JPH05217820A - 半導体基板及びその作製方法 - Google Patents

半導体基板及びその作製方法

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JPH05217820A
JPH05217820A JP4038464A JP3846492A JPH05217820A JP H05217820 A JPH05217820 A JP H05217820A JP 4038464 A JP4038464 A JP 4038464A JP 3846492 A JP3846492 A JP 3846492A JP H05217820 A JPH05217820 A JP H05217820A
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清文 坂口
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 基板の反りや割れの原因となる内部応力の発
生の抑制された多孔質シリコン基板を作製する。 【構成】 単結晶シリコン基板11の両面側から陽極化
成を行う。先ず、一方の面側からHF溶液を用いて陽極
化成を行って多孔質シリコン層12を形成し、次いで他
方の面側からHF溶液を用いて陽極化成を行って多孔質
シリコン層13を形成して、基板全体を多孔質シリコン
となす。両面側からの交互の陽極化成は合計3回以上に
分けて行うこともできる。また、両面側から同時に陽極
化成を行うこともできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体基板及びその作
製方法に関し、更に詳しくは、誘電体分離に適し、絶縁
物上での単結晶半導体層の形成に適し、絶縁物上の単結
晶半導体層に集積回路あるいは電子デバイスを形成する
のに適し、更には発光素子を作製するのに適する半導体
基板の作製に関するものである。
【0002】
【従来の技術】絶縁物上の単結晶Si半導体層の形成
は、シリコン オン インシュレーター(SOI) 技術とし
て広く知られ、通常のSi集積回路を作製するバルクS
i基板を利用しては到達しえない数々の優位点をSOI
技術を利用したデバイスが有することから多くの研究が
成されてきた。すなわち、SOI技術を利用すること
で、 1.誘電体分離が容易で高集積化が可能、 2.対放射線耐性に優れている、 3.浮遊容量が低減され高速化が可能、 4.ウエル工程が省略できる、 5.ラッチアップを防止できる、 6.薄膜化による完全空乏型電界効果トランジスタが可
能、 等の優位点が得られる。
【0003】上記したようなデバイス特性上の多くの利
点を実現するために、ここ数十年に渡り、SOI構造の
形成方法について研究されてきている。この内容は、例
えば以下の文献にまとめられている。Special Issue: "
Single-crystal silicon onnon-single-crystal insula
tors"; edited by G.W.Cullen, Journal of CrystalGro
wth, volume 63, no 3, pp 429〜590 (1983)。
【0004】また、古くは単結晶サファイア基板上に、
SiをCVD(化学気相法)で、ヘテロエピタキシ−さ
せて形成するSOS(シリコン オン サファイア)が
知られており、最も成熟したSOI技術として一応の成
功を収めはしたが、Si層と下地サファイア基板界面の
格子不整合により大量の結晶欠陥、サファイア基板から
のアルミニュ−ムのSi層への混入、そして何よりも基
板の高価格と大面積化への遅れとにより、その応用の広
がりが妨げられている。比較的近年には、サファイア基
板を使用せずにSOI構造を実現しようという試みが行
なわれている。
【0005】この1つの方法として、多孔質Siの酸化
による誘電体分離によりSOI構造を形成する方法があ
る。この方法は、P型Si単結晶基板表面にN型Siを
プロトン注入(イマイ他; J. Crystal Growth, vol 63,
547(1983))もしくはエピタキシャル成長とパターニン
グとによって島状に形成し、表面よりSi島を囲む様に
HF溶液中での陽極化成法によりP型Si基板のみを多
孔質化した後、増速酸化によりN型Si島を誘電体分離
する方法である。
【0006】多孔質Siは、HF溶液中の陽極化成によ
り作製され、単結晶Siの密度2.33g/cm3 に比
べて、その密度をHF溶液濃度を50〜20%で変化さ
せることで1.1〜0.6g/cm3 に変化させること
ができる。この多孔質Si層は、透過型電子顕微鏡によ
る観察によれば、平均600オングストローム程度の径
の孔が形成されたものである。
【0007】多孔質Siは、Uhlir 等によって1956
年に半導体の電解研磨の研究過程に於て発見された(A.
Uhlir, Bell Syst.Tech.J., vol 35,p.333(1956)) 。ま
た、ウナガミ等は、陽極化成におけるSiの溶解反応を
研究し、HF溶液中のSiの陽極反応には正孔が必要で
あり、その反応は、次のようであると報告している(T.
