ３１の昇降部材３３は、二
つの中間部材３３’と４６を介してピストン３８に作用
する。この場合傾斜を避けるため、中間部材３３’に接
している中間部材４６は球状に構成されている。

【００１８】電磁石３２または超音波振動器が励起され
ると、昇降部材３３の昇降運動が連動捍３５の圧縮不能
な媒体４１に伝えられ、その結果、歯冠３または歯５が
直接にまたは痛み防止クッション５３を介してダイアフ
ラム４０または４０’に接し、これにたいして反力が作
用している限りは、ほぼ４０ないし１００Ｈｚの振動数
の振動が発生する。この振動は、さらに歯冠３へ伝えら
れる。従って、歯冠３と歯の残根２の間にあるバインダ
４は短時間で均等に分配され、その後バインダ４が硬化
すると、歯冠３を申し分なく固定することができる。

【００１９】液圧式連動捍３５には、シリンダ３７の領
域に補償装置５１が接続されている。従って、圧縮不能
な媒体４１が漏れても補償される。さらに測定装置５２
により、管３６内に発生する圧力を測定することができ
る。従って所定の圧力に達したときにはアクチュエータ
３１のスイッチをオフにすることができるので、患者の
オーバーストレスが回避されている。

【００２０】図５の実施例では、アクチュエータ６１は
振動発生器としてピエゾトランスレータ６２を備えてい
る。ピエゾトランスレータ６２は、公知の態様で複数の
円板から組み立てられ、ケーシング６４の中に配置され
ている。軸方向の昇降運動を生じさせるため、ピエゾト
ランスレータ６２には、適当な振動数の電気エネルギー
が供給される。

【００２１】これによって生じる昇降運動は、昇降部材
６３と、これに接している球状の中間部材６８とを介し
て、ピストン６７に伝えられる。ピストン６７は、シリ
ンダ６６に挿着されている。シリンダ６６には液圧式連
動捍６５が接続されているので、ピエゾトランスレータ
６２によって生じた振動は、ピエゾトランスレータ６２
を介して作業器に送られる。

【００２２】図６によれば、振動を発生させるためのア
クチュエータ７１には、ケーシング７４内に挿着されて
いる回転電動機７２が設けられている。回転電動機７２
は、その従動軸の回転運動を逆転させるためカム板７９
を備えている。カム板７９は、昇降部材７３と協働す
る。昇降部材７３は、くさび８２により、相対回転不能
に、しかし圧縮ばね８３の力に抗して軸方向へ移動可能
に、ケーシング７４で支持されているスリーブ８１内に
保持されている。昇降部材７３には、カム板７９側の端
部に、カム板７９に接しているタペット８０が取り付け
られている。その結果、カム板７９が回動すると、昇降
部材７３が軸方向へ変位する。そして昇降部材７３の変
位運動は、球状の中間部材７８を介して、シリンダ７６
に挿着されているピストン７７に伝えられる。ピストン
７７は、連動捍７５の液体柱に作用する。

【００２３】図７ないし図９には、歯６の中に挿入され
ている充填剤７を機械的な振動により圧縮するための充
填ピストン１７が図示されている。充填ピストン１７は
グリップ部材１６または１６’に挿着されており、液圧
式連動捍９１の液体柱により機械的に振動せしめられ
る。

【００２４】図７と図８によれば、このような振動は、
連動捍９１の端部に設けられるケーシング９２が圧力室
９３を有していることによって実現される。圧力室９３
は、ダイアフラム９４によって閉止されている。ダイア
フラム９４には、ばね９６の力によって押圧部材９５が
接し、その結果アクチュエータによって生じた振動は、
ダイアフラム９４によって充填ピストン１７へ伝えられ
る。

【００２５】図９に図示した構成によれば、グリップ部
材１６’内に配置されているケーシング９２’にベロー
ズ９７が取り付けられている。ベローズ９７は、液圧式
連動捍９１の液体柱を介して伝えられるアクチュエータ
の昇降運動によって軸方向へ変位し、その結果充填ピス
トン１７が機械的に振動せしめられる。

【００２６】次に、本発明の有利な構成を列記してお
く。

【００２７】（１）アクチュエータ（３１；６１；７
１）が、電磁石（３２）、有利には可逆式リフティング
マグネット、超音波振動発生器、ピエゾトランスレータ
（６２）、またはカムホイール（７９）及びこれと協働
するタペット（８０）を昇降部材（７３）として備えて
いる回転モータ（７２）によって形成されていることを
特徴とする振動発生装置。

【００２８】（２）アクチュエータ（１１）に、昇降部
材のストローク、振動数及び（または）昇降力を設定可
能な制御器（２１）が付設されていることを特徴とす
る、上記第１項に記載の振動発生装置。

【００２９】（３）アクチュエータ（３１；６１；７
１）と作業器（１５；１７）の間に設けられている液圧
式連動捍（１３；３５；６５；７５；９１）が、圧縮不
能な媒体（４１）によって充填される管（３６）によっ
て形成され、この管（３６）の、アクチュエータ（３
１；６１；７１）側の端部に、該アクチュエータ（３
１；６１；７１）の昇降部材（３３；６３；７３）によ
って操作可能なピストン（３８；６７；７７）が取り付
けられ、管（３６）の、作業器（１５；１７）側の端部
が、ダイアフラム（４０；４０’）またはベローズ（９
７）によって閉止されていることを特徴とする、上記第
１項または第２項に記載の振動発生装置。

