JPH05213697A - 多結晶質シリコンの製造に使用するガラス質炭素被覆グラファイトチャックおよびその製造方法 - Google Patents

多結晶質シリコンの製造に使用するガラス質炭素被覆グラファイトチャックおよびその製造方法

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JPH05213697A
JPH05213697A JP4230585A JP23058592A JPH05213697A JP H05213697 A JPH05213697 A JP H05213697A JP 4230585 A JP4230585 A JP 4230585A JP 23058592 A JP23058592 A JP 23058592A JP H05213697 A JPH05213697 A JP H05213697A
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carbon
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JP4230585A
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Irwin Charles Lewis
アーウィン、チャールズ、ルイス
Terrence A Pirro
テレンス、アンソニー、ピロ
Douglas J Miller
ダグラス、ジェー、ミラー
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Ucar Carbon Technology Corp
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    • C30B15/00Single-crystal growth by pulling from a melt, e.g. Czochralski method
    • C30B15/10Crucibles or containers for supporting the melt
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 特に、グラファイトチャックを使用した時に
製造工程中に多結晶質シリコン棒に取り込まれることが
ある炭素汚染物の量を低減、またはなくす。 【構成】 スターターフィラメント16上にシリコンが
堆積する様に、気体状のケイ素化合物を熱的に分解する
加熱されたスターターフィラメントを支持するためのグ
ラファイトチャック10であって、炭素を含まない多結
晶質シリコンを製造できる様に、そのグラファイトチャ
ックが、熱硬化性有機樹脂から形成されたガラス質炭素
の外側被覆層12を備え、その被覆層により、グラファ
イトチャック内部と、気体状ケイ素化合物の分解工程か
ら生じた副生成物との反応が防止される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、気体状ケイ素化合物の
熱分解による、本質的に炭素を含まない多結晶質シリコ
ンの製造に関する。より詳しくは、本発明は、熱硬化性
有機樹脂から形成されたガラス質炭素の、水素に対して
不透過性の外層を有するグラファイトチャックに関し、
そのチャックが、気体状ケイ素化合物を熱分解する加熱
されたスターターフィラメントを支持するので、グラフ
ァイトチャックから炭素汚染されることなく、スタータ
ーフィラメント上にシリコンを堆積させることができ
る。また、本発明は被覆チャックの製造方法にも関す
る。
【0002】
【従来の技術】多結晶質棒は主として、半導体工業向け
のシリコン結晶成長物をフロートゾーン溶融法またはチ
ョクラルスキー結晶引上げ技術により製造するための前
駆物質として使用される。次いで、これらのシリコン結
晶成長物または棒を処理してシリコンウエハーを形成
し、そこから電子工業で使用するためのシリコンチップ
を製造する。
【0003】一般的に、多結晶質シリコン棒は、好まし
くはシリコン種棒から、あるいはタングステンやタンタ
ルの様な良好な導電性を有する高融点金属から造った棒
状の、赤熱したスターターフィラメント上で、シランや
クロロシラン(例えば、トリクロロシラン)の様な気体
状ケイ素化合物を熱分解させることにより製造される。
シランおよびクロロシランを熱分解させるための現状技
術による反応器の設計原理は、例えば、米国特許第3,
147,141号明細書、同4,147,814号明細
書および同4,150,168号明細書に記載されてい
る。一般的に、クロロシランを熱分解する時に副生成物
