JPH05213783A - 4,4′−ジイソプロピルビフェニルの製造方法 - Google Patents
4,4′−ジイソプロピルビフェニルの製造方法Info
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- JPH05213783A JPH05213783A JP2413596A JP41359690A JPH05213783A JP H05213783 A JPH05213783 A JP H05213783A JP 2413596 A JP2413596 A JP 2413596A JP 41359690 A JP41359690 A JP 41359690A JP H05213783 A JPH05213783 A JP H05213783A
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- JP
- Japan
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- biphenyl
- reaction
- diisopropylbiphenyl
- catalyst
- hydrated
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
- Y02P20/52—Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts
Landscapes
- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】ビフェニルから4,4′−ジイソプロピルビフ
ェニルを製造さるに際し、触媒被毒を払剥しつつ、高い
p−位選択性で且つ高収率でジイソプロピルビフェニル
を得る。 【構成】SiO2/Al2O3のモル比が15以上であ
る水和モルデナイト型ゼオライト触媒の存在下且つ水の
存在下に、ビフェニルまたはビフェニルとイソプロピル
ビフェニルとの混合物とプロピレンとを反応させる。
ェニルを製造さるに際し、触媒被毒を払剥しつつ、高い
p−位選択性で且つ高収率でジイソプロピルビフェニル
を得る。 【構成】SiO2/Al2O3のモル比が15以上であ
る水和モルデナイト型ゼオライト触媒の存在下且つ水の
存在下に、ビフェニルまたはビフェニルとイソプロピル
ビフェニルとの混合物とプロピレンとを反応させる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、4,4′−ジイソプロ
ピルビフェニルの製造方法に関する。
ピルビフェニルの製造方法に関する。
【0002】なお、本明細書において、“%”および
“ppm”とあるのは、それぞれ“重量%”および“重
量ppm”を意味する。
“ppm”とあるのは、それぞれ“重量%”および“重
量ppm”を意味する。
【0003】
【従来技術とその問題点】アルキル基を有するビフェニ
ル化合物は、ポリマー原料;医薬、農薬などの中間体;
液晶ポリマーの原料などとして有用である。特に、4,
4′−位をアルキル基で置換されたビフェニルは、耐熱
性ポリマー、液晶ポリマーなどの原料として極めて付加
価値の高いものである。
ル化合物は、ポリマー原料;医薬、農薬などの中間体;
液晶ポリマーの原料などとして有用である。特に、4,
4′−位をアルキル基で置換されたビフェニルは、耐熱
性ポリマー、液晶ポリマーなどの原料として極めて付加
価値の高いものである。
【0004】特開昭63−122636号公報および特
開平1−165531号公報は、モルデナイト型ゼオラ
イト触媒が、ビフェニルのp−位のアルキル化選択性に
優れた効果を発揮することを開示している。これらの公
報に開示された方法では、不純物含有量の低いベンゼン
を二量化して合成したビフェニルを出発原料としてお
り、全窒素含有量は、5ppm以下と極めて少ない。し
かしながら、市販の高純度ビフェニル中の全硫黄量は、
少なくとも5ppmで、多い場合には50ppmにも達