ウナガミ: J. Electrochem.Soc., vol. 127, p.476(198
0)): Si + 2HF + (2-n)e+ → SiF2 + 2H+ + ne- SiF2 + 2HF → SiF4 + H2 SiF4 + 2HF → H2SiF6 又は、 Si + 4HF + (4-λ)e+ → SiF4 + 4H++ λe- SiF4 + 2HF → H2SiF6 ここで、e+ 及び、e- はそれぞれ、正孔と電子を表し
ている。また、n及びλは夫々シリコン1原子が溶解す
るために必要な正孔の数であり、n>2又は、λ>4な
る条件が満たされた場合に多孔質シリコンが形成される
としている。
【0008】以上のことから、正孔の存在するP型シリ
コンは、多孔質化されやすい。この多孔質化に於ける選
択性は長野ら、及び、イマイによって実証されている
(長野、中島、安野、大中、梶原; 電子通信学会技術研
究報告、vol 79,SSD 79-9549(1979)、及び、K.イマイ;S
olid-State Electronics vol 24,159 (1981))。この様
に正孔の存在するP型シリコンは多孔質化されやすく、
選択的にP型シリコンを多孔質化することができる。
【0009】一方、高濃度N型シリコンも多孔質化され
るという報告(R.P.Holmstorm, I.J.Y.Chi, Appl.Phys.
Lett. Vol.42, 386(1983) )もあり、P型,N型の別に
こだわらず多孔質化を実現できる基板を選ぶことが重要
である。
【0010】また、多孔質層はその内部に大量の空隙が
形成されている為に、密度がもとのシリコンの半分以下
に減少する。その結果、体積に比べて表面積が飛躍的に
増大するため、その化学エッチング速度は、通常の単結
晶層のエッチング速度に比べて、著しく増速される。
【0011】多孔質Si層には、透過型電子顕微鏡によ
る観察によれば、平均約600オングストロ−ム程度の
径の孔が形成されており、その密度は単結晶Siに比べ
ると半分以下になるにもかかわらず、単結晶性は維持さ
れており、多孔質層の上部へ単結晶Si層をエピタキシ
ャル成長させることも可能である。ただし、1000℃
以上では、内部の孔の再配列が起こり、増速エッチング
の特性が損なわれる。このため、Si層のエピタキシャ
ル成長には、分子線エピタキシャル成長法、プラズマC
VD、減圧CVD、光CVD等のCVD法、バイアス・
スパッタ−法、液相成長法等の低温成長が好適とされ
る。
【0012】また、最近、多孔質Siが発光するという
ことが報告されている(L.T.Canham,Appl.Phys.Lett.,5
7,1046(1990))。この理由は、多孔質SiでSiの細い
柱が数nmから数十nmの間隔で立ち並んでいることに
よる量子効果であるとされている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】上記のいずれの場合に
も、多孔質Siの厚さはせいぜい数十μmである。多孔
質Siでは、その格子定数はもとの単結晶Siに比べて
広がっていることが知られている。そのため、単結晶S
i基板の表層に多孔質Siを形成する応力によって基板
が反ってしまい、更には基板内部に歪が蓄積されること
になる。この基板の反りは、自動搬送等の基板のチャッ
クや露光工程において大きな障害になる。更に、多孔質
Siを厚くすると、その内部応力によって基板が割れて
しまうこともある。
【0014】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明によれ
ば、以上の様な課題を解決するものとして、シリコン基
板を陽極化成法により表面から裏面まで全てにわたって
多孔質シリコンに変質させて多孔質シリコン基板を作製
する方法であって、陽極化成をシリコン基板の両面側か
ら行うことを特徴とする、半導体基板の作製方法、が提
供される。
【0015】本発明においては、前記陽極化成をシリコ
ン基板の両面側から同時に行ってもよいし、シリコン基
板の表面側と裏面側とで交互に行ってもよい。また、前
記陽極化成はHF溶液中で行うことができる。
【0016】更に、本発明によれば、以上の様な課題を
解決するものとして、前記本発明方法方法により作製さ
れた半導体基板が提供される。
【0017】本発明によれば、多孔質Siのみからなる
基板を作製できるため、非多孔質単結晶Siと多孔質S
iとの接合が原因となる内部応力は発生せず、基板の反
