JPH05215A - 酸素富化フイルタ、および酸素富化フイルタの製造方法、ならびに酸素富化フイルタ装置 - Google Patents

酸素富化フイルタ、および酸素富化フイルタの製造方法、ならびに酸素富化フイルタ装置

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JPH05215A
JPH05215A JP17892491A JP17892491A JPH05215A JP H05215 A JPH05215 A JP H05215A JP 17892491 A JP17892491 A JP 17892491A JP 17892491 A JP17892491 A JP 17892491A JP H05215 A JPH05215 A JP H05215A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 通常程度の給送空気圧によって水中での酸素
の溶存飽和量を越えた酸素富化作用を得られるようにす
る。 【構成】 純アルミニウム粉末を主成分として燒結さ
れ、内部で複雑に纏絡されると共に、表裏両面を通して
開孔される数多くの通気孔を形成してなる第1の金属粉
末燒結体,または、当該金属粉末燒結体をウイスカー処
理して、各通気孔の内壁面部に数多くのヒゲ状結晶を生
成させてなる第2の金属粉末燒結体を用い、所要圧で給
送される空気を水中に放出させるためのフィルタとす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、酸素富化フィルタ,
および酸素富化フィルタの製造方法,ならびに酸素富化
フィルタ装置に関し、さらに詳しくは、水中への溶存酸
素量を増加させ得るようにした酸素富化フィルタ,およ
び当該酸素富化フィルタの製造方法,ならびに当該酸素
富化フィルタを適用した酸素富化フィルタ装置に係るも
のである。
【0002】
【従来の技術】一般に、例えば、養魚用水槽などにおけ
る水中への酸素の補給,溶存に関しては、従来から、大
気中の空気を吸気して圧縮,吐出する空気ポンプと、こ
の空気ポンプに給送管で直結されて水中に吊り下げた状
態に沈設配置され、圧送される空気を数多くの通気孔か
ら水中に気泡として放出させるようにした多孔質の燒結
ストーンとにより構成した酸素供給手段が知られている
が、このような多孔質の燒結ストーンによる酸素供給手
段の場合には、水中における酸素の許容溶存量,換言す
ると、飽和溶存酸素量に限界があるために、最近に至っ
ては、こゝでの当該水中への圧縮空気の気泡による放出
部として、いわゆる,マルチポーラスガラスと呼ばれる
ところの,数多くの狭小な通気孔を形成した多孔質体を
用いることで、水中での溶存酸素濃度を高める手段,つ
まり、水中溶存酸素の富化手段が提案,実施されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記後
者でのマルチポーラスガラスによる多孔質体を用いた水
中溶存酸素の富化手段においては、前者の多孔質の燒結
ストーンによる手段に比較するとき、当該多孔質体に形
成された数多くの狭小な通気孔からの一層細分化された
気泡の放出によって、水中における酸素の溶存飽和量を
幾分か上回る酸素富化作用を得られるという利点をもつ
反面,当該マルチポーラスガラスの狭小な各通気孔での
空気の通過抵抗が極めて高いことから、所期通りの酸素
富化作用を得るためには、給送する空気圧を十分に高く
して気泡の放出をなさなければならず、こゝでは、後述
するように本件発明での5倍強の空気圧を必要としてお
り、しかも、一方では、多孔質部分に目詰りを生じ易く
て保守管理に難点があるという問題点があった。
【0004】この発明は、このような従来の問題点を解
消するためになされたもので、その目的とするところ
は、水中に気泡を発生させ得る程度の給送空気圧によっ
て水中での酸素の溶存飽和量を越えた酸素富化作用を得
られるようにした,この種の酸素富化フィルタ,および
酸素富化フィルタの製造方法,ならびに酸素富化フィル
タ装置を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、この発明に係る酸素富化フィルタは、純アルミニウ
ム粉末を主成分として燒結され、内部で複雑に纏絡され
ると共に、表裏両面を通して開孔される数多くの通気孔
を備えた第1の金属粉末燒結体(以下,メタルとも呼
ぶ),または、当該金属粉末燒結体をウイスカー処理す
ることで、各通気孔の内壁面部に数多くの生物学的に活
性化されたヒゲ状結晶を形成させてなる第2の金属粉末
燒結体(以下,ヒゲ付きメタルとも呼ぶ)を用いること
で、所要圧で給送される空気を水中に放出させるための
フィルタとしたものである。
【0006】すなわち、この発明の第1の発明は、純ア
ルミニウム粉末を主成分にして、等量のシリコン粉末,
および微量のマンガン粉末を添加した材料を板状に燒結
し、板状断面の内部で相互に纏絡され、かつ表裏両面を
通して開孔される数多くの通気孔を形成させてなること
を特徴とする酸素富化フィルタである。
【0007】この発明の第2の発明は、純アルミニウム
粉末を主成分にして、等量のシリコン粉末,および微量
