JPH05214448A - 連続焼鈍炉の板温制御方法 - Google Patents

連続焼鈍炉の板温制御方法

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JPH05214448A
JPH05214448A JP1713392A JP1713392A JPH05214448A JP H05214448 A JPH05214448 A JP H05214448A JP 1713392 A JP1713392 A JP 1713392A JP 1713392 A JP1713392 A JP 1713392A JP H05214448 A JPH05214448 A JP H05214448A
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plate temperature
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和宏 広畑
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Abstract

(57)【要約】 【目的】従来、操業安定性及び品質安定性のためにオペ
レータが判断していた通板速度の微妙な制御を自動化で
きる連続焼鈍炉の板温制御方法を提供する。 【構成】目標出側板温を達成する板温目標修正通板速度
STを算出した後に、操業及び品質安定性のための諸条
件からバックリング指数HB ,蛇行指数HS ,入側トラ
ブル指数HI ,出側トラブル指数HO を算出して、それ
らの指数の大きさに応じた加減速率を算出し(S18〜
S26)、それらの加減速率に応じた上限通板速度
SU,下限通板速度VSLを設定し(S27,S28)、
それに合わせて設定炉温TFOを修正する(S29)と共
に、この上限通板速度VSUと下限通板速度VSLとの間に
板温目標修正通板速度VSTが存在すればそれを修正通板
速度VSに決定し(S32)、そうでない場合は上限通
板速度VSUを修正通板速度VS に決定する(S31)も
のである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、板厚、板幅或いは加熱
炉出側における目標板温が異なるような鋼帯を、加熱炉
内に連続的に通板して連続焼鈍を行う連続焼鈍炉におい
て、加熱炉出側の鋼帯の板温を制御する方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】特に冷間圧延された鋼帯は、冶金的組
織、機械的強度、内部歪み等が大きく変化しているた
め、これを焼鈍してこれらの変化要素を除去する必要が
あり、その必要性は昨今注目されている極低炭素鋼帯に
おいて特に大きい。これら板厚、板幅或いは加熱炉出側
における目標出側板温が異なる鋼帯は溶接工程等によっ
て一連のストリップとなし、これを連続焼鈍炉の加熱炉
内に通板して連続焼鈍を行うのが一般的である。
【0003】一方、前記加熱炉出側の板温は製造される
鋼板の機械的性質に大きな影響を及ぼすので、仕様の異
なる各鋼帯毎に加熱炉出側における板温の目標値及びこ
の目標値を含む許容範囲を設定しておき、各鋼帯の板温
が夫々設定された目標出側板温の許容範囲内に納まるよ
うに制御する必要がある。ちなみにこの目標出側板温許
容範囲の下限値は、通常、連続焼鈍工程における品質上
の最低焼鈍保証温度であり、また上限値は、製品コスト
等に基づいて生産高や燃料流量等から算出される安定操
業上の最大許容値である。
【0004】連続焼鈍炉におけるこのような板温制御方
法としては、鋼帯の板厚、板幅等を含む仕様に合わせ
て、加熱炉の温度(炉温)及び通板速度を設定すること
が一般的である。ところが加熱炉の炉温設定変更に対す
る実績炉温の応答性が極めて遅く、しかも比較的不安定
であるため、特に仕様が異なる鋼帯の溶接点(仮段)近
傍では実績板温と板温の目標値との偏差が大きくなって
非定常域となり易く、鋼帯の板温が許容範囲からはず
れ、歩留りが低下するという問題点があった。
【0005】このような問題点を解決するための板温制
御方法の一つとして、特公昭62−34210号公報に
記載のものが提案されている。この板温制御方法は、非
定常域における板温の理論的最適推移軌道を算出し、こ
の算出した軌道に板温が沿うように加熱炉への燃料供給
量を制御するものである。また、もう一つの方法として
は特開平2−258933号公報に記載される板温制御
方法がある。この板温制御方法は、加熱炉の設定炉温値
の変更量と、該変更量に対する加熱炉の炉温の応答変化
量及び鋼帯の通板方向における板温変化量とを推定し、
この推定された板温変化量と目標出側板温との偏差が許
容範囲内である場合には予め設定されている通板速度で
加熱炉の炉温を制御し、前記推定された板温変化量と目
標出側板温との偏差が許容範囲外である場合には通板速
度の修正制御を合わせて行うものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】これらの連続焼鈍炉の
板温制御方法のうち、前者の場合は鋼帯の仮段、非定常
域において実績板温が許容範囲から外れることをある程
度抑制することは可能である。しかしながら、本質的な
炉温の応答遅れに伴う実績板温応答の悪さが改善されて
いないので、実績板温が許容範囲から外れる可能性は未
だ十分に解決されていない。
【0007】一方、後者の場合は、前記本質的な炉温の
応答遅れに伴う実績板温応答の悪さを、それらよりも遙
かに応答特性の良好な通板速度を制御することにより改
善しているため、上記の如き問題はない。しかしなが
ら、炉温変化量及び板温変化量を推定し、これらの推定
値に基づいて通板速度の修正制御を行っているため、例
えば炉温に不安定な変化が生じたときなどのように推定
精度が悪い条件が発生した場合には、実績板温精度が低
下するという問題がある。また、この発明には、実績板
温変化量にて速度修正をすることも開示されているが、
実績板温のフィードバックでは、前記通板速度の修正制
御に対する板温の応答遅れが介在するため、高精度の板
温制御は期待できない。
【0008】これとは別に、実際の連続焼鈍操業では操
業の安定性と品質の安定性のため、オペレータの操作に
よって通板速度を制御することが多い。これは、加熱炉
以外を含む種々の連続焼鈍工程の現在状況からオペレー
タが最適と思われる通板速度を算出、判断して行うもの
である。このため、例えば現在の通板速度では安定操業
や品質安定にトラブルが発生するような場合に、オペレ
ータ操作ではこのトラブルを予測して回避することがで
きても、例えば前記特開平2−258933号公報に記
載される板温制御方法において、加熱炉の状態と目標出
側板温とだけから物理モデル式や回帰モデル式等によっ
て実績出側板温を推測、或いは算出し、これに合わせて
通板速度を制御したのでは、このトラブルの予測も実際
の回避もできないといったように、実際の連続焼鈍操業
に必要な通板速度に一致しない虞れが多い。
【0009】本発明はこれらの諸問題に鑑みて開発され
たものであり、従来、オペレータが判断していた通板速
度の微妙な制御における判断基準を所定条件化し、この
所定条件が発生した場合にはそれに合わせて通板速度を
制御し、そうでない場合には目標出側板温を最優先する
ように通板速度を制御することにより、連続焼鈍の安定
操業を損なうことなく、出側板温を高精度に制御できる
連続焼鈍炉の板温制御方法を提供することを目的とする
ものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、本出願人
が近年開発した、所謂ニューロ理論やファジー理論の展
開を可能としたエキスパートシステムと呼ばれるコンピ
ュータ処理装置を用い、このエキスパートシステムに前
記オペレータが従来判断していた通板速度制御の判断基
準を所定条件化して記憶させ、この所定条件が発生した
場合にはそれを優先して通板速度を制御し、そうでない
場合には目標出側板温を優先して通板速度を制御するこ
とができないかを鋭意検討し、この所定条件に合わせた
適宜の処理を組合わせることによって発明の具現化を可
能とした。
【0011】即ち、本発明のうち請求項1に係る連続焼
鈍炉の板温制御方法は、板厚、板幅或いは加熱炉の出側
での目標出側板温が異なる鋼帯を、加熱炉に連続的に通
板して連続焼鈍を行う連続焼鈍炉にあって、予め設定さ
れた炉温にて加熱炉を制御すると共に、前記出側板温が
目標出側板温の許容範囲内になるように通板速度を制御
する連続焼鈍炉の板温制御方法において、連続焼鈍の安
定操業と安定品質とから生じる予め設定された物理的条
件及び機械的条件とから通板速度の変更条件並びに変更
の可否条件と通板速度の上下限値を算出し、前記通板速
度の変更条件並びに変更の可否条件が算出された場合は
それらの条件に従って通板速度を前記上下限値内で制御
し、前記通板速度の変更条件並びに変更の可否条件が算
出されない場合は前記出側板温を目標出側板温の許容範
囲内にする通板速度を制御することを特徴とするもので
ある。
【0012】また本発明のうち請求項2に係る連続焼鈍
炉の板温制御方法は、前記通板速度の変更条件並びに変
更の可否条件が算出されない場合にも、前記通板速度の
上下限値が算出された場合には、前記出側板温を目標出
側板温の許容範囲内にする通板速度を前記上下限値内で
制御することを特徴とするものである。
【0013】
【作用】本発明の連続焼鈍炉の板温制御方法では、連続
焼鈍の安定操業と安定品質とから生じる予め設定された
物理的条件及び機械的条件として、例えば溶接点の位
置、鋼帯のサイズ、実績炉温、目標出側板温、ロール温
度、サーマルクラウン量、入側ルーパ量、出側ルーパ
量、溶接所要時間、蛇行量、前後コイルの継ぎ条件、入