として形成される塩化物により引き起こされる問題を避
けるために、多結晶質シリコン棒は、シランの熱分解に
より製造するのがより望ましい。
【0004】シリコンおよび水素を形成するシラン、ま
たはHCl、SiHCl2 等の塩素含有化合物ならびに
水素を生じるクロロシランの熱分解は、一連の加熱され
た、一般的にシリコン棒であるフィラメントからなる、
冷却された表面によって取り囲まれた反応器中で行われ
る。一般的に、フィラメントは、電流を通すことによっ
て加熱される。この方法は、常温におけるシリコンフィ
ラメントで開始する。
【0005】多結晶質シリコンは、赤熱したシリコンフ
ィラメント棒上でシラン、クロロシランまたはそれらの
混合物を不均一に分解させることにより製造される。こ
の反応により、シリコンが棒の表面上に堆積し、シリコ
ンがシランの分解により形成される場合は水素が、ある
いはシリコン供給源がクロロシランである場合は水素ガ
スと他の塩素含有副生成物が放出される。多結晶質シリ
コンの製造における主目的の一つは、できるだけ純粋な
シリコン棒を製造することである。僅かな量の汚染物で
も、この前駆物質である多結晶質シリコンから最終的に
製造されるシリコンチップの性能に重大な影響を及ぼ
す。多結晶質シリコンを製造するための先行技術は、炭
素を始めとする各種の汚染物による問題があった。
【0006】本発明は、特に、グラファイトチャックを
使用した時に製造工程中に多結晶質シリコン棒に取り込
まれることがある炭素汚染物の量を低減、またはなくす
ことを目的としている。
【0007】上に述べた様に、シリコンの供給源として
使用する気体状シリコン化合物は、加熱されたスタータ
ーフィラメントにより熱的に分解される。通常、シリコ
ン種棒からなるこのフィラメントは、一般的に、その中
を通る電流により加熱される。したがって、フィラメン
ト上に堆積していく、成長するポリシリコン棒を収容
し、同時にその中を電流を通すことができる様にするた
めに、このフィラメントは、所定の位置にしっかりと支
持されなければならない。一般的に、先行技術では、こ
れらの目的の両方を達成するために通常グラファイトチ
ャックが使用されている。グラファイトチャックは、そ
の上にスターターフィラメントを固く取り付けることが
できる様に造られている。チャックは、要求される電流
に必要な電力を供給する電極上に取り付けることがで
き、最も重要なことは、電極からフィラメントに電流を
通すことができる様に、チャックが導電性であることで
ある。
【0008】1989年12月26日出願の米国特許出
願第456,730号および1990年6月27日出願
の米国特許出願第544,611号は、グラファイトチ
ャックがポリシリコン製品における炭素汚染物の供給源
であることを開示している。特に、シランやクロロシラ
ンなどの気体状ケイ素化合物の熱分解の結果、副生成物
として形成される水素が実際にグラファイト、すなわち
炭素、と反応してメタンを形成することを記載してい
る。このメタンは、加熱されたシリコン棒と接触すると
分解して炭素およびさらに追加の水素を形成する。ポリ
シリコンの中に汚染物として入り込むのはこの炭素であ
る。米国特許出願第456,730号は、スターターフ
ィラメント上で気体状ケイ素化合物を熱分解することに
よる多結晶質シリコン棒の製造において、細長いスター
ターフィラメントを取り付けるのに好適なグラファイト
チャックを開示しているが、そのグラファイトチャック
は、炭化ケイ素、多結晶質ケイ素、タンタル、チタン、
タングステン、窒化ケイ素、酸化ケイ素、モリブデンお
よびそれらの組合わせからなるグループから選択された
材料の、水素不透過性外側被覆層を有する。
【0009】米国特許出願第544,611号は、スタ
ーターフィラメント上で気体状ケイ素化合物を熱分解す
ることによる多結晶質シリコン棒の製造において、細長
いスターターフィラメントを取り付けるのに好適なグラ
ファイトチャックを開示しているが、そのグラファイト
チャックは、熱分解グラファイトの外側被覆層を有す
る。
【0010】熱分解炭素または炭化ケイ素を使用してグ
ラファイトチャックを被覆することにより、この炭素汚
染物の問題は最少に抑えられることが分かっているが、
これらの被覆は、蒸着法を使用して施されるので、経費
がかかり、制御が困難であり、非常に大型のチャックに
は実用的でない。
【0011】シランまたはクロロシランの熱分解による
多結晶質シリコンの製造に無関係な先行技術では、グラ
ファイト製品を各種の材料で被覆している。例えば、ハ
リス氏所有の米国特許第3,406,044号は、シリ
コンウエハーをエピタキシャルシリコン炉中で表面処理