のマンガン粉末を添加した材料を板状に燒結し、板状断
面の内部で相互に纏絡され、かつ表裏両面を通して開孔
される数多くの通気孔を形成すると共に、ウイスカー処
理を施して各通気孔の内壁面に水酸化アルミニウムによ
るヒゲ状結晶を生成させてなることを特徴とする酸素富
化フィルタである。
【0008】また、この発明の第3の発明は、純アルミ
ニウム粉末を主成分とし、これに等量のシリコン粉末,
および微量のマンガン粉末を添加した材料を用い、これ
らの各材料を所要のバインダーにより十分に混練する工
程と、混練した材料を所要厚さの板状に成形する工程
と、板状に成形された材料をカーボンシート上において
所定の温度で燒結し、板状断面の内部で相互に纏絡さ
れ、かつ表裏両面を通して開孔される数多くの通気孔を
形成させる工程とを、少なくとも含むことを特徴とする
酸素富化フィルタの製造方法である。
【0009】この発明の第4の発明は、純アルミニウム
粉末を主成分とし、これに等量のシリコン粉末,および
微量のマンガン粉末を添加した材料を用い、また、下記
処理液Aを準備し、前記各材料を所要のバインダーによ
り十分に混練する工程と、混練した材料を所要厚さの板
状に成形する工程と、板状に成形された材料をカーボン
シート上で所定の設定温度により燒結し、板状断面の内
部で相互に纏絡され、かつ表裏両面を通して開孔される
数多くの通気孔を形成させる工程と、得られた板状メタ
ルを煮沸処理し、各通気孔の内壁面に水酸化アルミニウ
ムによるヒゲ状結晶を生成させ、かつこれを所定の設定
温度で乾燥させて保有水分を可及的に排除する工程と、
各通気孔の内壁面にヒゲ状結晶を生成させて乾燥させた
板状メタルを所定の設定温度に加熱保持した処理液A中
に所定時間浸漬させ、その後,所定の設定温度で乾燥さ
せて保有水分を可及的に排除する工程とを、少なくとも
含むことを特徴とする酸素富化フィルタの製造方法であ
る。処理液A (a) 所定塩分濃度の海水を用い、(b) 当該海水により、
セラミック焼成用粘土と金属とを混練して所要径の球状
に成形し、かつこれをポーラス状に焼成してポーラス状
セラミック球を得た後、(c) 所定量の蒸留水に対し、前
記セラミック球の所要数を浸漬させると共に、所要時間
に亘り撹拌して所要量の水溶液とし、この水溶液を用い
て塩酸をPH3に調整して第1の溶液とし、(d) 所定の大
きさの鉄片を用い、望ましくは、当該鉄片の片面に中性
脂質の油脂を塗布して前記第1の溶液中に浸漬させ、24
時間〜96時間放置して第2の水溶液とし、(e) 前記第2
の水溶液に混入している鉄分,油脂分などを除去して第
3の水溶液とし、(f) 所定量の前記第3の水溶液中に M
gCl2・6H2O を飽和状態になるまで溶融させ、所定時間放
置して第4の水溶液とし、(g) 所定量の蒸留水に対し、
前記第4の水溶液の適量を加えて第5の水溶液とし、
(h) 所定量の蒸留水に対し、前記第5の水溶液の適量を
加え、かつ所定時間放置して第6の水溶液とする。
【0010】さらに、この発明の第5の発明は、純アル
ミニウム粉末を主成分にして、等量のシリコン粉末,お
よび微量のマンガン粉末を添加した材料を板状に燒結
し、板状断面の内部で相互に纏絡され、かつ表裏両面を
通して開孔される数多くの通気孔を形成させてなる板状
メタルを用い、この板状メタルを円筒形状に形成して密
閉させると共に、当該メタルの内部に空気を圧給送し得
るように構成させたことを特徴とする酸素富化フィルタ
装置であり、かつまた、当該第5の発明の構成におい
て、円筒形状に形成したメタルを、少なくとも同芯円的
に間隔をおいて2層以上の多層に配置させたことを特徴
とする酸素富化フィルタ装置である。
【0011】さらに、この発明の第6の発明は、純アル
ミニウム粉末を主成分にして、等量のシリコン粉末,お
よび微量のマンガン粉末を添加した材料を板状に燒結
し、板状断面の内部で相互に纏絡され、かつ表裏両面を
通して開孔される数多くの通気孔を形成すると共に、ウ
イスカー処理を施して各通気孔の内壁面に水酸化アルミ
ニウムによるヒゲ状結晶を生成させてなるヒゲ付き板状
メタルを用い、このヒゲ付き板状メタルを円筒形状に形
成して密閉させると共に、当該メタルの内部に加圧空気
を給送し得るように構成させたことを特徴とする酸素富
化フィルタ装置であり、かつまた、当該第6の発明の構
成において、円筒形状に形成したメタルを、少なくとも
同芯円的に間隔をおいて2層以上の多層に配置させたこ
とを特徴とする酸素富化フィルタ装置である。
【0012】
【作用】従って、この発明の第1の発明に係る酸素富化
フィルタにおいては、板状メタルの断面内部にあって、
相互に纏絡され、かつ表裏両面を通して開孔される数多
くの通気孔を形成させてあるために、各通気孔の存在に
よって、従来と異なって比較的低い空気圧で水中への飽
和酸素量を越えた酸素の富化溶存を可能にし、第2の発
明に係る酸素富化フィルタにおいては、板状メタルにお
ける各通気孔の内壁面に対し、水酸化アルミニウムによ
るヒゲ状結晶を生成させて板状ヒゲ付きメタルとしたか
ら、各通気孔に給送される加圧空気の酸素分子が、それ
ぞれのヒゲ状結晶の相互間で水分子と混合摩擦され、水
中への溶存酸素濃度が急速に高められて、より一層効果