側通板速度、出側通板速度、加熱炉内通板速度、実績出
側板温等の予め設定された条件及び現在状態から読取る
ことのできる条件を設定し、これらの諸条件から通板速
度の変更条件並びに変更の可否条件と通板速度の上下限
値を算出し、前記通板速度の変更条件並びに変更の可否
条件が算出された場合はそれらの条件に従って通板速度
を前記上下限値内で制御し、前記通板速度の変更条件並
びに変更の可否条件が算出されない場合は前記出側板温
を目標出側板温の許容範囲内にする通板速度を制御する
ために、実際の連続焼鈍操業において優先されるオペレ
ータの判断を自動で行うことができ、そうでない場合に
は最適な目標出側板温とそれを満足するための通板速度
とを得ることができ、操業の安定性と品質の安定性とを
より経済的に両立させることができ、同時に少なくとも
板温制御における通板速度制御を完全に無人化すること
も可能となる。
【0014】また本発明の連続焼鈍炉の板温制御方法で
は、前記通板速度の変更条件並びに変更の可否条件が算
出されない場合にも、前記通板速度の上下限値が算出さ
れた場合には、前記出側板温を目標出側板温の許容範囲
内にする通板速度を前記上下限値内で制御するために、
通常の通板速度の制御における上下限値に連続焼鈍工程
の物理的条件及び機械的条件から生じる上下限値を加味
することにより、操業の安定性と品質の安定性とを十分
に満足する通板速度制御を可能として、同時に板温制御
をより完全なものとすることができる。
【0015】
【実施例】図1は本発明の連続焼鈍炉の板温制御方法を
実施化した連続焼鈍設備の一例を示すものである。同図
に示すストリップ1は、例えば連続焼鈍設備の最入側に
二つ設けられている払出しリール(ペイオフリール,P
OR)2a,2bにセットされたコイルから、板厚、板
幅或いは加熱炉出側での目標出側板温の異なる複数の鋼
帯(以下仕様の異なる鋼帯と記す)を払出し、これらの
鋼帯を溶接機3で溶接して一連に形成したものである。
このストリップ1は、入側ルーパ4を通って加熱炉5に
送給され、更に出側ルーパ6を通って切断機7に送給さ
れ、該切断機7で仕様の異なる鋼帯毎に切断されて、連
続焼鈍設備の最出側に二つ設けられている巻取りリール
(テンションリール,TR)8a,8bにコイルとして
巻取られる。このように仕様の異なる鋼板は通常個別の
コイルに巻回されているので、以下、これらの仕様の異
なる鋼板を単にコイルと記す。
【0016】前記溶接機3では各コイルを停止した状態
で溶接しなければならないため、この溶接所要時間中に
加熱炉5内に送給されるコイルを停止すると歩留りが悪
くなる。前記入側ルーパ4は、少なくともこの溶接所要
時間中に加熱炉5内に送給される分のコイルを貯留する
ためのものであり、通常はこの溶接所要時間中も加熱炉
5内の通板速度を一定に保つことが可能なように、溶接
停止時間に見合うストリップ量を連続焼鈍の定常操業中
に貯留している。この実施例の入側ルーパ4は所謂竪型
のルーパであり、ルーパの下方において溶接機3から送
出されるストリップ1の延長上に、三個の固定ロール4
1がその直径の二倍のピッチ、即ち該直径分だけ離して
回転自在に並設され、それらの固定ロール41の上方に
は夫々の固定ロール41間の間隔に対向するように、同
じ直径の二個の移動ロール42が並設されていて、これ
らのロール41,42間をストリップ1は昇降しながら
移送されるようにしてあり、これらのロール41,42
はストリップの移送方向に、図示されないモータにより
所定速度で強制回転されるようにしてある。このうち、
前記二個の移動ロール42は図示されないルーパカーと
呼ばれる移動装置によって連結され、該ルーパカーが鉛
直方向に往復移動することにより固定ロール41側に近
づいたり固定ロール41から遠ざかったりする方向に移
動されるようにしてあり、これにより移動ロール42が
固定ロール41側に近づけば入側ルーパ4内に貯留され
るストリップ1の貯留長は少なくなり、移動ロール42
が固定ロール41から遠ざかれば入側ルーパ4内のスト
リップ1の貯留長は多くなる。この入側ルーパ4には、
前記移動ロール42の固定ロール41からの距離を検出
することによって入側ルーパ4に貯留されているストリ
ップ1の貯留長(以下単に入側ルーパ量と記す)を検出
する入側ルーパ量計12が設けられている。また、前記
固定ロール41のうち最も入側の固定ロール41の回転
速度から入側の通板速度を検出する入側通板速度計10
が設けられ、更に入側ルーパ4内を移送されるストリッ
プ1の走行状態から該ストリップ1の蛇行量を検出する
入側蛇行量計11が設けられている。
【0017】前記入側ルーパ4を通ったストリップ1
は、ロール51の回転によって加熱炉内に送給され、加
熱炉内の上方と下方とに並設されているロール52間を
昇降しながらロール53の回転によって加熱炉5内を通
過し、ロール54,55の回転によって加熱炉外へと通
板される。これらのロール51〜55は夫々に設けられ
たモータ50によって個別に、或いはストリップ1の通
板に伴って一連に回転されるようにしてある。なお、ロ
ール55にはその回転速度から加熱炉5内の通板速度を
検出する加熱炉内通板速度計17が取付けられている。
【0018】また前記加熱炉5内には流量弁9を介して
燃焼ガスが流入されており、この燃焼ガスは加熱炉5内
を通板するストリップ1の近傍に並設された図示されな
いラジアントチューブ内に送給されて燃焼する。従っ
て、加熱炉5内の炉温は、ロール52とストリップ1と
の伝熱、炉内の対流伝熱、炉壁の輻射伝熱等の諸元を包
含するものの、あらかた燃焼ガスの流入量によって制御
される。この加熱炉5には炉内の実績炉温を検出する実
績炉温計14と、加熱炉5内を移送されるストリップ1
の走行状態から蛇行量を検出する加熱炉内蛇行量計13
と、最も出側の上方ロール52の温度を検出するロール
温度計15とが設けられている。また、加熱炉5の出側
には実績出側板温TS を検出する出側板温計16が設置
されている。
【0019】前記切断機7ではストリップ1を切断する
ために、また前記テンションリール8a,8bではコイ
ルを交換するなどのためにストリップ1を停止しなけれ
ばならない。前記出側ルーパ6は、少なくともこの停止
所要時間中に加熱炉5内から送給される分のストリップ
1を貯留するためのものであり、通常はこの停止所要時
間中も加熱炉5内の通板速度を一定に保つことが可能な
ように、連続焼鈍の定常操業中に貯留されたストリップ
1を払出すようにしている。この実施例の出側ルーパ6
は前記入側ルーパ4と同様に、ルーパの下方において加
熱炉5から送出されるストリップ1の延長上に、五個の
固定ロール61がその直径分だけ離して回転自在に並設
され、それらの固定ロール61の上方には夫々の固定ロ
ール61間の間隔に対向するように、同じ直径の四個の
移動ロール62が並設されていて、これらのロール6
1,62間をストリップ1は昇降しながら移送されるよ
うにしてあり、これらのロール61,62はストリップ
1の移送方向に、図示されないモータにより所定速度で
強制回転されるようにしてある。このうち、前記四個の
移動ロール62は図示されないルーパカーによって連結
され且つ固定ロール61側に近づいたり固定ロール61
から遠ざかったりする方向に移動されるようにしてあ
り、これにより出側ルーパ6に貯留されるストリップ1
の貯留長(以下単に出側ルーパ量と記す)が変更され
る。この出側ルーパにも、前記移動ロール62の固定ロ
ール61からの距離を検出することによって出側ルーパ
量を検出する出側ルーパ量計18が設けられている。ま
た、前記固定ロール61のうち最も出側の固定ロール6
1の回転速度から出側の通板速度を検出する出側通板速
度計19が設けられている。
【0020】一方、連続焼鈍設備の集中制御室等に設け
られているストリップ条件設定器21で設定された種々
の炉温条件信号は炉温設定器22に向けて送出され、該
炉温設定器22で設定された設定炉温の炉温設定信号は
炉温制御装置23に向けて送出され、該炉温制御装置2
3からの炉温制御信号に基づいて前記流量弁9の開閉度
を制御して燃焼ガスの流入量を制御すると共に、前記実
績炉温計14からの検出信号に基づいて該燃焼ガスの流
入量をフィードバック制御するようにしてある。ちなみ
に、前記ストリップ条件設定器21から送出される炉温
条件信号には、各コイルの加熱炉出側での目標出側板温
SO,品質上で設定される加熱炉出側での上限出側板温
SU及び加熱炉出側での下限出側板温TSL,加熱炉能力
等から決定される上限炉温TFU及び下限炉温TFL,蛇行
を防止するため及び加熱炉能力に沿って設定される上限
通板速度VSU,バックリングを防止するために設定され
る下限通板速度VSL,及び各コイルの機械的諸元等があ
る。なお、これらの上下限値は、オペレータの操作が介
在した場合にはそれを優先し、機械設備上の警報信号が
送出された場合にはそれを最も優先する。また、多くの
場合、前記目標出側板温TSOは下限出側板温TSL寄りに
設定されていて必要以上の熱量をできるだけ低減するよ
うにしてあるが、実績出側板温TS がこの下限出側板温
SLよりも下がることは品質上、最も回避しなければな
らない。
【0021】また、前記ストリップ条件設定器21で設
定された種々の通板速度条件信号は通板速度設定器24
に向けて送出されると共に、前記入側通板速度計10の
入側通板速度検出信号、入側蛇行量計11からの入側蛇
行量検出信号、入側ルーパ量計12からの入側ルーパ量
検出信号、加熱炉内蛇行量計13からの加熱炉内蛇行量
検出信号、実績炉温計14からの実績炉温検出信号、ロ
ール温度計15からのロール温度検出信号、実績出側板
温計16からの実績出側板温検出信号、加熱炉内通板速
度計17からの加熱炉内通板速度検出信号、出側ルーパ