している。この様な硫黄化合物は、ビフェニルと沸点が
近接するベンゾチオフェン類などの硫黄複素環を有する
芳香族化合物であるため、これら硫黄系不純物をより高
度に精製除去することは、実質上不可能である。上記の
公開公報記載の方法においては、バッチ式反応形式が採
用されているが、本発明者の研究によれば、この場合に
は、硫黄系不純物が触媒に吸着されることが判明した。
換言すれば、工業的な規模で連続流通形式により反応を
行なわせるためには、実用的な触媒寿命の延長をはかる
べく、前処理工程として原料ビフェニルの徹底的な脱硫
黄処理を行なう必要がある。また、上記の公開公報記載
の方法を連続流通形式で行なう場合には、使用する触媒
上に原料ビフェニル中の硫黄が次第に蓄積して、急速に
触媒活性を失わせることを意味する。
開平1−165531号公報は、モルデナイト型ゼオラ
イト触媒が、ビフェニルのp−位のアルキル化選択性に
優れた効果を発揮することを開示している。これらの公
報に開示された方法では、不純物含有量の低いベンゼン
を二量化して合成したビフェニルを出発原料としてお
り、全窒素含有量は、5ppm以下と極めて少ない。し
かしながら、市販の高純度ビフェニル中の全硫黄量は、
少なくとも5ppmで、多い場合には50ppmにも達
している。この様な硫黄化合物は、ビフェニルと沸点が
近接するベンゾチオフェン類などの硫黄複素環を有する
芳香族化合物であるため、これら硫黄系不純物をより高
度に精製除去することは、実質上不可能である。上記の
公開公報記載の方法においては、バッチ式反応形式が採
用されているが、本発明者の研究によれば、この場合に
は、硫黄系不純物が触媒に吸着されることが判明した。
換言すれば、工業的な規模で連続流通形式により反応を
行なわせるためには、実用的な触媒寿命の延長をはかる
べく、前処理工程として原料ビフェニルの徹底的な脱硫
黄処理を行なう必要がある。また、上記の公開公報記載
の方法を連続流通形式で行なう場合には、使用する触媒
上に原料ビフェニル中の硫黄が次第に蓄積して、急速に
触媒活性を失わせることを意味する。
【0005】特に、今後工業原料用のビフェニルとして
は、タールの蒸留により得られるものが使用されるよう
になるものと推測されるが、この様なタールに由来する
ビフェニルには、ベンソチオフェン類などの硫黄化合物
が多量に含まれている。この様なタール由来のビフェニ
ルを高度に精製することは、極めて困難であり、従っ
て、この様な硫黄系不純物含有量の多いビフェニルを
4,4′−ジイソプロピルビフェニルの製造原料として
使用することは、実際上不可能である。
は、タールの蒸留により得られるものが使用されるよう
になるものと推測されるが、この様なタールに由来する
ビフェニルには、ベンソチオフェン類などの硫黄化合物
が多量に含まれている。この様なタール由来のビフェニ
ルを高度に精製することは、極めて困難であり、従っ
て、この様な硫黄系不純物含有量の多いビフェニルを
4,4′−ジイソプロピルビフェニルの製造原料として
使用することは、実際上不可能である。
【0006】
【問題点を解決するための手段】本発明者は、ビフェニ
ルからの4,4′−ジイソプロピルビフェニルの製造に
際しての上記の如き触媒の被毒という重大な問題点に鑑
みて種々研究を重ねた結果、ビフェニルとプロピレンと
を原料とし、SiO2/Al2O3が特定モル比以上で
ある高シリカ系の水和H−モルデナイト型ゼオライトま
たはこれをPtイオンにより置換した水和モルデナイト
型ゼオライトを触媒として使用するとともに、水の存在
下に反応を行なう場合には、触媒被毒を抑制しつつ、高
いp−位選択性で且つ高収率でジイソプロピルビフェニ
ルが得られることを見出した。
ルからの4,4′−ジイソプロピルビフェニルの製造に
際しての上記の如き触媒の被毒という重大な問題点に鑑
みて種々研究を重ねた結果、ビフェニルとプロピレンと
を原料とし、SiO2/Al2O3が特定モル比以上で
ある高シリカ系の水和H−モルデナイト型ゼオライトま
たはこれをPtイオンにより置換した水和モルデナイト