的な飽和酸素量を越えた酸素富化作用がなされる。
【0013】また、この発明の第3の発明に係る酸素富
化フィルタの製造方法においては、純アルミニウム粉末
を主成分とし、これに等量のシリコン粉末,および微量
のマンガン粉末を添加した材料を用いることによって、
これらの各材料を所要のバインダーにより十分に混練し
て所要厚さの板状に成形した後、これをカーボンシート
上において所定の温度で燒結するようにしたから、断面
の内部で相互に纏絡され、かつ表裏両面を通して開孔さ
れる数多くの通気孔を有する板状メタルを容易に製造で
き、第4の発明に係る酸素富化フィルタの製造方法にお
いては、このようにして製造された板状メタルを煮沸処
理して、各通気孔の内壁面に水酸化アルミニウムによる
ヒゲ状結晶を生成させ、かつこれを所定の設定温度に加
熱保持した処理液A中に所定時間浸漬させた後、乾燥さ
せて保有水分を可及的に排除させるようにしたから、こ
ゝでも、断面の内部で相互に纏絡され、かつ表裏両面を
通して開孔される数多くの通気孔をもつと共に、各通気
孔の内壁面にヒゲ状結晶を有する板状ヒゲ付きメタルを
容易に製造し得る。
【0014】さらに、この発明の第5の発明に係る酸素
富化フィルタ装置においては、前記板状メタルを用い、
この板状メタルを円筒形状に形成して密閉させ、当該円
筒形メタルの内部に加圧空気を給送し得るように構成さ
せたから、こゝでは、円筒形メタルの各通気孔を通した
空気の放出による酸素富化作用を良好に実行でき、一
方,この円筒形メタルを、少なくとも同芯円的に2層以
上に配置させることで、一層効果的な酸素富化作用が可
能になり、第6の発明に係る酸素富化フィルタ装置にお
いては、前記板状ヒゲ付きメタルを用い、この板状ヒゲ
付きメタルを円筒形状に形成して密閉させ、当該円筒形
ヒゲ付きメタルの内部に加圧空気を給送し得るように構
成させたから、同様に、円筒形ヒゲ付きメタルでの各通
気孔,ひいては、その内壁面のヒゲ状結晶相互間におけ
る空気と水との混合摩擦が良好になされて酸素富化作用
を実行でき、さらには、この円筒形ヒゲ付きメタルを、
少なくとも同芯円的に2層以上に配置させることで、よ
り一層効果的な酸素富化作用が可能になる。
【0015】
【実施例】以下,この発明の第1,および第2の発明に
係る酸素富化フィルタ,および第3,および第4の発明
に係る当該酸素富化フィルタの製造方法,ならびに第
5,および第6の発明に係る当該酸素富化フィルタを用
いた酸素富化フィルタ装置の実施例につき、図1ないし
図7を参照して詳細に説明する。
【0016】最初に、この発明の第1,第2の発明に係
る酸素富化フィルタの構成,および第3,第4の発明に
係る当該酸素富化フィルタの製造方法について述べる。
【0017】図1は、第1,および第2の発明の一実施
例を適用した酸素富化フィルタの概要を示す側面説明図
であり、図2,および図3は、同上酸素富化フィルタに
おける第1,および第2の発明に対応したそれぞれに要
部を部分的に拡大して模式的に示す各断面構成図であ
る。また、図4,および図5は、第3,および第4の発
明の一実施例を適用した当該酸素富化フィルタの製造方
法の概要をそれぞれ工程順に示す各工程説明図である。
なおこゝで、前記第1の発明の一実施例を適用した酸素
富化フィルタ,この場合、ウイスカー処理を施さない酸
素富化フィルタについては、これを第1の酸素富化フィ
ルタ,または、第1の金属粉末燒結体,もしくは、単に
メタルと呼ぶことゝし、また、第2の発明の一実施例を
適用した酸素富化フィルタ,この場合、ウイスカー処理
を施した酸素富化フィルタについては、これを第2の酸
素富化フィルタ,または、第2の金属粉末燒結体,もし
くは、ヒゲ付きメタルと呼ぶことゝする。
【0018】こゝで、前記第1の酸素富化フィルタであ
る板状メタルは、次の各工程を順次に経て製造される。
【0019】すなわち、この板状メタルは、図4に示さ
れているように、純アルミニウム粉末を主成分とし、こ
れに等量のシリコン粉末を加えると共に、さらに、微量
のマンガン粉末を添加した材料を適当なバインダーで十
分に混練して、所要厚さの板状に成形した後、カーボン
シート上において約 680℃程度の設定温度で燒結するこ
とによって製造する。従って、製造後の形態としては、
図1に示す如く、厚さ 1mm〜2mm 程度の板状に形成され
たメタル11となり、同時に、当該板状メタル11に関
して、その断面内部にあっては、図2に示されているよ
うに、相互間で複雑に纏絡されると共に、表裏両面を通
して開孔される数多くの微細な通気孔12が形成される
ことになる。なお、ちなみに、こゝでの板状メタル11
における各通気孔12の孔径は、おゝよそ 100μm 程度
であり、また、当該板状メタル11では、50体積%の空
間,つまり、これを換言すると、空隙率50% に達する通
気孔12が形成される。
【0020】そして、前記のように構成される板状メタ
ル11では、例えば、これを深さ60〜100cm の水中に吊
して酸素供給を行なう場合、当該各通気孔12の存在に
よって、先に述べた従来における多孔質の燒結ストーン
を用いた酸素供給手段の場合と同程度の低圧の空気圧,
すなわち、気泡が発生し得る程度の圧力、即ち1.01〜1.