量計18からの出側ルーパ量検出信号、及び出側通板速
度計19からの出側通板速度検出信号で構成される連続
焼鈍工程のプロセスデータが前記通板速度設定器24に
向けて送出される。そして、この通板速度設定器24で
設定された通板速度設定信号は通板速度制御装置25に
向けて送出され、該通板速度制御装置25からの通板速
度制御信号に基づいて前記モータ50の回転速度を制御
してロール55の回転速度を制御することにより加熱炉
内通板速度を制御すると共に、前記加熱炉内通板速度計
17からの加熱炉内通板速度検出信号に基づいて該モー
タ50の回転速度をフィードバック制御するようにして
ある。ちなみに、前記ストリップ条件設定器21から送
出される通板速度条件信号には、各コイルの溶接点位置
情報,各コイルサイズ情報,各コイルの加熱炉出側での
目標出側板温TSO,加熱炉出側での上限出側板温TSU
加熱炉出側での下限出側板温TSL,各コイルの設定炉温
におけるサーマルクラウン量,各コイル間の溶接所要時
間,各コイル間の継ぎ条件,前記設定上限通板速度
SU,前記設定下限通板速度VSL,及び各コイルの機械
的諸元等がある。またこれらの上下限値は前記と同様
に、オペレータの操作が介在した場合にはそれを優先
し、機械設備上の警報信号が送出された場合にはそれを
最優先する。
【0022】また、この連続焼鈍設備では、前記実績出
側板温計16の実績出側板温検出信号、前記加熱炉内通
板速度計17及び実績炉温計14の検出信号は学習制御
器26に向けて送出される。この学習制御器26では、
これらの検出信号から後述する物理的モデル式の物理的
パラメータを修正する必要が生じたときに、前記炉温設
定器22及び通板速度設定器24に向けてパラメータ修
正信号を送出する。
【0023】前記炉温設定器22及び通板速度設定器2
4には図示されないコンピュータが設置されており、こ
のコンピュータでは前記ストリップ条件設定器21から
の諸条件信号に基づいて所定条件に従って設定設定値及
び修正通板速度を算出するが、この所定条件には例えば
一般に炉温と板温との相関関係を表す下記1式に示す前
記物理的モデル式が使用される。
【0024】 dTS /dt=φcgε(TS 4 −TF 4 ) ……… (1) ここでTS :出側板温,t:時間,φcgε:物理的パラ
メータ,TF :炉温を示す。従って、左辺dTS /dt
は時間当たりの出側板温の温度勾配を表し、φ cgε,T
S ,TF が定数であると仮定して時間差Δtを決定すれ
ば出側板温の変化量ΔTS が決定され、出側板温の変化
量ΔTS を決定すれば時間差Δtが決定される。
【0025】ここでこの実施例における設定炉温及び目
標通板速度の設定には以下に記載する連続焼鈍操業の実
際面を用いている。一般に、炉温の応答時間は、通板速
度や鋼帯のサイズ(板厚、板幅等)に依存するが、凡そ
10〜20分程度である。一方、通板速度の応答時間
は、設備能力等に伴う加減速度に依存するが、一般に1
0〜40mpm/sec.程度であり、凡そ板温制御上は殆
ど無視できる程度に十分に高応答値である。また通板速
度変更に対する出側板温の変化は通板速度と加熱炉長に
依存している。即ち、変更した通板速度に到達した後で
加熱炉に進入した鋼帯が加熱炉から出るまでの間に出側
板温は変化することになるが、その所要時間は2〜3分
程度である。このように通板速度の設定変更に対する出
側板温の応答は炉温の応答に対して十分に早いので、加
熱炉入側から出側までの炉温変化量を無視して、現在炉
温で出側板温を目標出側板温に達成するための通板速度
を求めることができる。
【0026】前記炉温設定器22内のコンピュータでは
図2のフローチャートに示す基本プログラムが実行され
て、目標通板速度VSO,設定炉温TFO,及び炉温設定替
タイミングtF1が決定される。また、通板速度設定器2
4内のコンピュータでは図3のフローチャート及び図4
のフローチャートに示す基本プログラムが実行されて、
修正通板速度VS ,及び通板速度設定替タイミングtS1
及び変化率、通板速度変更条件等が決定される。
【0027】図2のフローチャートに示されるプログラ
ムは前述のように、炉温の設定替えに対する実績炉温の
応答が数十分を要し、それに対して各コイルの加熱炉内
通過時間は数分であることから、各コイルが加熱炉内に
送給される前に事前に行われる。このプログラムでは、
まずステップS1において、前記条件信号から各コイル
の目標出側板温TSOを読込む。
【0028】次にステップS2に移行して、各コイルの
目標通板速度VSOを決定する。この目標通板速度V
SOは、前記上限通板速度VSUと下限通板速度VSLとの間
に設定される必要があり、また生産性を考慮すれば可能
な限り上限通板速度VSU側に近い、即ち高いことが望ま
れるが、後述する通板速度の修正制御のためにはこれを
上限値に決定してしまうことは望ましくない。この実施
例では図12,図13に示すように各コイルで目標通板
速度VSOを一定とし、且つ上限通板速度VSUよりやや低
めに設定した。
【0029】次にステップS3に移行して、前記学習制
御器26から前記物理的モデル式1式の物理的パラメー
タφcgεの修正信号が送出されているか否かを判別し、
該修正信号が送出されている場合にはステップS4に移
行し、そうでない場合にはステップS5に移行する。前
記ステップS4では、前記1式の修正パラメータを読込
んで前記ステップS5に移行する。
【0030】前記ステップS5では、各コイルを前記ス
テップS2で決定した目標通板速度VSOで通板したとき
に、各コイルの目標出側板温TSOを達成するための設定
炉温TFOを、前記1式に従って算出する。この場合、前
記1式における板温TS には目標出側板温TSOを、炉温
F には設定炉温TFOを代入して該設定炉温TFOを算出
する。なお、該1式の左辺の板温勾配dTSO/dtは各
コイルの諸元(板厚,板幅)に基づいて、経験値等から
得られた記憶テーブルから所要のデータを引用して代入
する。この場合、例えば前記時間変化率dtの積分値、
時間差Δtは炉長と前記目標通板速度VSOとから、前記
板温変化率dTSOの積分値、板温変化量ΔTSOは現在入
側板温と目標出側板温TSOとから算出される。勿論、こ
の場合、設定炉温TF が上限炉温TFU以上である場合に
は設定炉温TF を上限炉温TFUに、設定炉温TF が下限
炉温TFL以上である場合には設定炉温TF を下限炉温T
FLに設定する必要がある。
【0031】次にステップS6に移行して、前記ステッ
プS5で算出した設定炉温TFOに対して実績炉温の応答
遅れから生じる出側板温の応答遅れを算出し、この出側
板温の応答遅れ時間を考慮して炉温設定替タイミングt
FOを算出する。この場合、実績炉温の応答遅れは現在実
績炉温と設定炉温との差を、また出側板温の応答遅れは
実績炉温と実績出側板温との差を用いて、例えば経験値
から得られた記憶テーブルから所要のデータを引用す
る。これらのデータを適宜処理して出側板温の応答遅れ
時間を算出し、この応答遅れ時間に基づいて炉温設定替
タイミングtFOを算出する。
【0032】次にステップS7に移行して、前記ステッ
プS6までの間に演算を行った各コイルに対して、現在
時刻から目標出側板温到達時刻までの間に加熱炉を通過
或いは加熱炉内に送給されるコイルを算出し、そのよう
なコイルに対して夫々設定された設定炉温TFOのうち最
も高温の設定炉温TFOを選択し、この設定炉温を目標設
定炉温TFOとして決定する。なお、前記現在時刻から目
標出側板温到達時刻までの間に加熱炉を通過或いは加熱
炉内に送給されるコイルの算出は、各コイル長,炉長,
目標通板速度VSOに基づいて算出される。
【0033】次にステップS8に移行して、前記ステッ
プS7で決定した目標設定炉温TFOに対して、現在時刻
に最も近いコイルの炉温設定替タイミングtFOを組合わ
せてなる炉温設定信号を前記炉温制御装置23に向けて
出力し、プログラムを終了する。前記図3のフローチャ
ートに示すプログラムは、前記図2のフローチャートに
示すプログラムによって炉温を設定した結果の実績炉温
で目標出側板温を達成するための板温目標修正通板速度
を設定するためのものであり、前記通板速度制御装置2
5の処理時間、モータ50及びロール55の応答時間、
加熱炉内通板速度計17の処理時間、通板速度設定器2
4の処理時間を除いて、前記実績炉温計14からの検出
信号に対して、例えば5sec.毎にリアルタイムに行われ
る。
【0034】このプログラムではまずステップS9にお
いて、各コイルの目標出側板温TSO,上限出側板温
SU,下限出側板温TSL,上限通板速度VSU,下限通板
速度VSLを読込む。次にステップS10に移行して、前
記実績炉温計14からの実績炉温検出信号から実績炉温
F を、加熱炉内通板速度計17からの加熱炉内通板速
度検出信号から現在加熱炉内通板速度VSNを読込む。
【0035】次にステップS11に移行して、前記学習
制御器26から前記1式の物理的パラメータφcgεの修
正信号が送出されているか否かを判別し、該修正信号が
送出されている場合にはステップS12に移行し、そう
でない場合にはステップS13に移行する。前記ステッ
プS12では、前記1式の修正パラメータを読込んで前
記ステップS13に移行する。
【0036】前記ステップS13では、各コイルを前記
実績炉温TF で通板したときに目標出側板温TSOを達成
するために必要な目標板温勾配dTSO/dtを、前記1
式の炉温TF に実績炉温TF を代入して算出する。次に
ステップS14に移行して、前記目標板温勾配dTSO
dtを達成する板温目標修正通板速度VSTを算出する。
この場合、例えば前記時間変化率dtの積分値、時間差
Δtは目標出側板温変更点(仮段)から加熱炉出側まで
の距離と修正通板速度VS とから算出され、前記目標出