できることを教示している。シリコンウエハーをエピタ
キシャルシリコン炉のグラファイト加熱素子形成部分の
上に置き、次いで加熱する。ハリス氏は、これらのグラ
ファイト加熱素子がかなり多孔質であり、高温にさらし
た時に大量のガスを放出することを教示している。ハリ
ス氏はさらに、このガスがシリコンウエハーと反応する
ことが多く、表面の欠陥を引き起こすことを開示してい
る。ここで、グラファイト材料からその様なガスが逃げ
るのを防止するために、グラファイト上にシリコンの第
一層を施し、次いで炭化ケイ素の第二層を施す。
【0012】チャンドラー氏等所有の米国特許第4,6
21,017号では、グラファイト製品に炭化ケイ素被
覆を施し、次いでその被覆をリン酸アルミニウムで処理
することにより、そのリン酸アルミニウムがグラファイ
トならびに炭化ケイ素被覆の両方にしみ込む。その様な
塗装の目的は、耐腐食性および耐摩耗性のグラファイト
製品を得ることであり、その製品は、酸化の形の腐食な
らびに高温流体の流れによる摩耗の両方に対して著しい
耐性を得ることができる。
【0013】
【発明の解決すべき課題】本発明の目的は、本質的に炭
素を含まないポリシリコン棒を製造できる様に、チャッ
ク内の炭素と、気体状ケイ素化合物の熱分解により生じ
る水素副生成物との反応を防止する、ガラス質炭素層で
被覆したグラファイトチャックを提供することである。
本発明の別の目的は、本質的に炭素を含まないポリシリ
コン棒の製造に使用できる、ガラス質炭素被覆したグラ
ファイトチャックを製造するための方法を提供すること
である。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、スターターフ
ィラメント上で気体状ケイ素化合物を熱分解することに
よる多結晶質シリコン棒の製造における、細長いスター
ターフィラメントを取り付けるのに適したグラファイト
チャックであって、熱硬化性有機樹脂から形成された、
水素に対して不透過性のガラス質炭素の外層を有するグ
ラファイトチャックに関する。また、本発明は、ガラス
質炭素被覆したグラファイトチャックの製造方法であっ
て、(a)一端に細長いスターターフィラメントを取り
付けるのに適した第一の開口部を有する炭素チャックを
製造する工程、(b)該炭素チャック上に非グラファイ
ト化性の有機熱硬化性樹脂の層を堆積させる工程、およ
び(c)被覆した炭素チャックを、樹脂を熱硬化させる
のに十分な温度で十分な時間加熱し、次いで不活性ガス
雰囲気またはハロゲンガス雰囲気中で500℃以上に加
熱することにより熱硬化性樹脂をガラス質炭素に変換す
る工程からなる方法にも関する。
【0015】用途により、チャックは、樹脂の外層を堆
積させる前にグラファイトチャックであってもよいし、
あるいは外層を堆積させる前は炭素チャックであり、そ
のチャック上に外層を堆積させた後、チャックをグラフ
ァイト化し、さらに樹脂をガラス質炭素に変換する温度
に加熱することにより、グラファイト化される炭素チャ
ックであってもよい。ある種の用途では、望ましい被覆
厚を得るために、熱硬化性樹脂の、2つ以上の別の層を
グラファイトチャックに塗布することもできる。次い
で、このガラス質炭素被覆したグラファイトチャック
は、該被覆グラファイトチャック上にスターターフィラ
メントを取り付けること、次いで該スターターフィラメ
ントを加熱すること、該加熱されたスターターフィラメ
ント上で気体状ケイ素化合物を熱分解すること、その加
熱されたスターターフィラメントを、気体状ケイ素化合
物を分解し、多結晶質シリコンを形成し、該加熱された
スターターフィラメント上に堆積させるのに十分な温度
に維持することからなる、本質的に炭素を含まない多結
晶質シリコンを製造するための方法に使用できる。ある
種の気体状ケイ素化合物は、副生成物の水素を生じる
が、ガラス質炭素外層は、この副生成物の水素がチャッ
クのグラファイトと反応してメタンを形成し、このメタ
ンが分解して堆積した多結晶質シリコン上に炭素として
混入するのを防止する。
【0016】ここで使用する様に、ガラス質炭素は、一
体化した非グラファイト化性炭素で、構造および物理特
性の等方性が非常に高く、気体および液体に対する透過
性が非常に低い。ガラス質炭素は、疑似ガラス質の外観
をも有する。ガラス質炭素は、合成または天然樹脂の様
な、非グラファイト化炭素を含む熱硬化性樹脂から形成
することができる。熱硬化性樹脂は、加熱により硬化
し、再度加熱しても軟化しない樹脂である。本発明で使
用するのに好適な樹脂のグループは、フェノール樹脂、
ウレタン樹脂、およびフルフラールおよびフルフリルア