型ゼオライトを触媒として使用するとともに、水の存在
下に反応を行なう場合には、触媒被毒を抑制しつつ、高
いp−位選択性で且つ高収率でジイソプロピルビフェニ
ルが得られることを見出した。
【0007】すなわち、本発明は、下記の方法を提供す
るものである:「SiO2/Al2O3のモル比が15
以上である水和H型モルデナイトゼオライト触媒または
H型モルデナイトゼオライト触媒をPtによりイオン交
換を行なった水和モルデナイトゼオライト触媒の存在下
且つ水の存在下に、硫黄含有量1%以下のビフェニルま
たはビフェニルとイソプロピルビフェニルとの混合物と
プロピレンとを反応させることを特徴とする4,4′−
ジイソプロピルビフェニルの製造方法。」 本発明で使用する出発原料は、ビフェニルまたはイソプ
ロピルビフェニルを含有するビフェニルが挙げられる。
後者の混合物は、主として反応系から蒸留で分離された
未反応物である。出発原料中の全硫黄化合物の含有量
は、最大限1%まで許容されるが、5000ppm以下
であることがより好ましい。
るものである:「SiO2/Al2O3のモル比が15
以上である水和H型モルデナイトゼオライト触媒または
H型モルデナイトゼオライト触媒をPtによりイオン交
換を行なった水和モルデナイトゼオライト触媒の存在下
且つ水の存在下に、硫黄含有量1%以下のビフェニルま
たはビフェニルとイソプロピルビフェニルとの混合物と
プロピレンとを反応させることを特徴とする4,4′−
ジイソプロピルビフェニルの製造方法。」 本発明で使用する出発原料は、ビフェニルまたはイソプ
ロピルビフェニルを含有するビフェニルが挙げられる。
後者の混合物は、主として反応系から蒸留で分離された
未反応物である。出発原料中の全硫黄化合物の含有量
は、最大限1%まで許容されるが、5000ppm以下
であることがより好ましい。
【0008】イソプロピル化剤としては、プロピレンを
使用する。
使用する。
【0009】本発明方法では、SiO2/Al2O3の
モル比が15以上である水和モルデナイト型ゼオライト
触媒を使用することを必須とする。触媒中のSiO2/
Al2O3のモル比の上限は、特に限定されるものでは
ないが、250程度であることがより好ましい。触媒と
しては、水和したH−モルデナイト型ゼオライト触媒の
みならず、Ptによりイオン交換を行なったものも使用
することができる。これらの中では、水和Pt−モルデ
ナイト型ゼオライト触媒が、水和H−モルデナイト型ゼ
オライト触媒に比して、より低温で(約100℃程度低
い温度で)再生を行なうことができるので、より好まし
い。
モル比が15以上である水和モルデナイト型ゼオライト
触媒を使用することを必須とする。触媒中のSiO2/
Al2O3のモル比の上限は、特に限定されるものでは
ないが、250程度であることがより好ましい。触媒と
しては、水和したH−モルデナイト型ゼオライト触媒の
みならず、Ptによりイオン交換を行なったものも使用
することができる。これらの中では、水和Pt−モルデ
ナイト型ゼオライト触媒が、水和H−モルデナイト型ゼ
オライト触媒に比して、より低温で(約100℃程度低
い温度で)再生を行なうことができるので、より好まし
い。
【0010】本発明においては、水の存在下に反応を行
なうことを必須とする。水の不存在下に反応を行なう場
合には、所望の効果が達成されない。これは、水が存在
しない場合には、水和した触媒から水和水が失われて、
触媒構造乃至触媒特性が変化することに起因するものと
推察される。
なうことを必須とする。水の不存在下に反応を行なう場
合には、所望の効果が達成されない。これは、水が存在
しない場合には、水和した触媒から水和水が失われて、
触媒構造乃至触媒特性が変化することに起因するものと
推察される。
【0011】反応に際して、希釈用溶媒を使用すること
は必須ではないが、溶媒として、n−デカン、n−ウン
デカン、n−ドデカンなどの直鎖飽和炭化水素化合物、
デカリン、ビシクロヘキシルなどの飽和脂環式炭化水素
化合物などを使用してもよい。