側板温変化率dTSOの積分値、板温変化量ΔTSOは現在
実績出側板温TS と目標出側板温TSOとから算出され
る。
【0037】次にステップS15に移行して、前記板温
目標修正通板速度VSTが上限通板速度VSU以上である場
合には該修正通板速度VSTを上限通板速度VSUに設定
し、修正通板速度VSTが下限通板速度VSU以下である場
合には該修正通板速度VSTを下限通板速度VSLに設定す
ると共に、現在加熱炉の出側を通過中のコイルの出側板
温TSNから板温目標修正通板速度VSTの通板速度変化
率、即ち加減速度と、修正通板速度到達遅れ時間から板
温目標修正通板速度VSTの通板速度設定替タイミングt
SOを算出する。
【0038】次にステップS16に移行して、現在時刻
から通板速度修正に伴う目標出側板温到達時刻までの間
に加熱炉内を通過或いは加熱炉内に送給されるコイルを
算出し、それらのコイルのうち板温目標修正通板速度V
STの最も低いコイルの修正通板速度を選択し、これを板
温目標修正通板速度VSTと決定する。次にステップS1
7に移行して、前記決定修正通板速度VS に対して、現
在時刻に最も近いコイルの通板速度設定替タイミングt
SO及び速度変化率を組合わせてなる通板速度設定信号を
出力し、プログラムを終了する。
【0039】次に、ここまでのプログラム処理による板
温制御の作用について図12,図13を用いて説明す
る。このうち、図12は後行板の目標出側板温が先行板
の現在出側板温よりも高い場合であり、図13は後行板
の目標出側板温が先行板の現在出側板温よりも低い場合
を示している。例えば図12aのように先行板が現在実
績出側板温TSNである状況から、後行板が目標出側板温
SOになるように変更する場合、前記ストリップ条件設
定器21からの条件信号により後行板の機械的諸元及び
目標通板速度VSOから目標出側板温到達時刻tO を得
る。このとき、目標出側板温到達時刻tO は後行板先端
仮段の出側通過時刻に一致する。これらの情報を得た炉
温設定器22では前記ステップS1において後行板の目
標出側板温TSOを読込み、ステップS2で後行板の目標
通板速度VSOを決定する。この場合は、先行板の現在通
板速度VSNと目標通板速度VSOとを一致させた。
【0040】次にステップS3,S4で物理的モデル式
の物理的パラメータを修正し、ステップS5で設定炉温
FOを決定し、ステップS6で現在炉温TFNから設定炉
温T FOに設定替えした場合の板温応答遅れ時間を算出
し、前記目標出側板温到達時刻t0 から該遅れ時間分だ
け前倒しして炉温設定替タイミングtFOを決定する。し
かして炉温設定替タイミングtFOになったら設定炉温T
FOに設定替えを行う。
【0041】ここで本来であればステップS7,S8に
おいて所定の処理を行うが、ここでは簡単のために現在
時刻から目標出側板温到達時刻までの間に加熱炉内を通
過するコイルは後行板だけであるとして説明を進め、該
ステップS7,S8の作用については好適な実施例をも
って後述することとする。一方、通板速度設定器24で
は前記ステップS9において後行板の目標出側板温
SO,上限出側板温TSU,下限出側板温TSL,上限通板
速度VSU,下限通板速度VSLを読込み、次いでステップ
S10において目標通板速度VSO,現在実績炉温TF
読込む。
【0042】次にステップS11,S12で物理的モデ
ル式の物理的パラメータを修正し、ステップS13,S
14で板温目標修正通板速度VSTを決定し、ステップS
15で現在通板速度VSNから板温目標修正通板速度VST
に設定替えした場合の出側板温応答遅れ時間を算出し、
前記目標出側板温到達時刻t0 から該遅れ時間分だけ前
倒しして通板速度設定替タイミングtSOを決定し、しか
して通板速度設定替タイミングtSOになったら板温目標
修正通板速度VSTに設定替えを行う。
【0043】この場合も本来であればステップS16に
おいて所定の処理を行うが、ここでは前述と同様にこの
まま説明を進め、該ステップS16の作用については好
適な実施例をもって後述することとする。また、通板速
度の修正制御によって目標出側板温到達時刻は初期の設
定時刻よりも前後するため、実際の制御装置並びに炉温
設定器22及び通板速度設定器24ではこの目標出側板
温到達時刻の変動を常時修正するが、ここでは簡単のた
めに目標出側板温到達時刻(=後行板先端仮段の出側通
過時刻tO )は変動しないものとして説明を進める。
【0044】前記ステップS17では板温目標修正通板
速度VS に現在時刻の通板速度設定替タイミングtSO
び速度変化率を組合わせて通板速度設定信号を出力する
ので、例えば図12aの炉温特性に実線で示す実績炉温
F に対して出側板温は、同図の出側板温特性に仮想線
で示す仮想出側板温TSiのように追従しようとするが、
実質的な通板速度の修正制御に対する目標出側板温の応
答遅れ分を除いた、先行板の現在出側板温TSNに対する
仮想出側板温TSiへの変動は無駄であるから、その分だ
け現在時刻から継続的に通板速度を修正制御することに
より、先行板に与えられた無駄な温度変化分を除去する
ことができる。図12aの場合、斜線部イに示す先行板
の板温上昇分は無駄な熱量であるから、同図の実績(板
温目標修正)通板速度VS に示すように、通板速度設定
替タイミングtSOで板温目標修正通板速度VSTに到達す
るように炉温設定替タイミングtFOから通板速度設定替
タイミングtSOまでの間に通板速度を加速し、目標出側
板温到達時刻tO で目標通板速度VSOに到達するように
通板速度設定替タイミングtSOから目標出側板温到達時
刻tO までの間に通板速度を減速することによって前記
斜線部イの余分な熱量を削除することができる。
【0045】これに対して図12bのように、例えば炉
温設定替タイミングtFOが遅れる等の理由により、後行
板先端仮段の出側通過時刻、即ち目標出側板温到達時刻
Oに対して設定炉温到達時刻tF1が遅れてしまった場
合は、前述と同様に先行板の余剰熱量(斜線部ロ)を削
除すると共に後行板の不足熱量(斜線部ハ)を補充する
ように通板速度を修正制御しなければならない。このた
め、同図の実績(板温目標修正)通板速度VS に示すよ
うに、通板速度設定替タイミングtSOで板温目標修正通
板速度VSTに到達するように炉温設定替タイミングtFO
から通板速度設定替タイミングtSOまでの間に通板速度
を加速し、通板速度設定替タイミングt SOから目標出側
板温到達時刻tO までの間に、仮想出側板温TSiと実績
出側板温TS とが交差する時刻t1 で目標通板速度VSO
とゼロクロスするように通板速度を減速し、更に設定炉
温到達時刻tF1で目標通板速度VSOに到達するように目
標出側板温到達時刻tO から設定炉温到達時刻tF1まで
の間に通板速度を加速することによって、前記斜線部ロ
の熱量を削除し、且つ前記斜線部ハの熱量を補充するこ
とが可能となる。
【0046】また図12cのように、例えば炉温設定替
タイミングtFOが早すぎる等の理由により、後行板先端
仮段の出側通過時刻、即ち目標出側板温到達時刻tO
り先に設定炉温に到達してしまった場合は、前記図12
aの場合と同様に先行板の余剰熱量(斜線部ニ)を削除
するように通板速度を修正制御する。この場合は通板速
度設定替タイミングtSOより設定炉温到達時刻tF1が先
行しているため、同図の実績(板温目標修正)通板速度
S に示すように、設定炉温到達時刻tF1で板温目標修
正通板速度VSTに到達するように炉温設定替タイミング
FOから設定炉温到達時刻tF1までの間に通板速度を加
速し、設定炉温到達時刻tF1から通板速度設定替タイミ
ングtSOまでの間は板温目標修正通板速度VSTに維持
し、更に目標出側板温到達時刻tO で目標通板速度VSO
に到達するように通板速度設定替タイミングtSOから目
標出側板温到達時刻tO までの間は通板速度を減速する
ことによって、前記斜線部ニの熱量を削除することが可
能となる。
【0047】一方、図13aのように先行板の現在出側
板温TSNに対して後行板の目標出側板温TSOを下降する
場合は、後行板先端仮段の出側通過時刻が通板速度設定
替タイミングtO に一致する。この場合も前述と同様
に、例えば図13aの炉温特性に実線で示す実績炉温T
F に対して出側板温は、同図の出側板温特性に仮想線で
示す仮想出側板温TSiのように追従しようとするが、実
質的な通板速度の修正制御に対する目標出側板温の応答
遅れ分を除いた、先行板の現在出側板温TSNに対する仮
想出側板温TSiへの変動は無駄であるから、その分だけ
現在時刻から継続的に通板速度を修正制御することによ
り、先行板に与えられた無駄な温度変化分を除去するこ
とができる。図13aの場合、斜線部ホに示す先行板の
板温上昇分は無駄な熱量であるから、同図の実績(板温
目標修正)通板速度VS に示すように、目標出側板温到
達時刻tO で板温目標修正通板速度VSTに到達するよう
に通板速度設定替タイミングtSOから目標出側板温到達
時刻tO までの間に通板速度を加速し、設定炉温到達時
刻tF1で目標通板速度VSOに到達するように目標出側板
温到達時刻tO から設定炉温到達時刻tF1までの間に通
板速度を減速することによって、前記斜線部ホの余分な
熱量を削除することができる。
【0048】これに対して図13bのように、例えば炉
温設定替タイミングtFOが後行板先端仮段の出側通過時
刻、即ち通板速度設定替タイミングtSOより遅れた場合
は、前記図13aの場合と同様に先行板の余剰熱量(斜
線部ヘ)を削除するように通板速度を修正制御する。こ
の場合は炉温設定替タイミングtFOが目標出側板温到達
時刻tO より後行しているため、同図の実績(板温目標
修正)通板速度VS に示すように、目標出側板温到達時
刻tO で板温目標修正通板速度VS に到達するように通