ルコールの重合体である。好ましいフェノール樹脂は、
フェノール−ホルムアルデヒドおよびレゾルシノール−
ホルムアルデヒドである。フルフラールまたはフルフリ
ルアルコールに由来するフラン系重合体も本発明におけ
る使用に好適である。樹脂系は、約20%を超える炭素
収量を与え、粘度が約200〜300 cpsであるのが好
ましい。フェノール樹脂のフルフラールおよびフルフリ
ルアルコール溶液に加えて、フルフラールまたはフルフ
リルアルコールだけを触媒と共に使用することもでき
る。例えば、フルフラールと酸触媒の溶液をグラファイ
トチャックの上に塗布し、次いで硬化させ、炭化させる
ことができる。
【0017】本発明の樹脂被覆は、炭素チャックの通常
のグラファイト化の際に樹脂被覆が炭化し得るので、別
個の加熱処理工程を必要としない。樹脂被覆は、塗布、
スプレー、浸漬、浸透、等の通常の方法により施すこと
ができる。被覆の一様性および厚さを正確に調整できる
様にするために、樹脂を樹脂溶液からグラファイトチャ
ック上に直接塗布することができる。ほとんどの用途に
は、ガラス質炭素層の厚さは、約0.5ミル〜25ミ
ル、好ましくは約1ミル〜10ミルである。樹脂を熱硬
化させるための温度は、グラファイトチャックに塗布す
る樹脂により異なる。ほとんどの用途には、100〜3
00℃の温度で1〜10時間加熱することができる。樹
脂を熱硬化させた後、チャックを再被覆して層全体の厚
さを増し、それによって堆積層の一様性を高くすること
ができる。次いで、塗布されたチャックをさらに加熱し
て熱硬化性樹脂をガラス質炭素に変換する。熱硬化性樹
脂をガラス質炭素に変換するための熱処理は、被覆層お
よびチャック基材の組成に応じて、500℃〜約300
0℃が好ましい。グラファイト化していない炭素チャッ
ク上に被覆する場合、被覆された炭素チャックを250
0℃以上に熱処理し、炭素チャックを導電性のグラファ
イトチャックに変換する必要がある。被覆層は、非グラ
ファイト化性炭素樹脂であるので、グラファイトに変換
されることはない。チャックがグラファイトチャックで
ある場合、熱硬化性樹脂は、500℃から2000℃に
加熱して樹脂をガラス質炭素に変換するのが最も好まし
い。炭素被覆したグラファイトチャックは、ハロゲンガ
ス雰囲気中で約1400℃〜1800℃の温度で処理す
ることによりさらに精製することができる。有機樹脂を
使用することによって得られる利点は、炭化ケイ素被覆
したグラファイトチャックと異なり、被覆したグラファ
イトチャックがすべて炭素になることである。これによ
って、チャックの導電性が比較的高くなることである。
【0018】グラファイトチャックの外表面に施された
ガラス質炭素被覆は、シリコン結晶成長工程の反応生成
物または副生成物のグラファイトチャック中への拡散を
防ぎ、チャックからシリコン製品中へのグラファイトの
混入を本質的に防止する。その上、外側保護層として施
されたガラス質炭素被覆は、水素がチャック内部のグラ
ファイトと接触し、それと反応するのを本質的に阻止す
る。また、ガラス質炭素被覆は、グラファイトチャック
中の剥がれ、傷、その他の欠陥から保護する。上記の様
に、グラファイトチャックに2つ以上の被覆を施し、ガ
ラス質炭素の望ましい層を堆積させることができる。ガ
ラス質炭素は、比較的良好な導体であるので、外側のガ
ラス質炭素層は、グラファイトチャックを完全に覆う様
に塗布するのが好ましい。
【0019】グラファイトチャックの構造または設計
は、本発明にとってそれ程重要ではない。一般的に、グ
ラファイトチャックは、その名称が示す様に、スタータ
ーフィラメントを所定の位置に固く保持でき、電極上に
設置できるものでなければならない。
【0020】
【実施例】以下に、本発明を実施例に基づいて説明す
る。図1に、ガラス質炭素層12を備えたグラファイト
チャック10を示す。グラファイトチャック10は一般
的に、スターターフィラメント16を取り付けるための
切溝14を備えている。フィラメント16と切溝14と
の間の隙間は、フィラメント16を導入するには十分で
あるが、そのフィラメントに適合し、それを固く保持で
きる必要がある。一般的に、チャックの底部は、熱分解
工程のための電力を供給する電極18上に設置できる様
にするための手段を備える。一般的に、グラファイトチ
ャック10は、電極18上にグラファイトチャック10
を設置するための、切溝20を備えている。
【0021】図1に示す型のグラファイトチャックを真
空乾燥させ、次いで50%の、液体レゾールフェノール
樹脂のフルフラール溶液中に浸漬した。その溶液の特性
は、比重=1.20 粘度=20 cps(22℃) 変性MCC=27.2%であった。この溶液にグラファ
