JPH0521774A - 受光素子 - Google Patents

受光素子

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JPH0521774A
JPH0521774A JP3172479A JP17247991A JPH0521774A JP H0521774 A JPH0521774 A JP H0521774A JP 3172479 A JP3172479 A JP 3172479A JP 17247991 A JP17247991 A JP 17247991A JP H0521774 A JPH0521774 A JP H0521774A
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JP
Japan
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light
reading
receiving element
electric field
light receiving
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JP3172479A
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English (en)
Inventor
Hiroya Shimizu
浩也 清水
Tatsuya Nagata
達也 永田
Michihiro Watanabe
道弘 渡邊
Hirosuke Kurihara
啓輔 栗原
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ファクシミリ等の読み取りセンサに適用され
る受光素子を、高S/N比に形成可能とする。 【構成】 透光性基板101の一方の面に基準素子1と
読み取り素子2とを配設し、透光性基板101の他方の
面を光源11に対向させ、基準素子1及び読み取り素子
2の一方又は両方の素子1、2の内部に電場制御電極1
02、103を設ける。 【効果】 光源のばらつきによるシェーディングを補正
でき、高出力、高S/N比の受光素子を安価に提供でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ファクシミリ等の原稿
読み取りに用いられる読み取りセンサの受光素子に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来の受光素子においては、特開昭60
−244062号公報記載のように、読み取り用の光を
受光する第1の光導電体と、光を受光しない第2の光導
電体とをそれぞれ形成し、両者間を接続して直列に電圧
を印加した時の各光導電体の接続点における電位を出力
電圧として外部に取り出していた。
【0003】また、他の従来の受光素子は、日経エレク
トロニクス、434(1987年)、第207頁〜第2
21頁に記載のように、光導電素子を形成した透明基板
に原稿を密着させ、透明基板の光導電素子を形成した面
の反対側に配置した光源によって、透明基板を通して原
稿を照明し、その反射光のみを光導電素子に取り込んで
光電変換を行なっていた。
【0004】例えばファクシミリのG3規格の原稿読み
取りでは、読み取り素子2は1mm当り8個の割合でライ
ン状に配置されており、A4判の原稿では素子数は約1
728個、B4判の原稿では2048個の読み取り素子
が並んでいる。読み取り幅ではそれぞれ216mm、25
6mmであり、原稿を原寸大で読み取るいわゆる密着型読
み取りセンサでは、センサ自体の寸法も原稿サイズと同
じ長さが必要であり、また、光源も原稿サイズをすべて
照明する必要がある。しかしながら光源として利用され
ている蛍光燈は中央と端では照度が異なり、また、発光
ダイオードを多数個並べた光源では、個々の発光ダイオ
ードのばらつきにより照度むらを生じていた。
【0005】原稿からの反射光の強度は原稿面の照度に
比例するため、光源が原稿を照らす照度むらはそのまま
読み取りセンサの出力むらとなり、シェーディングと呼
ばれている。このシェーディングのある読み取りセンサ
の出力を一定の基準で白黒2値化を行うと、原稿の実際
の反射濃度からずれたものとなり画像の劣化を引き起こ
すため好ましくない。
【0006】一般には、均一な白い原稿を読み取った時
のシェーディングを予めメモリに蓄え、実際に原稿を読
み取るときには、記憶したシェーディングの値を参照し