板速度設定替タイミングtSOから目標出側板温到達時刻
O までの間に通板速度を加速し、目標出側板温到達時
刻tO から炉温設定替タイミングtFOまでの間は修正通
板速度VS に維持し、更に設定炉温到達時刻tF1で目標
通板速度VSOに到達するように炉温設定替タイミングt
FOから設定炉温到達時刻tF1までの間は通板速度を減速
することによって、前記斜線部ヘの熱量を削除すること
が可能となる。
【0049】また図13cのように、例えば炉温設定替
タイミングtFOが後行板先端仮段の出側通過時刻、即ち
通板速度設定替タイミングtSOより早くなった場合は、
前述と同様に先行板の余剰熱量(斜線部ト)を削除する
と共に後行板の不足熱量(斜線部チ)を補充するように
通板速度を修正制御しなければならない。このため、同
図の実績(板温目標修正)通板速度VS に示すように、
通板速度設定替タイミングtSOで減速側板温目標修正通
板速度VST1 に到達するように炉温設定替タイミングt
FOから通板速度設定替タイミングtSOまでの間に通板速
度を加速し、通板速度設定替タイミングtSOから目標出
側板温到達時刻tO までの間に、仮想出側板温TSiと実
績出側板温TS とが交差する時刻t2 で目標通板速度V
SOとゼロクロスし、且つ目標出側板温到達時刻tO で加
速側板温目標修正通板速度VST2に到達するように通板
速度を加速し、更に設定炉温到達時刻tF1で目標通板速
度VSOに到達するように目標出側板温到達時刻tO から
設定炉温到達時刻tF1までの間に通板速度を加速するこ
とによって、前記斜線部トの熱量を削除し、且つ前記斜
線部チの熱量を補充することが可能となる。
【0050】勿論、これらの制御において、設定炉温T
FOが図示されていない上限炉温TFU以上になった場合は
上限炉温TFUが設定炉温TFOに決定され、設定炉温TFO
が図示されていない下限炉温TFL以下になった場合は下
限炉温TFLが設定炉温TFOに決定される。また、実績出
側板温TS が上限出側板温TSU以上になる場合は、例え
ば板温目標修正通板速度VSTを減速側に制御するなどし
て実績出側板温TS が上限出側板温TSUを越えないよう
に制御し、実績出側板温TS が下限出側板温T SL以下に
なる場合は、例えば板温目標修正通板速度VSTを加速側
に制御するなどして実績出側板温TS が下限出側板温T
SLを越えないように制御する。
【0051】前記した通板速度の修正或いは変更には前
記ステップS15又はステップS17で設定された加減
速度を用いて行うが、このように板温を目標として通板
速度を修正しただけではその他の諸条件を考慮すると操
業安定性や品質安定性にトラブルが発生する虞れのある
場合に、本発明ではこれらのトラブルを事前に回避する
ことができる。このトラブルの事前回避を行う具体的な
処理が図4のフローチャートに示すプログラムであり、
この実施例では通板速度の変更条件、即ち加減速度を制
御すると共に、現在加減速が可能であるか否かの条件を
判断し、これらの条件に従って、修正通板速度VS の上
下限値、即ち上限通板速度VSU及び下限通板速度VSL
強制的に決定するものである。そして、この上限通板速
度VSUと下限通板速度VSLとの間に前述した板温目標修
正通板速度VSTが存在すれば該板温目標修正通板速度V
STを修正通板速度VS に決定し、そうでない場合は、上
限通板速度VSUを修正通板速度VS に決定するものであ
る。ちなみに、前記予想されるトラブルとして本実施例
では、バックリング及び蛇行の他に、加熱炉入側通板不
能等の入側トラブル,加熱炉出側通板不能等の出側トラ
ブルを想定してある。
【0052】まず、ステップS18では、前記通板速度
条件信号及びプロセスデータから各コイルの溶接点位置
情報,コイルサイズ情報,各コイル間の継ぎ条件情報,
サーマルクラウン量情報,設定炉温TFO,実績炉温
F ,ロール温度,現在加熱炉内通板速度VSNを読込
み、これらの条件を設定条件として予め記憶されている
記憶テーブルを参照してバックリング指数HB を算出す
る。
【0053】次にステップS19に移行して前記バック
リング指数HB の大きさに合わせた加速率条件を設定す
る。このステップS19では、図5に示すサブルーチン
のプログラムが実行され、このプログラムではまずステ
ップS191において、前記バックリング指数HBがバ
ックリング発生予測値HBOとそれよりも大きい値の小程
度バックリング発生しきい値HBLとの間にあるか否かを
判別し、そうである場合はステップS192に移行し、
そうでない場合はステップS193に移行する。
【0054】前記ステップS192では、前記ステップ
S191によりバックリングが発生する可能性があると
判断されたとして、現在出側通板速度VSNに対して減速
不可条件を設定してメインルーチンに復帰する。前記ス
テップS193では、前記バックリング指数HB が前記
小程度バックリング発生しきい値HBLとそれよりも大き
い値の中程度バックリング発生しきい値HBMとの間にあ
るか否かを判別し、そうである場合はステップS194
に移行し、そうでない場合はステップS195に移行す
る。
【0055】前記ステップS194では、前記ステップ
S193により小程度のバックリングが発生すると判断
されたとして、現在出側通板速度VSNに対して小程度の
加速率を設定してメインルーチンに復帰する。前記ステ
ップS195では、前記バックリング指数HB が前記中
程度バックリング発生しきい値HBMとそれよりも大きい
値の大程度バックリング発生しきい値HBUとの間にある
か否かを判別し、そうである場合はステップS196に
移行し、そうでない場合はステップS197に移行す
る。
【0056】前記ステップS196では、前記ステップ
S195により中程度のバックリングが発生すると判断
されたとして、現在出側通板速度VSNに対して中程度の
加速率を設定してメインルーチンに復帰する。前記ステ
ップS197では、前記バックリング指数HB が前記大
程度バックリング発生しきい値HBL以上であるか否かを
判別し、そうである場合はステップS198に移行し、
そうでない場合はメインルーチンに復帰する。
【0057】前記ステップS198では、前記ステップ
S197により大程度のバックリングが発生すると判断
されたとして、現在出側通板速度VSNに対して大程度の
加速率を設定してメインルーチンに復帰してサブルーチ
ンを終了する。次にメインルーチンではステップS20
に移行して、前記通板速度条件信号及びプロセスデータ
から各コイルの溶接点位置情報,コイルサイズ情報,各
コイル間の継ぎ条件情報,サーマルクラウン量情報,ロ
ール温度,入側蛇行量,加熱炉内蛇行量,実績炉温
F ,現在加熱炉内通板速度VSNを読込み、これらの条
件を設定条件として予め記憶されている記憶テーブルを
参照して蛇行指数HS を算出する。
【0058】次にステップS21に移行して前記蛇行指
数HS の大きさに合わせた第1の減速率条件を設定す
る。このステップS21では、図6に示すサブルーチン
のプログラムが実行され、このプログラムではまずステ
ップS211において、前記蛇行指数HS が蛇行発生予
測値HSOとそれよりも大きい値の小程度蛇行発生しきい
値HSLとの間にあるか否かを判別し、そうである場合は
ステップS212に移行し、そうでない場合はステップ
S213に移行する。
【0059】前記ステップS212では、前記ステップ
S211により蛇行が発生する可能性があると判断され
たとして、現在出側通板速度VSNに対して第1の加速不
可条件を設定してメインルーチンに復帰する。前記ステ
ップS213では、前記蛇行指数HS が前記小程度蛇行
発生しきい値HSLとそれよりも大きい値の中程度蛇行発
生しきい値HSMとの間にあるか否かを判別し、そうであ
る場合はステップS214に移行し、そうでない場合は
ステップS215に移行する。
【0060】前記ステップS214では、前記ステップ
S213により小程度の蛇行が発生すると判断されたと
して、現在出側通板速度VSNに対して第1の小程度の減
速率を設定してメインルーチンに復帰する。前記ステッ
プS215では、前記蛇行指数HS が前記中程度蛇行発
生しきい値HSMとそれよりも大きい値の大程度蛇行発生
しきい値HSUとの間にあるか否かを判別し、そうである
場合はステップS216に移行し、そうでない場合はス
テップS217に移行する。
【0061】前記ステップS216では、前記ステップ
S215により中程度の蛇行が発生すると判断されたと
して、現在出側通板速度VSNに対して第1の中程度の減
速率を設定してメインルーチンに復帰する。前記ステッ
プS217では、前記蛇行指数HS が前記大程度蛇行発
生しきい値HSL以上であるか否かを判別し、そうである
場合はステップS218に移行し、そうでない場合はメ
インルーチンに復帰する。
【0062】前記ステップS218では、前記ステップ
S217により大程度の蛇行が発生すると判断されたと
して、現在出側通板速度VSNに対して第1の大程度の減
速率を設定してメインルーチンに復帰してサブルーチン
を終了する。次にメインルーチンではステップS22に
移行して、前記通板速度条件信号及びプロセスデータか
ら各コイルの溶接所要時間情報,目標出側板温TSO,入
側ルーパ量,入側通板速度,現在加熱炉内通板速度VSN
を読込み、これらの条件を設定条件として予め記憶され
ている記憶テーブルを参照して入側トラブル指数HI
算出する。
【0063】次にステップS23に移行して前記入側ト
ラブル指数HI の大きさに合わせた第2の減速率条件を
設定する。このステップS23では、図7に示すサブル
ーチンのプログラムが実行され、このプログラムではま
ずステップS231において、前記入側トラブル指数H
Iが入側トラブル発生予測値HIOとそれよりも大きい値