イトチャックを約30分間浸漬してから取り出し、空気
中で液を切って乾燥させ、次いで紙タオル上に置いた。
乾燥後、重量増加、つまり被覆溶液からチャック上への
堆積分は、53%であった。次いで、このチャックをア
ルゴン中、150℃で1時間硬化させた。硬化中に被覆
の約50%が揮発したので、最終的な重量増加つまり堆
積物は、2.3%であった。最初の浸漬と同じ手順で2
回目の浸漬を行った。2回目の浸漬後の、被覆による重
量増加は、2.8%であった。150℃で硬化させた
後、被覆の重量増加は、さらに1.2%になった。
【0022】この被覆をアルゴン中、250℃で1時間
加熱した。最終的な被覆による重量増加は、3.4%で
あった。このチャックは、H2 O浸漬により立証される
様に多孔質ではない、すなわち、気泡の発生はない。こ
の被覆したチャックの250℃硬化後の最終密度は、
1.63g/ccであった。次いで、この被覆したチャック
を、窒素雰囲気中、毎時250℃の速度で1600℃に
加熱して熱処理し、最終段階で塩素ガスを加え、精製お
よび灰分除去を行った。この精製したグラファイトチャ
ックは、10ppm 未満の灰分を含んでいた。
【0023】このガラス質炭素被覆したグラファイトチ
ャックは、スターターフィラメント上で気体状ケイ素化
合物の熱分解による多結晶質シリコン棒の製造におい
て、スターターフィラメントを取り付けるのに使用でき
た。
【0024】試験で、この被覆チャックを使用してシリ
コンを製造したが、その製造されたシリコンを、同等
の、ただし被覆していないチャックから製造されたシリ
コンと比較したところ、炭素汚染が5分の1以下である
ことが分かった。
【0025】本発明を多くの詳細部に関連して説明した
が、これらの詳細部は、本発明の範囲を制限するもので
はない。
【図面の簡単な説明】
【図1】スターターフィラメントを取り付け、電極上に
設置した、本発明により製造したグラファイトチャック
の断面図である。
【符号の説明】
10 グラファイトチャック 12 ガラス質炭素層 14 切溝 16 スターターフィラメント 18 電極 20 切溝
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 テレンス、アンソニー、ピロ アメリカ合衆国オハイオ州、クリーブラン ド、ウェスト、ワンハンドレッド、アン ド、イレブンス、ストリート、3169 (72)発明者 ダグラス、ジェー、ミラー アメリカ合衆国オハイオ州、ノース、オル ムステッド、ノリーン、ドライブ、24209

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スターターフィラメント上で気体状ケイ素
    化合物を熱分解することによる多結晶質シリコン棒の製
    造における、細長いスターターフィラメントを取り付け
    るのに適したグラファイトチャックであって、前記グラ
    ファイトチャックが、熱硬化性有機樹脂から形成された
    ガラス質炭素の外層を有することを特徴とする、グラフ
    ァイトチャック。
  2. 【請求項2】熱硬化性有機樹脂が、フェノール樹脂、ウ
    レタン樹脂、フルフラールおよびフルフリルアルコール
    の重合体からなるグループから選択されることを特徴と
    する、請求項1に記載のグラファイトチャック。
  3. 【請求項3】熱硬化性有機樹脂がフェノール樹脂である
    ことを特徴とする、請求項2に記載のグラファイトチャ
    ック。
  4. 【請求項4】ガラス質炭素の外層の厚さが約0.5ミル
    〜約25ミルであることを特徴とする、請求項1に記載
    のグラファイトチャック。
  5. 【請求項5】ガラス質炭素の外層がグラファイトチャッ
    クの外表面を完全に覆っていることを特徴とする、請求
    項1に記載のグラファイトチャック。
  6. 【請求項6】ガラス質炭素被覆した炭素チャックの製造
    方法であって、(a)一端に細長いスターターフィラメ
    ントを取り付けるのに適した第一の開口部を有する炭素
    チャックを製造する工程、(b)前記チャック上に非グ
    ラファイト化性の有機熱硬化性樹脂の層を堆積させる工
    程、および(c)被覆した炭素チャックを、樹脂を熱硬
    化させるのに十分な温度で十分な時間加熱し、次いで不
    活性ガス雰囲気またはハロゲン含有雰囲気中で加熱する
    ことにより熱硬化性樹脂をガラス質炭素に変換する工
    程、の各工程からなることを特徴とする製造方法。
  7. 【請求項7】工程(a)で、炭素チャックがグラファイ
