JPH0521874U - 糸立台の糸案内装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 糸案内杆よりも糸駒側において縫糸がだぶつ
いても、縫糸のだぶつき部分が糸案内杆の先端部に引っ
かかって縫製作業の効率を悪くするといったことをなく
す。 【構成】 ミシンテーブル１に垂直に設置された支柱３
の下方には２つの糸巻支持台５ａ，５ｂが取り付けら
れ、その糸巻支持台５ａ，５ｂに対応して支柱３の上方
に２つの糸案内杆７ａ，７ｂが取り付けられている。糸
巻支持台５ａ，５ｂの水平部上には、縫糸Ｔが巻回され
た５個の糸駒が保持されている。そして、２つの糸案内
杆７ａ，７ｂの自由端部には、糸案内部材１９ａ，１９
ｂが下方に延びた状態で固定されており、糸案内部材１
９ａ，１９ｂの糸案内杆７ａ，７ｂから５０ｍｍ程は離
れた下端には、縫糸Ｔをミシン頭部側に案内するため糸
挿通孔２１ａが設けられている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、糸立台の糸案内装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、糸立て台の糸案内装置については、例えば実公昭５７ー１４７６９号公 報に開示されているものがあり、その概略構成を図３を参照して説明する。

【０００３】 ミシンテーブル５１に垂直に設置された支柱５３の下方には糸巻支持台５５が 取り付けられ、その糸巻支持台５５に対応して支柱５３の上方に糸案内杆５７が 取り付けられている。糸巻支持台５５の水平部上には３枚の受け皿５９と３本の 糸立棒６１とが設けられている。そして、縫糸Ｔが巻回された糸駒６２が糸巻支 持台５５の自由端側の糸立て棒６１に挿通され、かつ受け皿５９に保持されてい る。糸案内杆５７には３本の糸立て棒６１の各々と対応して３つの貫通孔が形成 されており、縫糸Ｔを挿通してミシン頭部側に案内するための糸案内孔６３を有 する糸挿通体６５がその３つの貫通孔にそれぞれ挿通されて糸案内杆５７に取り 付けられている。その３個の糸挿通体６５には縫糸Ｔを挿通して糸挿通体６５の 糸案内孔６３に案内するための糸掛け部６７を有する糸掛け部材６９がそれぞれ 取り付けられている。

【０００４】 このように構成された糸立て台の糸案内装置では、糸駒６２に巻回された縫糸 Ｔは、図４に示すように、まず糸掛け部材６９の糸掛け部６７に挿通され、次に 糸挿通体６５の糸案内孔６３に挿通される。その後、縫糸Ｔはミシン頭部上に設 けられた糸案内部（図示せず）を介してミシンの縫製部に導かれる。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上述したような糸立て台の糸案内装置を備えたミシンでは、縫 糸Ｔを切断する糸切り装置等によって縫糸Ｔに大きな引っ張り力が働いて糸駒６ ２からたくさん縫糸Ｔを引っ張り出したときは、縫糸Ｔが糸掛け部材６９の糸掛 け部６７と糸挿通体６５の糸案内孔６３とに挿通されているので縫糸Ｔに通過抵 抗がかかるため、糸案内杆５７よりもミシン頭部側においては縫糸Ｔのだぶつき がある程度防止できるものの、糸案内杆５７よりも糸駒側においては縫糸Ｔのだ ぶつきを防止できい。このため、糸案内杆５７よりも糸駒側の糸のからみつきが 発生し、特に糸案内杆５７の先端部に引っかかってからみついた時は、縫製作業 を中断して、糸案内杆５７の先端部に引っかかった縫糸Ｔを直す作業が必要であ るので縫製作業の効率を悪くしているといった問題があった。

【０００６】 本考案は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、糸案内杆よ りも糸駒側において縫糸がだぶついても、縫糸のだぶつき部分が糸案内杆の先端 部に引っかかって縫製作業の効率を悪くするといったことがない糸立て台の糸案 内装置を提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

この目的を達成するために本考案の糸立台の糸案内装置は、ミシンテーブルに 垂直に設けられた支柱の下方に取り付けられ、糸を巻回した糸駒を保持するため の糸巻支持台と、前記糸巻支持台と対応してその上方に設けられた糸案内杆と、 前記糸案内杆から下方に向かって延びるように糸案内杆に設けられた糸案内部と 、前記糸案内部の前記糸案内杆から相当量離れた位置において貫通形成され、前 記糸巻支持台に保持された糸駒からの糸を挿通してミシン頭部側へ案内する糸案 内孔とを備えている。

【０００８】

【作用】

上記の構成を有する本考案糸立台の糸案内装置では、ミシンテーブルに垂直に 設けられた支柱の下方に取り付けられた糸巻支持台が糸を巻回した糸駒を保持す る。前記糸巻支持台と対応してその上方に設けられた糸案内杆に糸案内部が下方 に向かって延びるように設けられている。そして、前記糸案内部の前記糸案内杆 から相当量離れた位置において糸案内孔が貫通形成され、その糸案内孔が前記糸 巻支持台に保持された糸駒からの糸を挿通してミシン頭部側へ案内する。このた め、糸が案内杆にからみつかない。