の小程度入側トラブル発生しきい値HILとの間にあるか
否かを判別し、そうである場合はステップS232に移
行し、そうでない場合はステップS233に移行する。
【0064】前記ステップS232では、前記ステップ
S231により入側トラブルが発生する可能性があると
判断されたとして、現在出側通板速度VSNに対して第2
の加速不可条件を設定してメインルーチンに復帰する。
前記ステップS233では、前記入側トラブル指数HI
が前記小程度入側トラブル発生しきい値HILとそれより
も大きい値の中程度入側トラブル発生しきい値HIMとの
間にあるか否かを判別し、そうである場合はステップS
234に移行し、そうでない場合はステップS235に
移行する。
【0065】前記ステップS234では、前記ステップ
S233により小程度の入側トラブルが発生すると判断
されたとして、現在出側通板速度VSNに対して第2の小
程度の減速率を設定してメインルーチンに復帰する。前
記ステップS235では、前記入側トラブル指数HI
前記中程度入側トラブル発生しきい値HIMとそれよりも
大きい値の大程度入側トラブル発生しきい値HIUとの間
にあるか否かを判別し、そうである場合はステップS2
36に移行し、そうでない場合はステップS237に移
行する。
【0066】前記ステップS236では、前記ステップ
S235により中程度の入側トラブルが発生すると判断
されたとして、現在出側通板速度VSNに対して第2の中
程度の減速率を設定してメインルーチンに復帰する。前
記ステップS237では、前記入側トラブル指数HI
前記大程度入側トラブル発生しきい値HIL以上であるか
否かを判別し、そうである場合はステップS238に移
行し、そうでない場合はメインルーチンに復帰する。
【0067】前記ステップS238では、前記ステップ
S237により大程度の入側トラブルが発生すると判断
されたとして、現在出側通板速度VSNに対して第2の大
程度の減速率を設定してメインルーチンに復帰してサブ
ルーチンを終了する。次にメインルーチンではステップ
S24に移行して、前記通板速度条件信号及びプロセス
データから目標出側板温TSO,出側ルーパ量,出側通板
速度,現在加熱炉内通板速度VSNを読込み、これらの条
件を設定条件として予め記憶されている記憶テーブルを
参照して出側トラブル指数HO を算出する。
【0068】次にステップS23に移行して前記出側ト
ラブル指数HO の大きさに合わせた第2の減速率条件を
設定する。このステップS23では、図8に示すサブル
ーチンのプログラムが実行され、このプログラムではま
ずステップS251において、前記出側トラブル指数H
Oが出側トラブル発生予測値HOOとそれよりも大きい値
の小程度出側トラブル発生しきい値HOLとの間にあるか
否かを判別し、そうである場合はステップS252に移
行し、そうでない場合はステップS253に移行する。
【0069】前記ステップS252では、前記ステップ
S251により出側トラブルが発生する可能性があると
判断されたとして、現在出側通板速度VSNに対して第3
の加速不可条件を設定してメインルーチンに復帰する。
前記ステップS253では、前記出側トラブル指数HO
が前記小程度出側トラブル発生しきい値HOLとそれより
も大きい値の中程度出側トラブル発生しきい値HOMとの
間にあるか否かを判別し、そうである場合はステップS
254に移行し、そうでない場合はステップS255に
移行する。
【0070】前記ステップS254では、前記ステップ
S253により小程度の出側トラブルが発生すると判断
されたとして、現在出側通板速度VSNに対して第3の小
程度の減速率を設定してメインルーチンに復帰する。前
記ステップS255では、前記出側トラブル指数HO
前記中程度出側トラブル発生しきい値HOMとそれよりも
大きい値の大程度出側トラブル発生しきい値HOUとの間
にあるか否かを判別し、そうである場合はステップS2
56に移行し、そうでない場合はステップS257に移
行する。
【0071】前記ステップS256では、前記ステップ
S255により中程度の出側トラブルが発生すると判断
されたとして、現在出側通板速度VSNに対して第3の中
程度の減速率を設定してメインルーチンに復帰する。前
記ステップS257では、前記出側トラブル指数HO
前記大程度出側トラブル発生しきい値HOL以上であるか
否かを判別し、そうである場合はステップS258に移
行し、そうでない場合はメインルーチンに復帰する。
【0072】前記ステップS258では、前記ステップ
S257により大程度の出側トラブルが発生すると判断
されたとして、現在出側通板速度VSNに対して第3の大
程度の減速率を設定してメインルーチンに復帰してサブ
ルーチンを終了する。次にメインルーチンではステップ
S26に移行して、前記ステップS20,S22,S2
4で設定された減速率条件のうち最も減速率の大きい減
速率条件を選択する。
【0073】次にステップS27に移行して、前記ステ
ップS19で設定された加速率条件に合わせた下限通板
速度VSLを設定する。このステップS27では図9に示
すサブルーチンのプログラムが実行され、このプログラ
ムではまずステップS271において、現在通板速度V
SNに対して減速不可か否かを判別し、そうである場合は
ステップS272に移行し、そうでない場合はステップ
S273に移行する。
【0074】前記ステップS272では、前記ステップ
S271により加速する必要性はないと判断されたとし
て、現在出側通板速度VSNを下限通板速度VSLに設定し
てメインルーチンに復帰する。前記ステップS273で
は、現在通板速度VSNに対する加速率が小程度であるか
否かを判別し、そうである場合はステップS274に移
行し、そうでない場合はステップS275に移行する。
【0075】前記ステップS274では、前記ステップ
S273により所定時間後には小程度の速度増加が必要
であると判断されたとして、現在出側通板速度VSNに対
して小程度速度増加量ΔVS (小)を和した値を下限通
板速度VSLに設定してメインルーチンに復帰する。前記
ステップS275では、現在通板速度VSNに対する加速
率が中程度であるか否かを判別し、そうである場合はス
テップS276に移行し、そうでない場合はステップS
277に移行する。
【0076】前記ステップS276では、前記ステップ
S275により所定時間後には中程度の速度増加が必要
であると判断されたとして、現在出側通板速度VSNに対
して中程度速度増加量ΔVS (中)を和した値を下限通
板速度VSLに設定してメインルーチンに復帰する。前記
ステップS277では、現在通板速度VSNに対する加速
率が大程度であるか否かを判別し、そうである場合はス
テップS278に移行し、そうでない場合はメインルー
チンに復帰する。
【0077】前記ステップS278では、前記ステップ
S277により所定時間後には大程度の速度増加が必要
であると判断されたとして、現在出側通板速度VSNに対
して大程度速度増加量ΔVS (大)を和した値を下限通
板速度VSLに設定してメインルーチンに復帰してサブル
ーチンを終了する。次にメインルーチンではステップS
28に移行して、前記ステップS26で設定された減速
率条件に合わせた上限通板速度VSUを設定する。
【0078】このステップS28では図10に示すサブ
ルーチンのプログラムが実行され、このプログラムでは
まずステップS281において、現在通板速度VSNに対
して加速不可か否かを判別し、そうである場合はステッ
プS282に移行し、そうでない場合はステップS28
3に移行する。前記ステップS282では、前記ステッ
プS281により減速する必要性はないと判断されたと
して、現在出側通板速度VSNを上限通板速度VSUに設定
してメインルーチンに復帰する。
【0079】前記ステップS283では、現在通板速度
SNに対する減速率が小程度であるか否かを判別し、そ
うである場合はステップS284に移行し、そうでない
場合はステップS285に移行する。前記ステップS2
84では、前記ステップS283により所定時間後には
小程度の速度減少が必要であると判断されたとして、現
在出側通板速度VSNに対して小程度速度減少量ΔV
S (小)を除した値を上限通板速度VSUに設定してメイ
ンルーチンに復帰する。
【0080】前記ステップS285では、現在通板速度
SNに対する減速率が中程度であるか否かを判別し、そ
うである場合はステップS286に移行し、そうでない
場合はステップS287に移行する。前記ステップS2
86では、前記ステップS285により所定時間後には
中程度の速度減少が必要であると判断されたとして、現
在出側通板速度VSNに対して中程度速度減少量ΔV
S (中)を除した値を上限通板速度VSUに設定してメイ
ンルーチンに復帰する。
【0081】前記ステップS287では、現在通板速度
SNに対する減速率が大程度であるか否かを判別し、そ
うである場合はステップS288に移行し、そうでない
場合はメインルーチンに復帰する。前記ステップS28
8では、前記ステップS287により所定時間後には大
程度の速度減少が必要であると判断されたとして、現在
出側通板速度VSNに対して大程度速度減少量ΔV
S (大)を除した値を上限通板速度VSUに設定してメイ
ンルーチンに復帰してサブルーチンを終了する。
【0082】次にメインルーチンではステップS29に
移行して上限通板速度VSU又は下限通板速度VSLのうち
何れか一方だけの設定変更が行われた場合には炉温修正
信号を炉温制御装置23に向けて出力する。このステッ
プS29では図11に示すサブルーチンのプログラムが
実行され、このプログラムではまずステップS291に
おいて、上限通板速度VSUの設定変更だけがなされたか
否かを判別し、そうである場合はステップS292に移