は必須ではないが、溶媒として、n−デカン、n−ウン
デカン、n−ドデカンなどの直鎖飽和炭化水素化合物、
デカリン、ビシクロヘキシルなどの飽和脂環式炭化水素
化合物などを使用してもよい。
【0012】本発明方法は、SiO2/Al2O3のモ
ル比が15以上である水和H−モルデナイト型ゼオライ
ト触媒もしくはPtによりイオン交換を行なった水和H
−モルデナイト型ゼオライト触媒の存在下且つ水の存在
下に、溶媒を使用しもしくは使用すること無く、ビフェ
ニルとプロピレンまたはビフェニルとイソプロピルビフ
ェニルの混合物とプロピレンとを反応させる。反応は、
特に限定されるものではないが、通常ビフェニルまたは
ビフェニルとイソプロピルビフェニルとの混合物1モル
に対しプロピレン1〜20モル程度、および触媒の1〜
10倍量程度の添加剤を使用し、温度150〜350℃
程度(より好ましくは175〜250℃程度)、圧力常
圧乃至100kg/cm2程度(より好ましくは3〜5
0kg/cm2程度)の条件下に行なう。触媒の使用量
も、特に限定されるものではないが、通常ビフェニルま
たはビフェニルとイソプロピルビフェニルとの混合物の
重量の0.1〜2倍量程度である。
ル比が15以上である水和H−モルデナイト型ゼオライ
ト触媒もしくはPtによりイオン交換を行なった水和H
−モルデナイト型ゼオライト触媒の存在下且つ水の存在
下に、溶媒を使用しもしくは使用すること無く、ビフェ
ニルとプロピレンまたはビフェニルとイソプロピルビフ
ェニルの混合物とプロピレンとを反応させる。反応は、
特に限定されるものではないが、通常ビフェニルまたは
ビフェニルとイソプロピルビフェニルとの混合物1モル
に対しプロピレン1〜20モル程度、および触媒の1〜
10倍量程度の添加剤を使用し、温度150〜350℃
程度(より好ましくは175〜250℃程度)、圧力常
圧乃至100kg/cm2程度(より好ましくは3〜5
0kg/cm2程度)の条件下に行なう。触媒の使用量
も、特に限定されるものではないが、通常ビフェニルま
たはビフェニルとイソプロピルビフェニルとの混合物の
重量の0.1〜2倍量程度である。
【0013】反応方式は、バッチ式および連続式のいず
れであっても良い。連続反応方式を採用する場合には、
固定床、流動層、スラリー層、移動層などのいかなる方
式であっても良い。
れであっても良い。連続反応方式を採用する場合には、
固定床、流動層、スラリー層、移動層などのいかなる方
式であっても良い。
【0014】本発明方法終了後の生成物中には、未反応
原料、触媒、溶媒、モノ−およびジイソプロピルビフェ
ニルなどが混在している。触媒などの固形分は、濾過
法、沈降法などの公知の固液分離法により、容易に除去
される。次いで、液状物を蒸留して、ジイソプロピルビ
フェニル類を未反応のビフェニル、モノイソプロピルビ
フェニル、溶媒などから分離する。分離されたジイソプ
ロピルビフェニル中には、4,4′−ジイソプロピルビ
フェニル以外の異性体が存在する。4,4′−ジイソプ
ロピルビフェニルの分離は、種々の方法により行うこと
が出来るが、高圧下に4,4′−ジイソプロピルビフェ
ニルを選択的に結晶として析出させる方法が最も好まし
い。この方法によれば、上記の様にして分離されたジイ
ソプロピルビフェニルを25〜120℃程度(好ましく
は40〜80℃程度)の温度で且つ100〜4000k
g/cm2程度の圧力で(好ましくは500〜1500
kg/cm2程度の圧力で、さらに好ましくは800〜
1200kg/cm2程度の圧力で)固液共存状態とし
た後、減圧しつつ液体を除去することにより、4,4′
−ジイソプロピルビフェニルを高純度で得ることができ
る。
原料、触媒、溶媒、モノ−およびジイソプロピルビフェ
ニルなどが混在している。触媒などの固形分は、濾過
法、沈降法などの公知の固液分離法により、容易に除去
される。次いで、液状物を蒸留して、ジイソプロピルビ
フェニル類を未反応のビフェニル、モノイソプロピルビ
フェニル、溶媒などから分離する。分離されたジイソプ
ロピルビフェニル中には、4,4′−ジイソプロピルビ