【０００９】

【実施例】

以下、本考案を具体化した一実施例を図面を参照して説明する。

【００１０】 図１に示すように、ミシンテーブル１に垂直に設置された支柱３の下方には２ つの糸巻支持台５ａ，５ｂが取り付けられ、その糸巻支持台５ａ，５ｂに対応し て支柱３の上方に２つの糸案内杆７ａ，７ｂ（糸案内部）が取り付けられている 。一方の糸巻支持台５ａの水平部上には３枚の受け皿９ａ，９ｂ，９ｃと３本の 糸立て棒１１ａ，１１ｂ，１１ｃとが設けられている。そして、縫糸Ｔが巻回さ れた３個の糸駒１３ａ，１３ｂ，１３ｃがそれぞれ糸立て棒１１ａ，１１ｂ，１ １ｃに挿通され、かつ受け皿９ａ，９ｂ，９ｃに保持されている。他方の糸巻支 持台５ｂの水平部上には２枚の受け皿９ｄ，９ｅと２本の糸立棒１１ｄ，１１ｅ とが設けられている。そして、縫糸Ｔが巻回された２個の糸駒１３ｄ，１３ｅが それぞれ糸立て棒１１ｄ，１１ｅに挿通され、かつ受け皿９ｄ，９ｅに保持され ている。

【００１１】 ２つの糸案内杆７ａ，７ｂには前記５本の糸立て棒１１ａ，１１ｂ，１１ｃ， １１ｄ，１１ｅの各々と対応して５つの貫通孔が形成されている。２つの糸案内 杆７ａ，７ｂの自由端側の貫通孔には、それぞれネジ１５ａ，１５ｂ（図１では １５ａのみ示す）が挿通されており、そのネジ１５ａ，１５ｂとナット１７ａ， １７ｂ（図１では１７ｂのみ示す）とにより糸案内部材１９ａ，１９ｂが下方に 延びた状態で２つの糸案内杆７ａ，７ｂの自由端部にそれぞれ固定されている。 そして、糸案内部材１９ａ，１９ｂの下端には、それぞれ３個の糸挿通孔２１ａ ，２１ｂ，２１ｃが縦一列に形成されている。ここで、その最上位位置の糸挿通 孔２１ａと糸案内杆７ａ，７ｂとの距離は５０ｍｍ程離れており、糸挿通孔２１ ａと糸挿通孔２１ｂ，糸挿通孔２１ｂと糸挿通孔２１ｃとの間の距離は１０ｍｍ 程離れている。また、最下位位置の糸挿通孔２１ｃと糸駒１３ａ，１３ｅとの距 離は３００ｍｍ程離れている。そして、糸案内部材１９ａ，１９ｂは板状でその 幅は下方へいくにしたがって狭くなるかもしくは同幅である。

【００１２】 一方、他の３つの貫通孔には縫糸Ｔを挿通してミシン頭部側に案内するための 糸案内孔を有する糸挿通体２５が挿通されて糸案内杆７ａ，７ｂに取り付けられ ている。

【００１３】 このように構成された糸立て台の糸案内装置では、２つの糸案内杆７ａ，７ｂ の自由端側の貫通孔に対応する糸立て棒１１ａ，１１ｅと受け皿９ａ，９ｅとに よって保持されている糸駒１３ａ，１３ｅに巻回された縫糸Ｔは、図２に示すよ うに、まず糸案内部材１９ａ，１９ｂ（図２では糸案内杆７ａの糸案内板１９ａ のみ示す）の３個の糸挿通孔２１ａ，２１ｂ，２１ｃにおける最下位位置の糸挿 通孔２１ｃを挿通して、中間位置の糸挿通孔２１ｂを挿通した後、最上位位置の 糸挿通孔２１ａに挿通されており、その最上位位置の糸挿通孔２１ａによりミシ ン頭部側に縫糸Ｔが案内されている。次に縫糸Ｔは支柱３の中間部に取り付けら れた中間糸案内部材２７の糸挿通孔に挿通される。その後、縫糸Ｔはミシン頭部 上の糸案内部を介してミシンの縫製部（図示せず）に導かれる。

【００１４】 また、他の３つの貫通孔に対応する糸立て棒１１ｂ，１１ｃ，１１ｄと受け皿 ９ｂ，９ｃ，９ｄとによって保持されている糸駒１３ｂ，１３ｃ，１３ｄに巻回 された縫糸Ｔは、まず糸案内杆７ａ，７ｂに固定された糸挿通体２５の糸案内孔 に挿通されてミシン頭部側に案内され、次に支柱３の中間に取り付けられた中間 糸案内部材２７の糸挿通孔に挿通される。その後、縫糸Ｔはミシン頭部上の糸案 内部を介してミシンの縫製部に導かれる。