3 気圧程度の比較的低い空気圧と空気量とによるのみ
で、酸素溶存用のフィルタ,こゝでは、水中への圧縮空
気の放出による飽和酸素量を越えた酸素の富化溶存を可
能にするところの,第1の酸素富化フィルタとしての役
割を効果的かつ十分に果たし得るのである。
【0021】また、前記第2の酸素富化フィルタである
ウイスカー処理を施したヒゲ付き板状メタルは、前記燒
結された板状メタル11を素材とし、かつ所要の処理液
Aを用いて製造される。
【0022】こゝでのヒゲ付き板状メタルの製造につい
ては、まず、ウイスカー処理のための処理液Aを次のよ
うにして準備する。 (a) 新鮮にして汚染されていない海水を 1/4倍程度に薄
めて塩分濃度 0.1〜1.2%,望ましくは、0.8 〜0.9%の塩
水とする。 (b) 前記塩水によって、セラミック焼成用粘土(蛙目,
クリストバライト,赤玉,ゼオライト,コークス,銅
粉,シリコンなどの混合物)を混練して所要径の球状に
成形し、かつこれをポーラス状に焼成してほゞ直径10mm
程度のポーラス状セラミック球を得る。 (c) 1リットルの蒸留水に対し、前記セラミック球 3個
を浸漬させ、かつこの蒸留水を24時間に亘り撹拌して所
要量の水溶液とし、この水溶液を用いて塩酸(HCl) をPH
3に調整して、第1の溶液とする。 (d) 0.5mm厚,15mm角の鉄片を用い、望ましくは、当該
鉄片の片面に中性脂質の油脂を塗布した上で、これを前
記第1の溶液中に浸漬させ、24時間以上96時間、望まし
くは72時間放置して、第2の水溶液を得る。 (e) 前記第2の水溶液を5Cの濾紙により 1〜2 回程度濾
過し、液中に混入している鉄分,油脂分などを除去する
ことで、第3の水溶液とする。 (f) 前記第3の水溶液100cc 中に MgCl2・6H2O を飽和状
態になるまで溶融させ、かつこれを24時間放置して第4
の水溶液とする。 (g) 前記第4の水溶液1cc を 1リットルの蒸留水に加え
ることにより第5の水溶液を得る。 (h) 前記第5の水溶液1cc を 1リットルの蒸留水に加
え、かつこれを24時間程度放置して第6の水溶液を得
る。 (i) 前記第6の水溶液をpH値 6.2〜6.8 に保持し、所期
通りの処理液Aを得るのである。
【0023】しかして、前記第2の酸素富化フィルタで
あるヒゲ付き板状メタルは、次の各工程を順次に経て製
造される。
【0024】すなわち、このヒゲ付き板状メタルは、図
5に示されているように、まず、前記した板状メタル1
1を煮沸処理することにより、図3に示した如く、それ
ぞれの各通気孔12の内壁面にあって、ヒゲ状結晶(Al
(OH)3・xH2Oの水酸化アルミニウム)22を生成する。つ
いで、前記処理液Aを約30〜40℃程度の温度に加熱保持
しておき、この処理液A中にあって、前記の各通気孔1
2の内壁面にヒゲ状結晶22を生成させた板状メタル1
1を12〜24時間程度に亘り浸漬させた後、これを取り出
して60℃程度以下の設定温度で乾燥させ、同様に、保有
水分を可及的に排除して製造するのである。
【0025】従って、こゝでの製造後の形態としては、
前記した板状メタル11の場合と同様に、厚さ 1mm〜2m
m 程度の板状に構成されたヒゲ付きメタル21となり、
かつまた、前記した如く、おゝよそ 100μm程度の孔径
の各通気孔12の内壁面にあっては、図3からも明らか
なように、ヒゲ状結晶22が相互に密集して成長される
ことになると共に、処理液Aへの浸漬によりこれらの各
ヒゲ状結晶22が生物学的に活性化される。なお、ちな
みに、こゝでの各ヒゲ状結晶22の直径,ならびに相互
間隔は、共におゝよそ 0.025μm 程度であり、略0.25μ
m程度に成長する。
【0026】そして、前記のように構成されるヒゲ付き
板状メタル21では、先に述べた板状メタル11の場合
と同様な態様で水中への酸素供給を行なった場合、同程
度の比較的低い空気圧で各通気孔12に給送される空気
は、当該各通気孔12の内壁面に密集して生成されたそ
れぞれのヒゲ状結晶22の相互間を通して水中に吐出さ
れるもので、こゝでは、各ヒゲ状結晶22が、酸素富化
対象の水を生物学的に活性化するための一種の触媒機能
を有することから、深さ対応の水圧によって各通気孔1
2に浸入している水分子と、給送空気,ひいては、給送
空気中の酸素分子とが、これらの各ヒゲ状結晶22の存
在によりツイスト状態で十分に混合摩擦され、このため
に水中への溶存酸素濃度が急速に高められて、飽和酸素
量を越えた酸素富化作用がなされると共に、水分子間に
取り込まれて溶存する酸素分子については、経時的にも
可及的に消失しないように保持されることになり、こゝ
でも、第2の酸素富化フィルタとしての役割を効果的か