て、あたかもシェーディングがないように補正を行って
いる。しかしながら、このような補正は、補正回路のA
/D変換の精度や入力電圧振幅の制限から、実際、工業
的には大幅なシェーディングの補正は難しい。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来の受光素子にあっ
ては、原稿を照明する光源の照度のばらつきについて配
慮されておらず、光源の照度のばらつきが直接、出力信
号のばらつきとなる問題点があった。
【0008】また、白原稿読み取り時と黒原稿読み取り
時の出力信号の差が小さく、S/N比が低いという問題
点があった。
【0009】本発明の目的は、光源の照度のばらつきに
よる出力信号のばらつきを低減した受光素子を安価に提
供することにある。
【0010】本発明の他の目的は、高感度でかつ高S/
N比の受光素子を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め、本発明に係る受光素子は、透光性基板の一方の面に
複数の光電変換素子を配設し、透光性基板の他方の面を
光源に対向させた受光素子において、光電変換素子を、
光源から透光性基板を経由して入射した直接光を光電変
換する基準素子と、直接光の原稿から反射した反射光を
光電変換する読み取り素子とにより形成し、読み取り素
子及び基準素子の少なくともいずれか一方の素子の内部
に電場制御電極を設けた構成とする。
【0012】そして電場制御電極は、透光性材料で形成
されている構成である。
【0013】また電場制御電極に、所定の電圧を印加可
能とする構成でもよい。
【0014】さらに基準素子と読み取り素子とは、電気
的に直列に接続され、供給電圧を分圧して読み取り信号
を出力させる構成とする。
【0015】そして基準素子と読み取り素子とは、同一
工程で形成される構成でもよい。
【0016】また基準素子と読み取り素子とは、γ特性
を同一に形成される構成でもよい。
【0017】さらに基準素子と読み取り素子とは、電圧
電流特性を非線形に形成される構成でもよい。
【0018】そして電場制御電極は、同一工程で形成さ
れる構成でもよい。
【0019】また電場制御電極により形成される電場
は、基準素子と読み取り素子とに流れる光電流に対しほ
ぼ直角方向である構成とする。
【0020】さらに請求項1記載の受光素子を備えた読
み取りセンサにおいては、受光素子を形成する透光性基
板の他方の面に対向して設けられた光源と、前記受光素
子を駆動する駆動回路とよりなる構成とする。
【0021】
【作用】本発明によれば、原稿を照明する直接光を光電
変換する基準素子は、光源の輝度にほぼ比例した出力を
出し、また原稿からの反射光を光電変換する読み取り素
子は原稿面の照度にほぼ比例し、かつ原稿面の反射率に
はほぼ比例した出力を出す。そのため、読み取り素子の
出力は、本来読み出したい原稿面の反射率に対応する出
力に光源の照度ばらつきによるノイズ成分が混じったも
のとなる。基準素子の出力は光源の輝度にほぼ比例する
が、光源の輝度と原稿面の照度はほぼ比例するため、こ
の基準素子の出力を用いて、読み取り素子の出力を補正
することにより、原稿の反射率に対応する出力のみを取
り出すことができる。
【0022】読み取り素子と基準素子とを電気的に直列
に接続し、供給電圧を分圧して読み取り出力とすると、
出力電圧は両素子の抵抗の比により分圧される。読み取
り素子及び基準素子の抵抗は、それぞれの電気伝導率に
反比例し、電気伝導率は素子へ入射する光の強度にほぼ
比例するため、分圧出力は読み取り素子と基準素子へ入
射する光の強度の比に反比例することになる。出力電圧
が読み取り素子と基準素子との電気伝導率の比によって
定まるため光源のばらつきによる出力のばらつきがなく
なる。
【0023】読み取り素子と基準素子とは、光の入射方
向が異るが、両者とも光電変換を行う半導体膜であり、
同一の工程で作成することにより、素子間のばらつきを
低減し、製造工程も少なくなる。
【0024】基準素子と読み取り素子の任意の一方、又
は両方の素子内部に設けた電場制御電極は、受光素子の
γ特性、つまり、光照射量に対する光電流の変化の度合
いが、光電流の流れる方向と垂直方向に印加された電場
により変化する性質を利用し、基準素子と読み取り素子
内部の垂直方向の電場をそろえることにより、γ特性が
そろえられ、光源の照度のばらつきが吸収されてノイズ
成分のない出力が得られる。
【0025】さらに、電場制御電極を設けた受光素子