行し、そうでない場合はステップS293に移行する。
【0083】前記ステップS292では、前記ステップ
S291において今後通板速度VSは加速すると判断さ
れたとして、設定炉温TFOを上昇する炉温修正信号を前
記炉温制御装置23に向けて出力する。前記ステップS
293では、下限通板速度VSLの設定変更だけがなされ
たか否かを判別し、そうである場合はステップS294
に移行し、そうでない場合はメインルーチンに復帰す
る。
【0084】前記ステップS294では、前記ステップ
S293において今後通板速度VSは減速すると判断さ
れたとして、設定炉温TFOを下降する炉温修正信号を前
記炉温制御装置23に向けて出力し、メインルーチンに
復帰してサブルーチンを終了する。次にメインルーチン
ではステップS30に移行して、前述のようにして設定
変更された上限通板速度VSUが下限通板速度VSLより小
さいか否かを判別し、そうである場合にはステップS3
1に移行し、そうでない場合にはステップS32に移行
する。
【0085】前記ステップS31では、前記ステップS
30において設定変更された上限通板速度VSUが下限通
板速度VSLより小さいことから通板速度の変更幅はない
と判断されたとして、現在通板速度VSNを修正通板速度
S に決定し、出力してプログラムを終了する。これに
対して前記ステップS32では、前記ステップS30に
おいて上限通板速度VSUと下限通板速度VSLとの間に通
板速度の変更幅があると判断されたとして、下記2式を
演算することにより、前記変更幅内に前記板温目標修正
通板速度VSTが存在する場合はこの板温目標修正通板速
度VSTを修正通板速度VS に決定し、該板温目標修正通
板速度VSTが存在しない場合は上限通板速度VSUを修正
通板速度VS に決定し、出力する。
【0086】 VS =Max.(VSL,min.(VST,VSU) ……… (2) この図4に示すプログラムによる本発明の連続焼鈍炉の
板温制御方法について図14に示す前述した好適な実施
例を用いて詳述する。なお、この実施例でも前記作用の
説明と同様に各コイルの目標通板速度VSOは一定速度に
なるように制御した。また、通板速度の修正制御によっ
て目標出側板温到達時刻は初期の設定時刻よりも前後す
るため、実際の制御装置並びに炉温設定器22及び通板
速度設定器24ではこの目標出側板温到達時刻の変動を
常時修正するが、ここでは簡単のために目標出側板温到
達時刻tO は変動しないものとして説明を進める。一
方、この実施例では前記作用の説明と異なり、制御の順
に経時的に時刻に添字を付与する。また、この実施例で
は加熱炉内をコイルの移送方向にゾーン分けし、夫々の
ゾーンへの燃焼ガスの流量を制御することにより、炉温
設定替タイミングに対する実績炉温の応答時間は変えら
れないが、時間に対する実績炉温の変化率を制御するこ
とができるようにしてある。
【0087】まず、加熱炉内の通板状態について説明す
る。時刻t5 までの間にコイルAが加熱炉内を通過し、
時刻t3 〜t9 までの間にコイルBが加熱炉内を通過
し、時刻t4 〜t11までの間にコイルCが加熱炉内を通
過し、時刻t9 〜t12までの間にコイルDが加熱炉内を
通過し、時刻t10以降にコイルEが加熱炉内を通過す
る。従って、各コイルの通過終了時刻までの間に、後行
コイルの目標出側板温を達成する設定炉温に到達してい
なければならない。
【0088】またコイルAの目標出側板温TSOA は現在
実績出側板温TSNであり、以下コイルBの目標出側板温
はTSOB ,コイルCの目標出側板温はTSOC ,コイルD
の目標出側板温はTSOD ,コイルEの目標出側板温はT
SOE であり、コイルBの目標出側板温TSOB は現在実績
出側板温TSNより高く、コイルCの目標出側板温TSO C
は前記目標出側板温TSOB より高く、コイルDの目標出
側板温TSOD は前記目標出側板温TSOC より高く、コイ
ルEの目標出側板温TSOE は前記目標出側板温TSOD
りも低く設定されている。なお、コイルAの上限出側板
温はTSUA ,下限出側板温はTSLA 、コイルBの上限出
側板温はTSUB ,下限出側板温はTSLB、コイルCの上
限出側板温はTSUC ,下限出側板温はTSLC 、コイルD
の上限出側板温はTSUD ,下限出側板温はTSLD 、コイ
ルEの上限出側板温はTSUE ,下限出側板温はTSLE
ある。
【0089】これらの目標出側板温TSOを達成するため
の設定炉温TFOA 、上限出側板温T SUになる上限設定炉
温TFU、下限出側板温TSLになる下限設定炉温TFLを前
記ステップS5までで算出するが、このうち下限設定炉
温TFLについては簡単のために説明を削除する。このよ
うにして算出されたコイルAの目標出側板温TSOA (現
在実績出側板温TSN)を達成するための設定炉温はT
FOA (現在実績炉温TSN)、上限出側板温TSUA になる
上限設定炉温はTFUA 、コイルBの目標出側板温TSOB
を達成するための設定炉温はTFOB 、上限出側板温T
SUB になる上限設定炉温はTFUB 、コイルCの目標出側
板温TSOC を達成するための設定炉温はTFO C 、上限出
側板温TSUC になる上限設定炉温はTFUC 、コイルDの
目標出側板温TSOD を達成するための設定炉温は
FOD 、上限出側板温TSUD になる上限設定炉温はT
FUD 、コイルEの目標出側板温TSOE を達成するための
設定炉温はTFO E 、上限出側板温TSUE になる上限設定
炉温はTFUE である。
【0090】次にステップS6においては炉温設定替タ
イミングが算出される。これによれば、時刻t5 でコイ
ルBの目標出側板温TSOB を達成する設定炉温TFOB
到達するためには時刻t2 を炉温設定替タイミングとし
なければならない。また時刻t9 でコイルCの目標出側
板温TSOC を達成する設定炉温TFOC に到達するために
は時刻t3 を炉温設定替タイミングとしなければならな
い。また時刻t14でコイルEの目標出側板温TSOE を達
成する設定炉温TFOE に到達するためには時刻t12を炉
温設定替タイミングとしなければならない。
【0091】ここで、前記ステップS7において、夫々
の後行コイルのための炉温変更中、即ち現在時刻から目
標出側板温到達時刻までの間の加熱炉内のコイル通板状
態について考察する。コイルBのための炉温昇温中、即
ち時刻t2 〜t5 の間の時間にコイルA,コイルB,コ
イルCが加熱炉内を通過或いは加熱炉内に送給される。
従って、この時間内の設定炉温にはそのうち最も高いコ
イルCの設定炉温TFO C が選定される。この選定された
設定炉温TFOC は、通過する各コイルの上限設定炉温T
FUA ,TFUB ,TFUC の何れよりも低いので、目標設定
炉温は該設定炉温TFOC に決定される。そして前記ステ
ップS8において、現在時刻に最も近いコイルBの炉温
設定替タイミングt2 から設定炉温TFOC に炉温の設定
替えが行われ、時刻t5 において該設定炉温TFOC に到
達する。
【0092】同様にして、コイルCのための炉温昇温
中、即ち時刻t3 〜t9 の間の時間にコイルB,コイル
Cが加熱炉内を通過或いは加熱炉内に送給されるが、前
述のように時刻t5 において炉温は設定炉温TFOC に到
達しているので、ここでは時刻t9 まで該設定炉温T
FOC に維持される。一方、コイルDのための炉温昇温
中、即ち時刻t6 〜t11の間の時間にコイルC,コイル
D,コイルEが加熱炉内を通過或いは加熱炉内に送給さ
れる。従って、この時間内の設定炉温にはそのうち最も
高いコイルDの設定炉温TFOD が選定される。この選定
された設定炉温TFOD は、コイルC,コイルEの上限設
定炉温TFUC ,TFUE よりも低いが、コイルBの上限設
定炉温TFUB よりも高い。従って前述した基本プログラ
ムには記載されていないが、このような場合には現在時
刻に最も近いコイルCの炉温設定替タイミングt6 から
設定炉温TFOD に炉温の設定替えが行われたと仮定し
て、炉温の温度勾配にほぼ比例する板温の温度勾配を前
記1式に従って算出し、この温度勾配がコイルBの後端
仮段の出側通過時刻t9 で前記上限設定炉温TFUB を越
えるか否かを判定する。この場合は、算出された仮定温
度勾配TFiが前記出側通過時刻t9 で該上限設定炉温T
FUB を越えないので、炉温設定替タイミングt6 から設
定炉温TFOD に炉温の設定替えが行われる。
【0093】また、コイルEのための炉温降温中、即ち
時刻t12〜t14の間の時間には他のコイルは加熱炉内を
通過或いは加熱炉内に送給されない。従って、この時間
内の設定炉温にはコイルEの設定炉温TFOE が決定さ
れ、前記時刻t12を炉温設定替タイミングとして設定炉
温TFOE に炉温の設定替えが行われる。従って、炉温
は、時刻t1 〜t2 までの間は現在実績炉温TFNに維持
され、時刻t2 〜t5 までの間は決定炉温TFDのように
上昇し、時刻t5 〜t6 までの間は設定炉温TFOC に維
持され、時刻t6 〜t11までの間は仮想炉温TFiのよう
に上昇し、時刻t11〜t12の間は設定炉温TFOD に維持
され、時刻t12〜t14までの間は仮想炉温TFiのように
下降し、時刻t14から設定炉温TFOE に維持されるはず
である。ところが、実際の実績炉温TF は時刻t6 〜t
11までの間に仮想炉温TFiより上昇して時刻t9 で設定
炉温TFOD に到達してしまおうとし、また時刻t12〜t
14までの間にも仮想炉温TFiより上昇しようとした。こ
れに合わせて出側板温特性に仮想線で示す仮想出側板温
Siのように変化することが予想された。
【0094】しかしながら、前記通板速度設定器24で
はこの実績炉温TF を常時監視し、それに合わせて通板