つ十分に果たし得るのである。
【0027】より一層具体的に述べると、こゝでのヒゲ
付き板状メタル21を酸素富化フィルタとして用いた場
合には、処理液Aへの浸漬により、ヒゲ状結晶22を形
成し、当該ヒゲ状結晶22自体に全体としてマイナスの
電荷を帯びさせるようにすること,つまり、これを換言
すると、生物学的活性化を付与することで、結果的に
は、このヒゲ状結晶22に触れている水,すなわち、本
来的にマイナスの電荷を帯びている水自体の生物学的な
活性化をより一層強力に促すもので、これによって水分
子間での酸素分子の保持が強化されると共に、一方で
は、例えば、当該酸素富化された水中で飼育される生体
に対しても、十分な酸素供給に併せて好影響をもたらし
得るのである。
【0028】次に、この発明の第5,および第6の発明
に係る酸素富化フィルタを用いた酸素富化フィルタ装置
について述べる。
【0029】図6は、第5,および第6の発明の一実施
例を適用した当該酸素富化フィルタ装置の概要構成を示
す縦断面図である。
【0030】こゝで、第5の発明の一実施例を適用した
当該酸素富化フィルタ装置は、水中への空気の放出用フ
ィルタとして前記板状メタル11を用いることを特徴と
し、また、第6の発明の一実施例を適用した当該酸素富
化フィルタ装置は、水中への空気の放出用フィルタとし
て前記ヒゲ付き板状メタル21を用いることを特徴とし
ており、当該各フィルタとしての板状メタル11,21
を除く部分については、両実施例が共に同一の構成を採
用していることから、これらの各実施例を同列的に述べ
ることゝする。
【0031】すなわち、図6に示す装置構成において、
これらの各実施例による酸素富化フィルタ装置31は、
各板状メタル11,21を同芯円的に間隔を隔てゝ2重
(2層)に配置し得るように、それぞれ所要外径の円筒
形に成形すると共に、突き合わせ端面の相互を接着剤,
好ましくはシリコン系接着剤により接合することで、板
状メタル11による内側,および外側の各フィルタ筒3
2a,および32bとし、また、ヒゲ付き板状メタル2
1による内側,および外側の各フィルタ筒33a,およ
び33bとする。
【0032】しかして、これらの各フィルタ筒32a,
32b,または、33a,33bのそれぞれは、同図6
に見られるように、上部,中間部,ならびに下部の各保
持板34a,34b,および34cにより同芯円的に間
隔を隔てゝ内外2層に密閉した状態で配置され、各フィ
ルタ筒32a,または、33a内にあって中心部空間3
5,および各フィルタ筒32a,33aと32b,33
b間にあって外周部空間36をそれぞれに形成すると共
に、上部保持板34a側の中心部から中間部保持板34
bを貫通して下部保持板34cに接近する位置まで、多
数の空気噴出孔37aを開孔した中空の空気供給管37
を装入して配置させ、かつ当該空気供給管37には、上
部保持板34a側から供給嘴38を接続させてあり、こ
の供給嘴38を通して図示省略した空気ポンプなどから
の加圧空気を給送し得るようになっている。
【0033】従って、上記構成による酸素富化フィルタ
装置31においては、先にも述べたように、例えば、酸
素富化対象の水を貯留する水槽などの深さ60〜100cm の
水中にあって、この酸素富化フィルタ装置31を吊した
状態で、気泡が発生可能な限り低い空気圧、即ち1.01〜
1.3 気圧程度の比較的低い圧力で空気を給送させること
により、当該加圧空気が、中心部に配置された中空の空
気供給管37の各空気噴出孔37aから、まず、中心部
空間35内に噴出され、内側のフィルタ筒32a,また
は、33aを通して外周部空間36内に放出される。
【0034】そして、こゝでの内側のフィルタ筒32
a,または、33aを通した加圧空気の放出に際して、
これが前者の板状メタル11を用いたフィルタ筒32a
の場合には、前記した如く、各通気孔12における水へ
の飽和酸素量を越えた酸素富化作用,こゝでは、第1段
階での酸素富化作用が良好になされ、また、これが後者
のヒゲ付き板状メタル21を用いたフィルタ筒33aの
場合にあっても、同様にして、各通気孔12,ひいて
は、その内壁面に生成されて生物学的に活性化されたヒ
ゲ状結晶22の相互間での空気と水との混合による飽和
酸素量を越えた第1段階での酸素富化作用,ならびに溶
存酸素の保持作用が効果的になされることになる。
【0035】ついで、これに引続き、前記外周部空間3
6内から、今度は、前記のように一旦,酸素富化作用を
受けることで、その溶存酸素量の増加された水が、外側
のフィルタ筒32b,または、33bを通して水槽内の
水中に放出される。
【0036】そして、こゝでもまた、外側のフィルタ筒