フェニル以外の異性体が存在する。4,4′−ジイソプ
ロピルビフェニルの分離は、種々の方法により行うこと
が出来るが、高圧下に4,4′−ジイソプロピルビフェ
ニルを選択的に結晶として析出させる方法が最も好まし
い。この方法によれば、上記の様にして分離されたジイ
ソプロピルビフェニルを25〜120℃程度(好ましく
は40〜80℃程度)の温度で且つ100〜4000k
g/cm2程度の圧力で(好ましくは500〜1500
kg/cm2程度の圧力で、さらに好ましくは800〜
1200kg/cm2程度の圧力で)固液共存状態とし
た後、減圧しつつ液体を除去することにより、4,4′
−ジイソプロピルビフェニルを高純度で得ることができ
る。
【0015】
【発明の効果】本発明の特に優れた効果、すなわち高い
p−位選択性および高収率ならびに触媒の耐硫黄被毒性
がもたらされる理由については、未だ十分に解明されて
いない。
p−位選択性および高収率ならびに触媒の耐硫黄被毒性
がもたらされる理由については、未だ十分に解明されて
いない。
【0016】しかしながら、SiO2/Al2O3のモ
ル比が15未満のモルデナイト型ゼオライト触媒を使用
する場合、非水和型モルデナイト型ゼオライト触媒を使
用する場合、本発明で使用する以外のアルキル化剤を使
用する場合、水の非存在下に反応を行なう場合などに
は、本発明の所望の効果が達成されないことは比較例の
結果などからも明確である。
ル比が15未満のモルデナイト型ゼオライト触媒を使用
する場合、非水和型モルデナイト型ゼオライト触媒を使
用する場合、本発明で使用する以外のアルキル化剤を使
用する場合、水の非存在下に反応を行なう場合などに
は、本発明の所望の効果が達成されないことは比較例の
結果などからも明確である。
【0017】より具体的には、前記の特開昭63−12
2636号公報あるいは特開平1−165531号公報
に記載された公知方法に準じて、非水和型のモルデナイ
ト型ゼオライト触媒の存在下に硫黄含有量15ppm程
度のビフェニルとプロピレンとを連続反応装置内で反応
させると、反応開始後100時間内にジイソプロピルビ
フェニルへの転化率は、5%以下に低下する。これに対
し、水和型のモルデナイト型ゼオライト触媒を使用し且
つ反応系に水を存在させる本発明方法によれば、同じ硫
黄含有量のビフェニルを使用する場合にも、反応開始後
1000時間を経過した時点でも、転化率は、なお20
%以上を持続している。
2636号公報あるいは特開平1−165531号公報
に記載された公知方法に準じて、非水和型のモルデナイ
ト型ゼオライト触媒の存在下に硫黄含有量15ppm程
度のビフェニルとプロピレンとを連続反応装置内で反応
させると、反応開始後100時間内にジイソプロピルビ
フェニルへの転化率は、5%以下に低下する。これに対
し、水和型のモルデナイト型ゼオライト触媒を使用し且
つ反応系に水を存在させる本発明方法によれば、同じ硫
黄含有量のビフェニルを使用する場合にも、反応開始後
1000時間を経過した時点でも、転化率は、なお20
%以上を持続している。
【0018】さらに、コールタールを蒸留して得た硫黄
含有量3000ppm程度の原料ビフェニルを使用する
場合には、公知方法では、連続反応は実質上不可能であ
るのに対し、本発明方法では、硫黄含有量15ppm程
度のビフェニルを使用する場合と大差なく、長時間の連
続的操作が可能である。
含有量3000ppm程度の原料ビフェニルを使用する
場合には、公知方法では、連続反応は実質上不可能であ
るのに対し、本発明方法では、硫黄含有量15ppm程
度のビフェニルを使用する場合と大差なく、長時間の連
続的操作が可能である。
【0019】また、反応生成物であるp−位選択性の高
いジイソプロピルビフェニル類を加圧下に処理して4,
4′−ジイソプロピルビフェニルを選択的に析出させる
場合には、従来法では得られなかった超高純度の製品が
得られる。
いジイソプロピルビフェニル類を加圧下に処理して4,
4′−ジイソプロピルビフェニルを選択的に析出させる