は、逆スタガ型の薄膜トランジスタとほぼ同じ構成であ
り、これを飽和領域で使用することにより、受光素子の
電流電圧特性の微分抵抗は、電場制御電極のない受光素
子に比べ、光照射状態でも非常に大きいものになる。こ
のような、微分抵抗の大きい受光素子により、基準素子
と読み取り素子とを構成することにより、読み取り素子
への入射光量に対する感度が非常に大きくなり、したが
って、白原稿読み取り時と黒原稿読み取り時の出力電圧
の差も大きくなる。
【0026】
【実施例】本発明の一実施例を図1を参照しながら説明
する。
【0027】図1に示すように、受光素子基板(受光素
子)100は、透光性基板101の一方の面に複数の光
電変換素子を配設し、透光性基板101の他方の面を光
源11に対向させ、光電変換素子を、光源11から透光
性基板101を経由して入射した直接光12を光電変換
する基準素子1と、直接光13が図示しない原稿に入射
して反射した反射光14を光電変換する読み取り素子2
とにより形成し、読み取り素子2及び基準素子1のいず
れか一方又は両方の素子1,2の内部に電場制御電極1
02,103を設けた構成である。
【0028】原稿からの反射光14は、原稿表面の反射
濃度(文字のある、なし等)に対応した強度を有し、透
性性基板101に形成した電場制御電極102に入射し
光電変換される。
【0029】受光素子基板100は、透光性基板101
上に遮光膜(電場制御電極)102、電場制御電極10
3、絶縁膜104、光電変換膜105、オーミックコン
タクト層106、電極107、保護膜108、遮光膜1
09及び遮光層110を形成し、所定の形状にIC等の
パターン形成と同様なホトリソグラフィー技術を用いて
所定のパターンに形成している。こうして、基準素子1
及び読み取り基板2を形成している。
【0030】遮光膜(電場制御電極)は、基準素子、読
み取り素子の活性層であるアモルファスシリコン内に、
入射光により誘起された光電流の流れる方向とほぼ垂直
な方向の電場を印加したり、あるいは、透光性基板の下
方にある光源の直接光が素子内に入射しないように遮光
する働きがある。そのため、基準素子、読み取り素子内
の遮光膜(電場制御電極)の位置関係は、透光性基板上
に遮光膜(電場制御電極)が位置し、絶縁膜を介してア
モルファスシリコン層があり、その上にオーミックコン
タクト層であるn型アモルファスシリコン層と上部電極
と上部電極間のギャップが位置することになる。
【0031】この際、読み取り素子においては、透光性
基板の下方にある光源の直接光が素子内部に入射しては
ならないため、遮光膜(電場制御電極)の面積は、少な
くとも上部電極間のギャップ部分の面積より大きく、か
つギャップ部分を覆う形状でなければならない。あるい
は、基準素子部の活性層であるアモルファスシリコンの
形成面積と同じかそれよりも大きく、かつギャップ部分
を覆う形状でもよい。
【0032】一方、基準素子においては、透光性基板の
下方にある光源の直接光が素子内部に入射する必要があ
るため、遮光膜(電場制御電極)は、例えば櫛歯状の形
状とし、光源からの直接光が素子内部に入射できるよう
にしなければならない。電場制御電極としての能力を確
保するためには、櫛歯とその隙間の比率を適切に設定す
ればよい。
【0033】図2は、図1に示した一実施例の平面形状
を示す。図2では形状が判り易いように、遮光膜109
等を省略してある。基準素子1及び読み取り素子2は光
導電型の光電変換素子を用いており、読み取り素子2
は、電場制御電極102により、光源11の光を直接受
光しないように形成されており、光源11が原稿を照ら
した反射光14を受光し、光電変換する。また、この
時、基準素子1の上には遮光膜109を形成してあり、
原稿からの反射光14は入射しない。一方、基準素子1
の下の電場制御電極103は、櫛歯状に形成されてお
り、光源11からの直接光12は、遮られることなく基
準素子1に入射する。この電場制御電極103は、直接
光12の基準素子1間への入射を妨げなければ図2に示
す形状と異っていてもよい。また、電場制御電極103
を透光性の導電材料、例えばITO (Indium Tin
Oxide 酸化スズを添加した酸化インジウム)等で形成
することにより、これを櫛歯状にパターニングする必要
はなくなる。
【0034】図3に示す回路図のように、基準素子1と
読み取り素子2とを電気的に直列に接続すると、基準素
子1の光電変換出力は光源11の放射強度にほぼ比例
し、読み取り素子2の光電変換出力は原稿面の照度と反