32b,または、33bを通してなされるところの,溶
存酸素量の増加された水の放出に際しては、同様に、こ
れが前者の板状メタル11を用いたフィルタ筒32bの
場合、各通気孔12における新たな水に対する第2段階
でのより一層の酸素富化作用が良好になされ、また、こ
れが後者のヒゲ付き板状メタル21を用いたフィルタ筒
33bの場合にあっても、同様にして、各通気孔12,
ひいては、その内壁面に生成されて生物学的に活性化さ
れたヒゲ状結晶22の相互間での空気と水との混合によ
る飽和酸素量を越えた第1段階での酸素富化作用,なら
びに溶存酸素の保持作用がより一層顕著かつ効果的にな
されるのである。
【0037】こゝで、前記それぞれにヒゲ付き板状メタ
ル21による各フィルタ筒33a,33bを2層に配置
させ、図6に対応して構成された酸素富化フィルタ装置
31に関し、当該酸素富化フィルタ装置31を用いて得
た水道水と蒸留水とに対する実際上の水中溶存酸素の測
定結果を第1表に示し、かつこのときの溶存酸素量と酸
素富化対象の水の水温との関係を図7に示す。
【0038】
【表1】
【0039】これらの第1表,および図7から明らかな
ように、水道水の場合には、おゝよそ18℃の温度以下,
蒸留水の場合には、おゝよそ20℃の温度以下では、理論
酸素飽和値を越えて酸素富化作用を得るのがやゝ困難な
状況であるが、該当各温度以上では、容易に理論酸素飽
和値を越えて高い酸素富化作用を得られることが明らか
である。また、こゝでの水道水と蒸留水とに酸素富化作
用の差があることについては、蒸留水に比較して、水道
水には、各種イオンが含まれていて酸素が溶け込み難い
からである。そして、このように理論酸素飽和値を越え
た溶存酸素量を得られる点,および溶存酸素の経時的な
減少が少ない点については、(1) 空気中での酸素分子O2
の水中への分散解離が、極めてファインであること,
(2) 空気中の酸素分子O2と水分子H2O との過結合が比較
的容易になされること,(3) 溶存された酸素分子O2が、
水中での他のガス分子と結合され難く、かつ気泡化され
難いこと,などが考えられるが、この発明におけるフィ
ルタの主成分であるアルミニウム,それに等量のシリコ
ン,ならびに微量のマンガンのそれぞれが、水のクラス
ターに対してどのように影響しているかは必ずしも明ら
かでない。
【0040】なお、前記実施例装置の構成においては、
フィルタ筒を内外2層に配置させているが、1層のみで
あってもそれなりの酸素富化作用が得られることは勿論
であり、より以上の多層に配置するのも、一層の酸素富
化作用を行なわせる上で好ましい手段の一つである。ま
た、同様に、この実施例装置の構成では、フィルタ筒を
上下2段に配置させているが、必ずしもこのような2段
にのみ限定されるものではない。
【0041】
【発明の効果】以上,詳述したように、この発明の第1
の発明に係る酸素富化フィルタによれば、メタルの板状
断面の内部にあって、相互に纏絡され、かつ表裏両面を
通して開孔される数多くの通気孔を形成させてあるため
に、これを所要深度の水中に吊して酸素供給を行なうこ
とにより、各通気孔の存在によって、従来と異なり比較
的低い空気圧で水中への飽和酸素量を越えた空気,ひい
ては、酸素の富化溶存を可能にし得るのであり、第2の
発明に係る酸素富化フィルタによれば、板状メタルにお
ける各通気孔の内壁面に対し、水酸化アルミニウムによ
るヒゲ状結晶を生成させてヒゲ付き板状メタルとしたか
ら、各通気孔に給送される空気の酸素分子が、それぞれ
のヒゲ状結晶の相互間で水分子とツイスト状に摩擦混合
されて水中への溶存酸素濃度を急速に高めることができ
て、より一層効果的な飽和酸素量を越えた酸素富化作用
が良好になされ、併せて、各水分子間に取り込まれて溶
存する酸素分子の経時的な保持を効果的になし得るので
ある。
【0042】また、この発明の第3の発明に係る酸素富
化フィルタの製造方法によれば、純アルミニウム粉末を
主成分とし、これに等量のシリコン粉末,および微量の
マンガン粉末を添加した材料を用い、これらの各材料を
所要のバインダーにより十分に混練して所要厚さの板状
に成形した後、これをカーボンシート上において所定の
温度で燒結するようにしたから、板状断面の内部で相互
に纏絡され、かつ表裏両面を通して開孔される数多くの
通気孔を有する板状メタルを容易に製造でき、第4の発
明に係る酸素富化フィルタの製造方法によれば、このよ
うにして製造された板状メタルを煮沸処理して、各通気
孔の内壁面に水酸化アルミニウムによるヒゲ状結晶を生
成させ、かつこれを所定の設定温度で乾燥して保有水分
を可及的に排除させた後、当該各通気孔の内壁面にヒゲ
状結晶を生成させた板状メタルを、所定の設定温度に加