場合には、従来法では得られなかった超高純度の製品が
得られる。
【0020】
【実施例】以下に実施例および比較例ならびに参考例を
示し、本発明の特徴とするところをより一層明確にす
る。
示し、本発明の特徴とするところをより一層明確にす
る。
【0021】
【実施例1〜2および比較例1〜4】 <触媒の調製> (イ) 粉末状水素イオン交換モルデナイト型ゼオライ
ト(SiO2/Al2O3のモル比=20、110また
は128のもの)を空気中450℃で5時間加熱して無
水H−モルデナイト型ゼオライトを得た。 (ロ) 粉末状水素イオン交換モルデナイト型ゼオライ
ト(SiO2/Al2O3のモル比=110または12
8のもの)を2%アンモニア水中70〜80℃で4時間
攪拌した後、純水で洗浄し、風乾して、NH4−モルデ
ナイト型ゼオライトを得た。次いで、アンモニア水によ
りpH9〜10に調整した水100部に上記のNH4−
モルデナイト型ゼオライト5部を入れ、該ゼオライトに
対するPtの担持量が0.5%となるように[Pt(N
H3)4]Cl2水溶液を加えた後、室温で一昼夜攪拌
し、水洗し、空気中150℃で3時間乾燥し、さらに空
気中300℃で3時間焼成し、水素ガス気流中450℃
で6時間還元して、無水Pt−モルデナイト型ゼオライ
トを得た。 (ハ) 上記(イ)および(ロ)で得た無水モルデナイ
ト型ゼオライト20gを磁性皿に薄く広げた後、水5m
lを入れた密閉可能な広口のガラス製耐圧容器(内容量
3000ml)に該磁性皿を水平に収容し、密閉した。
次いで、該耐圧容器を110℃に保持した恒温槽内に1
2時間静置した後、12時間放冷することにより、水和
H−モルデナイト型ゼオライト触媒および水和Pt−モ
ルデナイト型ゼオライト触媒を得た。 <イソプロピル化反応>耐圧100kg/cm2・Gで
内容量100mlの回転攪拌機付きのオートクレーブに
硫黄としてベンゾチオフェン40ppmまたは3000
ppmを含有させた高純度ビフェニル10g、デカリン
20mlおよび水和または無水の触媒4gを加え、窒素
ガスで5kg/cm2・Gに加圧した。次いで、オート
クレーブを250℃に加熱し、液化プロピレン20ml
および所定量の水を供給しつつ(実施例)或いは液化プ
ロピレン20mlのみを供給しつつ(比較例)、250
℃で2時間攪拌を継続し、反応させた。
ト(SiO2/Al2O3のモル比=20、110また
は128のもの)を空気中450℃で5時間加熱して無
水H−モルデナイト型ゼオライトを得た。 (ロ) 粉末状水素イオン交換モルデナイト型ゼオライ
ト(SiO2/Al2O3のモル比=110または12
8のもの)を2%アンモニア水中70〜80℃で4時間
攪拌した後、純水で洗浄し、風乾して、NH4−モルデ
ナイト型ゼオライトを得た。次いで、アンモニア水によ
りpH9〜10に調整した水100部に上記のNH4−
モルデナイト型ゼオライト5部を入れ、該ゼオライトに
対するPtの担持量が0.5%となるように[Pt(N
H3)4]Cl2水溶液を加えた後、室温で一昼夜攪拌
し、水洗し、空気中150℃で3時間乾燥し、さらに空
気中300℃で3時間焼成し、水素ガス気流中450℃
で6時間還元して、無水Pt−モルデナイト型ゼオライ
トを得た。 (ハ) 上記(イ)および(ロ)で得た無水モルデナイ
ト型ゼオライト20gを磁性皿に薄く広げた後、水5m
lを入れた密閉可能な広口のガラス製耐圧容器(内容量
3000ml)に該磁性皿を水平に収容し、密閉した。
次いで、該耐圧容器を110℃に保持した恒温槽内に1
2時間静置した後、12時間放冷することにより、水和
H−モルデナイト型ゼオライト触媒および水和Pt−モ
ルデナイト型ゼオライト触媒を得た。 <イソプロピル化反応>耐圧100kg/cm2・Gで
内容量100mlの回転攪拌機付きのオートクレーブに
硫黄としてベンゾチオフェン40ppmまたは3000
ppmを含有させた高純度ビフェニル10g、デカリン
20mlおよび水和または無水の触媒4gを加え、窒素
ガスで5kg/cm2・Gに加圧した。次いで、オート