りを抑制できる。更に、本発明では、基板の両面側から
陽極化成を行うので、作製中の内部応力発生を抑制で
き、基板の割れを防止できる。
【0018】また、定電流の陽極化成では多孔質層が厚
くなる(陽極化成距離が長くなる)につれて多孔質化速
度は遅くなるのであるが、本発明では両面側から陽極化
成するので、片面側から全厚さを陽極化成する場合に比
べて、陽極化成距離が短くてすみ、従って多孔質化速度
の低下を抑制でき、陽極化成時間を短縮できる。更に、
多孔質化速度の変化は多孔質SiのPorosityを
変化させることになり、片面側からの陽極化成ではPo
rosityが一方の面側から他方の面側へと単調増加
または単調減少の変化をするので多孔質Si基板の大き
な反りが生ずるが、本発明では両面側から陽極化成を行
うのでPorosity変化による反りの発生がかなり
抑制される。
【0019】本発明によれば、通常の半導体集積回路の
分野で使用されている直径3インチ以上のSi基板を全
て多孔質化することができる。本発明によれば、SOI
構造を作製するのに応用可能な半導体基板を作製するこ
とができる。更に、本発明によれば、安価なSi基板を
元にして発光素子を作り込むことが可能な半導体基板を
作製することができる。
【0020】以下、本発明の半導体基板の作製方法の実
施態様例を図面を参照しながら詳述する。
【0021】
【実施態様例1】図1は本発明による半導体基板の作製
方法の第1の実施態様例を示す模式的断面図である。先
ず、図1(a)に示す様なSi基板11を用意する。次
に、該基板の一方の面側から第1回目の陽極化成を行
い、図1(b)に示す様なある厚さの多孔質Si層12
を形成する。この多孔質Si層12の厚さは、元のSi
基板の厚さ以下で自由に設定できる。その後、基板の他
方の面側から第2回目の陽極化成を行い、図1(c)に
示す様な残りの厚さの多孔質Si層13を形成する。
尚、この第2回目の陽極化成の条件は第1回目と同一で
ある必要はない。以上により、図1(c)で示す様な全
厚さが多孔質Siからなる反りの殆どない基板が得られ
る。
【0022】
【実施態様例2】図2は本発明による半導体基板の作製
方法の第2の実施態様例を示す模式的断面図である。先
ず、図2(a)に示す様なSi基板21を用意する。次
に、該基板の一方の面側から第1回目の陽極化成を行
い、図2(b)に示す様なある厚さの多孔質Si層22
を形成する。次に、基板の他方の面側から第2回目の陽
極化成を行い、図2(c)に示す様なある厚さの多孔質
Si層23を形成する。次に、基板の第1回目の陽極化
成を行った面側から第3回目の陽極化成を行い、多孔質
Si層22の直下に図2(d)に示す様なある厚さの多
孔質Si層24を形成する。次に、基板の第2回目の陽
極化成を行った面側から第4回目の陽極化成を行い、多
孔質Si層23の直下に図2(e)に示す様なある厚さ
の多孔質Si層25を形成する。以上の様にして、Si
基板21が全て多孔質Siになるまで、一方の面側から
の陽極化成と他方の面側からの陽極化成とを交互に行う
ことにより、図2(f)で示す様な多孔質Si層26を
含む全厚さが多孔質Siからなる反りの殆どない基板が
得られる。尚、各多孔質Si層形成のための陽極化成の
条件はそれぞれ他の多孔質Si層形成のための陽極化成
の条件と独立に設定することができる。
【0023】
【実施態様例3】図3は本発明による半導体基板の作製
方法の第3の実施態様例を示す模式的断面図である。先
ず、図3(a)に示す様なSi基板31を用意する。次
に、該基板の両面側から同時に陽極化成を行い、図3
(b)に示す様に多孔質Si層31,32の形成を継続
し、これらの層の厚さを次第に増加させる。かくして、
図3(c)に示す様に全厚さが多孔質Si層31,32
からなる反りの殆どない基板が得られる。尚、一方の面
側からの陽極化成の条件と他方の面側からの陽極化成の
条件とは同一である必要はない。
【0024】
【実施例】以下、具体的実施例によって、本発明を説明
する。
【0025】(実施例1)300ミクロン厚で直径4イ
ンチのP型(100)単結晶Si基板をHF溶液中で陽
極化成処理した。
【0026】先ず、基板の表面側に第1回目の陽極化成
処理を行い多孔質Si層を形成した。第1回目の陽極化
成処理の条件は次のとおりであった: 電流密度 : 30 (mA・cm-2 ) 陽極化成溶液 : HF:H2O:C2H5OH=1:1:1 時間 : 1. 6 (時間) 多孔質Si層の厚み: 200(μm)。