【００１５】 このように、糸案内部材１９ａ，１９ｂに形成された３つの糸挿通孔２１ａ， ２１ｂ，２１ｃに蛇行状に縫糸Ｔを挿通することにより、縫糸Ｔに若干の抵抗が 与えられているので、縫糸Ｔを切断する糸切り装置等によって縫糸Ｔに大きな引 っ張り力が働いて糸駒１３ａ，１３ｅから一度にたくさん縫糸Ｔが引っ張り出さ れたときに、糸案内部材１９ａ，１９ｂよりもミシン頭部側で縫糸Ｔが余分に繰 り出されることがない。従って、中間糸案内部材２７及びミシン頭部上の糸案内 部に縫糸Ｔが引っかかるということはない。

【００１６】 また、縫糸Ｔに大きな引っ張り力が働いて縫糸Ｔが一度にたくさん繰り出され るときに、糸案内部材１９ａ，１９ｂよりも糸駒側では縫糸Ｔが余分に繰り出さ れるが、糸案内杆７ａ，７ｂの自由端側の貫通孔に対応する糸駒１３ａ，１３ｅ に巻回された縫糸Ｔは、糸案内杆７ａ，７ｂから５０ｍｍ程離れた下方の位置に おいて、糸案内部材１９ａ，１９ｂに形成された糸挿通孔２１ａによってミシン 頭部側に案内されているので、糸案内板１９ａ，１９ｂより糸駒側において余分 に繰り出された縫糸Ｔが糸案内杆７ａ，７ｂの先端部に引っかかるということが ない。従って、縫製作業を中断して縫糸Ｔの糸案内杆７ａ，７ｂへの引っかかり を直すという作業を行うことがなく、縫製作業がしやすい。

【００１７】 更に、糸案内板１９ａ，１９ｂの最下位位置の糸挿通孔２１ｃが糸案内板１９ ａ，１９ｂの下端部に形成されているので糸駒１３ａ，１３ｅからの縫糸Ｔが糸 案内板１９ａ，１９ｂに巻き付くといったことがない。

【００１８】 尚、本実施例では、糸案内杆７ａ，７ｂの先端から離れた位置の３つの貫通孔 に対応する３つの糸駒１３ｂ，１３ｃ，１３ｄに巻回された縫糸Ｔは、糸挿通体 ２５の糸案内孔に挿通されてミシン頭部側に案内されているが、前記３つの貫通 孔にそれぞれ糸案内部材を取り付けて、糸案内部材に形成された３つの糸挿通孔 ２１ａ，２１ｂ，２１ｃに縫糸Ｔを挿通してミシン頭部側に案内してもよい。

【００１９】 また、本実施例では、糸案内板１９ａ，１９ｂに３つの糸挿通孔２１ａ，２１ ｂ，２１ｃを設けて縫糸Ｔを案内していたが、糸挿通孔の数を変えて縫糸Ｔを案 内してもよい。

【００２０】 更に、本実施例では、糸案内板１９ａ，１９ｂの３つの糸挿通孔２１ａ，２１ ｂ，２１ｃに縫糸Ｔを挿通して、縫糸Ｔに若干の抵抗を与えていたが、縫糸Ｔに 若干の抵抗を与えるものであれば他の方法でもよい。例えば、２枚のプレートと 、その２枚のプレートにより縫糸Ｔを挟持させるバネとを設けてもよい。

【００２１】

【考案の効果】

以上説明したことから明かなように、本考案の糸立台の糸案内装置によれば、 糸案内杆よりも糸駒側において縫糸がだぶついても、縫糸のだぶついた部分が糸 案内杆の先端部に引っかかかることがないため、縫製作業を中断して、糸案内杆 の先端部に引っかかった縫糸を直す作業が必要でなく、縫製作業の効率を悪くす るといったことがない利点を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案を具体化した一実施例を示す糸立台の糸
案内装置の斜視図である。

【図２】糸立台の糸案内装置に縫糸を掛ける説明図であ
る。

【図３】従来技術の糸立台の糸案内装置の正面図であ
る。

【図４】従来技術の糸立台の糸案内装置に縫糸を掛ける
説明図である。

【符号の説明】

５ 糸巻支持台 ７ 糸案内杆 １９ａ 糸案内板 １９ｂ 糸案内板 ２１ａ 糸挿通孔 ２１ｂ 糸挿通孔 ２１ｃ 糸挿通孔

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 伊藤 常文 名古屋市瑞穂区苗代町15番１号ブラザー工 業株式会社内 (72)考案者 岩越 弘恭 名古屋市瑞穂区苗代町15番１号ブラザー工 業株式会社内 (72)考案者 上田 清志 名古屋市瑞穂区苗代町15番１号ブラザー工 業株式会社内

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ミシンテーブルに垂直に設けられた支柱
   の下方に取り付けられ、糸を巻回した糸駒を保持するた
   めの糸巻支持台と、 前記糸巻支持台と対応してその上方に設けられた糸案内
   杆と、 前記糸案内杆から下方に向かって延びるように糸案内杆
   に設けられた糸案内部と、 前記糸案内部の前記糸案内杆から相当量離れた位置にお
   いて貫通形成され、前記糸巻支持台に保持された糸駒か
   らの糸を挿通してミシン頭部側へ案内する糸案内孔とを
   備えたことを特徴とする糸立台の糸案内装置。