クレーブを250℃に加熱し、液化プロピレン20ml
および所定量の水を供給しつつ(実施例)或いは液化プ
ロピレン20mlのみを供給しつつ(比較例)、250
℃で2時間攪拌を継続し、反応させた。
【0022】反応終了後、触媒を濾別し、反応液の組成
をガスクロマトグラフィーにより分析し、反応成績を計
算した。
をガスクロマトグラフィーにより分析し、反応成績を計
算した。
【0023】反応条件および反応成績を表1に示す。
【0024】
【表1】 (注)反応成績の計算方法:ビフェニル転化率=100
−生成物中のビフェニル濃度(mol%) モノ体生成率= ジ体生成率= p,p′−選択率= p,p′−収率=(ビフェニル転化率)×(ジ体生成
率)×(p,p′−選択率)×1/1000 表1に示す結果から、水和モルデナイト触媒を使用し且
つ水の存在下に反応を行なう本発明方法の優れた効果が
明らかである。
−生成物中のビフェニル濃度(mol%) モノ体生成率= ジ体生成率= p,p′−選択率= p,p′−収率=(ビフェニル転化率)×(ジ体生成
率)×(p,p′−選択率)×1/1000 表1に示す結果から、水和モルデナイト触媒を使用し且
つ水の存在下に反応を行なう本発明方法の優れた効果が
明らかである。
【0025】
【実施例3】攪拌機付きの内容積1リットル、耐圧50
kg/cm2のステンレススチール製オートクレーブに
ベンゾチオフェン40ppmを含むビフェニル300g
および実施例1と同様にして調製した水和H型モルデナ
イト触媒を仕込み、攪拌しつつ250℃まで昇温した
後、オートクレーブの気相部にプロピレン7リットル/
hrおよび水1.2g/hrを連続的に仕込んだ。気相
部の圧力は、保圧弁により4kg/cm2に保持すると
ともに、過剰のガスは、保圧弁から排気した。また、反
応中の液相のサンプリングを行なうために、サンプリン
グラインを設け、反応液をキャピラリーガスクロマトグ
ラフ分析計により分析した。
kg/cm2のステンレススチール製オートクレーブに
ベンゾチオフェン40ppmを含むビフェニル300g
および実施例1と同様にして調製した水和H型モルデナ
イト触媒を仕込み、攪拌しつつ250℃まで昇温した
後、オートクレーブの気相部にプロピレン7リットル/
hrおよび水1.2g/hrを連続的に仕込んだ。気相
部の圧力は、保圧弁により4kg/cm2に保持すると
ともに、過剰のガスは、保圧弁から排気した。また、反
応中の液相のサンプリングを行なうために、サンプリン
グラインを設け、反応液をキャピラリーガスクロマトグ
ラフ分析計により分析した。
【0026】時間の経過にともなう反応情況の変化を表
2に示す。
2に示す。
【0027】下記に示す比較例5との対比から、本発明
の優れた効果が明らかである。
の優れた効果が明らかである。
【0028】
【比較例5】反応中に水を供給しない以外は実施例3と
同様にして、ビフェニルのイソプロピル化反応を行なっ
た。
同様にして、ビフェニルのイソプロピル化反応を行なっ
た。
【0029】結果を表3に示す。
【0030】
【表2】
【0031】
【表3】
【0032】
【参考例1〜2】実施例1で得られた反応生成物を常圧
蒸留して、ジイソプロピルビフェニル留分を得た。得ら
れた留分のp,p′−率を第2表に示す。該留分のp,
p′−率は、反応生成物中のp,p′−選択率にほぼ等
しい。
蒸留して、ジイソプロピルビフェニル留分を得た。得ら
れた留分のp,p′−率を第2表に示す。該留分のp,
p′−率は、反応生成物中のp,p′−選択率にほぼ等
しい。
【0033】得られたジイソプロピルビフェニル留分を
64℃に保持した恒温槽に入れ、1000kg/cm2
・Gの圧力を加えた後、200kg/cm2・Gとなる
までゆっくりと降圧しつつ、槽内の液を除去した。
64℃に保持した恒温槽に入れ、1000kg/cm2
・Gの圧力を加えた後、200kg/cm2・Gとなる
までゆっくりと降圧しつつ、槽内の液を除去した。
【0034】槽内の残留物としての白色結晶の4,4′
−ジイソプロピルビフェニルをガスクロマトグラフィー