速度の制御がほぼリアルタイムに行われた。即ち、前記
ステップS9〜S17においては現在実績炉温TF に対
して、夫々のコイルの目標出側板温TSOを満足するよう
に修正通板速度(通板速度特性図では板温目標通板速
度)VS の設定がなされる。即ち、時刻t1 〜t2 まで
の間は現在実績通板速度VSN(目標通板速度VSO)に維
持し、時刻t2 〜t4 までの間は該時刻t4 で修正通板
速度VSAに到達するように仮想通板速度VSDの如く加速
し、該時刻t4 を通板速度設定替タイミングとして時刻
5 までの間は該時刻t5 で修正通板速度VSBO に到達
するように減速し、時刻t5 〜t6 までの間は該修正通
板速度VSB O に維持し、時刻t6 〜t8 までの間は該時
刻t8 で修正通板速度VSBに到達するように仮想通板速
度VSDの如く加速し、該時刻t8 を通板速度設定替タイ
ミングとして時刻t9 までの間は該時刻t9 で修正通板
速度VSCに到達するように仮想通板速度VSDの如く減速
し、時刻t9 〜t10までの間は該修正通板速度VSCに維
持し、該時刻t10を通板速度設定替タイミングとして時
刻t11までの間は該時刻t11で目標通板速度VSOに到達
するように減速し、時刻t11〜t12までの間は該目標通
板速度VSOに維持し、該時刻t12を通板速度設定替タイ
ミングとして時刻t13までの間は該時刻t13で修正通板
速度VSEに到達するように加速し、時刻t13〜t14まで
の間は該時刻t14目標正通板速度VSOに到達するように
減速する設定がなされた。
【0095】しかしながら、前記ステップS18〜S3
2においては操業安定性及び品質安定性の判断基準とな
る物理的及び機械的諸条件から通板速度の変更条件並び
に変更可否条件が設定され、その結果、前記時刻t2
4 間の修正通板速度VS の最大加速率は通板速度特性
図に示す傾きαSAに決定され、時刻t7 〜t9 間の修正
通板速度VS は前記修正通板速度VSCに決定された。
【0096】この修正通板速度VS の決定に伴って前記
ステップS29では、前記時刻t2〜t4 間に修正炉温
(炉温特性図では実績炉温)TF を達成する炉温修正信
号が送出され、前記時刻t7 〜t9 間に修正炉温TF
達成する炉温修正信号が送出され、それに基づいて炉温
は実績炉温TF のように変化した。この制御によって時
刻t2 〜t5 までの間は修正通板速度TSOB の設定替え
に伴う目標出側板温到達遅れ時間を除く実績出側板温T
S の目標出側板温TSOC 分の余剰熱量がほぼ削除され、
時刻t5 〜t6 までの間は実績出側板温TS の目標出側
板温TSOC 分の余剰熱量が削除され、時刻t6 〜t9
での間は修正通板速度TSOC の設定替えに伴う目標出側
板温到達遅れ時間を除く実績出側板温TS の目標出側板
温TSOD 分の余剰熱量がほぼ削除され、時刻t9 〜t11
までの間は実績出側板温TS の目標出側板温TSOD 分の
余剰熱量が削除され、時刻t12〜t14までの間は修正通
板速度TSOE の設定替えに伴う目標出側板温到達遅れ時
間を除く実績出側板温TS の目標出側板温TSOD 分の余
剰熱量が削除される。なお、余剰熱量を完全に削除でき
ない時間帯は前記炉温修正信号に対する修正炉温の応答
遅れのためである。
【0097】このように制御することにより、実績出側
板温TS を目標出側板温TSOの許容範囲内にリアルタイ
ムに制御することが可能となり、実績出側板温TS に付
与される余剰のエネルギを削除したり、不足のエネルギ
を補充したりすることも可能となる。しかも、実績炉温
F と目標出側板温TSOとだけから通板速度VS を制御
した場合には回避できない品質安定性や操業安定性を損
なうこともなく、従って従来必要としていたオペレータ
の判断による通板速度制御を完全に自動化することも可
能となる。
【0098】この実施例では、このように実績出側板温
S に付与される余剰のエネルギを削除することも同時
に制御するようにしたため、実績通板速度VS は比較的
大きく変動するが、勿論、本発明では設定炉温TFOに対
する実績炉温TF の変動量だけを補うように通板速度を
修正制御してもよい。この場合、前記図5に示すような
仮想炉温TFiに対する実績炉温TF の偏差は前記1式の
ような物理的モデル式の物理的パラメータを修正するこ
とにより次第に減少するため、目標通板速度V SOで目標
出側板温TSOを達成する操業を安定して行うこともでき
る。
【0099】また、この実施例では現在状態を検出する
センサ類を各々一つずつ設置したが、これらのセンサ類
は必要に応じて幾つ設けてもよい。
【0100】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の連続焼鈍
炉の板温制御方法によれば、連続焼鈍の安定操業と安定
品質とから生じる予め設定された物理的条件及び機械的
条件を設定し、これらの諸条件から通板速度の変更条件
並びに変更の可否条件と通板速度の上下限値を算出し、
前記通板速度の変更条件並びに変更の可否条件が算出さ
れた場合はそれらの条件に従って通板速度を前記上下限
値内で制御し、前記通板速度の変更条件並びに変更の可
否条件が算出されない場合は前記出側板温を目標出側板
温の許容範囲内にする通板速度を制御することにより、
実際の連続焼鈍操業において優先されるオペレータの判
断を自動で行うことができ、そうでない場合には最適な
目標出側板温とそれを満足するための通板速度とを得る
ことができるので、操業の安定性と品質の安定性とをよ
り経済的に両立させることができ、同時に少なくとも板
温制御における通板速度制御を完全に無人化することも
可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の連続焼鈍炉の板温制御方法を実施化し
た連続焼鈍設備の一例を示す概略構成図である。
【図2】図1の連続焼鈍設備で行われる基本処理プログ
ラムのうち炉温設定を示すフローチャート図である。
【図3】図1の連続焼鈍設備で行われる基本処理プログ
ラムのうち板温目標の通板速度設定を示すフローチャー
ト図である。
【図4】図1の連続焼鈍設備で行われる基本処理プログ
ラムのうち通板速度の変更条件設定を示すフローチャー
ト図である。
【図5】図4の基本処理プログラムのうち加速率条件を
設定するためのサブルーチンを示すフローチャート図で
ある。
【図6】図4の基本処理プログラムのうち第1の減速率
条件を設定するためのサブルーチンを示すフローチャー
ト図である。
【図7】図4の基本処理プログラムのうち第2の減速率
条件を設定するためのサブルーチンを示すフローチャー
ト図である。
【図8】図4の基本処理プログラムのうち第3の減速率
条件を設定するためのサブルーチンを示すフローチャー
ト図である。
【図9】図4の基本処理プログラムのうち下限通板速度
を設定するためのサブルーチンを示すフローチャート図
である。
【図10】図4の基本処理プログラムのうち上限通板速
度を設定するためのサブルーチンを示すフローチャート
図である。
【図11】図4の基本処理プログラムのうち炉温修正信
号を出力するためのサブルーチンを示すフローチャート
図である。
【図12】図2の基本処理プログラムにより後行板の目
標出側板温を高く制御した場合の作用を示す炉温特性−
出側板温特性−通板速度特性の相関関係図である。
【図13】図2の基本処理プログラムにより後行板の目
標出側板温を低く制御した場合の作用を示す炉温特性−
出側板温特性−通板速度特性の相関関係図である。
【図14】図1の連続焼鈍設備によって行われた出側板
温制御の一実施例を示す炉温特性−出側板温特性−通板
速度特性の相関関係図である。
【符号の説明】
1はストリップ 2a,2bは払出しリール 3は溶接機 4は入側ルーパ 5は加熱炉 6は出側ルーパ 7は切断機 8a,8bは巻取りリール 9は流量弁 10は入側通板速度計 11は入側蛇行量計 12は入側ルーパ量計 13は加熱炉内蛇行量計 14は実績炉温計 15はロール温度計 16は出側板温計 17は加熱炉内通板速度計 18は出側ルーパ量計 19は出側通板速度計 21はストリップ条件設定器 22は炉温設定器 23は炉温制御装置 24は通板速度設定器 25は通板速度制御装置 26は学習制御器

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 板厚、板幅或いは加熱炉の出側での目標
    出側板温が異なる鋼帯を、加熱炉に連続的に通板して連
    続焼鈍を行う連続焼鈍炉にあって、予め設定された炉温
    にて加熱炉を制御すると共に、前記出側板温が目標出側
    板温の許容範囲内になるように通板速度を制御する連続
    焼鈍炉の板温制御方法において、連続焼鈍の安定操業と
    安定品質とから生じる予め設定された物理的条件及び機
    械的条件とから通板速度の変更条件並びに変更の可否条
    件と通板速度の上下限値を算出し、前記通板速度の変更
    条件並びに変更の可否条件が算出された場合はそれらの
    条件に従って通板速度を前記上下限値内で制御し、前記
    通板速度の変更条件並びに変更の可否条件が算出されな
    い場合は前記出側板温を目標出側板温の許容範囲内にす
    る通板速度を制御することを特徴とする連続焼鈍炉の板
    温制御方法。
  2. 【請求項2】 前記通板速度の変更条件並びに変更の可
    否条件が算出されない場合にも、前記通板速度の上下限
    値が算出された場合には、前記出側板温を目標出側板温
    の許容範囲内にする通板速度を前記上下限値内で制御す
    ることを特徴とする請求項1に記載に連続焼鈍炉の板温
    制御方法。
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