【００３０】（４）管（３６）が少なくとも部分的に可
撓性のホース管として構成され、該ホース管が、ねじ部
（４２；４４）により、ピストン（３８）を受容してい
るシリンダ（３７）及び作業器（４３）または中間部材
に接続されていることを特徴とする、上記第３項に記載
の振動発生装置。

【００３１】（５）管（３６）に、有利にはそのシリン
ダ（３７）の領域に、液体のロスを補償する装置（５
１）及び（または）圧力測定装置（５２）が接続されて
いることを特徴とする、上記第３項または第４項に記載
の振動発生装置。

【００３２】（６）ピストン（３８；６７；７７）及び
（または）ダイアフラム（９４）が、球状に構成される
中間部材（４６；６８；７８）を介して、アクチュエー
タ（３１；６１；７１）の昇降部材（３３；６３；７
３）または作業器（１７）と協働することを特徴とす
る、上記第３項から５項までのいずれか１つに記載の振
動発生装置。

【００３３】（７）管（３６）を密閉しているダイアフ
ラム（４０，４０’）が、共振器として構成され有利に
はグリップ部材（４３）を備えている作業器の中に直接
挿着されていることを特徴とする、上記第１項から６項
までのいずれか１つに記載の振動発生装置。

【００３４】（８）ダイアフラム（４０，４０’）に、
膨張せしめられた純粋なポリテトラフルオールエチレン
材から成る押圧部材が付設され、該押圧部材は、直方体
の痛み防止クッション（５３）として構成されているこ
とを特徴とする、上記第７項に記載の振動発生装置。

【００３５】（９）作業器が、グリップ部材（１６）に
挿着される充填ピストン（１７）として構成され、該充
填ピストン（１７）にたいして、ダイアフラム（９４）
またはベローズ（９７）が直接にまたは中間部材を介し
て作用することを特徴とする、上記第１項から７項まで
のいずれか１つに記載の振動発生装置。

【００３６】

【発明の作用及び効果】本発明によれば、振動発生装置
が昇降部材を備えたアクチュエータによって形成され、
該アクチュエータが液圧式連動捍を介して作業器に連結
されているので、アクチュエータによって発生した機械
的な振動が作業器に伝えられ、従って処理されるべき部
分、例えば歯冠またはブリッジ等に伝えられる。このよ
うにしてバインダは、歯冠内部においても、また歯冠と
歯の残根の間に挿入した後も均一に分配され、圧縮され
る。この場合バインダは強制的に、歯冠と歯の残根のす
べての隙間及びくぼみに侵入し、従って歯冠の固定が向
上するばかりでなく、気泡の発生も回避され、従来公知
の構成に比べ固化時間が短縮される。

【００３７】また、本発明による振動発生装置の操作は
極めて簡単である。なぜなら、アクチュエータによって
発生せしめられ、液圧式連動捍を介して作業器に送られ
る機械的な振動は、難なく処理されるべき部分に伝えら
れるからである。さらに、患者は約４０ないし１００Ｈ
ｚ振動数範囲で振動する作業器に接触するにすぎないの
で、患者の口腔内へ電動式の能動的な器具を挿入する必
要がなく、本発明による振動発生装置を歯科学で使用し
ても患者の治療に危険が伴わない。

【図面の簡単な説明】

【図１】制御器を備えた本発明による振動発生装置の正
面図であり、アクチュエータに接続される種々の共振器
及び充填ピストンをも併せて図示した正面図である。

【図２】電動機によって形成されるアクチュエータの断
面図であって、液圧式連動捍を介してアクチュエータに
連結される共振器をも併せて図示した断面図である。

【図３】図２に図示した共振器の１実施例の拡大図であ
る。

【図４】共振器の変形実施例の拡大図である。

【図５】ピエゾトランスレータとして構成されたアクチ
ュエータを示す図である。

【図６】回転電動機として構成されたアクチュエータを
示す図である。

【図７】充填ピストンとして構成された作業器を示す図
である。

【図８】図７の一部拡大図である。

【図９】充填ピストンとして構成された作業器の変形例
を示す図である。

【符号の説明】

１ 振動発生装置 ３ 歯冠 ７ 歯充填部 １１；３１；６１；７１ アクチュエータ １３；３５；６５；７５；９１ 液圧連動捍

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 振動発生装置、特に歯科学用の振動発生
   装置において、 振動発生源に接続可能なアクチュエータ（１１；３１；
   ６１；７１）が設けられ、該アクチュエータ（１１；３
   １；６１；７１）が、昇降部材（３３；６３；７３）を
   備え、且つ液圧式連動捍（１３；３５；６５；７５；９
   １）を介して作業器（１５；１７）に連結されており、
   該作業器により、アクチュエータ（１１；３１；６１；
   ７１）によって生じた振動を歯冠（３）、ブリッジ、歯
   充填部（７）等の処理されるべき部分へ伝動可能である
   ことを特徴とする振動発生装置。