熱保持した処理液A中に所定時間浸漬させ、同様に、所
定の設定温度で乾燥させて保有水分を可及的に排除させ
るようにしたから、こゝでも、板状断面の内部で相互に
纏絡され、かつ表裏両面を通して開孔される数多くの通
気孔をもち、各通気孔の内壁面にヒゲ状結晶を有するヒ
ゲ付き板状メタルを容易に製造できると共に、処理液A
によって各ヒゲ状結晶を生物学的に活性化させ得るので
ある。
【0043】さらに、この発明の第5の発明に係る酸素
富化フィルタ装置によれば、純アルミニウム粉末を主成
分にして、等量のシリコン粉末,および微量のマンガン
粉末を添加した材料を板状に燒結し、板状断面の内部で
相互に纏絡され、かつ表裏両面を通して開孔される数多
くの通気孔を形成させてなる板状メタルを用い、この板
状メタルを円筒形状に形成して密閉させ、当該円筒形メ
タルの内部に空気を給送し得るように構成させたから、
こゝでは、円筒形メタルの各通気孔を通した空気の放出
による酸素富化作用を良好に行なわせることができ、一
方,この円筒形メタルを、少なくとも同芯円的に2層以
上に配置させることで、一層効果的な酸素富化作用が可
能になるのであり、第6の発明に係る酸素富化フィルタ
装置によれば、ウイスカー処理を施して各通気孔の内壁
面に水酸化アルミニウムによるヒゲ状結晶を生成させて
なるヒゲ付き板状メタルを用い、このヒゲ付き板状メタ
ルを円筒形状に形成して密閉させ、当該円筒形ヒゲ付き
メタルの内部に空気を加圧給送し得るように構成させた
から、同様に、円筒形ヒゲ付きメタルでの各通気孔,ひ
いては、その内壁面に生成されて生物学的に活性化され
たヒゲ状結晶相互間における空気と水とのツイスト状態
での摩擦混合による酸素富化作用,ならびに溶存酸素の
保持作用を良好になし得るもので、さらには、この円筒
形状に形成したヒゲ付きメタルを、少なくとも同芯円的
に2層以上に配置させることによって、より一層効果的
な酸素富化作用を行なわせ得るのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1,および第2の発明の一実施例
を適用した酸素富化フィルタの概要を示す側面説明図で
ある。
【図2】同上第1の発明における酸素富化フィルタの要
部を部分的に拡大して模式的に示す断面構成図である。
【図3】同上第2の発明における酸素富化フィルタの要
部を部分的に拡大して模式的に示す断面構成図である。
【図4】この発明の第3の発明の一実施例を適用した酸
素富化フィルタの製造方法の概要を工程順に示す工程説
明図である。
【図5】この発明の第4の発明の一実施例を適用した酸
素富化フィルタの製造方法の概要を工程順に示す工程説
明図である。
【図6】この発明の第5,および第6の発明の一実施例
を適用した酸素富化フィルタ装置の概要構成を示す縦断
面図である。
【図7】この発明の第6の発明の一実施例を適用した酸
素富化フィルタ装置での酸素富化作用の実測結果におけ
る溶存酸素量と酸素富化対象の水の水温との関係を示す
グラフである
【符号の説明】
11 第1の酸素富化フィルタとしての板状メタル (ウイスカー処理を施さない第1の金属粉末燒結体) 12 板状断面の内部で相互に纏絡されて表裏両面に開
孔された通気孔 21 第2の酸素富化フィルタとしてのヒゲ付き板状メ
タル (ウイスカー処理を施した第2の金属粉末燒結体) 22 通気孔の内壁面に相互に密集して生成されたヒゲ
状結晶 (アルミゲル) 31 フィルタ装置 32a,32b 板状メタルを用いたフィルタ筒 33a,33b ヒゲ付き板状メタルを用いたフィルタ
筒 34a,34b,34c 上部,中間部,下部の各保持
板 35 中心部空間 36 外周部空間 37 空気供給管 37a 空気噴出孔 38 供給嘴

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 純アルミニウム粉末を主成分にして、等
    量のシリコン粉末,および微量のマンガン粉末を添加し
    た材料を板状に燒結し、板状断面の内部で相互に纏絡さ
    れ、かつ表裏両面を通して開孔される数多くの通気孔を
    形成させてなることを特徴とする酸素富化フィルタ。
  2. 【請求項2】 純アルミニウム粉末を主成分にして、等
    量のシリコン粉末,および微量のマンガン粉末を添加し
    た材料を板状に燒結し、板状断面の内部で相互に纏絡さ
    れ、かつ表裏両面を通して開孔される数多くの通気孔を
    形成すると共に、ウイスカー処理を施して、各通気孔の
    内壁面に水酸化アルミニウムによるヒゲ状結晶を生成さ
    せなることを特徴とする酸素富化フィルタ。