により分析し、その純度を確認した。結果を参考例1と
して第2表に示す。
−ジイソプロピルビフェニルをガスクロマトグラフィー
により分析し、その純度を確認した。結果を参考例1と
して第2表に示す。
【0035】なお、比較として、p,p′−率が66%
である反応生成物を上記と同様にして、処理した場合の
結果を参考例2として併せて表4に示す。
である反応生成物を上記と同様にして、処理した場合の
結果を参考例2として併せて表4に示す。
【0036】
【表4】 表4に示す結果から明らかに様に、本発明方法により得
られたp,p′−選択性の高いジイソプロピル留分から
は、一段の圧力晶析処理により、93%という精製純度
の4,4′−ジイソプロピルビフェニルが38%という
高精製収率で得られていることが明らかである。
られたp,p′−選択性の高いジイソプロピル留分から
は、一段の圧力晶析処理により、93%という精製純度
の4,4′−ジイソプロピルビフェニルが38%という
高精製収率で得られていることが明らかである。
【0037】これに対し、p,p′−選択性が低い場合
には、4,4′−ジイソプロピルビフェニルの純度が低
く、収率も低い。
には、4,4′−ジイソプロピルビフェニルの純度が低
く、収率も低い。
【0038】このことから、本発明によりp,p′−選
択性の高いジイソプロピル留分を得る場合には、これか
ら精製純度の高い4,4′−ジイソプロピルビフェニル
が、高精製収率で得られることが明らかである。
択性の高いジイソプロピル留分を得る場合には、これか
ら精製純度の高い4,4′−ジイソプロピルビフェニル
が、高精製収率で得られることが明らかである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柿原 直道 大阪市中央区平野町四丁目1番2号 大阪 瓦斯株式会社内
Claims (1)
- 【請求項1】SiO2/Al2O3のモル比が15以上
である水和H型モルデナイトゼオライト触媒またはH型
モルデナイトゼオライト触媒をPtによりイオン交換を
行なった水和モルデナイトゼオライト触媒の存在下且つ
水の存在下に、硫黄含有量1%以下のビフェニルまたは
ビフェニルとイソプロピルビフェニルとの混合物とプロ
ピレンとを反応させることを特徴とする4,4′−ジイ
ソプロピルビフェニルの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2413596A JPH05213783A (ja) | 1989-12-05 | 1990-12-05 | 4,4′−ジイソプロピルビフェニルの製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31681389 | 1989-12-05 | ||
JP1-316813 | 1989-12-05 | ||
JP2413596A JPH05213783A (ja) | 1989-12-05 | 1990-12-05 | 4,4′−ジイソプロピルビフェニルの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05213783A true JPH05213783A (ja) | 1993-08-24 |
Family
ID=26568812
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2413596A Pending JPH05213783A (ja) | 1989-12-05 | 1990-12-05 | 4,4′−ジイソプロピルビフェニルの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05213783A (ja) |
-
1990
- 1990-12-05 JP JP2413596A patent/JPH05213783A/ja active Pending
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