JPH05215947A - 光ファイバケーブル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 内部の引裂紐を省略すること、及び、内部の
光ファイバ心線を撚線としないで済ませること、あるい
は、被覆層の低温時の収縮による光ファイバ心線のマイ
クロベンディングを防止することにある。 【構成】 空気圧送により管状進行路内へ挿入布設され
る光ファイバケーブルである。被覆層１内に複数本の光
ファイバ心線２…が、ルーズに（締付けられていない状
態で）挿入される。従って、余裕空間部Ｂが形成され
る。この余裕空間部Ｂ内にグリース状充填材５が封入さ
れている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は空気圧送により布設され
る光ファイバケーブルに関する。

【０００２】

【従来の技術】本発明者等は、特願平２−316346号に於
て、この種の光ファイバケーブルを提案した。

【０００３】しかし、その構造は、図２に例示するよう
に、一次被覆層31と二次被覆層32とから成る被覆層内
に、複数本の光ファイバ心線33…と、１本の引裂紐34と
を、密に（タイトに）挿入した構造である。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし、図２の構造で
は、光ファイバ心線33…が挿入された内部構造がタイト
な（密な）構造であるので、工事の時の能率向上、及
び、光ファイバ心線33…の外傷の防止を図るために、引
裂紐34を必要とした。

【０００５】また、上述のタイトな（密な）構造である
ため、座屈防止のために、光ファイバ心線33…及び引裂
紐34を所定ピッチで撚線しなくてはならず、製造上手間
が掛った。

【０００６】さらに、低温時に一次被覆層31と二次被覆
層32の収縮の影響を受け、光ファイバ心線33…がマイク
ロベンディングし、伝送損失が増加するという問題もあ
った。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は、空気圧送によ
り管状進行路内へ挿入布設する光ファイバケーブルに於
て、被覆層内に、複数本の光ファイバ心線を、余裕空間
部をもってルーズに挿入し、該余裕空間部に、グリース
状充填材を封入した。

【０００８】

【作用】光ファイバ心線は、被覆層内に於て、グリース
状充填材の封入された余裕空間部を、移動可能なように
挿入されているため、カッターにて上記被覆層を引裂い
ても、ファイバ心線を傷付けないで済む。かつ、光ファ
イバ心線に撚りを付与しなくとも、座屈しない。さら
に、低温時に、被覆層が収縮したとしても、（内部にル
ーズに挿入された）光ファイバ心線に影響せず、マイク
ロベンディングを防止出来る。

【０００９】その他、グリース状充填材は、光ファイバ
心線の防湿効果を発揮するとともに、ケーブルの径方向
圧縮に対する性能が向上する。

【００１０】

【実施例】以下、図示の実施例に基づき本発明を説明す
る。

【００１１】図１に於て、光ファイバケーブルの一実施
例の拡大断面図を示す。

【００１２】この光ファイバケーブルは空気圧送により
管状進行路内へ挿入布設されるもので、いわゆる気送光
ファイバケーブルである。

【００１３】図１にて明らかな如く、被覆層１内に、複
数本の光ファイバ心線２…を、余裕空間部Ｂをもってル
ーズに挿入する。

【００１４】被覆層１は、ポリブチレンテレフタレート
（ＰＢＴ）樹脂やポリアミド系樹脂から成る一次被覆層
３と、その上に形成された発泡ポリエチレン樹脂、発泡
ＰＢＴ、発泡ふっ素系樹脂等の摩擦抵抗が小さく、軽量
であり、また表面がある程度荒れたものを用いた二次被
覆層４と、から成る。

【００１５】なお、一次被覆層３も発泡させて、被覆層
１の全体を発泡樹脂としても良い。

【００１６】しかして、上記余裕空間部Ｂには、グリー
ス状充填材５が封入されている。

【００１７】この充填材５としては、ウレアグリースや
ジェリー等のちょう度が 150〜470の範囲のものを用い
る。

【００１８】即ち、ちょう度が 150未満では硬すぎて、
内部の光ファイバ心線２…が自由に移動出来なくなり、
逆に、ちょう度が 470を越えると、軟かすぎて、流失す
るためである。

【００１９】なお、被覆層１としては、三次被覆層を有
する構成とするも自由である（図示省略）。

【００２０】また、上述の光ファイバ心線２は、例えば
0.25mm直径として、コアとクラッドから成るガラス部
と、これを被覆する紫外線硬化型樹脂の層から構成す
る。そして、光ファイバケーブルの外径を、例えば、約
２mmとする。

【００２１】

【発明の効果】本発明は上述のような構成により次のよ
うな著大な効果を奏する。

【００２２】 （光ファイバ心線２…がルーズに挿入
されているため、）工事の時にカッターにて被覆層１を
引裂したとしても、光ファイバ心線２…に傷を付けず、
かつ、容易・迅速に作業出来る。

【００２３】 また、引裂紐が省略出来る。

【００２４】 （光ファイバ心線２…がルーズに挿入
されているため、座屈の虞が少なく、）光ファイバ心線
２…を撚る必要がなくなって、製造能率が向上出来る。

【００２５】 （光ファイバ心線２…と被覆層１とは
ルーズであるから）被覆層１の低温時の収縮によるマイ
クロベンディングを防止出来る。

【００２６】 （グリース状充填材５によって）光フ
ァイバ心線２の防湿効果が期待出来る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す拡大横断面図である。

【図２】従来例を示す拡大横断面図である。

【符号の説明】 １ 被覆層 ２ 光ファイバ心線 ５ グリース状充填材 Ｂ 余裕空間部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森田 幸男 兵庫県伊丹市池尻４丁目３番地 三菱電線 工業株式会社伊丹製作所内 (72)発明者 高井 拓真 兵庫県尼崎市東向島西之町８番地 三菱電 線工業株式会社内 (72)発明者 木村 勝久 兵庫県尼崎市東向島西之町８番地 三菱電 線工業株式会社内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 空気圧送により管状進行路内へ挿入布設
   する光ファイバケーブルに於て、被覆層内に、複数本の
   光ファイバ心線を、余裕空間部をもってルーズに挿入
   し、該余裕空間部に、グリース状充填材を封入したこと
   を特徴とする光ファイバケーブル。