  3. 【請求項3】 純アルミニウム粉末を主成分とし、これ
    に等量のシリコン粉末,および微量のマンガン粉末を添
    加した材料を用い、これらの各材料を所要のバインダー
    により十分に混練する工程と、混練した材料を所要厚さ
    の板状に成形する工程と、板状に成形された材料をカー
    ボンシート上において所定の温度で燒結し、板状断面の
    内部で相互に纏絡され、かつ表裏両面を通して開孔され
    る数多くの通気孔を形成させる工程とを、少なくとも含
    むことを特徴とする酸素富化フィルタの製造方法。
  4. 【請求項4】 純アルミニウム粉末を主成分とし、これ
    に等量のシリコン粉末,および微量のマンガン粉末を添
    加した材料を用い、また、下記処理液Aを準備し、前記
    各材料を所要のバインダーにより十分に混練する工程
    と、混練した材料を所要厚さの板状に成形する工程と、
    板状に成形された材料をカーボンシート上で所定の設定
    温度により燒結し、板状断面の内部で相互に纏絡され、
    かつ表裏両面を通して開孔される数多くの通気孔を形成
    させる工程と、得られた板状メタルを煮沸処理し、各通
    気孔の内壁面に水酸化アルミニウムによるヒゲ状結晶を
    生成させ、かつこれを所定の設定温度で乾燥させて保有
    水分を可及的に排除する工程と、各通気孔の内壁面にヒ
    ゲ状結晶を生成させて乾燥させた板状メタルを所定の設
    定温度に加熱保持した処理液A中に所定時間浸漬させ、
    その後,所定の設定温度で乾燥させて保有水分を可及的
    に排除する工程とを、少なくとも含むことを特徴とする
    酸素富化フィルタの製造方法。処理液A (a) 所定塩分濃度の海水を用い、(b) 当該海水により、
    セラミック粘土を混練して所要径の球状に成形し、かつ
    これをポーラス状に焼成してポーラス状セラミック球を
    得た後、(c) 所定量の蒸留水に対し、前記セラミック球
    の所要数を浸漬させると共に、所要時間に亘り撹拌して
    所要量の水溶液とし、この水溶液を用いて塩酸をPH3に
    調整して第1の溶液とし、(d) 所定の大きさの鉄片を用
    い、望ましくは、当該鉄片の片面に中性脂質の油脂を塗
    布して前記第1の溶液中に浸漬させ、24時間〜96時間放
    置して第2の水溶液とし、(e) 前記第2の水溶液に混入
    している鉄分,油脂分などを除去して第3の水溶液と
    し、(f) 所定量の前記第3の水溶液中に MgCl2・ 6H2Oを
    飽和状態になるまで溶融させ、所定時間放置して第4の
    水溶液とし、(g) 所定量の蒸留水に対し、前記第4の水
    溶液の適量を加えて第5の水溶液とし、(h) 所定量の蒸
    留水に対し、前記第5の水溶液の適量を加え、かつ所定
    時間放置して第6の水溶液とする。
  5. 【請求項5】 純アルミニウム粉末を主成分にして、等
    量のシリコン粉末,および微量のマンガン粉末を添加し
    た材料を板状に燒結し、板状断面の内部で相互に纏絡さ
    れ、かつ表裏両面を通して開孔される数多くの通気孔を
    形成させてなる板状メタルを用い、この板状メタルを円
    筒形状に形成して密閉させると共に、当該板状メタルの
    内部に空気を給送し得るように構成させたことを特徴と
    する酸素富化フィルタ装置。
  6. 【請求項6】 前記円筒形状に形成した板状メタルを、
    少なくとも同芯円的に間隔をおいて2層以上の多層に配
    置させたことを特徴とする請求項5記載の酸素富化フィ
    ルタ装置。
  7. 【請求項7】 純アルミニウム粉末を主成分にして、等
    量のシリコン粉末,および微量のマンガン粉末を添加し
    た材料を板状に燒結し、板状断面の内部で相互に纏絡さ
    れ、かつ表裏両面を通して開孔される数多くの通気孔を
    形成すると共に、ウイスカー処理を施して各通気孔の内
    壁面に水酸化アルミニウムによるヒゲ状結晶を生成させ
    てなるヒゲ付き板状メタルを用い、この板状メタルを円
    筒形状に形成して密閉させると共に、当該板状メタルの
    内部に空気を給送し得るように構成させたことを特徴と
    する酸素富化フィルタ装置。
  8. 【請求項8】 前記円筒形状に形成した板状メタルを、
    少なくとも同芯円的に間隔をおいて2層以上の多層に配
    置させたことを特徴とする請求項7記載の酸素富化フィ
    ルタ装置。
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