    トチャックであることを特徴とする、請求項6に記載の
    方法。
  8. 【請求項8】工程(c)の後で、被覆された炭素チャッ
    クをさらに加熱して炭素チャックをグラファイト化し、
    ガラス質炭素の外層で被覆されたグラファイトチャック
    を製造することを特徴とする、請求項6に記載の方法。
  9. 【請求項9】工程(b)および工程(c)を少なくとも
    1回繰り返すことを特徴とする、請求項6に記載の方
    法。
  10. 【請求項10】工程(a)で、炭素チャックがグラファ
    イトチャックであることを特徴とする、請求項9に記載
    の方法。
  11. 【請求項11】最終工程(c)の後で、被覆された炭素
    チャックをさらに加熱して炭素チャックをグラファイト
    化し、ガラス質炭素の外層で被覆されたグラファイトチ
    ャックを製造することを特徴とする、請求項9に記載の
    方法。
  12. 【請求項12】工程(b)で、非グラファイト化性の有
    機熱硬化性樹脂が、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、フ
    ルフラールおよびフルフリルアルコールの重合体からな
    るグループから選択された少なくとも一つの樹脂である
    ことを特徴とする、請求項7に記載の方法。
  13. 【請求項13】堆積したガラス質炭素の層の厚さが約
    0.5ミル〜約25ミルであることを特徴とする、請求
    項6に記載の方法。
  14. 【請求項14】工程(b)で、非グラファイト化性有機
    熱硬化性樹脂がフェノール樹脂であることを特徴とす
    る、請求項13に記載の方法。
  15. 【請求項15】(e)被覆したグラファイトチャックの
    前記第一開口部中にスターターフィラメントを取り付け
    る工程、および(f)前記スターターフィラメントを加
    熱し、前記加熱されたスターターフィラメント上で気体
    状ケイ素化合物を熱分解させ、一方、その加熱されたス
    ターターフィラメントを、気体状ケイ素化合物を分解
    し、多結晶質シリコンを形成し、前記加熱されたスター
    ターフィラメント上に堆積させるのに十分な温度に維持
    し、副生成物を生じ、前記ガラス質炭素外層が、この副
    生成物がグラファイトチャックの内部に拡散し、チャッ
    クのグラファイトと反応し、多結晶質シリコンの汚染物
    となる生成物を形成するのを防止する工程、を追加する
    ことを特徴とする、請求項7に記載の方法。
  16. 【請求項16】副生成物が水素であり、ガラス質炭素外
    層が、この水素がチャックのグラファイト部分と反応し
    てメタンを形成し、このメタンが炭素に分解し、堆積し
    た多結晶質シリコンを汚染するのを防止することを特徴
    とする、請求項15に記載の方法。
  17. 【請求項17】気体状ケイ素化合物が、シラン、クロロ
    シランおよびそれらの混合物からなるグループから選択
    されることを特徴とする、請求項16に記載の方法。
  18. 【請求項18】(e)被覆したグラファイトチャックの
    前記第一開口部中にスターターフィラメントを取り付け
    る工程、および(f)前記スターターフィラメントを加
    熱し、前記加熱されたスターターフィラメント上で気体
    状ケイ素化合物を熱分解させ、一方、その加熱されたス
    ターターフィラメントを、気体状ケイ素化合物を分解
    し、多結晶質シリコンを形成し、前記加熱されたスター
    ターフィラメント上に堆積させるのに十分な温度に維持
    し、副生成物を生じ、前記ガラス質炭素外層が、この副
    生成物がグラファイトチャックの内部に拡散し、チャッ
    クのグラファイトと反応し、多結晶質シリコンの汚染物
    となる生成物を形成するのを防止する工程、を追加する
    ことを特徴とする、請求項8に記載の方法。
  19. 【請求項19】副生成物が水素であり、ガラス質炭素外
    層が、この水素がチャックのグラファイト部分と反応し
    てメタンを形成し、このメタンが炭素に分解し、堆積し
    た多結晶質シリコンを汚染するのを防止することを特徴
    とする、請求項18に記載の方法。
  20. 【請求項20】気体状ケイ素化合物が、シラン、クロロ
    シランおよびそれらの混合物からなるグループから選択
    されることを特徴とする、請求項19に記載の方法。
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