【0027】次に、基板の裏面側に第2回目の陽極化成
処理を行い多孔質Si層を形成した。第2回目の陽極化
成処理の条件は次のとおりであった: 電流密度 : 30 (mA・cm-2 ) 陽極化成溶液 : HF:H2O:C2H5OH=1:1:1 時間 : 0. 8 (時間) 多孔質Si層の厚み: 100(μm)。
【0028】以上の様にして、Si基板の全体が多孔質
Siになり、反りのない多孔質Si基板が得られた。透
過型電子顕微鏡写真による断面観察の結果、多孔質Si
基板には新たな結晶欠陥は導入されておらず、良好な単
結晶性が維持されていることが確認された。
【0029】尚、上記第1回目の陽極化成処理と第2回
目の陽極化成処理とを逆の順序で行ったところ、同様の
結果が得られた。
【0030】(実施例2)400ミクロン厚で直径4イ
ンチのP型(100)単結晶Si基板をHF溶液中で陽
極化成処理した。
【0031】先ず、基板の裏面側に第1回目の陽極化成
処理を行い多孔質Si層を形成した。第1回目の陽極化
成処理の条件は次のとおりであった: 電流密度 : 30 (mA・cm-2 ) 陽極化成溶液 : HF:H2O:C2H5OH=1:1:1 時間 : 1. 6 (時間) 多孔質Si層の厚み: 200(μm)。
【0032】次に、基板の表面側に第2回目の陽極化成
処理を行い多孔質Si層を形成した。第2回目の陽極化
成処理の条件は次のとおりであった: 電流密度 : 7 (mA・cm-2 ) 陽極化成溶液 : HF:H2O:C2H5OH=1:1:1 時間 : 4. 5 (時間) 多孔質Si層の厚み: 200(μm)。
【0033】以上の様にして、Si基板の全体が多孔質
Siになり、反りのない多孔質Si基板が得られた。透
過型電子顕微鏡写真による断面観察の結果、多孔質Si
基板には新たな結晶欠陥は導入されておらず、良好な単
結晶性が維持されていることが確認された。
【0034】尚、上記第1回目の陽極化成処理と第2回
目の陽極化成処理とを逆の順序で行ったところ、同様の
結果が得られた。
【0035】(実施例3)625ミクロン厚で直径5イ
ンチのP型(100)単結晶Si基板をHF溶液中で陽
極化成処理した。
【0036】先ず、基板の裏面側に第1回目の陽極化成
処理を行い多孔質Si層を形成した。第1回目の陽極化
成処理の条件は次のとおりであった: 電流密度 : 10 (mA・cm-2 ) 陽極化成溶液 : HF:H2O:C2H5OH=1:1:1 時間 : 5. 5 (時間) 多孔質Si層の厚み: 312.5(μm)。
【0037】次に、基板の表面側に第2回目の陽極化成
処理を行い多孔質Si層を形成した。第2回目の陽極化
成処理の条件は第1回目と同一であった。
【0038】以上の様にして、Si基板の全体が多孔質
Siになり、反りのない多孔質Si基板が得られた。透
過型電子顕微鏡写真による断面観察の結果、多孔質Si
基板には新たな結晶欠陥は導入されておらず、良好な単
結晶性が維持されていることが確認された。
【0039】尚、上記第1回目の陽極化成処理と第2回
目の陽極化成処理とを逆の順序で行ったところ、同様の
結果が得られた。
【0040】(実施例4)625ミクロン厚で直径6イ
ンチのP型(100)単結晶Si基板をHF溶液中で陽
極化成処理した。
【0041】先ず、基板の裏面側に第1回目の陽極化成
処理を行い多孔質Si層を形成した。第1回目の陽極化
成処理の条件は次のとおりであった: 電流密度 : 15 (mA・cm-2 ) 陽極化成溶液 : HF:H2O:C2H5OH=1:1:1 時間 : 1. 3 (時間) 多孔質Si層の厚み: 106(μm)。
【0042】次に、基板の表面側に第2回目の陽極化成
処理を行い多孔質Si層を形成した。第2回目の陽極化
成処理の条件は第1回目と同一であった。
【0043】次に、基板の裏面側に第3回目の陽極化成
処理を行い多孔質Si層を形成した。第3回目の陽極化
成処理の条件は次のとおりであった: 電流密度 : 15 (mA・cm-2 ) 陽極化成溶液 : HF:H2O:C2H5OH=1:1:1 時間 : 1. 3 (時間) 多孔質Si層の厚み: 104(μm)。
【0044】次に、基板の表面側に第4回目の陽極化成
処理を行い多孔質Si層を形成した。第4回目の陽極化
成処理の条件は第3回目と同一であった。
【0045】次に、基板の裏面側に第5回目の陽極化成
処理を行い多孔質Si層を形成した。第5回目の陽極化