射率にほぼ比例するため、受光素子全体としては、光源
の放射強度のむらに依存しない。原稿の反射率つまり原
稿の濃度のみに依存した出力を取り出すことができる。
本実施例では、一定印加電圧VssとVddとを基準素子1
と読み取り素子2で分圧し、両者の接続点Aに読み取り
信号が電圧Vsigとして出てくる構成となっている。さ
らに、読み出し静電容量2aは、読み取り素子2と並列
に形成してあり、接続点Aの電圧Vsigと読み出し静電
容量2aの静電容量Cに比例した信号電荷Q=C×(V
sig−Vss)を蓄える。この信号電荷は、一定の読み取
り周期ごとに読み出しスイッチ3を導通状態として、信
号線SIGから読み出される。なお、この読み出しスイ
ッチ3は受光素子基板の外部に設けたICにより構成し
てもよいし、受光素子基板100上に、本発明の受光素
子と同時に薄膜トランジスタとして形成したものを用い
てもよい。特に、本発明の受光素子の基本構造は薄膜ト
ランジスタと同一であるため、受光素子の構造を全く変
更することなく、薄膜トランジスタを同一のプロセスで
製造できることに加え、読み出しスイッチを薄膜トラン
ジスタにより構成すると、外部のICの数を低減でき、
コストの低減、基板サイズの縮小が可能となる。図4に
本発明を適用する他の実施例として薄膜トランジスタの
断面図を示す。なお、符号401はゲート電極を示す。
【0035】次に、電場制御電極の役割について説明す
る。基準素子と読み取り素子とを電気的に直列に接続し
た場合、接続点Aの電圧Vsigは、基準素子1と読み取
り素子2の抵抗値をそれぞれR1及びR2とすると、
(1)式で表わされる。
【0036】
【数1】 Vsig=(Vdd−Vss)×1/(1+R1/R2) ……(1) 基準素子1と読み取り素子2の抵抗値R1とR2とは、そ
れぞれ基準素子1と読み取り素子2の電気伝導率σ1
σ2とに反比例するため、信号電圧Vsigは、(2)式で
表わされる。
【0037】
【数2】 Vsig=(Vdd−Vss)/(1+B・σ2/σ1) ……(2) ここではBは各素子1,2のレイアウト、サイズ、光源
及び各素子1,2の配置により変わる設計可能な値であ
る。次に、基準素子1の電気伝導率σ1は光源11の放
射強度に依存し、読み取り素子2の電気伝導率σ2は光
源11の放射強度と原稿の反射率rに依存する。そのた
め、基準素子1と読み取り素子2の電気伝導率σ1とσ2
の、光源11の放射強度への依存性が同一であれば、σ
2/σ1は、光源11の放射強度への依存性がなくなり、
原稿の反射率rにのみ依存する量となる。従って信号電
圧Vsigは、(3)式で表わされる。
【0038】
【数3】 (Vdd−Vss)/(1+B・f(r)) ……(3) すなわち、光源のばらつきに依存せず、原稿の反射率
(濃度)によってのみ変化する出力が得られる。ここで
f(r)は、原稿の反射率rのみに依存する関数であ
る。図5は、ここで説明している受光素子の動作特性を
示す。受光素子としては、白原稿時と黒原稿時の電圧の
差、つまり出力電圧が大きい程、ノイズ等の外乱に強
く、他階調読み取りを行なうことも容易となる。この十
分な出力電圧(例えば1V以上)を得るために、本発明
においては、基準素子1と読み取り素子2の内部にそれ
ぞれ電場制御電極103、102を設けている。これら
の電場制御電極の存在により、本発明の受光素子中の基
準素子1と読み取り素子2とは、電界効果型トランジス
タと同じ動作をすることになり、電流の飽和領域で使用
した場合、電流電圧が非線形となり、非常に大きい微分
抵抗値を持ち、その結果、図6に示すように、電場制御
電極のない場合に比べ、大きな出力電圧を得ることがで
きる。図1及び図2に示す実施例においては、電場制御
電極103、102は、それぞれの電極電位を、Vc1
Vc2等の任意の値に設定できるようになっているが、実
際には、正の高い電位、VddをVssより高電位とした場
合には、Vc1については、Vsig+10ボルト、Vc2
ついては、Vss+10ボルト程度以上、VssをVddより
高電位とした場合には、Vc1についてはVdd+10ボル
ト、Vc2についてはVsig+10ボルト程度以上の値と
すると、トランジスタとしてONの状態となり、それぞ
れの素子の光感度が小さくなってしまうため、それ以下
の電圧で使用することが望ましい。
【0039】電場制御電極103、102には、さら
に、光源のばらつきによるシェーディングの補正をより
完全にする効果もある。比較のために、本発明の一実施