成処理の条件は次のとおりであった: 電流密度 : 15 (mA・cm-2 ) 陽極化成溶液 : HF:H2O:C2H5OH=1:1:1 時間 : 1. 3 (時間) 多孔質Si層の厚み: 102.5(μm)。
【0046】次に、基板の表面側に第6回目の陽極化成
処理を行い多孔質Si層を形成した。第6回目の陽極化
成処理の条件は第5回目と同一であった。
【0047】以上の様にして、Si基板の全体が多孔質
Siになり、反りのない多孔質Si基板が得られた。透
過型電子顕微鏡写真による断面観察の結果、多孔質Si
基板には新たな結晶欠陥は導入されておらず、良好な単
結晶性が維持されていることが確認された。
【0048】(実施例5)300ミクロン厚で直径4イ
ンチのP型(100)単結晶Si基板をHF溶液中で陽
極化成処理した。
【0049】先ず、基板の表面側に第1回目の陽極化成
処理を行い多孔質Si層を形成した。第1回目の陽極化
成処理の条件は次のとおりであった: 電流密度 : 5 (mA・cm-2 ) 陽極化成溶液 : HF:H2O:C2H5OH=1:1:1 時間 : 35 (分) 多孔質Si層の厚み: 31(μm)。
【0050】次に、基板の裏面側に第2回目の陽極化成
処理を行い多孔質Si層を形成した。第2回目の陽極化
成処理の条件は次のとおりであった: 電流密度 : 10 (mA・cm-2 ) 陽極化成溶液 : HF:H2O:C2H5OH=1:1:1 時間 : 0.8 (時間) 多孔質Si層の厚み: 51(μm)。
【0051】次に、基板の表面側に第3回目の陽極化成
処理を行い多孔質Si層を形成した。第3回目の陽極化
成処理の条件は次のとおりであった: 電流密度 : 30 (mA・cm-2 ) 陽極化成溶液 : HF:H2O:C2H5OH=1:1:1 時間 : 30 (分) 多孔質Si層の厚み: 70(μm)。
【0052】次に、基板の裏面側に第4回目の陽極化成
処理を行い多孔質Si層を形成した。第4回目の陽極化
成処理の条件は次のとおりであった: 電流密度 : 7 (mA・cm-2 ) 陽極化成溶液 : HF:H2O:C2H5OH=1:1:1 時間 : 2. 1 (時間) 多孔質Si層の厚み: 100(μm)。
【0053】次に、基板の表面側に第5回目の陽極化成
処理を行い多孔質Si層を形成した。第5回目の陽極化
成処理の条件は次のとおりであった: 電流密度 : 10 (mA・cm-2 ) 陽極化成溶液 : HF:H2O:C2H5OH=1:1:1 時間 : 0.8 (時間) 多孔質Si層の厚み: 48(μm)。
【0054】以上の様にして、Si基板の全体が多孔質
Siになり、反りのない多孔質Si基板が得られた。透
過型電子顕微鏡写真による断面観察の結果、多孔質Si
基板には新たな結晶欠陥は導入されておらず、良好な単
結晶性が維持されていることが確認された。
【0055】(実施例6)400ミクロン厚で直径4イ
ンチのP型(100)単結晶Si基板をHF溶液中で陽
極化成処理した。
【0056】奇数回目の陽極化成処理を基板の表面側に
行い、偶数回目の陽極化成処理を基板の裏面側に行い、
多孔質Si層を順次形成した。表面側を陽極化成処理す
るときの電流を+(プラス)とし裏面側を陽極化成処理
するときの電流を−(マイナス)として表示すると、陽
極化成処理の際の電流のタイムチャートは図4に示す通
りとした。また、他の陽極化成処理の条件は次のとおり
であった: 電流密度 : 7 (mA・cm-2 ) 陽極化成溶液 : HF:H2O:C2H5OH=1:1:1 。
【0057】以上の様にして、53回の陽極化成処理を
したところ、Si基板の全体が多孔質Siになり、反り
のない多孔質Si基板が得られた。透過型電子顕微鏡写
真(参考資料参照)による断面観察の結果、多孔質Si
基板には新たな結晶欠陥は導入されておらず、良好な単
結晶性が維持されていることが確認された。
【0058】(実施例7)625ミクロン厚で直径6イ
ンチのP型(100)単結晶Si基板をHF溶液中で陽
極化成処理した。
【0059】基板の両面に対し同時に陽極化成処理を行
い表面側及び裏面側にそれぞれ多孔質Si層を形成し
た。表面側及び裏面側とも陽極化成処理の条件は次のと
おりであった: 電流密度 : 10 (mA・cm-2 ) 陽極化成溶液 : HF:H2O:C2H5OH=1:1:1 時間 : 5. 5 (時間) 多孔質Si層の厚み: 312.5(μm)。
【0060】以上の様にして、Si基板の全体が多孔質