例を示す図1において、電場制御電極103のみが存在
しない図7に示す構成も考えられるが、このような素子
構成では光電変換膜105内の、基板に垂直な方向の電
場の状態が、基準素子1と読み取り素子2とで異なる。
読み取り素子2の近傍にある遮光膜を兼ねている電場制
御電極102の仕事関数と光電変換膜105の仕事関数
との差により、読み取り素子2内部の光電変換膜105
には、Vc2をアース電位にしたとしても基板に垂直方向
の内部電場が誘起されるが、一方、基準素子1内にはそ
れが生じない。そのため、図8に示すように、基準素子
1と読み取り素子2とで入射フォトン数に対する電気伝
導率の変化の仕方が異なることになる。一般に使用され
ている表現では、この変化のしかたを、γ特性とよび、
この表現を使えば、基準素子1と読み取り素子2とで、
γ特性が異なることとなる。この場合、もし光源のばら
つきにより、基準素子1への入射フォトン数がδ%変動
したとすれば、読み取り素子2への入射フォトン数もδ
%変動するが、それによる基準素子と読み取り素子の電
気伝導率の変化の割合が異なるため、光源ばらつきによ
るシェーディングの補正が完全には行われないことにな
る。一方、電場制御電極102及び103が存在する受
光素子では、電場制御電極102及び103への印加電
圧Vc1及びVc2を、VddをVssより高電位とする場合に
は、Vc1-VsigとVc2−Vssを等しく、VssをVddより
高電位とする場合には、Vc1−VddとVc2−Vsigを等
しく設定すれば、基準素子1と読み取り素子2の内部に
誘起される基板に垂直方向の電場は多方とも等しくな
り、これらの素子のγ特性も等しくなる結果、光源のば
らつきによるシェーディングの補正効果を完全に行うこ
とができる。
【0040】図9は、本発明の電場制御電極を備えた受
光素子の、光源のばらつきによるシェディングの補正効
果と、出力信号の大きさを示す特性図である。電場制御
電極の存在により、素子の微分抵抗値が大きくなり、出
力電圧を大きくでき、S/N比を向上させる効果があ
る。さらに、電場制御電極により、基準素子と読み取り
素子内の基板に垂直な方向の内部電場の状態をそろえる
ことができ、光源のばらつきによるシェーディングを完
全に補正し、シェーディングのない読み取り信号が得ら
れるという効果がある。
【0041】また、本実施例では読み取り素子と基準素
子とは同一の光電変換膜で、同一の工程で作成してい
る。まず、透光性基板上に電場制御電極を形成し、その
上に絶縁膜を形成する。続いて、活性層であるアモルフ
ァスシリコン層を形成し、オーミックコンタクトのため
のn型アモルファスシリコン層を形成する。次に上部電
極を形成して、全体を透光性保護層兼絶縁層で覆った
後、遮光層を形成する。必要なら、さらに全体を透光性
保護層で覆ってもよい。
【0042】そのため、読み取り素子と基準素子の2つ
の光電変換素子を設けても工程が増えることはない。膜
及び工程が同一のため、材料ばらつきやパターン精度の
ばらつきを共通に受けるため、基準素子と読み取り素子
との抵抗の比により読み出しを行っている本実施例では
素子ばらつきを小さくできる効果がある。
【0043】また、本実施例では、読み取り素子1個に
対し、基準素子1個を設けているが、シェーディングが
なだらかな場合には、読み取り素子複数個に対し、基準
素子1個を設ける構成としてもよい。光源ばらつきによ
るシェーディングを補正するためには実施例にあるよう
に読み取り素子と基準素子の光電変換出力の比を取る必
要がある。光電変換出力としては電圧、電流、電荷があ
るが、素子に入射する光量に依存する出力であればいず
れでもよい。さらに、本実施例では基準素子と読み取り
素子とは光導電型の光電変換素子であるが、積層型フォ
トダイオードを光電変換素子に用いても同様な効果が得
られる。なお、基準素子と読み取り素子はどちらがアー
ス側でもよい。
【0044】図10は、本発明の他の実施例として受光
素子よりなる読み取りセンサを実装したファクシミリの
断面図である。図10に読み取りセンサ300、プラテ
ンローラ304、305、感熱記録ヘッド301及び感
熱紙302を示してあるが、他の回路、電源及び光源を
省略してある。原稿を挿入口303より矢印方向に原稿
面を下面にして挿入すると、原稿はプラテンローラ30
5により読み取りセンサ300に押し付けられ、前記の
ように読み取りが行われる。また感熱ヘッド301は感
熱紙302をプラテンローラ304により発熱素子に押
し付けて所定の記録面を得る。このようにファクシミリ