Siになり、反りのない多孔質Si基板が得られた。透
過型電子顕微鏡写真による断面観察の結果、多孔質Si
基板には新たな結晶欠陥は導入されておらず、良好な単
結晶性が維持されていることが確認された。
【0061】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明によれば、上
記した様な課題を解決する半導体基板及びその作製方法
が提供される。
【0062】本発明によれば、絶縁物上に単結晶半導体
層を形成するのに適する半導体基板の作製方法、更には
絶縁物上の単結晶半導体層に集積回路あるいは電子デバ
イスを形成するのに適する半導体基板の作製方法が提供
される。
【0063】本発明によれば、多孔質Siのみからなる
基板を作製できるため、非多孔質単結晶Siと多孔質S
iとの接合が原因となる内部歪は発生せず、大面積基板
の場合に特に問題となる基板の反りを抑制できる。更
に、基板の両面側から陽極化成を行うので、作製中の内
部応力発生を抑制でき、基板の割れを防止できる。
【0064】また、定電流の陽極化成では多孔質層が厚
くなる(陽極化成距離が長くなる)につれて多孔質化速
度は遅くなるのであるが、本発明では両面側から陽極化
成するので、片面側から全厚さを陽極化成する場合に比
べて、陽極化成距離が短くてすみ、従って多孔質化速度
の低下を抑制でき、陽極化成時間を短縮できる。更に、
多孔質化速度の変化は多孔質SiのPorosityを
変化させることになり、片面側からの陽極化成ではPo
rosityが一方の面側から他方の面側へと単調増加
または単調減少の変化をするので多孔質Si基板の大き
な反りが生ずるが、本発明では両面側から陽極化成を行
うのでPorosity変化による反りの発生がかなり
抑制される。
【0065】本発明によれば、SOI構造を作製するの
に応用可能な半導体基板を作製することができる。更
に、本発明によれば、安価なSi基板を元にして発光素
子を作り込むことが可能な半導体基板を作製することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による半導体基板の作製方法の第1の実
施態様例を示す模式的断面図である。
【図2】本発明による半導体基板の作製方法の第2の実
施態様例を示す模式的断面図である。
【図3】本発明による半導体基板の作製方法の第3の実
施態様例を示す模式的断面図である。
【図4】陽極化成処理の際の電流のタイムチャートであ
る。
【符号の説明】
11,21,31 Si基板 12,13,22〜26,32,33 多孔質Si層

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリコン基板を陽極化成法により表面か
    ら裏面まで全てにわたって多孔質シリコンに変質させて
    多孔質シリコン基板を作製する方法であって、陽極化成
    をシリコン基板の両面側から行うことを特徴とする、半
    導体基板の作製方法。
  2. 【請求項2】 前記陽極化成をシリコン基板の両面側か
    ら同時に行う、請求項1に記載の半導体基板の作製方
    法。
  3. 【請求項3】 前記陽極化成をシリコン基板の表面側と
    裏面側とで交互に行う、請求項1に記載の半導体基板の
    作製方法。
  4. 【請求項4】 前記陽極化成をHF溶液中で行う、請求
    項1に記載の半導体基板の作製方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜請求項4のいずれかに記載の
    方法により作製された半導体基板。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6255731B1 (en) 1997-07-30 2001-07-03 Canon Kabushiki Kaisha SOI bonding structure
US6258244B1 (en) 1997-05-14 2001-07-10 Canon Kabushiki Kaisha Treating method and apparatus utilizing chemical reaction
KR100839376B1 (ko) * 2007-01-08 2008-06-19 연세대학교 산학협력단 다공성 실리콘 및 이의 제조방법

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