は、読み取りセンサ300及びプロテンローラ305に
より形成される読み取り系と、感熱ヘッド301、プラ
テンローラ304及び感熱紙302により形成される記
録系との配置によりデザインが制約されるが、本発明の
受光素子を用いることにより、図10に示すようなコン
パクトな設計が可能となり、設計の自由度が増加する効
果がある。
【0045】本実施例は本発明の受光素子をファクシミ
リに搭載した例であるがパーソナルコンピュータ、ワー
ドプロセッサ及びメモ電話等のイメージリーダ部分や光
学文字読み取り装置(OCR)、光学マーク読み取り装
置(OMR)、紙幣読み取り装置に本発明の受光素子を
用いても同一効果が得られることはいうまでもない。
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、光源ばらつきによる読
み取り信号のばらつきを低減することができ、かつ出力
電圧の大きい、つまり高S/N比の受光素子を提供する
ことができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す縦断面図である。
【図2】本発明の一実施例を示す平面図である。
【図3】本発明の一実施例の回路を示す図である。
【図4】本発明を適用する薄膜トランジスタの一実施例
を示す縦断面図である。
【図5】本発明の一実施例における出力電圧特性を示す
グラフである。
【図6】本発明の電場制御電極を設けた一実施例におけ
る出力電圧特性を示グラフである。
【図7】本発明の他の実施例を示す縦断面図である。
【図8】本発明の電場制御電極が素子のγ特性に及ぼす
影響を示すグラフである。
【図9】本発明の電場制御電極がシェーディング補正効
果に及ぼす影響を示すグラフである。
【図10】本発明を適用するファクシミリの一実施例を
示す構成図である。
【符号の説明】
1 基準素子 2 読み取り素子 2a 読み出し容量 3 転送スイッチ 102 電場制御電極 103 電場制御電極 401 ゲート電極。
フロントページの続き (72)発明者 栗原 啓輔 神奈川県横浜市戸塚区戸塚町216番地 株 式会社日立製作所戸塚工場内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透光性基板の一方の面に複数の光電変換
    素子を配設し、前記透光性基板の他方の面を光源に対向
    させた受光素子において、前記光電変換素子を、前記光
    源から前記透光性基板を経由して入射した直接光を光電
    変換する基準素子と、該直接光の原稿から反射した反射
    光を光電変換する読み取り素子とにより形成し、該読み
    取り素子及び前記基準素子の少なくともいずれか一方の
    素子の内部に電場制御電極を設けたことを特徴とする受
    光素子。
  2. 【請求項2】 電場制御電極は、透光性材料で形成され
    ていることを特徴とする請求項1記載の受光素子。
  3. 【請求項3】 電場制御電極に、所定の電圧を印加可能
    とすることを特徴とする請求項1記載の受光素子。
  4. 【請求項4】 基準素子と読み取り素子とは、電気的に
    直列に接続され、供給電圧を分圧して読み取り信号を出
    力させることを特徴とする請求項1記載の受光素子。
  5. 【請求項5】 基準素子と読み取り素子とは、同一工程
    で形成されることを特徴とする請求項1記載の受光素
    子。
  6. 【請求項6】 基準素子と読み取り素子とは、γ特性を
    同一に形成されることを特徴とする請求項1記載の受光
    素子。
  7. 【請求項7】 基準素子と読み取り素子とは、電圧電流
    特性を非線形に形成されることを特徴とする請求項1記
    載の受光素子。
  8. 【請求項8】 電場制御電極は、同一工程で形成される
    ことを特徴とする請求項1記載の受光素子。
  9. 【請求項9】 電場制御電極により形成される電場は、
    基準素子と読み取り素子とに流れる光電流に対しほぼ直
    角方向であることを特徴とする請求項1記載の受光素
    子。
  10. 【請求項10】 請求項1記載の受光素子を備え、該受
    光素子を形成する透光性基板の他方の面に対向して設け
    られた光源と、前記受光素子を駆動する駆動回路とより
    なることを特徴とする読み取りセンサ。
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